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学位論文の要旨 様式第 14
様 式 第 14 学位論文の要旨 学位の種類 博士 氏 名 長谷部拓夢 学 位 論 文 題 目 マウス脂肪肝の鉄調節因子へプシジン発現低下に BMP binding endothelial regulatorが関与する 北 海 道 医 学 雑 誌 第 90巻 1号 平 成 27年 5月 掲載予定 研 究 目 的 非アルコール性脂肪性肝疾患(n on-alcoholicf a t t yl i v e rd i s e a s e ;NAFLD) は 、 飲 酒 習 慣 なしに肥満やメタボリツクシンドロームの合併によって肝内脂肪沈着を来し、一部が肝硬 変や肝癌に進展する慢性肝疾患である。 NAFLDは 種 々 の 肝 内 酸 化 ス ト レ ス が 作 用 す る こ と によって進展する。その中の一つに肝内鉄過剰による酸化ストレスが肝硬変、肝癌への進 展に関与することが知られており[ 1 、 ] 2次 性 の 鉄 過 剰 状 態 に あ る NAFLDに 対 し て の 潟 血 療 法の有効性が報告されている。肝細胞で産生される鉄代謝制御分子へプシジンは、鉄トラ ンスポータ~ F erroportin1の 発 現 を 調 節 し て 鉄 代 謝 の 恒 常 性 を 保 つ 役 割 を 持 つ 。 遺 伝 性 ヘ モ ク ロ マ ト ー シ ス は へ プ シ ジ ン 発 現 調 節 に 関 与 す る HFE、 ト ラ ン ス フ ェ リ ン 受 容 体 2、 ヘ モ ジュペリン、またはへプシジン自身の遺伝子異常によってへプシジンの発現低下が起き、 全 身 性 鉄 過 剰 と な る 。 へ プ シ ジ ン の 発 現 は 、 鉄 過 剰 状 態 に よ っ て BoneMorphogenetic Protein(BMP)-SMADシ グ ナ ル 経 路 ま た は ト ラ ン ス フ ェ リ ン 受 容 体 経 路 が 活 性 化 し 、 炎 症 状態によってインターロイキン(IL)-6-STAT3シグナノレ経路が活性化して発現を誘導するこ とで調節される。 こ れ ま で ア ル コ ー ル 性 肝 障 害 や C型 慢 性 肝 炎 に お い て は 、 へ プ シ ジ ン 発 現 低 下 が 合 併 す る2次 性 鉄 過 剰 症 の 原 因 と 指 摘 さ れ て き た 。 し か し 、 NAFLDに お け る 鉄 過 剰 の 機 序 に つ い て は 一 定 の 見 解 が な い 。 こ れ は へ プ シ ジ ン を 中 心 と し た 鉄 調 節 機 構 が 、 BMPや I L 6を 含 む 様々な分子による複雑な調節を受けているためであると考えられる。 本研究では、 NAFLDモデノレマウスの肝臓を用いて網羅的遺伝子発現解析を行い、 NAFLDに お け る 鉄 代 謝 異 常 に 関 係 す る 重 要 な 遺 伝 子 を 探 索 す る こ と を 目 的 と し た 。 1 材料 方法 1 1 .NAFLDモ デ ル マ ウ ス の 作 成 8週 齢 雄 性 C57BL/6マ ウ ス に 通 常 飼 料 、 ま た は 高 脂 肪 食 (F2HFD2、オリエンタル酵母、 を1 6週 間 投 与 し 屠 殺 し 、 血 液 お よ び 肝 臓 を 採 取 し 、 以 後 の 解 析 に に 脂 肪 カ ロ リ ー 比 82%) 用いた。 1 2 .血 柴 成 分 の 解 析 血 柴 内 の ア ラ ニ ン ア ミ ノ 基 転 移 酵 素 ( ALT) と 血 柴 鉄 を 目 立 自 動 分 析 装 置 で 、 マ ウ ス 血 柴 フ ェ リ チ ン を mousef e r r i t i nELISAで 、 血 襲 内 活 性 型 へ プ シ ジ ン 濃 度 を LC/ESIMS/MSで測定した。 ~-肝病理組織による脂肪肝、肝炎、鉄沈着の評価 肝組織病理所見をヘマトキシリン・エオジン染色と鉄染色(ベルリンブルー染色)に より、肝内脂肪沈着や炎症、鉄沈着を評価した。 協.原子吸光分析法による肝鉄貯蔵量の測定 肝組織をクロロホノレムで脱脂し、乾燥後、濃硝酸で加熱溶解した。原子吸光光度計で e/gdryl i v e r)を解析した。 鉄 の 原 子 化 吸 光 度 を 測 定 し 、 標 準 曲 線 か ら 鉄 量 ( mgF 1 5 .網 羅 的 遺 伝 子 発 現 解 析 通 常 食 群 ( n=3) と 高 脂 肪 食 群 ( n=3) の マ ウ ス 肝 組 織 よ り RNAを抽出し、 cDNAライ roton ( L i f eTechnologies) を 用 い て 全 ブ ラ リ ー を 作 成 し 高 出 力 シ ー ク エ ン サ ー IonP mRNAシ ー ク エ ン ス 解 析 を 行 っ た 。 デ ー タ 解 析 は CLCGenomicsWorkbenchを 用 い て 個 々 の 遺 伝 子 発 現 量 と し て RPKM 値 ( ReadsP erKilobaseo fexonmodelperM i l l i o n mappedreads)を算出し、 RPKM 値の比の絶対値が1 . 5倍 以 上 で Studentt 検定により得ら れ た P値 が 0 . 0 5未 満 の 遺 伝 子 を 発 現 変 動 遺 伝 子 と し て 抽 出 し た 。 1 6 . '!) ア ル タ イ ム 定 量 ポ Pメ ラ ー ゼ 連 鎖 反 応 ( RT-qPCR) サ ン プ ル RNAから cDNAを作成し、 TaqManプ ロ ー プ を 用 い て Hamp (へプシジン)、 Bmper (BMPbindinge n d o t h e l i a lr e g u l a t o r 、 ) 185rRNAに 対 し て RT-qPCR 解析を施行 し 、 比 較 Ct 法により遺伝子発現量を測定した。 1 7 . ワェスタンプロット 肝 組 織 あ る い は 免 疫 沈 降 さ れ た マ ウ ス 血 柴 サ ン プ ル か ら RIPA パッファーを用いてタン パク質を抽出し、 SDS 緩衝液と混合して電気泳動し、ニトロセルロース膜に転写してリ ン 酸 化 SMADとSMADl、 A ctin、 BMPER、 BMP6の発現量を解析した。 四.免疫化学染色・免疫蛍光染色 発現をジアミノベンジジン発色による免疫化学染色で評価 肝 組 織 切 片 に お け る BMPER し た 。 初 代 培 養 肝 細 胞 と 非 実 質 細 胞 に お け る E-CadherinとVE-Cadherinの 発 現 を DAPIも 加 え た 3重 免 疫 蛍 光 染 色 に よ り 評 価 し た 。 1 9 .マ ウ ス 血 襲 の 免 疫 沈 降 Dynabeads ( L i f eTechnologies)と BMPER 抗体を用いてマウス血壊の免疫沈降を行っ た。得られたサンプノレのタンパク質発現をウエスタンプロットにより評価した。 1 1 0 .マ ウ ス 肝 組 織 か ら の 初 代 培 養 肝 細 胞 お よ び 非 実 質 細 胞 の 分 離 コ ラ ゲ ナ ー ゼ を 含 む Hanks溶 液 を 濯 流 し た 通 常 食 飼 育 の マ ウ ス 肝 組 織 を PBSに懸濁し、 遠心で得られた沈殿を肝細胞が含まれる分画として培養し、上清を非実質細胞が含まれ る分画として培養して用いた。 1 1 1 .統 計 処 理 有 意 差 検 定 に はS tudentt 検定を用い、 Pく 0 . 0 5を 統 計 学 的 有 意 差 あ り と 判 断 し た 。 績 成 1 1 .高 脂 肪 食 負 荷 マ ウ ス に お け る 脂 肪 肝 、 肝 炎 の 発 症 と 鉄 動 態 の 変 化 通 常 食 負 荷 マ ウ ス ( R) に 比 べ て 高 脂 肪 食 負 荷 マ ウ ス ( HF) で は 有 意 な 体 重 増 加 、 肝 重 量 の 増 加 、 血 柴 ALT 値 の 増 加 を 認 め た ( BW;R群 ,2 8 . 6g ;HF群, 5 1 . 9g ;pく 0 . 0 0 0 1:肝重 量 ; R群 ,1 . 2 4g ;HF群 ,2 . 9 1g ;P = 0 . 0 0 2 9 :ALT;R群 ,1 9 . 5U/L;HF 群 ,1 4 7 . 6U/L; Pく 0 . 0 0 0 1。 ) HFで は 肝 組 織 に 著 明 な 脂 肪 沈 着 を 認 め た が 、 明 ら か な 炎 症 細 胞 浸 潤 は 認 め な か っ た 。 血 柴 鉄 と 血 柴 フ ェ リ チ ン は 有 意 に 高 値 を 示 し た ( 鉄 ; R群 ,1 3 6 . 1μg/dL;HF群 , 1 7 2 . 1μg/dL;P=0.033:フェリチン; R群 ,5 9 3 . 5ng/mL;HF群 ,8 2 6 . 2ng/mL;Pく 0 . 0 0 0 1。 ) 2 肝内鉄含有量はいずれの群においても上昇しておらず、鉄染色でも肝内鉄沈着を認めな かった。 に網羅的遺伝子発現解析 種類の遺伝子のうち、有意な発現変動が認められ 網羅的に遺伝子発現を解析した 38114 た遺伝子数は 2314種類であった。このうち、へプシジン発現に関連する遺伝子に絞ると Bmp4、 Bmper、 E p o r (エリスロポエチン受容体)、 Gdf15 (増殖分化因子 1 5 、 ) Hamp、 H f e 2 (ヘモジュペリン)の 6遺伝子であった。 ~.へプシジン発現と調節因子の検討 Hamp遺伝子の発現が HFで低下していることを RT-qPCRで確認した( R群 ,1 . 0 3 ;HF群 , 0 . 5 3 ;P=0.0029)。翻訳産物の血襲へプシジン濃度は HFで有意に低下じていた( R群 ,1 4 0 . 7 ng/mL;HF群 ,7 7 . 7ng/mL;P=0.0141 。 ) Bmp4、 Bmper、 H f e 2の3遺伝子の翻訳産物が BMP シグナルに関与するため、伝達分子である SMADのリン酸化を検討し、 HFで有意な低下 を認めた( R群 ,0 . 9 9 ;HF 群 ,0 . 6 0 ;P=0.0158 。 ) 発現の検討 出.マウスの BMPER ヘプシジン発現低下とリン酸化 SMAD発現低下に対して Bmp4、 H f e 2の挙動は相反する 動きである。一方、 Bmper 発現増加はそれに対応する発現変動であった。よって、以後の 検討を BMPER(こ注目して進めた。マウス肝組織の BMPERをコードする BmpermRNA発現 はHFで有意な増加を示した(R群 ,1 . 0 6 ;HF群, 5 . 2 9 ;pく 0 . 0 0 0 1)。可溶型 BMPERがBMP6と結 抗体で免疫沈降 合して抑制的に働くことから、 RとHFの各群から得られた血襲を BMPER 抗体で選択的 し、ウエスタンプロットで蛋自発現を解析した。血襲中の BMPERはBMPER に免疫沈降され、 BMPERの阻害するターゲットである BMP6が共免疫沈降されていた。 l 5 . マ ウ ス 肝 組 織 の 肝 細 胞 と 非 実 質 細 胞 に お け る BMPER発 現 解 析 通常食投与マウス肝組織の免疫化学染色では BMPERが類洞内腔に陽性像を示した。マ 発現局在を確認するため、肝細胞と類洞内皮細胞を主とする ウス肝組織における BMPER 非実質細胞を分離した。各細胞における BmpermRNA発現を測定したところ、非実質細 . 0 0 ;非実質細胞, 3 4 . 4 2 ;pく 0 . 0 0 0 1 。 ) 胞で有意に高値を示した(肝細胞, 1 考 案 本研究では、可染鉄を認めない軽度の肝内鉄過剰状態を合併する 1 6週間の高脂肪食負 荷による脂肪肝モデルマウスで、網羅的遺伝子発現解析を行った。脂肪肝マウスにおけ る鉄過剰状態の機序に鉄代謝制御分子へプシジンの発現変化を想定してはいるが、特定 の遺伝子に絞り込まないで遺伝子発現を網羅的に解析した。 Hamp遺伝子の発現と翻訳蛋 白へプシジンの発現が低下していることを確認し、発現変動遺伝子の中に(プシジン発 遺伝子を見出した。へプシジンは鉄吸収を負に調節する 現変動に関与する遺伝子として 5 作用があり、発現低下によって鉄吸収が充進して鉄過剰の原因となる。へプシジン発現 低下の原因として、へプシジンを調節する主な上流シグナルである SMADのリン酸化が 低下していることを見出した。そして 5遺伝子の中で、 SMADシグナノレを抑制的にする方 向で変動している Bmper 遺伝子に注目した。 BMPERはBMP2,4,6の各々と結合しそのシグナノレ伝達を阻害することが知られており、 低トランスフェリン血症マウスにおいて BMPERがBMP-SMADシグナノレを抑制することで へプシジン発現を抑制することが報告されている[ 2]。本研究では脂肪肝モデルで BMPER 発現充進がへプシジン発現抑制の原因であることを示した。さらに BMPERが血中で BMP6と結合していることを証明した。これまでの報告では、肝組織中における BMPER 発現局在は肝細胞と想定されていたが、本研究では BMPERの発現が非実質細胞において 優位であることを示した。へプシジン発現調節において、促進系の BMP6の発現が肝細胞 のオートクライン調整より、非実質細胞からのパラクライン調節の方が重要であると示 されているが[ 3]、抑制系の BMPERの発現もパラクラインで作用することは特筆すべき発 見である。 立士 事& Fロ 日間 高脂肪食負荷による NAFLモデノレマウスにおいて鉄過剰j 症が合併し、鉄制御分子へプシ ジンの発現低下が見られることを示した。この機序として BMPシグ、ナノレ制御分子 BMPER 発現充進が関与し、さらに非実質細胞が BMPERを産生しパラクライン調節を行っている まNAFLに合併する鉄過剰症の病態メカニズム上、重要な分子と ことを示した。 BMPERI 考えられる。 3 用 | ヲ 文 献 1 .S orrentinoP ,D’ AngeloS ,FerboU,e ta l .L i v e ri r o ne x c e s si np a t i e n t swith h e p a t o c e l l u l a rcarcinomadevelopedonn o n a l c o h o l i cs t e a t o h e p a t i t i s .JHepatol2 0 0 9 ; 5 0 :3 5 1 3 5 7 . 2 .P a t e lN,MasaratanaP ,Diaz-CastroJ ,Latunde-DadaG 0,QureshiA,LockyerP ,J a c o b M,ArnoM,MatakP ,MitryRR,HughesRD,DhawanA,P a t t e r s o nC ,SimpsonR J,McKieAT.BMPERp r o t e i ni san e g a t i v er e g u l a t o ro fhepcidinandi sup-regulatedi n hypotransferrinemicm i c e .JB i o lChem2 0 1 2 ;2 8 7 :4 0 9 9 4 1 0 6 . 3 .EnnsCA,AhmedR ,WangJ ,UenoA,WorthenC ,TsukamotoH,ZhangA S .I n c r e a s e d i r o nloadinginducesBmp6expressioni nt h enon-parenchymalc e l l so ft h el i v e r independento ft h eBMP-signalingpathway.PLoSO r i e2 0 1 3 ;8 :e 6 0 5 3 4 . 考 参 論 文 1 .UenoN,HasebeT ,KanekoA,YamamotoM,F u j i y aM,KohgoY ,KonoT ,WangCZ, 机 へ1 .TU-100( daikenchuto)andl ? i n g e r YuanCS,B i s s o n e t t eM,ChangEB,Muschh ameliorate' a n t i C D 3antibodyinducedTc e l l m e d i a t e dmurinee n t e r i t i s :microbeindependente f f e c t sinvolvingAktandNF-kBs u p p r e s s i o n .PLoSOne.9 ( 5 ) :e 9 7 4 5 6 .2 0 1 4 . 2 .HasebeT ,SawadaK ,NakajimaS ,MaedaS ,AbeM,SuzukiY ,OhtakeT ,HasebeC , F u j i y aM,KohgoY .E f f e c t i v eControlo fRelapsingDisseminatedI n t r a v a s c u l a r Coagulationi naP a t i e n twithDecompensatedL i v e rC i r r h o s i sbyRecombinantS o l u b l e Thrombomodulin.I n t e r n a lMedicine.5 3 ( 1 ) :2 9 3 3 ,2 0 1 4 . 3 .SawadaK,OhtakeT ,HasebeT ,AbeM,TanakaH,I k u t aK,SuzukiY ,F u j i y aM, HasebeC ,KohgoY .Augmentedh e p a t i cT o l l l i k er e c e p t o r sbyf a t t ya c i d st r i g g e rt h e pro-inflammatorys t a t eo fn o n a l c o h o l i cf a t t yl i v e rd i s e a s ei nm i c e .HepatolR e s .4 4 ( 8 ) : 9 2 0 9 3 4 ,2 0 1 4 . 4 学位論文の審査結果の要旨 報告番号 学位の種類| 第 博士(医学) |氏 号 名|長谷部拓夢 査査委員長 山本明美 審査委員 西川祐司 審査委員 羽田勝計 ⑧ 各 事 学位論文題目 マウス脂肪肝の鉄調節因子へプシジン発現低下にB MPb i n d i n ge n d o o t h e l i a l r e g u l a t o rが関与する 長谷部拓夢氏提出の学位論文「マウス脂肪肝の鉄調節因子へプシジン発現低下に BMP bindinge n d o t h e l i a lr e g u l a t o rが関与する」について、試問審査を行いまいした。さ らに博士論文発表会での発表態度、質疑応答も審査いたしました。 本論文は非アルコーノレ性脂肪性肝疾患のモデルマウスにおける鉄過剰の機序を、主 として網羅的遺伝子発現解析の手法を用いて明らかにしたものであります。 諮問や発表会の聴講の結果、長谷部氏から本研究論文の内容、将来的な展望につい て、適切かっ明解な解答が得られ、また同氏が当該分野に関して、十分な知識を有し ていることが確認できました。また、本論文はヒトの脂肪肝の病態解明、新たな治療 戦略の開発にも有益な示唆を与えるものであることが確認できました。 また長谷部氏はすでに国際誌に筆頭著者として当該分野の疾患の症例報告を論文発 表され、共著者としての原著論文もあり、医学研究者としての実績をしかりつんでい ると考えます。 よって、本論文は医学博士の学位論文に値すると判断いたしました。 以上、ご報告申し上げます。