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vietnam legal update
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ベトナム最新法律情報
2013年10月
外国人労働者の雇用に関する
新たな手続き
今年の6月号でも取り上げましたが、ベトナムでは、2013年5月1日に新労働法が施行
されたことに伴い、その細目を規定する様々な法令が公布・施行されています。6月
号でご紹介した法令に加えて、例えば以下のような法令や通達も順次公布されてお
り、NO&T Asia Legal Update Vol.7においても、これらのうちのいくつかについては
ご紹介しています 1。
•国が所有する一人社員有限会社における労働者、賃金及び賞与の管理に関す
る法令第50-2013-ND-CP号
•労働法第63条3項に定められた事業場における民主的な規則の実施に関する
施行細則を定める法令第60-2013-ND-CP号
•労働組合法第10条の実施に関する法令第43-2013-ND-CP号
•労働争議に関する労働法の条項の詳細に関する労働傷病兵社会省通達第
08-2013-TT-BLDTBXH号
•15歳未満の労働者を使用することができる軽作業のリストを定める労働傷病
兵社会省通達第11-2013-TT-BLDTBXH号
•年少の労働者の使用が禁止される職種及び事業場のリストを定める労働傷病
兵社会省通達第10-2013-TT-BLDTBXH号
上記に加え、政府は、ベトナムで働く外国人労働者に関する新労働法の細目につい
て定める法令第102-2013-ND-CP号(以下「法令102号」)を2013年9月5日に公布しまし
た。同法令は、2013年11月1日に施行される予定です。外国人労働者の雇用とその管
理に関しては、これまで、2008年3月25日付法令第34-2008-ND-CP(2011年6月17日付
法令第46-2011-ND-CPにより一部改正、以下「法令34号」)が規定していましたが、
法令102号の施行により、法令34号は効力を失うことになります。これに伴い、外国
人労働者の採用や労働許可証の発行手続・条件なども一部変更され、日系企業にも
少なからず影響が及ぶことが予想されます。今月号では、この法令102号の概要をご
説明します。
1 配信をご希望の方は、
「2013年7月号バックナンバー希望」と明記の上、
[email protected]にご連絡下さい。
地方人民委員会からの同意書の取得と報告義務
新労働法によれば、外国人労働者を雇用しようとする組織や個人は、ベトナム人
労働者では要件を満たすことができない場合に限り、外国人労働者を雇用する
ことができるとされており、外国人労働者の雇用に先立ち、管轄当局に対し外国
人労働者を雇用する必要性を説明し、当局から同意書を取得しなければならな
いとされています。法令102号は、この規定を具体化するとともにさらに一歩進め、
外国人労働者を雇用しようとする組織や個人は、毎年、ベトナム人労働者では要
件を満たすことができず、外国人労働者を雇用する必要性のある役職を判断し、
雇用者の主たる事務所が所在する省級人民委員会の委員長に報告・説明しなけ
ればならないとされています。また、このような外国人労働者を雇用する必要性に
何らかの変更があった場合も、省級人民委員会の委員長に報告しなければなり
ません。
省級人民委員会の委員長は、雇用者に対し各役職毎に外国人を雇用することに
ついての同意書を発行することとされていますが、後述するように、この同意書
は、外国人労働者の労働許可申請の際の必要書類に含まれていることから、雇
用者は、外国人労働者の雇用にあたり上記プロセスを踏むことが必須となる点に
注意が必要です。
労働許可の免除と免除の確認書の取得
新労働法では、外国人労働者が労働許可の取得を免除される場合が規定されて
いますが、法令102号では、それらの場合以外にも外国人労働者が労働許可の取
得を免除される場合について規定されています。具体的には、法令34号の下でも
規定されていましたが、ベトナムのWTOに対するコミットメントで定める11のサービ
ス業のうちいずれかを行なう外国会社のべトナム国内拠点に内部的に異動する
外国人労働者をはじめ、
下記のような場合にも労働許可の取得が免除されるとし
ています。
•海外の機関や組織の教師であり、海外の所轄官庁から指名されて、ベトナ
ム国内の在外公館や国際組織が運営するインターナショナルスクールで教
鞭をとるためにベトナムに来た者
•ボランティア
•修士号以上の学位かそれと同程度の資格を有し、大学や専門学校におい
て、30日を超えない期間で、コンサルティング、教育、科学研究活動に従事
する者
•法令に従い、中央政府機関、地方政府機関、社会政治的組織との間で締結
した国際的合意を実施するためにベトナムに来た外国人
•その他、労働傷病兵社会省(MOLISA)の提案に基づき首相が定める場合
法令102号は、新たに、外国人労働者が労働許可の取得を免除される場合に管轄
の労働傷病兵社会局(DOLISA)からかかる免除について確認を受けなければな
らない旨規定しています。具体的には、雇用者は、外国人労働者がベトナムでの
就労を開始しようとする7営業日前までに、管轄のDOLISAに対し、その外国人労働
者が労働許可の取得を免除されることの確認を申請する必要があるとされていま
す。かかる申請は、その外国人労働者が労働許可の取得を免除されることを証す
る書類を添付した上で行なう必要があり、DOLISAは、申請の受理から3営業日以
内に、免除の確認書を交付し、又は免除を認めない旨の書面による回答をその
理由とともに交付しなければならないとされています。
労働許可証の取得手続き
労働許可の取消し
法令102号によれば、雇用者は、外国人労働者がベトナムでの就労を
開始しようとする日から15日営業日前までに、管轄のDOLISAに対して
労働許可の申請を行なわなければならないとされています。申請に
あたっては、定型の申請書とともに、外国人労働者の健康診断書や
犯罪経歴証明書、前述の人民委員会委員長の同意書、当該外国人労
働者が法定の要件を満たしていることを証する書類(具体的にいか
なる書類が必要かは当該外国人労働者がいかなる契約形態や業務
内容に基づいて労働許可を取得しようとしているかによって異なりま
す。)等を提出する必要があります。DOLISAは、かかる申請の受理か
ら10営業日以内に、労働許可証を交付し、又は労働許可を認めない
旨の書面による回答をその理由とともに交付しなければならないと
されています。
法令102号は、労働許可が取り消される場合についても列挙していま
すが、これには下記のような場合が含まれます。
外国人労働者が労働契約に基づきベトナムで働こうとする場合、雇
用者と外国人労働者は、労働許可証が発行された後、当該外国人
労働者がベトナムでの就労を開始しようとする日までの間に労働契
約を締結しなければならないとされています。さらに、雇用者は、当
該労働契約締結から5営業日以内に、労働契約書の写しを労働許可
証の写しと共にDOLISAに対して送付しなければならないとされてい
ます。
法令34号における労働許可の延長や更新の手続きは、法令102号で
は再発行手続きに一本化されました。すなわち、労働許可証の再発
行は、労働許可証の紛失、毀損、内容の変更等の場合に加え、労働
許可証の期間の満了の場合にも行なわれます。期間の満了の場合、
雇用者は、期間満了の15日前から5日前までの間に、既存の労働許可
証を発行したDOLISAに対して再発行を申請しなければならないとさ
れています。再発行の申請にあたっては、残存期間が5日から15日の
既存の労働許可証(紛失した場合は除く。)、省級人民委員会委員
長の同意書、当該外国人労働者が法定の要件を満たしていることを
証する書類等を提出する必要があります。
•労働許可申請の際の虚偽申告
•労働許可の期間満了
•労働許可に付された条件への違反
•労働契約の終了
•労働契約の内容と労働許可の内容との不一致
法令102号によれば、労働許可を取り消す権限はDOLISAが有すると
されています。労働許可が取り消された場合に、労働許可証を物理
的に返還しなければならないかについては、法令上の規定がなく不
明確であり、返還の要否や、
(仮に返還しなければならない場合の)
返還の方法については、今後、MOLISAから何らかのガイドラインが示
されるのを待つ必要があります。
外国人労働者の国外退去
法令102号では、新たに、労働許可の取得が免除されていないにも関
わらず、労働許可を取得せずにべトナムで働いている外国人労働者
の国外退去に関する新労働法の規定の細目が規定されています。具
体的には、DOLISAは、外国人労働者が労働許可を取得せずにべトナ
ムで働いていることを確認してから15営業日以内に、警察機関に対
し、当該外国人労働者をベトナムから国外退去させるよう要求しな
ければならないとされています。
なお、法令102号は、労働許可を取得せずにべトナムで働いている外
国人労働者の国外退去手続きや、労働許可が申請ないし取得された
後の外国人労働者に対するビザの発給に関してガイドラインを定め
る権限を、公安省に対して委任しています。
連絡先 長島・大野・常松法律事務所
www.noandt.com
アレンズ法律事務所
www.allens.com.au
www.vietnamlaws.com
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49 Hai Ba Trung
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