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平成26年度事業報告書

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平成26年度事業報告書
平成26年度事業報告書
(自平成26年4月1日
Ⅰ
総論
1
一般情勢
至平成27年3月31日)
我が国を取り巻く経済情勢は、米国は緩やかに回復傾向となっている一方、欧州は弱
いながらも回復の兆しがでてきています。中国はかっての勢いがなくなり、インドは堅
調なものの、ブラジル及びロシアなどが減速傾向となっています。
こうした中、26年度における我が国の経済は、前半こそ民間需要の落ち込みなどで
減速したものの、後半からは円安・株高、緊急経済対策、原油価格の下落などを背景に
輸出の回復や設備投資が増加するなど景気は回復してきました。さらに労働需給の引き
締まり、雇用者所得の回復などを背景に個人消費についても緩やかな回復傾向となりま
した。今後についても、民間投資の回復雇用・所得環境の改善などにより、引き続き堅
調な成長が見込まれています。
2
畜産情勢
少子高齢化の進展等を背景に、国内の畜産物の需要は総じて減少傾向となっています。
牛肉については国内消費量、生産量及び輸入量ともに減少しました。ただ、卸売価格
は24年度以降上昇傾向が続いており、26年度においても8%程度の上昇が続いてい
ます。肉用牛の飼養農家戸数は従来から漸減傾向で推移しておりましたが、農家の大規
模化がこれを補うかたちで飼養頭数はほぼ横ばいで推移しておりました。しかしながら、
ここ数年は飼養頭数も減少傾向となり、回復の兆しが見られません。特に繁殖用雌牛の
減少が、肉専用種のみならず酪農家の減少に伴う乳用牛由来の肉用素牛の供給も減少し
ており、国内肉用牛生産の基盤が脆弱化していることが心配されます。
豚肉については、国内消費量はほぼ横ばいでしたが、生産量はPEDの影響などから
近年にない減少となりました。これをカバーすべく輸入量が大幅に増加しました。
飼養戸数は引き続き減少傾向となっています。一方で飼養頭数は大規模化の進展により
わずかな減少が続いております。
我が国でBSEが発生して以来、牛肉骨粉等について厳格な管理措置が講ぜられ、牛
由来の肉骨粉等適正処分について、当協会が実施主体となり引き続き補助事業等による
適正管理を行っているところです。こうした措置が功を奏し、25年には国際獣疫事務
局(OIE)において、我が国は「無視できるBSEリスク」の国に認定されるなど、
清浄化が進んでおります。こうしたことを背景に、我が国のBSE対策の規制緩和のた
めの見直しが肥料用、飼料用で進められました。
TPPは引き続き交渉継続中ですが、26年4月に入って急遽豪州との経済連携協定
が合意され、27年1月から牛肉に留まらず、牛、豚の内臓などについても、関税割当
制度が始まりました。
家畜疾病関係では、豚のPEDが出荷頭数の大幅な減少となって当業界にも大きな影
響が出ました。また、平成26年4月に熊本県の肉用鶏農場において高病原性鳥インフ
ルエンザの発生が確認されたのをはじめ、年度後半には宮崎、山口、岡山及び佐賀県に
おいて発生が確認されましたが、幸にしていずれも迅速な防疫措置が講じられた結果、
速やかに収束しました。
3
畜産副産物をとりまく情勢
(1)レンダリング
平成13年に我が国でBSE発生が確認され、その感染原因が感染牛由来の肉骨粉で
あることが明らかになり、牛肉骨粉等について厳格な管理措置が講ぜられ、肉骨粉等の
製造・焼却処分等については当協会が実施主体となり、会員各位の参加を得て、補助事
業等による適正管理を引き続き行っているところです。
こうしたなかで、健康牛由来肉骨粉等について、肥料、飼料用の規制緩和が進みまし
た。平成26年1月に健康牛由来肉骨粉が解禁になっていたのに続き、26年10月に
は肉かす、膠かす及び蒸製骨粉等について一定の管理措置を講じた上で利用可能となり
ました。さらに、飼料用として養魚用飼料等への解禁に向けた見直しが進められ、27
年度から利用再開となりました。同じく27年4月から、死亡牛の検査対象月齢が、従
来の24か月齢以上から48か月齢以上に変更になりました。
(2)原皮業
豚原皮の平成26年の輸出は、数量ベースで対前年比96.0%とやや減少しました。
金額ベースでも約116億円(対前年比95.68%)とやや減少しました。この結
果、農林水産物の品目別輸出順位で、金額ベースで10位に後退したものの、引き続き
畜産物でトップの地位を維持しました。輸出先としては、タイ、台湾、香港、韓国、ベ
トナムの順になりました。タイ向けが前年同様大幅に伸びて数量、金額ともに全体の5
割を上回りました。香港は4年連続して輸出量が減少し、逆にここ数年大幅に増加して
きた台湾に抜かれて3位となりました。
牛原皮の輸出については、26年は数量ベースで前年に比べ約27%減少し、金額ベ
ースでは約14%の減少となりました。輸出先としては、タイ、韓国が多く、数量では
タイが1位、金額ベースでは韓国がトップとなりました。香港がこれらに次いで第3位、
台湾、ベトナムが4位、5位となっています。
輸出の最大の障害となる国内での家畜伝染性疾病の大きな発生がなく、また、円安傾
向が続いていることなど、輸出環境としては比較的良好な状況が続いていますが、今後
の家畜の出荷頭数の動向が懸念されるところです。
(3)副生物業
外食産業とりわけ焼き肉関連業界が活況をとりもどし副生物もおおむね好調に推移
しました。ただ、平成24年7月以降、牛レバー生食が禁止され、牛肝臓の大幅な価格
低落が続いています。このため、大阪南港臓器(株)が全国食肉事業協同組合連合会をは
じめとする関係団体と一体となって、牛肝臓の洗浄・殺菌方法の開発を進めるとともに、
厚生労働省においても放射線照射による殺菌方法及び効果判定手法の開発、並びに安全
性に関する研究が進められているところです。
食品の表示基準の統一、新たな機能性食品表示に向けた検討が進められ、いずれも2
7年度から施行となりました。
26年4月に合意された日豪経済連携協定が27年1月に発効しました。これに伴う
豪州産内臓等の関税引き下げの今後の国内への影響について、慎重に見極めていくこと
が重要です。
Ⅱ
各論
1
事業の実施状況
(1)独立行政法人 農畜産業振興機構助成事業
ア 肉骨粉適正処分対策事業
反すう動物由来の畜産残さのレンダリング処理とこれにより製造された肉
骨粉等の焼却処分を適正に実施した。
平成26年度は、補助対象製造数量86,365トン(対前年度比92.1%)
同焼却数量88,244トン(対前年度比91.9%)となった。
(ア)肉骨粉等の適正処分経費の助成実績額
・製造経費
3,058,905千円
(対前年度比 92.0%)
・焼却に要する経費 2,297,454千円
(対前年度比 91.7%)
計
5,356,359千円
(対前年度比 91.9%)
(イ)肉骨粉等適正処分協議会等の開催
・第1回肉骨粉等適正処分協議会
開催日
平成26年4月10日
場所
農林水産省消費・安全局
議題
ア 牛肉骨粉等の肥料利用再開に伴う肉骨粉適正処分対策事業
上の取扱いについて
第4会議室
・第2回肉骨粉等適正処分協議会
開催日
平成26年7月15日
場所
当協会 会議室
議題
ア
PED で死亡した子豚の肉骨粉適正処分対策事業上の取扱いに
ついて
イ
事業実施要領の一部改正について
イ 畜産副産物需給安定推進事業
副産物の需給の安定等を図るため、次の事業を行った。
(ア)畜産副産物需給安定推進
a
経営安定化推進
(a)セミナーの開催
・レンダリングセミナー
開催日
平成26年10月27日、28日
場所
岩手県盛岡市
参加人員
30名
現地研修
グリーンパワーくずまき風力発電所
木質バイオマス化発電設備
畜ふんバイオマスシステム施設
セミナー
「地域から進める、環境と経済の好循環」
岩手大学 准教授 笹尾 俊明 氏
・副生物セミナー
開催日
平成27年2月16日、17日
場所
千葉県旭市
参加人員
39名
現地研修
㈱千葉県食肉公社
セミナー
「焼肉の本来のおいしさとは」
事業協同組合全国焼肉協会
会長 新井 泰道 氏
・原皮セミナー
開催日
平成27年3月19日、20日
場所
新潟県新潟市
参加人員
43名
現地研修
しばたパッカーズ㈱
公益財団法人新潟ミートプラント
セミナー
「国際フードシステムの視点から日本(新潟)の畜産業を展望
する」
新潟大学 教授 木南 莉莉 氏
b
需給安定化推進
(a)需給状況等調査(価格等調査)
畜産副生物、原皮及びレンダリングそれぞれの仕入価格及び販売価格等に
ついて調査を実施した。
(b)副生物小売価格等調査
畜産副生物の小売価格について調査し、協会HPで公表した。
(c)イベントへの参加
平成26年8月30日~31日に開催された「絶品!超満腹帝国 VOL16(大
阪会場)」に出展し、ホルモン焼きの試食、副生物に関するパネルの展示・
PR冊子等の配布を行った。
(d)ポケットティッシュの作成
「ホルモン番付・ホルモン記念日」ティッシュを作成し、部位名称及びも
つ焼の日(7月13日)及びもつ鍋の日(11月7日)の記念日の普及・啓
蒙を図った。
(e)ポスターの作成
「もつ焼、もつ鍋」ポスターを作成し、もつ焼の日(7月13日)及びも
つ鍋の日(11月7日)の記念日の普及・啓蒙を図った。
(f)検討会の開催
①
副生物需給検討部会
・第1回副生物需給検討部会
開催日
平成26年7月28日
場所
当協会 会議室
議題
ア 平成26年度事業について
・第2回副生物需給検討部会
開催日
平成27年3月5日
場所
当協会
会議室
議題
ア 平成26年度事業について
イ 部会長、副部会長の改選と理事候補の選出について
ウ 平成27年度事業について
エ 機能性表示食品制度について
オ 「お肉の表示ハンドブック」の改訂について
カ 「副生物の知識」の改訂について
②
原皮需給検討部会
・第1回原皮需給検討部会
開催日
平成26年7月10日
場所
当協会 会議室
議題
ア 要望書(豚肉の湯はぎ方式導入反対)の提出について
イ 平成26年度事業について
・第2回原皮需給検討部会
開催日
平成26年10月30日
場所
東京芝浦原皮協同組合 会議室
議題
ア 原皮部会セミナーの開催について
イ 要望書提出時の署名について
ウ 年末の原皮需給について
エ 部会委員の改選について
③
レンダリング需給検討部会
・第1回レンダリング需給検討部会
開催日
平成26年4月21日
場所
(独)農畜産業振興機構
議題
ア 部会の運営について
北館6階大会議室
・第2回レンダリング需給検討部会
開催日
平成26年7月15日
場所
当協会 会議室
議題
ア TPPへの対応について
イ 部会の運営について
ウ 平成26年度事業について
・第3回レンダリング需給検討部会
開催日
平成26年8月19日
場所
農林水産省
議題
ア 飼料の安全性(BSE 関連)についての協議
共用第5会議室
イ
牛の肉かす等の肥料利用について
ウ
肉骨粉事業申請書類の記入例説明会の開催について
・第4回レンダリング需給検討部会
開催日
平成26年10月21日
場所
当協会 会議室
議題
ア 牛肉骨粉等の養魚用飼料解禁に向けた審議状況と今後の
対応について
イ
牛肉骨粉等の肥料利用解禁と今後の対応について
ウ
TPP交渉の進捗状況と協会の対応について
エ
来期の部会、協会幹部の選出について
・第5回レンダリング需給検討部会
開催日
平成27年3月6日
場所
新橋愛宕山東急イン 会議室
議題
ア
養魚用飼料の製造事業者向けのマニュアル等について
イ
平成26年度事業について
ウ
部会長、副部会長の改選と理事候補、監事の選出について
エ
平成27年度事業について
ウ 牛せき柱適正管理等推進事業
牛せき柱を適正に管理し、記録した食肉事業者に「牛せき柱適正管理促進費(1
50円/頭)」を助成した。
さらに、畜産残さを有効利用するため、牛と豚の分別を実施した食肉事業者に
は「有効利用促進費(豚分別300円/頭)」を、牛以外の畜種を処理しなかっ
た食肉事業者には「有効利用促進費(牛専門150円/頭)をそれぞれ交付した。
(2)(公社)日本食肉協議会助成事業
食肉情報等普及・啓発事業
(a)
イベントへの参加
平成26年10月11日~12日に開催された「第33回ちくさんフード
フェア」及び同26年10月31日~11月1日に開催された「第53回農
林水産祭 実りのフェスティバル」並びに同26年11月1日~2日に開催
された「JAPAN
FOOD FESTA2014」に出展し、モツ煮込
みやホルモン焼きの試食を行うとともに、副生物パネルの展示・PR冊子等
の配布を行い副生物の正しい知識の普及・啓発を図った。
(b)
雑誌への情報広告の掲載
「レタスクラブ(2015年3月号)」及び「週刊現代(2015年3月
28日号)」に雑誌広告を掲載し、一般消費者に対して、副生物についての
知識の普及・啓蒙を図った。
(c)
ホームページの作成
既存のホームページに、消費者への啓発情報を増設した。過去に作成した
成果物(知識普及ポスターやレシピ集、雑誌記事等)をデータ化し、情報の
入手方法がインターネットとなっている消費者に向け、知識の普及啓発情報
を充実した。
(3)全国中小企業団体中央会助成事業
中小企業活路開拓調査・実現化事業(連合会(全国組合)等研修事業)
平成26年11月10日~11日に大森東急イン、東京食肉市場㈱において、
「HACCP による経営改善セミナー」を開催し、さまざまなテーマを研修した。
併せて、この機会を通じて会員間の人的交流も深めた。
(4)協会独自事業
ア 生産物賠償責任共済制度の推進等
PL法に対応し、会員製造業者の賠償責任による支払体制を充実するため、農
林弘済サービス(株)及び日本興亜損保保険(株)と提携し、PL保険への加入
を推進した。
また、(一財)畜産環境整備機構が実施する食肉リース事業の会員に対する利用
を斡旋した。
イ
その他
(公社)日本食肉協議会、全国食肉公正取引協議会、全国食肉事業協同組合連
合会等が主催する各種委員会等に委員等を派遣した。
2
会議の開催
(1)総会
第16回定時総会
開催日
平成26年6月12日
場所
アジュール竹芝「天平」
議題
①平成25年度事業報告について(報告事項)
②平成25年度公益目的支出計画実施報告について(報告事項)
③平成26年度事業計画及び収支予算について(報告事項)
④平成25年度決算報告の承認に関する件
⑤平成26年度会費の賦課並びに徴収方法に関する件
⑥理事の補欠選任に関する件
(2)理事会
第1回理事会
開催日
平成26年5月29日
場所
新橋愛宕山東急イン 会議室
議題
①第16回定時総会議案について
②会員の入・脱会について
第2回理事会
開催日
平成26年9月11日
場所
新橋愛宕山東急イン 会議室
議題
①会長及び専務理事の職務執行状況報告
②会員の脱会について
第3回理事会
開催日
平成26年12月3日
場所
新橋愛宕山東急イン
議題
①任期満了に伴う役員改選について
会議室
②常勤役員選任に係る透明性の確保に向けた対応について
③協会の顧問の選任について
④会長及び専務理事の職務執行状況報告
第4回理事会
開催日
平成27年3月6日
場所
新橋愛宕山東急イン
議題
①任期満了に伴う役員改選について
会議室
②協会の顧問の就任について
③平成27年度事業計画及び収支予算について
④会長及び専務理事の職務執行状況報告
(3)監事監査
開催日
平成26年5月26日
場所
当協会
内容
平成25年度事業報告並びに決算報告に関する監査
会議室
3
会員の異動
自:平成26年4月 1日
至:平成27年3月31日
期 中 異 動
期首
加入
期末
脱退
㈱スエヒロ食品
協同食品㈱
㈲壽屋
サンフィード工業㈱
㈱高清物産
サンベースフード㈱
サンテグレ㈱
協同組合金沢ミートプロダクツ
協同組合サン畜産副産物研究会
東北油化㈱
※破産
東北化製事業協同組合 ※破産
201者
+4者
-7者
198者
4
役員名簿
役職
会
(平成27年3月31日現在)
氏名
常・非常勤
所属
長
本山
逸郎
非常勤
三共理化工業㈱
副 会 長
山口
葵
非常勤
大阪南港臓器㈱
副 会 長
上田
忠典
非常勤
㈱前田良商店
副 会 長
末田
金次
非常勤
福岡レンダリング協同組合
専務理事
野田
富雄
常
理
事
田島
実
非常勤
㈱田島商店
理
事
秋山
茂
非常勤
ビセラル㈱
理
事
坂井
由春
非常勤
京都食肉市場㈱
理
事
宮本
宗武
非常勤
日東皮革㈱
理
事
林
英彦
非常勤
㈱大津屋
理
事
垣内
利彦
非常勤
旭畜産商事㈱
理
事
德田
昌彦
非常勤
東京レンダリング協同組合
理
事
萩野
一郎
非常勤
北海道道南畜産事業協同組合
理
事
岩永
輝明
非常勤
岐阜製油協業組合
監
事
樋口
敏郎
非常勤
東京芝浦臓器㈱
監
事
高橋征八郎
非常勤
㈱タカハシ
勤
備考
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