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04家計の所得と貯蓄消費
2016/5/8 第4回 家計の所得と貯蓄・消費 1 2 1 2016/5/8 北海道拓殖 ITバブル 銀行等破綻 崩壊 リーマン ショック 3 <生産> 国内総生産=経済活動別の国内総生産 <付加価値:分配> 国内総所得=雇用者報酬+営業余剰+固定資本減耗+(間接税-補助金) 全体の所得=雇用者の儲け(賃金)+企業の儲け+内部留保+政府の純収入 <支出> 国内総支出=家計消費+企業設備投資+住宅投資+政府支出+(輸出-輸入) 4 2 2016/5/8 第2次産業 第3次産業 2010年 2005年 サ 小 製 ビ 売 造 2000年 ー ス 業 業 業 1995年 5 国内総生産(支出側)・2015年 2% 民間最終消費 20% 4% 16% 民間投資 公的最終消費 58% 公的投資 純輸出 6 3 2016/5/8 単純化すれば 国内の付加価値=企業の儲け+家計の儲け(賃金) 賃金は“企業の儲け”に依存する。 他方で 家計所得(賃金等)が増加すれば、 それだけ消費が増加し、企業の売上が増加する。 したがって 「企業の儲けが大切」なのか「家計所得が大切」なのか というのは「鶏と卵」のようなもの しかし、「買ってくれる」という人がいないと、 モノは売れない 「消費」が重要といえる。 7 可処分所得=消費+貯蓄 ここで「可処分所得」とは 「所得税や社会保険料」を引いた所得を指す。 「貯蓄」とは「可処分所得のうち消費をしなかったもの」ということ。 一般に通常経済においては「貯蓄率=貯蓄/可処分所得」はあまり変 わらない。 なぜならば「これだけを残して、後を消費しよう」と考える傾向があ るから。 その意味で 可処分所得が増加すると、 消費は増加することになる。 つまり、貯蓄も「率」が同じなので、 可処分所得が増加すれば、増えることになる。 8 4 2016/5/8 具体的にいえば 可処分所得:40万円、貯蓄率:30%(12万円)とすると、 消費は28万円 ここで、 可処分所得が50万円になった場合 貯蓄率(30%:15万円)は変化しないと考えられるので、 消費は35万円 つまり、 可処分所得が増加しても、 そのままストレートに消費が増加するのではないが、 一定の割合が増加すると考えられている。 9 ケインズ型消費関数 C=A+cY なお、C:消費 A:基礎消費 c:限界消費性向 Y:可処分所得 cが「0.7」で一定である場合 可処分所得が10万円増加(40万円⇒50万円)すると、 消費は7万円増加(28万円⇒35万円)ことになる。 したがって、家計消費を増やすためには、 家計部門の可処分所得を増やす政策が有効 例えば、「減税」や「給付」など 10 5 2016/5/8 理論的には貯蓄率は「一定」 しかし、 景気が悪い場合には、 通常経済よりも消費者は「保守的」になる。 つまり、 十分な可処分所得がある世帯では 貯蓄率を高めたいと考える。 一方で、 景気が悪化している状態においては、 そもそもの所得が減少し、 貯蓄率が低下する場合もある。 11 日本の所得分布(厚労省「平成19年 国民生活基礎調査の概況」より) 12 6 2016/5/8 高所得の世帯の場合、 景気が悪い場合、 通常よりも貯蓄率を増加させようとするため、 消費が減少する。 しかし、 このような世帯は全体としては多くない。 60%の「平均所得以下」の世帯の場合、 景気が悪くなると、 所得が減少しているので、 消費自体は「保守的」になっていても、 貯蓄率は低下する。 13 14 7