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Project Server 2003 の初期設定

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Project Server 2003 の初期設定
Project_Server念校表1/2/3/4 04.6.21 0:14 PM ページ 2
Project_Server念校表1/2/3/4 04.6.21 0:14 PM ページ 3
Project_Server念校中表紙/目次 04.6.21 0:17 PM ページ 1
Project_Server念校中表紙/目次 04.6.21 0:17 PM ページ 2
i n d e x
第1章
Microsoft Office Project 2003 を利用するベネフィット
1-1
1-2
第2章
第3章
24
機能の概要 ………………………………………………………………………………………24
プロジェクト マネージャの設定 ………………………………………………………………25
リソース管理者
4-1
4-2
4-3
4
サーバー管理者の初期設定 ………………………………………………………………………4
エンタープライズ モードとワークグループ モードの違い …………………………………7
プロジェクト カレンダー …………………………………………………………………………8
エンタープライズ コード ………………………………………………………………………11
RBS (Resource Breakdown Structure) ……………………………………………………18
リソースの設定 …………………………………………………………………………………20
Active Directory○R との連携 …………………………………………………………………23
プロジェクト マネージャ
3-1
3-2
第4章
現状 …………………………………………………………………………………………………1
Project Server 2003 の利用シナリオ …………………………………………………………3
Project Server 2003 の初期設定
2-1
2-2
2-3
2-4
2-5
2-6
2-7
1
29
機能の概要 ………………………………………………………………………………………29
リソースの割り当て………………………………………………………………………………29
リソース メニュー(リソース分析)を使用したリソースのプランニング ……………………32
Project_Server念校中表紙/目次 04.6.21 0:17 PM ページ 3
第5章
チーム メンバー
5-1
5-2
5-3
5-4
機能の概要 ………………………………………………………………………………………34
進捗管理 …………………………………………………………………………………………35
Outlook○R との連携 ……………………………………………………………………………37
Windows SharePointTM Services との連携 ………………………………………………39
第 6 章 上級管理者
6-1
6-2
6-3
6-4
最 終 章 まとめ
42
機能の概要 ………………………………………………………………………………………42
プロジェクト センタ ……………………………………………………………………………42
ポートフォリオ …………………………………………………………………………………44
プロジェクト Web のカスタマイズ …………………………………………………………46
第 7 章 システム管理者
7-1
7-2
34
48
機能の概要 ………………………………………………………………………………………48
Project Server 2003 の設定 …………………………………………………………………48
52
Project_Server念校中表紙/目次 04.6.21 0:17 PM ページ 4
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 1
第1章
Microsoft Office Project 2003 を利用するベネフィット
第
1
1-1
章
現状
近年、雑誌などの特集でプロジェクト マネジメントという言葉を目にすることが増えてきました。それは、バブル崩壊後の混沌と
した経済情勢の中、日々繰り返し行われる通常業務ではなく、何か新しいイニシアティブを期限内に終了させる必要があるプロジ
ェクトを活動のベースとする企業が増加しているからです。そのような企業では、プロジェクト制のもとに業務を遂行する必要性
が更に高まっています。
しかし、プロジェクト マネジメントを導入さえすれば、スケジュールどおりにプロジェクトが進んだり、事前に決定したコストで
プロジェクトが終了したりするというわけではありません。実際にプロジェクト マネジメントを導入してみたものの、以前と状況が
それほど変わらないという悩みを持つ企業が多く存在していることも事実です。従来のプロジェクト マネジメントの視点では、ひと
つのプロジェクトの成功が主眼とされていましたが、その様な視点では部分最適しか達成することができません。企業活動をプロ
ジェクトの観点から捉え、企業戦略に応じてプロジェクト間の調整を行うエンタープライズ プロジェクト マネジメント
(以下、EPM)
を導入して初めてメリットを得ることができるのです。ここでは、EPM 導入に不可欠な要素と Microsoft Office Project
2003 を使うメリットについて考えてみましょう。
1 . 意思決定に必要なデータ
● Project 2003 のポートフォリオ 分析機能
意思決定を行う必要のある上級管理者に迅速、かつ正確なデー
従来のプロジェクト マネジメントでは、プロジェクトの状況は
タを準備することができないという問題点には、Microsoft
プロジェクト マネージャ レベルが把握しているだけで、プロジ
Office Project Server 2003 ( 以 下 、Project Server
ェクトの終了後に収支が算出され、そこでようやくプロジェク
2003 )
に格納されたプロジェクトやリソースの状況を分析する
トが最終的に赤字であったことが判明し、上級管理者に報告さ
ためのポートフォリオ機能が効果的です。
れるケースがほとんどです。
Project Server 2003 には、各プロジェクト マネージャに
プロジェクト遂行中の一定期間において、当初計画していたコ
管理されているプロジェクトのスケジュール、進捗状況やコス
ストを大幅に超えてしまっていたり、あるいは他社が同様の製
トなどの情報が一括して格納されています。上級管理者はポー
品を発売してしまいプロジェクトへの投資の回収が見込めない
トフォリオの状況を確認し、企業の戦略や環境の変化に応じた
場合には、たとえ途中であったとしても、プロジェクトを中止す
投資効果を考えながらプロジェクトの中止・延期、スコープの
る決断を行うべきです。プロジェクトを中止することにより、あ
変更、加速など、意思決定を迅速に行うことが可能となります。
る程度の赤字で済むところが、進めることにより、更なる赤字
例えばプロジェクト センタというビューを参照すれば、企業内の
を生んでしまうこともあるのです。また、プロジェクトの予算は
すべてのプロジェクトのスケジュール、進捗状況やコストなど
スタート時に決められたままであるケースも多く見受けられま
をブラウザから一括管理することが可能です。
(画面 1 - 1)
すが、環境や戦略の変化に応じたプロジェクトの優先順位に応
じてレビューが行われ、再配分されるべきです。
しかし、意思決定者に、コストが既に赤字になっている、あるい
は担当すべきリソースが不足しているというデータが届いてい
ない場合、この様な意思決定を行うことは不可能です。プロジ
ェクト マネージャの立場としては自分のプロジェクトの悪い情
報はできるだけ先延ばしにし、良い情報は速やかに報告するよ
うなことも考えられます。
意思決定者は、意思決定を行うことのできるデータを迅速に、
そして第三者によって不正に加工されていない、プロジェクト
の正確なデータを必要としています。
▲画面 1 - 1
プロジェクト センタ
1
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 2
2 . リソースに関する問題点
3 . コラボレーションに関する問題点
人材は最も貴重であり、かつ高価な資産のひとつです。限界を
プロジェクトは、企業の中でもさまざまな部署、あるいは複数
第
超えて仕事をアサインすることなく、かつ大量に空き時間を発
の企業から選出されたメンバーで業務を進めていきます。良く
1
生させないよう、効果的にリソースを活用することが重要です。
知らないメンバー同士でプロジェクトを進める場合には、メン
章
しかし、稼働状況を正確に把握し、プロジェクトの稼動予定と
バー間の意思疎通が重要なポイントになります。
照らし合わせて割り当てを決める仕組みがないため、リソース
特に、プロジェクトにおいては、タスク間の連携や、前のタスク
が効率的に活用されているケースはまれです。また、稼働率だ
の成果物を引き継いで次のタスクが始まるというケースも多
けではなく、企業が持つリソースのキャパシティから今後予定
く存在しますので、メンバー間のコミュニケーションが不足す
されているプロジェクトに必要な人材を前もって準備をしてお
ると、スケジュールをロスし、プロジェクトの遅延をもたらす事
くといったプランニングも行えていません。企業が抱えるリソ
態も起こりえます。
ースは常に不足、あるいは過剰という現象が発生しています。
解決策として、会議を開催するということも考えられますが、プ
ロジェクトに携わるメンバーを毎回集めて会議を開催するとい
● Project 2003 のリソース管理機能
うことは、メンバーの貴重な時間を費やすという意味では必ず
Project Server 2003 を導入することにより、エンタープ
しも効率的ではありません。また、重要な事項の決定というよ
ライズ リソースとしてプロジェクト メンバーの稼動状況を管
り、単に確認を取ることを目的としたコミュニケーションは避
理できるようになるため、上記のような問題が解決できます。
けたいところです。
エンタープライズ リソースには、企業内のすべてのリソースの
コラボレーションも、プロジェクトを成功に導く重要な要素で
情報、稼動予定が一元管理されています。また、スキルによる
す。複数の企業、複数のメンバーでプロジェクトを進行する際
割り当てを行うことが可能なので、必要なスキルを持つ人材を
には、このあたりをプロジェクト開始前に整備しておかなけれ
プロジェクトに迅速にアサインし、プロジェクト メンバーを編
ば、無駄が発生してしまうことになります。
成することができます。さらに、今後必要なスキルと現在のキ
実際、メンバー間のコミュ二ケーションやコラボレーションを
ャパシティを考慮し、中長期的に必要となる人材をプランし、手
どのように行っていくのかに頭を悩ませている企業は少なくな
当てしておくことも可能です。
(画面 1 - 2)
いようです。
● Project 2003 のコラボレーション機能
プロジェクトとは、複数のメンバーで作業を分担し、同じゴー
ルを目指して作業を行うことを目的としています。プロジェク
トのメンバー間で情報を共有したり、コミュニケーションの手
段を提供したりすることはとても重要な事項なのです。
Project Server 2003 では、このようなコミュニケーション、
及びコラボレーションをさらに強化しています。プロジェクトに
必要なドキュメントを共有したり、プロジェクトで発生しそうな
「リスク」や「懸案事項」などを掲示したりしておくコミュニケー
ションの場を、Microsoft Windows SharePoint Services
▲画面 1 - 2
リソース センタ
との連携の中で提供しているため、新たにコミュニケーション
システムを構築する必要がありません。また、チーム メンバー
が自分のタスクを把握し、稼働実績を報告できる作業ポータル
を提供しています。このポータルの存在により、プロジェクトに
参加しているメンバーへ負担をかけることなく正確なプロジェ
2
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 3
クトの状況を収集することが可能となります。
(画面 1 - 3)
これらの機能は、メール システムと連携し、プロジェクトに何
第
か変更があった場合や、期日が迫っている場合など自動的にリ
1
マインダーを送ることが可能です。
章
▲画面 1 - 3
共有ドキュメント
Project Server 2003 の利用シナリオ
1-2
Project Server 2003 は企業内のさまざまなプロジェクト関係者に必要な情報を提供します。プロジェクト マネージャ、リソース
管理者、上級管理者、プロジェクト メンバーがどのように Project Server 2003 を使用するのか、利用シナリオを確認してみま
しょう。
(図 1 - 4)
プロジェクト マネージャ
リソース管理者
Windows SharePoint Services
SQL Server 2000
チーム メンバー
▲図 1 - 4
上級管理者
役割別シナリオ
プロジェクト マネージャ
実現しようとしている組織には、効果的なリソース プランニン
グが可能です。プロジェクト マネージャは作業に必要なスキル
プロジェクト マネージャは Project Professional 2003 を使
のみをファイルに定義しておき、Project Server 2003 に
って、各プロジェクトの作成を行います。作成されたファイル
ファイルを発行し、リソース管理者にメンバーのアサインをリ
は、Project Server 2003 に保存され、組織内のすべての
クエストします。リソース管理者は、Project Server 2003
プロジェクトは一元的に管理されます。
からそのスキルを持っている担当者候補を抽出し、それぞれの
作業予定を確認し、そのプロジェクトに従事できるリソースを
リソース管理者
選択して、メンバーの編成を行います。これにより、一部のリソ
ースに負荷が偏らない効率的なリソースの活用が実現されま
リソース管理者とは、企業の管理職で自分が管理する部下の稼
す。また、予定されているプロジェクトから、今後必要となるス
動状況を管理し、プロジェクトへのアサインを行う役割を持つ
キルを持った人材を把握し、手当てしておくといったプランニ
人を指します。リソース管理を導入し、リソースの有効活用を
ングも可能になります。
3
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 4
チーム メンバー
上級管理者
チーム メンバーは、Microsoft Office Project Web Access
Project Server 2003 のデータは、Microsoft SQL Server
第
(以下、Project Web Access )を使って Project Server
(以下、SQL Server )に格納されています。上級管理者は、
1
2003 にアクセスし、進捗状況のアップデートを行うことが可能
日々アップデートされるリアルタイムの情報をもとに、SQL
章
です。また、Project Server 2003 にファイルが発行される
Server の OLAP 機能などを使用して、組織内のプロジェクト
と、そのプロジェクト用に Microsoft Windows SharePoint
を分析し、意思決定を行います。
第
2
章
Services (以下、Windows SharePoint Services )のサブ
ウェブが自動的に作成されます。サブウェブへは Project
Web Access からシームレスにアクセスでき、プロジェクト
に関するドキュメントやリスクなどを共有し、作業の効率化を
図れます。
第2章
Project Server 2003 の初期設定
第 2 章では、サーバー管理者が Project Server 2003 を構築する前に確認しておきたいシステム要件や、使用
前に決定しておくべきサーバーのモード及びインストール後に行っておくべき内容について説明します。
2-1
サーバー管理者の初期設定
Project Server 2003 を導入することが決定した後に、サーバー管理者がまず行うべき業務の 1 つに、インストールに必要な前
提条件やシステム要件を確認するという業務があります。
Project Server 2003 をインストールするためには、次の準備が必要になります。
1. Microsoft Windows ServerTM 2003 のインストール
2. Microsoft SQL ServerTM 2000 のインストール
3. Windows SharePointTM Services のインストール
4. Windows SharePointTM Services へ Project Server 2003 のテンプレートを適用
5. Project Server 2003 をインストール
6. Project Server 2003 と Windows Server 2003 の接続
(なお、本書では Project Server 2003 のインストールについては説明を行いません。詳しくは、製品 CD の中に同梱されてお
りますインストールガイドをご参照ください。
)
次に、Project Server 2003 のインストールに必要なシステム要件について説明します。
4
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 5
インストールに必要なシステム要件
Project Server 2003 のインストールに必要なシステム要件は(表 2 -1)のとおりです。
コンポーネント
日本語版
オペレーティング
システム
コンピュータ本体
要件
Microsoft Windows 2000 Server Service Pack 3 以上、またはWindows 2000 Advanced Server Service Pack 3
以 上 、Windows Server 2003, Standard Edition ま た は Windows Server 2003, Enterprise Edition、
Microsoft SQL Server 2000 Desktop Engine (MSDE 2000) を含む Microsoft SQL Server 2000 Service
Pack 3 以上
(エンタープライズ プロジェクト機能およびリソース管理機能を利用する場合、SQL Server 2000 以上が必要)
、
Microsoft Internet Information Services (IIS) 5.0 以上 * Microsoft Windows Server 2003 はIIS 6.0 を使用しています
Pentium III 550 MHz 以上のプロセッサを搭載したコンピュータ
メモリ
256 MB 以上の実装メモリが必要
ハードディスク
Project Server のインストールには、80 MB 以上の空き容量が必要
その他
その他特定の機能を利用する場合、以下の追加項目およびサービスが必要になります
SharePoint Services が 動 作 して い る 、
ポ ートフォリオ 分 析 機 能 (OLAP レ ポ ー ティング 機 能 ) を 使 用 す る 場 合 、Microsoft SQL Server Analysis
Services (Service Pack 3 以上、Microsoft SQL Server に含まれています) が必要
Microsoft Office Project Web Access を使用して、Microsoft Office Project Server の情報にアクセスする場
合、Microsoft Office Project Server クライアントアクセスライセンスが必要
ポートフォリオ分析ビュー、ポートフォリオ分析を利用したリソースの分析ビューを参照する場合、Windows 2000
Service Pack 3 以上のオペレーティングシステム、Microsoft Office Web Components 2003 が必要。またポー
トフォリオ分析のビューの作成など Microsoft Office Web Components 2003 の対話形式の機能を利用する場合、
Windows 2000 Service Pack 3 以上のオペレーティングシステム、Microsoft Office Project Professional 2003
を含む特定のMicrosoft Office System 製品のライセンスが必要
Outlook の予定表からタスクを表示して進捗をレポート機能を使用するには、Outlook 2000 以上が必要
ご注意
お使いのシステムの環境、およびご利用方法によっては、記載以外の制限が発生する場合もございますので、あらかじ
めご了承ください
▲表 2 - 1
Project Server 2003 のインストールに必要なシステム要件
アカウントの作成
・認証方法
ユーザーの認証方法には、Windows ユーザー アカウントを
Project Server 2003 のインストールが無事に終了したら、サ
使用する Windows 認証と、Project Server 2003 独自のユ
ーバー管理者はプロジェクトに携わるユーザーが、各自のクラ
ーザー名とパスワードを使用する Project Server 認証があり
イアントから Project Server 2003 にアクセスするためのユ
ます。この 2 つの認証方法の違いによる制限は
(表 2 - 2)のと
ーザー アカウントの作成を行う必要があります。
おりです。
Project Server 2003 でユーザー アカウントを作成する方法
Windows 認証
Project Server 認証
をどのように認証するのか決定しておく必要があります。企業
新規プロジェクトの
保存、発行
◎
◎
のセキュリティ ポリシーと調整を行いながら、次に説明する2
実績の承認
◎
◎
つの認証方法のどちらを使用するのか決定します。ここでは、
リスク、懸案事項、
ドキュメント管理
◎
要追加設定
ポートフォリオ 分析
◎
◎
はそれほど難しくありませんが、ユーザー作成前に、ユーザー
認証方法を決定する前に、それぞれの認証方法の種類と違いに
ついて説明します。
制限のある機能
▲表 2 - 2
2
章
電子メール通知機能を利用する場合、ご利用になるサーバー側に、インターネットメール(SMTP/POP3、IMAP7)
、
Microsoft Exchange Server (5.5、2000、またはそれ以上) 、またはその他の UTF8 対応の MAPI 準拠のメッセ
ージングシステムが必要
Windows SharePointTM Services を 使 用 す る 場 合 、Windows
Windows Server 2003 が必要
第
認証により制限のある機能
5
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 6
・認証による機能の制限
Project Server 2003 では、接続環境とアカウントの種類
②ホーム画面が表示されるので、[管理]メニューをクリックしま
す。
(画面 2 - 2)
( Windows 認証、Project Server 認証)
により、使用できる機
能に一部制限があります。
[リスク]、[懸案事項]、[ドキュメント管理]は、Windows
SharePoint Services が提供するサブ Web により管理され
第
2
章
ています。Project Server では、プロジェクトが発行される
たびにプロジェクト用のサブ Web が作成され、プロジェクト
内での役割に応じたアクセス権がプロジェクト メンバーに自
動的に付与されます。
ただし、プロジェクトごとに作成されるサブ Web は、統合
Windows 認証のみをサポートしています。そのため、プロジ
ェクト メンバーが Project Server 認証で設定されている場合、
有効な Windows アカウント情報を持っていないために、ア
クセス権限は自動的に付与されず、サブ Web が表示されな
▲画面 2 - 2
Project Web Access のホーム画面
いといった現象が起こります。
※この現象を回避するためには、別途サブ Web アクセス用
の Windows アカウントの設定を行います。
③[管理全般]画面が表示されるので、[ユーザーとグループの管
理]をクリックします。
(画面 2 - 3)
Project Server 認証には上記のような機能制限があります
ので、ユーザーの認証は、Windows 認証を選択することをお勧
めします。では、Project Server 認証はどのような際に使用す
るのでしょうか。
Project Server 認証をユーザーに設定する際には、協力会
社のメンバーや、信頼関係のないドメインのユーザーなど、
Windows 認 証 を 持って い な い ユー ザ ー に 対して Project
Server を使わせたいという場合に使用します。この場合の設定
は、該当の外部ユーザーのみ Project Server 認証で設定を
行います。
※認証はユーザーごとに設定可能であり、サーバー単位で設定
を行うものではありません。
▲画面 2 - 3
認証の違いと、その制限事項についてご理解いただけたとおも
④[ユーザー]画面が表示されるので、[ユーザーの追加]をクリ
いますので、さっそくログオン アカウントを作成してみましょう。
Project Web Access の管理全般画面
ックします。
(画面 2 - 4)
◆操作:ログオン アカウントの作成
①ブラウザを起動し、Project Web Access へ Project
Server 2003 に管理者権限を持つユーザーでログオンし
ます。
(画面 2 - 1)
▲画面 2-1 Project Web Access のログオン画面
6
▲画面 2 - 4
Project Web Access のユーザー画面
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 7
⑤Project Server の管理者を追加します。
(画面 2 - 5)
(ここで作成したユーザーはあくまでも Project Server を
使用するためのユーザーでありエンタープライズ リソースで
はありませんので注意が必要です。
)
One Point
既定の管理者アカウント
Project Server 2003 のインストールが完了した段階では、
Project Server 認証で設定された既定の管理者アカウント
( Administrator )が登録されています。Project Server
2003 の管理者アカウントを独自に作成するまでは、この既
定の管理者アカウント
( Administrator )
を使用して作業を行い
ます。
(画面 2 - 7)
▲画面 2 - 5
第
2
章
Project Web Access のユーザーの追加画面
⑥リソースの作成が完了したメッセージが表示されます。
(画面
2 - 6)
▲画面 2 - 6
完了メッセージ
▲画面 2 - 7
既定の管理者アカウント
以上で、Project Server 2003 独自のユーザーを作成する
ことができました。
2-2
エンタープライズ モードとワークグループ モードの違い
サーバー管理者が次に設定を行う項目は、Project Server 2003 をどのようなモードで使用するかの選択です。比較的小規模の
部門や小規模なメンバーでの使用を目的としたプロジェクト情報の共有を行いたい場合には、ワークグループ モードで Project
Server 2003 を運用します。
事業所、全社といったような大規模な単位で Project Server 2003 を導入し、プロジェクト情報の一元管理を行うことを目的
としたり、企業を横断した形でのリソースの管理を行いたい場合には、エンタープライズ モードで Project Server 2003 を運用
します。
モードの違い
ワークグループ モードでは、Project Professional 2003
と Project Server 2003 を共に利用することにより、各メン
Project Server をワークグループ モードで使用するメリットは
バーの情報を全員で共有することが可能になります。また、チ
専任の管理者なしにプロジェクト ファイルを共有できることで
ー ム メ ン バ ー に よ る 進 捗 状 況 のリアル タイム な 更 新 や、
す。エンタープライズ リソース等の複雑な設定を行うことな
Windows SharePoint Services を利用したドキュメントや懸
く共同作業を行うことができます。Project Server をワー
案事項の共有など、作業をスムーズに進めるためのチーム コ
クグループ モードで構築することにより、プロジェクトの進捗
ラボレーションを図ることができるようになりプロジェクトの
状況やトラブル、報告の遅れなど、プロジェクト チーム内の情
生産性が向上します。
報分散によって起こる作業効率の低下を防ぐことができます。
7
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 8
Project Server をエンタープライズ モードで使用するメリ
ワークグループ
モード
ットは、企業で統一されたリソースや、カレンダー及びプロジェ
クトポートフォリオを使用できる点です。
ワークグループ モードを選択した場合には、インストールが終
了した段階でサーバー管理者が設定を行うべきことはそれほ
ど多くはありません。しかし、エンタープライズ モードを選択し
第
2
章
エンタープライズ
モード
リソースファイル
ローカルに保存
サーバーに保存
アクセス権
ローカルファイル
に依存
サーバーに作成された
ユーザーごと
▲表 2 - 3
ワークグループモードとエンタープライズモードの相違点
た場合には、実際にプロジェクト ファイルを作成する前、発行
する前に設定しておくべき項目が複数あります。
もし、皆様がワークグループ モードでの運用を選択した場合に
ワークグループ モードで使用できる機能は、複数のプロジェ
は、次の 2 - 3 から 2 - 7 の項目については、お読みいただく
クトの状況をひと目で確認することのできるプロジェクトセ
必要はありません。しかし、エンタープライズ モードでの使用を
ンターなどが代表的です。
決定された方は、できるだけ早い段階で次の設定を行うことを
Project Professional 2003 と Project Server 2003
お勧めします。
をエンタープライズ モデルで利用することにより、エンタープ
ライズ カレンダー、エンタープライズ コード、エンタープライ
ズ リソースなどの機能を利用することができ、組織で統一され
たプロジェクト計画の作成や分析を行うことができます。モード
の違いは、リソースの管理方法に最も表れます。
(表 2 - 3)
2-3
プロジェクト カレンダー
エンタープライズ カレンダーの概要
Project で使用する「カレンダー」では、あらかじめ休日や祝
日に設定されている日には、作業が発生しないようになってい
プロジェクトの計画を、ワープロ ソフトや Excel などを使用
ます。そのため、実際に業務のカレンダーや稼動時間に合わせ
して表現している方も少なくはないでしょう。しかし、ワープロ
てカレンダーの設定を調整します。 Project を単体で使用する
ソフトや Excel でもっとも手間がかかる作業が実際のカレン
場合、カレンダーは個々のユーザーで設定を行いますが、
ダーの表現ではないでしょうか? プロジェクト計画の変更を
Project Server と組み合わせて使用する際には、サーバー
逐次スケジュールにアップデートすることは容易ではありませ
側に設定したエンタープライズ カレンダーを使用することが
ん。また、祝日や休日などは実際のカレンダーを確認しながら
可能です。
スケジュールを行わなければならないなど効率が良いともいえ
エンタープライズ カレンダーを使用すると、企業全体で統一
ません。
したカレンダーを使用することができます。企業で統一したカ
しかし、 Project を使用してプロジェクト計画を作成する場
レンダーを一箇所で管理しますので、それぞれのファイルごと
合には、スケジュールの変更及び開始日の指定など、それほど
にユーザーが設定する必要はなくなり、企業独自の休日の追加
意識することなく正確なスケジューリングを行うことができま
や、就業時間の変更などが行われた場合にもサーバー側で設定
す。ユーザーはプロジェクトの開始日とタスクの期間と前後関
を行うことにより、カレンダーをスムーズに変更可能です。
係を設定するだけで、Project が持っているカレンダーにあ
エンタープライズ カレンダーの設定を行った際に、もう 1 つ行
わせてスケジューリングが行われるのです。
(画面 2 - 8)
わないといけない設定があります。それが、カレンダー オプシ
ョンの設定です。 Project 2003 では、作業時間の計算を時間
単位で行っています。そのため、Project Server 2003 の
計算に使用される
「週」や「月」が何時間になるのか定義を行う
必要があるのです。カレンダー オプションの設定を行うには、
[エンタープライズ グローバル]を開いて設定を行います。
▲画面 2 - 8 エンタープライズ カレンダー
8
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 9
エンタープライズ カレンダーの設定
②[ツール]−[エンタープライズ オプション]をポイントし、[エ
ンタープライズ グローバルを開く]をクリックします。
(画面
エンタープライズ環境で Project Server 2003 を運用する場
2 - 10)
合は、組織に合わせたエンタープライズ カレンダーを設定し
ます。また、部署ごとに休日や稼働時間が異なる組織の場合、
部署ごとのエンタープライズ カレンダーを登録します。
例えば、工場ごとにプロジェクト計画を作成する際に、当該工
第
場のエンタープライズ カレンダーを適用することで、工場の稼
2
働日及び稼働時間を考慮したプロジェクト計画を作成すること
章
が可能になります。カレンダーは基本的に年度の初め及びその
年の休日の予定が決定した時点で設定を更新します。 Project
Professional に準備されている既定のカレンダーは
(表 2 - 4)
のとおりです。
カレンダー名 内容
標準
標準の稼働時間が設定された基本カレンダー
週の稼働日は月曜から金曜までに設定されており、
1 日の稼働時間は午前 8 : 00 から午後 5 : 00
で、正午から午後 1 : 00 までが昼休みの非稼動
時間として設定されている。このカレンダーは
Project Server でも既定のカレンダーとして予
め用意されている
▲画面 2 - 10 [エンタープライズ グローバルを開く]メニュー
③ エ ン タ ー プ ラ イ ズ グ ロ ー バ ル が チェック ア ウト さ れ
[ Microsoft Project -エンタープライズ グローバル チェッ
クアウト]画面が表示されるので、[ツール]−[稼働時間の変
更]をクリックします。
(画面 2 - 11)
24 時間体制 非稼動時間が設定されていない基本カレンダー
日曜から土曜までの毎日、24 時間が稼働時間と
して設定されている
夜間作業
夜間作業用に設定された基本カレンダー
1 週間の稼働日は月曜の夜から金曜の朝までに設
定されており、1 日の稼働時間は午後 11 : 00 から
午前 8 : 00 までで、午前 3 : 00 から午前 4 : 00
までが休憩の非稼動時間として設定されている
休日
標準カレンダーに日本の休日が設定されている
カレンダー
▲表 2 - 4 カレンダーとその意味
エンタープライズ カレンダーに関する設定方法を説明します。
▲画面 2 - 11 [稼動時間の変更]メニュー
◆操作:エンタープライズ カレンダーの新規作成
① Project Professional を起動し、Project Server 2003 の
管理者権限を持つアカウントでログオンします(画面
。
2 - 9)
④[稼働時間の変更]ダイアログ ボックスが表示されるので、
[新規作成]をクリックします。
⑤[新しい基本カレンダーの作成]ダイアログ ボックスが表示
されます。[カレンダー名]に作成するカレンダー名を入力し、
カレンダーをどのように作成するか選択して、[ OK ]ボタンを
クリックします。
(画面 2 - 12)
▲画面 2 - 9
Project Server 2003 の管理者権限を持つアカウントでログオン
▲画面 2 - 12 新しい基本カレンダーを作成
9
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 10
⑥カレンダーの設定(稼動時間の変更、非稼働日の設定)を行い
ます。
(画面 2 - 13)
④[オプション]ダイアログ ボックスの[カレンダー]タブを、企
業の稼動時間に合わせて変更します。
(画面 2 - 15)
第
2
章
▲画面 2 - 13
作成したカレンダーの設定
⑦設定が終了したら、[ OK ]ボタンをクリックします。
▲画面 2 - 15 [カレンダー]タブ
⑧エンタープライズ グローバルを保存するために、[ファイ
ル]−[上書き保存]をクリックします。
⑨[ファイル]−[閉じる]をクリックし、エンタープライズ グロ
ーバルをチェックインします。
⑤設定が終了したら、[ OK ]ボタンをクリックします。
⑥エンタープライズ グローバルを保存するために、[ファイ
ル]−[上書き保存]をクリックします。
⑦[ファイル]−[閉じる]をクリックし、エンタープライズ グロ
カレンダー情報を変更する場合には、次のように設定を行います。
◆操作:カレンダー オプションの設定
① Project Professional を起動し、Project Server の管理
者権限を持つアカウントでログオンします。
②[ツール]−[エンタープライズ オプション]をポイントし、[エ
ンタープライズ グローバルを開く]をクリックします。
③ エ ン タ ー プ ライズ グ ロ ー バ ル が チェックアウト さ れ 、
[ Microsoft Project -エンタープライズ グローバルチェック
アウト]画面が表示されるので、[ツール]−[オプション]をク
リックします。
(画面 2 - 14)
▲画面 2 - 14
10
[オプション]メニュー
ーバルをチェックインします。
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 11
2-4
エンタープライズ コード
エンタープライズ環境で Project Server 2003 を運用する場合、エンタープライズ コードを事前に用意しておくと、運用開始後
にユーザーに入力させるデータの統一を行うことができるようになります。エンタープライズ コードとして準備できる項目は、エ
ンタープライズ フィールド、エンタープライズ アウトライン コード、エンタープライズ マルチバリュー フィールドです。
エンタープライズ フィールドは、ユーザー独自で設定したい「コスト」や、
「テキスト」
「フラグ」などを定義することができます。エン
タープライズ アウトライン コードは、企業独自で共有したい「部署」や「組織」
といった階層構造の情報をアウトラインとして保持す
ることができます。エンタープライズ マルチバリュー フィールドは、Project Server 2003 に新しく追加された機能であり対応
するエンタープライズ アウトライン コードに複数の値を保持することができるようになったものです。
エンタープライズ フィールドの概要
では、エンタープライズ フィールドにどのような項目が設定で
きるか確認していきましょう。
要なことのひとつは、入力されるデータに相違がないことです。
ユーザー設定フィールドで使用できるフィールドの種類は(表 2
プロジェクトファイルを作成するプロジェクト マネージャが複数
- 5)のとおりです。
存在する場合に、同じ企業であるにもかかわらず、各プロジェ
フィールド種類 フィールド内容
コスト
ユーザー設定のコスト フィールドには、プロジェ
クトで使用する通貨データを格納。
[コスト 1 ]∼[コスト 10 ]のフィールドをタス
ク、リソース、及び割り当てに使用できる。
テキスト
ユーザー設定のテキスト フィールドには、プロジェ
クトで使用するテキスト情報を格納。
[テキスト 1 ]∼[テキスト 40 ]のフィールドをタス
ク、リソース、及び割り当てに使用できる。
フラグ
ユーザー設定のフラグフィールドには、プロジェ
クトで使用する"はい/いいえ"フラグを格納。
[フラグ 1 ]∼[フラグ 20 ]のフィールドをタス
ク、リソース、及び割り当てに使用できる。
期間
ユーザー設定の期間フィールドには、プロジェクト
で使用する期間または作業時間を格納。
[期間 1 ]∼[期間 10 ]のフィールドをタスク、リソ
ース、及び割り当てに使用できる。
数値
ユーザー設定の数値フィールドには、プロジェクト
で使用する数値を格納。
[数値 1 ]∼[数値 40 ]のフィールドをタスク、リソ
ース、及び割り当てに使用できる。
日付
ユーザー設定の日付フィールドには、プロジェクト
で使用する日付を格納。
[日付 1 ]∼[日付 30 ]のフィールドをタスク、リソ
ース、及び割り当てに使用できる。
プロジェクトごとに入力値が統一されていないため、集計され
たプロジェクト データは意味のないものになってしまいます。
このようなことを防止するために、エンタープライズ フィール
ドが用意されています。企業で使用するフィールドを、Project
Server 2003 のエンタープライズ フィールドに準備してお
くことにより、設定した独自のフィールドを組織全体で統一し、
Project Web Access や Project Professional 2003
で使用することが可能となります。例えば、プロジェクトに関連
する
「プロジェクトの予算」をエンタープライズ プロジェクト テ
キスト1に設定を行い、表示する値に「ベースライン 以上」、
「ベースライン 以下」で設定する画像を変化するような設定を
行うことにより、プロジェクト センタを見ただけで、予算を超
えている、予算は守られているといったことをひと目で確認す
ることができるようになるのです。
(画面 2 - 16)
▲表 2 - 5
ユーザー設定フィールドの種類と内容
エンタープライズ フィールドの設定
◆操作:エンタープライズ フィールドの設定
① Project Professional 2003 を起動し、Project Server
2003 の管理者権限を持つアカウントでログオンします。
②[ツール]−[エンタープライズ オプション]−[エンタープラ
▲画面 2 - 16 エンタープライズ フィールドの使用例
2
章
エンタープライズ プロジェクト マネジメントにおいて最も重
クトで使用するコストやテキストなどの情報に相違があると、
第
イズ グローバルを開く]をクリックします。
11
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 12
③[ツール]−[ユーザー設定]−[エンタープライズ フィールド]
をクリックします。
(画面 2 - 17)
⑦必要があれば属性のオプションの選択を行い、[ OK ]ボタ
ンをクリックします。
⑧[ファイル]−[上書き保存]をクリックします。
⑨[ファイル]−[閉じる]をクリックし、エンタープライズ グロ
ーバルをチェックインします。
設定可能なフィールド
第
2
エンタープライズ フィールドで設定できるフィールドとその詳細
章
は次のとおりです。
《[属性のオプション]フィールド》
[属性のオプション]にはフィールドに関連する値のリストや式を
設定します。属性のオプションの各設定は(表 2 - 6)のとお
▲画面 2 - 17
[エンタープライズ フィールド]メニュー
④[ユーザー設定のフィールド]タブのダイアログ ボックスで
設定したいフィールドを設定します(今回は、[タスク関連]フ
りです。
項目
内容
[なし]
フィールドに関連する値のリスト及び式がない場合。
[値のリスト]
フィールドに関連する値のリストを使用する場合。
ィールドを選択、種類のドロップダウンをクリックし、[テキス
使用する値のリストを設定するには[値のリスト]をク
リックし、[(
‘フィールド名’
)値のリスト]ダイアログ ボッ
クスからリストの設定を行います。
(画面 2 - 20)
ト]を選択)
。
⑤[エンタープライズ テキスト 1 ]を選択し、[名前の変更]ボ
タンをクリックします。
(画面 2 - 18)
▲画面 2 - 20
[式]
▲画面 2 - 18
値のリストの設定
フィールドに関連する式を使用する場合。
式を設定するには[式]をクリックし、[(
‘フィールド
名’
)値のリスト]ダイアログ ボックスから式の設定を
行います。
(画面 2 - 21)
[エンタープライズ テキスト]の作成
⑥フィールドに新しい名前を付け、[ OK ]ボタンをクリックし
ます。
(画面 2 - 19)
▲画面 2 - 21
▲表 2 - 6
▲画面 2 - 19
12
フィールド名を変更
式の設定
属性のオプションに設定できる項目とその使用例
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 13
《[タスクとグループ サマリー行の計算]》
エンタープライズ フィールドの発行
[タスクとグループ サマリー行の計算]では、タスクとグルー
プ サマリー行の計算方法を設定します。
【注意】
この項目は種類が
“テキスト”
のユーザー設定フィールド
では使用できません。
タスク関連のエンタープライズ フィールドは、エンタープライ
ズ フィー ルド の 発 行 を 行 うこ と に よ り Project Web
Access のタスクビューに追加表示することが可能となりま
す。チーム メンバーから任意の情報を収集することが可能とな
タスクとグループ サマリーの各設定は
(表 2 - 7)のとおりです。
ります。ここでは、設定を行ったタスク関連のエンタープライ
ズ フィールドを発行し、プロジェクトのタスクビューへ反映す
値
内容
[なし]
重ね合わせた値も式も使用しないで、データを
直接入力してタスクのサマリー値を編集できる
ようにする際に選択。
[重ね合わせる] タスクの合計値をグループ サマリー行に適用する
際に選択。
条件をリストボックスより選択する。グループ
サマリー行にも式を使用するには[式を使う]を選
択する。ただし、[タスクとグループ サマリー
行の計算]で[式を使う]を使用するには[属性オプ
ション]で[式]を選択する必要がある。
▲表 2 - 7
る手順を説明します。
【注意】エンタープライズ グローバルは、Project Server
2003 にアクセスする際に、Project Professional 2003 に
自動的にキャッシュされます。そのため、エンタープライズ グロ
ーバルの情報を変更した場合、変更を反映させるために一度
Project Professional 2003 を終了し、再起動を行う必要が
あります。
◆操作:エンタープライズ フィールドの発行
[表示する値]にはこのフィールドの値を表示する際に、実際の
① Project Professional 2003 を起動し、Project Server
2003 の管理者権限を持つアカウントでログオンします。
データの値を表示するか、指定のマークを表示するかを設定し
②[ファイル]−[開く]をクリックします。
ます。
(表 2 - 8)
③[ Microsoft Project Server から開く]ダイアログ ボックス
から 、タスクビュー へ フィー ルド の 追 加 を 行う Project
値
内容
[データ]
値を表示する際に実際の値を表示する際に選択。
[マーク]
値を表示する際に指定のマークを表示する際に
選択。
表示するマークを設定するには[マーク]をクリッ
クし、[(
‘フィールド名’
)のマーク]ダイアログ ボ
ックスからマーク表示条件を設定する。[(
‘フィー
ルド名’
)のマーク]ダイアログ ボックスで使用でき
る条件は次のとおり。
(画面 2 - 22)
▲表 2 - 8
2
章
タスクとサマリーの設定
《[表示する値]》
第
Server 2003 上のプロジェクトを編集モードで開きます。
(画面 2 - 23)
表示する値の設定
▲画面 2 - 23
Microsoft Office Project Server 2003 からファイルを開く
④[ツール]−[ユーザー設定]をポイントし、[フィールドの発行]
をクリックします。
(画面 2 - 24)
▲画面 2 - 22 マークの設定
▲画面 2 - 24 [フィールドの発行]メニュー
13
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 14
⑤[フィールドの発行のユーザー設定]ダイアログ ボックスが
表示します。
(画面 2 - 25)
⑨[処理の続行確認]ダイアログ ボックスが表示されるので、
[ OK ]ボタンをクリックします。
(画面 2 - 28)
第
2
▲画面 2 - 28 処理の続行確認メッセージ
章
⑩[割り当ての再発行]ダイアログ ボックスが表示されます。
[割り当ての再発行]ダイアログ ボックスよりプロジェクトの
▲画面 2 - 25
[フィールドの発行のユーザー設定]ダイアログ ボックス
割り当てを再発行します。
(画面 2 - 29)
⑥発行したいフィールドを選択し、[>]ボタンをクリックします。
(画面 2 - 26)
▲画面 2 - 29 [割り当ての再発行]ダイアログ ボックス
▲画面 2 - 26
発行したいフィールドを選択
【注意】発行したエンタープライズ フィールドを Project
Web Access で表示するには、表示させたいビューの指定
⑦設定の完了後、[ OK ]をクリックしダイアログ ボックスを閉じ
ます。
画面で[表示するフィールド]に選択する必要があります。
(画面
2 - 30)
⑧[共同作業]−[発行]をポイントし、[割り当ての再発行]をクリ
ックします。
(画面 2 - 27)
▲画面 2 - 27
[割り当ての再発行]メニュー
▲画面 2 - 30 [ビューの指定]画面で PWA のビューを作成
14
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 15
《タスクビューで設定できるその他の項目》
またプロジェクト ファイルにアウトライン コードの設定を行っ
タスクビューで設定できるその他の項目は(表 2 - 9)のとお
ている場合、Project Professional の[ファイルを開く]ダイ
りです。
アログ ボックスでプロジェクトのタイプや担当者などごとに
ファイルをグループ化することもできるようになりました。多
項目
説明
利用可能なフィールド名 タスクビューに追加できるフィールドの
一覧を表示。
タスクビューの
フィールド
タスクビューに表示されるフィールドの
一覧を表示。
タスク関連
[タスクビューのフィールド]に追加した
フィールドを、タスクフィールドに表示す
るように指定。
割り当て
[タスクビューのフィールド]に追加した
フィールドを、割り当てフィールドに表示
するように指定。
リソースは
フィールド変更可
発行したフィールドに対し、リソースが
編集可能となる。
※リソースが編集できないフィールドもある。
リソースは
タスクを辞退できる
リソースが、割り当てられたタスクを
辞退可能となる。
超過作業時間を管理する リソースが実際の超過作業時間を報告
可能となる。
▲表 2 - 9
タスクビューに追加できるその他のフィールド
数のプロジェクトが Project Server に発行されている場合
に、Project Professional 2003 から開きたいファイルを
簡単に選択することができるようになりました。
第
2
エンタープライズ アウトライン コードの設定
章
ここでは、エンタープライズ アウトライン コード を設定する
手順について説明します。
◆操作:エンタープライズ アウトライン コードの設定
① Project Professional 2003 を起動し、Project Server
2003 の管理者権限を持つアカウントでログオンします。
②[ツール]−[エンタープライズ オプション]をポイントし[エ
ンタープライズ グローバルを開く]をクリックします。
③[ Microsoft Project -エンタープライズ グローバルチェック
アウト]画面が表示されます。
エンタープライズ アウトライン コードの概要
④[ツール]−[ユーザー設定]をポイントし[エンタープライズ フ
ィールド]をクリックします。
Project Server 2003 では、エンタープライズ カレンダ
ー、エンタープライズ フィールドと同様に組織全体で統一した
⑤[エンタープライズ フィールドのユーザー設定]ダイアログ
ボックスが表示されます。
(画面 2 - 32)
階層構造を持つフィールドであるエンタープライズ アウトライ
ン コードを設定することができます。企業独自で共有したい
「部署」や「組織」
といった情報をアウトラインとして保持するこ
とができるため、プロジェクト情報を入力する際の揺れを防ぐ
ことができます。部署や組織といった情報のほかに、リソース
に特化した「スキル」や「 RBS 」をエンタープライズ アウトライ
ン コードとして登録することも可能です。スキル、RBS の詳
細は後ほど説明します。
リソースのスキルや、RBS をアウトライン コードとして登録
し、登録したエンタープライズ リソースに登録することによ
り、エンタープライズ リソースを検索する際の検索条件に使用
することが可能です。
(画面 2 - 31)
▲画面 2 - 32
[エンタープライズ フィールドのユーザー設定]ダイアログ ボックス
▲画面 2 - 31
フィルタによりリソースの抽出可能
15
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 16
⑥[ユーザー設定のアウトライン コード]タブをクリックし、アウ
トライン コードで[リソース関連]を選択します。
(画面 2 -
⑪[参照テーブルの編集]をクリックして、設定したいアウトライ
ンの値を設定します。
(画面 2 - 36)
33)
第
2
章
▲画面 2 - 36 アウトラインの値を設定
▲画面 2 - 33 リソース関連のアウトライン コード
⑫設定が完了したら、[閉じる]ボタンをクリックします。
⑬[ OK ]ボタンをクリックして、[エンタープライズ フィールドの
⑦[エンタープライズ リソース アウトライン コード 1 ]を選択
し、[名前の変更]をクリックします。
⑧新しいフィールド名を入力します。
(ここでは「部署」と入力)
(画面 2 - 34)
ユーザー設定]ダイアログ ボックスを終了します。
⑭[ファイル]−[上書き保存]をクリックし、エンタープライズ グ
ローバルを保存します。
⑮[ファイル]−[閉じる]をクリックし、エンタープライズ グロ
ーバルをチェックインします。
▲画面 2 - 34
フィールド名の変更
⑨[アウトライン コードの設定]をクリックし、アウトライン コ
ードの定義を行います。
(画面 2 - 35)
▲画面 2 - 35
アウトライン コードの定義
⑩定義が完了したら、[ OK ]ボタンをクリックして、[エンター
プライズ フィールドのユーザー設定]ダイアログ ボックスに戻
ります。
16
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 17
One Point
エンタープライズ マルチバリュー フィールドの概要
参照テーブルの共有
エンタープライズ アウトライン コードに同じ値を使用する場
合、参照テーブルの共有を行います。
(例)
プロジェクトを担当する組織を設定する場合、管轄という
名前のエンタープライズ アウトライン コードを作成し、リソース
のエンタープライズ アウトライン コードである[ RBS ]の参
照テーブルを共有します。※ RBS の設定については、
「2-7
RBS 」を参照
エンタープライズ フィールドの設定を行うことにより、プロジ
ェクト センタのグループ分けを行うこともできます。
(画面 2 37)
エンタープライズ フィールド、エンタープライズ アウトライン コ
ードの利用により実現できるリソース管理に関する機能につい
て説明します。
以前の Project Server 2002 では、リソースに対して 1 つの
スキルしか定義することができませんでした。この結果、
「VB
プログラム」と「英語のスキル」を持つリソースという、複数の
スキルによる人材の抽出を行うことができませんでした。
そこで、Project Professional 2003 の新機能としてエン
複数のスキルを定義できるように変更されました。Project
2002 と Project 2003 の相違点は、次のとおりです。
・Project 2002 ではスキルをそれぞれのコードに入力する必
要があった
・Project 2003 では 1 つのコードに複数のスキルを入力
できるようになった(画面 2 - 39)
グループ分けが行われたプロジェクト センタ
[フィルタ、グループ化、検索]ボタンをクリックすると、ビューをど
のようにグループ化を行うかの設定ができます。
(画面 2 - 38)
▲画面 2 - 39 複数のスキル入力可能
エンタープライズ リソース マルチバリュー フィールドは、エン
タープライズ リソース アウトライン コードに対応しており、対
▲画面 2 - 38 グループ化の設定
2
章
タープライズ リソース マルチバリュー フィールドが実装され、
▲画面 2 - 37
第
応するエンタープライズ リソース アウトライン コードの複
数の値を保持できるため、次のような利用方法が可能です。
・リソースビューごとにエンタープライズ リソースを表示する
・
「Project Web Access からチームを作成」で複数のスキ
ルを持つリソースを検索する
・リソースの切り替えウィザードまたはポートフォリオ モデル
でリソースの複数のスキルを考慮した分析を行う
【注意】エンタープライズ マルチバリュー フィールドはリソース
及び割り当てに対してのみ使用でき、プロジェクト及びタスク
には使用できません。
17
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 18
エンタープライズ マルチバリュー フィールドの作成
⑥[エンタープライズ アウトライン コード 20 ∼ 29 ]のいずれ
かを選択し、設定します。
(画面 2 - 40)
エンタープライズ マルチバリュー フィールドを作成するには、
エンタープライズ リソース アウトライン コードの 20 ∼ 29 を
使用します。このアウトライン コードを使用して作成を行うこ
とにより、関連するエンタープライズ リソース マルチバリュー
第
2
章
フィールドを自動的に作成することができます。
◆操作:エンタープライズ マルチバリュー フィールドの作成
① Project Professional 2003 を起動し、Project Server
2003 の管理者権限を持つアカウントでログオンします。
②[ツール]−[エンタープライズ オプション]をポイントし[エ
ンタープライズ グローバルを開く]をクリックします。
③[Microsoft Project -エンタープライズ グローバルチェック
▲画面 2 - 40 エンタープライズ マルチバリュー フィールドの作成
アウト]画面が表示されます。
④[ツール]−[エンタープライズ フィールドのユーザー設定]を
クリックします。
⑦フィールドの名前を変更し、アウトライン コードを追加して、参
照テーブルの情報を追加します。
(画面 2 - 41)
⑤[ユーザー設定のアウトライン コード]タブをクリックし、[リ
ソース]オプション ボタンをクリックします。
▲画面 2 - 41 参照テーブルを作成
⑧[エンタープライズ フィールドのユーザー設定]ダイアログ
ボックスを閉じた後、エンタープライズ グローバルテンプ
レートを閉じて保存し、Project を再起動します。
⑨この操作で作成したアウトライン コード フィールドのエンタ
ープライズ マルチバリュー フィールドが作成されます。
2-5
RBS ( Resource Breakdown Structure )
プロジェクトの情報整理には企業の組織を階層構造で表わすことが重要です。Project Server ではこれを RBS ( Resource
Breakdown Structure )として設定が可能になっています。RBS の作成方法は、組織の構造を示す組織情報を定義することによ
り、リソースに対してそのリソースの所属組織を示す RBS コードを設定することが可能となり、リソースの検索および管理を容
易とするメリットがあります。
設定した RBS をリソースに適用することにより、プロジェクトへリソースを割り当てる際に、所属組織をフィルタとして、リソー
スの検索を行うことができるようになります。また、リソースの自動割り当て機能やポートフォリオ 分析機能を使用する際にも部
署ごとの情報や合計を簡単に表示させることができます。
18
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 19
RBS の設定
⑨[ RBS のアウトライン コード定義]ダイアログ ボックス
が表示するので、組織情報を登録するために必要なアウト
ここでは、リソースに対する組織情報として RBS を設定す
ライン コードを設定します。(画面 2 - 43)
る方法について説明します。
RBS は全てのリソースに設定する情報であるため、Project
Server 2003 へリソースを登録する前に設定しておく必要
があります。
第
2
◆操作:RBS の設定
章
① Project Professional 2003 を起動し、Project
Server 2003 の管理者権限を持つアカウントでログオンし
ます。
▲画面 2 - 43
[ RBS のアウトライン コード定義]ダイアログ ボックス
②[ツール]−[エンタープライズ オプション]をポイントし、
[エンタープライズ グローバルを開く]をクリックします。
③[ Microsoft Project -エンタープライズ グローバル チェッ
クアウト]画面が表示されます。
④[ツール]−[ユーザー設定]をポイントし、[エンタープライ
ズ フィールド]をクリックします。
⑤[エンタープライズ フィールドのユーザー設定]ダイアログ
⑩設定が完了したら、[ OK ]ボタンをクリックします。
⑪[エンタープライズ フィールドのユーザー設定]ダイアログ
ログ ボックスに戻るので、[ RBS ]を選択したまま、[参
照テーブルの編集]をクリックします。
⑫[ RBS の参照テーブルの編集]ダイアログ ボックスで、実際
の組織情報を設定します。
(画面 2 - 44)
ボックスで[ユーザー設定のアウトライン コード]タブをク
リックします。
⑥[ユーザー設定のアウトライン コード]タブに切り替わるの
で、[アウトライン コード]の[リソース関連]をクリックし
ます。
⑦[アウトライン コード]の一覧にリソース関連のアウトライ
ン コードの一覧が表示されます。
(画面 2 - 42)
▲画面 2 - 44 [ RBS の参照テーブルの編集]ダイアログ ボックス
⑬設定が完了したら、[閉じる]ボタンをクリックします。
⑭[エンタープライズ フィールドのユーザー設定]ダイアログ
ボックス[ OK ]をクリックして終了します。
⑮[ファイル]−[上書き保存]をクリックし、エンタープライズ
グローバルを保存します。
▲画面 2 - 42 アウトライン コードの一覧
⑯[ファイル]−[閉じる]をクリックし、エンタープライズ グ
ローバルをチェックインします。
⑧[アウトライン コード]の一覧より[ RBS ]フィールドを選
択し、[アウトライン コードの設定]をクリックします。
以上で、RBS の設定が完了しました。
19
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 20
RBS の使用例
《フィルタの設定》
第
設定した RBS がどのように利用できるのか、その一例を紹
エンタープライズ リソースに[ RBS ]の設定を行うことによ
介します。
り、「ある地域」のリソース設定に変更を行う必要がある際
エンタープライズ リソースに登録されているユーザーに
に、
[エンタープライズ リソースを開く]ダイアログ ボック
[ RBS ]の設定を行うことにより、次のような設定や表示を
スでフィルタを設定することで、その特定の地域のリソース
行うことができるようになります。
(画面 2 - 45)
を簡単に抽出できるようになります。(画面 2 - 46)
▲画面 2 - 45
▲画面 2 - 46 エンタープライズ リソースを開く]
ダイアログ ボックス
2
章
2-6
エンタープライズ リソースへ RBS を設定
リソースの設定
プロジェクト ファイルでは、タスクに対してその作業を相当するリソースが決定されます。Project Server 2003 において
は、リソースは Project Server データベースに保存されています。Project Server に登録されたリソースは、エンタープライズ
リソースと呼ばれ、プロジェクト マネージャやリソース管理者がエンタープライズ プロジェクトにリソースを割り当てる際に使用さ
れます。
Project Server にリソースを保存することにより、
「リソース センタ」でリソースの稼働状況や空き状況などを一元管理することが
できるようになります。また、実際にプロジェクト マネージャがプロジェクト メンバーをタスクに割り当てる際に、Project
Server に登録されたすべてのリソースから条件に当てはまるリソースを選択することも可能です。
この機能により、大規模な組織のリソースの管理や、リソースの稼動状況管理を簡素化できるため、効率的なリソース管理を行う
ことができるようになります。
標準リソース
標準リソースとは実際にタスクを実行するリソースではなく、
カウントを持たず、実績を入力することはできません。
エンタープライズ リソース
タスクを実行するために必要なスキルを定義するために使用
する仮リソースです。例えば定型的なプロジェクトや今後も同
エンタープライズ リソースは、Project Server 2003 に保存
じようなプロジェクトが開始されることが予測できるようなプ
されているリソースのデータベースです。この機能を利用する
ロジェクトの計画を作成する場合などに便利です。
ことによりメンバーが複数のプロジェクトに従事していても、そ
標準リソースを使用することにより、プロジェクト計画時には、
の稼動状況を一元管理できます。またエンタープライズ リソ
標準リソースとしてタスクに対して必要なスキルを定義してお
ースにはスキルなどさまざまなプロパティの設定なども行うこ
き、プロジェクト開始前に、[リソース切り替え]ウィザードおよ
とができます。エンタープライズ リソースの種類を時間単価
び[エンタープライズからチームを作成]機能により、実際のエ
型として登録した場合は、自動的に Project Web Access
ンタープライズ リソースと置換するといった、柔軟なプロジェ
へログオンするためのアカウントが作成され Project Web
クト計画の作成が可能となります。
Access から実績を報告することができます。
なお、標準リソースは Project Web Access ログオン用のア
20
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 21
エンタープライズ リソースの新規登録
⑤エンタープライズ リソースとして設定するリソースを入力し
ます。
(画面 2 - 49)
Project Server 2003 にエンタープライズ リソースを新規登
録する方法は複数あります。ここでは、Project Professional
2003 の[エンタープライズ リソース共有元を開く]メニューを
使用してエンタープライズ リソースを登録する方法について
説明します。エンタープライズ リソースを登録するためには、
第
Project Professional 2003 から Project Server 2003 に
2
接続して登録を行います。この操作では、既存のエンタープラ
イズ リソースを編集することもできますし、新規に追加を行う
章
▲画面 2 - 49 リソースを入力
ことも可能です。
⑥リソースの詳細情報を行う場合には、エンタープライズ リソ
◆操作:エンタープライズ リソースの登録
ースのリソース名をダブルクリックします。リソースを標準
①Project Professional 2003 を起動し、Project Server
リソースとして登録するには
[リソース情報]
ダイアログ ボッ
2003 の管理者権限を持つアカウントでログオンします。
②[ツール]−[エンタープライズ オプション]をポイントし、[エ
クスで
[標準リソース]
チェックボックスをオンに設定します。
(画面 2 - 50)
ンタープライズ リソース共有元を開く]をクリックします。
(画面 2 - 47)
▲画面 2 - 50 [標準リソース]
として登録
▲画面 2 - 47 [エンタープライズ リソース共有元を開く]機能
⑦エンタープライズ リソースに登録するユーザーの[リソース情
報]ダイアログ ボックスが表示されます。設定したい詳細
③[エンタープライズ リソースを開く]ダイアログ ボックスが
情報を入力します。
(画面 2 - 51)
表示されます。新規登録を行うため、[選択]一覧のエンター
プライズ リソースにはチェックを入れずに、[編集モードでチェ
ック]を選択し、[開く/追加]をクリックします。
(画面 2 - 48)
▲画面 2 - 51 [リソース情報]ダイアログ ボックス
⑧設定が終了したら、[ OK ]ボタンをクリックし、[リソース情報]
ダイアログ ボックスを終了します。
⑨[ファイル]−[上書き保存]をクリックし、エンタープライズ リ
▲画面 2 - 48
[エンタープライズ リソースを開く]ダイアログ ボックス
ソースに対する設定を保存します。
⑩[ファイル]−[閉じる]をクリックし、[ Microsoft Project -
④エンタープライズ リソース共有元が開かれ、[ Microsoft
Project -エンタープライズ リソース チェックアウト]画面
が表示されます。
エンタープライズ リソース チェックアウト]画面を閉じてエン
タープライズ リソース共有元をチェックインします。
以上でエンタープライズ リソースの登録が完了しました。
21
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 22
One Point
エンタープライズ リソースのインポート
エンタープライズ リソース登録時の既定の設定
第
2
章
エンタープライズ リソースを登録すると、自動的に Project
Web Access ログオン用アカウントが作成されます。
・アカウント名:リソース名
・パスワード:なし
・権限:チーム メンバー
エンタープライズ リソース作成時に有効な[ Windows アカ
ウント]を設定した場合には、Project Web Access に登録
されるアカウントの認証方法は、Windows 認証となります。
[ Windows アカウント]を設定しなかった場合には、アカウン
トの認証方法は Project Server 認証に設定されます。
以前の Project Server 2003 では、登録してしまったエンター
プライズ リソースをメニューから削除することはできずに、[リ
ソースの無効]を行うか、Project Server 2003 のデータベ
ースに対しストアドプロシージャを実行することで、エンタープ
ライズ リソースを削除していましたたが、Project Server
2003 からは、エンタープライズ リソースを削除することができ
るように改良されました。
リソースの無効と、リソースの削除の使い分けと方法は以下の
とおりです。
しばらく使用しないエンタープライズ リソースは、管理メニュー
より[無効]に設定します。
(画面 2 - 52)
Project Professional 2003 で作成済みのプロジェクト ファ
イルからリソースをエンタープライズにインポートすることも
できます。既に、Project で既存のファイルを作成済みで、
Project Server 2003 を構築して、エンタープライズ モデル
で使用するという場合には、この方法を使用することにより、エ
ンタープライズ リソースを簡単に設定可能となります。
操作方法は次のとおりです。
◆操作:エンタープライズ リソースのインポート
① Project Professional 2003 を起動し、[ツール]−[エンタ
ープライズ オプション]をポイントし、[エンタープライズに
リソースをインポート]をクリックします。
(画面 2 - 55)
▲画面 2 - 55 [エンタープライズにリソースをインポート]
②[リソースのインポートウィザード]ダイアログ ボックスが表示
▲画面 2 - 52
エンタープライズ リソースの無効
無 効 に 設 定 す ると 行 え なくな る 機 能 が あ る 旨 を Project
Server 2003 が警告メッセージとして表示します。
(画面 2 53)
されるので、ウィザードに沿って設定を行います。
( 画面 2 56)
▲画面 2 - 53 警告メッセージが表示
恒久的に使用しないエンタープライズ リソースは、Project
Web Access の[管理]−[Project Server データベースのクリ
ーンアップ]より削除を行います。
(画面 2 - 54)
▲画面 2 - 56 [リソースのインポートウィザード]
▲画面 2 - 54 リソースの削除
ただし、エンタープライズ リソースの削除を実行する前に、必
ずエンタープライズ リソースに関連する項目
(割り当てタスクや
懸案事項等)を完全に置換または削除する必要があります。
22
Project_Pro+Server念校1-2 04.6.21 1:00 PM ページ 23
2-7
Active Directory
R
との連携
Project Server 2003 からの新機能として、ディレクトリ サービスである Active Directory を既に構築済みの企業では、
Active Directory に登録されたユーザー情報をエンタープライズ リソースとして利用することが可能になりました。ログオン
アカウントをリソースとしてインポートすることにより、データの一元管理を行うことができます。
Active Directory 連携の概要
第
◆操作 Active Directory 連携
① Project Web Access を 起 動 し 、Project Server
Project Server 2003 では、Active Directory からエン
2003 の管理者権限を持つアカウントで Project Web
タープライズ リソース共有元にリソースをインポートするこ
Access にログオンします。
とはもちろん、Active Directory のセキュリティ グループを
Project Server 2003 のセキュリティ グループにマッピン
(画面 2 ②[管理]メニューの[サーバーの構成]をクリックします。
57)
グすることが可能になりました。
この機能を使用すると、Project Server 2003 管理者は組
織内の Active Directory インフラストラクチャを活用して、
セキュリティとリソースを一元的に管理できるようになります。
例えば、Active Directory グループに新しく追加されたユーザ
ーは、エンタープライズ リソース共有元および Project
Server 2003 のリソースとして自動的に作成されます。ま
た、マッピングされている Active Directory グループから
削除されたユーザーは、エンタープライズ リソース共有元お
よび Project Server 2003 で、自動的に無効化されます。
ただし、この機能は、Active Directory から Project Server
2003 への一方向の自動同期のみをサポートするように設計
▲画面 2 - 57 [管理全般]画面
され、Project Server 2003 と Active Directory の間の双
方向の同期はサポートされていません。
③[サーバーの構成]画面で、Active Directory 関連の設定を行
い、設定が完了したら、[変更の保存]をクリックします。
(画面 2
Active Directory 連携の設定
- 58)
新しく追加された Project Server 2003 の Active
Directory 機能では、エンタープライズ リソース共有元を
Active Directory の特定グループに所属しているメンバー
との間で同期することができます。
Active Directory 連携を行うには、次の設定を行います。
▲画面 2 - 58 Active Directory 関連の設定
23
2
章
Project_Pro+Server念校3 04.6.21 0:56 PM ページ 24
第3章
プロジェクト マネージャ
プロジェクト管理を行う上で、プロジェクト マネージャの役割はもっとも重要な位置を占めているといっても過言ではありません。
プロジェクトの開始が決定すると、プロジェクト マネージャが行うべき重要な業務は多々あります。ここでは、プロジェクト マネー
ジャが Project 2003 を使用してプロジェクト管理を行う際に使用する、機能の概要について説明します。
プロジェクト マネージャが Project Server 2003 にプロジェクト ファイルを保存して共有することにより、プロジェクト スケ
ジュールや、リスクや懸案事項の共有が可能となります。また、企業内の様々な意思決定者に必要なデータを迅速、かつ正確に届
けることができる様になります。
第
3
章
3-1
機能の概要
プロジェクト マネージャは、Project Server 2003 が構築された後に、自分が使用しているProject Professional 2003 を
Project Server 2003 に接続する設定を行う必要があります。この接続の設定を行うことにより、 Project Professional
2003 が、Project Server 2003 のクライアントとなり、プロジェクト計画をProject Server 2003 に発行することができる
ようになります。
プロジェクト計画の作成は、Project 2003 を単体で使用している場合とそれほど違いはありませんが、サーバーと連携するこ
とにより設定可能な、企業で統一されたカレンダー
(エンタープライズ カレンダー)や企業独自のコードの作成(エンタープライズ ア
ウトライン コード)等を使用することができるようになります。
(図 3 - 1)またエンタープライズ リソース管理機能も利用可能で
す。プロジェクト計画を作成する際に、作業に必要なスキルのみを設定しておくことにより、リソース管理者にプロジェクトに最も
ふさわしいメンバーのアサインを依頼することができます。
Project Server 2003 に発行されたプロジェクトは、Project Web Access から確認することができるようになります。また、
Project Server 2003 を使用することにより、企業はプロジェクトの共有を行うことができるようになります。
プロジェクト
マネージャ
リソース管理者
SQL Server 2000
Windows SharePoint Services
チーム メンバー
▲図 3 - 1 役割と使用するソフトウエア
24
上級管理者
Project_Pro+Server念校3 04.6.21 0:56 PM ページ 25
3-2
プロジェクト マネージャの設定
プロジェクト マネージャが、Project Server 2003 にプロジェクト計画を発行するまでの一連の操作を説明します。
操作の流れは次のとおりです。
1. Project Professional 2003 から Project Server 2003 に接続するための設定
2. プロジェクト計画の作成
3. 標準リソースのインポート
4. 標準リソースを使用した計画の作成
5. エンタープライズ アウトライン コードの入力
6. プロジェクト ファイルの発行
第
3
章
Project Server 2003 への接続設定
③[ Project Server アカウント]ダイアログ ボックスで[追加]ボ
タンをクリックします。
(画面 3 - 2)
Project Server 2003 の構築が終了し、サーバー管理者が
アカウント作成を完了すると、プロジェクト マネージャは、まず
Project Professional 2003 から Project Server 2003 に
接続するための設定を行います。サーバー側の設定は、サーバ
ー管理者が終了していますので、ここではクライアント側の設
定について説明します
(サーバー側の設定については、第 2 章
を参照)
。
Project Professional 2003 を 起 動 す る 際 に 、Project
Server 2003 に作成したどのユーザーで接続するのか、ま
た、企業内に複数の Project Server が構築されている場合
▲画面 3 - 2
には、どの Project Server に接続するのかを設定します。
④[アカウントのプロパティ]ダイアログ ボックスに[アカウント名]
設定の方法は複数ありますが、ここでは最もシンプルに設定を
[ Project Server アカウント]ダイアログ ボックス
及び[ Project Server の URL ]を入力します(画面
。
3 - 3)
行う方法について説明します。
◆操作:アカウントの設定
①設定を行いたいユーザー アカウントで Windows にログオン
します。
②[スタートボタン]−[すべてのプログラム]−[ Microsoft
Office ]− [ Microsoft Office ツ ー ル ]− [ Microsoft
Office Project Server アカウント]をクリックします。
(画
面 3 - 1)
▲画面 3 - 3
[アカウントのプロパティ]ダイアログ ボックス
⑤入力が完了したら、 URL に間違いがないか確認するため
に[接続テスト]ボタンをクリックします。
(画面 3 - 4)
▲画面 3 - 1
Project の起動
▲画面 3 - 4
完了メッセージ
25
Project_Pro+Server念校3 04.6.21 0:56 PM ページ 26
⑥[ OK ]ボタンをクリックします。
⑦開始時に接続をどのように設定するのか選択し、設定を完了
します。
(画面 3 - 5)
Column
Project Server 2003 への接続
Project Professional 2003 が、Project Server 2003
に接続しているか確認するには、次のようにして確認します。
1.ビューバーに[エンタープライズ ガントチャート]ビューが表
示されている
2.[エンタープライズ オプション]の[Microsoft Office Project
Server アカウント]以外が設定できる状態となっている
(画面 3 - 8)
第
3
章
▲画面 3 - 5
利用可能なアカウント
⑧[ OK ]ボタンをクリックします。
▲画面 3 - 8 Microsoft Office Project Server 2003 に接
続可能な状態
Project Server 2003 と常に接続できる環境であれば、[接続
状態を手動で検出する]を選択していても構いませんが、自宅
や外出先にも持参するノートパソコンの場合には、[接続状態を
手動で制御]を選択しておくことをお勧めします。
3.[開く]ボタンをクリックすると現れる[ Microsoft Project
Office Server から開く]ダイアログ ボックスの[テンプレ
ート]に[エンタープライズ テンプレート]が表示される。
設定が完了し、Project Professional 2003 が Project
Server 2003 に接続した状態で開くことができたら、プ
ロジェクト マネージャはプロジェクト計画の作成を行います。
以上の操作で、クライアント側にアカウントの設定が完了しま
した。さっそく、Project Professional 2003 を開いて、動作
プロジェクト計画の作成
を確認してみましょう。
◆操作:Project Professional 2003 の起動
ここでは、Project Server にプロジェクト ファイルを発行す
① Project Professional 2003 を起動します。
るために必要なエンタープライズ カレンダーの設定方法や標
②開始時の接続を[接続状況を手動で制御する]を選択している
準リソースの設定方法について説明します。
ため、起動のタイミングで[ Project Server アカウント]ダイ
アログ ボックスが表示されます。
(画面 3 - 6、7)
・エンタープライズ カレンダーの設定
プロジェクト ファイルを作成する場合には、まずカレンダーの設
定を行います。カレンダーの設定を先に行う理由として、カレ
ンダーの設定と実際の企業の勤務カレンダーの設定に食い違
いがあると、計算された時間やコストと実際の時間やコストに
狂いがでてしまう点が挙げられます。
Project Server 2003 を使用する際には、第 2 章で説明した
▲画面 3 - 6
[ Project Server アカウント]ダイアログ ボックス
ようにサーバー管理者が企業のエンタープライズ カレンダー
の設定を行っていますので、独自にカレンダーを作成するので
はなく、準備されているエンタープライズ カレンダーを適用し
ます。
エンタープライズ カレンダーの適用方法は、[ツール]の[稼動
時間の変更]ダイアログ ボックスで行う方法と、プロジェクト
ファイルを Project Server に発行するタイミングで適用す
▲画面 3 - 7
接続するユーザーを選択
る方法があります。
ここでは、Project Server に発行するタイミングで適用する方
法について説明します。
26
Project_Pro+Server念校3 04.6.21 0:56 PM ページ 27
◆操作:エンタープライズ カレンダーの設定
◆操作:標準リソースの設定
① Project Server に発行したいプロジェクト ファイルを開き、
①標準リソースの設定を行いたいプロジェクト ファイルを開き、
[上書き保存]
ボタンをクリックします。
(画面 3 - 9)
[ツール]−[エンタープライズからチームを作成]をクリックし
ます。
(画面 3 - 11、12)
第
3
章
▲画面 3 - 9 プロジェクトを Project Server に保存
②[Project Server に保存]ダイアログ ボックスで、「カレ
▲画面 3 - 11 計画の作成が終了したプロジェクト ファイル
ンダー」から準備されたエンタープライズ カレンダーに設
定します。(画面 3 - 10)
▲画面 3 - 12
[エンタープライズからチームを作成]ダイアログ ボックス
▲画面 3 - 10 [ Project Server に保存]ダイアログ ボックスで
カレンダーを設定
②エンタープライズ リソースの「標準リソース」
から必要なスキ
③ファイルに名前を付け、[保存]を行います。
ルを選択し、[追加]ボタンをクリックします。
(画面 3 - 13)
但し、Project Server へ発行するタイミングでエンタープライ
ズ カレンダーの適用を行うと、作成したプロジェクト計画の日
程が設定したエンタープライズカレンダーの影響を受け、変更
されてしまう可能性があります。そのため、必ず計画を作成す
る前にエンタープライズ カレンダーの適用を行ってください。
・標準リソースを使った計画の作成
▲画面 3 - 13 必要なスキルを持った「標準リソース」を選択
エンタープライズ カレンダーの設定が完了したら、早速プロジ
ェクト計画を作成します。
ここでは、プロジェクト管理者が Project Server 2003 に
③プロジェクトチーム リソースに選択した「標準リソース」が表
示するので、[ OK ]ボタンをクリックします。
(画面 3 - 14)
用意された作業に必要なスキルを定義できる「標準リソース」
を実際に担当するメンバーの代わりに設定する方法について説
明します。
▲画面 3 - 14 プロジェクトチーム リソースに表示された標準リソース
27
Project_Pro+Server念校3 04.6.21 0:56 PM ページ 28
④リソースシートビューに切り替えて、エンタープライズ リソ
ースから標準リソースがインポートされたことを確認します。
(画面 3 - 15)
◆操作:ファイルの発行
①[共同作業]−[発行]−[すべての情報]をクリックしてプロジェ
クト ファイルを発行します。
(画面 3 - 17)
第
3
章
▲画面 3 - 15
インポートされた標準リソース
・プロジェクト ファイルの保存
▲画面 3 - 17 プロジェクト ファイルの発行
②Project Professional 2003 を終了します。
プロジェクト管理者は、Project Server 2003 にプロジェクト
ファイルを保存するときに、プロパティをプロジェクト ファイ
これで、Project Server 2003 にファイルを発行すること
ルに設定することができます。ただし、エンタープライズ フィ
ができました。[名前を付けて保存]ダイアログ ボックスで設
ールドの設定については、既にサーバー管理者が設定を行って
定したエンタープライズ アウトライン コードは、プロジェクト セ
いますので、プロジェクト管理者は必要なアウトライン コード
ンタで、関連するプロジェクトをグループ化や、フィルタを行
のフィールドを入力するだけです。
(画面 3 - 16)
うことができ、分析に役立ちます。
次に、Project Web Access に切り替えて本当にファイルが
Project Server 2003 に発行されたか確認してみましょう。
◆操作: サーバー側でファイルの発行を確認
①ブラウザから、Project Server 2003 の URL アドレスを入
力します。
②プロジェクト センタに切り替え、発行したファイル名をクリ
▲画面 3 - 16 [ Project Server に保存]
ダイアログ ボックス
ックします(実際に作成したプロジェクト計画を表示)
。
③ブラウザがプロジェクトのビューに切り替わり、選択した「 AD
・プロジェクト ファイルの発行
の構築」の計画を確認することができました。
(画面 3 - 18)
プロジェクト計画の保存が完了したら、情報が共有される様
Project Server 2003 にプロジェクト ファイルを発行します。
しかし、今の状態では、プロジェクトやプロジェクトに含まれる
タスクは標準リソースに割り当てられているため、実際に担当
するユーザーは、Project Server に発行されたプロジェクト
にまだアクセスすることができません。プロジェクトやタスク
を実際に担当するリソースに割り当てるには、リソース管理者
に対して、標準リソースと実際に担当するリソースの切り替え
を依頼します。
(手順については、
「 4 - 2 リソースの割り当
て」を参照してください。
)その後、発行メンバーは、プロジェク
ト ファイルにアクセス可能となります。
▲画面 3 - 18 プロジェクトのビュー
Project Server にファイルを保存しただけでは、メンバーに
Project Server 2003 を使用する場合、Project Professional
プロジェクト ファイルを公開することはできません。
2003 を使用するのは、プロジェクト マネージャのみです。
ファイルを保存した後に、プロジェクト計画を発行します。ここ
プロジェクト マネージャは、Project Web Access を使用
では、プロジェクト ファイルの発行方法について説明します。
してプロジェクトを確認することも可能ですが、プロジェクト計
画の作成、プロジェクトの期間の短縮(シミュレーション)など
の操作を行う場合には、Project Professional 2003 が必要
になります。
28
Project_Pro+Server念校4-5 04.6.21 0:57 PM ページ 29
第4章
リソース管理者
第 4 章では、リソース管理者が Project Server 2003 で効率的なリソース活用を行う方法や、リソース管理者のために準備され
ている機能について説明します。すでに説明したように、プロジェクト マネージャは実際のプロジェクト メンバーではなく、リソ
ースのスキルを表す「標準リソース」
によりプロジェクトを作成します。では、実際に「標準リソース」をプロジェクト メンバーに割
り当てる役割は、誰が担当するのでしょうか? その役割を持つ人こそが、リソース管理者です。実際の企業の中で、このリソース
管理者の役割を持つ人は、プロジェクトの運営形態や企業の組織形態にもよりますが、一般的には部下の稼働状況を管理する部課
長です。
通常の企業の場合、プロジェクト マネージャにはメンバーのア
サイン権限がない場合がほとんどです。プロジェクト マネージ
ャは、プロジェクトを進めるのに必要なメンバーのスキルをリ
ソース管理者に要求します。リソース管理者は、要求されたス
第
キルに基づきメンバーを選定します。このとき、リソース管理
4
者はプロジェクトのコストやメンバーのコスト、スケジュールを
章
考慮してアサインを行います。リソース管理者の役割とは、プ
ロジェクトのタスクを、特定のリソースに偏ることなく、タスク
が適切に割り当てられるように、作業負荷を配分することです。
もっとわかりやすく言えば、リソースを効率的に活用すること
がリソース管理者の役割なのです。
(画面 4 - 1)
▲画面 4 - 1 リソース管理者
4-1
機能の概要
プロジェクトが正式に稼動することが決定し、プロジェクト マネージャから、プロジェクトに必要なスキルを持ったリソースの手配
がリソース管理者に依頼されます。依頼を了承したリソース管理者は、自分が管理している組織のメンバーから、依頼を受けたス
キルを持ち、日程が空いているリソースを探す必要があります。Project Server 2003 においては、
「Project Web Access
からチームを作成」を使用すると、簡単にスキルやリソースの空き状況で検索を行うことが可能です。プロジェクト開始後、何らか
の理由により、すでにアサインされたメンバーが交代、あるいは同じスキルを持ったリソースを追加投入しないとならない場合に
も、
「Project Web Access からチームを作成」を利用することにより要求されたメンバーを探すことが可能です。
4-2
リソースの切り替え
プロジェクトが正式に承認されると、リソース管理者はプロジェクト マネージャからプロジェクトのタスクに必要なスキルを
持ったリソースの投入を依頼されます。依頼を受けたリソース管理者は、直ちにプロジェクトを遂行するために必要なスキルを
持ち、プロジェクトの期間中に日程が空いているリソースをそのプロジェクトに割り当てます。
Project Web Access からチームを作成
用する必要がありました。しかし、新しい Project Server
2003 から、Project Web Access から「標準リソース」に
以前の Project Server のバージョンでは、リソース管理者は
より定義された特定のスキルを持つリソースをデータベース
リソースを割り当てるために、Project Professional を使
から抽出し、タスクに割り当てることができるようになりま
29
Project_Pro+Server念校4-5 04.6.21 0:57 PM ページ 30
した。(画面 4 - 2)
◆操作:フィルタによるメンバーの選出
①[チームの作成]ページで、エンタープライズ リソースのフィル
タの[+
(プラス)]をクリックします。
②フィルタの設定画面が表示され、[エンタープライズ アウト
ライン コード]の入力部分をクリックすると、
ドロップダウン
リストが表示されます。
(画面 4 - 7)
▲画面 4 - 2
Project Web Access からチームを作成
第
この機能により、プロジェクトを遂行するために必要なリソー
4
スを選択すると、プロジェクト計画の「標準リソース」を実際の
章
スタッフに置き換えることが可能になります。
▲画面 4 - 7
◆操作:Project
エンタープライズ リソースのフィルタ
Web Access からチームを作成
① Project Web Access へアクセスし、リソース管理者権限
を持つユーザーでログオンします。
②[ホーム]画面で[プロジェクト]をクリックします。
③表示されるリストから抽出したい条件(今回は英語を話すこ
とのできるリソース)を設定し、[フィルタの適用]ボタンをク
リックします。
(画面 4 - 8)
③プロジェクト センタが表示されるので、リソースを割り当
てるように依頼を受けたプロジェクトを選択し、[チームの
作成]ボタンをクリックします。
(画面 4 - 3)
▲画面 4 - 8
▲画面 4 - 3
[チームの作成]
フィルタの適用
④エンタープライズ リソースから、設定されたフィルタに該当
するリソースが抽出されました。
(画面 4 - 9)
④[チームの作成]ページが表示されます。
Project Server 2003 では、エンタープライズ リソースから
メンバーを選出する際に、さまざまなフィルタの設定を行うこ
とができます。
エンタープライズ アウトライン コードとして設定された
「スキル」
や「 RBS 」でフィルタをかけることができるので、例えば、アジ
ア地域に所属しており、日本語や英語、中国語の言語を話すこ
とができるリソースを検索することも難しくはありません。
ここでは、Project Server 2003 から新機能として追加さ
れた「マルチバリュー」のエンタープライズ フィールドをもとに
抽出してみましょう。
30
▲画面 4 - 9
フィルタに基づきリソースが表示
Project_Pro+Server念校4-5 04.6.21 0:57 PM ページ 31
スキルの一致
リソース管理者は、プロジェクトにリソースを割り当てる際に、
Project Server 2003 から用意された Project Web
Project Server 2003 では、同等のスキルを持ったメンバ
Access からチームを作成を使用することにより、さまざま
ーと役割を交代させる場合に、[一致]ボタンを準備しています。
な角度でリソースのスキルや利用可能時間の分析機能を使用
プロジェクトのリソースで交代させたいメンバーを選択し、[一
することができます。
致]ボタンをクリックすると、フィルタされたエンタープライズ
リソースに、選択したメンバーと同等のスキルをもったリソー
スが表示されます。
(画面 4 - 4)
②別ウィンドウが表示され、選択したリソースの利用可能時間
がグラフで確認できます。
(画面 4 - 6)
第
4
▲画面 4 - 6
章
[リソースの利用可能時間の表示]画面
追加したいリソースが決定したら、[リソースの利用可能時間の
表示]画面を終了します。また、[チームの作成]画面の[フィルタ
されたエンタープライズ リソース]に表示されている追加した
▲画面 4 - 4
スキルの一致
いリソースを選択し、[置換]をクリックします。
(画像 4 - 10)
このように、企業に存在する大量のエンタープライズ リソース
があったとしても、フィルタを設定することにより、該当するス
キルのメンバーの選出が可能になりました。しかし、まだ該当
するスキルのメンバーが多く、どのメンバーを選出すればよい
のか決定することができません。また、抽出されたメンバーは
単にエンタープライズ リソースから条件にあうリソースのみ
を抽出しただけですので、実際に該当するプロジェクトの期間
にリソースの稼動時間が空いているというわけではありません。
ここでは、リソースの利用可能時間を確認します。
◆操作:リソースの利用可能時間の確認
①[フィルタされたエンタープライズ リソース]ボックスに表示さ
▲画面 4 - 10 [フィルタされたエンタープライズ リソース]画面
れたリソースを選択し、[利用可能時間]ボタンをクリックしま
リソースの置換が終了したら、
[チームの作成]
画面で
[変更の保
す。
(画面 4 - 5)
存]
をクリックします。
(画像 4 - 11)
▲画面 4 - 5
利用可能時間の確認
▲画面 4 - 11 置換されたプロジェクトのリソース
31
Project_Pro+Server念校4-5 04.6.21 0:57 PM ページ 32
4-3
リソース メニュー(リソース分析)を使用したリソースのプランニング
ここでは、リソース管理者が主に使用するリソース メニューの使用例について説明します。
リソース配分状況の確認
リソース管理者は、次の方法でもリソースの配分状況を確認す
ることができます。前項で説明した方法は、あるプロジェクト
を基点にリソースを選出するプロセスでリソースの配分状況を
確認しました。ここでは、リソース メニューを使用して同様にリ
ソース配分状況を確認する方法について説明します。
第
◆操作:リソース メニューの使用
4
① Project Web Access へアクセスし、リソース管理者権
章
限を持つユーザーでログオンします。
②[ホーム]画面で[リソース]をクリックします。
③[リソース センタ]画面が表示されます。
(画面 4 - 12)
▲画面 4 - 14 [マレーシア製造部門のリソース ビュー]に
切り替えられたエンタープライズ リソース
リソース管理者は、必要な情報の種類に応じてさまざまなビュ
ーを使用してリソースの配分を考慮することができます。これ
らのユーザー設定のビューは、サーバー管理者が各リソース管
理者のニーズに合わせて作成可能です。例えば、プロジェクト
で割り当てが超過しているリソースや割り当てが少ないリソー
スを表示できるように、情報をプロジェクト別に構成して表示
することもできます。
なお、リソース センタでは、次のビューを表示することが
できます。
▲画面 4 - 12
[リソース センタ]画面
・リソース センタにあるエンタープライズ リソースの表示
・ポートフォリオ 分析を利用したリソースの分析
リソース センタでは、あらかじめカスタマイズされたビューに
・リソース割り当ての表示
切り替えることにより、多角的にリソースの配置計画を分析す
・実績作業時間の調整
ることが可能です。
(画面 4 - 13、14)
・タイムシート サマリーの表示
・タイムシートの承認
ビューの設定
既定の「カテゴリ」の設定では、参照できるプロジェクトは、自
分の従事しているものだけに制御されています。
しかし、リソース管理者の位置づけを部長、課長と想定した場
合、自分の部下がどのようなプロジェクトに係わり、今、何をし
ているのか確認したいといった切り口の要望が考えられます。
その場合、
「リソース管理者」のカテゴリの設定を行うことによ
り、上記のような要求を満たすことができます。
まずは、[カテゴリ]の設定を行います。
(以下設定はシステム管
▲画面 4 - 13
32
ビューの切り替え
理者に依頼して行うこととなります。)
Project_Pro+Server念校4-5 04.6.21 0:57 PM ページ 33
◆操作:カテゴリの設定の変更
◆操作:リソース センタの表示の変更
① Project Server 2003 の サ ー バ ー 管 理 者 の 権 限 で
①[リソース センタ]メニューをクリックし、サブメニューから
Project Web Access にログオンします。
[リソース割り当ての表示]をクリックします。
(画面 4 - 17)
②[管理]メニューの[セキュリティの管理]をクリックします。
③[カテゴリ]画面の[自分のタスク]を選択し、[カテゴリの変更]
をクリックします。
(画面 4 - 15)
▲画面 4 - 17 [リソース センタ]画面
第
②[利用可能なリソース]から表示したいリソースを選択し、
[表
4
示するリソース]
に追加し、
[適用]
ボタンをクリックします。こ
章
こで表示されているリソースは RBS の自分の管理するリ
ソースです。
(画面 4 - 18)
▲画面 4 - 15
[自分のタスク]カテゴリ
④[リソース:このカテゴリのユーザーが表示できる、あるいは
表示できないリソース情報を選択してください]セクションの
[このカテゴリのユーザーに、そのユーザーが直接管理する
すべてのリソース情報の表示を許可する]チェック ボックス
をオンにします。
(画面 4 - 16)
▲画面 4 - 18 [リソース割り当ての表示]画面
③画面下部に、自分の管理するリソースが担当するプロジェク
トとそのタスクが表示されます。
(画面 4 - 19)
▲画面 4 - 16
カテゴリの設定を変更
⑤設定が終了したら、[変更の保存]をクリックします。
この設定を行うことにより、自分が所属する、またはそれ以下
の階層の RBS のリソース情報を参照することができ、上司が
▲画面 4 - 19 RBS の視点でプロジェクトを表示
直接管理しているリソースの情報の表示が可能となります。
次に、
「リソース センタ」で表示の確認を行います(リソース管
このように、全く別のプロジェクトに携わっているリソースであ
理者の権利を持っているユーザーで確認)
。
っても、 RBS を設定しておくことにより、企業独自に作成さ
れた分類に応じて、プロジェクトを横断的に確認できるように
なります。
33
Project_Pro+Server念校4-5 04.6.21 0:57 PM ページ 34
第5章
チーム メンバー
プロジェクトに参加するチーム メンバーは、プロジェクト マネージャやリソース管理者から割り当てられたタスクを、決められた時
間内に遂行する必要があります。Project 2003 のようなプロジェクト管理ツールを使用するメリットのひとつに、Project
Web Access で情報を共有できることが挙げられます。自分のタスクがプロジェクトのどの部分にあたるのかなどを、メンバーが
確認できるようになります。また、メンバーが全体的なスケジュールをいつでも確認できるようになるため、あるタスクが早く終わ
った場合や、逆に遅れた場合などでも、プロジェクト計画に反映されるので、まだ取り掛かるべきでない作業を開始してしまう、あ
るいはすでに取り掛かるべき作業をまだ始めていないといったミスやタイムラグがなくなります。
第 5 章では、プロジェクトのチーム メンバーとして Project Server 2003 にアクセスする方法について説明します。
5-1
機能の概要
プロジェクトにおけるチーム メンバーの役割のひとつは、プロジェクト マネージャ及びリソース管理者から割り当てられたタスク
第
5
章
を遂行し、その進捗状況を報告することです。作業の実績時間、あるいは達成度を入力することにより、タスクの進捗が積み上げ
られ、プロジェクト全体の進捗管理を行うことが可能となります。
Project 2003 で進捗管理を行うと、Project Web Access の進捗報告用のビューであるタイムシートや Microsoft Office
Outlook の予定表から進捗状況を報告する方法など、企業ユーザーが使い慣れたインターフェイスを使って報告ができます。
また、プロジェクトを進めるにあたって共有する必要があるのは、プロジェクト スケジュールだけではありません。成果物といわれ
るドキュメント、リスク情報や懸案事項などが該当しますが、これらプロジェクトに関連する重要な事項を 1 ケ所に集約しておく
ことにより、迅速かつ正確に情報を共有することができるよう
になります。Project 2003 では、共有したいドキュメントやリ
スク等を公開することのできるポータルが準備されています。
チーム メンバーは、これらの情報にアクセスする際には、
Project Web Access を 使 用 し ま す 。 Project Web
Access は、Microsoft Office Web アプリケーション同様の
インターフェイスを採用しているため、Project の操作に不
慣れなユーザーであったとしても、短時間で習得可能です。ま
た、各メンバーが Project Server 2003 にアクセスする最初
のページは「ホーム」
と呼ばれ、新しく割り当てられたタスクや、
前回のログインから変更された項目が表示されるので、状況を
すばやく把握することができます。
(画面 5 - 1)
▲画面 5 - 1 Project Server 2003 にアクセスすると表示される
「ホーム」
34
Project_Pro+Server念校4-5 04.6.21 0:57 PM ページ 35
5-2
進捗管理
Project Web Access 上で、作業の進捗状況をタイムシートに入力し、報告する方法を解説します。これにより、プロジェ
クト マネージャは、各チーム メンバーが更新した進捗状況などを確認し、自動的にプロジェクト ファイルにアップデートさせ
ることもできるようになります。ここでは、メンバーとして進捗を入力する方法、プロジェクト マネージャとして入力された進捗
を承認する方法について説明します。
進捗管理の入力
④[すべて更新]をクリックして、入力を送信します。
⑤タスクの更新が行われ、承認を行うプロセスに進んだことを
プロジェクト メンバーが報告した実績は、タスクの承認者に自
示すメッセージが表示されます。
(画面 5 - 3)
動的に送信されます。以前の Project Server においては、
Project Server の管理者にタイムシートの承認者の権限が
割り当てられており、メンバーの追加や変更などができません
でしたが、Project Server 2003 からは、現実的なシナリ
オに沿って、タイムシートの承認者を追加することができるよ
▲画面 5 - 3
承認プロセスに進んだ旨のメッセージが表示
うになりました。
プロジェクトにアサインされたメンバーは、組織のルールに基
プロジェクト メンバーが報告した実績は、自動的にタスクの
づきタスクの進捗を報告します。Project Server を使用し
承認者に報告があった旨が送信されます。
間を報告するという方法で行います。組織のルールとは、メン
《タイムシートの承認》
バーが進捗をいつまでに報告するのかといったような決め事
メンバーが進捗を入力すると、タスクの承認者に、承認待ちの
になります。
タイムシートが送られます。Project Web Access ではどのよ
《実績の入力》
タ ス ク の 承 認 者 に な って い る ユ ー ザ ー で Project Web
プロジェクト メンバーは、組織のルールに従って自分が担当し
Access にログオンします。
(画面 5 - 4)
うな画面で表示されるのか、実際に確認してみましょう。
ているタスクの実績を入力します。
◆操作:実績の入力
① Project Web Access にログオンします。
②[タスク]をクリックします。
③[自分のタスクの表示]画面で、進捗を報告したいプロジェク
トのタスクを表示し、実際に行った作業時間または達成率を
入力します。
(画面 5 - 2)
▲画面 5 - 2
5
章
た場合、進捗管理は割り当てられたタスクに対する実績作業時
▲画面 5 - 4
第
タイムシートの承認
実績の入力
35
Project_Pro+Server念校4-5 04.6.21 0:57 PM ページ 36
[ホーム]画面にて、タイムシートが 1 件、承認待ちになっている
《タイムシートのロックダウン》
ことが確認できました。提出されたタイムシートをクリックし
以前の Project Server では、タイムシート上の入力可能な
て内容を確認します。
(画面 5 - 5)
期間を設定することができませんでした。このことは、過去の
進捗報告をいつでも入力できることを意味しています。これで
は過去の日付の進捗状況を修正できてしまうために、進捗管理
に影響をおよぼしたり、メンバーが誤った日付に入力してしま
ったりといったトラブルが発生していました。
Project Server 2003 では、メンバーに進捗を入力させる場
合に、企業で決定したルールに基づき進捗を報告させるよう
に、設定を行うことができるようなりました。これを、作業
時間のロックダウンと呼んでいます。実際に作業時間をロッ
クダウンするには、Project Server 2003 のシステム管理者
として、次の操作を行います。
Project Server 2003 では、Project Web Access のタイ
▲画面 5 - 5
第
5
章
[タイムシートの更新]画面
ムシートで進捗を入力させる際に、特定の期間をロックして、リ
ソースが企業で決められたルール外の期間に進捗を報告でき
報告者、割り当て先、プロジェクト名、実作業時間などが表示さ
ないように設定を行うことができるようになっています。実績
れています。内容を確認して問題がなかった場合には、[承認]
作業時間をロックダウンするには、Project Server 2003
を行います。
のシステム管理者として次の操作を行います。
◆操作:タスクの承認
Column
①承認を行うタスクの承認フィールドをクリックします。
タイムシートの承認者
②ドロップダウンで、[承認]あるいは[却下]が表示されるので、
多くの組織では、リソースによって報告された実績作業時間を
プロジェクトに適用する前に承認を行います。また、兼任でプ
ロジェクトを担当する企業の場合には、タイムシートの承認者が
プロジェクト 管理者ではなく、直属の上司であったりする場合も
多々あります。以前の Project Server では、複数のタイムシー
トの承認者の設定を行うことができませんでしたが、実際の運
用にあわせて、Project Server 2003 から複数のタイムシ
ート承認者の設定機能が追加されました。Project Server
2003 のタイムシート承認権限は、ユーザーが所属する RBS 、
またはユーザーが「自分の直接報告者」カテゴリに追加されてい
るかどうかに基づいています。
(画面 5 - 7)
[承認]を選択します。
(画面 5 - 6)
▲画面 5 - 6
タスクの承認
③[保存]をクリックします。
▲画面 5 - 7
36
タイムシートの承認者
Project_Pro+Server念校4-5 04.6.21 0:57 PM ページ 37
◆操作:実績作業時間のロックダウン
① Project Web Access にプロジェクト サーバー管理者とし
てログオンし、[管理機能]画面で、[ Project Web Access の
③[管理するタイムシート期間]セクションで、どのタイミングで
進捗報告を行うのか、また、報告期間を作成し、各期間の状
態を変更可能または変更不可に設定します。
(画面 5 - 9)
ユーザー設定]をクリックします。
②[進捗管理]設定オプションの[期間の設定]セクションで、実
績作業時間をロックダウンするかどうかを指定します。
(画
面 5 - 8)
▲画面 5 - 9
[管理するタイムシート期間]セクション
④設定が終了したら、[変更の保存]をクリックします。
第
この操作により、企業で決められたルール(例えば、実際の作業
▲画面 5 - 8
実績作業時間のロックダウン
日から 1 週間以内に進捗を報告する)
にのっとった進捗報告
を行わせることができるようになります。
【注意】
この機能は、既定では無効になっています。
5-3
Outlook
R
との連携
Outlook をビジネスで使用されている方の中には、予定表で業務の予定や個人の予定を一元的に管理されている方も多いでし
ょう。実際に、Project を使用しているユーザーのフィードバックから生まれた機能が、Project Server 2003 の Outlook との
連携です。
新しい Outlook 連携強化により、Project Server 2003 に保存されたタスクを Outlook の予定表にインポートして表示できる
ようになりました。さらに、ユーザーは予定表のタスク詳細から、Project Server 2003 に進捗状況を報告することができるよう
になりました。ユーザーは使い慣れた Outlook の予定表を使ってプロジェクト業務の管理を行える様になりました。
Outlook との連携を行うには次のように設定を行います。
◆操作: Outlook アドインの設定
① Project Web Access のホーム 画面の「Outlook 連携機
能 へのリンク」をクリックします。
(画像 5 - 10)
▲画面 5 - 10 Outlook アドインは Project Web Access の
ホーム画面からダウンロード可能
37
5
章
Project_Pro+Server念校4-5 04.6.21 0:57 PM ページ 38
② Outlook 機能の使用 画面 の[今すぐダウンロード]をクリ
⑤Outlook アドインのインストールが終了しました。
ックします。
(画像 5 - 11)
Outlook アドインのインストール後にOutlook を起動し、
Project Server に接続するための設定を行います。
◆操作:Outlook 側の設定
① Outlook を起動し、[ツール]ー[オプション]をクリックし
ます。
② Outlook アドインをインストールすると、[オプション]ダイア
ログ ボックス に[ Microsoft Project Web Server ]タブが
追加されます。このダイアログ ボックスでは、Project
Server のタスクをインポートする範囲や、インポートと更
新のタイミングを設定します。
(画面 5 - 14)
▲画面 5 - 11
第
5
[ Outlook 機能の使用]画面
③[ファイルのダウンロード] ダイアログ ボックス が起動します
ので、[開く] ボタンをクリックします。
(画像 5 - 12)
章
▲画面 5 - 12
[ファイルのダウンロード] ダイアログ ボックス
④[ Outlook 用の Microsoft Office Project アドイン セット
アップ]が起動しますので[インストール]ボタンをクリックし
ます。
(画面 5 - 13)
▲画面 5 - 14 [オプション]ダイアログ ボックスの
[ Microsoft Project Web Server ]タブ
接続の設定を行うために、[ログイン情報の入力]ボタンをク
リックします。
③[ログイン情報の入力]ダイアログ ボックスで Project
Server の URL と、接続時に使用するアカウントを設定しま
す。
(画像 5 - 15)
▲画面 5 - 15 [ログイン情報の入力]ダイアログ ボックスで
接続する URL を設定
▲画面 5 - 13 [ Outlook 用の Microsoft Office Project
アドイン セットアップ]が開始
38
Project_Pro+Server念校4-5 04.6.21 0:57 PM ページ 39
Project Server への接続が完了すると、Outlook から
また、インポートされたタスクをダブルクリックして表示され
Project Server に接続を行い、タスクを予定表にインポート
るタスクの詳細から進捗を入力することが可能です。
(画像 5
することが可能です。
(画像 5 - 16)
- 17)
▲画面 5 - 16
▲画面 5 - 17 Outlook の予定からタスクの進捗報告が可能
予定表にインポートされた Project のタスク
第
5-4
Windows SharePoint
TM
5
Services との連携
章
プロジェクトにおいて、最も必要な要素はコミュニケーションといっても過言ではありません。プロジェクトは共同作業で遂行して
いくものであり、メンバー間の円滑なコミュニケーションがプロジェクトを成功に導きます。プロジェクト マネジメントを行おうとし
ている企業では、プロジェクトの共同作業を支援するシステムが一層求められるようになっています。Project 2003 は、このよう
な共同作業のニーズを満たすべく、Windows SharePoint Services と連携することにより、プロジェクト チーム内でドキュメン
トや懸案事項、リスクを共有することが可能になりました。
共有ドキュメント
《ドキュメントのチェックイン/チェックアウト》
Project 2003 では、Windows SharePoint Services を使
プロジェクトでは標準化されたドキュメントを頻繁に利用しま
用したドキュメントに対する一般的なチェックイン/チェックア
す。また、複数のユーザーでひとつの書類を作成するといった
ウト機能が標準でサポートされています。
(画面 5 - 18)
共同作業も頻繁に行います。ファイルを共有したり、メールで
ファイルを添付したりするだけでは、複数のメンバーが同じ箇
所を修正してしまうというようなミスが起こってしまう可能性
があります。
Windows SharePoint Services との連携により、関連す
る企画書や、図面、報告書などの重要なドキュメントをタスク
にリンクさせ、共有できることはもちろん、バージョン管理な
どのドキュメント管理を行うことも可能です。
▲画面 5 - 18 チェックイン/チェックアウト
39
Project_Pro+Server念校4-5 04.6.21 0:57 PM ページ 40
チェックイン/チェックアウトにより、あるユーザーがドキュメン
リスクの特定
トを使用している場合に、他のユーザーに対してドキュメント
を編集できない様にロックすることが可能となります。
(画面 5
プロジェクトに関わるメンバーにとって、リスクは重大な問題点
- 19)
です。特に、プロジェクト マネージャにとって、リスク管理を行
うということは重要な仕事のひとつであり、実際に多くのプロ
ジェクト マネージャが「プロジェクト管理とはリスク管理であ
る」
と考えています。
リスクとは、プロジェクトの結果に良い、または悪い影響を与え
るイベントや状態であり、プロジェクトに係わるメンバーで共有
します。
Project Server 2003 では Windows SharePoint
Services と連携を行い、リスクの詳細情報を保存しておく機
能が提供されています。
(画面 5 - 21)
▲画面 5 - 19
ドキュメントのチェックアウト
《バージョン管理》
第
5
章
Windows SharePoint Services では、標準でドキュメントの
バージョン管理を行うことが可能であるため、チェックアウトさ
れたドキュメントがチェックインされると、以前のドキュメント
のコピーが作成され、
ドキュメントのひとつのバージョンとして
保存されます。
(画面 5 - 20)
▲画面 5 - 21 プロジェクトに関連するリスク
リスク管理機能を使用すると、プロジェクト管理者はプロジェ
クト リスクの記録、共有、更新、及び分析を行うことができま
す。リスクには、次の項目を設定することが可能です。
タイトル、割り当て先、進捗状況、分類、期日、所有者、確率、影
響度、コスト、説明、リスク軽減計画、代替計画、要件の詳細、要
件(画面 5 - 22)
▲画面 5 - 20
ドキュメントのバージョン管理
ドキュメントが Project Server 2003 のプロジェクトとタ
スクにリンクされている場合、常にドキュメントの最新バージョ
ンとの間でリンクが保たれます。また、ユーザーは、所定のドキ
ュメントの全バージョンを表示でき、現在のドキュメントを特定
のバージョンに復元したり、バージョンを削除したりすることも
できます。この機能が実現できることにより、作業途中のファ
イルを上書きしてしまうといったミスを防ぐことができるよう
になります。
▲画面 5 - 22 新しいリスク
40
Project_Pro+Server念校4-5 04.6.21 0:57 PM ページ 41
その他に、タスクにリスクをリンクすることも可能です。
(画面
懸案事項の特定
5 - 23)
懸案事項も、Project Server 2003 とWindows SharePoint
Services との連携によって実現することができる機能です。
懸案事項について最初に入力したテキストはそのまま保持さ
れ、同じ懸案事項について新しく入力したテキストは順次追加
されていきます。このように、問題の提起から解決までの過程
がすべて記録されるので、懸案事項の進捗状況を容易に追跡
し、ナレッジとして蓄積することが可能になります。
(画面 5 25)
▲画面 5 - 23
選択したタスクにリスクをリンク
また、Windows SharePoint Services の機能を使用する
ことによって、リスクが掲示された際に、プロジェクトに係わっ
第
ているメンバーにメールで通知を行うように設定を行うことも
5
できます。
(画面 5 - 24)
章
▲画面 5 - 25 新しい懸案事項
Project Server 2003 でプロジェクト管理を行う場合には、プ
ロジェクトのデータを入手する位置づけである上級管理者やプ
ロジェクト マネージャだけにメリットがあるわけではありませ
ん。実際にプロジェクトのタスクを担当するプロジェクト メンバ
ーも、Project Web Access を使用して Project Server
▲画面 5 - 24 新しい通知の設定
2003 にアクセスすることができるようになります。
プロジェクト メンバーは、進捗を報告したり、プロジェクトのド
リスクは、掲示して終了というわけではありません。リスク回
キュメントや懸案事項、リスクなどの情報を参照したり、自らが
避の手段を講じ、
トラブルが起こってしまったときに、メンバー
リスクを掲示することができます。
が即座に対処することこそが、リスク マネジメントです。
プロジェクト情報を共有することにより、個々のメンバーがプ
ロジェクト全体を見渡すことができるようになるため、自分が
担当するタスクを単に終了すればいいという位置づけから、前
後のタスクの関係を把握し、プロジェクト全体という意識でプ
ロジェクトに携わることができるようになるのです。つまり、単
に作業を行うメンバーという位置づけから、自らもプロジェク
トを支える重要な一員であると再認識することにより、メンバ
ーの意識が高まり、企業のプロジェクト マネジメント レベルの
底上げが可能となります。
41
Project_Pro+Server念校6-7 04.6.21 0:58 PM ページ 42
第6章
上級管理者
第 6 章では、組織レベルでプロジェクト管理を行う場合に、上級管理者が抱える経営的な課題と、その課題を
Project Server 2003 を導入することで、どのように解決できるかについて説明します。
6-1
機能の概要
近年、企業内のプロジェクト管理の方法、特にプロジェクトの情報をどのように提供させる仕組みを準備していけばよいのか、また、
正確な情報を迅速に入手するにはどうしたらよいのか困っているという話をよく聞きます。
現状の企業におけるプロジェクトにおいて、個々のプロジェクトにおける成果については意識しはじめた企業はでてきましたが、複数
のプロジェクトを一元管理しているという企業はまだ少ないようです。複数のプロジェクトを一元管理していない場合、プロジェクト間
での一貫性が欠落していたり、プロジェクト単体の部分最適のみにしか対応していないというような企業が多いようです。
Project 2003 を使用すれば、複雑に絡み合うスケジュールやリスク、コストの情報を実際のプロジェクトに変更を加えるように
シミュレーションを行い、プロジェクトの成果を最大化する方法を選択することができたり、変更が行われた場合、スケジュール、リ
ソース、コストがどのように変化するのか、他の作業やプロジェクトにどのような影響を与えるのかなどを、簡単かつ多角的に分析
を行ったりすることも可能です。そのため、プロジェクトの投資対効果を的確に把握しながら、戦略に応じたプロジェクトの最適な
コントロールを行うことが可能となります。
第
6
章
6-2
プロジェクト センタ
Project Professional 2003 で作成されたプロジェクト ファイル
は、Project Server 2003 に発行することにより、企業内のす
べてのプロジェクトをブラウザから一元管理できるようになります。
このプロジェクト センタは、グラフィック インジケータで、プロ
ジェクトの一覧と共に、プロジェクトの予算とスケジュールの現状
を表すマークが表示されています。
(画面 6 - 1)
このマークは、すべてのプロジェクトが一定の方法で評価されるよ
うに、標準的な評価方法に基づいて表示されます。つまり、マーク
は、プロジェクトのデータのシグナルを示しており、緑色はプロジ
ェクトが計画どおり進んでいること、黄色はスケジュールがやや遅
れている、または予算をオーバーしていることを表しています。ま
▲画面 6 - 1
プロジェクト センタ
た、赤色はプロジェクトの進行が著しく遅れている、または予算を大幅にオーバーしているなど、深刻な問題が発生していることを
表しています。このようにマークを表示することで、経営者やプロジェクト メンバーは、各プロジェクトの現状をひと目で把握する
ことができるようになります。
Project Server 2003 に公開されているプロジェクトをさまざまな角度で分析したい場合には、次のようにビューの表示やグ
ループ化、フィルタリングを行うことができます。
42
Project_Pro+Server念校6-7 04.6.21 0:58 PM ページ 43
ビューの切り替え
グループ化やフィルタリング
Project Server 2003 に既定で準備されているビューに切り
プロジェクト ファイルにプロパティの設定を行っておくことで、
替えて、プロジェクトをさまざまな視点で分析したり、企業向け
プロジェクトを部署やテーマごとにグループ化したり、フィルタ
にカスタマイズしたビューを準備して、企業独自の分析の視点
リングしたりすることができます。そのため、企業内で複数の
で分析を行うことが可能です。
(画面 6 - 2、3)
プロジェクトが進行していたとしても、問題の傾向をすばやく
分析することができます。
(画面 6 - 4)
▲画面 6 - 2
既定のプロジェクト センタ ビュー
▲画面 6 - 4
グループ化
第
6
詳細情報
章
プロジェクトの情報をプロジェクト センタで確認した上級管
理者は、マークにより、あるプロジェクトが遅れていることに
気づきました。何らかの手を打つ必要があると感じましたが、
まずは状況を確認し、その後に詳細なプロジェクトの情報を入
手しようと試みます。プロジェクトのどの部分で問題が発生し
ているのか確認するために、詳細を確認します。Project
Server 2003 では、次のような操作によって、詳細なレベ
ルのプロジェクトの情報を手に入れることが可能です。
▲画面 6 - 3
カスタマイズされたプロジェクト センタ ビュー
ビューは、既定で準備されているものだけではなく、新たに作
◆操作:プロジェクトの詳細を確認する
成することも可能です。上級管理者は必要とする視点をサーバ
①プロジェクト センタから、詳細を確認したいプロジェクトを
ー管理者に伝え、サーバー管理者がビューを作成します。作成
方法については、「6 - 4
プロジェクト Web のカスタマイ
クリックします。
②選択したプロジェクトのビューが表示されます(画面
。
6 - 5)
ズ」を参照。
▲画面 6 - 5
[プロジェクトのビュー]画面
43
Project_Pro+Server念校6-7 04.6.21 0:58 PM ページ 44
③[ビューの選択]のドロップダウンをクリックして、ビューを変
更します。
このように、準備されたプロジェクトのビューを適用すること
により、プロジェクトのどの部分で問題が発生しているのか、即
④選択したビューにプロジェクト情報が切り替わります。
(画面
座に確認を行うことができます。
6 - 6)
▲画面 6 - 6
選択したビューに変更
第
6
章
6-3
ポートフォリオ
SQL Server の OLAP 分析機能を使用したポートフォリオ 分析 ビューにより、複数のプロジェクトやリソースの状況を任意の切り
口で分析することができます。例えば、特定の部署のリソースが、どのプロジェクトに従事しているか、予定と実績の差がもっとも
大きい部署はどの部署であるのか、といったような分析を、簡単に特定可能です。
また、Project Server 2003 で実現できるポートフォリオは、操作が非常に簡易であるため、Microsoft Office Excel を代表
とする Microsoft Office の操作、及びブラウザの操作などが行える方であれば、アプリケーションの操作教育なしでプロジェ
クトに公開された情報を分析し、意思決定に使用することが可能になります。
ポートフォリオ ビュー
級管理者の意思決定を支援することができるようになりました。
(画面 6 - 7)
Project Server 2003 には、プロジェクトやリソースの状況を
分析するためのポートフォリオ 分析機能が実装されています。ポ
ートフォリオ ビューを事前に設定しておくことで、プロジェクト
の意思決定者である経営者に対し、グラフやピボットテーブル
を介して最新のコストや作業時間の情報を視覚的に提供するこ
とが可能です。
ポートフォリオ分析 ビュー
SQL Server の OLAP 分析機能を使用して、複数のプロジェク
トやリソースの状況を任意の切り口で分析することができま
す。Project Server 2003 から、新たに複数のキューブを
選択することが可能となったため、より柔軟な分析を基に、上
44
▲画面 6 - 7
ポートフォリオ 分析
Project_Pro+Server念校6-7 04.6.21 0:58 PM ページ 45
なお、準備したビューを適用させることにより、さまざまな分
ポートフォリオ モデル
析を行うことも可能ですし、分析を行うフィールド リストか
ら、更に条件を設定して分析を行うことも可能です。
(画面 6 -
ポートフォリオ モデル機能により、企業戦略に応じてプロジェク
8 、9)
トをコントロールすることが可能となり、優先度に応じてプロ
ジェクト間の人材を調整した場合におけるプロジェクト期間へ
の影響などをシミュレーションすることができるようになりま
す。
(画面 6 - 10)
▲画面 6 - 8
ポートフォリオ 分析(コストと作業時間の差異)
▲画面 6 - 10 シミュレーション
第
モデルに追加するプロジェクトやリソースを選択し、関連プロ
6
ジェクトの設定を行ったり、オプションの設定をウィザード形式
章
で設定したりするだけで、現在のプロジェクトの予測グラフを
作成することができるようになるため、それほどシステムに詳
しくない上級管理者であっても、自分がシミュレーションを行
いたい条件を設定し、必要な結果を入手する事が可能です。
(画
面 6 - 11)
▲画面 6 - 9 フィールド リスト
▲画面 6 - 11 ポートフォリオ モデルの作成
45
Project_Pro+Server念校6-7 04.6.21 0:58 PM ページ 46
6-4
プロジェクト
Web のカスタマイズ
第6章では、上級管理者が Project Server 2003 で得られるメリットと、実現できる機能を中心に説明をしてきました。
Project Server 2003 に既定で準備されているビューは、どのような業種であっても使用することができる汎用的なビューで
す。企業が独自の視点を追加したい場合、Project Server では、企業独自のビューを作成することが可能です。ここでは、ビューの
カスタマイズ方法について説明します。
プロジェクト センタ ビューの作成
④設定が完了したら、[変更の保存]ボタンをクリックします。
ここでは、プロジェクト センタ ビューを作成する方法について
上記のように、プロジェクトをグループ化して表示したい場合
説明します。
には、[エンタープライズ アウトライン コード]を、[既定のグ
ループ、並べ替え
(オプション)
:ビューに対する既定のグループ
◆操作:プロジェクト センタ ビューの作成
と並べ替えを指定してください]の[グループ化]で設定を行い
① Project Server 管理者の権限で Project Web Access に
ます。
(画面 6 - 14)
アクセスし、[管理]メニューから[ビューの管理]サブメニュー
をクリックします。
②[ビューの指定]画面で、[ビューの追加]ボタンをクリックしま
す。
(画面 6 - 12)
第
6
章
▲画面 6 - 14 プロジェクトのグループ化
▲画面 6 - 12
[ビューの指定]画面
③[ビューの指定]画面で作成したいビューの設定を行います。
(画面 6 - 13)
▲画面 6 - 13
46
[ビューの指定]画面
Project_Pro+Server念校6-7 04.6.21 0:58 PM ページ 47
ポートフォリオ分析 ビューの作成
このように、ポートフォリオのビューの作成もそれほど難しいも
のではなく、Excel でピボットテーブルを操作するイメージで作
ここでは、ポートフォリオ分析 ビューを作成する方法について説
成することができます。また、作成されたビューは静的なもの
明します。
ではありません。情報を多角的に分析することにより、プロジ
ェクトの現在の問題点や、今後起こるかもしれない問題点の発
◆操作:ポートフォリオ分析 ビューの作成
見が可能になるのです。
(画面 6 - 16)
① Project Server 管理者の権限で Project Web Access に
アクセスし、[管理]メニューから[ビューの管理]サブメニュー
をクリックします。
②[ビューの指定]画面で、[ビューの追加]ボタンをクリックし
ます。
③[ビューの指定]画面で[ポートフォリオ分析 ビュー]を設定
します。
④[ピボットテーブルとグラフのユーザー設定]で作成したいフ
ィールド部分にドラッグします。
(画面 6 - 15)
▲画面 6 - 16 動的に分析することが可能なポートフォリオ 分析
プロジェクト マネジメントにおける上級管理者は、スケジュー
6
んでいるのかを見守る役割を担っています。できるだけ迅速に
章
正確にプロジェクトの現状データを入手するために、上級管理
者は、プロジェクト センタやプロジェクト ポートフォリオを使
用します。これらのツールを有効に利用しながら、プロジェク
トに投資を行う、あるいは投資効果が現れない場合にはプロジ
▲画面 6 - 15 ピボットテーブルの作成
第
ル、リソース、コストのバランスを取りながらプロジェクトが進
ェクトを中止する、という重要な任務を担っているのです。
⑤設定が完了したら、[変更の保存]ボタンをクリックします。
47
Project_Pro+Server念校6-7 04.6.21 0:58 PM ページ 48
第7章
システム管理者
Project Server 2003 におけるシステム管理者は、いわば縁の下の力持ちです。プロジェクト マネージャがプ
ロジェクト マネジメントを行うにあたって設計した権限設定や、実現したい機能レベルをどのように設定するのか、
あるいは実現不可能であるという判断を行う役割を担っています。第 7 章では、システム管理者が設定を行う
Project Server 2003 特有の機能について説明します。
7-1
機能の概要
Project Server 2003 は他のマイクロソフトのサーバー製品のように、インストールをして即座に使用できるものではありま
せん。
「何を」
「
、どうやって」管理するのかは、企業あるいは業種によって異なります。また、Project Server 2003 は、さまざまな
業種の多岐に渡るニーズに対応できるように作成されているので、非常に多機能であり、設定項目も多数存在します。
それぞれの企業の運用に合わせて使用するためには、Project Server 2003 のさまざまな機能について理解を深める必要が
あります。Project Server 2003 には多くの機能が存在しますが、これらすべての機能を運用当初からすべて理解したり、使用し
たりする必要はありません。多くの機能の中から、企業独自の運用に合わせて、使用する機能、使用しない機能を選択してくださ
い。しかし、運用開始までに知っておくべき機能もいくつか存在します。
プロジェクトは会社の経営上のコアな部分となることも多く、誰もがプロジェクトのデータを変更できたり、追加できたり、参照で
きたりするものではありません。例えば、誰が、どの部分のデータにアクセスできるのかといった権限設定やグループの設定は、
運用開始までに知っておくべき特に重要な機能です。また、多くの機能が装備された Project Server 2003 は、場合によって
は、使用するユーザーに、混乱や不用意な操作を行わせてしまう可能性もなきにしもあらずです。Project Server 2003 では、使
第
用しない機能については、メニューから非表示にするというような設定を行うことも可能です。
7
章
7-2
Project Server 2003 の設定
Project Server 2003 のシステム管理者として必要な知識は、単に Project Server 2003 の機能のみではありません。プロジ
ェクト マネジメントの基本的な知識や、企業独自のプロジェクトについての理解も抑えておくべき重要な要素です。また、これらの
ほかに Project Server 2003 の基本的な動作や設定方法についての知識も必要となります。ここでは、システム管理者として知
っておきたい Project Server 2003 の基本的な機能(アクセス権、グループ、カテゴリ、セキュリティ テンプレートなど)
について
説明します。
アクセス権
さらに、アクセス権のないユーザーが、Project Professional
2003 から Project Server 2003 に接続できないように設
Project Server 2003 は、他の Windows システムと同じよ
定を行うことも可能です。この機能により、権限のないユーザ
うに、ユーザーの役割に応じて使用する際のアクセス権の設定
ーへプロジェクトを公開することを防止したり、権限のないユ
を行うことができます。例えば、プロジェクト マネージャは、
ーザーが不注意でデータを上書きしたりすることを防げます。
Project Server 2003 に アクセ ス を 行 う際 に 、Project
Professional を使用し、リソース管理者は、Project Web
Access から Project Server 2003 にアクセスします。
また、役割に応じて、使用するツールを限定することも可能で
すし、サーバー側で設定されたアクセス権によって、開くことが
できるファイル、参照しか行うことができないファイルなどを
設定することも可能です。
48
Project_Pro+Server念校6-7 04.6.21 0:58 PM ページ 49
Column
エンタープライズ アウトライン コードの利用
Project 2003 の新機能として、Project Server 2003 に発
行されたプロジェクト ファイルをProject Professional 2003 か
ら開く際に、カテゴリ分けを行うことができるようになりました。
以前のバージョンで Project Server 2003 に発行されたファ
イルを開こうとした場合、Project Server 2003 に発行されたフ
ァイルの数が多く、ウィンドウ上でスクロールを行い、目的のファ
イルを探していました。そのため、独自のカテゴリを作成して分類
したいという要望が多くあがっていました。
Project Professional 2003 の[ Microsoft Office Project
Server から開く]ダイアログ ボックスに追加された[グループ化]と、
[エンタープライズ アウトライン コード]を組み合わせて使用するこ
とにより、ファイルをグループごとに分類することが可能になり、
目的のファイルを簡単に探すことができるようになりました。
(画面
7 - 1)
なお、この機能を実現するためには、[エンタープライズ アウトラ
イン コード]で設定を行います。
(画面 7 - 2)
▲画面 7 - 2
エンタープライズ アウトライン コード
▲画面 7 - 1 ファイルをカテゴリで分類
第
機能の選択
もし、機能を使用しないにも関わらず、メニューが表示されて
7
いると、次のようなデメリットが考えられます。
章
エンタープライズ モードで Project Server 2003 を運用
するにあたり、事前に必要な機能を検討し、組織に応じた適切
な設定を行う必要があることは、既に説明しました。
Project Server 2003 は、さまざまな企業でのプロジェク
トに使用できるように、準備されている機能が非常に多くなっ
・ユーザー独自の入力をしてしまうため、企業としての統一し
たルールに基づかない設定が行われてしまう
・機能の正しい使用方法を知るために、ヘルプデスクに問い合
わせを行うユーザーが増えてしまう
ています。しかし、すべての機能を使用しようとした場合、管理
者及び使用するユーザーが、操作や設定に混乱してしまうこと
このようなことを防止するために、Project Server 2003
が考えられます。
で、機能の表示/非表示を設定します。
そのため、導入開始から、装備されているすべての機能すべて
を使うことは考えずに、プロジェクト マネジメントの成熟度に
応じて、使用する機能を増やしていくことをお勧めしています。
例 え ば 、懸 案 事 項 や リス ク の 設 定 な ど は 、ま だ Project
Server 側では使用しないと決定した場合には、ユーザーを混乱
させないように、Project Web Access に表示されるメニ
ューそのものを非表示にします。
49
Project_Pro+Server念校6-7 04.6.21 0:58 PM ページ 50
◆操作:機能の表示/非表示
① Project Web Access へアクセスし、管理者権限を持つユ
ーザーでログオンします。
②[ホーム]画面で、[管理]をクリックします。
【注意】機能を無効にするために
[拒否]
チェックボックスをオン
した場合、その機能は組織全体に対し、無効となります。ユー
ザーやグループのアクセス権を[許可]に設定しても、その機能
を使用することはできなくなるので注意が必要です。
③[管理全般]画面が表示されるので、サブメニューの[サーバー
の構成]をクリックします。
(画面 7 - 3)
セキュリティ テンプレートの設定
ユーザー、グループ、及びカテゴリのアクセス権限を設定する
際に、アクセス権限をあらかじめ定義したセキュリティ テンプレ
ート使用することができます。企業で必要なアクセス権限を設
定したセキュリティ テンプレートを事前に設定することで、ユ
ーザー、グループ、カテゴリのアクセス権限の設定を容易に行
うことが可能です。
(画面 7 - 6)
▲画面 7 - 3
[サーバーの構成]画面
④[ Project Web Access でユーザーが利用できる機能の
選択]で、非表示にしたい機能の[拒否]チェックボックスをオ
ンに設定し、[変更の保存]をクリックします。
(画面 7 - 4)
第
7
▲画面 7 - 6
章
[セキュリティ テンプレート]画面
Project Server 2003 に既定で準備されているセキュリティ
テンプレートは、
(表 7 - 1)のとおりです。
セキュリティ テンプレート名 説明
▲画面 7 - 4
チーム メンバー
リソース用の既定の
アクセス権テンプレート
チーム リーダー
チーム リーダー用の
既定のアクセス権テンプレート
プロジェクト管理者
プロジェクト管理者用の
既定のアクセス権テンプレート
ポートフォリオ管理者
ポートフォリオ管理者用の
既定のアクセス権テンプレート
リソース管理者
リソース管理者用の
既定のアクセス権テンプレート
管理者
管理者用の既定の
アクセス権テンプレート
役 員
役職者用の既定の
アクセス権テンプレート
ユーザーが利用できる機能の選択
⑤ Project Server 2003 の管理者以外でログオンして確認し
ます。
(画面 7 - 5)
▲表 7 - 1
▲画面 7 - 5
50
使わない機能を非表示に設定
既定のセキュリティ テンプレートとその意味
Project_Pro+Server念校6-7 04.6.21 0:59 PM ページ 51
グループの作成
カテゴリの作成
Project Server 2003 では、ユーザーを管理するためのセ
プロジェクトで扱うデータは、企業経営のコアとなる部分であ
キュリティ グループを設定することができます。ユーザーをセ
り、アクセス権の設定を最適化する必要があります。アクセス
キュリティ グループに追加することにより、セキュリティ グル
権を割り当てるには、ユーザーごとに設定を行うこともできま
ープ単位でアクセス権限の管理を行うことが可能となり、ユー
すが、この場合、複雑化および煩雑化する可能性があるため、
ザー権限の管理に要する時間を大幅に短縮することができま
Project Server では、カテゴリを使用して設定を行います。
す。
(画面 7 - 7)
カテゴリとは、プロジェクト、リソース、ビュー、モデルの集合体
です。ユーザーやグループにプロジェクトやビュー等に対する
アクセス権を設定する場合は、カテゴリに対して定義を行いま
す。例えば、アクセスするユーザーやグループごとに閲覧でき
るプロジェクト、リソース、プロジェクト センタのビュー等の設
定を行う場合に、カテゴリで設定を行います。
(画面 7 - 8)
▲画面 7 - 7
[グループ]画面
Project Server 2003 に既定で準備されているセキュリティ
グループは、
(表 7 - 2)のとおりです。
第
7
グループ名
説明
チーム メンバー
Project Server 2003 における
既定のチーム メンバー グループ
チーム リーダー
Project Server 2003 における
既定のチーム リーダー グループ
プロジェクト管理者
Project Server 2003 における
既定のプロジェクト管理者グループ
カテゴリ名
説明
ポートフォリオ管理者
Project Server 2003 における
既定のポートフォリオ管理者グループ
リソース
Project Server 2003 における
既定のリソース カテゴリ
リソース管理者
Project Server 2003 における
既定のリソース管理者グループ 自分のタスク
Project Server 2003 における
既定の自分のタスク カテゴリ
管理者
Project Server 2003 における
既定の管理者グループ
自分のプロジェクト
Project Server 2003 における
既定の自分のプロジェクト カテゴリ
役 員
Project Server 2003 における
既定の役職者グループ
自分のリソース
Project Server 2003 における
既定の自分のリソース カテゴリ
自分の所属組織
Project Server 2003 における
既定の自分の所属組織 カテゴリ
自分の直接報告者
Project Server 2003 における
既定の自分の直接報告者 カテゴリ
▲表 7 - 2
既定のグループとその意味
▲画面 7 - 8
[カテゴリ]画面
章
Project Server 2003 における既定のカテゴリは、
(表 7 - 3)
のとおりです。
▲表 7 - 3 既定のカテゴリとその意味
51
Project_Pro+Server念校6-7 04.6.21 0:59 PM ページ 52
最終章
まとめ
企業活動をプロジェクトの観点から捉え、企業戦略に応じてプロジェクト間の調整を行う EPM の導入を考えている企業が多くなっ
てきました。日本で行われていたこれまでのプロジェクトは、個々のプロジェクトごとに遂行していることが多く、プロジェクト内
で一応の管理がでているものの、企業全体として現在実行中のプロジェクトのポートフォリオが妥当なのか、というような点に
ついては考慮していないという企業が多く見られました。
しかし、ビジネス環境の変化は著しく、また多様化を極める顧客の要望にこたえるためには、今までのような個々のプロジェクトの
管理では対応できなくなっています。
Project Server 2003 操作ガイドでは、企業内で実施する EPM 導入に必要不可欠な Project Server で実現可能な機能や、EPM
をツールに落とし込むための Project Server の初期設定、基本機能について説明してきました。
Project Server は特定の分野や業種に特化した製品ではなく、どの分野のプロジェクトにおいても対応できるように設計されてい
ますので、まずは Project Server を構築後、操作ガイドの手順に従って設定を進めて、使用してみてください。その後、必要に
応じて順次、使える機能や設定を追加していくことをお勧めします。また、EPM の迅速な導入にはパートナーサービスの活用も
有効です。Project 2003 に対応したトレーニングやコンサルティングを行っている企業の情報も以下 URL に記載しています
ので併せて御活用下さい。
最
終
章
詳細な情報は、http://www.microsoft.com/japan/office/project/ をご参照ください。
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本書は、情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。
本書の内容は、2004 年 5 月現在のものです。
製品内容については予告なく変更する場合があります。
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マイクロソフト株式会社
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2257-ET1
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