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世界トップレベル研究拠点プログラム 関連資料

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世界トップレベル研究拠点プログラム 関連資料
資料3-1
世界トップレベル研究拠点プログラム
関連資料
世界トップレベル研究拠点プログラム
(WPI : World Premier International Research Center Initiative)
概要
平成29年度要求・要望額 :6,827百万円
うち優先課題推進枠要望枠 :1,674百万円
(平成28年度予算額
:9,441百万円)
○国際的な頭脳獲得競争の激化の中で我が国が生き抜くためには、優れた頭脳が世界中から集ってくる”国際頭脳循環のハブ”となる研究拠点の構築が必須。
○大学等への集中的な支援により、システム改革の導入等の自主的な取組を促し、優れた研究環境と高い研究水準を誇る「目に見える拠点」を形成する。
○過去10年のプログラム実施により、世界トップ機関と並ぶ卓越した研究力や国際化を達成した、世界から「目に見える拠点」の形成に成功。
拠点のイメージ
支援内容等
○総勢100~200人程度あるいはそれ以上。(平成24年度採択拠点は70人~)
○世界トップレベルのPI10~20人程度あるいはそれ以上(平成24年度採択拠点は7人~)
○研究者のうち、常に30%以上が外国人。
○事務・研究支援体制まですべて英語が標準の環境。
○対象:基礎研究分野。
○支援規模:13~14億円程度/年×10年。(平成24年度採択拠点は、~7億円/年程度)
○ノーベル賞受賞者や著名外国人研究者で構成されるプログラム委員会による
丁寧かつきめ細やかな進捗管理。
-Science世界最高レベルの研究水準
同時達成により
トップレベル拠点を構築
-Globalization国際的な研究環境の実現
-Reform研究組織の改革
-Fusion融合領域の創出
WPI拠点の成果
・世界のトップ機関と同等以上の卓越した研究成果。
・平均で研究者の40%以上が外国人。
・世界最高水準の基礎研究の集積と国際的な研究ネットワークを構築。
・民間企業や財団等から大型の寄付金・支援金を獲得。
例:大阪大学IFReCと製薬企業の包括連携契約(100億円/10年)
(参考)質の高い論文の輩出割合※
※機関(先行5拠点)から出た論文のうち、
他の研究者から引用される回数(被引用数)
が多い上位1%にランクインする論文の割合。
※平成28年度で補助金支援期間が終了。
平成29年度
要求の骨子
(トムソンロイター社調べ(2007年~2013年))
<これまでのWPIを総括し、プログラムの更なる躍進と成果の横展開による我が国全体の基礎研究力の飛躍的向上に挑戦>
①支援実施中の5拠点への着実な支援を実施。
②必要な制度上の改善を加えつつ、平成29年度から新規拠点(~10億円程度×最長10年)の構築を開始する。(平成29年度は2拠点)
③補助金支援期間の終了を迎える4拠点を中核に、蓄積された経験・ノウハウを全国の大学等へ横展開するとともに、WPI拠点を
はじめとする日本トップレベルの研究拠点をブランド化・ネットワーク化する仕組み“WPIアカデミー(仮称)”を構築する。
世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)に関する
評価・改善点について
平成 28 年 7 月 15 日
戦略的基礎研究部会
科学技術・学術審議会 戦略的基礎研究部会においては、平成 27 年 4 月の部会設置以降、
世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)に採択された拠点への訪問や拠点長、ホスト機
関関係者からのヒアリング等を行い、当該プログラムの成果及び課題を踏まえた新たな制度
設計について審議を進めてきた。
これまでの議論を踏まえ、WPI のプログラムとしての評価及び改善すべき事項を以下の通
り、とりまとめる。
1.WPI のプログラムとしての評価点
WPI は、国際頭脳循環のハブとなる世界トップレベル研究拠点の形成を支援するプログラ
ムであり、その評価は、研究成果と研究環境・研究システム改革の両面から行うべきである。
(研究成果)
○ 各 WPI 拠点は世界のトップレベル大学と同程度またはそれ以上に優れた研究論文を多数
輩出するなど、極めて高い水準に達している。
○ 特に、WPI がプログラムのミッションとして「融合領域の創出」を掲げ、10 年の長期に
わたって安定した支援を続けてきたことは、プログラムを特徴づけ、WPI 拠点からユニ
ークかつ高水準の科学的成果を生み出される源泉となっている。
○ 優れた研究者の一定規模の物理的な集積を確保し、トップレベルの研究成果を生み出す、
これまでの日本にはなかった新しい研究のあり方とその有効性を実証したことは、極め
て高く評価できる。
○ これらの優れた成果は、当該分野で国際的に高い知名度を獲得することにつながり、一
部拠点が米国民間財団からの多額の寄附を得るなど、国内外にさらに大きなインパクト
を与えている。
○ また、平成 28 年、大阪大学免疫学フロンティア研究センター(WPI-IFReC)が中外製薬
との間で締結した 10 年間で 100 億円の支援を受ける包括連携契約は、基礎研究段階か
ら長期かつ大型の産学連携を行う画期的な先例であり、WPI の卓越した成果をあらため
て示した好例と言える。
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(研究環境・研究システム改革)
○ ポスドクの国際公募や英語使用を標準とする事務体制の整備などを要件として求め、結
果として平均で外国人研究者の比率が 40%を超える高度に国際化した環境を達成して
いることは高く評価できる。
○ 海外からの優秀な人材の引き抜きや囲い込みではなく、プログラムの目標である国際頭
脳循環のハブとして、高い流動性が保たれていることは、極めて高く評価できる。
○ 高い国際性の実現には、スタートアップ支援の充実や、高度な研究支援員の配置を含む
共通機器システムの構築など、海外の一流の研究機関と同等の「国際標準の」充実した
研究支援体制が構築されたことが重要な役割を果たしており、WPI が総合的に支援可能
なプログラムであったことの意義は大きい。
○ 生活面での支援も可能となるよう制度が設計され、研究面と生活面の両方から充実した
支援が受けられる環境が整えられた点も評価できる。
○ 拠点長によるトップダウンマネジメントと事務部門を統括する「研究がわかる」事務部
門長によるマネジメント体制は、改革を実現する大きな力となっている。
○ 改革の成果は、大学等のホスト機関にとっても大きな、好ましい変化を与えている。英
語使用を基本とする事務体制などの目に見える成果・変化だけでなく、大きな改革を成
し遂げた身近な存在として、ホスト機関全体の意識改革を促している面についても評価
すべきである。
(事業全体)
○ WPI がプログラム全体として達成した成果は、極めて高いものであり、プログラムとし
て大きな成功を収めている。
○ この成功は、各拠点・ホスト機関の多大な努力はもちろんのこと、プログラム・ディレ
クター、プログラム・オフィサー、プログラム委員会等、関係者が一丸となった献身的
な運営が重要な役割を果たしている。
○ WPI の投資効果は、これまでの拠点形成事業と比較して明らかに優れており、WPI の大
規模かつ長期的な投資に見合う成果が得られている。
○ WPI が国際的な知名度、ブランドを確立し、これを維持・発展させていくことは、日本
の長期的な財産となる。
WPI は、以上の通り大きな成功を収めており、プログラムとして今後とも継続させるべき
である。
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2.WPI のプログラムとしての改善点
WPI は、平成 19 年度のプログラム開始から 10 年が経ち、更なるプログラムの運営の効率
化、成果の最大化等のため、修正・改善すべき点もある。文部科学省は、特に以下の点につ
いてプログラムの改善を図るべきである。
(成果の最大化・波及)
○ 拠点形成後の成果の定着を促す制度設計が必要である。過去の拠点形成事業では、良い
成果が雲散霧消してしまったものも少なくない。成果を確実に定着させ、政策効果を最
大化させることが重要である。
○ WPI は日本の大学全体の国際化や研究環境改革を強力に牽引できる存在であり、WPI の優
れた成果を可能な限り全国に波及させていくべきである。ただし、成果の波及は、拠点・
ホスト機関の責任を超えるため、国の責任で全国への成果波及を行うべきである。
(拠点間の横串、ネットワーク化)
○ WPI 拠点を横につなぎ、グローバルな拠点間連携や、新たな価値や研究領域を積極的に
作り出していくという視点を加えるべきである。
○ 研究者や政策関係者の間では WPI 事業の知名度が高い一方で、一般の方々や海外では十
分に知名度が高いとは言えない。戦略的な広報が必要である。
○ 優れたスタッフの共有化、拠点間での研究者の流動化など、拠点間で連携した固定費の
削減方策を検討すべきである。
(人材育成)
○ 手厚い研究支援体制の構築に必要な人材が不足している。WPI 拠点が、それらの人材の
育成の場になることも重要である。
○ 学生、特に大学院生を積極的に拠点に受け入れ、育成する機能を導入・強化すべきである。
(補助金支援終了後の制度設計)
○ WPI 拠点は、国際的なブランドを確立したため、そのブランドが毀損されてしまった場
合は、国益を損ねる。WPI のブランドを守るための方策を検討すべきである。
○ 産業界との連携は重要な論点。WPI 拠点は、経営できる研究拠点のモデルを目指し、外
部からの人材活用も検討すべきである。
○ 効率的・効果的なマッチングなど、WPI 以外のプログラムとの連携による拠点運営を目
指すべきである。そのためには、大学改革と連動した全体デザインとロードマップが必
要である。
以上
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