...

発達障害者支援のための地域啓発プログラムの開発

by user

on
Category: Documents
13

views

Report

Comments

Transcript

発達障害者支援のための地域啓発プログラムの開発
発達障害者支援のための
地域啓発プロプラグの開発
自閉症や知的障害の発達障害のある人の
地域社会におけるセーフティネット構築
と医療受診支援
堀江まゆみ(白梅学園大学)
■研究手法
z 理解啓発・権利擁護ニーズ
z
↓
z 実態把握・課題調査(データ)
z
↓
z◆ソーシャルアクションをどう進めるか◆
z①アドボケイター(代弁者)の養成
z②理解啓発プログラム・グッズ・パンフ開発
z
↓
z マーケットリサーチ法による効果測定
z
■研究・ソーシャルアクションとして
理解啓発・権利擁護ニーズに関する班
z→法的支援
社会的トラブルの予防と救済
z
z
z
z
z
性被害・加害の予防と救済
消費者被害の予防と救済
法廷における障害者の証言の信用性研究
発達障害に関する「判例百選」研究
z→医療的支援(報告)
z→地域におけるセーフティネット構築
1 地域で安全に暮らすことへの支援
ー安全のためのセーフティネット構築
z
z
z
z
z
z
ー 権利擁護という視点から
ー 犯罪被害・危機支援を考える
- 暮らしにくさ・社会的トラブル
の予防から
今、何が起きているのか!!
児童・こども
障害児者
いじめ、虐待、
自殺、引きこもり、
登校拒否、
様々な権利の
いじめ、虐待、引きこもり、
侵害
登校拒否、働く事での差別、
消費者被害、所得保障が
十分なされていない中の
福祉サービスの自己負担
情報提供の不足
地域で住む権利
高齢者
虐待、消費者被害、地域で住む
権利、他様々な権利侵害、
介護施設で、認知症高齢者
グループホームで、
在宅で
◆調査;知的障害のある人の消費者被害は
増えているのか?
z国民生活センター(2003年3月)
z 「知的障害者、精神障害者、痴呆性高齢者
の消費者被害と権利擁護に関する調査研究」
z調査方法
全国消費生活情報ネットワーク・システム(Pio-Net)
知的障害者、精神障害者、痴呆性高齢者が契約当事者で
ある相談 22,081件(1997.4.1~2003.1.31)
◆ 1997年~2001年で被害2.6倍増加
z 相談全数では1.6倍
z 知的障害者等の相談件
数
z
z
z
1997年度 2,082件
2001年度 5,336件
2.6倍(女性2.8、男性2.3)
◆結果/消費者被害およびトラブルの特徴?
その他(金銭トラブル)
z 金銭トラブル
金銭
電話料超過(32)
z サラ金
多重債務(59)
被
害
類
型
その他(消費者被害)
携帯電話料金超過
ダイレクト(15)
キャッチ(36)
z 消費者被害
通信販売(12)
電話勧誘(16)
訪問販売
展示販売(24)
訪問販売(50)
(事例数)
0
20
40
60
80
100
120
140
160
訪問 展示 電話 通信 キャッ ダイレ その他 多重 電話 その他
販売 販売 勧誘 販売 チ(3 クト(1 (消費 債務 料超 (金銭
(50) (24) (16) (12) 6)
5)
者被 (59) 過(3 トラブ
事例数
103
47
32
27
54
25
73
152
図1 知的障害のある人の消費者被害特徴
71
60
;布団、宝石、浄水器
キャッチセールス
展示販売
◆<発生;交渉・闘う相>
被害の解決・救済はどうしたか?
◇消費者被害
電話料超過
クーリングオフ
多重債務
無条件解約
任意整理
キャッチ
自己破産
展示販売
訴訟
他
訪問販売
0%
20%
40%
60%
80%
図 3 消費者被害の解決方法
100%
・解約が半数
・自己破産の ケー
スも少なくない(図
中赤)
・消費生活センター
への相談が多い
◇サラ金、携帯電話
料金
・任意整理
・自己破産
・生活支援ワーカー
が単独で交渉し
解決した事例も多
い
◆<日常;日常生活支援・予防の相>
被害を繰り返すリピーターとは?
29人
z 1~3年間で
1~3人が被
害、支援した
z リピーター
23人
16人
実 13人
人
12人
数
/ 11人
1 10人
事 8人
業 7人
所 6人
あ 5人
た
4人
り
繰返し◎
繰返し○
繰返しなし
;繰り返し被害にあ
い、複数回、救済
が必要だった人が
ほとんどであった
。
3人
2人
1人
0
5
10
15
図2 事業所あたりの支援経験人数
20
25
事業所数(カ所)
◆<日常;日常生活支援・予防の相>
リピーターをどう考える?
z 被害の中には、不当に高額な商品の購買ではあるが
本人の嗜好において購入した例がある。
z
z 知的障害の彼らにとっては
だまされたという被害認識をもちにくいこと、
z
z あえて被害とは認めたくない
彼らのプライドをどう尊重するか。
z 「誰かがやってくれる」という依存的解決になってしまいがち。
z
z
z
z
<事例I>【絵画購入・サラ金】
・自分で好きな絵画を80万円で購入。被害と思っていない。
だまされたと言われるのが嫌だ。
z
結局、親が代わって払ってしまう。本人の意識がそだたない
。
◆消費生活トラブルー何を支援するのか?
支援の相(案;名川)
z2.障害のある人たちをトラブルから守るため
にー地域社会における安全ネット構築
z
z
―ソーシャル・アプローチを考える、
今、私たちに何ができるか
1)権利擁護の3層構造から
第1次権利擁護-セルフ・アドボカシィ
<自分自身で権利を守ること>
消費者被害、性被害加害ワークショップ
第2次権利擁護-インディビジュアル・
アドボカシィ
<個々の事例に対する権利擁護>
;親、兄弟、近所の方、上司、同僚、友人
・・・・身近な人による支援・解決
警察プロジェクト、医療、コンビニ、
第3次権利擁護-システム・アドボカ
シィ
<組織としての権利擁護>
;裁判、成年後見制度、
知的障害と模擬裁判(証言の問題)
千葉差別禁止法、
?
◆調査;身近な生活の中では。。。
どんな被害にあっているのか?
どんな暮らしにくさがあるのか?
◆
◆ 警察との関わりの中で
警察との関わりの中で
駅・バス・タクシー利用の中で
駅・バス・タクシー利用の中で
消防・救急かかりつけ医の問題の中で
消防・救急かかりつけ医の問題の中で
◇コンビニ・商店街との関わりの中で
◇コンビニ・商店街との関わりの中で
◆
◆ 消費生活問題の中で
消費生活問題の中で
質問紙調査(全国各地);①親調査
②福祉スタッフ(生活支援ワーカー)調査
③国民生活センター・相談員調査
2)第2次権利擁護をどう進めるか
-インディビジュアル・アドボカシィ
<個々の事例に対する権利擁護>
交通機関との
安全ネット
障害者に理解ある駅員
バス運転手
タクシー運転手
警察・交番との
安全ネット
障害者に理解ある警察官
消費生活センター
との安全ネット
医療機関との
安全ネット
障害者に理解ある
かかりつけ医
消費生活センター
詐欺・悪質商法
消防・救急との
安全ネット
コンビニ・商店街との
安全ネット
障害者に親切な店・店長さん
障害者に理解ある
消防・救急隊
◆ 地域生活における【 安全ネット 】の構築
(k-pro、PA活動)
多くの犯罪被害-福祉だけでは守りきれない
z ・ 地域の社会資源と一緒になって問題解決へ
z ・ 地域の安全のキーパーソンに知的障害の特徴を
z
知ってもらい適切に実務に反映してもらうこと
z ・
・
安全のキーパーソンを
安全ネットに!
・ 地域の警察官・お巡りさん
・ 消防士
・ 弁護士-裁判官
・ 駅員-バスの運転手…etc
・ まずは、各地の
親-福祉関係者-教職員が
セイフティつながりを!
警察プロジェクトとは・・・
・ 知的障害や自閉性障害のある人は、
障害のない人より被害にあう確率が高い。
・ 障害の特性から、警察にかかわることも多い。
・ 刑事訴訟手続などの手続きにおいて
不利益を被ることも少なくない。
そこで・・・
警察官に知的障害について
正しく理解してもらおう!
◆調査;警察との関わりの中で
全日本手をつなぐ育成会
権利擁護委員会アンケート2001.6月実施
「知的障害者と警察との関わり」調査
表 どんなときに警察と関わりましたか?
事案の類型
回答数
いじめがあったとき
1
迷子・行方不明で捜索願いを出したとき 24
不審者の疑いをかけられたとき
13
被害を受けたとき
8
加害の疑いをかけられたとき
8
<62回答のうち該当する事例>計
54 事例
2009/3/16
事例;
近所の子にいじめをうけた
家からいなくなった5.帰宅が遅い3,迷子14,その他2
電車をみていたら/ふらふらと歩いていたら/話し掛けたら
ストーカー・痴漢4、金銭搾取・盗難3、その他1
車を無断で移動したら/女性にちょっかいをだした/その他
いじめ
2%
加害
15%
被害
15%
不審者
24%
捜索願
44%
<警察プロジェクト>
「知的障害のある人を理解するために」
z ハンドブックの作成と配
布
-知
的障害者への適切な対
応を!
-地域の交番・おまわり
さんまで -2001年12月
、2万6千部を配布
z 警察と一緒の勉強会・意
見交換会
-顔の見える人と人のつ
ながり
-親・福祉・教育関係者
と警察が 連携できること
は?
<けいさつにわかってもらおう・警察プロジェクト>
けいさつにわかってもらおう・警察プロジェクト>
沖縄県警
千葉道警
北海道警
警察官の勉強会で使いたいので
2000部印刷したい
奈良県警
フーちゃんケイちゃん
東京・警視庁
大阪府警察
県議会で代表質問
„育成会会長が講師
„
2002年度はふれあい交流会(警官と知的
障害のある人が一緒に関わりながら)
„
神奈川警察
埼玉県警
育成会会長が講師
警視庁警察学校にて講義(2002年度)
-警察官新任研修中の授業として
三重県警
-1200人対象
茨城県警
ほくとくん
■警察プロジェクトインディビジュアル・アドボカシィ
<個々の事例に対する権利擁護>身近な人による支援・解決
z .地域の警察署の
z
生活安全課担当者との勉強会や情報交換を!
z 地元地域ではどんな被害が多いのか?
z
z
z
被害から守るためにはどんなこと必要?
捜索願・被害届はどこの誰に?被害調査に同席できるか?
地域でできること?親でできること?
■警察プロジェクト セルフ・アドボカシィ
<自分で自分を守る>
本人と警察官とのワークショップ!
引ったくりにあわないために
痴漢にあわないために
消費者被害にあわないために・・・・
北海道警察旭川署
大阪府警松原署、枚方署
警視庁 板橋区2署、足立区4署、
八王子署、ほか
千葉県警市川署、、
z
◆ 3.本人向けのワークショップ
警察と知的障害にある本人との情報交流
ー大阪府警 松原署(ふれあい交流講座)
z 受講後の感想(福祉関係者);
知的障害のある本人が日
常的に警察官と接することは、安心感・信頼感を持ってもら
う上で大切。
結果 知的障害のある人に対する警察官「勉強会」
結果 知的障害のある人に対する警察官「勉強会」
■警察プロジェクト システムアドボカシー
仕組みの中へ 警察学校等で
「知的障害を理解するために」講座が開かれる
z 新人研修、現任研修の1講座に!
z 奈良県警(2002年度から継続講座)
z 神奈川県藤沢警察署(2002年)、
千葉県警(2003年度、2004年度)
z 茨城県警(2004年度)
z 受講後の感想;
以前、知的障害者の事件で調書を
取るのに3時間かかったことがあ
る。だんだん威圧的になっていた
と思う。今回コミュニケーション
の取り方を学んだ(2003.7NHKラジオで放送)
◆埼玉ネット
育成会と
埼玉県警で
事件解決へ!
・13年前の保険金殺人放火事件
・被害者は知的障害のある夫婦
・目撃証言が警察に信用されなかった
・結局、13年間、<犯人>のもとで
暮らさざるを得なかった
◇知ってますか?
熊谷・保険金
放火殺人事件
逮捕・起訴
「おはよう日本」を見た
熊谷警察署刑事がtel
証言
その後の生活支援
まさに警察と支援者の連携
コンビニプロジェクトとは・・・
・ 知的障害や自閉性障害のある人は、
コンビニを利用することが多い
・ 交番は夜間人がいないことも多いが、
コンビニは24時間営業で、明るい
⇒セーフティステーション構想
そこで、
コンビニの店員に知的障害について
正しく理解してもらおう!
ぽっぽやプロジェクトとは・・・
知的障害のある人には、電車やバスが好きな人が
たくさんいます。
流れる景色、かっこいい車体。通学、通勤、そして
遊びにいくときも、電車やバスはとても便利な乗り物
です。
でも今の世の中は危険がいっぱい。まして、知的障
害のある人には、わからないことがたくさんあります。
そこで、
交通機関で働く人々に
知的障害について正しく理解してもらおう!
33
■ 消費者被害
プロジェクト
だまされやすい度テスト
z
z
z
z
Q1
Q2
Q3
Q4
優しい言葉や親切にされると弱い
何事もひとりで決める
もうけ話が好き すぐに信用してしまう
頼まれると断るのが苦手
「はい」は、いくつありましたか?
z
z
z
z
「はい」が1つの人
「はい」が2つの人
「はい」が3つの人
「はい」が4つの人
◆<日常;日常生活支援・予防の相>
本人とともに消費生活ワークショップ
z【予防の視点】
z
→被害救済的視点
;被害が起こることを
想定し事前的予防的
にアプローチする。
;リスクマネジメント
;消費生活ワークショッ
プ
→日常の消費生活支援
としての視点
日常生活における本
人の金銭感覚・生活
感覚の形成と支援
;せめぎ合い・
つかず離れずの支援
◆セルフアドボカシー
消費者被害を予防するために
狛江・安全ネットワーク企画@第1回親子勉強会「消費生活講座」
狛江市手をつなぐ親の会/狛江福祉作業所/狛江第二福祉作業所○主催
z 消費生活ワークショップ
を各地で開催
z 主催は各地の安全ネッ
ト(親・支援者が中心のゆ
るやかな権利擁護ネット)
z 地域の安全キーパソン
を巻き込みながら実施
z WS対象は本人や親
狛江市/狛江市社会福祉協議会○後援
うまい話にご用心
ことわる勇気をもちましょう!
悪質なセールスの被害にあうことが増えています。
どんなことに注意したらよいでしょうか。
親子で学びましょう。
狛江市消費生活相談員
徳永ヒサ子さんの
お話と寸劇とビデオ
暮らしの知恵をお届けします。
知的障害者と
その家族のた
めの
日時:2 月25日(火)10 時から 12 時まで
場所:あいとぴあセンター4階講座室
無料・定員 60 名
☆問合せ・参加希望の方は下記までお知らせください。
笠松=TEL&FAX 03-3488-3472
橋本=TEL&FAX 03-3430-2021
◆消費WSのプログラム例
z 【プログラム1】
z
z
被害認識の共有・自己覚知
だまされる!ことってあるんだよ
消費者被害事例のロールプレイ
ex.訪問販売(布団購入)
キャッチセールス(チケット販売)
【プログラム2】
解決方法があることを知る
断る!いりません!
被害に遭わないために
(本人参加のロールプレイ)
勧誘を断る、家に入れない、契約書にサインしない、
クーリングオフのはがきを書いてみよう
【プログラム3】
自分で守る 困ったら誰に相談する?
どんなことで困っている?
本人を中心に日常のトラブル経験について意見交換
◆<日常;日常生活支援・予防の相>
WSの予防的意味と今後の課題<1>
z【本人に向けて】
1.単なるスキル学習ではなく、消費者被害経験を
自己および他者と共有する場
←cf.アパート、夫婦、浄水器のレンタル
2.被害を相談し、泣き寝入りを防ぐ機会に
3.自己覚知(だまされることの認識等)
4.最終的にはセルフアドボカシィ
5.ピアカウンセリングの活用と有効性
◆<日常;日常生活支援・予防の相>
WSの予防的意味と今後の課題<2>
z 【親・支援者】
1.消費者被害の実態/解決方法を知る機会に
(本人は親や支援者に被害を言わない傾向がある)
(被害にあっても泣き寝入りをしない/円滑な解決に)
2.当事者として地域社会に向け問題提起をして
いく機会に(障害者だから仕方ないではない)
【地域に向けて】
1.円滑な被害救済のため関係機関の連携を模索
2.被害の起こりにくい地域をめざして
◇WS準備の過程で、地域の関係機関を巻き込んでいく
取り組み(PAひき;埼玉)
・1市8町エリア内の全てのGH(17ヶ所)の
居住者に説明、近隣の警察、消費センターと連携
◆ワークショップ例
zぽっぽやプロジェクト
JR駅員、私鉄駅員向けの障害理解WS
z一般市民向けws
安全ネット(親支援者)が市民講座等で実施
地元警察とともに開催
z小学生向け障害理解ws
キャラバン隊(親たち)、ピカチュウ王国
z養護学校進路指導ws
性被害ws、消費者被害ws
■医療受診支援プロジェクト
第1次権利擁護-セルフ・アドボカシィ
<自分自身で権利を守ること>
特別支援学校における本人向けの
医療受診ワークショップ の実施をめざして
第2次権利擁護-インディビジュアル・
アドボカシィ
<個々の事例に対する権利擁護>
街のかかりつけ医の発達障害理解と
医療受診支援のためのシステム作り
第3次権利擁護-システム・アドボカ
シィ
<組織としての権利擁護>
特別支援学校教員、
医学部・看護学部のカリキュラム検討
医療において差別されないシステム構築
1.自閉症児者から医療への要望
第8回千葉県自閉症に関する実態意識調査‘99
大屋より引用
全体
%
31歳以上
%
医療と療育機関,学校,福祉との連携
65
37
専門家を専属配置した療育センターの設置
59
47
一般の疾病に対して受入れ病院の充実
51
58
自閉症原因の解明
48
21
自閉症児者のための歯科診療の充実
39
47
成人自閉症の健康管理の指導
34
63
児童精神科の設置及び専門医の育成
33
21
思春期の行動障害への対応の充実
32
5
病院・医療情報の充実と公開
31
32
2.差別に当たると思われる事例の募集
千葉県における差別をなくすための取り組み 2004.9.16-12.28大屋より
教育
医療
サービス提供
労働
建築物・交通アクセス
福祉
不動産の取得・利用
呼称
他
合計
213
86
77
73
38
37
25
11
769
差別の類型
障害者差別をなくすための研究会中間報告(千葉県)
大屋より引用
z不利益取り扱い
障害を理由として他の人と異なる取り扱いを
すること。
z合理的配慮の欠如
実質的な平等を確保するために必要な配慮
を欠くこと。
「合理的配慮」という概念そのもの「当然必要である」という
国民の共通認識が必要
健康問題を考える上での4つの側面
「不平等な命」 有馬正高
大屋より引用
①脳障害をきたした原因が他の器官や組織にも
働いて障害を与える場合(染色体異常など)。
②脳の障害が知的機能以外の脳機能にも障害
をもたらしている場合(てんかんなど)。
③日常の生活習慣の影響により一般の人にも
発生する健康問題が高率に起こる場合(肥満、
肝機能障害など)。
④訴えが少ないための発見の遅れや医療機関
の不慣れなための治療の遅れなどにより、重
度になりやすい場合(虫垂炎など)。
4.受診者向けアンケート
堀江班医療プロジェクト
調査対象
発達障害児者本人及び家族。
1541名
知的障害の人が約8割
受診して困った内容(親が回答)
堀江班医療プロジェクト
診察・検査・治療ができない
パニックになった
暴れた
症状が伝えられない
落ち着かない・多動
体を触らせない
指示に従えない
待ち時間を待てない
66
42
29
29
28
28
25
20
大声・奇声を出す
怖がる・不安が大きい
診察室から出て行く
いすに座らない
診察室に入らない
他の人をたたく
物をこわした
他の人に話しかける
合計
17
10
6
4
3
2
2
1
312
受診して困った割合
堀江班医療プロジェクト
%
1 歯科
66
7 外科
41
2 耳鼻いんこう科
62
8 泌尿器科
36
3 小児科
52
9 整形外科
35
4 眼科
49
10 精神科
32
5 内科
47
11 皮膚科
20
6 脳神経外科
43
5.千葉県健康福祉部のアンケート調査
千葉県医師会/歯科医師会 まとめ1
4)自閉症・知的障害・精神障害者の診療経験
74/76%
8)困ったこと
訴えが分からない 64/58%
暴れた 35/43%
検査できない 39/35%
触らせない 37/32%
9)診療できた 54/50% 出来ない 2/5%
両方 24/45% 無回答 24/1%
11)断らざるを得ない場合がある 53/83%
千葉県健康福祉部のアンケート調査
千葉県医師会/歯科医師会 まとめ2
13)診療には何が必要か
介助者 66/66%
事前に障害について説明 54/65%
付き添いからの症状の説明 61/60%
「何回も通うつもりで」
16)自閉症・知的障害・精神障害の特性について
理解している 77・82・76% / 75・79・71%
17)研修会は必要か 81/82%
18)内容は 具体的事例
19)受診支援手帳への希望
病歴、コミュニケーション、嫌いなこと、薬・・・
6.現代日本における医療機関を
取り巻く困難な状況
z 時間や精神的な余裕のなさ
z 手間のかかる患者さんに対する医療制度上の配
慮の欠如
z 福祉制度の不十分さ
z 患者さんからの理不尽な要求の増加
z 一部のマスコミによる不正確な情報
z 厳しい状況の中で医療関係者も対応に苦労して
いる。
7.医療場面で問題となる自閉症の特徴
1)ことばを聞いて理解するのが苦手
2)イメージが持てない
3)診療行為の意味や目的がわからない
4)見通しが持てない
5)感覚の問題
6)嫌な経験が残る
7)落ち着きのなさや衝動性、気の散りやすさ
8)自閉症スペクトラムの人の行動のとらえ方
8.良い対応の分類
分類
堀江班医療プロジェクト
良い対応、要望の内容
数
1 診療機会
診療機会への配慮
37
2 診療内容
診療の技量充分、結果がよい
35
3 診療態度
優しい態度、思いやりある態度
129
4 情報・知識
本人・発達障害の正しい知識親との協力
53
5 本人の尊重
無理をしない、本人のペースに合わせる
64
6 環境・感覚・こだわり
環境、感覚、こだわりへの配慮
待ち時間への配慮
107
7 説明、コミュニケーション
本人に合わせた充分な説明
相互のコミュニケーション
111
8 診療の工夫
診療行為の工夫
9 診療時間
診察時間が必要充分、余裕がある
34
その他
18
10 その他
合計
9
597
受診して困った診療科と良い対応・悪い対応
堀江班医療プロジェクト
順 受診科
困った件 困った率
数
*1
順
受診科
良い-
悪い
良/
悪+良
*2
1 歯科
148
66
1 歯科
81
73
2 耳鼻いんこう科
145
62
2 内科
22
67
3 小児科
109
52
3 小児科
10
53
4 眼科
93
49
4 皮膚科
9
68
5 内科
76
47
5 精神科
2
52
6 外科
65
41
6 泌尿器科
0
50
7 精神科
42
32
7 整形外科
0
50
8 整形外科
39
35
8 脳神経外科
-2
40
9 皮膚科
36
20
9 外科
-7
35
10 脳神経外科
15
43
10 眼科
-18
31
11 泌尿器科
10
36
11 耳鼻いんこう科
-29
32
患者の理解や納得を高めるための配慮・工夫
一般
障害等 合計
1 患者に接する態度
19
12
31
2 患者の立場に立つこと
38
9
47
3 説明内容
17
3
20
4 ゆっくり、繰り返し説明
38
13
51
2
3
5
6 わかりやすい話し言葉での説明
39
18
57
7 理解力や障害特性に応じた工夫
40
85
125
8 患者からの質問
25
2
27
6
1
7
10 病院内他職種の参加
7
0
7
11 家族、支援者の協力
4
47
51
12 病院外部者の参加
2
2
4
13 患者の権利の代行者
0
13
13
14 社会の啓発
1
0
1
238
208
446
5 環境への配慮
9 患者の選択
問題を解決するために
大屋より引用
①医療受診の支援と工夫
②医療受診支援システムの構築
仮説
「①と②は総合に密接に関係している。」
「①と②が充実することにより、
医療のバリアフリーが進歩する。」
「医療のバリアフリーはすべての人に役立つ」
■ 医療受診支援プロジェクト
第2次権利擁護-インディビジュアル・アドボカシィ
<個々の事例に対する権利擁護>
街のかかりつけ医の発達障害理解と
医療受診支援のためのシステム作り
■送付先
都道府県政令指定都市 障害福祉課、
病院担当部署、特別支援教育担当部署
都道府県 医師会、歯科医師会、看護協会
全国 発達障害者支援センター
全国 特別支援学校
大学医学部、大学歯学部、大学教育学部
都道府県 自閉症協会、手をつなぐ育成会
JDDネット、LD協会、アスペエルデの会、
エジソンクラブ、発達障害医療関係者
■配布数
2432か所
11644部
■ 医療受診支援プロジェクト
第1次権利擁護-セルフ・アドボカシィ
<自分自身で権利を守ること>
特別支援学校における本人向けの
医療受診ワークショップ の実施をめざして
検診・処置などを安心して受けるための
支援学校保健室からの支援
京都市立呉竹総合支援学校 平井 かよ子
全校生徒
自閉症
脳性麻痺
染色体異常
単一知的障害
その他
医療的ケア
153人
48人
36人
21人
34人
14人
(13人)
■実施予定
全国 発達障害者支援センター
全国 特別支援学校
健康診断について(担任・保護者との連携)
・検診予定(日時・場所・何をするか等)を配布して,担任や保護者にその子どもに合っ
た方法でスケジュールを知らせ見通しが持てる様にする。
・測定場所や,検診場所に連れて行き,練習して場所に慣れておく。
・保健室から,事前指導カードや,検診器具,検査器具「聴診器・鼻鏡・歯鏡」等を貸し
出しシュミレーションしておく。
・本人の好きな物「歌・本・ぬいぐるみなど」や落ち着ける物を準備する。
■ 医療受診支援プロジェクト
第1次権利擁護-セルフ・アドボカシィ
<自分自身で権利を守ること>
特別支援学校における本人向けの
医療受診ワークショップ の実施をめざして
■実施予定
全国 発達障害者支援センター
全国 特別支援学校
■ 医療受診支援プロジェクト
第3次権利擁護-システム・アドボカシィ
<組織としての権利擁護>
特別支援学校教員、
医学部・看護学部のカリキュラム検討
医療において差別されないシステム構築
■実施予定
都道府県 医師会、歯科医師会、看護協会
大学医学部、大学歯学部、大学教育学部
Fly UP