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「水はどこから」平成28年7月5日(火)
学 年 第4学年 教科等 単元名 日 社会科 水はどこから 時 平成 28 年 7 月 5 日(火)5 校時 本実践は,社会科学習において,テーマ設定の在り方と話合いの質を高めるための教師の働きかけを工夫す ることで,本校の研究主題である「切磋琢磨する子どもの育成」をめざすものである。 テーマ設定の在り方では,ミネラルウォーターと水道水を比較した時の結果や,大淀川の水を提示し,「川 の水」が「飲料水」になる過程を想起させることで,学習問題の設定につなげるようにする。 話合いの質を高めるための教師の働きかけでは,思考ツール「ウェビングマップ」を活用する。グループ間 で「マップ」を交流させ,考えを広げさせることで,多様な考えに触れられるようにする。また,「マップ」 を基に,テーマに対する自分の考えをもたせる。その考えを全体で共有する際,キーワードとそれらのつなが りも板書することで,水の確保には人とのかかわりがあることに気付かせられるようにする。また,水が大切 な資源であることにも気付くことを期待する。 本実践の 主張 話合いのテーマ設定 手立て1: 既習事項のふりかえりや,大淀川の水と 水道水との比較をとおして,学習問題の設 定につなげました。 資料提示 大淀川の水と水道水 浄水場では,たくさんの人たちが 働いていたと思います。 最初の学習で,水道 水とミネラルウォータ ーを飲み比べたよね。 話合いのテーマ(みんなの問題) 「おいしくて安心安全な水を作っているのは ○○!」というテーマで考えることにしました。 思考ツール「ウェビングマップ」を使って 他のグループはこういう ことを書き加えているよ。 マップを基に考え ると,おいしくて安心 安全な水を作るに は・・・ ○○に入るのは, 「自然」かな。 いや, 「人」 じゃない? だって・・・ グループで マップを広げる グループ間で マップを交換する テーマについて 自分の考えを書く 残念ながら,川の水・水道水の提示 からテーマ設定までの部分が,子ども の思考に沿った自然なつながりとはな りませんでした。 手立て2: 思考ツール「ウェビングマップ」 で思考を広げ,関係性を線で結 び,その後テーマについて自分の 考えをまとめさせました。 子どもの反応及び意識の高まり グループ間で交換することで,他グルー プの意見を知ることができ,思考の広がり を実感することができました。また,様々 な思考が載ったマップを基にすることで, 一人一人が自分の考えをもつことができ ました。 テーマについての話合い 手立て3: 意見の共有を行う中で,キーワード同士につながりがあることを 気付かせました。 全部が協力して,おいしくて安心 安全な水を作っていると思います。 「人」が「機械」を操作すること で,おいしくて安心安全な水ができ ると思います。 子どもの反応及び意識の高まり おいしくて安心安全な水作りには多くのこ とや人がかかわっているんだ。これから水を 大切にしていきたいな。 御意見御質問はこちら(研究部アドレス) [email protected] 授業実践計画 ○ 指導計画(11 時間) ⑴ ⑵ 水の確保にかかわる様子に関心をもち,単元を貫く意識をもつ。 2時間【関・意・態】 水の確保の過程について調べる。 7時間 ・ おいしい飲み水が手元に届くまで・・・・・・2時間【技能】 ・ おいしい飲み水を作るには・・・・・・・・・3時間【知・理】 【思・判・表】 【技能】 ・ おいしい飲み水を確保するために・・・・・・2時間【知・理】 【思・判・表】 (本時2/2) ⑶ 自分たちの実践について考える。 2時間【思・判・表】 【関・意・態】 ○ 本時の目標 川の水がおいしく飲める水として水道の蛇口から出るまでには,様々な工程を経ていることや,そこには多くの方々が 携わっていることに気付くことができる。 ○ 指導過程 ◎・・・最も主張したい手立て 学習活動及び学習内容 1 教師のかかわり 社会的事象に出合い,学習問題を設定する。 ○ 前時までのふりかえり ・ ○ 前時までの学習をふりかえり,「水がわたしたちのもとに届 くまで」を一連の流れとして捉え,単元を貫く意識と関連付け て考えさせることで,本時の学習問題を設定できるようにす る。 ◎ ミネラルウォーターと水道水を比較した時の結果や,大淀川 の水と子どもの水に対する思いを比較させ,おいしい水道水を 作っているのは何かと問うことで,話合いのテーマを設定でき るようにする。 ○ 思考ツール「ウェビングマップ」を用いてグループで話し合 わせることで,既習事項のつながりに多く気付かせるととも に,多様な考えにふれさせるようにする。 浄水場から家庭へ ・ 浄水場の仕組みと働く人の工夫や努力 水が届くまで ・ 森やダムの働き ○ 本時の学習問題 おいしい水になるためのひみつは何だろう。 2 本時の学習について見通しをもつ。 ○ 話合いのテーマ おいしい水を作っているのは○○! 3 おいしい水の確保にかかわっている人やものにつ いて話し合う。 ○ 「ウェビングマップ」を使っての話合い ① グループで考えの交流 ② グループ間で考えの交流 ○ 「ウェビングマップ」の広がりが見られないグループに対し ては,他グループの話合いの様子や「ウェビングマップ」の様 子を見させることで,キーワードやそこからつながる関連事項 に気付かせる。 ◎ 4 テーマについて話し合う。 ○ おいしい水をつくっているのは 5 本時の学習をまとめる。 ○ 本時の学習のまとめ おいしい水を作っているのは, (たくさんの人々 と浄水場の仕組みです。だって,浄水場で水をきれ いにしているし,検査をする人や水道管の管理をす る人等,いろいろな人がかかわってきれいになって いるからです。だから水を大切にしたいなあ。 ) グループ間で「ウェビングマップ」を交換させ,交換したも のを基に「マップ」を広げさせることで,自分たちが気付かな かった既習事項のつながりや,関係性に気付くことができるよ うにする。 ○ 「ウェビングマップ」に書かれたことを基に,テーマに対す る自分の考えをもたせ,その考えを全体で共有し,キーワード を板書することで,水の確保には人とのかかわりがあることに 気付かせる。 ○ まとめを発表させ,水資源への思いに対する意識の高まりに かかわる子どもの言葉をつなぐことで,次時への学習意欲を高 めることができるようにする。 ○ 次時への意識付け ○ 本時でめざす子どもの姿 川の水がおいしく飲める水になるまでには,浄水場の働きや,水道管の設置等の家庭に届けられる までの仕組み,そして,それに携わる人たちが昼夜を問わず水を管理していることや,きれいな水を 届けるために様々な検査をする等の工夫や努力があるんだね。だから水を大切にしたいな。 【社会的な思考・判断・表現】 ○ 指導計画(11 時間) 段階 生 み 出 す ⑵ ねらい ○主な学習活動 ・内容 ◆追究意欲を図る手立て □指導上の留意点 ※評価 □ 水道水とミネラルウォーターを 「意外とおいしかった水道水」 なぜミネラルウォーターを選ぶのだろう。 比較し,水道水のよさに気付かせ, 水道水とミネラルウォーターを ○ 水道水のよさを見直す 宮崎市の水道水について関心をも 比較し,両者の違いを検討すること ・ 宮崎市の水道水とミネラルウォーターの比較 たせる。 で,宮崎市の水道水のよさを見直 ◆ 宮崎市の水道水とミネラルウォーターを比較し, よさを し,本単元への意識付けを行う。 ※【関・意・態】…ノート,発言 問う。 〈第1時〉 「まわりの人の意識は?」 みんながもっている水道水のイメージは何だろう。 宮崎市の水道水の問題点を明確 にし, 「単元を貫く意識」をもつこ ○ 調査結果の共有を行い,話し合う。 とができる。 ・ 家庭での水道水のイメージ 〈第2時〉 ・ 宮崎市の水道水の問題点 【単元を貫く意識】 水道水のおいしさのひみつを探る 宮崎市の水道水のよさをアピールしよう! ◆ □ 自宅で調べてきたことを共有 し,水道水について周りがもって いるイメージから,宮崎市の水道 水について関心をもたせ,単元を 貫く意識をもつことができるよう にする。 ※【関・意・態】…ノート,発言 学校の水道の出発点を問う。 □ 校内の水道・給水管をたどらせ, 「学校の水道の出発点」 学校の水道水の出発点はどこにあるのだろう。 それらを校内の地図にまとめるこ 学校の水道をたどると,地下から とができる。 出ている水道管(給水管)につなが ○ 学校を探検し,水道・給水管をたどりながら,それらが り,学校の水道の始まりが地下(校 行き着く場所(地下)を見つける。 ※【技能】…校内地図,発言 門前)にあることが分かる。 〈第3,4時〉 ◆ 給水管の先(水道メーター)に行き,ここから先はどこ につながっているのか問う。 □ 浄水場がたくさんの手順をふん 「学校からつながる先は」 水道水は学校までどのように運ばれ,どこで で浄水する理由について話し合わ 学校から浄水場まで,水道管でつ きれいになっているのだろう。 せることで,浄水場の方々の工夫 む ながっていることや,浄水場の仕組 や努力について理解できるように ○ 学校から浄水場までつながっていることを調べ, なぜ市 み,そこで働く人々の工夫や努力が する。 内に水道の水を行き渡らせることができるのか問う。 (7) 分かる。 ※【知識・理解】…ノート 挑 ○ 浄水の方法と,そこにかかわる方たちの工夫や努力を考 □ 浄水の方法とそこにかかわる人 える。 たちの工夫や努力について整理す ・ 浄水の手順 ・働く人たちの工夫や努力 〈第5,6,7時〉 ◆ 川の水源の様子を見せ,水量の変化について問う。 ることで,浄水場の役割やその大 切さに気付き,適切に表現できる ようにする。 ※【思・判・表】…ノート □ 「川の最初の最初」 ダムや森林の働きが分かる。 浄水の方法や働く人々につい て,映像や資料を活用して調べ, 必要な情報を読み取ることができ るようにする。 ※【技能】・・・ノート □ 水量に着目させることで,水が みんなが飲める量の水になるには,どういう 無限ではないことや,必要量の確 仕組みがあるのだろう。 保のために対策が取られているこ とを理解できるようにする。 山の働きや,ダムの仕組みを調べ,水量が増えていく理 ※【知識・理解】…ノート 〈第8時〉 ○ 由を考えることができる。 本時 □ 川の水がおいしく飲める水とし 「水道水のおいしさのひみつは?」 おいしい水になるためのひみつは何だろう。 て水道の蛇口から出るまでには, 水道水のおいしさのひみつは,浄 ○ おいしい水の要因となっているものを考える。 様々な工程を経ていることや,そ 水場の働きだけでなく,そこにかか 『話合いのテーマ』 こには多くの方々が携わっている わる人々の工夫や努力もあること おいしい水を作っているのは○○! ことに気付くことができるように が分かる。 する。 ◆ ポスターを提示し,自分たちのまわりの実践(節水)に 〈第9時〉 ついて問う。 ※【思・判・表】…ノート 「なぜ節水をするの?」 節水の重要性について分かる。 生 か す ⑵ 〈第 10 時〉 □ 「水」が公共のものであること 節水は,何のためにするのだろう。 に気付かせ,節水の必要性につい ○ 「節水」の必要性を考え直すことで,自分たちも「やっ て考えることができるようにす てみよう」という意欲をもたせ,実践する。 る。 ◆ 安心安全な飲み水を飲むために,節水等,すぐにできる ※【思・判・表】…ノート,発言 取り組みからやっていこう。 □ 自分たちの生活を基に水を無駄 「自分たちにできることは?」 自分たちでできる節水には,どんなことがあるだろう。 にしている場面を具体的に考えさ 節水をするために,自分たちに せることで, 「節水」への意識を高 できることを考える。 ○ 自分たちにできる「節水」の取り組みについて,日常生 めるようにする。 〈第 11 時〉 ※【関・意・態】…ノート,発言 活に沿って,具体的に考える。 教材分析及び単元指導計画 第4学年 単元名「水はどこから」 宮崎大学教育学部附属小学校 ○ 教材分析 や 相 互 の 関 連 】 【 社 会 的 事 象 の 特 色 教 諭 長谷場 由久子 (子どもと考えたいこと) 水の確保にかかわる対策や事業は,地域の人々の健 康な生活や良好な生活環境の維持と向上に役立って ○ 節水は何のためにするの か。 いる。 ○ 【 ま と め る と 見 え て く る こ と 】 【 調 べ る こ と 】 及 び 【 社 会 的 事 実 】 おいしくて安心安全な飲み水をいつでも飲めるようにするためには,浄水場の働きがあ る。また,水を確保するためには,山やダムが大きな役割を果たしている。そこには,「お いしくて安心安全な飲み水をいつでも提供したい」という思いをもった多くの人がかかわっ ている。 ○ おいしくて安心安 全な飲み水は,浄水 場から,水道管(給 水管)を通して運ば れてくる。 ○ 浄水場ではおいしくて安 心安全な水にするための仕 組みがある。 ○ おいしくて安心安全な飲 み水作りには,多くの人が かかわっている。 ○ おいしくて安心安全な 飲み水を一定量確保する ために,ダムなどを造って 一時ためる必要がある。 ○ おいしくて安心安全な 飲み水は,川から始まり, その元をたどると山につ ながっている。 おいしくて安心安全な飲 み水が手元に届くまで おいしくて安心安全な飲み 水を作るには おいしくて安心安全な飲み 水を確保するために ○ ○ 浄水場の仕組み ・ 様々な工程を経て,水は 浄化され,安心安全な飲み 水となる。 ○ 学校の中で 学校の水道は水道管 (給水)とつながって いる。 ・ 水道管は,地下につ ながっている→学校の 水道は地下から始ま る。 ・ ○ 学校~浄水場 水道管は,学校から 更に浄水場へとつなが っている。 ・ ○ 働く人たちの様子や努力 ・ 浄水の工程ごとに携わっ ている人々がいる。 ・ おいしくて安心安全な飲 料水を作るために,検査や 工事に携わる方々がいる。 ダムについて ・ 水をためる仕組みがあ る。 ○ 森林の保全について ・ ダムと同じように雨水を ためる役割がある。 ・ 川(宮崎市の水源)の初 めは山から。 おいしい飲み水 【単元を貫く意識】 水道水のおいしさのひみつを探る 宮崎市の水道水のよさをアピールしよう! を,いつでも飲み たい!