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005.地域別の方向性(PDF形式:3868KB)

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005.地域別の方向性(PDF形式:3868KB)
Ⅴ章 地域別の方向性
第
85
本計画の具体的な事業展開を図るために、長崎市の農業振興を図るべき地域を地域の資源や特性
などを考慮し 10 地区に区分し、地域毎の方針を示します。これは、JA営農指導関係部門と長崎
市が協議し作成したものです。
今後、地域農業の振興を図るため、地域農業マスタープランである「人・農地プラン」(担い手
や集落リーダーの育成・強い経営体の確立・生産力の強化・耕作放棄地の解消などを定める計画)
を地域ぐるみで策定することを推進します。
旧琴海町(J地域)
旧外海町(G地域)
三重(D地域)
東長崎(C地域)
旧市西部(E地域)
その他旧市(F地域)
茂木北部(B地域)
茂木南部(A地域)
旧三和町(H地域)
旧野母崎町(I地域)
86
地域農業・農村(人・農地プラン)のまちづくりの進め方
STEP1(初動期)集落の現状把握、課題抽出による問題点の提起
① 集落のリーダー役と人・農地プランの進め方について協議を行います。
役割分担
J
A
農
委
行
政
③ 集落内の農業者に対し、集落の課題、地域農業の将来、担い手の育成、
経営の意向、農地の集積などを項目とした「農業者意向アンケート」を行い
ます。
集
落
農
委
④ アンケ-トの集約を行うとともに、課題の抽出を行います。
行
政
集
落
農
委
J
A
行
政
② 集落の現況データ(品目、農地など)や地域資源の整理を行います。
J A
STEP2(検討期)集落の話し合いにより「人・農地プラン」の策定
① 集落の方々の参加により問題点の整理を行い、集落の課題を共有します。
・誰が地域農業の中心となるのか
・今いなければどう作るか
・そこへ農地集積をどう進めるか
② 農業経営、農産物の生産・販売、農地の集積など地域農業の検討事項に
ついて、話し合いを十分進め、計画づくりや実施可能性の検討などを行
います。
③ 検証の結果、担い手、地域リーダーとなる中核就業農家の収益が確保でき
ない場合には、STEP1の③に戻って意向の調整を行い、計画の見直しを行
います。
STEP3(展開期)プランに基づく実践活動の実施
① 話し合いの成果として、本農業振興計画の地区別方向性を参考にしなが
ら、地域農業の将来計画として「地域農業マスタープラン(人・農地プラ
ン)」の位置づけを行います。
② マスタープランに基づき、集落を主体とした実践活動を進め、関係機関も
実現のための支援を展開します。
地域農業・農村振興の実現
87
参考事例
※全国農業会議所発行 構造改革は地域から 「地域農業どうすればいいか」から抜粋
地域農業・農村プランの作成例
①アンケート調査と集落座談会を何度も実施して農家の意向を調査した。7 戸がはっきりと
経営を発展させたいと意思表示した。
②生産物については市場の可能性を十分調査した。
③A農家は農業機械銀行に登録して他の地域(他の集落、市町村、県)の作業も受託する。
また、近く隣の集落経営農家と法人化する計画である。新人を他の地域から採用すること
を考えている。
④農地の貸し借り、農作業の受委託は、集落内では下記の図に従うことを基本とする。
⑤一般農家の今後の方向としては、安定就業のほか高齢化によるリタイヤもあるが、計画に
なじまないので記載しない。これは、今後、随時、話合いを繰り返し改善計画を検討する。
図
表の
C
88
他市町村の地域農業の実例
※第 17回全国棚田(千枚田)サミット首長会議資料からの抜粋
【農事組合法人 Farm Uchi】
~中山間地域の棚田の事例~
農事組合法人Farm Uchi は、中山間地域の棚田地区であり、平成 9 年 6 月に法人
設立準備委員会を設置し、将来の担い手不足を見越して7つの集落毎に説明会を開催
し、平成 9 年 11 月に法人が誕生しました。
当初 88 戸(加入率 68%)が参加され、担い手の確保や経営の安定化を図っていま
す。
運営に関しては、当初、国・県・市からの助成金により機械購入し、水田について 10 年
間の利用権設定により作業受託を受け、組合員は、Farm Uchiからの米の購入するシ
ステムとなっています。
※一部、全国農業会議所発行 構造改革は地域から 「地域農業どうすればいいか」から抜粋
【愛知県旧吉良町(現在 愛知県西尾市)】
~町主体による事例~
愛知県旧吉良町は、農協営農部が地域リーダーの役割を担い、集落座談会を何度も
行い、水稲主体、畜産主体、花卉主体といった農家1戸ずつの意向を確認して、1戸あた
りの平均60aではどうしようもないと悩んで農家を見事に発展させています。数十haの大
規模な水田農家、60aと農地は少なくともトマトとメロンを栽培農家など耕作放棄地もわず
かしかありません。これは、町の水田を一定区分し、区分毎の水稲主体農家の氏名を明
記し、その農家が主体的に借りたり、作業受託を行うことを町全体で合意し、団地化を狙
いとしたことによるものです。
【山形県寒河江市高屋集落】
~周年観光農業による再生事例~
山形県寒河江市高屋集落は、昭和 50 年代以降、高速道路とバイパスが集落を分断
することにより、農地が潰されることをキッカケに、集落の連日連夜の話し合いから、危機
をバネにして、周年観光農業というキーワードで再生を編み出したのです。分化した農家
が、農協の農業機械銀行を中心にしてお互いに水田や畑の貸付、作業の委託、籾殻の
供給を、また、集落外の畜産農家から有機肥料の供給を受けるなど地域複合を実現して
います。
89
茂木南部(A地域)
現
千々地区、大崎地区、宮摺地区(旧市:平山・大籠地区含む)
状
●千々、大崎、宮摺地区では、
「びわ」
「みかん」
「ハウスもも」など、農業生産物の 90%以上が
果樹類で専業率が最も高い地域で、ブランド化に対する意識も高い傾向が見られます。また、
耕地条件が悪いにもかかわらず、農地が有効に活用されていますが、安定した生産を進めるた
めには、水資源の確保が課題です。
●平山地区には市民農園が開設され市民に親しまれています。
今後の重点的施策
●「びわ」のブランド化の強化、高付加価値化の推進
●農産物のブランド化、高付加価値化の推進
●意欲ある営農者に対する支援体制の強化
●有害鳥獣被害対策の充実
他地域や関係団体との連携を図りながら「びわ」のブランド化の強化に努めるとともに、後継
者の育成・確保や、「なつたより」を中心とした「びわ」産地としての新たな生産体制の確立を
図ります。
また、他地域との連携を図り有害鳥獣対策に必要な施設の更新・導入及び設置に引き続き取組
み、耕作放棄地の発生予防に努めます。
農用地区域
国
道
県
道
茂木北部地域
高速道路・有料道路
住
宅
その他旧市
(上戸町)地域
地
産業 の 拠点
歴史 ・ 文化
観光 の 拠点
34
224
499
三和地域
90
茂木北部(B 地域)
現
茂木・北浦地区、太田尾・飯香浦地区、田手原地区
状
●茂木・北浦地区では主に「びわ」
、
「みかん」、
「ポンカン」、
「なし」などの果樹類と市内で唯一
の鉢花の生産がなされています。
●太田尾・飯香浦地区では主に「いちご」、
「きく」
、
「びわ」
、
「みかん」が生産され専業率が高い
地域となっています。
●田手原地区では主に軟弱野菜を生産し、地産地消に貢献していますが高齢化が進んでいます。
●中央卸売市場への出荷が多く、ブランド化に向けた意識も高い傾向にあります。
●急峻な農地で構成されているため、耕作条件が悪く高齢化による耕作放棄地が見受けられます。
●安定した生産を進めるためには、水資源の確保が必要となっています。
今後の重点的施策
●「びわ」
「花き」
「いちご」産地としての生産基盤の強化
●農産物のブランド化、高付加価値化の推進
●意欲ある営農者に対する支援体制の強化
●有害鳥獣被害対策の推進
他地域や関係団体との連携を図りながら「びわ」のブランド力の強化に努めるとともに、茂木
南部地区に次ぐ「びわ」産地として、また、若い農業者の多い「いちご」「きく」の継続発展が
できる産地として、その育成と強化に努めます。
また、他地域との連携を図りながら有害鳥獣の被害防止に必要な施設の更新・導入及び設置に
引き続き取組みます。
東長崎地域
長崎 I.C.
34
農用地区域
324
国
道
県
道
高速道路・有料道路
住
宅
地
産業 の 拠点
歴史 ・ 文化
観光 の 拠点
その他旧市
(上戸町)地域
91
東長崎(C 地域)
現
矢上地区、古賀地区、戸石地区、潮見・春日地区
状
●水稲、施設野菜、露地野菜、果樹、花き類と多品目を生産している地域となっています。
●長崎の主要作目である「花き(菊)」、
「いちご」
、
「みかん」の主産地となっています。
●高齢化、都市化の進展、耕地条件の悪さなどから農業離れや農地縮小の声も上がっています。
今後の重点的施策
●生産基盤の適切な維持管理の推進
●優良農地の保全強化
●立地条件を活かした地産地消活動の推進
高齢化する農家の作業負担を軽減するため、生産基盤の整備推進や老朽化した農業用施設の適
正な維持・補修に努めるとともに、優良農地の確保、保全に努め、引き続き現況用途での土地利
用を図ります。また、都市化に伴い住宅地が隣接していることから、散在する遊休農地を利用し
た住民参加型の事業に適した施設整備も併せて検討します。
諫早市
間の瀬 I.C.
その他旧市
(川平)地域
長崎多良見 I.C.
45
34
251
矢上大橋.
農用地区域
国
道
県
道
長崎芒塚 I.C.
高速道路・有料道路
住
宅
地
産業 の 拠点
茂木北部地域
歴史 ・ 文化
観光 の 拠点
92
三重(D 地域)
三重地区、式見地区
)
現
状
●露地野菜、畜産が盛んで「長崎和牛・出島ばらいろ」の主産地となっています。
●20 代の後継者が数名いるものの、60 歳代以上の農業者の割合が多くを占めています。
●有害鳥獣被害が著しく、耕作放棄地の割合が高い地域となっています。
●三重地区には市民農園が開設され市民に親しまれています。
今後の重点的施策
●「長崎和牛・出島ばらいろ」のブランド力強化
●遊休農地を活かした自給飼料の生産促進
●有害鳥獣被害対策の推進
畜産関係は、「長崎和牛・出島ばらいろ」のブランド化の強化による高付加価値化を図り、市
内消費(地産地)の強化に取り組むとともに、自然環境と調和した飼育環境の保全に努め、耕作
放棄地を活用した自給飼料の生産を促進します。また、牛フン(堆肥)の更なる活用促進を図り
有機農業を推進します。
そのほかの作物についても、有害鳥獣の被害防止対策の取組み強化を図るとともに、農道等の
整備を行いながら土地利用の再編を進めます。
旧外海町地
域
旧琴海町地域
115
202
28
農用地区域
国
道
県
道
高速道路・有料道路
住
202
宅
地
産業 の 拠点
歴史 ・ 文化
観光 の 拠点
旧市西部地
域
93
旧市西部(E地域)
手熊・柿泊地区
)
現
状
●主に柑橘類・ぶどうの栽培が行われているほか、アスパラガスの生産も小規模ながら行われて
います。
●30 歳代以下の営農者がおらず、60 歳代以上の農業者の割合が8割を超えています。
●30a 未満の狭小な農地を有する農家が多く、専業農家の占める割合も低くなっています。
●三重、式見地区と同様に有害鳥獣による農作物被害が問題となっています。
今後の重点的施策
●既往施設を活用した食育・食文化交流機会の創出
●優良農地の保全、集積化の強化
●定年退職者を対象とした就農支援策の充実
一部の農家では、児童生徒を対象とする農業体験学習の受け入れを行っていることから、こう
した実績や環境を生かす食育・食文化交流機会の創出強化を図ります。
また、柑橘類やアスパラガスなどを生産する優良農地の確保、保全に努めるとともに、散在す
る農地の集積化を図り、引き続き現況用途での土地利用を図ります。
三重地域
112
農用地区域
202
国
道
県
道
高速道路・有料道路
住
宅
地
産業 の 拠点
歴史 ・ 文化
観光 の 拠点
202
94
その他旧市(F地域) 川平・三川地区
)
現
状
●長崎伝統野菜など露地野菜をはじめ果樹・花き・水稲と生産される作物は多岐にわたっています。
●耕作放棄地の割合が比較的尐なく、農地の利用率は高い傾向にあります。
●農業外収入に頼っている農家の比率が最も高く、農業収入が 50 万円以下の農家が大半を占め
ています。
●大山地区では優れたタケノコの加工品がありますが、販路拡大が課題です。
今後の重点的施策
●直売所などを通した市民との交流機会の創出
●兼業農家の育成支援
●西山木場地域の農地集積の推進による農業生産基盤の強化
●直売所などを通した市民との交流機会の創出
都市近郊型農業を活かし、直売所などを通した市民との交流機会の創出を図るとともに、専業
農家や兼業農家など、農業を主とした農家の育成を図ります。
川平地区
農用地区域
諫 早
市
45
国
道
県
道
高速道路・有料道路
住
宅
地
産業 の 拠点
東長崎地域
歴史 ・ 文化
観光 の 拠点
川平 I.C.
上戸町地区
237
茂木北部地域
235
489
茂木南部地域
95
旧外海町(G地域)
現
外海地区
)
状
●60 歳代以上の高齢者が占める割合が高く、高齢化が深刻な状況となっています。
●グリーンツーリズムなど農業や農産加工業との関わりをもった新たな取組みが行われていま
すが、高齢化・担い手丌足が課題であり、後継者の育成が必要となっています。
●直売所への出荷割合が高い地域となっています。
今後の重点的施策
●グリーンツーリズム活動の推進、支援
●直売所の販売力強化と地産地消活動の推進
●長崎市オリジナル香酸柑橘「ゆうこう」の有効活用による地域ブランド品の創出
グリーンツーリズムへの取組みなど,農業に係わりのある活動を積極的に支援することにより、
優良農地の確保、保全など土地利用を図ります。
一方、地域には道の駅直売所が設置されているため、耕作放棄地を含め農地の有効活用による
生産拡大を推進し、商品の充実と地産地消を図ります。
また、長崎市特有の柑橘類である「ゆうこう」について、特産品として産地づくりを行い、加
工品開発を含め有効活用を図ります。
西海市
旧琴海町地域
57
農用地区域
国
道
県
道
202
高速道路・有料道路
住
三重地域
宅
地
産業 の 拠点
歴史 ・ 文化
観光 の 拠点
96
旧三和町(H地域)
三和地区
)
現
状
●主に「びわ」をはじめとする果樹の栽培を行っています。
●「花き」栽培も盛んに行われています。
●安定した生産を進めるためには、水資源の確保が必要となっています。
●50 歳代以上の農業者で全体の 9 割以上を占めています。
●有害鳥獣被害や高齢化により、耕作放棄地に対する対策が必要な状況となっています。
●基盤整備した農地の貸付も行っています。
今後の重点的施策
●茂木南部、北部地区と連携した「びわ」産地としての育成強化
●「花き」産地としての育成強化
●優良農地の確保、保全活動の推進
●有害鳥獣被害対策の推進
生産品目を維持しつつ、茂木北部、南部と連携した「びわ」産地としての育成や、「花き」栽
培の産地育成強化に努めます。このほか、引き続き現況用途での土地利用を図り優良農地の確保、
保全に努めるとともに、有害鳥獣の被害防止対策の取組み強化を図ります。
茂木南部地域
224
499
224
34
499
農用地区域
国
道
県
道
高速道路・有料道路
旧野母崎町地域
住
宅
地
34
産業 の 拠点
歴史 ・ 文化
観光 の 拠点
97
旧野母崎町(I地域) 野母崎地区
)
現
状
●「びわ」の産地であるほか、施設野菜、露地野菜などを生産しています。
●市内で唯一の日本水仙の産地です。
●60 歳代以上の割合は 9 割にのぼるうえ、ほとんどの農家に後継者がいません。
●高齢化に加え、耕地条件が悪いことから遊休農地が山林化しています。
今後の重点的施策
●日本水仙の産地育成の強化
●農地の集積化による生産基盤の改善
●新たな担い手の育成、確保
●尐量多品目栽培の推進
散在する農地の集積化をはかり、営農効率の改善を図り、現況の生産品目を維持しつつ新たな
担い手の育成、確保に努めます。また、日本水仙は地域ブランド化を進め、産地の育成、拡大に
努めます。
農用地区域
国
道
県
道
旧三和町地
域
高速道路・有料道路
住
宅
地
499
産業 の 拠点
歴史 ・ 文化
観光 の 拠点
34
499
251
98
旧琴海町(J地域)
琴海地区
)
現
状
●市内で唯一まとまった水田があるほか、柑橘類を主とする果樹と施設野菜・露地野菜が生産さ
れています。
●地域内に数カ所の直売所があり、農協系統出荷と直売所出荷の両立が図られています。また、
個人で直接消費者に販売する生産者もいます。
●有害鳥獣の対策に対する要望が多く上げられています。
●琴海赤水地区には市民農園が開設され市民に親しまれています。
今後の重点的施策
●地域ブランド品の創出に向けた取組の推進
●長崎市内の中核的な農業地帯として重点的農業
振興地域
●直売所の有効活用とグリ一ンツ一リズムによる、
生産者と消費者の交流促進
柑橘類、
「ミニトマト」
、
「アスパラ
西海市
ガス」
、
「ハウスもも」
、
「長浦すいか」
などについて、農産物の地域ブラン
206
ド化に取り組みます。
また、本地域は耕地条件が比較的
優れていることから、担い手への農
地の集積、新規就農者など農業参入
204
者の誘致について積極的に取り組み
ます。
229
このほか、地域内にある直売所に
おいて、地域情報の充実などにより
旧外海町
地域
57
利用者の増加を図るとともに、グリ
一ンツ一リズムへの取組を積極的に
進めるなど、生産者(地域農業)と
消費者(市民)の交流の機会と交流
の質の充実を図ります
農用地区域
国
206
道
三重地域
県
道
高速道路・有料道路
住
宅
地
産業 の 拠点
歴史 ・ 文化
観光 の 拠点
99
204
時津町
100
Fly UP