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中国ビジネスニュース - 公益財団法人かがわ産業支援財団
2016 年1月(第 43 号) 中国ビジネスニュース 編集:香川県上海ビジネスサポーター 川田真理子 退任・新任挨拶 2015 年 12 月末をもって香川県上海ビジネスサポーターを退任することとなりました。 2012 年7月の事業開始以来、3年半に渡り、県内企業や県人の皆様には大変お世話に なりました。高松・上海間の直行便開通や、自身が上海で地元・香川に関連した仕事に 従事するなど、想像もしていませんでしたが、素晴らしいご縁とチャンスに恵まれたこと に、感謝の気持ちで一杯です。この3年半の経験とご縁は、私の一生においてもかけが えのない宝物です。皆様、ありがとうございました。 末筆ではございますが、2016 年も皆様にとって素晴らしく、ますますのご健勝とご発展 につながる年となりますよう心よりお祈り申し上げます。 香川県の皆様、初めまして。2016 年1月から香川県上海ビジネスサポーターを務める 陳暁慧(ちん・ぎょうけい)と申します。上海市出身です。2004 年に(株)チャイナワークに入 社して以来、同社が受託した広島上海事務所の運営業務及び日系企業の中国ビジネス 支援実務に従事してきました。ビジネスサポーターをするに当たって、今月初めて香川県 を訪れたのですが、美しい自然とのどかな街がある中で、中国市場に熱い視線と期待 を向ける企業がこんなにもいるのかと、改めて驚きと活力をいただきました。そし て、讃岐うどんの美味しさには感動しました。香川県については勉強中ですが、こ れから中国や上海に関する有益な情報を皆様に発信していきますので、どうぞよろ しくしくお願いいたします。 今月の注目トピックス ■ 無印良品フラッグショップに行って学んだこと 12 月 12 日、「無印良品」(以下、「MUJI」と略記)が上海市内の中心・淮海路に世界最大のフラッグショップをオ ープンしました。淮海路という通りは、大手ブランドの店舗が軒を連ねています。淮海路は、MUJIから西に約 300 m行くとユニクロの世界最大のフラッグショップ、更に 300m西に行くとマレーシア系百貨店「パークソン」や香港系 の「iapmモール」と「パリ春天百貨」があるような競争の激しい商業圏です。 私は、iapmモール内にもMUJIの店舗があるため、なぜこのエリアにフラッグショップをオープンするのかと不 思議に思いつつも、この界隈を通りかかるといつもMUJIの紙袋を提げた人々が多いのを目にしていました。 そんなある日、ギフトとしてMUJIの文房具セットをいただきました。驚いたのは、その中のノートの表紙に私の 名前が入っていたことです。MUJIの定番である無地のノートになぜ私の名前が入っているのかと不思議に思いま した。聞いてみると、各自購入した無地のノートに無料で、アルファベットや様々な記号のスタンプを押して、思い思 -1- 2016 年1月(第 43 号) いのメッセージやイラストを付けられるというサービスを行っているようです。とても感動したので、実際にフラッグ ショップに行ってみることにしました。そして、行ってみると様々な発見がありました。 まずは、文房具売り場に行ってみました。無地A5サイズのノートが 30 元(約 555 円)、カラーマジックペン 10 本 セットが 90 元(約 1,665 円)と、いずれも輸入品ではありませんが、一般的な商店に比べると非常に高いものです。 しかし、さきほど紹介した、購入した無地のノートに無料でスタンプを押すことができるサービスが若者を中心に好 評だそうで、プレゼント用に購入する人を多く見かけました。このサービスはコストがかかるものではありませんが、 その人にしかできない心遣いやアレンジができること、ノートの表紙が無地だからこそ自由にスタンプを押せること が人気の理由です。 このフラッグショップにはカフェがあるのでそちらも行ってみました。こちらも人気のようで、夕食時を過ぎて入っ たときには、すでに全メニュー完売状態でした。中国ではこのフラッグショップのように、雑貨・衣類・食品など幅広 い商品を販売しながら、飲食も提供するとなると許認可取得が煩雑で大変であるため、カフェを設けていることに 驚きました。MUJIのカフェはこれまで上海のカフェにはなかったようなメニューが沢山見られます。日系のカフェが 少ないからか、上海での一般的なカフェのメニューといえば、パスタやサンドイッチ、和洋中華のどんぶり物など単 品の炭水化物中心のメニューです。それがMUJIのカフェでは、雑穀ごはんや様々なお惣菜を提供しており、素食 (菜食)メニューやヘルシーな料理を少しずつ多種選ぶことができます。メニューといい、ガラス張りの調理場とい い、安心・安全、健康志向を強調しているのが伝わってきます。 ご存知のとおり、中国でも上海は、海外とのつながりが強く、海外に行ったことのある消費者も多い上に、世界 中のブランドが中国市場を目指すとき真っ先に上陸するなど流行の発信地です。そして、日本ほどではありません が、若者を中心にライフスタイルや嗜好の多様化が急速に進んでいる地域です。その中で消費者の心をつかむよ うなことをするのは容易ではありません。MUJIは、細かな心配りを感じるサービスと対応で、消費者の多様なニー ズに応え、好評を得ているのだと思います。 政策・経済トピックス 【新政策動向】 ■発展途上濃く9ヵ国からの輸入、97%の項目で関税なしに 税関総署は発展途上国の9ヵ国からの輸入に対し、97%の品目で関税をゼロにするとの公告を出した。対象は コモロ、モーリタニア、トーゴ、リべリア、ニジェール、ルワンダ、アンゴラ、ザンビア、ネパールの9ヵ国。同9ヵ国 からの貨物の荷受人またはその代理人は、ゼロ関税の優遇を受ける場合、税関が規定する税関申告書に記入 しなければならない。 ■人気輸入品の関税引き下げ、来年から 財政部は 12 月9日、国務院税則委員会の「2016 年関税調整方案」を発表した。2016 年1月1日から実施する。 中国人の海外旅行者に人気のスーツケースやサングラス、スカーフ、携帯用の魔法瓶などの輸入品にかかる 関税をほぼ半分に引き下げる。関税を引き下げることで、国内消費の喚起を狙う。 -2- 2016 年1月(第 43 号) 【経済・産業】 ■人民元 第3の国際通貨に 国際通貨基金(IMF)は 11 月 30 日、SDR(特別引き出し権)に人民元を採用することを正式に決定した。実際 の組み入れは 2016 年 10 月。IMFがSDRの通貨構成を見直すのは約 35 年ぶり。人民元は5番目の通貨とし てSDRに加わるが、構成比では3位となった。 ■PMI 4カ月連続 50 割れ 中国国家統計局と中国物流購入連合会によると、11 月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は 49.6 で、前月 比 0.2 ポイント下落した。景気判断の節目である 50 を4カ月連続で下回り、2012 年8月以来、3年3カ月ぶりの 低水準となった。生産指数は 51.9 と、前月比 0.3 ポイント低下した。 ■北大方正集団 訪日客と医療機関結ぶ 北京大学傘下の国有企業「北大方正集団」は、日本でがん治療や人間ドックなどを受診したい中国人旅行客と 日本の医療機関を結びつけるマッチングサービスを始める。北大方正グループの日本法人「方正」がマッチング サービスを手掛ける子会社「GNG」を設立。訪日客は専用アプリ「健康東方」からサービスを購入する仕組み。 ■広州モーターショー 参加・出展企業3割減 11 月 29 日、広州国際汽車展覧会(広州モーターショー)が閉幕した。参加・出展企業数は前年比 27%減の 603 社と、3割近く減少した。自動車部品メーカーの出展が大幅に減った。 ■新車販売台数 20%増 中国汽車(自動車)工業協会によると、11 月の新車販売台数(国内生産分、工場出荷ベース)は、前年同月比 20%増の 250 万 8800 台で、単月として過去最高を記録した。3カ月連続のプラス。10 月から排気量 1600cc 以 下の小型車の自動車取得税税率が 10%から5%に引き下がった減税措置が良い影響を及ぼしている。減税は 2016 年末まで。 ■輸出 6.8%減 中国税関総署の 11 月の貿易統計によると、米ドルベースの輸出は前年同月比 6.8%減で、輸入は同 8.7%減だ った。輸出と輸入を合わせた貿易総額は同 7.6%減となり、9カ月連続で前年水準を下回った。11 月の貿易収支 は 541 億ドル(約6兆 6600 億円)の黒字。1~11 月累計の貿易額は前年同期比 8.5%減。中国政府の今年の目 標である「6%前後の伸び」達成は難しいとみられる。 ■卸売物価 5.9%下落 中国国家統計局によると、11 月の卸売物価指数は前年同月比 5.9%下落した。45 カ月連続で前年水準を下回 っている。 ■消費者物価指数(CPI) 1.5%上昇 中国国家統計局によると、11 月の消費者物価指数(CPI)は前年同期比 1.5%上昇。上昇幅は前月から 0.2 ポイ ント拡大した。品目別の内訳をみると、食品価格が同 2.3%上昇、食品以外が 1.1 ポイント上昇。1~11 月平均 のCPIは前年同期比 1.4%上昇した。 -3- 2016 年1月(第 43 号) ■北京 大気汚染で操業停止 北京市は汚染指数が9日午後6時(日本時間同7時)現在で 351 と、最悪レベルである「厳重汚染」に達した。周 辺の河北省や天津、河南省、山東省などにも広がっている。一般車両の通行規制、建設工事の中止、企業の 生産停止や減産の措置を講じた。 ■中国郵政貯蓄銀 8600 億円を調達 中国国有で郵便事業を手がける中国郵政集団の全額出資子会社「中国郵政貯蓄銀行」は、UBS、JPモルガ ン、中国人寿保険など国内外の金融機関・投資会社など 10 社を引受先に合計 451 億元(約 8600 億円)の第三 者割当増資を行う。中国国内の金融機関による第三者割当増資の額としては過去最大。 ■国美 日本製の通販拡大 中国家電量販大手「国美電器」はインターネット通販で日本企業との協力を拡大する。既に販売が始まっている 家電製品(ビックカメラと協力)に続き、日本の生活雑貨や教育用品、旅行商品、地方特産品を順次売り出す。 学研ホールディングスやJTBなどと交渉を進めている。 ■丸栄にラオックス 中国資本傘下の家電量販店「ラオックス」は、経営再建中の名古屋の老舗百貨店「丸栄」に出店する。早けれ ば年明けにオープンする。ラオックスは 2009 年に「蘇寧電器」の傘下となり、日本全国で 32 店舗を展開してい る。 ■人民元 対ドル 10 日続落、過去最長 人民元が 17 日で、対ドルで過去最長となる 10 営業日連続下落を記録した。米国は9年半ぶりの利上げ、中国 は追加の金融緩和の見込みがあり、先安観が強まっているため。 ■人民元 新指数を公表 中国外貨取引センターは、11 日から人民元の新しい指数の公表を始めた。ドルや日本円をはじめとする複数の 通貨バスケットに対する人民元相場の変動を示す。 ■主要 100 都市新築住宅価格 0.46%上昇 中国の民間シンクタンクによる主要 100 都市の 11 月の平均住宅価格は、前月比 0.46%上昇した。その一方で 値上がりした都市の数は半分を下回っている。 ■GDP 来年 6.8%の見通し 中国人民銀行は、2016 年の実質国内総生産(GDP)成長率が 6.8%になるとの見通しを発表した。15 年の成長 率は 6.9%と予測した。 -4- 2016 年1月(第 43 号) 【日系・外資企業動向】 ■日通 小口混載トラック輸送サービスを拡充 日本通運の中国現地法人「日通国際物流(中国)」が、中国国内の小口混載トラック輸送サービス「零担特快」 を大幅にリニューアルし、新サービスを開始した。上海に加え、蘇州での受託を追加し、配送スピード重視の 「特快便」とコストを重視の「一般便」に商品区分を分けた。「零担特快便」は、上海~北京・広州間を最速8時 間、上海~武漢間を 19 時間、蘇州~広州間が 44 時間でドア・ツー・ドア輸送する。 ■ニトリ 物流子会社設立 ニトリホールディングスは、江蘇省太倉市に物流子会社「似鳥(太倉)商貿物流」を設立する。資本金 72 億円 で、来年 12 月稼働の予定。中国における商品供給と物流事業を展開する。来年6月には販売事業子会社「似 鳥(中国)」を資本金 36 億円で上海に設立・稼働する。 ■日本郵船 海事大学に奨学金 日本郵船は上海海事大学と大連海事大学の学生計 76 人に奨学金を贈る。社会貢献活動の一環として 2001 年に両校の学生に対する奨学金制度を開始し今回で 15 年目。授与した学生は延べ 896 人。 ■カシオ計算機 新「自撮り」カメラ カシオ計算機は、中国で「自撮り」向けの新型コンパクトデジタルカメラ「TR―600」を発表した。高級感を高め、 動画でも肌をなめらかに再生する機能を加えた。 ■新車販売 日系4社が2ケタ増 11 月の新車販売(小売り台数)は、日系大手4社が前年同期比2ケタ増となった。4社そろって2ケタ増となるの は 2013 年 12 月以来約2年ぶり。日産自動車は同 21.9%増の、マツダは同 10.3%増、トヨタ自動車は同 13.5% 増、ホンダも同 32.7%増。 ■ビックカメラ インターネット通販 ビックカメラは、中国の家電量販店「国美電器」と提携し、中国でインターネット通販を始める。国美の通販サイト にビックが出店し 450 点を取り扱う。国美の物流網を使いコストを抑制し、国美の店頭でPRする。輸入税率の 低い個人向け通販を通じて中国の消費者を取り込む。 ■東レ 水処理膜合弁 東レは微生物除去に優れる水処理膜を中国で生産する。中国の水処理関連企業「北京万邦達環保技術」と合 弁会社を設立し、バクテリアなどを除去できる「膜分離活性汚泥法(MBR)」膜を現地生産する。資本金は約6 億円、東レ側が 51%、中国側が 49%を出資する。 ■エイチワン 金型内製数を中国で2倍超に ホンダ系プレス部品メーカーのエイチワンは、中国で内製するプレス用金型の数を2年後をめどに現状の2倍 超に増やす。2016 年からは 980 メガパスカル級の高張力鋼板(ハイテン)加工用金型も製造する。 -5- 2016 年1月(第 43 号) ■FIFA アリババEオートをクラブW杯の冠スポンサーに 国際サッカー連盟(FIFA)は、電子商取引企業「アリババ集団」の自動車ブランド「アリババEオート」と、クラブ W杯の冠スポンサー契約を結んだ。契約期間は今大会から 2022 年までの8年間。 ■USTR 中国をWTOに提訴 米通商代表部(USTR)は、航空機への課税で中国が自国製を優遇していると、世界貿易機関(WTO)に提訴 した。中国は輸入した中・小型航空機や部品に対して 17%の付加価値税を課しているが、自国製の課税は免 除、国産機への税制優遇を公表していない。このことがWTO協定違反だとしている。 ■日本郵船 多目的完成車物流センターオープン 日本郵船のグループ会社の NALC 社は、完成車物流の Vehicle Processing Center(VPC)を上海市浦東新区外 高橋地区に開所した。保管、通関、PDI に加え、上海自動車専用ターミナルから約2km の好立地を活かし板金・ 塗装、修繕など幅広い付加価値サービスを提供する。 ■トランコム 中国の物流会社を子会社化 トランコムは、広州の物流企業「Transfreight China Logistics(TFCL)」の出資持分を追加取得し、子会社化す る。トランコムは、昨年7月に TFCL へ資本参加した。この度、出資持分を三井物産より取得し子会社化する。資 本金は 500 万米ドル。 ■日通 上海発高速海上混載輸送を増便 日本通運は、上海発・東京向け高速海上混載輸送サービスを増便した。ホット・デリバリー・サービス(HDS)とい い、土曜日の朝9時までに上海 CFS(コンテナフレートステーション)で引き受けた貨物を、木曜日午後に東京 CFS で引き取ることが可能。週2便に増便した。 ■GLP 国営物流施設プロバイダーに約 370 億円投資 グローバル・ロジスティック・プロパティーズ・リミテッド(GLP)は、China Materials Storage and Transportation Development Company(CMSTD)の株式 15.5%への戦略的投資を完了した。GLP は CMSTD の株式 15.5%を 20 億人民元(3億 1100 万米ドル)で取得した。 ■楽天 中国にサイト出店 楽天は中国インターネット通販大手の京東(JDドットコム)の外国製品向けサイトに出店した。日本の菓子や化 粧品などを販売する。楽天は単独でも中国で通販サイトを運営しているが、JDの通販サイト「JDワールドワイ ド」に旗艦店を開設し、中国からの訪日観光客が好んで購入する菓子や健康食品等を販売する。 ■住商 動物用医薬品に出資 住友商事は、製薬大手「山東信得科技」の株式 25%を近く取得し、畜産向けの動物用医薬品市場に参入する。 日本の動物薬メーカーと組み、最新技術を山東信得に提供する。 -6- 2016 年1月(第 43 号) ■三菱電機 IoT推進で 60 社と提携 三菱電機は中国でIoT(モノのインターネット)ビジネスを拡大する。2016 年中に約 60 社の生産管理のソフトウエ ア会社や現地のロボットメーカーと提携網を構築し、中国での需要取り込みを強化する。 ■米グーグル 中国市場再参入を検討 米グーグルが中国市場への再参入を検討している。コンテンツ配信サービス「グーグルプレイ」の中国語版を第 1弾として始める計画。早ければ来年2月から再参入する。 ■オリオン 中国の列車で菓子販売 韓国の製菓大手「オリオン」は中国の鉄道車内や駅で菓子の販売を始める。中国最大の鉄道旅客サービス企 業「動高集団」と提携する。 【人民元情報】 人民元市場レート(2015 年 12 月 25 日) 外貨名 100 日本円 中間値 5.3853 人民元 【中国ビジネスワンポイントアドバイス】 上海のオフィス賃料上昇 全国主要 16 都市におけるオフィスの家賃や空室率について調査した「第3四半期中国商務オフィスビル指数 報告」(以下、「報告」と略記)によると、上海市内のオフィス賃貸価格は、全体的に供給不足のため値上がり 傾向となっているようです。 第2四半期 第3四半期 145 150 空室率 8.2% 7.6% 今後の供給率 83% 93% オフィスビル指数(※1) オフィス需要 報告によると、上海市の高級オフィスの平均家賃は約 9.3 元(約 177 円)/㎡/日です。第3四半期の平均家 賃相場を地区別に見てみてみると、浦東新区の平均家賃は前四半期比 2.4%増の 10.5(約 200 円)元/㎡/日、 浦西エリアの平均家賃は同 0.7%増の 8.9 元/㎡でした。 浦東新区には、2016 年春開業予定の上海ディズニーランドを中心としたリゾート計画や上海科技イノベー ションセンター(中国語名:上海科創中心)計画(※2)など、上海市政府の重要戦略プロジェクトが集積してい るため、平均家賃の値上り幅も他のエリアに比べて高いようです。また報告によると、今後も浦東新区におけ るオフィス需要が増加するそうですので、家賃の値上り傾向は続くと見られます。 -7- 2016 年1月(第 43 号) オフィス供給 最近、オフィス供給が増加しているエリアや新規建設されたオフィスビルが比較的多いエリアについても報 告されており、それらのエリアを「新興エリア」と定義しています。 2014 年からの3年間で、上海市内において新規建設が予定されているオフィス面積は約 400 万㎡。その大 半が北外灘・徐匯浜江・万博跡地を中心とした黄浦江両岸に分布しており、今後はこれらのエリアでは供給 過多によって空室率が 10%前後にまで上昇するのではないかと予測されています。 上海市内の陸家嘴・人民広場・虹橋・南京西路など中心エリアでは、空室率5%前後という低い水準を維 持すると見られており、人気エリアとそうでないエリアの間で、家賃相場の二極化が進みそうです。 ※1 家賃・立地・空室状況などをもとに算出されたオフィスビルの総合評価指数。 ※2 習近平国家主席の指示に基づき、上海市政府が発表した重要政策のひとつ。今後、上海市をハイテク 産業のイノベーション基地に育成していくプロジェクトのこと。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 香川県上海ビジネスサポーター 川田真理子 上海市延安西路 1088 号 長峰中心 705,706 室 TEL:021-6207-6687 FAX:021-6207-6640 上海ビジネスサポーターの支援を受けたい場合は、こちらを検索!! 検 索 香川県 上海ビジネスチャンス開拓支援事業 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ -8-