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溶着アルミの除去(アルセンSP)について アルミの鋳造をすれば、必ず金

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溶着アルミの除去(アルセンSP)について アルミの鋳造をすれば、必ず金
溶着アルミの除去(アルセンSP)について
アルミの鋳造をすれば、必ず金型やその他部材に溶着が起こります。
この溶着したアルミをそのままにすれば、鋳造時のカジリ・傷・バリや酷い時
には製品のサイズ不具合まで発展します。
また、一番の問題は、溶損の主原因となる事です。
鉄とアルミは非常に相性が良くて直ぐに合金化します。
小さい傷やディボットに入り込んだアルミをそのままにすると、冷えたり熱し
たりを繰り返す事で合金化しながら侵食していきます。この合金の表面は非常
に硬い合金となり鋳造時に脱落します。脱落することでディボットは大きくな
り更に大きな合金を形成します。
この繰り返しによって溶損は拡大し交換と言う事になります。
溶損には様々なメカニズムがあります。
ヒートクラックや鋳造・脱着・磨き等によって出来る傷からの溶損もそうです。
しかし、それらは、その後の脱落溶損の原因たるものであり、アルミが侵食し
なければそれ程早い段階での破壊にはなりません。
溶損による寿命を延ばす為には、表面に傷やディボットを出来るだけ作らない
事です。
しかし、せっかく高価なコーティング等をしても、表面に付着したアルミを除
去するのにリューターやヤスリで除去すれば必ず傷を付けてしまい、溶損の原
因を自ら作り上げることになります。また、肝心なディボットの中の合金化し
ようとしているアルミは除去することが出来ません。
洗浄剤を使ってアルミを除去することによって、これらの問題を極力減少させ
ることが肝要です。
アルミを除去するためにはNaOH・KOHが有効ですが、それ単体では合金
中のSiやCu等が反応して強固な金属皮膜を形成してしまいます。そうなる
と薬液がアルミに接触しなくなり除去不可能になります。
OH基と反応した金属皮膜
NaOH水溶液でADC12を溶解した断面写真
そのため、従来は何度も液から出してブラシ等で擦り、皮膜を除去して再洗浄
するなど時間も手間も掛けて洗浄していました。
また、強アルカリ剤は型自体を腐食させて逆に寿命を縮めてしまいます。
弊社のアルセンSPは、強アルカリでありながら100℃での処理をしても大
半の型材には影響が無く、また、Si,Cu等の金属皮膜を抑制しますので手
を掛けることなく完全に除去する事が可能です。
(処理時間は状況・条件によっ
て違いますが、初期段階の洗浄であれば30分~1時間以内)
ADC12 1H当りの溶解時間
(アルセンSP100℃処理の場合)
0.4
mm 0.2
0
1H
2H
3H
時間
4H
5H
皮膜を抑制するとは言っても形成されない訳ではありませんので、時間と共に
1時間当りで溶解する量は変わってきます。
0.3mm程度の溶着であれば1時間程度で処理できますが、0.6mmの場
合は3時間程度時間が必要です。
新品の状態からメンテナンスをきちんと行えば、型の寿命は極端に伸びます。
弊社のユーザーでは、月に200本程度のピンを購入していましたが、アルセ
ンで処理をするようになってから、3ヶ月で200本程度の購入量に減少し、
単純計算すれば約3倍の延命に成功しております。
ピンだけでも相当のコストメリットが発生しますので、全体をメンテナンスす
ることが出来れば驚異的なコストメリットが期待できます。
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