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5.2 列車の走行に伴う騒音(鉄道騒音)
5.2 列車の走行に伴う騒音(鉄道騒音) 5.2.1 予測・評価の概要 列車の走行に伴う騒音の影響の予測・評価は、環境影響評価書(平成 11 年・平成 18 年)と同様 の手法で行うこととし、予測の概要は表 5.2.1、評価の概要は表 5.2.2 に示すとおりである。 表 5.2.1 鉄道騒音に関する予測の概要 影 響 要 因 列車の走行 予 測 の 概 要 予測項目 鉄道騒音 予測事項 等価騒音レベル(LAeq) 予測地点 6断面(№1∼6地点) 予測時期 事業計画路線完成後の供用最大時 予測方法 「大阪都市計画都市高速鉄道・東大阪都市計画都市高速鉄 道大阪外環状線(連続立体交差事業)に係る環境影響評価 書」(平成 11 年2月、大阪府)で適用した「在来鉄道騒音の 予測評価手法について」(騒音制御 Vol.20 №3 1996.6、 (社)日本騒音制御工学会)で示されている提案式 表 5.2.2 鉄道騒音に関する評価の概要 予測項目 鉄道騒音 評価の指針 評 価 の 概 要 環境への影響を最小限にと • 周辺環境への影響の低減措置等、環境保全対 どめるよう環境保全につい 策について明示し、環境影響を回避・低減す て配慮されていること。 るための配慮が適正であるかの評価を行う。 「在来鉄道の新設又は大規 模改良に際しての騒音対策 • 新線の指針である「等価騒音レベルとして昼 の指針」(平成7年 12 月 20 間は 60 デシベル以下、夜間は 55 デシベル以 日、環大一第 174 号環境庁大 下とすること」との対比を行う。 気保全局長通知)に適合する ものであること。 事業内容の変更に伴う環境 影響評価の範囲又は程度に • 鉄道騒音の等価騒音レベルについて、既往計 ついて、著しい差異がないこ 画案と本変更計画案との比較・検証を行う。 と。 −14− 5.2.2 予測方法 (1) 予測手順 騒音の予測の手順は図 5.2.1 に示すとおりで、予測地点ごとの断面構造、列車速度等を基に、先 ず1列車の走行時の騒音レベルの最大値(LAmax)を求め、さらに列車の通過時間から単発騒音暴露 レベル(LAE)を求めた。次に、評価時間帯の列車種別ごとの列車本数から等価騒音レベル(LAeq) を求めた。 騒音レベルの最大値を 求める予測モデル 事業計画 地域の状況 予測地点の選定 予測条件の設定 騒音レベルの最大値の予測 単発騒音暴露レベルの予測 列車本数 等価騒音レベルの予測 図 5.2.1 鉄道騒音の予測手順 (2) 予測モデル 在来鉄道の走行音に関する予測方法としては、東京大学石井教授(当時)らによって提案された 方法 1)(以下「石井らの方法」という)がこれまで一般に使用されてきた。しかし、石井らの方法 は、バラスト軌道の高架橋において発生する騒音レベルを予測するものであり、適用条件が低減さ れていた。 これに対し(財)鉄道総合技術研究所の森藤(当時)らによって在来鉄道騒音に関する最近の研究 結果を参照し、より広い条件で適用可能な騒音の予測手法が提案 2)された。 本事業では、地平部、盛土部、高架部等多様な状態が存在することから、広い条件での適用可能 な予測手法である森藤らの提案式を用いて予測することとした。 (注)1.「在来線高架鉄道からの騒音予測手法案について」(騒音制御 Vol.4 №2 1980.4、(社)日本騒音制 御工学会) 2.「在来鉄道騒音の予測評価手法について」(騒音制御 Vol.20 №3 1996.6 (社)日本騒音制御工学 会) −15− 在来鉄道の走行時の騒音は、種々の騒音が複合したものであり、森藤らの提案式はそれらの騒音 のうち、列車が走行するときの転動音、構造物音(コンクリート高架橋の床版振動から出る音)、 車両機器音(主電動機の冷却用ファン音、モータファン音)の3種類が主音源として、それぞれ計 算し、これらを合成してその地点の鉄道騒音を求めるものである。 なお、このモデルの適用条件は、次のとおりとなっている。 ① 列車は速度 50∼150 ㎞/h の範囲で定速走行している。 ② 受音点は軌道から 10∼100mの距離の範囲にある。 ③ 線路は平坦、直線であり、ロングレールが敷設されている。レール表面には目立った凸凹が ない。軌道は、バラスト軌道またはスラブ軌道である。 ④ 列車編成は極端に短くない。 ⑤ 対象列車は電車である。 ⑥ 車輪は通常の構造であり、路面には著しいフラットやコルゲーションがない。 (ア) 騒音レベルの最大値(LAmax)の計算 長さ l mの列車が速度V㎞/hで走行したときの騒音の予測式は、図 5.2.2 に示すとおり各変数を 定義すると式(5.2.1)∼(5.2.4)で表される。 遠隔軌道 近接軌道 S1 S1 a1 防音壁 S2 b1 高架橋 行路差δ=a1+b1−d1 (近接軌道) d1 d2 受音点 地面 S1:転動音、モーターファン音等の音源位置 S2:構造物音の音源位置 図 5.2.2 音源、受音点の配置、行路差(δ)の説明 −16− (ⅰ) 転動音 ⎛ (l/2d1 ) ⎛ l ⎞ ⎞⎟ ⎟⎟ +α1 +tan −1 ⎜⎜ LAmax (R)=PWLR−5−10 log 10 d1+10 log 10 ⎜ 2 ⎜1+(l/2d ) ⎝2d1 ⎠ ⎟⎠ 1 ⎝ ------------------------ (5.2.1) (R) :転動音の騒音レベル最大値(デシベル) ここで、LAmax PWLR :転動音の音源パワーレベル(デシベル) PWLR=PWL( (V/100) R 100)+30 log 10 スラブ軌道 :PWLR(100)=100∼105 デシベル バラスト軌道 :PWLR(100)= 95∼100 デシベル 鋼桁無道床 :類似箇所での実態調査結果(図 5.2.3 参照)より 次式のとおりとした。 PWLR=25 log 10 V+61 なお、実態調査結果には転動音と車両機器音が合成されたものと なっていることから、式のパワーレベルにはそれら2つの音が含ま れている。 d1 :列車走行軌道中心と受音点間の距離(m) l :列車長(m) V :列車速度(km/h) α1 :防音壁等による遮へい減衰量(デシベル) PWLR =25.42 log (V)+60.50 r=0.7903 図 5.2.3 列車速度と転動音の音源パワーレベルの相関(鋼桁無道床) −17− n=82 (ⅱ) 構造物音 ⎛ (l/2d2 ) ⎛ l +tan −1 ⎜⎜ LAmax (C)=PWLC−5−10 log 10 d2+10 log 10 ⎜ 2 ⎜1+(l/2d ) ⎝2d2 2 ⎝ ⎞ ⎞⎟ ⎟⎟ +ΔLC ⎠ ⎟⎠ ------------------------ (5.2.2) (C) :構造物音の騒音レベル最大値(デシベル) ここで、LAmax PWLC :構造物音の音源パワーレベル(デシベル) PWLC=PWL( (V/100) C 100)+20 log 10 高 架:PWLC(100)=83∼87 デシベル (コンクリート高架橋) トラス橋有道床:類似箇所での実態調査結果(図 5.2.4 参照)より 次式のとおりとした。 PWLC=13 log 10(V)+69 d2 ΔLC :構造物下面中央と受音点間の距離(m) :補正値(デシベル) r<4hの場合:ΔLC=0 r>4hの場合:ΔLC=−10 log 10 (r/4h) r:高架橋中央と受音点の水平距離(m) h:高架橋下面の地面からの高さ(m) PWLC =13.38 log (V)+68.96 r=0.4101 n=32 図 5.2.4 列車速度と構造物音の音源パワーレベルの相関(トラス橋有道床) −18− (ⅲ) 車両機器音 ⎛ (l/2d1 ) ⎛ l ⎞ ⎞⎟ ⎟⎟ +α1 +tan −1 ⎜⎜ LAmax (M)=PWLM−5−10 log 10 d1+10 log 10 ⎜ 2 ⎜1+(l/2d ) ⎝2d1 ⎠ ⎟⎠ 1 ⎝ ------------------------ (5.2.3) (M) :車両機器音の騒音レベル最大値(デシベル) ここで、LAmax PWLM :車両機器音の音源パワーレベル(デシベル) PWLM=60 log 10(nV/100)+10 log 10(l M /l)+β 外扇型モータの場合 スラブ軌道 :β=67 デシベル バラスト軌道:β=62 デシベル 内扇型モータの場合 スラブ軌道 :β=57 デシベル バラスト軌道:β=52 デシベル n :歯車比 l M :モータ搭載車両の長さの合計(m) :防音壁等による遮へい減衰量(デシベル) α1 (ⅳ) 防音壁等による遮へい減衰の評価法 防音壁やそのほかの構造物によって音の伝搬経路が遮断される場合の音の回折の効果は、山下・ 子安の計算図表を用いることによって求められる。ここでは、参考文献 1)に示されている簡便な方 法を採用する。 -20 α1(デシベル) -15 常磐線 綾 瀬 中央線 吉祥寺(Ⅰ) 常磐線 亀 有 中央線 吉祥寺(Ⅱ) 京王線 永 山 -10 - 5 0.001 -0.001 2 5 0.01 -0.01 2 5 0.1 -0.1 2 5 1.0 2 5 10 行路差 δ(m) 図 5.2.5 障害物の遮へい減衰効果α1 と行路差δの関係(実線を読み取る) なお、防音壁に吸音材がない場合、防音壁側の軌道を走行する車両の騒音に対しては、車両と防 音壁間の多重反射の影響によって防音壁の効果は図 5.2.5 から求めた値α1 より小さくなる。多重 反射の影響は、防音壁の高さに依存するが、1∼2m高さの防音壁の場合、多重反射によるレベル (注)1.「在来線高架鉄道からの騒音予測手法案について」(騒音制御 Vol.4 №2 1980.4、p.7)から抜粋 −19− 増は約2デシベルである 1)。したがって、吸音材なしの防音壁の場合、防音壁側の軌道を走行する 列車の騒音に対しては、防音壁の効果を表す補正値として、α1+2デシベルを採用する。 (ⅴ) 貨物車 式(5.2.1)∼(5.2.3)で適用できる対象列車は、電車であることから貨物列車走行時の騒音予測に は適用できないが、 貨物列車走行時の騒音も基本的には指向性有限長線音源と考えられることから、 式(5.2.1)∼(5.2.3)と同様に式(5.2.4)で求めることとした。 この時の音源パワーレベルは、貨物列車走行時の騒音調査結果をもとに設定した。したがって、 音源パワーレベルには、転動音と車両機器音の両方が含まれたものとなることから、貨物列車走行 時の騒音予測は、高架及び橋梁以外では式(5.2.4)で求めた値を、高架及び橋梁の場合では、さらに 式(5.2.2)の構造物音を加味したものとした。 ⎛ (l/2d1 ) ⎛ l ⎞ ⎞⎟ ⎟⎟ +α1 +tan −1 ⎜⎜ LAmax (E)=PWLE−5−10 log 10 d1+10 log 10 ⎜ 2 ⎜1+(l/2d ) ⎝2d1 ⎠ ⎟⎠ 1 ⎝ ------------------------ (5.2.4) (E) :貨物車の騒音レベル最大値(デシベル) ここで、LAmax PWLE :貨物車の音源パワーレベル(デシベル) PWLE=39 log 10(V)+36 貨物車の音源パワーレベルは、城東貨物線での現地測定結果より 図 5.2.6 に示すとおり設定した。 PWLE =38.65 log (V)+35.89 r=0.6172 n=13 図 5.2.6 列車速度と音源パワーレベルの相関(貨物車) (注)1.「在来鉄道騒音の予測評価手法について」(騒音制御 Vol.20 会) −20− №3 1996.6、(社)日本騒音制御工学 (ⅵ) 騒音レベルの最大値(LAmax) 列車1編成が走行したときの騒音レベルの最大値は、式(5.2.1)∼(5.2.4)で求めた騒音レベルの デシベル和によって求めた。 ① 電 車 LAmax=10 log 10(10 ② L Amax(R) L Amax(C) L Amax(M) 10 +10 10 +10 10 ) 貨物列車 LAmax=10 log 10(10 L Amax(E) L Amax(C) 10 +10 10 ) (イ) 騒音レベル最大値(LAmax)と単発騒音暴露レベル(LAE)の関係 電車の場合の LAmax と LAE の関係は、列車長( l (m))と速度(V(㎞/h))より次式で求めた。 LAE=LAmax+10 log10 ( l /(1000V/3600)) --------------------------------- (5.2.5) 貨物車の場合の LAmax と LAE の関係は、城東貨物線の現地測定結果より検討した図 5.2.7 に示す 式を用いた。ただし、適用範囲は列車速度が 30∼70 ㎞/h の場合である。 LAE=0.9LAmax+21.2 --------------------------------------------------- (5.2.6) LAE=0.93 LAmax +21.20 r=0.9763 n=188 図 5.2.7 騒音レベルのピーク値(LAmax)と単発騒音暴露レベル(LAE)の相関図 −21− (ウ) 等価騒音レベル(LAeq)の計算 等価騒音レベルは、方向別車種別の LAE と時間帯別の同列車本数を基にして次式で求めた。 n LAEi/10 LAeq=10 log10 〔( ∑ 10 )/T〕 --------------------------------------- (5.2.7) i=1 ここで、LAEi :方向別車種別の単発騒音暴露レベル(デシベル) n :列車本数 T :LAeq の対象としている時間(秒) (7時∼22 時はT=54,000、22 時∼翌日7時はT=32,400) −22− 5.2.3 予測条件 (1) 予測地点 鉄道騒音の予測地点は、表 5.1.1、図 2.1.1 及び図 5.1.1 に示すとおり、環境影響評価書(平成 11 年・平成 18 年)に示されている鉄道騒音の予測地点のうち6断面(№1∼6地点)を対象とし た。 (2) 事業計画路線の運行条件 事業計画路線の運行条件は、方向別車種別運行本数は表 5.1.2、鉄道騒音の予測地点における走 行速度は表 5.1.3 に示すとおりである。 (3) 音源パワーレベル等 予測計算に適用する音源パワーレベル等は、表 5.2.3 に示すとおりである。 表 5.2.3 予測計算に適用する音源パワーレベル等 項 転 動 音 目 パワーレベル等 防振スラブ・ 弾性マクラギ直結 電車の場合はPWLR(100)=105デシベル 貨物車の場合は図5.2.6の相関式に5デシベルを加算したもの 防振スラブ 電車及び貨物車ともにPWLC(100)=87デシベル 弾性マクラギ直結 電車及び貨物車ともにPWLC(100)=82デシベル 防振スラブ・ 弾性マクラギ直結 電車は全て内扇型モータの値を使用 β=57デシベル 貨物車は図5.2.6に転動音と合成されて含まれているため、車 両機器音としては見込まない 構造物音 車両機器音 ギ ヤ 比 普通列車 : 7.07 快速列車 : 6.53 (注) 高架区間の構造物音について、弾性直結マクラギ軌道の設定値は、「在来鉄道騒音の予測手法に関する検 討」(平成 17 年1月 21 日、社団法人日本音響学会 騒音・振動研究委員会 騒音・振動研究会資料)に基づ いて設定した。具体的には、表3「各種騒音対策条件によるパワーレベルの補正値」における防振スラブ 軌道と弾性マクラギ直結軌道の差(5デシベル)を適用した。 −23− 5.2.4 予測結果 事業計画路線の鉄道騒音の予測結果は、表 5.2.4 に示すとおりである。本変更計画案の鉄道騒音 の等価騒音レベル(LAeq)は、昼間が 49∼60 デシベル、夜間が 41∼55 デシベルとなる。 表 5.2.4 事業計画路線の鉄道騒音の予測結果 等価騒音レベル(LAeq)の予測結果(デシベル) 予測地点 線路構造 ① 既往計画案 ② 本変更計画案 ②−① 昼 間 夜 間 昼 間 夜 間 昼間 夜間 №1 高架 60 54 60 55 0 1 №2 高架 58 53 58 53 0 0 №3 高架 59 54 60 55 1 1 №4 高架 60 54 60 55 0 1 №5 高架 60 54 60 55 0 1 №6 高架 49 41 49 41 0 0 (注) 1. 時間区分は、昼間が7時∼22時、夜間が22時∼翌日7時である。 2. 軌道条件は既往計画案が防振スラブ軌道、本変更計画案が弾性直結マクラギ軌道である。 3. 高欄条件は既往計画案がR.L.+1.5m(№1∼5地点)及びR.L.+1.3m(№6地点)、本変更計画案が R.L.+1.5mである。 (参考表) 平成 11 年2月の環境影響評価書での鉄道騒音の予測結果との比較 等価騒音レベル(LAeq)の予測結果(デシベル) 予測地点 線路構造 ① 平成11年2月当初案 ② 本変更計画案 ②−① 昼 間 夜 間 昼 間 夜 間 昼間 夜間 №1 高架 60 55 60 55 0 0 №2 高架 58 54 58 53 0 -1 №3 高架 60 55 60 55 0 0 №4 高架 60 55 60 55 0 0 №5 高架 60 55 60 55 0 0 №6 高架 49 41 49 41 0 0 (注) 平成11年2月当初案とは、平成11年2月に提出した環境影響評価書に示している計画案である。 −24− 5.2.5 評 価 鉄道騒音の評価は、「在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針」(平成7年 12 月 20 日、環大一第 174 号環境庁大気保全局長通知)の新線の指針(昼間 60 デシベル以下、夜間 55 デシベル以下)との対比を行った。事業計画路線の鉄道騒音は、表 5.2.4 に示すとおりであり、全 地点において、鉄道騒音の等価騒音レベル(LAeq)は新線の指針を満足している。 なお、環境保全対策については、鉄道騒音による影響の回避・低減のため、ロングレールの敷設、 弾性マクラギ直結軌道の採用、高欄高さの既往計画案からの嵩上げ(分岐部∼加美)、軌道の適切 な保守管理を行うとともに、さらに、沿線に近接した住居及び中高層住居等で、指針に示された騒 音レベルを超える地点がある場合は、その状況に応じて防音壁の嵩上げ、防音壁の吸音処理、高架 橋でのバラスト散布等の措置を適切に講じることとする。弾性マクラギ直結軌道の採用及び高欄高 さの嵩上げ(分岐部∼加美)については、本変更計画に当たって新たに環境保全対策として実施す る。したがって、鉄道騒音は、環境保全対策の実施により、環境への影響を最小限にとどめるよう 環境保全について配慮されているものと判断した。 以上より、鉄道騒音は大部分の地域住民の日常生活に支障を及ぼさない程度であると考えられ る。 5.2.6 事業内容の変更に係る検証結果 既往計画案と本変更計画案の事業計画路線の鉄道騒音の比較は、表 5.2.4 に示すとおりである。 事業計画路線の鉄道騒音の等価騒音レベル(LAeq)は、既往計画案では昼間が 49∼60 デシベル、夜 間が 41∼54 デシベルとなっており、本変更計画案では、昼間が 49∼60 デシベル、夜間が 41∼55 デシベルとなっていることから、既往計画案と本変更計画案の鉄道騒音は概ね同等である。 なお、環境保全対策に関する考え方については、本変更計画案では弾性マクラギ直結軌道の採用 及び高欄高さの嵩上げ(分岐部∼加美)を新たに実施した上で、さらに、沿線に近接した住居及び 中高層住居等を対象とした環境保全対策についても、環境影響評価書(平成 11 年・平成 18 年)に 示している環境農林水産部長の意見に対する都市計画を定めるに際しての見解の考え方を踏襲して いる。 以上より、事業内容の変更に伴う環境影響の範囲又は程度については、著しい差異はないものと 判断した。 −25−