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ホルモンの合成と作用

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ホルモンの合成と作用
ホルモンの合成と作用
平成24年6月12、26日
病態生化学分野
(生化学2)
吉澤 達也
学習の目標
・ 細胞間情報伝達物質としてのホルモンを理解する
・ ホルモンの分類について理解する
①ペプチドホルモン
②ステロイドホルモン
③アミノホルモン
①親水性ホルモン
②疎水性ホルモン
・ ホルモンの合成について理解する
・ ホルモンの作用機構について理解する
・ ホルモンの制御機構について理解する
ヒトが生きるためには常に変化する内外
の環境に対応・適応する必要がある
生体の恒常性を維持するシステム
神経系による調節
ホルモンによる調節
ホルモン
微量(低濃度)で作用を発揮する物質である。
典型的なペプチドホルモンの血液中の濃度は、10-9 mol/L(nmol/L)程度
動物の体内において、ある決まった器官で合成・分泌され、体液(血液)を通し
て体内を循環し、別の決まった器官でその効果を発揮する。
いわゆる腺組織以外で産生されるホルモン
・消化管:セレクチン、ガストリン、グレリン など
・心臓:心房性Na利尿ペプチド(ANP)、脳性Na利尿ペプチド(BNP)
・血管:C型Na利尿ペプチド(CNP)
・脂肪組織:アディポネクチン、レプチン など
血中への分泌を介さない作用
・傍分泌型、自己分泌型 など
標的組織において機能タンパク質を新たに合成させたり、あるいは活性化させ
ることで生理作用を発揮する。
ひとつのホルモンが異なった細胞、組織では別の作用を示す。
細胞内情報伝達の多様性
シグナル伝達の種類
内分泌型
パラクライン型
ホルモン
局所仲介物質
神経型
接触型
神経伝達物質
膜結合シグナル物質
内分泌器:ホルモン(ペプチドホルモン、ステロイドホルモン)
視床下部
脳下垂体後葉
視床下部 - 脳下垂体 脳下垂体中葉
甲状腺
生殖腺
その他の内分泌器
インテルメジン
甲状腺
α サブユニット糖タンパク質ホルモン(FSH - LH - TSH) - GH - PRL - POMC(ACTH - MSH - エン
ドルフィン - リポトロピン)
副腎髄質ホルモン(アドレナリン - ノルアドレナリン - ドーパミン)
副腎皮質ホルモン(アルドステロン - コルチゾール - DHEA)
甲状腺ホルモン(T 3 - T4 - カルシトニン)
副甲状腺
PTH
精巣
膵臓
テストステロン - AMH - インヒビン
エストラジオール - プロゲステロン - インヒビン/アクチビン - リラキシン(妊娠時)
グルカゴン - インスリン - ソマトスタチン
松果体
メラトニン
脳下垂体前葉
副腎
GnRH - TRH - ドーパミン - CRH - GHRH - ソマトスタチン - ORX - MCH - MRH - MIH
バソプレッシン - OXT
副腎髄質
副腎皮質
卵巣
胎盤:hCG - HPL - エストロゲン - プロゲステロン - 腎臓:レニン - EPO - カルシトリオール - プロスタグランジン - 心
臓:ANP - BNP - ET - 胃:ガストリン - グレリン - 十二指腸:CCK - GIP - セクレチン - モチリン - VIP - 回腸:エンテ
内分泌器でない器官 ログルカゴン - 脂肪組織:レプチン - アディポネクチン - レジスチン - 胸腺:サイモシン - サイモポイエチン - サイムリ
ン - STF - THF - 肝臓:IGFs(IGF-1 - IGF-2) - 耳下腺:バロチン - 末梢神経系:CGRP - P物質
誘導タンパク質
NGF - BDNF - NT-3
ホルモンとしても働く神経伝達物質の例
・ペプチド類
カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)
ガストリン
バソプレシン、オキシトシン
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、エンドルフィン、リポトロピン
セレクチン、モチリン、血管作動性腸管ペプチド(VIP)
ソマトスタチン
・モノアミン類
アドレナリン、ノルアドレナリン、ドパミン
セロトニン
ホルモンの分類-I
構造からの分類
①ペプチドホルモン
インスリン、グルカゴン、成長ホルモン、抗利尿ホルモン
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)など
②ステロイドホルモン
副腎皮質ホルモン(コルチゾール、アルドステロン)
性ホルモン(アンドロゲン、エストロゲンなど)
③アミノホルモン(低分子ホルモン)
アドレナリン、甲状腺ホルモンなど
①ペプチドホルモン
インスリン、グルカゴン、成長ホルモン、抗利尿ホルモンなど
翻訳
転写
DNA
mRNA
プロホルモン
タンパク質の切断
ホルモン
ペプチドホルモンの合成
CAAT
ボックス
TATA cap site
ボックス
[ATG]
TAA
TAG
TGA
5’
[AATAAA]
3’
DNA
イントロン
NTP
転写
transcription
RNA
ポリメラーゼII
mRNA前駆体(hnRNA)
核
転写後修飾
posttranscriptional
modification
スプライシング
Me7G付加
ポリA付加
mRNA
細
胞
質
粗
面
小
胞
体
翻訳
transration
シグナルペプチダーゼ
細
胞
外
ゴ
ル
ジ
装
置
<プロホルモン>
POMC:ACTH前駆体
複数のホルモンを有する
シグナル プロホルモン
バゾプレッシン、オキシトシン前
ペプチド
駆体
細胞内輸送に必要なニューロ
フィシンをもつ
インスリン前駆体
α鎖とβ鎖の形態を保つのに
糖鎖
必要なconnecting
peptideを
S
S
有する
グレリン
S
S
脂肪酸付加:機能発現に重要
Met
ペプチド(プレプロホルモン)
翻訳後修飾
posttransrational
modification
ポリA
Me7G
プロホルモンプロセッシング
成熟ホルモン
分泌顆粒内
分泌
ペプチドホルモンの合成 (インスリンの例)
DNA
インスリン遺伝子
転写
transcription
RNA
ポリメラーゼII
mRNA前駆体(hnRNA)
核
転写後修飾
posttranscriptional
modification
スプライシング
Me7G付加
ポリA付加
インスリン
mRNA
細
胞
質
粗
面
小
胞
体
プロプレインスリンmRNA
翻訳
transration
①プレプロインスリン
シグナルペプチダーゼ
翻訳後修飾
posttransrational
modification
細
胞
外
ゴ
ル
ジ
装
置
②プロインスリン
プロホルモンプロセッシング
成熟ホルモン
③インスリン
分泌顆粒内
④インスリン六量体
分泌
①プレプロインスリン
ペプチドホルモンの合成 (POMCの例)
POMC(プロオピオメラノコル
チン)の組織特異的な翻訳後プ
ロセッシングで2つの異なる組
み合わせのポリペプチドホルモ
ンを生じる。
脳下垂体前葉でも中葉でも、
POMCは分解されN末端断片、
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、
βリポトロピン(β-LPH)を生じる。
これらのポリペプチドホルモン
は中葉だけでさらに分解され、γ
メラニン細胞刺激ホルモン(γMSH)、α-MSH、副腎皮質刺激
ホルモン様中葉ペプチド(CLIP)、
γ-LPH、β-エンドルフィンを生じ
る。
②ステロイドホルモン
副腎皮質ホルモン(コルチゾール、アルドステロン)
性ホルモン(アンドロゲン、エストロゲンなど)
CH2OH
コレステロール
CO
C
A
HO
HO
D
OH
B
ステロイド核
(炭素原子19個)
O
コルチゾール
1. 副腎皮質ホルモン
コルチゾール:糖質代謝、抗炎症作用
アルドステロン:Naイオン再吸収促進、細胞外液量維持
2. 性ホルモン
アンドロゲン:男性生殖器官発育・維持、第二次性徴
プロゲステロン:妊娠の維持、乳腺発達
エストロゲン:女性生殖器官発育・維持、第二次性徴、
月経周期
ステロイドホルモン産生組織
[副腎皮質]
コルチゾール、アルドステロン
性ホルモン
[卵巣]
プロゲステロン、エストロゲン
[精巣]
アンドロゲン
独立行政法人情報処理推進機構 教育用画像素材集より抜粋
ステロイドホルモン生合成経路1
コレステロール
(炭素原子27個)
12 18
1
2
11
19
9
10
3
HO
4
5
17
13
14
8
7
16
15
6
21 CH3
P-450scc 20CO
17
HO
プレグネノロン
(炭素原子21個)
ステロイドホルモンの重要な合成中間体
ステロイドホルモン生合成経路2
CH3
プレグネノロン
CO
17
17-水酸化 CH3
プレグネノロン
17-hydroxylase
3
HO
3-hydroxysteroid
dehydrogenase
プロゲステロン
CO
OH
17
17,20-lyase
3
HO
21
CH3
21CH
3
CO
CO
OH
17
17
O
O
17-水酸化
プロゲステロン
21-hydroxylase
アルドステロン合成経路
コルチゾール合成経路
アンドロゲン
エストロゲン
合成経路
ステロイドホルモン生合成経路3
21
CH3
21CH
3
CO
CO
OH
17
17
プロゲステロン
O
21-hydroxylase
O
17-水酸化
プロゲステロン
21-hydroxylase
11-デオキシコルチコステロン
11-hydroxylase
11-デオキシコルチゾール
コルチコステロン
11-hydroxylase
18-hydroxylase
CH2OH
18-水酸化コルチコステロン
18-oxidase
OH
CH2OH
OH CHO CO
O
炭素原子21個
O
アルドステロン
CO
OH
コルチゾール
炭素原子21個
ステロイドホルモン生合成経路4
炭素原子18個
デヒドロエピ
アンドロステロン
17-水酸化 CH3
プレグネノロン
O
17,20-lyase
CO
OH
17
3
HO
3-hydroxysteroid
dehydrogenase
OH
HO
HO
aromatase
CH3
CO
OH
17
O
17-hydroxysteroid
dehydrogenase
O
O
17-水酸化
プロゲステロン
エストラジオール
(エストロゲン)
O
アンドロステンジオン
OH
炭素原子19個
テストステロン
(アンドロゲン)
③アミノホルモン(低分子ホルモン)
アドレナリン、甲状腺ホルモンなど
HO
CH2 NH
CH3
OH
HO
チロシン(アミノ酸)
HO
CH
アドレナリン
CH2 CH
COOH
NH2
I
I
HO
CH2
O
I
甲状腺ホルモン
(チロキシン)
I
CH
NH2
COOH
アミノ酸誘導体ホルモン
アドレナリン
(エピネフリン)
ノルアドレナリン
(ノルエピネフリン)
血圧上昇,平滑筋収縮/弛緩,肝・筋
副腎髄質 での解糖促進
脂肪組織での脂肪分解促進
副腎髄質
小動脈の収縮促進,抹消循環抑制,
脂肪分解促進
トリヨードチロニン(T3)
甲状腺 代謝促進
チロキシン(T4)
インドール,セロトニン,
松果腺 神経伝達
メラトニン
アミノホルモン(低分子ホルモン)の合成
(カテコールアミンの例)
ドーパミン
ノルアドレナリン
アドレナリン
カテコールアミン-カテコールを共通の構造として持つ
アドレナリン(エピネフリン)
ノルアドレナリン
ドーパミン
組織によって合成の段階が異なる
脳細胞(一部):ドーパミンが最終カテコラミン
交感神経末端:ノルアドレナリンが最終カテコラミン
副腎髄質、中脳、心臓:アドレナリンまで合成
アミノホルモン(低分子ホルモン)の合成
(甲状腺ホルモンの例)
飲食物からヨウ化物として摂取されるヨード
は甲状腺で濃縮されて,濾胞細胞内で有機
ヨードに変換される。
濾胞細胞はコロイドで満たされた空間を取り
巻いており,このコロイドは,基質内にチロシ
ンを含む糖蛋白サイログロブリンからなる。
チロシン
モノヨード
チロシン(MIT)
T3
結合
ヨード化
ジヨード
チロシン(DIT)
T4
チロシンは,1カ所(モノヨードチロシン)また
は2カ所(ジヨードチロシン)でヨード化されて,
互いに結合して2種の甲状腺ホルモンを形成
する(ジヨードチロシン+ジヨードチロシン→T4;
ジヨードチロシン+モノヨードチロシン→T3)。
濾胞細胞がサイログロブリンを取り込むまで
は,T3およびT4は濾胞内のサイログロブリン
に組み込まれたままである。
サイログロブリン
甲状腺濾胞細胞内に入ると,T3およびT4は
サイログロブリンから切断され、分泌される。
ホルモンの分類-II
作用機構(受容体)からの分類
①細胞膜受容体に作用するホルモン
親水性分子:
ペプチドホルモン類
アミノホルモン類(カテコラミン)
②細胞内受容体に作用するホルモン
疎水性分子:
ステロイドホルモン類
アミノホルモン類(チロキシン)
①細胞膜受容体に作用するホルモン
A. 二次メッセンジャーがcAMP
C. 二次メッセンジャーがCa2+とフォスファチジルイノシチド
D. 細胞内メッセンジャーがキナーゼ
ペプチドホルモンの作用 (インスリンの例)
ホルモン
タンパク質
機能変化
標的遺伝子発現調節
細胞膜受容体
細胞内情報伝達系
活性化
www.cellsignal.com/.../ Insulin_Receptor.jpgより抜粋
②細胞内受容体に作用するホルモン
核内受容体を介した作用機構(参考)
ホルモン
細胞内受容体
(核内受容体)
標的遺伝子発現調節
ステロイドホルモン受容体=転写因子
ホルモン
ステロイドホルモン受容体
Nuclear Receptor Signaling (2007) 5, e003.より抜粋
Nature Reviews Drug Discovery 3, 950-964 (November 2004)
アミノホルモン(低分子ホルモン)の作用
(甲状腺ホルモンの例)
•甲状腺ホルモン(T3, T4)は脂溶性ホルモン
•甲状腺ホルモンT4、T3は細胞膜に局在する分子を介して細胞質内に取り込ま
れる。
•細胞質内でT4はT3に変換され、核内に局在する甲状腺ホルモン受容体(TR)に
結合する。
•TRは転写因子のひとつであり、標的遺伝子のプロモーター上に存在する甲状腺
ホルモン応答領域に結合して遺伝子の転写活性を調節する。
甲状腺ホルモンの作用
①熱産生作用:酸素消費増大による基礎代謝率↑
②脳機能の成熟↑:障害でクレチン病、うつ・記憶力↓
③骨成長↑:低下で低身長、増加で骨粗鬆症
④心収縮力増強:心βアドレナリン受容体↑
⑤ミオシン重鎖α↑、Serca2↑
⑥脂質代謝促進:HMG-CoA R↓、肝リパーゼ活性↑
⑦血糖調節:低下でインスリン分泌・受容体↓
増加で消化管からの糖吸収(食後過血糖)↑
⑧皮膚グルコサミノグリカン産生↓:低下で粘液水腫
⑨肝臓タンパク質代謝:りんご酸酵素活性↑
⑩水・電解質代謝:ANP合成↑、Na、水の排泄↑
ホルモンの調節機構(1)
ネガティブフィードバック(Negative-feedback)
生体の内部環境の恒常性を維持するためのコントロール機序
ホルモンの標的細胞への効果が一定に達すると、その作用を抑
制する方向に作用する機序 - 過度の反応の抑制
1) 単一の内分泌腺による調節
血漿浸透圧上昇 → ADH(抗利尿ホルモン)分泌増加 → 血漿浸透圧低下
2) 複数の内分泌腺による直列的な調節
視床下部ー下垂体ー標的内分泌腺(甲状腺、副腎、性腺)
3) 複数の内分泌腺による並列的な調節
血糖低下 → インスリン分泌低下 → 血糖上昇
グルカゴン分泌増加
アドレナリン分泌増加
コルチゾール分泌増加
成長ホルモン分泌増加
ホルモンの調節機構(2)
1) 単一の内分泌腺による調節
内分泌腺
下垂体
後葉
血漿浸透圧
標的臓器
腎
集合尿細管
内分泌腺
視床下部
ADH
レプチン
バソプレッシン=
抗利尿ホルモン
(antidiuretic
hormon)
標的臓器
レプチン欠損マウス
(ob/ob)
食物摂取↓
エネルギー消費↑
脂肪細胞
2) 複数の内分泌腺による直列的な調節
Hypothalamopituitaryadrenal axis
Hypothalamopituitarygonadal axis
Hypothalamopituitarythyroid axis
CRH: corticotropin releasing hormone
ACTH: adrenocorticotrophic hormone
GRH: growth hormone releasing hormone
SRIF: somatotropin release-inhibiting factor
(=somatostatin, SRIH, GIF
GH: growth hormone
GnRH: gonadotropin-releasing hormone
LH: luteinizing hormone
FSH: follicle stimulating hormone
E2: Estradiol
T: testosterone
TRH: thyrotrophin releasing hormone
TSH: thyroid stimulating hormone
T3: triiodothyronine
T4: thyroxine
[視床下部]
副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン
(ペプチドホルモン)
分泌促進
[下垂体]
副腎皮質刺激ホルモン
(ACTH ペプチドホルモン)
視床下部は間脳に位置する
合成促進
[副腎皮質]
コルチゾール
独立行政法人情報処理推進機構 教育用画像素材集より抜粋
[標的組織]
生理作用
抑制
参考:21水酸化酵素欠損症
コレステロール
プレグネノロン
プロゲステロン
アルドステロン
男性化
17-水酸化
プレグネノロン
17-水酸化
プロゲステロン
21-hydroxylase
(21水酸化酵素)
欠損
コルチゾール
副腎過形成
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
アンドロゲン
エストロゲン
ホルモンの調節機構(3)
3) 複数の内分泌腺による並列的な調節(血糖調節の例)
140
100
インスリン
インスリン
糖の吸収
20
グルカゴン
グルコース → グリコーゲン
食事
40
インスリン
グルコース ← グリコーゲン
60
グルカゴン
グルコース → グリコーゲン
80
糖の吸収
血糖値(mg/dl)
120
食事
0
0
1
2
3
4
5
6
時間
血糖↓
インスリン
グルカゴン
膵β 細胞
膵α 細胞
グリコーゲン分解
糖新生
ケトン体産生
脂肪酸分解
組織での
糖取り込み
糖利用
血糖↑
7
ホルモンの調節機構(4)
血中濃度の変動
ー分泌のリズムー
ホルモンは非常に低い(10-12~10-7 mol/l)濃度で
作用し、その濃度は変動する。
<概日周期(Circadian rhythm)>
副腎皮質の糖質ホルモン(ヒトでは早朝にピーク、
夜間は低値)
下垂体前葉の成長ホルモン(深夜睡眠時に高値)
<長周期の変動>
性ホルモンの分泌で、ヒトの女性ホルモンの場合は
視床下部・下垂体前葉・卵巣の順に階層的に約28日
周期で分泌調節される。
<間欠的・パルス様>
多くのホルモンは断続的に、不規則に放出される。
このため血中濃度は間欠的ないしパルス様に変動
する。黄体形成ホルモン(LH)など
インスリン分泌のパターン
<基礎分泌>
24時間ほぼ一定量に保たれている分泌
<追加分泌>
食後の血糖値の上昇に対しタイミングよく大量に
分泌される分泌(イベント応答)
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