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JAEA-Review-2013
JAEA-Review 第 28 回ふげん廃止措置技術専門委員会資料集 Document Collection of the 28th Technical Special Committee on Fugen Decommissioning 忽那 秀樹 岩井 紘基 水井 宏之 門脇 春彦 中村 保之 Hideki KUTSUNA, Hiroki IWAI, Hiroyuki MIZUI, Haruhiko KADOWAKI and Yasuyuki NAKAMURA 敦賀本部 原子炉廃止措置研究開発センター Fugen Decommissioning Engineering Center Tsuruga Head Office February 2014 Japan Atomic Energy Agency 日本原子力研究開発機構 JAEA-Review 2013-049 本レポートは独立行政法人日本原子力研究開発機構が不定期に発行する成果報告書です。 本レポートの入手並びに著作権利用に関するお問い合わせは、下記あてにお問い合わせ下さい。 なお、本レポートの全文は日本原子力研究開発機構ホームページ(http://www.jaea.go.jp) より発信されています。 独立行政法人日本原子力研究開発機構 〒319-1195 研究技術情報部 研究技術情報課 茨城県那珂郡東海村白方白根 2 番地 4 電話 029-282-6387, Fax 029-282-5920, E-mail:[email protected] This report is issued irregularly by Japan Atomic Energy Agency. Inquiries about availability and/or copyright of this report should be addressed to Intellectual Resources Section, Intellectual Resources Department, Japan Atomic Energy Agency. 2-4 Shirakata Shirane, Tokai-mura, Naka-gun, Ibaraki-ken 319-1195 Japan Tel +81-29-282-6387, Fax +81-29-282-5920, E-mail:[email protected] © Japan Atomic Energy Agency, 2014 JAEA-Review 2013-049 第 28 回ふげん廃止措置技術専門委員会資料集 日本原子力研究開発機構 敦賀本部 原子炉廃止措置研究開発センター + 忽那 秀樹 、岩井 紘基+、水井 宏之+、門脇 春彦+、中村 保之+ (2013 年 11 年 12 日 受理) 原子炉廃止措置研究開発センター(以下「ふげん」という。 )は、廃止措置技術開発を計画・実 施するにあたり、 「ふげん」を国内外に開かれた技術開発の場及び福井県が目指すエネルギー研究 開発拠点化計画における研究開発拠点として十分に活用するとともに、当該技術開発で得られる 成果を有効に活用することを目的として、原子力機構内外の有識者で構成される「ふげん廃止措 置技術専門委員会」を設置している。 本稿は、平成 25 年 9 月 24 日に開催した第 28 回ふげん廃止措置技術専門委員会において報告し た “廃止措置の状況”、 “レーザー切断工法の実機適用に向けた切断試験状況及び今後の計画”、 “基礎架台コンクリート等への放射性物質等の浸透性に係る検討” 、“トリチウム除去における常 温真空乾燥及び重水残留量の推測法の実機適用”及び福島第一原子力発電所の廃止措置技術に係 る「ふげん」の取組み状況として報告した“福島第一原子力発電所の炉内解体を想定した熱的及 び機械的切断技術による適用性試験”について、資料集としてまとめたものである。 原子炉廃止措置研究開発センター:〒914-8510 福井県敦賀市明神町 3 番地 + 技術開発部 i JAEA-Review 2013-049 Document Collection of the 28th Technical Special Committee on Fugen Decommissioning Hideki KUTSUNA+, Hiroki IWAI+, Hiroyuki MIZUI+, Haruhiko KADOWAKI+ and Yasuyuki NAKAMURA+ Fugen Decommissioning Engineering Center Tsuruga Head Office, Japan Atomic Energy Agency Myojin-cho, Tsuruga-shi, Fukui-ken (Received November 12, 2013) Fugen Decommissioning Engineering Center, in planning and carrying out our decommissioning technical development, has been establishing “Technical special committee on Fugen decommissioning” which consists of the members well-informed, aiming to make good use of Fugen as a place for technological development which is opened inside and outside the country, as the central point in the energy research and development base making project of Fukui prefecture, and to utilize the outcome in our decommissioning to the technical development effectively. This report compiles presentation materials “The Current Situation of Fugen Decommissioning”, “The Current Status of the Cutting Test toward the Practical Use of Laser Cutting Technology and the Future Plan”, “Study on Radioactive Substance Osmosis for Basis Concrete of Equipment”, “ Verification Tests of the Room-Temperature Vacuum Drying and the Evaluation Method of Residual Amount of Heavy Water in the Tritium Removal” and “Report on the FUGEN Efforts of R&D for Decommissioning of the Fukushima Daiichi NPS - Applicability Test of Thermal and Mechanical Cutting Technology for the Dismantlement of the Internal Core of Fukushima Daiichi NPS -”, presented in the 28th Technical special committee on Fugen decommissioning which was held on September 24, 2013. Keywords: FUGEN, Decommissioning, Laser, Cutting Technology, Radioactive Substance Osmosis, Tritium Removal + Technology Development Department ii JAEA-Review 2013-049 目 次 1. ふげん廃止措置技術専門委員会(第 28 回) .......................................... 1 1.1 はじめに ..................................................................... 1 1.2 議事次第 ..................................................................... 2 1.3 委員構成 ..................................................................... 3 2. 廃止措置技術開発報告 ............................................................. 4 2.1 廃止措置の状況 ............................................................... 5 2.2 レーザー切断工法の実機適用に向けた切断試験状況及び今後の計画 ................ 10 2.3 基礎架台コンクリート等への放射性物質等の浸透性に係る検討 .................... 20 2.4 トリチウム除去における常温真空乾燥及び重水残留量の推測法の実機適用 .......... 29 3. 福島第一原子力発電所の廃止措置技術に係る「ふげん」の取組みの状況報告 ............ 37 3.1 福島第一原子力発電所の炉内解体を想定した 熱的及び機械的切断技術による適用性試験 ......... 38 4. 講評 ............................................................................ 49 iii JAEA-Review 2013-049 Contents 1. The 28th Technical Special Committee on Fugen Decommissioning.......................................1 1.1 Introduction ............................................................................................................................1 1.2 Agenda.....................................................................................................................................2 1.3 Members of the Technical Special Committee on Fugen Decommissioning ......................3 2. Decommissioning Technology Development Report ..................................................................4 2.1 The Current Situation of Fugen Decommissioning .............................................................5 2.2 The Current Status of the Cutting Test toward the Practical Use of Laser Cutting Technology and the Future Plan ..................10 2.3 Study on Radioactive Substance Osmosis for Basis Concrete of Equipment ..................20 2.4 Verification Tests of the Room-Temperature Vacuum Drying and the Evaluation Method of Residual Amount of Heavy Water in the Tritium Removal ................29 3. Report on the FUGEN Efforts of R&D for Decommissioning of the Fukushima Daiichi NPS................37 3.1 Applicability Test of Thermal and Mechanical Cutting Technology for the Dismantlement of the Internal Core of Fukushima Daiichi NPS ...............38 4. Review.........................................................................................................................................49 iv JAEA-Review 2013-049 1. ふげん廃止措置技術専門委員会(第 28 回) 1.1 はじめに 原子炉廃止措置研究開発センター(以下「ふげん」という。 )は、廃止措置技術開発を計画・ 実施するにあたり、「ふげん」を国内外に開かれた技術開発の場及び福井県が目指すエネルギ ー研究開発拠点化計画における研究開発拠点として十分に活用するとともに、当該技術開発で 得られる成果を有効に活用することを目的として、原子力機構内外の有識者で構成される「ふ げん廃止措置技術専門委員会」を設置している。 本稿は、平成 25 年 9 月 24 日に開催した第 28 回ふげん廃止措置技術専門委員会において報告 した “廃止措置の状況” 、“レーザー切断工法の実機適用に向けた切断試験状況及び今後の計 画” 、 “基礎架台コンクリート等への放射性物質等の浸透性に係る検討” 、 “トリチウム除去にお ける常温真空乾燥及び重水残留量の推測法の実機適用”及び福島第一原子力発電所の廃止措置 技術に係る「ふげん」の取組み状況として報告した“福島第一原子力発電所の炉内解体を想定 した熱的及び機械的切断技術による適用性試験”について、資料集としてまとめたものである。 -1- JAEA-Review 2013-049 1.2 議事次第 第 28 回ふげん廃止措置技術専門委員会の議事次第を表1に示す。 表1 第 28 回ふげん廃止措置技術専門委員会 議事次第 第 28 回 ふげん廃止措置技術専門委員会 議 事 次 第 1.開催日時 平成 25 年 9 月 24 日 13:30~16:10 2.開催場所 独立行政法人海洋研究開発機構 東京事務所内 共用会議室 A,B 3.出席者 (委員) 石榑主査、井口委員、石倉委員、伊藤委員、苅込委員、中安委員、仁木委員、 西谷委員、山本委員、小川委員、土田委員 (ふげん) 髙橋所長、森下技術開発部長、打它計画管理課長代理 他 4.次第 (1) 開会挨拶 (2) 委員及び機構出席者の紹介 (3) 前回委員会の議事要旨の確認 (4) 廃止措置の状況 (5) レーザー切断工法の実機適用に向けた切断試験状況及び今後の計画 (6) 基礎架台コンクリート等への放射性物質等の浸透性に係る検討 (7) トリチウム除去における常温真空乾燥及び重水残留量の推測法の実機適用 (8) ご講評 (9) 福島第一原子力発電所の廃止措置技術に係る「ふげん」の取組みの状況報告 福島第一原子力発電所の炉内解体を想定した熱的及び機械的切断技術による 適用性試験 (10) 次回の委員会について -2- JAEA-Review 2013-049 1.3 委員構成 ふげん廃止措置技術専門委員会の構成員を表2に示す。 表2 ふげん廃止措置技術専門委員会 構成員 主査 石榑 顕吉 東京大学名誉教授 委員 井口 哲夫 名古屋大学 大学院 工学研究科 量子工学専攻 教授 委員 石倉 武 (一財)エネルギー総合工学研究所 参事 工学博士 委員 伊藤 英一郎 東京電力(株) 原子燃料サイクル部 廃棄物設備グループ グループマネージャー 委員 苅込 敏 日本原子力発電(株) 廃止措置プロジェクト推進室 室長(理事) 委員 友澤 史紀 東京大学名誉教授 委員 中安 文男 福井工業大学 工学部 原子力技術応用工学科 教授 委員 仁木 秀明 福井大学 大学院 工学研究科 原子力・エネルギー安全工学専攻 教授 委員 西谷 英樹 関西電力(株) 原子燃料サイクル室 サイクル環境グループ チーフマネジャー 委員 山本 正史 (公財)原子力環境整備促進・資金管理センター 基準・規格調査研究プロジェクト チーフ・プロジェクト・マネジャー 委員 小川 弘道 (独)日本原子力研究開発機構 東海研究開発センター 原子力科学研究所 バックエンド技術部長 委員 土田 昇 (独)日本原子力研究開発機構 敦賀本部 レーザー共同研究所 レーザー技術利用推進室長 (以上12名) -3- JAEA-Review 2013-049 2. 廃止措置技術開発報告 本章は、第 28 回ふげん廃止措置技術専門委員会における発表資料を取りまとめたものである。 -4- JAEA-Review 2013-049 2.1 廃止措置の状況 Fugen Decommissioning Project 廃止措置の状況 技術開発部 計画管理課 忽那 秀樹 報告概要 ➢平成25年度作業計画・実績 ➢解体撤去工事 ➢汚染の除去工事 ➢福島第一原子力発電所の廃止措置への貢献 ➢国際会議等報告 ➢地元における取組みと連携 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-3-1 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 平成25年度作業計画・実績(1) 平成25年 年 月 項目 4月 5月 6月 7月 8月 平成26年 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 1.重水の搬出 (1) 重水搬出 (2) 重水搬出準備作業 2.解体撤去工事 【タービン設備等の機器の解体撤去】 (1) 復水器等の解体撤去 3.汚染の除去工事 【重水系・ヘリウム系等の汚染の除去工事】 (1) 残留重水回収 (2) 原子炉補助建屋機器のトリチウム除去 ① 重水浄化系のトリチウム除去 (3) 原子炉建屋機器のトリチウム除去 ① カランドリアタンク等のトリチウム除去 :計画 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) -5- :実績 資料 28-3-2 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 平成25年度作業計画・実績(2) 年 月 項目 平成25年 4月 5月 6月 7月 8月 平成26年 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4.「ふげん」を用いた研究開発 (1) 使用済燃料中のPu測定装置の実証試験 (2) 高経年化等のための調査研究 5.汚染状況等の調査 6.設備・機器等の維持管理 (1) 第26回施設定期検査 (2) 設備の自主点検及び自主検査 7.国際協力等 TAG54 (1) OECD/NEA技術諮問グループ会議 TAG55 (2) KAERI情報交換会議 (3) CEA情報交換会議 (4) NDA廃止措置状況調査 (5) 海外研究者受入れ (6) 海外講師派遣 (文部科学省国際原子力安全交流対策制度) :実績 :計画 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-3-3 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 解体撤去工事の実施範囲 原子炉建屋 タービン建屋 主蒸気管及びタービン主要弁 原子炉補助建屋 :H25年度解体撤去工事範囲 タービン 発電機 復水器 カランドリア タンク 海水 原子炉 ヘリウム系 第1・2給水加熱器 第4・5給水加熱器 第3給水加熱器 重水系 原子炉補助建屋 重水 ダンプタンク 余熱除去系 復水貯蔵タンク 重水 冷却器 海水 排気筒 B復水器 下部内部構造物等 重水循環ポンプ 原子炉補機冷却海水系 蒸気放出プール 使用済燃料 貯蔵プール ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) -6- プール水 冷却・浄化系 資料 28-3-4 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 平成25年度 解体撤去工事(復水器)範囲図 タービン建屋 :H25年度 解体撤去工事範囲 :H25年度 解体撤去工事範囲 (内部構造物) 1F B1F B2F B復水器下部内部構造物 (海水冷却管) ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 蒸気連絡口 資料 28-3-5 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 汚染の除去工事の実施範囲 原子炉建屋 タービン建屋 重水系計装ラック等 原子炉補助建屋 タービン ①➊ 発電機 復水器 ➊ カランドリア タンク ②➋ ①② 海水 原子炉 ヘリウム系 重水系 ①②➊➋ 原子炉補助建屋 排気筒 ①②➊➋ 重水 ダンプタンク 海水 余熱除去系 復水貯蔵タンク 重水 冷却器 ②③ :H25年度汚染の除去工事範囲 重水循環ポンプ用 熱交換器 原子炉補機冷却海水系 (➊残留重水回収,➋トリチウム除去) 蒸気放出プール 使用済燃料 貯蔵プール ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) -7- プール水 冷却・浄化系 :H24年度までの汚染の除去工事範囲 (①残留重水回収,②トリチウム除去, ③CP除染) 資料 28-3-6 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 汚染の除去工事(残留重水回収、トリチウム除去)の作業状況 残留重水回収 トリチウム除去 作業概要 作業状況 (H25.8月末現在) 弁操作によるドレンアウト後に、フラン ジの開放、配管の切断等により内部に 残留する重水を回収 約2,105リットル回収 系統を分割して加熱真空引き等により トリチウムを除去 検出限界値以下 (作業エリア内トリチウム濃度) トリチウム除去装置を用いてカランドリ アタンク等に乾燥空気を循環することに よりトリチウムを除去 実施中 階 カランドリアタンク 重水冷却器 ダンプタンク 重水循環ポンプ用 熱交換器 R/B重水ドレンタンク 重水回収 (リットル) トリチウム除去 (Bq/cm3) 3F 実施中 105.0 実施中 2F 1F 0.3 検出限界値以下 90.5 今後実施予定 系統・エリア 主な機器※ 重水回収 (リットル) トリチウム除去 (Bq/cm3) ヘリウム浄化系室 再結合器 脱湿器 10.0 検出限界値以下 ポイズン供給系 ポイズン溶解槽 20.9 検出限界値以下 61.5 実施中 600.3 準備中 1216.0 準備中 重水浄化系室 B1F 劣化重水貯槽室 B2F 重水貯槽室 重水浄化塔 ポイズン除去塔 劣化重水貯槽 浄化系重水貯槽 重水貯槽室 A/B重水ドレンタンク ※ 計装配管内等の残留重水回収を実施中 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 :作業完了 原子炉補助建屋 原子炉建屋 主な機器※ トリチウム除去装置 残留重水回収作業の状況 【残留重水回収量を精査し反映済み】 資料 28-3-7 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 福島第一原子力発電所の廃止措置への貢献 「ふげん」の原子炉施設を利用し、炉心構造材試料採取の技術開発、原子炉本体水中解体技術の 実証や除染・解体工法等を確証することで、福島第一原子力発電所へ成果の提供を図る。 【主な実施項目】 ◆炉心構造材からの試料採取技術開発 ◆原子炉本体水中解体実証試験 ◆クリアランスの合理的運用技術の確立 ◆合理的な放射能濃度評価方法の確立 ◆合理的な除染技術の確証 ◆合理的な解体工法の確証 ◆解体撤去物の実規模自動除染技術の確証 【目的】 原子炉構造材の放射能インベントリの評価の精度向上 ・原子炉本体解体手順の検討 ・解体装置の設計 ・適切な処分の検討 ○遠隔サンプリング技術を活用した試料採取装置の開発 ○採取した試料の分析・評価 試料採取の概念 開発の対象となる要素技術 ➢高線量下の監視技術 ➢遠隔操作技術 ➢分析技術 ➢高線量物質取扱技術 ➢採取試料回収技術 等 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) -8- 福島第一原子力発電所の事故 処理の検討へ成果を提供 資料 28-3-8 JAEA-Review 2013-049 国際会議等報告 OECD/NEA技術諮問グループ会議(TAG-54) 英国/仏国における廃止措置関連技術調査 OECD/NEA廃止措置協力計画のもとで開催されるTAG会議において、 各国の廃止措置状況に係る意見交換や廃止措置関連施設の調査を 実施 「JAEAと英国NDAとの間の放射性廃棄物管理及び廃止措置分野におけ る協力協定」に基づき、若手技術者を派遣して「ふげん」の廃止措置技術力 向上を図るため、英国廃止措置技術を調査し、派遣計画を検討 ■ 開催期間:平成25年5月13日~16日 ■ 開催場所:ドイツ ヘリングスドルフ(会議)、グライフスヴァルトNPP(調査) [報告例] ○MZFR(多目的重水減速冷却PWR型研究炉:57MWe):ドイツ • 1984年:運転終了 • 1987年~2016年(予定):廃止措置を実施中 原子炉遠隔解体装置の撤去、換気系の簡素化リプレース、電源設備の 簡素化、貯蔵プール建屋の解体を終了 現在、管理区域解除のための除染、測定及び建屋解体を実施中 ■ 訪問先:ドーンレイ、セラフィールド、トロースフィニッド、バークレイ、 ハーウェルの5サイト ■ 調査期間 :平成25年3月17日~3月28日 【今後の習得テーマ候補例】 ○遠隔解体装置(BROKK等)の活用事例習得:ドーンレイ、セラフィールド ○レーザー/ガンマスキャンニング技術の習得:セラフィールド 等 仏国リヨンにあるフランス電力会社(EDF-CIDEN)を訪問し、重水減速ガス 冷却圧力管型原子炉(EL-4)の廃止措置状況等を調査 ■ 調査日 :平成25年4月2日 ○2007年に認可をキャンセルされた廃止措置が2011年に再認可されリスタート 現在取得しているライセンス内において以下の作業を実施 ① 液体廃棄物処理施設の解体(~2016年終了予定) ② 熱交換器16基の解体(~2014年終了予定) ③ 排水口ライン廻りの土壌汚染の除去(2012年に全て終了) その他、炉心燃料チャンネル部解体のためのモックアップ試験を実施中 第11回日韓情報交換会議 「韓国原子力研究所(KAERI)とJAEAとの間の原子力の平和利用分 野における協力のための取決め」に基づき開催される情報交換会議 において、意見交換を実施 ■ 開催期間:平成25年7月23日~7月25日 ■ 開催場所:JAEA原子力科学研究所 ○KAERIは、遠隔解体の研究開発として原子炉圧力容器の切断方法の選定 について、4種類の切断工法と3種類のマニュプレータ技術の組み合わせ を評価中 ・切断工法: AWJ切断、バンドソー、ダイヤモンドワイヤーソー切断、 接触式アーク金属切断 ・マニュプレーター技術: 6軸マニピュレーター、ガントリーマニピュレーター、 リニアモーション ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 Fugen Decommissioning Project 海外研究者受入れ ○ JAEA招へい制度に基づく受入れ ・中国核動力研究設計院(NPIC): 2名 ・期間: 9/10~12/6 ○ 文部科学省原子力研究交流制度に基づく受入れ ・インドネシア原子力規制庁: 1名 ・期間: 10/4~12/20 資料 28-3-9 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 地元における取組みと連携 原子力機構の地域連携協力への取組み 技術課題解決促進事業(公募型事業) 原子力関連業務従事者研修 【若狭湾エネルギー研究センター主催】 福井県の「エネルギー研究開発拠点化計画」の基本施策と して、県内企業との連携を更に強化し、県内企業の原子力 産業への参入を支援していくことを目的 原子力機構の抱える研究課題等の解決に向け、予め実用化 への成立性を見極める事業として、試作・調査を実施 福井県の「エネルギー研究開発拠点化計画」に基づき、原子力 関連業務への参入や技術力向上を希望する県内企業を対象に、 知識や技能の習得を目指すことを目的 ○オープンセミナーの開催 ■「ふげん」関連の研究課題(平成25年度分) ・ ・ ・ ・ コンクリートひび割れ部切削工具の試作 多関節ロボット装着用異形状型把持装置の設計・試作 二重管構造同時把持装置の設計・試作 配管内表面の放射性腐食生成物の物理除染における (1)ノズルヘッドの誘導及び(2)ハツリ粉塵の回収の検討 ・ 汚染拡大防止を考慮した大口径ステンレス配管隔離工法の検討 ■会場 ・5/30 福井会場(福井商工会議所) 24社参加 ・5/31 敦賀会場(敦賀商工会議所) 23社参加 「ふげん」専門講座 ・実施時期 : 7/29~8/2 (5日間) ・受講者 : 5名 ・会 場 : ふげん 廃止措置基礎講座(予定) ・実施時期 : 10 /18 ・受講定員 : 10名 ・会 場 : ふげん 実技研修の状況 地元産業界の取組み 敦賀商工会議所「廃止措置研究会」 敦賀商工会議所が実施する地元企業の技術力向上・蓄積のた めの調査研究の一環として、「ふげん」は廃止措置事業の紹介 等を実施 【平成25年度活動計画】 福井会場の状況 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 敦賀会場の状況 ・原子炉廃止措置現場(ふげん等)の視察、研修 等 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) -9- 資料 28-3-10 JAEA-Review 2013-049 2.2 レーザー切断工法の実機適用に向けた 切断試験状況及び今後の計画 Fugen Decommissioning Project レーザー切断工法の実機適用に向けた 切断試験状況及び今後の計画 技術開発部 技術開発課 岩井 紘基 報告概要 ➢原子炉本体の構造と解体に係る課題 ➢解体に係る開発ステップ及び各切断試験状況 ➢レーザー水中切断試験 ➢小型切断ヘッドによる気中切断試験 ➢まとめ、今後の予定 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-4-1 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 原子炉本体の構造と解体に係る課題 圧力管(224体) (Zr-2.5wt%Nb) 上部延長管部(224体) (ステンレス鋼) カランドリア管(224体) (Zry-2) Φ9m 上部鉄水遮へい体 (炭素鋼) コンクリート 異種材料 稠密構造 側部鉄水 遮へい体 (炭素鋼) 多様な配置 放射能 (Bq/ton,γ) 7m >10E+13 >10E+12 防振板 (アルミニウム) >10E+10 >10E+05 下部鉄水遮へい体 (炭素鋼) 下部延長管部(224体) (ステンレス鋼) カランドリアタンク 炉心タンク (ステンレス鋼) 構造仕様 放射化 (炉停止後8年) 二次切断 ■主要寸法 本体: 外径 9000mm 高さ 7000mm 圧力管(224本): 材質 Zr-2.5wt%Nb 内径 117.8mm 肉厚 4.3mm カランドリア管(224本): 材質 ジルカロイ-2 内径 156.4mm 肉厚 1.9mm ■総重量: 約1000 t ■材質(板厚) ・ステンレス鋼 (max.150mm) ・炭素鋼 (max.150mm) ・ジルコニウム合金 (4.3mm) ・アルミニウム (25mm) ・コンクリート (550mm) 一次切断 解体物収容容器 解体用プール 構造に係る課題 材料に係る課題 ・放射能レベルが比較的高い (放射化材料) ・材料の一部にジルコニウム合金鋼を使用 ・カランドリア管と圧力管の二重管など狭隘構造、多様 な配置により切断箇所が多い ・切断時に発生する放射性粉じん等による被ばく低減 ・ジルコニウム合金鋼切断時の発火防止 ・二重管を同時に切断可能な工法もしくは、同等の切断 能力を有する切断工法の採用 工期短縮が図れる水中遠隔解体切断工法の採用 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 10 - 資料 28-4-2 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 解体に係る開発ステップ及び各切断試験状況 解体工法の概略検討 試験期間: H20年度~ 試験期間: H18年度 ~H21年度 水中での各切断工法による 圧力管等材料切断データ取得 各切断工法の評価及び選定 切断試験時状況 切断試験時状況 レーザー水中切断試験装置 選定工法による プラズマ水中切断試験装置 試験期間: H17年度 ~H21年度 遠隔水中解体装置の 設計、製作・検証試験・評価 試験期間:H20 年度 ~H21年度 解体装置の改造及び付属装置 の設計・製作・設置・試運転 切断試験時状況 切断試験時状況 原子炉本体解体着手 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 バンドソー水中切断試験装置 アブレッシブウォータージェット水中切断試験装置 資料 28-4-3 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 各切断工法の評価 AWJ切断工法 プラズマアーク切断工法 レーザー切断工法 国内外での使用実績 板厚150mmの切断(ステンレス鋼 及び炭素鋼)及び二重管の同時 切断が可能 熱的工法と比較し、切断速度が 遅い カーフ幅は約3.5mm 研掃材が大量の二次廃棄物とな る 国内外での使用実績 板厚150mmの切断(炭素鋼)及び 二重管の同時切断が可能 機械的工法と比較し、高速切断 が可能 切断カーフ幅は、薄板材で約 2.5mm、厚板材で10mm以上とな り、発生する粉じんが多くなること から二次廃棄物が比較的多い 水中切断を実証 薄板材においては、高速切断 (m/minオーダー)が可能 厚板材の切断実証 狭隘部における切断実証 切断時のカーフ幅は、薄板材に おいては約1mmであり、粉じん抑 制とともに、二次廃棄物の低減が 可能 水中遠隔解体システムにおいても、以下の観点でレーザー切断工法が有利 ○カーフ幅が1mm以下と小さいことから、二次廃棄物の発生量が少なく、プール浄化システム等の コンパクト化が可能 ○ドロス等の発生量が少ないことから、濁水が少ない ○他の工法と比較し、反力が少ない等の優位性があるため、遠隔操作性が良い 二次廃棄物の発生が少なく、低出力で高速切断可能であるレーザー 工法について実機適用に向けた切断試験を継続 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 11 - 資料 28-4-4 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project レーザー切断工法の切断原理 レーザー切断工法は・・・ 金属をレーザー照射の熱エネルギーで溶融し、アシストガス噴射の運 動エネルギーで溶融凝固酸化物(ドロス)を除去・切断する工法 【レーザー切断イメージ】 【主要機器構成】 レーザー光 レーザーヘッド アシストガス (高圧ガス) 切断対象物 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 ドロス ファイバーレーザー発振器 (波長:1070nm) アシストガス 切断対象物 資料 28-4-5 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project レーザー切断工法における主な切断パラメータ (1)レーザー照射条件 ①レーザー出力 ⑤発振方法 ①レーザー出力 ②焦点位置 ③焦点距離 ④照射角度 ⑤発振方法(連続波orパルス波) ⑦アシストガス種類 ⑧アシストガス流量 ⑥ノズル形状 ③焦点距離 (2)アシストガス噴射条件 テーパー型 ⑨スタンドオフ ②焦点位置※ ⑥ノズル形状 ⑦アシストガス種類(空気、窒素) ⑧アシストガス流量 ⑨スタンドオフ 改良ラバル型 -α° +β° ④照射角度 半円型 切断方向 ※)試験体表面を”0”、レーザー上流側を”+”、下流側を”-“とする ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 12 - 資料 28-4-6 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project レーザー切断工法に係る開発状況 「ふげん」の炉心を構成する主要構造材(板厚30mm以下)に 対して、各パラメータに関する水中での切断試験によりカーフ 幅、切断能力を確認しており、実機適用に向けた課題を抽出 実機適用に向けた課題 小型切断ヘッドによる切断実証(H24年度~) 厚板構造材に対する切断実証(H25年度) H24年度の確認結果 ・アシストガスの違いによる切断能力等への影響 ・粉じん発生量の評価等 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-4-7 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project レーザー水中切断試験 レーザー水中切断試験装置 主な装置仕様 最大レーザー出力(kW) 10 (6+4) 焦点位置設定(mm) +15 ~ -15 アシストガス流量設定(L/min) ~ 500 アシストガス種 空気、窒素、酸素等 タンク水位 3.0m タンク 800mm ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 13 - 切断ヘッド 500mm 資料 28-4-8 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project レーザー水中切断試験 アシストガスの違いによる切断能力等の比較 【切断条件】 切断材質:ステンレス鋼(板厚):30mm レーザー出力:6kW スタンドオフ:5mm ガス流量:300L/min アシストガス:空気 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 アシストガス:窒素ガス アシストガス:酸素ガス 資料 28-4-9 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project レーザー水中切断試験 アシストガスの違いによる切断能力等の比較 試験結果 アシストガス:空気 切断速度:60mm/min アシストガス:窒素ガス アシストガス:酸素ガス 切断速度:20mm/min 切断速度:60mm/min 表側 表側 プラズマアーク切断例 表側 表側 切断方向 切断方向 カーフ幅:約1mm 切断方向 カーフ幅:約1mm カーフ幅:約2~9mm 裏側 裏側 切断方向 裏側 切断方向 部分的に貫通 カーフ幅:約4.5mm 切断方向 切断方向 固着したドロス ステンレス鋼においても空気中の酸素の燃焼効果で切断能力が向上 カーフ幅は、空気と窒素で同等 ただし、酸素濃度が高い場合、切断が安定せず、カーフ幅も拡大 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 14 - 資料 28-4-10 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project レーザー水中切断試験 切断時の粉じん発生量の評価 水中切断に必要な空洞形成はアシストガスのみでも可能であるが、厚板では切断能力 が低下 → 多層の空洞形成による内圧維持の効果により、アシストガスが効率的にドロス除 去に寄与し、切断能力が向上することを確認している。 気相フィルタへ 汎用切断ヘッド (気中切断) レーザー光 レーザー光 空洞形成技術を取り入れた 水中用切断ヘッド 空洞形成水(空洞 内気圧維持) アシストガス (センター) 気中浮遊物 空気(空洞形成) 切断対象 切断カーフ幅 観察窓 切断 レーザヘッド ビデオカメラ等 アシストガス 水相フィルタへ 切断対象 ①アシストガス ドロスを除去 ②空洞形成ガス 局所的な気中雰囲気 ③空洞形成水 空洞内の気圧維持 ドロス (沈降固形物) 空洞形成技術による粉じん発生量への影響を確認 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-4-11 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project レーザー水中切断試験 切断時の粉じん発生量の試験結果(空洞形成の影響) 試験条件 レーザー出力(kW) スタンドオフ(mm) 5 焦点位置(mm) +10 0.033 Air / 300 120 試験体 ステンレス鋼 t10mm レーザー光 切断速度(mm/min) 空気(空洞形成) 空洞形成水20L/min 空洞形成水0L/min 0.031 気中移行粉じん重量(g) アシストガス種 /流量(L/min) 空洞形成水(空洞 内気圧維持) 気中切断時の粉じん量は約10倍 4 0.029 0.027 0.025 0.023 0.021 0.019 0 100 空洞形成ガス流量(L/min) 200 切断対象 空洞形成ガス流量の増加及び空洞形成水の噴射に伴い、気中移行粉じん量は減少 ○空洞形成ガス(水)による粉じんの冷却及び閉じ込め効果により、水中への移行が促進 空洞形成が粉じん抑制に寄与 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 15 - 資料 28-4-12 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project これまでの試験結果に基づく設定パラメータ 主な部材名称 (板厚) 圧力管 カランドリア管 (1.9~4.3mm) 炉心タンク 防振板等 パラメータ レーザー出力 切断速度 焦点位置 焦点距離 スタンドオフ アシストガス 数kW > 1000 mm/min 切断物表面 (0mm) 影響 小 2~20mm ガス種:空気 流量: 小 <大 切断能力 向上 3~10kW 約200 mm/min 表面から デフォーカス 影響 小 2~10mm ガス種:空気 流量: 小 <大 切断能力 向上 (10~32mm) 鉄水遮へい体 カランドリアタンク管板 (120~150mm) 空洞形成 (文献) 高出力レーザーにより、切断実績 実機適用に向けた課題 ◎小型切断ヘッドによる切断実証 厚板構造材に対する切断実証 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-4-13 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 小型切断ヘッドによる気中切断試験 実機適用に向けた小型切断ヘッドの開発(1/2) 薄板材に対して高速かつ狭いカーフ幅で切断可能であるが、汎用切 断ヘッドは「ふげん」の狭隘部に挿入不可 → 「ふげん」狭隘部に挿入可能な小型切断ヘッドでの切断実証 汎用切断ヘッド 制御棒案内管 470mm 800mm カランドリア管 圧力管 圧力管等配置図 管材を内周から切断するため、端部にレーザー光を90度屈折させる反射ミラーを 有する小型切断ヘッドを試作 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 16 - 資料 28-4-14 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 小型切断ヘッドによる気中切断試験 実機適用に向けた小型切断ヘッドの開発(2/2) 小型切断ヘッド(試作品) φ75mm 480mm 汎用切断ヘッド 小型切断ヘッド 600mm 300mm 焦点距離 炉心部の管群 (圧力管、カランドリア管) レンズの焦点距離の変更 L字構造及びミラー、保護ガラス等 の追加 ビームプロファイル、 出力等に影響 把持装置イメージ カーフ幅及び切断性能に対する影響 を確認することを目的に光学系に冷 却性能が要求される気中において 切断試験を実施 圧力管等 切断装置 把持及び切断イメージ 圧力管内挿入イメージ 原子炉本体断面図 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-4-15 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 小型切断ヘッドによる気中切断試験 焦点位置の変更によるカーフ幅への影響 ビームプロファイルの影響確認のため、デフォーカスによる切断試験を実施 焦点位置 試験体表面 (+) (0) (-) 試験条件 レーザー出力(kW) 3 スタンドオフ(mm) 5 焦点位置(mm) +5, -5, -10, -15 アシストガス種 /流量(L/min) Air / 300 切断速度(mm/min) 30 試験体 ステンレス鋼 t22mm デフォーカス量:小 ⇒ カーフ幅減少 デフォーカス量:大 ⇒ カーフ幅増加 小型切断ヘッドによる切断状況 焦点位置 -5mm ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 焦点位置 -15mm 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 17 - 資料 28-4-16 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 小型切断ヘッドによる気中切断試験 カーフ幅の比較 試 験 条 件 レーザー出力(kW) 3 スタンドオフ(mm) 5 焦点位置 -5mm 焦点位置(mm) +5, -5, -10, -15 アシストガス種 /流量(L/min) Air / 300 切断速度(mm/min) 30 (+) 表側 表側 裏側 裏側 焦点位置 試験体表面 (0) (-) ノズル スタンドオフ 5mm 5.0 焦点位置 -15mm 4.5 試験体 t22mm 表(小型切断ヘッド) 裏(小型切断ヘッド) 表(汎用切断ヘッド) 裏(汎用切断ヘッド) 4.0 デフォーカスにより、表側のカーフ 幅が拡大し、ドロスの効率的な排出 に寄与 光学系を変更したことによるカーフ 幅への影響は約0.5mmと小さい カーフ幅(m m) 3.5 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 10 5 0 -5 -10 -15 -20 試験体表面を基準とした焦点位置(mm) ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-4-17 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 小型切断ヘッドによる気中切断試験 切断能力の比較 試験条件 レーザー出力(kW) 3, 4, 5 スタンドオフ(mm) 5 焦点位置(mm) -15 アシストガス種 /流量(L/min) Air / 300 試験体 ステンレス鋼 16mm, 30mm ステンレス鋼板厚30mm 140 ステンレス鋼板厚16mm、レーザー出力:3kW 汎用切断ヘッド 切断不可 汎用切断ヘッド 切断可 小型切断ヘッド 切断可 120 切断速度(mm/min) 切断速度(mm/min) 250 200 150 100 100 80 60 40 20 50 切断可 切断不可 0 汎用切断ヘッド 0 2 小型切断ヘッド 同じ出力で切断した場合、汎用切断ヘッドと 同等の切断速度であることを確認 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 18 - 3 4 5 レーザー出力(kW) 6 出力を上げた場合においても汎用切断ヘッ ドと同等の切断速度で切断できることを確認 資料 28-4-18 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project まとめ H24年度の水中における切断試験状況について報告 アシストガス種による切断能力等への影響 粉じん発生量の評価(空洞形成による影響確認) 実機を想定した狭隘部への挿入が可能な寸法形状の小型切断ヘッド により、「ふげん」の構造材(圧力管、炉心タンク等)が切断可能であ ることを気中で確認 小型切断ヘッドと汎用切断ヘッドとの切断能力等の比較を実施 光学系の変更によりカーフ幅(表側)は約0.5mm減少 3~5kWの各出力で同等の切断速度で切断可能 「ふげん」の炉心を構成する主要構造材(圧力管、炉心タンク等)は板厚 30mm以下であり、これらは現在保有する10kWのレーザー出力で、カーフ 幅が狭くかつ高速で切断可能であることから、今後の解体工法の具体化 検討に当たって、レーザー切断工法を基幹工法として選定 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-4-19 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 今後の予定 狭隘部環境での切断動作を模擬した試験 小型切断ヘッドによる水中切断の実証 厚板構造材(遮へい体部:板厚150mm)に対して、 高出力レーザー(20kW以上)による切断実証 H25年度 小型切断ヘッドによる切断試験 ・狭隘部環境での動作を模擬した試験 ・水中切断実証 H26年度~ 遠隔制御性確認試験 ・ロボットアームによる切断実証 ・原子炉解体実証試験における全体 システムでの遠隔制御性確認 H25年度~H26年度 厚板構造材に対する切断試験 ・高出力型レーザーヘッドの検討・試作 ・板厚150mmに対する切断性能確認 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 19 - 資料 28-4-20 JAEA-Review 2013-049 2.3 基礎架台コンクリート等への 放射性物質等の浸透性に係る検討 Fugen Decommissioning Project 基礎架台コンクリート等への 放射性物質等の浸透性に係る検討 技術開発部 開発実証課 報告概要 水井 宏之 ➢背景と目的 ➢基礎試験の概要 ➢基礎試験の結果 ➢基礎試験のまとめ ➢今後の進め方 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-5-1 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) 背景と目的(1/3) Fugen Decommissioning Project ・「ふげん」施設の解体撤去工事等に伴い… 管理区域からも汚染のない廃棄物が発生 これらは放射性廃棄物でない廃棄物(NR廃棄物) 配管 基礎架台コンクリート ポンプ *1として搬出 *1:「核燃料物質及び核燃料物質によって汚染された物で廃棄しようとするもの」でない廃棄物 金属 放射性廃棄物 細断 (ガス切断等) クリアランス物 コンクリート 解体撤去物の例(ポンプ周り) 細断 (ブレーカ等) NR廃棄物 ・「NR廃棄物」の対象がコンクリートの場合、考慮すべき可能性… 経年変化等により生じる表層部のひび割れ 微細なひび割れ(クラック等)でも、保守的にはひび割れからの液体の浸透 放射性物質(液体に包含されるCo-60等) と接した場合の浸透汚染 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 20 - 資料 28-5-2 JAEA-Review 2013-049 背景と目的(2/3) Fugen Decommissioning Project ・土木分野でのコンクリートの浸透性に係る知見(既往の文献*2)として… 水分の移動はダルシー則により得られる浸透係数を用いて評価 ただし、この浸透係数を相当小さくしても、過剰な評価となる可能性 さらに、一定規模の透水量(動水勾配)がなければ、コンクリート中で水分の 移動が生じないしきい値(始動動水勾配)が存在する可能性 *2:高岡秀明ほか,“コンクリート中の微速透水現象の支配メカニズムとダルシー則適用性に関する研究”,セメント・コンクリート論文集、№59(2005) ・一方、実際に「NR廃棄物」とする場合に着目すべき浸透は… 点検作業時等における冷却水等(液体)との比較的短期間の接触 接触した液体のコンクリート中への浸透の有無・浸透深さ 土木分野等、一般的に蓄積された知見と異なる浸透挙動 有意な流動・水頭圧がない短期間の接液環境での 基礎架台コンクリート等の浸透性(止水性)に着目 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-5-3 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) 背景と目的(3/3) ・基礎架台コンクリート等を「NR廃棄物」 とする場合… “浸透汚染が必ずしも否定できない 範囲”が存在 Fugen Decommissioning Project =ひび割れがある場合= ひび割れ の深さ 放射性物質 との接触 ひび割れ 放射性物質 との接液 放 射性 物質 等 の 浸透 が否 定 できない範囲 コンクリートの 表面性状 (塗膜・ひび割れ等) 浸透範囲 浸透範囲で分離 放射性物質等の 浸透がない範囲 ひび割れ の深さ 浸透範囲 【目的】 “浸透汚染が必ずしも否定できない 範囲”を特定・分離するための評価 方法を構築 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 基礎架台コンクリート 放射性廃棄物等 として処分 (クリアランスを含む) NR 廃棄物 として処分 基礎架台コンクリート等への NRの適用概念(例) 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 21 - 資料 28-5-4 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 基礎試験の概要_①位置付け(目的等) 基礎架台コンクリート等を「NR廃棄物」として搬出するため… “浸透汚染が必ずしも否定できない範囲”が存在する可能性を考慮 考慮すべき“浸透汚染が必ずしも否定できない範囲”を 特定・分離する評価方法の構築が必要 基礎架台コンクリート等を模擬した供試体により、浸透性(止水性)を評価 1.コンクリートへの浸透挙動の確認(基礎試験):H24年度 着目点1)コンクリートへの浸透性 着目点2)ひび割れ深さの評価 着目点3)ひび割れ深さと浸透範囲の関係 供試体を用いたコールド試験 により評価 2.コンクリートの表面性状と浸透範囲に係るデータの拡充:H25年度~ 3.成果の取りまとめ:~H26年度(目途) 4.現場への適用:H26年度以降(目途) ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-5-5 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 基礎試験の概要_②供試体の準備 ひび無、塗膜有供試体 供試体の種類 (NC-P型:2体) 塗膜の有無による比較・評価 ひび無、塗膜無供試体 (NC-NP型:2体) 浅ひび有、塗膜無供試体 ひび有無による比較・評価 (Cs-NP型:2体) 深ひび有、塗膜無供試体 ひびの深浅による比較・評価 (Cd-NP型:2体) 共通仕様 :普通ポルトランドセメント(OPC) セメント 水/セメント比 :約60% :22.06N/mm2目途(実績:材齢7日で21.2~23.7N/mm2) 圧縮強度 :7日(ひび割れの導入時点) 材齢 形状(初期) :ひび有供試体…150mm×200mm×600mmの直方体 ひび無供試体…100mm×100mm×400mmの直方体 (各試験に応じたサイズに加工して使用) ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 22 - 資料 28-5-6 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 基礎試験の概要_③ひびの導入 ●一部の供試体 (Cs-NP型及びCd-NP型)にひびを導入 拡大図 曲げ試験機 載荷 スリット(幅0.1×深さ5mm) 供試体 荷重計 供試体 ひび スリット 変位計 供試体 拡大図 ひび導入時の状況 スリット部に応力を集中させてひびを導入 予め薄膜シートを挿入し、供試体を型枠内に成形 (微細スリットを形成し、ひび導入時に応力を集中させる目的) 脱型後、供試体の中央部へ曲げ応力を1点載荷 スリットの変位及び目視確認しながら微細なひびを導入 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-5-7 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 基礎試験の概要_④ひび割れ深さの測定 ●超音波法でひび割れ深さを測定し、他の方法による結果と比較・評価 切開面の電子顕微鏡 による観察 X線CT装置の 断層写真による評価 ひび割れ部 ひび割れ部 超音波法による測定状況 ←X線CTによる観察像 電子顕微鏡による観察像→ (1.5倍像) 超音波法と異なる手法でひび割れ深さを精度よく同定し、 超音波法の測定結果を保守的に補正するロジックを別途評価 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 23 - 資料 28-5-8 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 基礎試験の概要_⑤浸漬試験 浸漬の要件 ●汚染水を模擬した溶液中へ供試体を浸漬 Co-60(「ふげん」の主要汚染核種)の挙動を模擬 コンクリートを腐食させない高濃度のCo元素を含有 溶液中での有意な流動・水頭圧を排除 比較的短期間(2日)と比較的長期間(28日)浸漬 トレイ中で硝酸コバルトの飽和溶液へ浸漬し、 評価面からの浸透有無・範囲を別途評価 10.0 試験体重量(kg) (溶液中のpHは安定) 6 pH 浸漬の状況 8 4 2 浸漬前の状況 (供試体重量変化なし) 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 0 0 7 14 21 0 28 1 20 10 28 経過日数(日) 【NC-P-L】 【NC-NP-L】 【Cs-NP-L】 【Cd-NP-L】 経過日数(日) pHの経時変化 供試体重量の経時変化 浸漬後の供試体外観 酸による腐食・溶解等、供試体への著しい変化がないことを確認 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-5-9 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 基礎試験の概要_⑥浸透範囲の評価(1/2) ●浸漬後のひび無供試体を切開、Co元素(硝酸コバルト)の浸透範囲を観察 ひび無、塗膜無供試体(NC-NP型) ひび無、塗膜有供試体(NC-P型) イ)PIXEでの評価結果 イ)PIXE*3での評価結果 [mm] 浸透面 0 Co固有の特性X線 が有意に検出されず ひび割れ無 10 0 0 Co元素の 検出無 浸透なし 20 40 20 ロ)EPMA*4での評価結果 [mm] ひび割れ無 CoO 含有量(mass%) 20 0 (電子顕微鏡の観察像を含む) Co固有の特性 X線が有意に検 出されず 分析面(観察像) CoO 含有量(mass%) 骨材位置に 微細な間隙 Co固有の特性 X線が一部で 検出 4cm 4cm Co元素の 検出無 *3:PIXE-粒子励起X線を用いた分析装置 *4:EPMA-電子線マイクロアナライザ装置 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 浸透なし ロ)EPMAでの評価結果 (電子顕微鏡の観察像を含む) 分析面(観察像) Co固有の特性X線 が有意に検出されず ひび割れ無 10 Co元素の 検出無 20 浸透面 [mm] 拡大図 浸透なし 骨材近傍の空隙を基点と した毛細管現象と判断 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 24 - Co元素を 一部で検出 表層の骨材近 傍の一部に浸 透あり 資料 28-5-10 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 基礎試験の概要_⑥浸透範囲の評価(2/2) ●浸漬後のひび有供試体を切開、Co元素(硝酸コバルト)の浸透範囲を観察 深ひび有、塗膜無供試体(Cd-NP型) 浅ひび有、塗膜無供試体(Cs-NP型) イ)PIXEでの評価結果 イ)PIXEでの評価結果 [mm]ひび割れ箇所 [mm] ひび割れ箇所 浸透面 0 Co固有の特性X線 がひび割れに沿っ て検出 Co元素を検出 (≒浸透範囲) 15 0 [mm] 15 30 ひび割れ部 にCoが浸透 ロ)EPMAでの評価結果 (電子顕微鏡の観察像を含む) CoO 含有量(mass%) 拡大図 ひび割れ箇所 15 0 [mm] ロ)EPMAでの評価結果 分析面(観察像) Co固有の特性X線 がひび割れに沿っ て検出 Co元素を検出 (≒浸透範囲) ひび割れ部 にCoが浸透 30 15 浸透面 0 Co固有の特性X 線がひび割れに 沿って検出 (電子顕微鏡の観察像を含む) 分析面(観察像) CoO 含有量(mass%) ひび割れ箇所 4cm 4cm 拡大図 Co固有の特性X 線がひび割れに 沿って検出 4cm 4cm Co元素を検出 (≒浸透範囲) ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 ひび割れ部 にCoが浸透 Co元素を検出 (≒浸透範囲) ひび割れ部 にCoが浸透 資料 28-5-11 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 基礎試験の結果(1/2) ◆結果1)有意な流動・水頭圧がない接液環境でのコンクリートの浸透性 基礎試験での少数の供試体による定性的な推察として… ひび割れがないコンクリートで防水塗膜がある場合(NC-P型)、溶液中 に供試体を浸漬しても内部には浸透しない ひび割れがないコンクリートで防水塗膜がない場合(NC-NP型) 、溶液 中に供試体を浸漬しても基本的には内部には浸透しない ただし、表層部に骨材が存在する場合、骨材近傍の空隙を基点とした 毛細管現象により内部に浸透する可能性が否定できない ひび割れを有するコンクリートの場合(Cs-NP型及びCd-NP型)、溶液中 に供試体を浸漬するとひび割れに沿って溶液が内部に浸透する 浅いひび(Cs-NP型)と深いひび(Cd-NP型) とを比較した結果、ひび割 れの深さの程度によって浸透範囲に特徴的な差異は確認できない ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 25 - 資料 28-5-12 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 基礎試験の結果(2/2) ◆結果3)ひび割れ深さと浸透範囲の関係 ◆結果2)超音波によるひび割れ深さの評価 8 4 0 [mm] 0 4 8 12 16 超音波法(ひび割れ深さ) 超音波法と X線CTの相関 16 12 75 PIXE(浸透範囲) 12 [mm] 16 100 電子顕微鏡(ひび割れ深さ) X線CT(ひび割れ深さ) [mm] [mm] 16 50 25 ※評価対象外 (今後精査) 0 0 25 50 75 8 4 0 [mm] 100 0 4 8 12 [mm] 超音波法(ひび割れ深さ) 超音波法(ひび割れ深さ) (参考)超音波法と 電子顕微鏡の相関※ 超音波法と PIXEの相関 超音波法とX線CTは概ね相関傾向 骨材近傍の空隙 を基点とした毛 細管現象と想定 12 EPMA(浸透範囲) [mm] 16 8 4 0 0 4 8 12 [mm] 16 超音波法(ひび割れ深さ) 超音波法と EPMAの相関 超音波法によるひび割れ深さとPIXE及び EPMAによる浸透範囲は概ね相関傾向 比較的簡便な超音波法を現場に適用し、 ひび割れ深さを評価できる見通し 「NR廃棄物」とするための分離範囲(浸透 汚染が必ずしも否定できない範囲)を、超 音波法(ひび割れ深さの測定値)により見 極めることができる見通し ※電子顕微鏡の結果は他と異なる傾向を示しており今後精査が必要 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-5-13 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 基礎試験のまとめ 基礎架台コンクリート等を「NR廃棄物」とするための推察として… 現場の表面塗膜はコンクリート内部への放射性物質等の浸透を防止でき ている ただし、表面にひび割れ等がある場合、保守的には接液によりコンクリー ト内部へ浸透していると捉えることが必要 このひび割れ深さと浸透範囲の関係は概ね相関傾向 また、超音波法の測定結果を保守的に補正することで、ひび割れ深さを精 度よく見極めることが可能 このため、比較的簡便な超音波法により現場でひび割れ深さを測定する ことで、基礎架台コンクリート等内部への浸透範囲を評価することが可能 いずれも少数の供試体による推察であることから、「NR廃棄物」の判定に 必要となる“浸透汚染が必ずしも否定できない範囲”を同定するため、保守 性も担保した評価方法の構築に向けて、データ数の拡充が必要 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 26 - 資料 28-5-14 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 今後の進め方(1/4) ●H25年度の評価計画 1)供試体の製作 ※成形時に薄膜を挟み込み、生じる間隙でひび割れを代替し供試体製作を合理化 2)超音波法によるひび割れ深さの測定 3)ひび割れ深さの詳細測定(超音波法との比較を含む) 4)汚染水を模擬した溶液への浸漬 5)ひび割れ深さの詳細観察(電子顕微鏡観察等) 6)浸透範囲の評価(PIXE・EPMA等による観察) 7)ひび割れ深さ(超音波法)と浸透範囲の相関性評価 8)浸透範囲を保守的に評価する方法(相関式等)の整理 ※統計的な補正も含め“浸透汚染が必ずしも否定できない範囲”の保守性を担保 有意な流動・水頭圧がない接液環境下における「ひび割れ深さと浸透範囲の 相関関係」構築に向け、計器誤差や骨材近傍の毛細管現象等も考慮した保守 性を担保するため、データ数(供試体数)の拡充を図り、成果を取りまとめる ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-5-15 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 今後の進め方(2/4) ●基礎試験結果で確認された非保守性の課題 8 4 0 [mm] 0 4 8 12 16 [mm] ※ひび無供試体のデータを含む [mm] ※ひび無供試体のデータを含む 16 100 75 50 12 ひび測定値の 非保守範囲 25 ※評価対象外 (今後精査) 0 0 25 50 75 100 超音波法(ひび割れ深さ) 超音波法と X線CTの相関 (参考)超音波法と 電子顕微鏡の相関※ 8 4 0 4 8 12 [mm] 超音波法(ひび割れ深さ) 超音波法と PIXEの相関 横軸を超音波法の測定値(ひび割れ測 定値(仮称))とした場合には… 「ひび割れ測定値(仮称)」では、実際の ひび割れ深さを保守的に評価でき ていない可能性 (計器誤差等に起因する非保守性 が潜在) [mm] ※ひび無供試体のデータを含む 16 浸透範囲の 非保守範囲 12 0 [mm] 超音波法(ひび割れ深さ) 16 8 4 0 0 4 8 12 [mm] 16 超音波法(ひび割れ深さ) 超音波法と EPMAの相関 また、横軸の「ひび割れ測定値(仮称)」を浸 透範囲とした場合には… 「ひび割れ測定値(仮称)」の指標では、浸 透範囲全てを除去できない可能性*5 *5:ひび割れ深さ:浸透範囲=1:1と仮定した場合 (骨材近傍の毛細管現象等に起因 する非保守性が潜在) ※電子顕微鏡の結果は他と異なる傾向を示しており別途調査予定 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 浸透範囲の 非保守範囲 EPMA(浸透範囲) 12 ひび測定値の 非保守範囲 PIXE(浸透範囲) X線CT(ひび割れ深さ) 16 電子顕微鏡(ひび割れ深さ) [mm] ※ひび無供試体のデータを含む 骨材近傍の空隙を基点とした毛細 管現象と想定する評価点 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 27 - 資料 28-5-16 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 今後の進め方(3/4) ●課題への対応案①:計器誤差を考慮した保守性の担保 [mm] [mm] 20 骨材近傍の空隙を 基点とした毛細管現 象と想定する評価点 5 +5mmの補正 5 10 15 浸透範囲(EPMA等) 10 0 □補正前 ◆補正後 10 5 +5mmの補正 0 [mm] 20 0 超音波法による測定値 5 10 15 [mm] 20 超音波法による測定値 横軸を超音波法による「ひび割れ測定値(仮称)」 に+5mm(超音波法の公称計器誤差)で補正し 「ひび割れ評価値(仮称)」とすることで… 補正した「ひび割れ評価値(仮称)」は、 実際のひび割れ深さより保守的な 評価となる見通し (計器誤差等に起因する非保守性 は解消する見通し) ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 浸透範囲の 非保守範囲 15 □補正前 ◆補正後 0 20 【浸透範囲】 ひび評価値の 15 非保守範囲 真のひび割れ深さ(X線CT等) 【ひび割れ深さ】 ただし、横軸の「ひび割れ評価値(仮称)」を 浸透範囲とした場合でも… 「ひび割れ評価値(仮称)」の指標では、 浸透範囲全てを除去できない可能性 が残存 (骨材近傍の毛細管現象等に起因す る非保守性が必ずしも解消できない 可能性) 資料 28-5-17 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 今後の進め方(4/4) ●課題への対応案②:骨材径も考慮した保守性の担保 [mm] 40 【浸透範囲】 ひび評価値の 非保守範囲 30 [mm] 40 浸透範囲(EPMA等) 真のひび割れ深さ(X線CT等) 【ひび割れ深さ】 浸透範囲の 非保守範囲 30 □補正前 ◆補正後 20 □補正前 ◆補正後 20 +25mmの補正 10 0 [mm] 0 10 20 30 +25mmの補正 10 40 0 0 超音波法による測定値 10 20 30 [mm] 40 超音波法による測定値 横軸を超音波法による「ひび割れ測定値(仮称)」 また、横軸の「浸透深さ(仮称)」を浸透範囲と に+5mm(計器誤差)で補正した「ひび割れ評 することで… 骨材の間隙からの浸透挙動も考慮で 価値(仮称)」 に加え、「間隙等補正係数(仮称)」とし き、浸透範囲全てを除去できる見通し て+20mm(供試体の骨材径で代替)を付加し て補正し、「浸透深さ(仮称)」とすると… (骨材近傍の毛細管現象に起因す る非保守性も解消する見通し) 補正した「浸透深さ(仮称)」は、実際のひび H25年度の評価作業をとおして、統計 割れ深さより保守的な評価となる見通し 的処理も加味し、成果を取りまとめる (より一層の保守性の担保) ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 28 - 資料 28-5-18 JAEA-Review 2013-049 2.4 トリチウム除去における常温真空乾燥 及び重水残留量の推測法の実機適用 Fugen Decommissioning Project トリチウム除去における常温真空乾燥 及び重水残留量の推測法の実機適用 技術開発部 開発実証課 門脇 春彦 報告概要 ➢「ふげん」のトリチウム汚染の特徴・従来法のトリチウム除去 ➢重水回収・トリチウム除去の実績 ➢課題とトリチウム除去技術の高度化 ➢B‐重水浄化塔の常温真空乾燥 ➢重水残留量推測 ➢まとめと今後の検討 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-6-1 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 「ふげん」のトリチウム汚染の特徴 「ふげん」の重水系機器・配管類は原子炉の運転によりトリチウムによって汚染 重水中トリチウム濃度:2.6×108 Bq/cm3(平成15年3月-運転停止時) 残留重水 付着重水 酸化皮膜 DTO DTO HTO HTO 配管 水分子 結晶水 ○トリチウムの状態 ・残留重水及び付着重水(水分子)と 酸化皮膜中重水(結晶水) ○酸化皮膜中トリチウム ・付着重水除去後に空気中に拡散 ○トリチウム放出率(常温環境下) ・付着重水除去直後:~102 Bq/cm2/hour ・2000時間~3000時間経過後:~10-2 Bq/cm2/hour このような特徴の汚染に鑑みトリチウムの除去には以下の方法が有効 ①残留重水のドレンアウト(重水回収) ②ドレンアウト後の通気乾燥や真空乾燥による残留重水・付着重水除去 (重水の乾燥回収・トリチウム除去) ③付着重水除去後の酸化皮膜中トリチウムの空気置換(トリチウム除去) ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 29 - 資料 28-6-2 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 従来法のトリチウム除去 ステップ2 重水の乾燥回収 トリチウム除去 ステップ1 重水回収 対象機器・配管類全域に加熱ヒータを取付けることが可能か? YES NO *主な乾燥処理は常温通 対象機器・配管類の構造・内容積を考慮した場合、加熱真空乾燥が可能か? YES NO 気乾燥と加熱真空乾燥 ステップ2-3 常温通気乾燥* 対象物 ステップ2-1 加熱真空乾燥* 対象物 ステップ2-2 加熱通気乾燥 対象物 トリチウム除去装置 除湿 機 除湿 機 除湿 機 非常用ガス 処理系 ヒーター (または圧力を制限した真空乾燥) ヒーター 真空ポンプ (または圧力を制限した真空乾燥) 作業期間 長期 作業期間 短期 作業期間 中期 カランドリアタンク及び周辺機器・配管 ヘリウム浄化系室、ポイズン溶解槽室、重 水浄化系室 重水ドレンタンク等の比較的 小容量の貯槽類 重水貯槽、劣化重水貯槽等の容量が 大きい貯槽類 トリチウム防護具(エアラインマスク)の着用無しで解体撤去が可能なレベル (作業環境空気中濃度:8×10-2 Bq/cm3)を目標とした処理 クリアランスレベルを目標とし た処理(必要に応じて実施) ステップ3 空気置換による酸化皮膜中のトリチウム除去 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-6-3 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 重水回収・トリチウム除去の実績工程 平成 20年度 (1)弁操作による重水 の抜き出し (2)重水循環ポンプ用 熱交換器のトリチウム 除去 (3)原子炉補助建屋の 残留重水回収・トリチ ウム除去(系の開放を 伴う重水回収を含む) 平成 21年度 平成 22年度 平成 23年度 平成 24年度 平成 25年度 平成 26年度 重水回収:約240 m3 残留重水・付着重水(含トリチウム)除去方法の 実機適用性評価試験 回収:約100 L 回収:約5 L 作業中 (4)カランドリアタンク等 のトリチウム除去 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 30 - 資料 28-6-4 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 重水回収・トリチウム除去の実績のまとめ ・開放を伴う重水回収と通気・真空乾燥(平成25年8月末における実績) 原子炉補助建屋 重水回収・トリチウム除去方法 A:開放を伴う重水回収 a:常温通気乾燥 b:加熱通気乾燥 c:加熱真空乾燥 d:常温真空乾燥 e:常温で空気置換 :作業完了 原子炉建屋 階 主な機器 重水回収 トリチウム除去* (Bq/cm3) 3F カランドリアタンク 重水冷却器 A 実施中 A 完了 A 完了 a 熱交換器 R/B重水ドレンタンク ヘリウム浄化系室 ポイズン供給系 実施中 主な機器 重水回収 再結合器 脱湿器 ポイズン溶解槽 トリチウム除去* (Bq/cm3) A 完了 c,e 検出限界値以下 A 完了 c,e 検出限界値以下 A 完了 a,d A 完了 d 準備作業 A 完了 d 準備作業 2F ダンプタンク 重水循環ポンプ用 系統・エリア a,b, 検出限界値以下 c,e 今後実施 a,d 予定 1F 重水浄化系室 B1F 劣化重水貯槽室 B2F 重水貯槽室 重水浄化塔 ポイズン除去塔 劣化重水貯槽 浄化系重水貯槽 重水貯槽室 A/B重水ドレンタンク 実施中 *残留重水・付着重水を十分除去後、系を開放した状態での作業エリア内のトリチウム濃度 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-6-5 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 課題とトリチウム除去技術の高度化 No. 課題 評価内容 コールド試験 実機試験 ① 大型除湿機が設置できない狭隘 箇所を有する系統の乾燥 (主に重水冷却系) 小型可搬式除湿機の適用性 ○ ○ ② ヒーター設置が困難、かつ、常温 通気乾燥に適さない部分の乾燥 (通気流路以外の部分) 常温真空乾燥法の有用性 ○ 未 ③ 重水残留量の把握 (カランドリアタンクを含む重水冷 却系、重水浄化系) 重水残留量推測法の 精度及び実機適用性 ○ 未 実機(対象:B-重水浄化塔)を用いて、②常温真空乾燥法の有用性及び③重水 残留量推測法の精度及び適用性について評価した。 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 31 - 資料 28-6-6 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 【②常温真空乾燥法の評価】試験の概要 膜モジュール 熱交換機 チラーユニット B-重水浄化塔 φ850×H 3170 mm 配管径:φ15~78 mm 配管長:約20 m 回収タンク 除湿機に接続 B-重水浄化塔を含む常温真空 乾燥の範囲(容積:約1.8㎥) ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 ブロワ 水バブラ 真空ポンプ モニター兼 制御パネル 【装置仕様】 設計思想:小型可搬式 高気密 通気乾燥・真空乾燥両用型 除湿方式:膜分離・冷却凝縮(通気乾燥) :冷却凝縮(真空乾燥) 定格風量:ベローズポンプ 50 L/min.(通気乾燥) :スクロールポンプ 250 L/min.(真空乾燥) 大きさ:L 0.8 m×W 0.6 m×H 1.8 m 除湿機の概要 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) 資料 28-6-7 Fugen Decommissioning Project 【②常温真空乾燥法の評価】 B-重水浄化塔の状況 水が厚く付着 3170 mm 塔中部 Φ850 mm 樹脂はほぼ全て除去 1.8 m3 塔下部 B-重水浄化塔 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 同型器(樹脂洗浄塔)の写真 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 32 - 資料 28-6-8 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 35 30 25 20 15 10 5 0 -5 -10 系統温度 重水回収量 (L) 系統温度及び露点 (℃及び℃(dp)) 【②常温真空乾燥法の評価】 B-重水浄化塔の常温真空乾燥 露点 200 300 時間 (hour) 100 0 14 12 10 8 6 4 2 0 0 400 乾燥作業 終了 12.7L 100 200 300 400 時間 (hour) B-重水浄化塔の常温真空乾燥における(左)系統温度及び露点 並びに(右)重水回収量の経時変化 条件 実効排気量:86~100 L/min、室温:10~30℃ 操作:5.5 h吸引した後、バルブ操作により真空状態で保持 ・重水回収量が12.7 Lまで増加し、その後回収の増加がほぼ停止した。 ・常温真空乾燥により、B-重水浄化塔のトリチウム水がほぼ除去できた。 ・回収量は本操作の前に実施した常温通気乾燥の2.4 Lと合わせて15.1 Lとなった。 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-6-9 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 【②常温真空乾燥法の評価】 真空乾燥における加熱処理と常温処理の比較 常温処理の真空排気速度を加熱処理の 速度(250 L/min.)に補正した場合 乾燥時間 (hour) 400 323 h 300 ●:加熱真空乾燥 □:常温真空乾燥 (実測値) 200 129 h (補正値) 100 約100 h 0 0 条件 10 20 30 重水回収量 (L) 40 50 加熱及び常温真空乾燥における重水回収量と乾燥時間の相関 加熱処理 常温処理 実効排気速度:250 L/min(推測値) 実効排気速度:~100 L/min(推測値) 温度(加熱):400 Wリボンヒーター 温度(室温):10~30℃ (3 m~5 m)20~30本布設 ・排気速度が同じ条件では、加熱真空乾燥と比較して、常温真空乾燥は乾燥に要する時間が長かった。 ・実機のトリチウム除去に対し、常温真空乾燥は十分実用的である。 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 33 - 資料 28-6-10 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 【③重水残留量測定方法の評価】熱量計算による残量推測の概念 蒸発による 吸熱 通気 室温 水温 (温度変化量) 温度差により発生 する外部からの入熱 ある温度で一定になる 回収水 (水の蒸発量) 残留水の蒸発の状況 通気蒸発時の入熱 ≒ 通気停止直後の入熱 (入熱は水の蒸発に消費される) (入熱は水の加温に消費される) 外部からの入熱 通気蒸発時の入熱 = 水の蒸発量×蒸発潜熱 通気停止直後の入熱 = 水の残量×比熱×温度変化量 水の残量 = ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 水の蒸発量×蒸発潜熱 比熱×温度変化量 資料 28-6-11 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 【③重水残留量測定方法の評価】実機の残留量推測の課題 コールド試験のまとめ 熱量計算による残留水量の推測について、通気乾燥により技術成立性を確認。 実機試験 【課題】 ①機器がコンクリート遮蔽内に設置されている。 ②機器にアクセス可能でも、容器壁が厚い等、簡単には水温を測定できない。 ※残留水の水温を直接取得することが困難 (別の方法による水温の取得が必要) 【検討】 水蒸気圧から水温を推測することを試みた。このために乾燥方法に常温真空乾燥 を適用し、真空吸引によって蒸発冷却された水が、室温によって加温されている時の 水蒸気圧から、水温を推測する。 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 34 - 資料 28-6-12 JAEA-Review 2013-049 30 3000 35 25 2500 30 20 2000 15 1500 10 1000 ○:水温 ◇:水蒸気圧 5 0 0 50 100 時間(min) 水温(℃) 水蒸気圧(Pa) 水温(℃) Fugen Decommissioning Project 【③重水残留量測定方法の評価】 蒸発冷却された水の室温加温中における水蒸気圧と水温の関係 (コールド試験) 150 真空乾燥停止後の水温と水蒸気圧の 経時変化 25 20 15 10 5 500 0 水蒸気圧と水温の関係式 y = 0.0118x - 2.2172 水温と 水蒸気圧の 関係を 再プロット 0 0 500 1000 1500 2000 水蒸気圧(Pa) 2500 真空乾燥停止直後の水蒸気圧と水温の関係 条件 方法:常温真空乾燥、設定圧力:吸引限界(およそ2.6×102 Pa) 室温:26~27℃、模擬容器仕様:閉止20A配管、配管長120 mm、水量:25 mL 真空乾燥を停止し、真空保持直後の加温初期において、水蒸気圧と水温に関係 があることを確認した。推測精度は高くないと予想されるが、水蒸気圧から水温を 推測することができる。 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-6-13 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 【③重水残留量測定方法の評価】真空法を応用した重水残留量の推測 ①平衡時の外部からの入熱の計算 予備作業:推測試験の前に、実機から空気成分を 排気した。試験は加温-吸熱のほぼ平衡状態に移 行してから実施した。 回収速度:0.887 g/min.、水の蒸発潜熱(重水):2274 J/g 1350 入熱速度:0.887 ×2274 = 2017 J/min 真空保持 重水蒸気圧 (Pa) 真空吸引 1300 ②真空保持時の熱量計算 保持初期:1237 Pa→12.6℃、20 min後:1299 Pa→13.4℃ 水の昇温速度:0.04℃/min. 残留水量:x g、水の比熱:4.2 J/g℃ 加温-吸熱 ほぼ平衡状態 1250 重水の加温に使われた熱の消費速度 0.04×x×4.2 = 0.168x J/min. 1200 水蒸気圧の上昇速度:3.125 Pa/min. 容器体積:1.8 m3 蒸発速度:0.0476 g/min.(気体状態方程式より) 0 1 0.5 1.5 時間 (hour) 真空乾燥における重水蒸気圧力の経時変化 条件 排気速度:86 L/min.、温度:室温(16℃) 予め排気された後での真空吸引において、やや重水蒸気 圧が低下傾向であるが、1250 Pa程度で一定であった。真 空保持すると重水蒸気圧は急激に上昇した。 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 水の蒸発に使われた熱の消費速度 0.0476×2274 = 108 J/min. ③熱量計算による残留水量の推測 ①の熱量 = ②の熱量 2017 J/min. = 0.168x J/min. + 108J/min. 残留水量:x = 10.3 L 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 35 - 資料 28-6-14 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 【③重水残留量測定方法の評価】残留水量の推測値と回収実測値の比較 残留水量の推測 入熱 消費(加温) 消費(蒸発) 残留水量(推測値) J/min. J/min. J/min. L ① 2017 0.168x 108 10.3 【①~③統計処理】 平均13.6 L 2σ 5.7 L ② 1450 0.0834x 57.4 15.3 ※最大残量:19.3L ③ 1836 0.107x 73.3 15.2 条件 排気速度:86 L/min.、温度:室温(16℃)、吸引時間 :3.5 h、保持時間:20 min. 残留水量(推測精度) ①81.1% ②79.5% ③80.3% 回収実測値 12.7 L 推測精度% = (1- |推測値-実測値| )×100 実測値 3回の推測により最大残量が19.3 Lとなり、回収実測値は12.7 Lであった。 回収実測値が推測残量の範囲内にあることを確認した。トリチウム除去工事の 計画に本推測法をもって最大残量を評価することにより、設定期間を超えない 確実な工事期間が計画できる。 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-6-15 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project まとめと今後の予定 【試験項目】 【試験結果】 【今後の予定】 常温真空乾燥法 の有用性の評価 常温真空乾燥は加熱真 複数機器・配管の一括真空乾燥と、対象の規模が大 空乾燥に比べて、やや きい条件での一括真空乾燥のデータを取得する。 乾燥効率が低いものの、 ⇒取得データを基に、実作業の効率化に資する。 十分実用的であることが ①A‐重水浄化塔、A・B‐ポイズン浄化塔、重水化塔(1.8 m3×5塔) の一括乾燥 確認できた。 ②劣化重水貯槽(13 m3及び30 m3)、重水貯槽(75 m3×2槽)及び周 辺機器の一括乾燥 ※乾燥を進めていく上で、機器・配管の加熱が可能な場合は、加熱 真空乾燥とする。 重水残留量推測 法の精度及び実 機適用性の評価 常温真空乾燥法の応用 常温真空乾燥法を用いて、トリチウム除去実施予定 により、対象系統内の重 箇所の重水残留量を推測する。 水残留量を推測できる ⇒重水残留量と乾燥効率を工事計画に反映する。 対象①:A‐重水浄化塔、A・B‐ポイズン浄化塔、重水化塔 見通しが得られた。 3 (1.8 m ×5塔)の一括乾燥範囲 対象②:劣化重水貯槽(13 m3及び30 m3)、重水貯槽(75 m3×2槽) 及び周辺機器の一括乾燥範囲 対象③:カランドリアタンク内の重水残留量推測について検討する。 (ただし、カランドリアタンクは設計上真空に耐えない強度であり、残 量推測法の高度化が必要⇒通気法と真空法を併用して残量を推定 することを試みる。) ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 36 - 資料 28-6-16 JAEA-Review 2013-049 3. 福島第一原子力発電所の廃止措置技術に係る「ふげん」の取組みの状況報告 本章は、第 28 回ふげん廃止措置技術専門委員会において、福島第一原子力発電所の廃止措置技 術に係る「ふげん」の取組み状況として報告した、福島第一原子力発電所の炉内解体を想定した 熱的及び機械的切断技術による適用性試験の発表資料を取りまとめたものである。 - 37 - JAEA-Review 2013-049 3.1 福島第一原子力発電所の炉内解体を想定した 熱的及び機械的切断技術による適用性試験 Fugen Decommissioning Project 福島第一原子力発電所の廃止措置技術に係る「ふげん」の取組みの状況報告 福島第一原子力発電所の炉内解体を想定した 熱的及び機械的切断技術による適用性試験 技術開発部 技術開発課 報告概要 中村 保之 ➢想定される福島第一原子力発電所の炉内状況 ➢工法選定及び技術開発のフロー ➢プラズマアーク切断試験について ➢AWJ切断試験について ➢今後の試験計画(プラズマアーク、AWJ) ➢各工法の評価方法 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-7-1 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 想定される福島第一原子力発電所の炉内状況 2~3号機 1号機 溶融した燃料は圧力容器を貫通 し、格納容器の底部まで滴下し ている可能性有り 燃料は溶融したものの、一部は 炉心部に残り、一部は圧力容器 下部又は格納容器に滴下してい る可能性有り ※)東京電力㈱、“東京電力 福島第一原子力発電所1~3号機の炉心損傷状況の推定について”H23年11月30日より抜粋 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 38 - 資料 28-7-2 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 原子力機構における廃止措置等に向けた研究開発体制 福島技術開発本部長(松浦理事長) 本部長代理(伊藤理事:オフサイト担当) 本部長代理(上塚理事:オンサイト担当) ( H24/4/1新設 ) (H24/4/1組織再編) 復旧技術部 企画調整部 原子力科学研究所 原科研技術開発特別チーム 計画調整Gr 材料健全性評価技術開発Gr 臨界管理技術開発Gr 炉内状況解析技術開発Gr 燃料デブリ評価技術開発Gr 廃吸着材処理技術開発Gr 計量管理技術開発Gr 廃棄物分析Gr 福島第一原子力発電所サイト内 に係る燃料の処理技術、滞留水の 処理技術等の研究開発の総合調 整。 政府・東京電力中長期対策会議 の下での運営会議、研究開発推 進本部等を通しての対外対応。 福島環境安全センター 核燃料サイクル工学研究所 核サ研技術開発特別チーム 現地対応グループ 計画調整Gr プール燃料処理・保管技術開発Gr 燃料デブリ取扱技術開発Gr 廃棄物処理処分技術開発Gr 遠隔操作技術開発Gr 分析技術開発Gr 福島第二原子力発電所内に拠点を 設置。 福島第一原子力発電所サイト内の 汚染状況の調査、汚染水、瓦礫試料 等の採取、分析、輸送等に関するこ とを実施 大洗研究開発センター 大洗研技術開発特別チーム 計画調整Gr 燃料材料特性解明Gr 廃ゼオライト保管挙動評価Gr 検知機器技術開発Gr 炉内解体技術開発Gr ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-7-3 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) 実施体制について Fugen Decommissioning Project 【H24年 8/31以前の実施体制】 原子炉廃止措置研究開発センター (ふげん) 敦賀本部 レーザー共同研究所 レーザ―切断技術開発 熱的、機械的切断技術等の開発 大洗研究開発センター 技術開発課 福島支援対応チーム プラズマジェット切断技術開発 各切断技術開発成果の取りまとめ ・原子炉本体解体技術の知見 ・ふげん解体作業に反映 【H24年 9/1以降の実施体制】 大洗研究開発センターに炉内解体技術開発Gr.を設置 ふげん、レーザー研の担当者は大洗と兼務 炉内解体技術開発Gr. ・敦賀本部、大洗研究開発センターが一体的に研究開発を実施、共通試験体の製作、試験装置の共用 ・解体技術に係るノウハウの共有、施設解体に係る技術者の育成 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 39 - 資料 28-7-4 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 原子力機構が知見を有する切断技術の活用 原子力機構が知見を有する切断技術 「ふげん」原子炉解体に向けて切断試験や技術 開発等を行ってきたプラズマアーク、AWJ、レー ザーの各切断技術 - - + 高圧水 大洗研究開発センターの重水臨界実験装置 (DCA)解体に向けて技術開発を行ってきた プラズマジェット切断技術 高圧水+研掃材 プラズマアーク 作動ガス 考慮すべき取出し条件 ・狭隘構造 ・不定形状 ・水中雰囲気(気中も考慮) ・高線量 ・複数の金属の溶融再凝固 ・セラミック状(非鉄金属) 研掃材 + AWJ 陰 極 電 源 プラズマジェット - - - - - - - 陽 極 ノズル 切断対象物 プラズマジェット レーザー 原子力機構が知見を有する切断技術を活用して、切断試験を通じて切断データ取 得及び評価を行い、福島第一原子力発電所(1F)の炉内溶融金属等の取出しの ための切断条件及び工法毎の適用範囲等について取り纏めるとともに技術提案 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-7-5 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 工法選定及び技術開発のフロー 一般鋼材に対する基礎データ取得試験 (極端な条件変更の下で実施) Step1 平成24年度実施 評価(最適な切断条件を抽出) 一般鋼材に対する最適条件による切断試験 平成25年度 から実施 燃料デブリ&溶融再凝固物を想定した試験体に対する切 断試験(一般鋼材での最適条件による) Step2 Step3 溶融再凝固試験体 イメージ 実機適用(厚み、形状、性状)を考慮した切断試験 単一工法での最適条件を抽出 複数工法での手順条件を抽出 平成26年度 各切断工法の特徴を取り纏め、炉内の想定状況に応じた柔軟な工法選定に資する に実施 単一工法に絞るのではなく、各構造物に適した工法を抽出 単一の工法で対応が困難な場合は、複数の工法による切断を提案 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 40 - 資料 28-7-6 JAEA-Review 2013-049 プラズマアーク切断試験について Fugen Decommissioning Project プラズマ切断装置外観及び主要諸元 試験に使用したプラズマ切断装置(水中タンク)外観 プラズマ切断トーチ構造 - - 集じん機 タンク高さ 約3m + プラズマガス シールドガス スタンドオフ 切断部材 + プラズマアーク プラズマ切断装置主要諸元 項目 600A装置 定格電圧 200V 電流調整範囲 50~600A 200A装置 150V 備考 軸流方式 高いほどスタンドオフを長くできる 40~200A プラズマアークの出力電流 電極 プラズマガス Ar + H2 Ar + N2 水素の方がアーク電圧の上昇効果が高い シールドガス 空気 空気 サーマルピンチ効果、水中では空洞形成 トーチ方式 軸流方式 旋回流方式 プラズマガス 旋回流方式 右図参照 プラズマ ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) 資料 28-7-7 Fugen Decommissioning Project 主な試験項目及び切断条件 試験体仕様(材質・形状) 主要試験項目 以下のパラメータ差異による 切断能力への影響を確認 (1)切断雰囲気 (2)シールドガス流量 (3)スタンドオフ 材質 形状 S45C 階段形状 SUS304 矢形形状 主要試験条件 プラズマ出力 (A) 600(軸流方式) 切断雰囲気 200(旋回流方式) 気中、水中 プラズマガス種類/流量 (L/min) Ar+H2 / 40+20, 50+25, 60+20, 60+30, 60+40 Ar+N2/ 7+16, 16+16, 9+22, 16+7, 25+16, 22+10 シールドガス種類/流量 (L/min) Air/20, 40, 60, 80(水中) (※気中は、N2 / 40) Air / 80, 120, 130, 160, 185 スタンドオフ(mm) 5, 10, 15 切断方向 水平横向, 垂直下向(気中) 水平横向 水深 (m) 0.5 0.5, 2.0 15, 20, 30, 40, 50, 60, 100, 300 30, 50, 60 ,80, 100 切断速度(mm/min) ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 41 - 資料 28-7-8 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 切断試験状況 【動画】水中でSUS304をスタンドオフ5mmで切断 切断正面側 (試験体)矢型試験体 ステンレス鋼 板厚80~120mm (切断条件) プラズマ電流:600A 切断速度:50mm/min プラズマガス: Ar+H2/60+30 L/min シールドガス: Air:40 L/min スタンドオフ: 5mm (試験結果)切断深さ:最大約100mm、切断幅:約11mm ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 試験体側面 ノズル先端が損傷 資料 28-7-9 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project プラズマアーク切断試験結果(1/2) 200 220 50 0 120 出力600A 出力200A 150 100 (2) シールドガス流量の違いによる 切断能力影響確認(水中切断) 55%減少 70 100 29%減少 50 切断板厚(mm) 切断板厚(mm) 250 (1)切断雰囲気の違いによる 切断能力影響確認 水中(0.5m) 92 80 600A 200A プラズマガス(L/min) Ar+H2/60+30 Ar+N2/16+7 シールドガス(L/min) 40 80 切断速度(mm/min) 50 スタンドオフ(mm) 10 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 100 ガス流量は多すぎても 少なすぎても切断能力低下 50 40 600A 20 200A 20 切断雰囲気 切断条件 100 60 0 気中 100 100 40 60 40 80 160 シールドガス流量(L/min) 切断条件 切断雰囲気 600A 200A 水中 水中 プラズマガス(L/min) Ar+H2/60+30 Ar+N2/16+7 60 切断速度(mm/min) 50 60 5 スタンドオフ(mm) 10 5 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 42 - 資料 28-7-10 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project プラズマアーク切断試験結果(2/2) 切断後の試験体の一例 (3)スタンドオフの違いによる 切断能力影響確認(水中切断) 120 100 切断板厚(mm) 100 100 200A ノズル損傷 80 60 50 40 600A 側面 全体 40 アーク点火せず 20 0 5 10 15 0 (切断面側) スタンドオフ(mm) 切断条件 600A 200A 水中 水中 プラズマガス(L/min) Ar+H2/60+30 Ar+N2/16+7 シールドガス(L/min) 40 80 切断速度(mm/min) 50 60 スタンドオフ(mm) 10 5 切断雰囲気 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 トーチ側 トーチ反対側 (試験体) 矢型試験体 ステンレス鋼 板厚70~110mm (切断条件) プラズマ電流:600A、切断速度:50mm/min プラズマガス Ar+H2/60+30L/min、シールドガス Air 40L/min スタンドオフ:10mm、切断雰囲気 水中(0.5m) (試験結果) 切断深さ:最大約100mm、切断幅:表11mm・裏12mm 資料 28-7-11 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project まとめ(基礎データ取得に係る試験結果及び今後の計画) プラズマアークの切断性能に影響を与える以下の切断条件を確認 水中切断においては、シールドガスによる空洞形成の確保が重要であり、 装置に応じた適正なシールドガスの流量範囲(今回使用した装置では40~80L/min)を確認 放熱効果が大きい水中切断では、切断能力は切断物の予熱状態に大きく依存 装置に応じたスタンドオフによる切断可能範囲(今回使用した装置では5~15mm)を確認 実機適用を考慮して、さらに以下の切断データを取得・評価 実機では狭隘構造や不定形状等の事情から任意の切断方向から切断が必要となる可能性 ⇒ 切断方向に応じた空洞形成確保ためのシールドガス条件を抽出 水中での予熱方法の改善による切断能力の向上 ⇒切断前の切断対象への蓄熱、切断方法を検討 溶融再凝固物は一般鋼材とは物性が異なる ⇒ 燃料被覆管と炉内構造物との溶融再凝固を模擬した試験体による切断データの取得 ⇒ 溶融再凝固物における適用範囲を抽出 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 43 - 資料 28-7-12 JAEA-Review 2013-049 AWJ切断試験について Fugen Decommissioning Project AWJ切断工法の特徴 AWJ切断工法の主な特徴 「ふげん」が有するAWJの知見 周波数[Hz] 管内挿入型小型ヘッドの開発して実証済 濁水時の目視以外の切断状況 監視技術の開発等(特許取得済) 高圧水 強度 [dB] スタンドオフに対する自由度が高い 気中、水中での使用が可能 熱影響が少ない 切断材質を選ばない アブレイシブが二次廃棄物として発生 切断良好 アブレイシブ 切断不良 切断良好 経過時間[sec] 高圧水+アブレイシブ 小型切断ヘッド Φ80mm程度 切断状況監視技術 (音響監視による方法) AWJ切断工法 1F燃料デブリ及び炉内構造物の取出し作業への適用性の確認 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-7-13 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project AWJ切断試験設備・機器構成 噴射 高圧水 高圧ポンプ 最大吐出圧力: 370 MPa アブレイシブ (ガーネット) AWJ切断ヘッド 乾 式 ガーネット アブレイシブ供給装置 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 AWJ切断試験装置 (水槽及び切断ヘッド移動機構) 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 44 - 資料 28-7-14 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 主な試験項目及び切断条件 1Fの炉内状況は確認出来ていないことから、幅広く切断データを押さえておくことが重要 Step1: AWJの切断性能に影響を与える条件をパラメータとし、 一般鋼材に対する切断データの取得及び最適条件の抽出 Step2: 実機を想定し、燃料被覆管(Zry2)と炉内構造物(SUS304)の溶融再凝固物や 燃料デブリの物性を想定したセラミック等に対する切断データの取得及び適用性を評価 Step1の主な試験項目 (1) ポンプ吐出圧力及び切断速度の影響調査試験 (2) 切断雰囲気及びスタンドオフの影響調査試験 (3) 試験体材質の影響調査試験 切断条件 切断ヘッド 高圧 ポンプ アブレイシブ 供給装置 スタンドオフ ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 ポンプ吐出圧力(MPa) 200、300、370 アブレイシブ供給量(kg/min) 1.5 スタンドオフ(mm) 10、50、100 切断速度(mm/min) 5、10、15、30、50 切断雰囲気 気中、水中 資料 28-7-15 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) 試験体仕様 Fugen Decommissioning Project 試験体 材質 板厚※)(mm) 形状 ステンレス鋼 (SUS304) 炭素鋼 (S45C) 60~90、120~150、180~210、240~270、300~330 矢型 120~150、180~210、240~270、300~330 ※)基本仕様であり、試験毎に必要に応じて切断し、厚さを調整して使用 30mm 切断ヘッド進行方向 100mm 試験体の外観 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 45 - 気中切断の様子 資料 28-7-16 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project AWJ切断試験結果及び考察(1/2) (1) ポンプ吐出圧力及び切断速度の影響調査試験 300 切断深さが約100mm以 上でポンプ圧と比例しない 370MPa 300MPa 200MPa 300 150 100 50 切断深さ100mm程度までは、 ポンプ圧と切断深さは大よそ比例 0 0 20 40 切断速度 (mm/min) 300MPa(気中) 200MPa(気中) 200 370MPa(水中) 300MPa(水中) 150 200MPa(水中) 100 50 スタンドオフ長さに比例し て切断深さが低下 0 0 60 50 100 スタンドオフ(mm) 150 試験体材質:SUS304 アブレイシブ:ガーネット、1.5kg/min スタンドオフ:10mm 切断雰囲気:気中、水中 切断速度:5mm/min 試験体材質:SUS304 アブレイシブ:ガーネット、1.5kg/min スタンドオフ:10mm 切断雰囲気:気中 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 370MPa(気中) 250 200 切断深さ (mm) 切断深さ (mm) 250 (2)切断雰囲気及び スタンドオフの影響調査試験 資料 28-7-17 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project AWJ切断試験結果及び考察(2/2) 切断深さ (mm) (3)試験体材質の影響調査試験 300 290 280 270 260 250 240 230 220 210 200 切断後の試験体の一例 ステンレス鋼 (SUS304) 炭素鋼 (S45C) SUS304の切断深さは S45Cに比べ 10~15%程度低下 (表側) 200 250 300 350 吐出圧力(MPa) 400 試験体材質:SUS304 アブレイシブ:ガーネット、1.5kg/min スタンドオフ:10mm 切断雰囲気:気中 切断速度:5mm/min ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 46 - (裏側) (試験体) 矢型試験体 板厚250~280mm (切断条件) ポンプ圧:370MPa、切断速度:5mm/min スタンドオフ:10mm アブレイシブ:ガーネット、1.5kg/min 切断雰囲気:気中 (試験結果) 切断深さ:最大約270mm、切断幅:約3mm 資料 28-7-18 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project AWJ切断試験結果 まとめ AWJの切断性能に影響を与える以下の切断条件を確認 高圧ポンプの吐出圧力に対する切断深さは、 一定以上(板厚100mm程度)の切断深さから比例しない スタンドオフを増すと切断深さが低下(一定距離から低下割合増)することを確認 切断材質による切断深さの違いを確認 一般鋼材に対する切断条件を基に実機適用を想定した試験を実施 移動方向 切断ヘッド 溶融再凝固した炉内構造物は、表面が凸凹と想定 ⇒ 溶融再凝固試験体等を用いて 特徴であるスタンドオフを変更し切断データを取得 これまで試験で得られた最適な切断条件を基に 溶融再凝固した構造物 燃料デブリの物性を想定したセラミック試験体や 溶融再凝固試験体を用いて切断データを取得 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 資料 28-7-19 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) Fugen Decommissioning Project 今後の試験計画(プラズマ、AWJ) 実機適用を考慮した試験(Step2) ・切断角度及びスタンドオフによる影響確認 ・燃料被覆管とステンレス鋼の溶融再凝固 試験体に対する切断能力確認 ・圧力容器のクロム・モリブデン鋼に対する 切断能力確認等 溶融再凝固試験体 イメージ ・高圧ポンプ ・アブレイシブ 供給装置 ・切断方向に対する切断能力確認 ・複数回切断による切断能力確認 ・切断ヘッドとアブレイシブ供給装置間の 距離変更による影響確認(AWJ) ・切断ヘッド 1Fを想定したAWJ装置 仮レイアウト ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 47 - 資料 28-7-20 JAEA-Review 2013-049 Fugen Decommissioning Project 今後の工法抽出の進め方 各工法(プラズマアーク、プラズマジェット、レーザー、AWJ)のメリット、 デメリットを整理し、想定される福島第一原子力発電所の炉内の状況や 構造物の性状等を考慮し、適用性を評価 遠隔操作性を考慮し、遠隔ロボットの要求仕様に 影響を与える切断時の反力、振動等を評価 H26年度 単一工法に絞るのではなく、各構造物に適した工法を抽出 単一の工法で対応が困難な場合は、複数の工法による対応を提案 ・スタンドオフに影響を与える表面状態、狭隘環境、対象物の物性等を考慮 ふげん廃止措置情報 目的外使用・複製・開示禁止 原子力機構 原子炉廃止措置研究開発センター(ふげん) - 48 - 資料 28-7-21 JAEA-Review 2013-049 4. 講評 本委員会の石榑主査より、以下のご講評を頂いた。 ・「ふげん」で得られる炉心構造材試料採取技術開発等の成果は福島第一原子力発電所の廃 止措置に役立つと思われるので着実に進めて頂きたい。 ・レーザー切断に関し、ファイバーレーザーによる試験事例は少なく、興味深いデータが得 られていると思う。原子炉本体水中遠隔解体切断の基幹工法としてレーザーを選定しつつ、 対象物によって切断工法を選定していくことは重要である。福島第一原子力発電所への反 映も考慮して、水深が深いところも想定し、検討を進めて頂きたい。 ・コンクリートの浸透性調査は有意義であり、ある段階で実際の対象物と対比しながら検討 を進めていくことも必要である。 ・トリチウム除去等は、重水炉を保有する海外への成果の発信を考慮したデータの取り方を することも重要である。 ・東北地方太平洋沖地震等の影響により使用済燃料の搬出が繰り延べられていること等、全 体の計画の進捗がスローダウンしていることを時間的裕度が増したと捉え、軽水炉の廃止 措置を視野に入れながら腰を据えて研究開発を進めて頂きたい。 - 49 - This is a blank page. 国際単位系(SI) 表1.SI 基本単位 SI 基本単位 基本量 名称 記号 長 さメ ートル m 質 量 キログラム kg 時 間 秒 s 電 流ア ンペア A 熱力学温度 ケ ル ビ ン K 物 質 量モ ル mol 光 度 カ ン デ ラ cd 面 体 速 加 波 密 面 表2.基本単位を用いて表されるSI組立単位の例 SI 基本単位 組立量 名称 記号 積 平方メートル m2 積 立法メートル m3 さ , 速 度 メートル毎秒 m/s 速 度 メートル毎秒毎秒 m/s2 数 毎メートル m-1 度 , 質 量 密 度 キログラム毎立方メートル kg/m3 積 密 度 キログラム毎平方メートル kg/m2 比 体 電 流 密 磁 界 の 強 (a) 量濃度 ,濃 質 量 濃 輝 屈 折 率 比 透 磁 率 積 立方メートル毎キログラム 度 アンペア毎平方メートル さ アンペア毎メートル 度 モル毎立方メートル 度 キログラム毎立法メートル 度 カンデラ毎平方メートル (b) (数字の) 1 (b) (数字の) 1 乗数 24 10 1021 1018 1015 1012 109 106 103 3 m /kg A/m2 A/m mol/m3 kg/m3 cd/m2 1 1 102 101 ゼ タ エ ク サ Z E 10-2 ペ テ タ ラ P T ギ メ ガ ガ G M マイクロ ノ 10-9 ナ コ 10-12 ピ 10-15 フェムト キ ロ ヘ ク ト デ カ k h da d ° ’ 日 度 分 10-3 10-6 記号 セ ン チ ミ リ ト 10-18 ア 10-21 ゼ プ ト 10-24 ヨ ク ト d c m µ n p f a z y 1 d=24 h=86 400 s 1°=(π/180) rad 1’=(1/60)°=(π/10800) rad ” 1”=(1/60)’=(π/648000) rad ha 1ha=1hm2=104m2 L,l 1L=11=1dm3=103cm3=10-3m3 t 1t=103 kg 秒 ヘクタール リットル SI基本単位による 表し方 m/m 2/ 2 m m s-1 m kg s-2 m-1 kg s-2 m2 kg s-2 m2 kg s-3 sA m2 kg s-3 A-1 m-2 kg-1 s4 A2 m2 kg s-3 A-2 m-2 kg-1 s3 A2 m2 kg s-2 A-1 kg s-2 A-1 m2 kg s-2 A-2 K cd m-2 cd s-1 トン 表7.SIに属さないが、SIと併用される単位で、SI単位で 表される数値が実験的に得られるもの 名称 記号 SI 単位で表される数値 電 子 ボ ル ト ダ ル ト ン 統一原子質量単位 eV Da u 天 ua 文 単 位 1eV=1.602 176 53(14)×10-19J 1Da=1.660 538 86(28)×10-27kg 1u=1 Da 1ua=1.495 978 706 91(6)×1011m 表8.SIに属さないが、SIと併用されるその他の単位 名称 記号 SI 単位で表される数値 バ ー ル bar 1bar=0.1MPa=100kPa=105Pa 水銀柱ミリメートル mmHg 1mmHg=133.322Pa m2 s-2 m2 s-2 s-1 mol (a)SI接頭語は固有の名称と記号を持つ組立単位と組み合わせても使用できる。しかし接頭語を付した単位はもはや コヒーレントではない。 (b)ラジアンとステラジアンは数字の1に対する単位の特別な名称で、量についての情報をつたえるために使われる。 実際には、使用する時には記号rad及びsrが用いられるが、習慣として組立単位としての記号である数字の1は明 示されない。 (c)測光学ではステラジアンという名称と記号srを単位の表し方の中に、そのまま維持している。 (d)ヘルツは周期現象についてのみ、ベクレルは放射性核種の統計的過程についてのみ使用される。 (e)セルシウス度はケルビンの特別な名称で、セルシウス温度を表すために使用される。セルシウス度とケルビンの 単位の大きさは同一である。したがって、温度差や温度間隔を表す数値はどちらの単位で表しても同じである。 (f)放射性核種の放射能(activity referred to a radionuclide)は、しばしば誤った用語で”radioactivity”と記される。 (g)単位シーベルト(PV,2002,70,205)についてはCIPM勧告2(CI-2002)を参照。 表4.単位の中に固有の名称と記号を含むSI組立単位の例 SI 組立単位 組立量 SI 基本単位による 名称 記号 表し方 -1 粘 度 パスカル秒 Pa s m kg s-1 力 の モ ー メ ン ト ニュートンメートル Nm m2 kg s-2 表 面 張 力 ニュートン毎メートル N/m kg s-2 角 速 度 ラジアン毎秒 rad/s m m-1 s-1=s-1 角 加 速 度 ラジアン毎秒毎秒 rad/s2 m m-1 s-2=s-2 熱 流 密 度 , 放 射 照 度 ワット毎平方メートル W/m2 kg s-3 熱 容 量 , エ ン ト ロ ピ ー ジュール毎ケルビン J/K m2 kg s-2 K-1 比 熱 容 量 , 比 エ ン ト ロ ピ ー ジュール毎キログラム毎ケルビン J/(kg K) m2 s-2 K-1 比 エ ネ ル ギ ー ジュール毎キログラム J/kg m2 s-2 熱 伝 導 率 ワット毎メートル毎ケルビン W/(m K) m kg s-3 K-1 体 積 エ ネ ル ギ ー ジュール毎立方メートル J/m3 m-1 kg s-2 電 界 の 強 さ ボルト毎メートル V/m m kg s-3 A-1 電 荷 密 度 クーロン毎立方メートル C/m3 m-3 sA 表 面 電 荷 クーロン毎平方メートル C/m2 m-2 sA 電 束 密 度 , 電 気 変 位 クーロン毎平方メートル C/m2 m-2 sA 誘 電 率 ファラド毎メートル F/m m-3 kg-1 s4 A2 透 磁 率 ヘンリー毎メートル H/m m kg s-2 A-2 モ ル エ ネ ル ギ ー ジュール毎モル J/mol m2 kg s-2 mol-1 モルエントロピー, モル熱容量 ジュール毎モル毎ケルビン J/(mol K) m2 kg s-2 K-1 mol-1 照 射 線 量 ( X 線 及 び γ 線 ) クーロン毎キログラム C/kg kg-1 sA 吸 収 線 量 率 グレイ毎秒 Gy/s m2 s-3 放 射 強 度 ワット毎ステラジアン W/sr m4 m-2 kg s-3=m2 kg s-3 放 射 輝 度 ワット毎平方メートル毎ステラジアン W/(m2 sr) m2 m-2 kg s-3=kg s-3 酵 素 活 性 濃 度 カタール毎立方メートル kat/m3 m-3 s-1 mol 表5.SI 接頭語 記号 乗数 接頭語 Y シ 10-1 デ 表6.SIに属さないが、SIと併用される単位 名称 記号 SI 単位による値 分 min 1 min=60s 時 h 1h =60 min=3600 s (a)量濃度(amount concentration)は臨床化学の分野では物質濃度 (substance concentration)ともよばれる。 (b)これらは無次元量あるいは次元1をもつ量であるが、そのこと を表す単位記号である数字の1は通常は表記しない。 表3.固有の名称と記号で表されるSI組立単位 SI 組立単位 組立量 他のSI単位による 名称 記号 表し方 (b) 平 面 角 ラジアン(b) rad 1 (b) (b) (c) 立 体 角 ステラジアン sr 1 周 波 数 ヘルツ(d) Hz 力 ニュートン N 圧 力 応 力 パスカル , Pa N/m2 エ ネ ル ギ ー , 仕 事 , 熱 量 ジュール J Nm 仕 事 率 , 工 率 , 放 射 束 ワット W J/s 電 荷 電 気 量 クーロン , C 電 位 差 ( 電 圧 ) , 起 電 力 ボルト V W/A 静 電 容 量 ファラド F C/V 電 気 抵 抗 オーム Ω V/A コ ン ダ ク タ ン ス ジーメンス S A/V 磁 束 ウエーバ Wb Vs 磁 束 密 度 テスラ T Wb/m2 イ ン ダ ク タ ン ス ヘンリー H Wb/A セ ル シ ウ ス 温 度 セルシウス度(e) ℃ 光 束 ルーメン lm cd sr(c) 照 度 ルクス lx lm/m2 Bq 放 射 性 核 種 の 放 射 能 ( f ) ベクレル(d) 吸収線量, 比エネルギー分与, グレイ Gy J/kg カーマ 線量当量, 周辺線量当量, 方向 Sv J/kg シーベルト(g) 性線量当量, 個人線量当量 酸 素 活 性 カタール kat 接頭語 ヨ タ オングストローム 海 里 バ ー ン Å M 1Å=0.1nm=100pm=10-10m 1M=1852m b ノ ネ ベ ト パ ル kn Np B 1b=100fm2=(10-12cm)2=10-28m2 1kn=(1852/3600)m/s ル dB ッ ー デ ジ ベ SI単位との数値的な関係は、 対数量の定義に依存。 表9.固有の名称をもつCGS組立単位 名称 記号 SI 単位で表される数値 ル グ erg 1 erg=10-7 J エ ダ ポ イ ア ス ス ト ー ク チ ル フ ガ ォ ン dyn 1 dyn=10-5N ズ P 1 P=1 dyn s cm-2=0.1Pa s ス St 1 St =1cm2 s-1=10-4m2 s-1 ブ sb 1 sb =1cd cm-2=104cd m-2 ト ph 1 ph=1cd sr cm-2 104lx ル Gal 1 Gal =1cm s-2=10-2ms-2 マ ク ス ウ ェ ル ガ ウ ス エルステッド( c) Mx G Oe 1 Mx = 1G cm2=10-8Wb 1 G =1Mx cm-2 =10-4T 1 Oe (103/4π)A m-1 (c)3元系のCGS単位系とSIでは直接比較できないため、等号「 」 は対応関係を示すものである。 キ レ ラ 名称 ュ リ ン レ ガ ト 表10.SIに属さないその他の単位の例 記号 SI 単位で表される数値 ー Ci 1 Ci=3.7×1010Bq ゲ ン ン R ド rad ム rem マ γ 準 大 気 1 rad=1cGy=10-2Gy 1 rem=1 cSv=10-2Sv 1γ=1 nT=10-9T 1フェルミ=1 fm=10-15m フ ェ ル ミ メートル系カラット ト 標 1 R = 2.58×10-4C/kg 1メートル系カラット = 200 mg = 2×10-4kg ル Torr 1 Torr = (101 325/760) Pa 圧 atm 1 atm = 101 325 Pa カ ロ リ ー cal ミ ク ロ ン µ 1cal=4.1858J(「15℃」カロリー),4.1868J (「IT」カロリー)4.184J(「熱化学」カロリー) 1 µ =1µm=10-6m (第8版,2006年改訂) この印刷物は再生紙を使用しています