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建築家は常に型破りをするものである

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建築家は常に型破りをするものである
第 8 回居住環境デザイン
修士 2 年 岩瀬 丈憲
修士 2 年 畑瀬 紋子
修士 1 年 青野 智史
「建築家は常に型破りをするものである」
■はじめに
建築家は、従来のビルディングタイプ
(建築の型)に捉われない建築を提案して
いくことで、人々の生活行為や空間の可能
性を拡張していくことを目指している。
その一例を挙げ、今後の新しい建築のあ
り方について推察する。
■建築の型を破るということ
1990 年代以降、建築家は、
「ビルディン
グタイプからの脱却」を試みてきた。これ
般解を批判する建築。
□構造⇒ex.北京国家体育場
構造が意匠に反映された建築。
□素材⇒ex. 石の美術館
素材=土着として捉えた建築。
□設備⇒ex. ニコラス・G・ハイエッ
クセンター
EV までも商空間化した建築。
□用途⇒ex.下関市立豊北中学校
コンプレックスから生まれる建築。
らを代表とする建築家は、伊東豊雄、妹島
□システム⇒ex.コンテナ仮設住宅
和世、山本理顕などが挙げられる。彼
建築生産を体系化した建築。
らは、その従来の型を破るような新た
な形態や手法、構造・施工などにより
建築を設計することで、建築の可能性
を拡張し、人々により豊かなアクティ
□未来の想像⇒ex.各種コンペ
地面の上に建つ概念を超えた建築。
□設計手法⇒ex.ホーチミン建築大学
地形や風土を考慮し、環境解析に基
ビティをもたらすことを実現した。建
づくサスティナブル建築。
築家は、常に型を破ることで新しい建
■おわりに
築を創造している。
■型破りのアプローチ
現在はドバイやニューヨークの
“CONDO”のように奇抜なスカイス
実際に、建築家がどのようにして従
クレイパーが見受けられるが、今後は
来の型を破っているのか。また、将来
単に型を破れば良い、奇抜なデザイン
は、どのような型破りがあるのか。そ
であれば良いという時代ではなくな
のアプローチについて、事例を通して
るだろう。
説明する。
(※別紙参照)
つまり建築家は、その地域の特徴や
環境情報(歴史・地形・風土・気候・
□機能⇒ex.大倉山の集合住宅
画一的なプランやユニットを持っ
ているアパートや集合住宅という一
周辺環境等)なども配慮した上で、そ
こにふさわしい型破りをしていくこ
とが求められる。
第 8 回居住環境デザイン
補足資料
□機能の型破り
□用途の型破り
リビングダイニング・ベットルーム・バスルーム・テラスなどの各種機能が、住戸によってバラバラの階に存在する。
1F PLAN
2F PLAN
3F PLAN
山口県に存在する教科教室型中学校。町民図書館を兼ねたラーニングセンターがあり、地域住民も気兼ねなく中学校を利用で
きる。学校を開放することで、地域全体で生徒を見守り育てる計画が成されている。
大倉山の集合住宅
:妹島和世
…庭 or テラス
…バスルーム
…リビングダイニング
…ベットルーム
□構造の型破り
下関市立豊北中学校:日本設計
□生産システムの型破り
網目のように絡み合う鉄骨の構造材が「巣」のように見えるスタジアム。斬新だが、全て H 型鋼材のみで構造が成立し、構
建築家が設計を行い、そこから施工を行うという従来の建築生産ではなく、コンテナを利用した3階建ての仮設住宅の建設
造がそのまま意匠に反映されている。火災に強く、マグニチュード 8 の地震にも耐え得る構造設計が成されている。
を提案。被災地において有効活用され、工期の大幅な短縮や地元住民・地方自治体などの手によって居住空間が構築できる。
北京国家体育場:Herzog & de Meuron
□素材の型破り
3階建てコンテナ仮設住宅:坂茂
□未来に想像される型破り
石材屋が施主の石のギャラリー兼美術館。石という鈍重な素材は敬遠されがちで、表現として積極利用された例は稀だが、
これらは一貫して、建築は必ずしも地面の上に強固に建つ必要はないのではないかという提案を示している。川や海、あるい
この建築では、地元の芦野石を強度ぎりぎりまで薄くしたルーバーや、それを積層した組積造の壁により構成されている。
はダムの上に建築が建つことで、自然の力を利用した免震構造となる。
各種
コンペ
竹中環境
コンペ
石の美術館:隈研吾
□設備の型破り
建築環境
デザイン
コンペ
etc
□設計手法の型破り
垂直動線としてのエレベーター自体が、各ブランドのショーケースとなっているユニークな建築。エレベーターは柱状の支
川やクリークに囲まれる敷地に護岸工事を施すのではなく、木々を取り囲むようにして今の風景 ( 緑地帯)を保全する。年間
持台が箱を押し上げていく油圧式のため、吹抜が広々として開放的な空間となっている。
を通して川の水面を超えてくる風が吹くため、風解析により効率的に風を取り込み、冷房に頼らない建築を設計している。
ニコラス・G・ハイエックセンター:坂茂
ホーチミン建築大学:小嶋一浩
第 2 章「日常生活と建築の型」「都市生活と建築」
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