f Fーu。rescent Whitening Agents in C。mmerciaー Detergents
by user
Comments
Transcript
f Fーu。rescent Whitening Agents in C。mmerciaー Detergents
洗剤に配合された蛍光増白剤の増臼効果 菅 裕 子 XVhiteness Effect of Fluorescent inCommerciaI VVhitening Agents Detergents YUxoSUGA Cotton fabrics (un-whitened from with FWA)were a viewpoint of the prevention of the fabrics were 1.When washed of environmental by commercial contamination. And detergent solutions the surface reflectance obtained. un-whitened fabrics were washed rose slowly. But it is very lower than repeatedly, the surface reflectance of the fabrics the surface ref】ectance of commercial FVVA- whitened fabrics. 2.The 3.VVhen difference in detergents un-whitened were fabrics were not obtaiりed. washed, the effect of FVVA in detergent is fairly less. 洗剤中に配合された蛍光増白剤は長期使用中 緒 言 の蛍売僧白布の白度保持に効果がある4)が,配 合効果はじゅうぶんではない5)。また,日光にあ 蛍光増白剤は,1920年代未に天然の繊維処理 たることによってたやすく光分解し,その蛍光 剤として発表され,1950年頃我国に輸入された。 を失なうことも特性のひとつである6)。 以来,その白い仕上がりへの嗜好の強さから, 以上のようなことから,実際の家庭における めざましい普及をとげ,今では年間6000 洗たくを想定し,未処理の木綿布を繰り返し洗 t もの 蛍光増白剤が生産され,繊維用,洗剤配合用, 浄した場合の増白効果を調べ,若干の知見を得 紙用,プラスチック用,その他身のまわりのあ たので報告する。 らゆる゛白い。物に使用されている1)。 洗剤配合用の蛍売僧白剤は全生産量の3分の 方 法 1から2分の1を占めており,我国で市販され 試料 ているほとんどすべての洗剤に蛍光増白剤が配 巾 洗剤 合されている2)3)。 1982年7月に大分県別府市で購入した代表的 しかし,1970年頃から日用品に含まれている な合成粉洗剤5種(A∼E),液体洗剤1種(F), 化学物質の安全性や環境保全の問題についての 粉せっけん1種(G)を使用した。このうち,粉 社会的関心が高まってきたことや,未処理の木 せっけんには蛍光増白剤が配合されていない。 綿布が蛍光増白処理をした木綿布とともに消費 それぞれの家庭用品品質表示法に基づく表示の 者に使用されるようになったことなどから,蛍 特徴,および標準使用濃度での最大吸収波長に 光増白剤を含まない洗剤も店頭に並ぶようにな おける吸光度を表1に示す。 ってきた。 29 別府大学短期大学部紀要 第3号(1984) 表1 合成洗剤、粉せっけんの特徴と最大吸収波長での吸光度 種 類 A B E 洗たく用合成洗剤(粉) 口 口□ 名 界面活性剤 (%) 成 D C 25 31 22 0 15 11 リ ン酸塩 (P205として%) 酵 素 F G 洗たく用合 成洗剤(液) 洗たく用 石けん 43 70 0 配 合 - - 分 配 合 蛍 光 剤 中 性 弱 ア ル カ リ 性 液 性 水30fに40y 標準使用料 吸 光 度 一 水30f に25y 水30f に40y 水30f に30 「 弱アル カリ性 水30f に40y λmax(nm) 346 348 347 348 348 348 - λmaxにおけ る−1og T 0.24 0.26 0.25 0.24 0.44 0.42 - (2)布 〔乾燥〕 未処理の木綿布(シーチング)をそのまま使用し 目本の家庭でごく一般的に行なわれている洗 た。この布の持っている独特の風合いが,粉せ 濯の乾燥法を想定し,7∼8月の太陽光の下で っけんや洗剤によって変化するのを見るため 3時間ずつ乾燥した。 に,あえてこの布を選んだ。 分光反射率の測定 洗浄 次の条件で試料布の洗浄を行なった。 キセノン光源による反射率測定装置を付置し 〔洗浄〕 た分光光度計(島津R 綿布 1000 g(9ox9ocmを10枚) C一一330)を用いて測定した。 (MgO白板=1㈱洗浄前の布の反射率曲線,比較 浴比 1:30 のための市販蛍光増白布の反射率曲線を図1に 洗剤濃度 表1に示した標準使用濃度 示す。 温度 40で 時間 10分 結果と考察 水流 強反転(目交二槽式洗濯機) 脱水 1分 市販洗剤7種を用いて未処理の本綿布を10回 まで繰り返し洗浄した場合の極大分光反射率の 〔すすぎ〕 浴比 1 :30(ためすすぎ) 変化を図2,図3,図4に示す。 時間 5分ずつ2回 洗浄を繰り返すことによって,どの洗剤にも 温度 常温 極大分光反射率の上昇が認められる。粉せっけ 水流 強反転 んGで洗浄を繰り返した場合,10回目で79%の 30 ■W゛゛ ̄ ̄ 釦直面吋Bゆ囲Un前函妙丿皿所Co直収,3り%句 (%) ︲ ︲ 極大分光反射率 ︵1NMDM3d︶3 V17)}FljFIM U X でyWシ于ご¨゜'“I'171 −:ジ:ニ ニダ lλmllx プづ tlalnli べ _ユ_..._二二 500 550 600 650 0 IVAVELENGTH IN MILLIMICRON 洗浄回数(回) 図1 蛍光増白布、漂白処理布、未処理の木綿布の 図3 繰り返し洗浄による洗浄布の極大分光反射率 反射率曲線 の変化② (%) 12 11 U11111x ・-./・ / / 之 .一// 仁一、 ,・1,11jlll11】 極大分光反射率 極大分光反射率 洗剤A 洗剤C り111JIX,tllS11m・:・ べ:こ: 洗剤B _././’ jl 0 2 3 4 5 [λ11UIX 1411nl11:I 二..1_._・二 6 7 8 9 10 0 洗浄回数(回) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 洗浄回数(回) 図2 繰り返し洗浄による洗浄布の極大分光反射率 図4 繰り返し洗浄による洗浄布の極大分光反射率 の変化① の変化③ 31 別府大学短期大学部紀要 第3号(1984) 値となっているが,蛍光剤が配合された他の6 3)合成洗剤は粉せっけんにくらべで多少反射 種の洗剤では80∼95%の値である。その差はわ 率が高いものの,未処理の木綿布の洗浄に限っ ずかであり,身のまわりにある蛍光増白布が反 ては,洗剤に蛍光増白剤を配合する効果はほと 射率150%程度(図1)まで蛍光増白されているこ んどない。 とを考えると,洗剤中の蛍光増白剤の効果によ って,私たちの求めている白さ7)が得られると 本研究において、実験に際しご便宜をお計い はとてもいえない。 くださいました江後迪子教授ならびに東洋紡堅 このことは,晒金巾を洗浄した場合に40°C10 田研究所の皆様に深謝いたします。 分の洗浄で120%程度の反射率が得られた8)こ とと考えあわせると,洗浄をし,日光にあてて 文 献 干すことを繰り返したために,洗浄によって布 1)Gold,H.Fluorescent についた蛍光増白剤が日光によって分解してし m回収砺 まったためと考えられる。粉せっけんGとの差が Whitening Agents. £むゐ, 「街皿dS永松,S卯似cmatv必tmcIV (1975) 少ないことから,かなりの蛍光増白剤が分解し 2)厚生省家庭用品安全対策資料(1975) たと考えられる。 3)柴垣建昭和47年度衣料品安全対策会議報告(1972) 次に洗剤による差をみてみると,無リン洗剤 4)Carter,P.MVC Report 2, p54 Fluorescent (A,B,C,F)と有リン洗剤(C,D)による反 Whitening 射率の差があるとはいいがたい。 held at thc Royal lnstitute of Technology, E,Fの洗剤 Agents, Proceeding of a Symposium が標準使用濃度での吸光度が他の洗剤の2倍弱 holm ほどあり,蛍光増白剤の配合量が多いと推測さ 5)ヒ野裕子・林雅子・矢部章彦 洗剤中の蛍光増,」 れるが,反射率は洗剤Aよりも小さくなってい 剤の物質収支に関ずる研究(第5報)家政誌,30, る。このことは配合された蛍光増白剤の性質が 463∼468(1979) Sweden, Apri1 11 (1973) 6)皆川基ほか洗剤中の蛍光増白剤の功罪に関する研 異なるためであろう。 究昭和51,52年度 文部省科研費研究報告(1978) さらに,観点をかえて,家庭で未処理の木綿 7)駒城素子・林雅子・矢部章彦゛旺,に対する嗜好 布の衣料品をその色,風合いをそのまま保つよ 性と選択性についての調査日本家政学会第34回年次 うに洗たくしたい場合,この実験の結果からは 大会要旨集,129(1982) 次のことがいえる。蛍光剤の有無にかかわらず, 8)L野裕子・林雅子・矢部草彦 洗剤中の蛍光増1」 家庭用の洗剤では洗たくすることによってその 削の物質収支に関する研究(第4報)家政誌,29, 素材独特の色を失なってしまい,その持味を維 436∼440(1978) 持することはむつかしい。 要 約 未処理の木綿布を7種の市販洗剤で繰り返し 洗浄し,洗剤に配合された蛍光増白剤の増白効 果を検討した結果,次のことがわかった。 1)洗浄回数を増すにしたがって反射率は高く なるものの,実用の反射率は得られない。これ は蛍光増白剤が日光によって光分解してしまう ためと考えられる。 2)洗剤の種類による増白効果の差はほとんど ない。 −32 Stock-