Comments
Description
Transcript
自転車競技解説
2016 ASIAN CYCLING CHAMPIONSHIPS in JAPAN 競技解説 [トラック・レース] ■ 1km(500m)タイム・トライアル ただひたすらタイムを求めて走り抜けるスピード種目。個々の完走タイムを計測し、 その優劣によって順位が決定される。1km タイム・トライアルの場合、 走行時間はお およそ 61秒∼ 63 秒ぐらい。時速にして 58km/h 前後になる。男子は 1kmで、女子 は 500mで行われる。 ■ スプリント ʞᆔႸ 2∼4名の 競 技者が 笛の 合 図とともにスタートし、先 着したものを勝 者とする レース。 人間のスプリント持続時間は長くても10 数秒間、距離にすると 200m 程度といわれ るが、フルパワーを発揮して疾走するシーンは迫力十分。さらに選手にとってやっか いなのは目に見えない風圧と呼ばれる空気の壁。先行か追い抜くかによって体力の 消耗度も違うが、ゴール手前 200mぐらいまでは仕掛けのタイミングをめぐって様々 な駆け引きが行われる。ゴール手前の爆発的なスプリント合戦と、それまでの様々 な駆け引きがこのレースの見どころだ。250mトラックの場合、予選は 3.5 周の最後 の 200m を計時、 本戦は 3 周で競われる。 ■ チーム・スプリント ʞᆔႸ 1チーム3名(女子は 2 名)で編成され、3周のタイムトライアルで競われるレース。 それぞれの選手が 1周回ずつ先頭を引いた後にチームから離れ、最後の1人がゴー ルしたときのタイム(男子は3周、女子は 2 周の完走タイム)の優劣によって勝敗が 決まる。ロケットが役目を果たし次々に切り離されていくように、段々人数が少なく なっていくが、スピードは衰えずに走りきる豪快さが魅力。競技場によって周長が異 なるため、 世界記録は 250mトラックのみ公認される。 ■ ケイリン ʞᆔႸ 日本で生まれて発展してきたのが 「競輪」 。 それが輸出され、 国際種目に採用された。 世界選手権はもちろん、オリンピックではシドニーから正式種目として採用された。 ペースメーカーは電動アシスト付き自転車等を使用する。ペースメーカーがスター ト時 30km/h、徐々に 50km/hまでペースアップしてフィニッシュ前 600m ∼ 700m で走路を離れる。先頭を走る選手の風圧によるハンディを解消するためにこのよう なスタートの方法が行われるがペースメーカーが退避するまでの間に、ベストポジ ションをキープするための駆け引きが激しく行われ、 最後の1周回で一気に勝負が決 まる。距離は 2000mで行われる。 ■ インディヴィデュアル・パーシュート ホーム・ストレッチとバック・ストレッチから相対する2名の選手が合図とともにス タートし、 お互い前にいる選手(対戦相手) を力の限りを尽くして追い抜くレース。 追いつかない場合は、所定の距離を完走し、その完走タイムの優劣によって勝敗が決 まる。男子エリート4km、女子エリート3km、男子ジュニア 3km、女子ジュニア 2km で行う。 ■ チーム・パーシュート ʞᆔႸ インディヴィデュアルパーシュートの団体版で、 4km を1チーム4名(男女共)で、 タイ ムを計測して優劣を競う。タイム計測は 3 番目の選手の前輪前端。個人パーシュー トと大きく違うところは、4名が空気抵抗による減速と疲労を避けるため、順番に先 頭を交代しながらレースを進めていくこと。団体種目ならではのチームワークが見 ものだ。なお、 4 名揃わないとスタートできない。 35 2016 ASIAN CYCLING CHAMPIONSHIPS in JAPAN ■ スクラッチ 定められた距離を走り、フィニッシュ順位を競う個人種目。中長距離の種目で、ひと ことで言えば、トラック競技場で行うロードレースと考えるとわかりやすい。2002 年からワールドカップ、 2003 年からは世界選手権種目とし採用されている。 距離は国際大会では原則、 男子エリートは決勝 15km・予選 10km、 女子エリートと男 子ジュニアは決勝 10km・予選 7.5km、女子ジュニアは 7.5km から 5km の距離で行 われる。時速 50km を超えるスピードでアタックが繰り返される。スピード感と迫 力あるレース展開がみどころだ。最終順位は獲得周回を考慮に入れて、最終スプリ ントにより決定する。 ■ ポイント・レース 20 名∼30 名の選手によって競う。成績はレース中に設けられている得点地点(2 ㎞に近い距離) で与えられる得点の合計で決められる。 (1位通過=5点、 2 位通過=3 点、 3位通過=2点、 4位通過=1点) その他、 周回UPした選手には20点が与えられる。 得点合計が同じ場合、ゴール時の着順で優劣をつける。なお、 250m 以下のトラック においては、 中間スプリントは 10 周ごとに行う。 ■ マディソン 名前の由来は、 マディソン・スクエア・ガーデンで人気種目であったことに端を発する。 この種目 はポイント・レースを2人1組で交代しながら行うもの。ポイント・レースの 迫力にプラスして、 マディソン・チェンジオーバーといわれるチームプレーの巧み な技 が十分に楽しめるレースだ。走路を上段と下段に分割して、下段はレースを展開して いるエリア、上段は休憩のためのエリアとし、自分たちのスピードを落 とさないよう に交代しながら得点やラップを重ねていく。また、交代するときのパートナーへの合 図やタッチの方法も楽しめるポイントだ。男子エリートでは 100 周 25km(250m の 場合) で競われる。 ■ オムニアム ʞᆔႸ オムニアムは陸上の十種競技の様に複数の種目で構成される競技で、 2 日間で 6 種目を走る。競技者は最初の5種目で与 えられたポイント (1位40点、 2位38点、 3位36点・ ・ ・) 合計をもってポイントレースをスタート。その得点にポイントレー スでの獲得得点を加減算し、最多ポイントの競技者が勝者となる。一人の競技者が短距離から持久系種目までこなすオム ニアムは、全てに優れた能力が求めらる。ロンドンからオリンピック種目で、種目 順も下記の通り決められており、スタートしなかった競技者は以後の種目に参加す ることはできない。 ①スクラッチ(男子エリート 15km、女子エリート 10km) ②個人パシュート(男子エリート 4km、女子エリート 3km) ③エリミネイション ④タイムトライアル(男子エリート 1km、女子エリート 500m) ⑤フライングラップ ⑥ポイントレース(男子エリート 40km、女子エリート 25km) [ロードレース] ■ 個人ロードレース ツール・ド・フランスなどで知られる一般道を使ったレース。全選手が一斉にスター トして、着順を競う。空気抵抗の存在があるため、単独で逃げるのは 相当の体力 を消耗するため、各チームや各国は組織プレーを展開して、そのコースを得意とする エースを勝たせるためにち密なプレーを見せ る。アトランタか ら、オリンピックにもツー ル・ド・フランスで活躍するトッププロも参加 するようになった。 ■ 個人タイムトライアル 各選手が1人ずつスタートし、 ゴールまでの所要時間を競う。集団で走るロード・レー スと違って、 個人の実力だけが試される種目だ。 36