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2000/2001年シーズンの三重県における乳幼児に対する インフルエンザ

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2000/2001年シーズンの三重県における乳幼児に対する インフルエンザ
三重保環研年報
第4号
(通巻第 47 号),86-93 頁(2002)
ノート
2000/2001年シーズンの三重県における乳幼児に対する
インフルエンザHAワクチンの有効性と安全性
大熊和行,寺本佳宏,福田美和,高橋裕明
矢野拓弥,杉山明,中山治,神谷齊 1)
Efficacy and Safety of Influenza Vaccine for Infants
in Mie Prefecture in 2000/2001 Prevalent Season
Kazuyuki OHKUMA, Yoshihiro TERAMOTO, Miwa FUKUTA, Hiroaki TAKAHASHI,
Takuya YANO, Akira SUGIYAMA, Osamu NAKAYAMA and Hitoshi KAMIYA1)
2000/2001 年シーズンの三重県における乳幼児に対するインフルエンザ HA ワクチンの有効性と
安全性に関する調査研究を行った.調査対象は,三重県内 6 か所の小児科医療機関を受診した 6
歳未満の乳幼児とし,保護者に調査の概要,意義等を説明し同意を得たうえでワクチン接種群,
非接種群を設定し,基本属性,基礎疾患の有無,調査開始後 1 週間毎のかぜ症状の有無等を調査
した.また,接種群については,ワクチン接種後 48 時間以内の副反応調査を行うとともに,採血
に同意が得られた乳幼児を対象として,ワクチン接種前,1 回接種後,2 回接種後の計 3 回採血し,HI
抗体価を測定した.これらの調査結果をもとに,ワクチン接種群 162 人,非接種群 102 人を対象
としてインフルエンザの罹患・発病状況を 38 ℃以上又は 39 ℃以上の発熱を指標として解析を行
った.解析にあたっては,インフルエンザの流行状況に沿って解析対象期間の絞り込みを行うと
ともに,ワクチン接種群から 1999/2000 年シーズンにワクチン接種歴又はインフルエンザ罹患歴
のあった者を除外した.その結果,38 ℃以上の発熱に関する非接種群に対する接種群の相対危険
は 0.66 と, 1999/2000 年シーズンの三重県における乳幼児を対象とした 相対危険( RR=0.62,
P=0.006)1)に近い結果が得られ,統計学的に有意ではなかった(P=0.083)もののワクチンの有効
性が期待できる傾向が認められた.なお,1999/2000 年シーズンの解析対象期間(2000 年第 2 週
∼第 7 週)と本研究での解析対象期間(2001 年第 5 週∼第 13 週)における週・定点あたり平均
患者報告数を三重県感染症発生動向調査結果
2 − 3)
から算出して比較すると,それぞれ 35.5 人,8.8
人とインフルエンザの流行規模が 1/4 と小さく,これが解析結果に影響したものと考えられた.
キーワード:インフルエンザ,乳幼児,ワクチン効果,HI 抗体価,副反応
はじめに
題化したため,2001 年 11 月に予防接種法が改正され,
我が国では,インフルエンザの流行は学童集団での
65 歳以上の高齢者を対象とした任意接種が法制化さ
感染が引き金となり地域住民に拡大するという考え方
れた.一方,近年,乳幼児のインフルエンザ脳炎・脳
に基づき,1962 年にワクチンの勧奨接種が開始され,
症が注目されるようになり,ワクチン接種率が次第に
1976 年からは予防接種法に基づき実施されてきたが,
上昇してきている
ワクチンの有効性が疑問視されるようになり,1994
児に対するワクチン効果に関する研究報告はほとんど
年の予防接種法改正により法定外の任意接種とされた
見あたらない状況にある .
5 − 8)
.しかしながら,我が国の乳幼
9)
.しかしながら,その後,インフルエンザによる高
そこで,著者らは,1999/2000 年シーズンの三重県
齢者の死亡や集団入所施設における感染事例が社会問
における乳幼児に対するインフルエンザ HA ワクチン
4)
1)国立療養所三重病院
の有効性等に関する調査研究
に続き,2000/2001 年
た乳幼児について,原則として,第 1 回ワクチン接種
シーズンにおいても同様に調査研究を行ったので報告
前,第 2 回ワクチン接種前(1 回接種後),第 2 回ワ
する.
クチン接種 4 週間後(2 回接種後)の 3 回の採血を行
方
1)
い,HI 抗体価の測定を行った.抗体価測定は,WHO
法
方式の 10 倍からの段階希釈を行った血清にデンカ生
1.調査対象
三重県内 6 か所の小児科医療機関を調査対象施設と
し,原則として 6 歳未満のワクチン接種希望者を接種
群に登録,接種者 1 人毎に以降の連続した受診患児の
研の 2000 年度ワクチン株の 16HA 単位を抗原として
HI 試験を行った.
5.インフォームド・コンセント
調査協力者には,調査を実施した医師が本調査の概
うち調査に同意が得られた 1 ∼ 2 人を非接種群に登録
した.
要,意義等を説明し同意を得た.医師の説明後,保護
2.ワクチン接種
者がワクチン接種を希望した者を接種群,調査への参
インフルエンザ HA ワクチン(A/ニューカレドニ
加のみを同意した者を非接種群として登録した.
ア /20/99(H1N1); A /パ ナ マ /2007/99(H3N2); B /山 梨
/166/98,抗原含有量は 1mL 当たり各株 HA 蛋白 30µg)
を 1 歳未満 0.1mL, 1 歳以上 6 歳未満 0.2mL を 4 週間
結
果
1.ワクチンの有効性
間隔で 2 回接種した.
三重県内 6 か所の医療機関での調査協力者は合計
3.調査情報
353 人(ワクチン接種群 197 人,非接種群 156 人)で
調査対象者の属性については,保護者記入用調査票
あったが,解析対象者は,そのうちからワクチン接種
から,性,出生時期,出生時体重,通園状況,兄弟数
量が異なる 0 歳児及び 6 歳児以上,登録時期又は第 2
等に関する情報を得た.また,医療機関記入用調査票
回ワクチン接種時期が 2001 年 1 月 1 日以降の者,ス
から,基礎疾患(心疾患,気管支喘息,アトピー等),
テロイド又はアスピリンの長期投与者,並びに 2001
1999/2000 年シーズンのワクチン接種,インフルエン
年第 1 週から第 13 週のかぜ症状調査に欠測のある者
ザ様疾患の罹患の有無等に関する情報を得た.ワクチ
を除く調査協力者 264 人(接種群 162 人,非接種群 102
ンの副反応は,接種後 48 時間以内の発熱,発疹,発
人)とした.なお,接種群 162 人のうち 117 人(72.2
赤,腫れ,硬結,痛みについて保護者からの返信用は
%)が 1999/2000 年シーズンにワクチン接種歴又はイ
がきにより情報を得た.罹患・発病状況については,
ンフルエンザ罹患歴のある(以下まとめて「前年接種」
2000 年 12 月 17 日(第 51 週)から 2001 年 3 月 31 日
という.)者であった(表 1).
(第 13 週)まで,毎週,保護者からの返信用はがき
ワクチン接種群,非接種群別の基本属性は,接種群
により 1 週間のかぜ症状(発熱,鼻汁,咽頭痛,咳)
の男児の割合と通園者の割合がやや高く,非接種群で
を調査した.
低年齢,低体重への偏りがややみられたほかは大きな
4.ワクチンに対する抗体応答
違いはみられなかった.また,基礎疾患として腎疾患,
ワクチン接種群のうち採血に保護者の同意が得られ
糖尿病,貧血を有する対象者はいなかった(表 2).
表 1.調 査 対 象 者 内 訳
医 療 機関
非 接 種群
接 種群
前 年接 種
前年 非接 種
前 年接 種
非接 種 群計
2 8 (5 0.9)
2 7 (4 9.1)
合 計 1 4 (2 5.5)
1 4 (2 5.5)
医 療機 関 B
2 9 (5 0.9)
9 (1 5.8)
-
1 9 (3 3.3)
3 8 (6 6.7)
1 9 (3 3.3)
5 7 (1 00)
医 療 機関 C
2 4 (4 5.3)
7 (1 3.2)
1 (1.9)
2 1 (3 9.6)
3 1 (5 8.5)
2 2 (4 1.5)
5 3 (1 00)
医 療 機関 D
1 8 (5 2.9)
7 (2 0.6)
-
9 (2 6.5)
2 5 (7 3.5)
9 (2 6.5)
3 4 (1 00)
医 療機 関 E
1 6 (4 3.2)
6 (1 6.2)
3 (8.1)
1 2 (3 2.4)
2 2 (5 9.5)
1 5 (4 0.5)
3 7 (1 00)
-
1 0 (3 5.7)
1 8 (6 4.3)
1 0 (3 5.7)
2 8 (1 00)
5 (1.9)
9 7 (3 6.7)
16 2 (6 1.4)
10 2 (3 8.6)
26 4 (1 00)
1 6 (5 7.1)
2 (7.1)
合 計
11 7 (4 4.3)
4 5 (1 7.0)
* 前 年 接 種 群 に は 前 年 罹 患 者 を含 む .
( )内 :%
2 6 (4 7.3)
接 種 群計
医療 機 関A
医 療機 関 F
1 (1.8)
前年 非接 種
5 5 (1 00)
表 2.ワ クチ ン接 種 群 と非 接 種 群 の 基 本 属 性
基 本属 性 項目 カテゴリー
合 計
①性
男
女
② 年齢
1歳
2歳
3歳
4歳
5歳
③ 体重
∼ 11kg
1 1∼ 13kg
1 3∼ 15kg
1 5∼ 17kg
1 7∼ 19kg
1 9kg ∼
④出 生 時期
予 定 日 の 1ヶ 月 前
2週 間 前
前 後 2週 間 以 内
不明
⑤ 出 生 時 体 重 ∼ 20 00g
2000 ∼ 2500g
2500 ∼ 3000g
3000 ∼ 3500g
3500 ∼ 4000g
4000 g ∼
⑥ 通園
通 って いる
通ってい ない
⑦ 兄弟
なし
1人
2人 ∼
不明
⑧基 礎 疾患 ※
心疾 患
気管 支喘 息
扁 桃腺 炎
蕁麻 疹
ア トピ ー
その 他
接 種群
前 年接 種
11 7
65
52
15
25
31
23
23
8
24
25
30
17
13
5
14
97
1
2
11
38
50
16
69
48
9
69
39
9
5
2
10
4
(10 0)
(5 5.6)
(4 4.4)
(1 2.8)
(2 1.4)
(2 6.5)
(1 9.7)
(1 9.7)
(6.8)
(2 0.5)
(2 1.4)
(2 5.6)
(1 4.5)
(1 1.1)
(4.3)
(1 2.0)
(8 2.9)
(0.9)
(1.7)
(9.4)
(3 2.5)
(4 2.7)
(1 3.7)
(5 9.0)
(4 1.0)
(7.7)
(5 9.0)
(3 3.3)
(7.7)
(4.3)
(1.7)
(8.5)
(3.4)
非 接 種群
前年 非接 種
45
29
16
19
4
8
8
6
10
8
10
9
5
3
5
40
3
15
22
5
19
26
8
29
7
1
7
3
3
-
(10 0)
(6 4.4)
(3 5.6)
(4 2.2)
(8.9)
(1 7.8)
(1 7.8)
(1 3.3)
(2 2.2)
(1 7.8)
(2 2.2)
(2 0.0)
(1 1.1)
(6.7)
(1 1.1)
(8 8.9)
(6.7)
(3 3.3)
(4 8.9)
(1 1.1)
(4 2.2)
(5 7.8)
(1 7.8)
(6 4.4)
(1 5.6)
(2.2)
(1 5.6)
(6.7)
(6.7)
前 年接 種
5
1
4
1
1
3
1
1
2
1
1
4
1
1
2
1
3
2
5
3
1
1
(10 0)
(2 0.0)
(8 0.0)
(2 0.0)
(2 0.0)
(6 0.0)
(2 0.0)
(2 0.0)
(4 0.0)
(2 0.0)
(2 0.0)
(8 0.0)
(2 0.0)
(2 0.0)
(4 0.0)
(2 0.0)
(6 0.0)
(4 0.0)
(10 0)
(6 0.0)
(2 0.0)
(2 0.0)
前年 非接 種
97
41
56
37
17
18
14
11
22
20
22
16
8
9
6
10
81
2
8
26
47
12
2
32
65
12
61
24
1
12
1
4
11
-
(10 0)
(4 2.3)
(5 7.7)
(3 8.1)
(1 7.5)
(1 8.6)
(1 4.4)
(1 1.3)
(2 2.7)
(2 0.6)
(2 2.7)
(1 6.5)
(8.2)
(9.3)
(6.2)
(1 0.3)
(8 3.5)
(2.1)
(8.2)
(2 6.8)
(4 8.5)
(1 2.4)
(2.1)
(3 3.0)
(6 7.0)
(1 2.4)
(6 2.9)
(2 4.7)
(1.0)
(1 2.4)
(1.0)
(4.1)
(1 1.3)
接 種群
非 接 種群
16 2
94
68
34
29
39
31
29
18
32
35
39
22
16
5
19
13 7
1
2
14
53
72
21
88
74
17
98
46
1
16
5
5
13
4
10 2
42
60
38
17
19
17
11
23
21
24
17
8
9
6
11
85
2
9
27
49
12
3
35
67
12
66
24
1
15
1
4
12
1
(10 0)
(5 8.0)
(4 2.0)
(2 1.0)
(1 7.9)
(2 4.1)
(1 9.1)
(1 7.9)
(1 1.1)
(1 9.8)
(2 1.6)
(2 4.1)
(1 3.6)
(9.9)
(3.1)
(1 1.7)
(8 4.6)
(0.6)
(1.2)
(8.6)
(3 2.7)
(4 4.4)
(1 3.0)
(5 4.3)
(4 5.7)
(1 0.5)
(6 0.5)
(2 8.4)
(0.6)
(9.9)
(3.1)
(3.1)
(8.0)
(2.5)
合 計
(10 0)
(4 1.2)
(5 8.8)
(3 7.3)
(1 6.7)
(1 8.6)
(1 6.7)
(1 0.8)
(2 2.5)
(2 0.6)
(2 3.5)
(1 6.7)
(7.8)
(8.8)
(5.9)
(1 0.8)
(8 3.3)
26 4
13 6
12 8
72
46
58
48
40
41
53
59
56
30
25
11
30
22 2
1
4
23
80
12 1
33
3
12 3
14 1
29
16 4
70
1
1
31
6
9
25
5
(2.0)
(8.8)
(2 6.5)
(4 8.0)
(1 1.8)
(2.9)
(3 4.3)
(6 5.7)
(1 1.8)
(6 4.7)
(2 3.5)
(1.0)
(1 4.7)
(1.0)
(3.9)
(1 1.8)
(1.0)
(10 0)
(5 1.5)
(4 8.5)
(2 7.3)
(1 7.4)
(2 2.0)
(1 8.2)
(1 5.2)
(1 5.5)
(2 0.1)
(2 2.3)
(2 1.2)
(1 1.4)
(9.5)
(4.2)
(1 1.4)
(8 4.1)
(0.4)
(1.5)
(8.7)
(3 0.3)
(4 5.8)
(1 2.5)
(1.1)
(4 6.6)
(5 3.4)
(1 1.0)
(6 2.1)
(2 6.5)
(0.4)
(0.4)
(1 1.7)
(2.3)
(3.4)
(9.5)
(1.9)
※ ⑧ 基 礎 疾 患 と して 腎 疾 患 , 糖 尿 病 ,貧 血 を 持 つ 対 象 者 な し .
( )内 :%
一方,ワクチンの有効性を解析評価するためには,
の規模であった.また,解析対象者のうちワクチン非
インフルエンザウイルスによる罹患・発病状況を把握
接種者における 38 ℃以上又は 39 ℃以上の発熱者の週
する必要があるが,現時点ではインフルエンザウイル
別発生数をみると,いずれも第 6 週と第 12 週に小さ
ス感染症を特定することが困難なため,解析対象期間
なピークがみられたが,明瞭な発生傾向は認められな
をインフルエンザの最流行期に一致させることが必須
かった(図 1).本研究においても,既報 と同様に 38
10 −
11)
1)
.そこで,2000/2001 年シーズンにおけ
℃以上又は 39 ℃以上の発熱を指標として解析を行っ
る三重県感染症発生動向調査による週別定点あたり患
た.解析対象期間を 2001 年第 1 週から第 13 週とした
者報告数
をみると,2000 年第 51 週から 2001 年第 4
場合,非接種群の発熱割合に対する接種群の発熱割合
週までは 1 人未満と少なく,第 5 週に入って 1.5 人と
の比(相対危険:RR)は,38 ℃以上の発熱でみると 0.88
僅かに増加傾向を示し,第 12 週で最大 15.8 人に達し
(P=0.308),39 ℃以上の発熱でみると 1.02( p=1.000)
たが,第 13 週には減少に転じた.2000/2001 年シーズ
であった.また,接種群,非接種群ともに前年接種者
ンの流行状況を解析対象期間(2000 年第 51 週∼ 2001
(それぞれ 117 人,5 人)を除き解析したところ,相
年第 13 週)の週・定点あたり平均患者報告数でみる
対危険は 38 ℃以上の発熱で 0.85(P=0.421),39 ℃以
と 5.4 人と 1999/2000 年シーズン(16.1 人)の約 1/3
上の発熱で 0.86( p=0.804)と小さくなる傾向が認め
となる
3)
られた.さらに,非インフルエンザによる発熱者を除
1, 10 − 11)
出生時体重,通園,兄弟の有無,基礎疾患のうち比較
,解析対象期間を 2001 年第 5
的多数の保有者が認められた気管支喘息とアトピーの
週から第 13 週に絞り込んだ場合,前年接種者を含む
有無,前年ワクチン接種歴の有無,前年インフルエン
相対危険は 38 ℃以上の発熱で 0.78( P=0.111),39 ℃
ザ罹患歴の有無を説明変数として,多重ロジスティッ
以上の発熱で 0.79(p=0.409),前年接種者を含まない
クモデルによる解析を行った.その結果,発熱の確率
相対危険は 38 ℃以上の発熱で 0.66( P=0.083),39 ℃
を 小 さ く す る 要 因 は 「 ワ ク チ ン 接 種 (オ ッ ズ 比
以上の発熱で 0.56( p=0.229)と,相対危険,有意確
OR=0.59, p=0.143)」,大きくする要因は「通園してい
率ともに改善され,統計学的に有意ではないもののワ
る(OR=1.75, p=0.075)」 等の結果が得られたがいずれ
クチンの有効性が期待できる傾向が認められた(表
も有意にはならなかった(表 4).発熱以外の臨床症
3).
状発現(鼻汁,咽頭痛,咳)についても非接種群に対
外する目的で
また,発熱に関連する要因を解明するため,2001
する接種群の相対危険を解析したが,有意な結果は得
年第 5 週∼第 13 週における 38 ℃以上の発熱の有無を
られなかった(表 5).
目的変数,ワクチン接種,性,年齢,体重,出生時期,
30
60
発 熱 38℃ 以 上 ( 左 軸 )
25
50
発 熱 39℃ 以 上 ( 左 軸 )
三 重 県 00/ 01患 者 報 告 数 (右 軸 )
︵
発
熱
者
数
20
40
三 重 県 99/ 00患 者 報 告 数 (右 軸 )
30
10
20
︶
︵
15
人
定
点
当
た
り
患
者
報
告
数
5
10
0
︶
人
0
51 52
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10 11 12 13
週
図 1 .ワ クチ ン 非 接 種 群 週 別 発 熱 者 数 と三 重 県 感 染 症 発 生 動 向 調 査 週 別
定点当 たり患 者報 告 数
表 3 . ワ ク チ ン 接 種 群 の 非 接 種 群 に 対 す る 発 熱 に関 す る 相 対 危 険 (R R )
発 熱の 有 無の
解 析対 象 期間
38 ℃ 以上 の 発熱
ワ クチン
1 . 20 01 年1 ∼1 3週 接 種群
非 接 種群
発熱
対 象者
/
者数
数
RR
82
/
16 2
0.8 8
59
/
10 2
1
(9 5% C I)
39 ℃ 以上 の 発熱
p値※
(0 .69 - 1 .1 0) 0 .30 8
発熱 対 象者
/
者数
数
RR
42 /
16 2
1.0 2
26 /
10 2
1
(9 5% C I)
p値※
(0 .66 - 1 .5 8) 1 .00 0
接 種群 (前 年接 種 群 )
60
/
11 7
0.8 9
(0 .69 - 1 .1 4) 0 .42 1
32 /
11 7
1.0 6
(0 .69 - 1 .7 0) 0 .91 7
接 種群 (前 年 非接 種 群 )
22
/
45
0.8 5
(0 .59 - 1 .2 0) 0 .42 1
10 /
45
0.8 6
(0 .43 - 1 .6 6) 0 .80 4
非 接 種群 (前 年 非接 種 群 )
56
/
97
1
25 /
97
1
62
/
16 2
0.7 8
30 /
16 2
0.7 9
50
/
10 2
1
24 /
10 2
1
2 . 20 01 年5 ∼1 3週 接 種群
非 接 種群
(0 .59 - 1 .0 4) 0 .11 1
(0 .48 - 1 .2 9) 0 .40 9
接 種群 (前 年接 種 群 )
47
/
11 7
0.8 0
(0 .59 - 1 .0 8) 0 .16 9
24 /
11 7
0.8 7
(0 .51 - 1 .4 6) 0 .69 2
接 種群 (前 年 非接 種 群 )
15
/
45
0.6 6
(0.4 0 -1 .0 5)
6
/
45
0.5 6
(0 .22 - 1 .2 8) 0 .22 9
非 接 種群 (前 年 非接 種 群 )
49
/
97
1
23 /
97
1
2
※ p値 は イ エ ー ツ の χ 値 に よる 有 意 確 率
0 .08 3
表 4 . 単 変 量 (χ 2 検 定 )及 び多 変 量 (多 重 ロ ジ ス テ ィッ ク モ デル )解 析
に よ る 発 熱 に 関 連 する 因 子 分 析 結 果 ※ 1
説 明 変数
カテゴリー
発熱
/
者数
対象
者数
ワクチン
接種
非 接種
男
女
1 ∼2歳
3歳 以 上
1 3kg 未 満
1 3kg 以 上
予 定 日2 週間 前 以前
そ れ 以後
25 00 g 未 満
25 00 g 以 上
してい る
し ていない
あり
なし
あり
なし
あり
なし
あり
なし
あり
なし
62
50
61
51
54
58
43
69
19
93
8
10 4
55
57
98
14
10
10 2
11
10 1
42
70
11
10 1
16 0
10 2
12 7
13 5
11 8
14 4
94
16 8
41
22 1
27
23 5
12 2
14 0
23 3
29
31
23 1
25
23 7
10 7
15 5
25
23 7
①性
② 年齢
③ 体重
④出 生 時期
⑤ 出生 時 体重
⑥ 通園
⑦ 兄弟
⑧ -1 気 管 支 喘 息
※3
⑧ - 2 ア ト ピ ー ※ 3
⑨ 前 年 ワ クチ ン 接 種
⑩ 前 年イン フル 罹患
/
/
/
/
/
/
/
/
/
/
/
/
/
/
/
/
/
/
/
/
/
/
/
/
単 変量
RR
0.7 9
1
1.2 7
1
1.1 4
1
1.1 1
1
1.1 0
1
0.6 7
1
1.1 1
1
0.8 7
1
0.7 3
1
1.0 3
1
0.8 7
1
1.0 3
1
O R※ 2
0.5 9
1
1.4 9
1
1.2 9
1
1.1 3
1
1.6 4
1
0.4 3
1
1.7 5
1
0.8 0
1
0.4 6
1
1.3 4
1
0.9 7
1
1.8 0
1
p値
0 .13 1
0 .12 1
0 .44 3
0 .54 6
0 .73 8
0 .21 1
0 .55 7
0 .66 1
0 .28 7
0 .92 7
0 .41 0
0 .48 7
多 変量
( 95% CI )
( 0.2 9 - 1.9 5 )
p値
0 .14 3
( 0.8 9 - 2.5 0 )
0 .13 4
( 0.6 4 - 2.6 1 )
0 .47 5
( 0.5 7 - 2.2 5 )
0 .72 2
( 0.7 7 - 3.4 6 )
0 .19 7
( 0.1 7 - 1.1 2 )
0 .08 3
( 0.9 4 - 3.2 5 )
0 .07 5
( 0.3 5 - 1.8 3 )
0 .60 0
( 0.1 9 - 1.1 2 )
0 .08 7
( 0.5 4 - 3.3 8 )
0 .52 9
( 0.4 8 - 1.9 5 )
0 .92 6
( 0.8 0 - 4.0 5 )
0 .15 3
年
解
有
熱
発
の
上
以
5:38℃
と
週
属
除
対
を
26名
く間
1
※
象
0析
一
が
タ
ー
デ
性
し
.
た
,
期
0
13
※ 2: O Rは多 重 ロ ジス テ ィ ック モ デ ル に よ る 調 整 オ ッズ 比
※ 3: 基 礎疾 患 の うち 比較 的 多 数 に 認め られ た 「気 管 支 喘息 」 及び 「ア トピ ー 」 を 変数 と し た .
2.ワクチン接種による抗体価変動
抗体価に関する解析は,ワクチン接種
群(162 人)のうち接種が 2 回行われ,
第 1 回ワクチン接種前,第 2 回ワクチン
表5 . ワ ク チ ン 接 種 と 症 状 発 現
ワ クチン
20 01 年 5 ∼ 1 3週 の 症 状
鼻汁
咽 頭痛
咳
接種前(1 回接種後),第 2 回ワクチン接
接 種群
14 6
70
12 7
種 4 週間後(2 回接種後)の 3 回の採血
(%)
(9 0.1)
(4 3.2)
(7 8.4)
が行われた 135 人を対象として実施した.
非 接 種群
90
34
74
対象者の平均抗体価(幾何平均)は,
(%)
(8 8.2)
(3 3.3)
(7 2.5)
A/ニューカレドニア(H1N1)(接種前 8.5,1
合 計
23 6
10 4
20 1
回接種後 48.1,2 回接種後 65.5),A/パナ
※1
1.0 2
1.3 0
1.0 8
※2
0 .78 0
0 .14 2
0 .34 9
マ(H3N2)(27.4,60.9,72.6),B/山梨(10.8,
25.3, 56.4)と,ワクチン接種によりいず
れも上昇傾向が認められた(表 6).
RR
p値
対 象者
16 2
10 2
26 4
※ 1:R Rは ワク チ ン非 接 種 群 に 対 す る 接 種 群 の 症 状 発 現 の 相 対 危 険
※ 2:p値 は イ エ ー ツの χ 2値 に よ る有 意 確 率
また,抗体価分布の変化については,A /ニューカ
(従来の希釈計算法では 128 倍)以上
11 − 15)
の抗体価
レドニア(H1N1)では,接種前は 10 倍未満の抗体保有
保有者が 18 %であったが,1 回接種後 60 %,2 回接
者が 75 %を占め,感染防御水準と言われている 40 倍
種後 73 %とかなり増加した.また,2 回接種後は 40
倍の抗体価をピークとした分布を示した.A /パナマ
3.ワクチン接種時の副反応
(H3N2)では,接種前は 48 %であった 40 倍以上の抗
1 回目接種時の副反応は,調査票回収者 162 人中,37
体価保有者が,1 回接種後 58 %,2 回接種後 65 %と
℃以上の発熱 8 人(4.9 %),発赤 11 人(6.8 %),腫
A /ニューカレドニア (H1N1)ほどではなかったものの
れ 14 人(8.6 %),硬結 13 人(8.0 %),痛み 7 人(4.3
増加した.B/山梨では,接種前は 19 %であった 40
%)等がみられ,2 回目接種時は,157 人中,37 ℃以
倍以上の抗体価保有者が,1 回接種後 39 %,2 回接種
上の発熱 9 人(5.7 %),発赤 5 人(3.2 %),腫れ,硬
後 66 %と,2 回接種によりA/パナマ(H3N2)を上回る
結,痛み各 6 人(3.8 %)等がみられたが,いずれも
増加傾向を示した(図 2).
問題となるような副反応は発生しなかった(表 7).
表 6 .年 齢 別 平 均 抗 体 価 (幾 何 平 均 )
ワ ク チ ン株
採 血 時期
1歳
A ニ ュ ー カ レ ドニ ア (H1 N1) 接 種 前
1回 接 種後
Aパ ナ マ (H3 N2)
B 山 梨
2歳
3歳
年 齢
4歳
5歳
1∼ 5 歳 計
8 .5
6 .6
9 .1
7 .7
11 .1
8 .5
43 .0
52 .5
52 .0
46 .7
47 .9
48 .1
2回 接 種後
71 .0
62 .9
61 .5
50 .4
86 .4
65 .5
接 種前
10 .2
18 .3
26 .0
37 .0
86 .4
27 .4
1回 接 種後
20 .5
50 .9
52 .0
91 .0
1 81 .9
60 .9
2回 接 種後
32 .3
54 .1
60 .1
1 03 .4
1 91 .5
72 .6
接 種前
5 .2
7 .4
9 .3
15 .1
27 .2
10 .8
1回 接 種後
10 .5
27 .0
26 .0
36 .1
42 .1
25 .3
2回 接 種後
38 .1
49 .4
47 .3
63 .5
1 03 .4
56 .4
29
23
29
27
27
13 5
対象 者 数※
※ ワク チ ン 接 種 が 2 回 行 わ れ ,接 種 前 , 1回 接 種 後 , 2回 接 種 後 の 計 3回 の 採 血 が 行 わ れ た 対 象 者
表 7.ワ クチ ン接 種 後 の 副 反 応
副 反 応
発赤
腫れ
硬結
ワ クチ ン 接 種
対 象 者数
発熱
発疹
痛み
受診
1回 目
16 2
8
2
11
14
13
7
4
(% )
(1 00)
(4.9)
(1.2)
(6.8)
(8.6)
(8.0)
(4.3)
(2.5)
2回 目 ※
15 7
9
2
5
6
6
6
2
(% )
(1 00)
(5.7)
(1.3)
(3.2)
(3.8)
(3.8)
(3.8)
(1.3)
※ 2回 目 :5名 の 副 反 応 記 録 票 が 未 回 収
考
析方法も既報
察
1)
に準じてインフルエンザの流行状況に
インフルエンザウイルスによる罹患・発病状況は,
沿って解析対象期間の絞り込みを行うとともに,接種
「流行期間中に発熱し,かつ,鼻汁又は咽頭痛若しく
群から前年接種者を除いた解析も行った.その結果,38
は咳を呈した者」といった発熱と呼吸器症状を組み合
℃以上の発熱に関する非接種群に対する接種群の相対
わせて観察されることが多い
16 − 18)
.これは,インフ
危険は 0.66 と既報 の相対危険(RR=0.62,P=0.006)
ルエンザウイルスへの暴露機会が高く,呼吸器系感染
に近い結果が得られたが,統計学的にはなお有意にな
症による発熱性疾患を可能な限り排除することを目的
らなかった(P=0.083).そこで,既報
としている
.本研究では,これらの研究報告を踏ま
間(2000 年第 2 週∼第 7 週)と本研究での解析対象
えつつ,発熱と呼吸器症状とを組み合わせた解析に先
期間(2001 年第 5 週∼第 13 週)における週・定点あ
だって,呼吸器症状のみで解析を行ったところ,いず
たり平均患者報告数を三重県感染症発生動向調査結果
れの呼吸器症状においても非接種群に対する接種群の
2 − 3)
相対危険は 1 を上回る結果となった(表 5)ため,発
インフルエンザの流行規模は 1/4 であり,これが解析
熱のみを解析指標とした.発熱指標は,既報
結果に影響したものと考えられた.
11)
1)
に準じ
て 38 ℃以上と 39 ℃以上の 2 種を設定した.また,解
1)
1)
の解析対象期
から算出してみると,それぞれ 35.5 人,8.8 人と
今回の研究結果は,乳幼児に対するワクチンの有効
100%
A ニュー カレ ドニ ア(H1 N1 )
80%
採血 時期
接 種前
1回 接 種 後
2回 接 種 後
対象 者数
60%
40%
平 均 抗 体 価 抗 体 価 40倍
(幾 何 平 均 ) 以 上 の 割 合
8.5
18.5%
48 .1
60.0%
65 .5
72.6%
13 5
20%
0%
<10
10
20
40
80
160
320
640
1280
≧ 2560
100%
A パ ナ マ (H3 N2 )
80%
採血 時期
接 種前
1回 接 種 後
2回 接 種 後
対象 者数
60%
40%
平 均 抗 体 価 抗 体 価 40倍
(幾 何 平 均 ) 以 上 の 割 合
27.4
48.1%
60.9
57.8%
72.6
65.2%
135
20%
0%
< 10
10
20
40
80
1 60
3 20
6 40
12 80
≧ 25 60
100%
B 山 梨
80%
採血 時期
接 種前
1回 接 種 後
2回 接 種 後
対象 者数
60%
40%
平 均 抗 体 価 抗 体 価 40倍
(幾 何 平 均 ) 以 上 の 割 合
10.8
19.3%
25.3
39.3%
56.4
66.7%
135
20%
0%
<1 0
10
20
40
80
16 0
32 0
64 0
128 0
抗体 価
接種前
1回 接 種 後
2回 接 種 後
図 2 . ワク チ ン 接 種 群 の 抗 体 価 分 布 の 変 化
≧ 256 0
性が期待できるものではあったが,有意な結果は得ら
原理と方法−特にワクチン有効性の評価との関連で
れなかった.インフルエンザワクチンの有効性研究に
−,感染症誌,68,1293-1305( 1994).
おける問題点は廣田らにより報告されているが
11),19)
,
このうち,①流行の時期・規模を予測することが困難,
②ワクチン株と流行株の抗原性の一致の程度,③自然
感染等により既に十分な抗体価を有する者の混在,④
非インフルエンザ疾患患者の紛れ込み,の 4 点が特に
重要と考えられる.これら 4 点のうち,①及び②につ
いては現段階で解決することは困難であるが,③及び
11)廣田良夫:インフルエンザワクチンの有効性と疫
学的考察,インフルエンザ,1 (1), 35-40( 2000).
12)池松秀之:インフルエンザワクチンの接種回数,
インフルエンザ,2 (3),55-61(2001).
13)清水一史:インフルエンザワクチン,臨床と微生
物,24 (2), 137-141( 1997).
14)Patriarca PA., Webster JA, Parker RA, et al. :
④については研究計画段階で有る程度は対応が可能と
Efficacy of influenza vaccine in nursing home,JAMA,
思われる.③については調査対象者への登録時の問診
253,1136-1139( 1985).
等によりワクチン接種歴及びインフルエンザ罹患歴を
15)Gross PA., Quinnan GV, Rodstein M, et al.:
可能な限り厳密に把握し,これらの履歴を考慮した解
Association of influenza immunization in elderly
析を行う,また,④については発熱及び呼吸器症状に
population: a prospective study,Arch. Intern. Med,148,
加え,近年普及が目覚ましい迅速診断キットを利用し
562-565( 1988).
た罹患観察を導入する,等の検討が重要と考えられる.
16)Hirota Y, Takeshita S, Ide S, et al.: Various factors
associated with the manifestation of influenza-like
本研究は,国立療養所三重病院 神谷 齊 院長を主
任研究者として実施された 2000 年度厚生科学研究「乳
illness, Int.J.Epidemiol., 21,574-578( 1992).
17)Hirota Y, Takeshita S, Kataoka K, et al.: Individual
幼児に対するインフルエンザ HA ワクチンの効果に関
and
する研究」において三重県分担分として実施したもの
influenza-like illness among children:A school-based
である.
case-control study,Japan J. Hyg.,47,87-599( 1992).
environmental
characteristics
related
to
18)Foster D.A., Talsma A., Furumoto-Dawson A., et al
文
献
1)高橋裕明,大熊和行,寺本佳宏,福田美和,他:
1999/2000 年シーズンの三重県における乳幼児に対
するインフルエンザワクチンの有効性,日本公衛誌,
投稿中.
2)三重県科学技術振興センター保健環境研究部:三重
県感染症発生動向調査事業報告書,2000 年版.
3)三重県科学技術振興センター保健環境研究部:三重
県感染症発生動向調査事業報告書,2001 年版.
4)木村三生夫,平山宗広,堺晴美:予防接種の手引き
(第 8 版),215-216( 2000),近代出版,東京.
5)大谷明:日本のインフルエンザ対策の最近の展開,
インフルエンザ,1 (1),7-8(2000).
6)武内可尚:小児のインフルエンザにどう対処する
か,インフルエンザ,1 (1),63-72( 2000).
7)森島恒夫,富樫武弘,横田俊平,他:インフルエン
ザに合併する脳炎・脳症調査に関する全国調査,日
本医事新報,No.3953, 26-28( 2000).
8)横田俊平:インフルエンザ関連脳症の治療,インフ
ルエンザ,2 (4),45-50( 2001).
9)菅谷憲夫:小児のインフルエンザ,インフルエンザ,
2 (2), 67-71( 2001).
10)廣田良夫,加地正郎:インフルエンザ疫学研究の
: Influenza
vaccine
hospitalization
for
effectiveness
pneumoia
in
in
preventing
the
elderly,
Am.J.Epidemiol., 136,296-307( 1992).
19)Hirota Y, Kaji M, Ide S, et al. : Antibody efficacy as
a
keen
index
to
evaluate
influenza
vaccine
effectiveness, Vaccine, 15,962-967( 1997).
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