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働きの準備をされる人の子イエス

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働きの準備をされる人の子イエス
主日集会 2016.1.31
働きの準備をされる人の子イエス
みんしゆう
ルカ福音書3:21-38
う
う
いの
3:21 さて、民 衆 がみなバプテスマを受けていたころ、
イエスもバプテスマをお受けになり、そして祈
てん
ひら
っておられると、天が開け、
せいれい
はと
かたち
じ ぶん
うえ
くだ
らん
てん
こえ
3:22 聖霊が、鳩のような
形
をして、
自分の上に下られるのをご覧になった。また、
天から声がした。
あい
こ
よろこ
「あなたは、わたしの愛する子、わたしはあなたを
喜 ぶ。
」
おし
はじ
さい
ひと びと
こ
おも
3:23 教えを始められたとき、イエスはおよそ三十歳で、人々からヨセフの子と思われていた。この
こ
じゆん じ
ヨセフは、ヘリの子、 順 次さかのぼって、
3:24 マタテの子、レビの子、メルキの子、ヤンナイの子、ヨセフの子、
3:25 マタテヤの子、アモスの子、ナホムの子、エスリの子、ナンガイの子、
3:26 マハテの子、マタテヤの子、シメイの子、ヨセクの子、ヨダの子、
3:27 ヨハナンの子、レサの子、ゾロバベルの子、サラテルの子、ネリの子、
3:28 メルキの子、アデイの子、コサムの子、エルマダムの子、エルの子、
3:29 ヨシュアの子、エリエゼルの子、ヨリムの子、マタテの子、レビの子、
3:30 シメオンの子、ユダの子、ヨセフの子、ヨナムの子、エリヤキムの子、
3:31 メレヤの子、メナの子、マタタの子、ナタンの子、ダビデの子、
3:32 エッサイの子、オベデの子、ボアズの子、サラの子、ナアソンの子、
3:33 アミナダブの子、アデミンの子、アルニの子、エスロンの子、パレスの子、ユダの子、
3:34 ヤコブの子、イサクの子、アブラハムの子、テラの子、ナホルの子、
3:35 セルグの子、レウの子、ペレグの子、エベルの子、サラの子、
3:36 カイナンの子、アルパクサデの子、セムの子、ノアの子、ラメクの子、
3:37 メトセラの子、エノクの子、ヤレデの子、マハラレルの子、カイナンの子、
3:38 エノスの子、セツの子、アダムの子、このアダムは神の子である。
【祈りながら考えよう】
(1)罪のないお方が、なぜ「悔い改めのバプテスマ」をヨハネから受ける必要がありましたか。
(2)ルカ福音書で繰り返し、イエスが「祈られた」と記されているのはなぜですか。
(3)ルカ福音書のイエスの系図によれば、メシヤとしての預言をすべて成就していると言えますか。
【解
説】
(1)さて、民衆がみなバプテスマを受けていたころ、イエスもバプテスマをお受けになり、そして祈
っておられると、天が開け、聖霊が、鳩のような形をして、自分の上に下られるのをご覧になった。
また、天から声がした。「あなたは、わたしの愛する子、わたしはあなたを喜ぶ。」(21-22節)
ヨハネが舞台から退くにつれて、主イエスがひときわ目立たれるようになる。主は、およそ30歳の時に、ヨルダ
ン川で「バプテスマをお受けに」なることによって公生涯の働きを始められた。
主が受けられたバプテスマに関するこの記事には、興味深い点がいくつかある。
①ここには「イエス」(21節)、「聖霊」(22節)、父なる神(22節)と、(三位一体の神)が見いだされる。
②主イエスがバプテスマをお受けになって祈られたことは、ルカだけが記録している(21節)。これは、父なる神
に常に頼る「人の子」としてのキリストを描こうとしたルカの目的と一致している。主の祈りの生活は、この福
音書のおもなテーマの1つである。主はその公生涯の最初に祈られた。
有名になり、群衆がご自分のあとについて来るようになった時も祈られた(5:16)。12弟子を選ばれたのは、
祈りながら一夜を明かされた後のことだった(6:12)。また、「主の教えが頂点に達した」ピリポ・カイザリヤで
の出来事の前に祈られた(9:18)。変貌の山の上でも祈られた(9:29)。
主は弟子たちの前でも祈られ、それがきっかけとなって祈りについて教えられた(11:1)。やがて主を否定する
ことになるペテロのために祈られた(22:32)。そして、ゲッセマネの園で祈られた(22:41,44)。さらに十字架の
上でも祈られた(23:34,46)。
③人の子としての祈りの必要
主イエスは神の御子なのだから、祈る必要などはないのではないかと考えられないこともない。しかしそうで
はない。主イエスが、
「そこで、イエスは彼らに答えて言われた。
「まことに、まことに、あなたがたに告げます。
子は、父がしておられることを見て行う以外には、自分からは何事も行うことができません。父がなさることは
何でも、子も同様に行うのです。」(ヨハネ5:19)と言われたのは、具体的には祈りによってそれがなされている
ということである。神の御子であるイエス・キリストでさえ、祈らなければ、父なる神の御心を知ることはでき
なかったのであるから、ましてや私たちキリスト者が祈りなしに何かができると考えたら、それは全くの錯覚で
あると言わざるを得ない。
-1-
④神はご自分の愛する御子の働きに関して3度(天から)公に語られたが、イエスのバプテスマの場面はそのうち
の1つである。神は30年間、主がナザレで完璧な人生を送られたことをご覧になり、ここで「わたしはあなたを
喜ぶ」と評価された。御父が天から公に語られたあと2つの場面は、ペテロが変貌の山の上で3つの幕屋を作る
ように 提案した時と(ルカ9:35)、ギリシャ人がピリポのところに来て、イエスにお目にかかりたいと言った時
だった(ヨハネ12:20-28)。
人の性質を持つことによる働きの準備
(2)23教えを始められたとき、イエスはおよそ三十歳で、人々からヨセフの子と思われていた。
このヨセフは、ヘリの子、順次さかのぼって、24 マタテの子、レビの子、メルキの子、ヤンナイの
子、ヨセフの子、25 マタテヤの子、アモスの子、ナホムの子、エスリの子、ナンガイの子、
26 マハテの子、マタテヤの子、シメイの子、ヨセクの子、ヨダの子、27 ヨハナンの子、レサの子、
ゾロバベルの子、サラテルの子、ネリの子、28 メルキの子、アデイの子、コサムの子、エルマダム
の子、エルの子、29 ヨシュアの子、エリエゼルの子、ヨリムの子、マタテの子、レビの子、
30 シメオンの子、ユダの子、ヨセフの子、ヨナムの子、エリヤキムの子、31 メレヤの子、メナの
子、マタタの子、ナタンの子、ダビデの子、32 エッサイの子、オベデの子、ボアズの子、サラの子、
ナアソンの子、33 アミナダブの子、アデミンの子、アルニの子、エスロンの子、パレスの子、ユダ
の子、34 ヤコブの子、イサクの子、アブラハムの子、テラの子、ナホルの子、35 セルグの子、
レウの子、ペレグの子、エベルの子、サラの子、36 カイナンの子、アルパクサデの子、セムの子、
ノアの子、ラメクの子、37 メトセラの子、エノクの子、ヤレデの子、マハラレルの子、カイナンの
子、38 エノスの子、セツの子、アダムの子、このアダムは神の子である。(23-38節)
ルカは主の公生涯を取り上げる前に、いったん話を中断して、主の系図を記している。もしイエスが本当に人で
あるなら、「アダム」の子孫でなければならない。この系図は母方のもの(マリヤの系図)であると多くの聖書学者
......
たちは解釈している。23節に「イエスは……ヨセフの子と思われていた」と記されていることに注目すべきである。
もしこの見方が正しいのなら、「ヘリ」(23節)はマリヤの父であり、ヨセフの義父だったことになる。
【この系図が主の母方のものであるとする理由】
①最も明らかな理由は、ヨセフの系図がマタイの福音書(1:2-16)に記されているということである。
②ルカの福音書の最初のほうでは、マリヤのほうがヨセフよりも多く登場するが、マタイの福音書では逆になって
いる。
③ユダヤ人の間では、系図に女性の名前が記されないのが普通だった。これでマリヤの名前がない理由がわかるだ
ろう。
④マタイの福音書の1章16節には、「ヤコブに……ヨセフが生まれた」とはっきり書かれているが、ルカの福音書
には、「ヘリにヨセフが生まれた」と記されていない。ヨセフがヘリの子であると記されている。ここでは義理の
息子を意味していると思われる。
⑤原語では、どの名前の前にも、定冠詞(ギリシャ語 tou/タウ)が所有格(属格)で出てくるが、ひとりだけ例外
がある。そのひとりとは23節のヨセフのことである。このように特別扱いされていることから、「ヨセフの名前
が含まれているのは、彼がマリヤと結婚していたからだ」と考えるのが妥当である。
Luke 3:23 Kai. auvto.j h=n VIhsou/j avrco,menoj w`sei evtw/n tria,konta( w'n ui`o,j( w`j evnomi,zeto( VIwsh.f
.
And himself was
Jesus
beginninig
about
years
thirty,
being
son
as
was supposed,
Luke 3:24 tou/ Maqqa.t tou/ Leui. tou/ Melci. tou/ VIannai. tou/ VIwsh.f
-
of Matthat,
-
of Levi,
-
of Melchi,
-
of Jannai,
-
cf Joseph,
of Joseph,
tou/
-
VHli.
of Heli,
(ギリシャ語-英語・行間訳)
【この系図の重要な点】
①このリストは、マリヤが「ダビデ」の子孫であることを示している(ダビデの子の「ナタン」を通して。31節)。
マタイの福音書では、イエスは法的な王位継承権をソロモンを通して受け継いでいる。
神はダビデの王座がとこしえに続くことをダビデに約束されたが、主はヨセフの法的な息子としてその契約を
成し遂げられた。しかし、イエスがヨセフの実の息子であることはあり得なかった。もしそうだとしたら、神が
エコニヤ(マタイ1:12/エレミヤ書22章では「エコヌヤ」と発音)に下されたのろいのもとに置かれることになるからである。この邪
悪な王の子孫が栄えることはないと、神は告げられたからである。「主はこう仰せられる。「この人(エコニヤ)
を『子を残さず、一生栄えない男』と記録せよ。彼の子孫のうちひとりも、ダビデの王座に着いて、栄え、再び
ユダを治める者はいないからだ。」(エレミヤ22:30)。
神はダビデに「その子孫はいつまでもその王座に就く」とも約束されたが、イエスは今度はマリヤの実の息子
としてその契約を成し遂げられた。主はナタンを通してダビデの子孫となられたため、エコニヤに対するのろい
のもとにはなかったのである。
②「アダムは神の子」と呼ばれている(38節)。これは、アダムが神によって創造されたことを意味しているにす
ぎない。
③マタイ福音書の系図に比べると、ルカ福音書はアブラハムで終わらずアダムにまで行っている。ルカがここで言
いたかったことは、主イエスはアブラハムの子孫であるユダヤ人だけの救い主なのではなく、全人類の救い主で
あるということである。
-2-
主日集会 2016.1.31
《参考資料》
【ダビデの子たち】
【メシヤはユダ族より出現する】
創世記49章10節
「王権はユダを離れず、統治者の杖はその足の間を離れることはない。ついにはシロが来て、国々の民は彼
に従う。」
こには実に驚嘆すべき預言がある。
「統治者の杖」とは「統治者としてのメシヤ」を意味し、
「シロ」とは「平
和の君メシヤ」を意味する。この預言は、イエス・キリストにおいて成就される。
イエス・キリストの誕生とその生涯、死と復活は、すべて預言の成就である。ヘブル書7章14節には「私た
し し
ちの主が、ユダ族から出られたことは明らかです…」とあり、黙示録5章5節には「ユダ族から出た獅子」と
ね かぶ
わかえだ
称され、イザヤ書11章1~2節には「エッサイの根株から新芽が生え、その根から若枝が出て実を結ぶ。その
上に、主の霊がとどまる。」と預言されている。そしてそこからダビデが生まれるが、メシヤであるイエス・
キリストはこのユダ族のダビデ王の子孫から出現する。
ところが、メシヤはダビデの子であるソロモンの系列ではなく、ソロモンの弟であるナタンの系列から出現
するのである。Ⅰ歴代誌3章17節に「エコヌヤ(マタイ福音書ではエコニヤ)」という名前がある。別名、エ
ホヤキンのことであるが、彼はソロモン系列にある王である。エレミヤ書22章30節に、ユダの王エコヌヤに
ついて次のように預言されている。
さか
「主はこう仰せられる。「この人(エコヌヤ)を『子を残さず、一生栄えない男』と記録せよ。彼の子孫のう
さか
ちひとりも、ダビデの王座に着いて、栄え、再びユダを治める者はいないからだ。」
ヘブロンで生まれたダビデの子は次のとおりである。
①長子はイズレエル人アヒノアムによるアムノン 。
②次男はカルメル人アビガイルによるダニエル。
③三男はゲシュルの王タルマイの娘マアカの子アブシャロム 。
④四男はハギテの子アドニヤ。
⑤五男はアビタルによるシェファテヤ。
⑥六男は彼の妻エグラによるイテレアム。六人の子がヘブロンで彼に生まれた。
ダビデはそこで七年六か月治め、エルサレムで33年治めた。エルサレムで彼に生まれた者は次のとおりで
ある。
⑦シムア、⑧ショバブ、⑨ナタン、 ⑩ソロモン。この4人はアミエルの娘バテ・シェバによる子である。
⑪イブハル、⑫エリシャマ、⑬エリフェレテ、 ⑭ノガハ、⑮ネフェグ、⑯ヤフィア、⑰エリシャマ、
⑱エルヤダ、⑲エリフェレテの九人。
みなダビデの子であるが、別にそばめたちの子もあり、タマルは彼らの姉妹であった。」(Ⅰ歴代誌3:1-9)
ユダ族の獅子、ダビデを基する系図の中でイエス・キリストにつながるのは、ヨセフではなく、母マリヤの
さかのぼ
系列ということになる。母マリヤの系図を 遡 って行くと、ダビデに行く着く前に、ナタンの名前がある。
ユダヤにおいては女性の先祖の系図は重要視されていなかったために、ユダヤ人たちに対しては、父方の系
図が重要視されるが、異邦人であるルカは母方の系図のルーツにダビデを見出している。
【イエス・キリストの系図】
か こうてき
そ
周知の通り、マタイの福音書に見られる下降的系図(マタイ1:1-17)と、ルカの福音書に記録されている溯
きゆうてき
及 的系図(ルカ3:23-38)とは、多くの点で相違が見られる。
ダビデ
マタイはアブラハムから始めているが、ルカはアダムまで、いや神にまでさかのぼっている。アブラハムか
らダビデまでは、両系図に共通しているが、ダビデからヨセフに至るまでは、サラテルとゾロバベルとを除け
ば、全く一致した名前は出てこない。系図に出てくる人数については、アダムからテラを除外して数えても、
ルカの方がマタイより14人も多く記載している。
これらの相違をどう見るか。マタイ福音書の系図はヨセフの、ルカ福音書の系図はマリヤの祖先を記した系
......
図との考え方が有力である。ルカは「イエスは…ヨセフの子と思われていた」と書いている(ルカ3:23)。
(マタイ福音書の系図とルカ福音書の系図の比較)
ダビデーソロモンーレハブアムーアビヤーアサーヨサパテーヨラムーウジヤーヨタムーアハズーヒゼキヤー
マナセーアモンーヨシヤーエコニヤーサレテルーゾロバベルーアビウデーエリヤキムーアゾルーサドクー
アキムーエリウデーエレアザルーマタンーヤコブーヨセフ(マリヤの夫)
聖霊によって
(×)
マリヤ(ヘリの娘)
ソロモン-…-エコニヤ-…-ヤコブ-ヨセフ(マリヤの夫)
神-アダム…アブラハム…ダビデ
ナ タ ン ソロモン
…イエス
(新聖書辞典/いのちのことば社より)
ヨセフ(ヘリの義理の息子)
ナタン-…………………………-ヘリ- マリヤ(ヘリの娘)
…イエス
聖霊によって
-3-
-4-
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