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概要資料(PDF形式:1401KB)
平成25年度電子経済産業省構築事業
「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
調査結果の概要報告書
2014/3/31
経済産業省 商務情報政策局 情報政策課 情報プロジェクト室
株式会社 日立コンサルティング 公共本部
© Hitachi Consulting Co., Ltd. 2014. All rights reserved.
平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
目次
1.
2.
3.
4.
5.
6.
本事業の概要
国内民間事業者等へのヒアリング調査の結果
諸外国の取組状況調査の結果
効果算定の結果
課題と施策の整理結果
参考資料
1
© Hitachi Consulting Co., Ltd. 2014. All rights reserved.
平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
1. 本事業の概要
2
© Hitachi Consulting Co., Ltd. 2014. All rights reserved.
平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
本事業の背景・目的
本事業の背景

「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(平成25年
5月24成立)等法(いわゆる番号法)の整備により、法人番号の指定を受けた者の①商号、②本
店の所在地、③法人番号の法人等の基本3情報(以下、「法人3情報」という。)が公表されるよ
うになり、行政機関だけでなく、民間事業者においても自由な利用が可能となっている。
 政府では「世界最先端IT国家創造宣言」(平成25年6月14閣議決定)において、2013年中に
政府全体を通じた番号利用の全体像を明確化するとしているほか、関係省庁の取組みの1つと
して、国税庁において「社会保障・税番号制度」導入に伴う法人番号システムのアプリケーショ
ン設計・開発に着手しており、法人3情報の提供形式等公表機能が明確になりつつある。
 法人番号等の法人3情報の利活用は、行政機関だけでなく、民間事業者の業務の効率化や
サービス向上に資することが期待される。
本事業の目的

上記背景を踏まえ、本事業では、法人番号等の法人3情報が民間事業者において利活用され
る可能性を調査し、その中で利活用が見込まれるユースケースの明確化や利活用の効果算定、
阻害要因の分析、今後必要な施策等の整理を行い、もって民間事業者における法人番号等の
利活用を活性化することを目的とする。
3
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
本事業の実施内容
事業内容
(1) 国内における法人番号等の民間事業者の利活用のヒアリング調査
国税庁から公開される法人3情報の想定される形式や特徴等を踏まえ、国内の民間事業者を中心にヒアリング調査を実施。
法人番号の利活用ニーズの実態を把握すべく、法人番号の有識者と、利活用が期待される企業及び業界団体を対象とする
14の機関を対象にヒアリングを実施した。
(2) 諸外国における法人コード等の民間事業者の利活用の取組状況の調査
イギリス、ノルウェー、デンマーク、米国、シンガポールの5か国を対象に、法人コードの制度概況と法人コード等の利活用事例
の調査を行った。また第1回意見交換会で委員から依頼いただいた個人事業主に付番されている主なコードの調査について
は、フランス、ドイツ、英国、韓国の4か国を対象に実施した。
(3) 民間事業者における法人番号等の利活用に係るユースケースの整理と効果算定
民間事業者内、民間事業者間、行政機関と民間事業者の間での利活用が見込めるユースケースを抽出。抽出した利活用が
見込めるユースケースに対し、民間事業者にどの程度の経済効果があるのか定量的な形で算定を行った。
(4) 民間事業者における法人番号等の利活用を推進するための施策の整理
民間事業者で法人番号等の利活用のヒアリングで収集した要望や諸外国における法人コード等の利活用を踏まえ、国内にお
ける法人番号を利活用の推進を妨げる可能性のある要因を明確にし、必要な施策を整理した。
(5) 意見交換会の運営
本事業では9名を委員とする意見交換会を設置し、1月20日(月)と3月3日(金)の全2回実施した。この意見交換会で出された
意見や課題等については、報告書及びこの報告書(概要版)にも反映している。
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
国税庁「法人番号システム」の民間事業者における利用
民間事業者は、国税庁が構築中である『法人番号システム』の「法人番号公表機能」を
利用することにより、法人3情報(法人等情報)の検索及びダウンロードが可能となる。
法人番号システム(国税庁)
法人番号指定
・管理機能
法人番号
通知業務
法人番号公表機能
【公表・検索対象項目】
法人番号、商号、所在地 (※商号及び所在地
は法務省から連絡を受けた登記の情報を公表)
【検索機能提供用の内部管理情報】
政府共通プラットフォーム
情報
法人番号
提供機能
公表機能
表記ゆれ補正済の商号と所在地、読み仮名
(ひらがな or カタカナ)、 郵便番号、地域区
分(都道府県、市区町村)、住所コード、 法人
等組織区分、公表日など
公開用
法人等情報
(非同意の人格の
ない社団等を除く)
<法人等情報の内容>
コード体系:
会社法人等番号+α1桁の13桁
更新頻度:日次 (例外有)
付番粒度:本社単位
網羅性:個人事業主は対象外
検索機能
行政機関等
企業等
<提供検索機能>
• あいまい検索
• 条件検索
• 絞込検索など
ダウンロード機能
<対応文字コード>
JIS第一・第二水準
+
イメージ
<履歴情報について>
変更履歴も検索・閲覧可(予定)
※M2MのWeb API対応は実施の方
向で検討中
インターネット
日次更新
日次更新
月次更新分
〇月X日分
〇月X日分 月次更新分
〇月分
〇月分
データ形式
(予定)
CSV XML
PDF
<対応文字コード>
JIS第一・第二水準
JIS第一~第四水準
Unicode
に置換(縮退)
初期データは
媒体で提供
(予定)
インターネット
出典:国税庁のヒアリングに
基づき日立コンサルティング作成
民間事業者、市民など
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
2. 国内民間事業者等への
ヒアリング調査の結果
6
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
利活用が期待されるユースケース
各業界の民間事業者を中心に全14組織へのヒアリング調査を実施した結果、法
人番号等の利活用が期待されるユースケースを24件確認した。
また、各ユースケースの特性を踏まえ、「すぐに利活用が期待される」、「施策追
加により利活用が期待される」、「制度改正により利活用が期待される」の3つに
分類した。
分類
すぐに利活用が期待される
施策追加により利活用が
期待される
制度改正により利活用が
期待される
利活用が期待されるユースケース
Ⅰ-1:取引情報の収集効率化
Ⅰ-2:グループ内調達情報の名寄せの効率化
Ⅰ-3:企業マスタの登録・更新業務の効率化
Ⅰ-4:正式名の確認
Ⅰ-5:対象企業の確認業務の効率化
Ⅰ-6:市場調査の基礎データ
Ⅰ-7:キャンペーン管理の厳格化
Ⅰ-8:サーバー証明書の信頼性向上
Ⅰ-9:コードによる属性情報の自動入力
Ⅰ-10:なりすましメール対策
Ⅰ-11:フィッシングサイト対策
Ⅱ-1:行政手続きの添付書類の削減
Ⅱ-6:入金消込の業務効率化
Ⅱ-2:企業間取引の添付書類削減
Ⅱ-7:不渡り情報と融資先企業の名寄せの効率化
Ⅱ-3:取引先の登録・更新業務の効率化
Ⅱ-8:信用情報の取込みの効率化
Ⅱ-4:EDIの法人コード統一による業務効率化
Ⅱ-9:電話帳情報の利活用の効率化
Ⅱ-5:依頼対象企業の特定業務の効率化
Ⅱ-10:口座照会の対応業務の効率化
Ⅲ-1:マネーロンダリング対策
Ⅲ-2:従業員情報の自動更新
Ⅲ-3:統計情報分析の効率化
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
利活用の阻害要因
法人番号等の利活用を阻害する要因として、主に以下の点が確認された。
1) 個人事業主は法人番号の付番対象外
商取引においては法人も個人事業主も区別なく行われているので、個人事業主もコードが付番されないと
一元管理出来ない。
2) 属性情報の不足
法人3情報だけでは取引先を管理(実在性確認、与信管理、債権債務管理等)する情報としては足りない。
例:代表者氏名、設立年月日、資本金、業種、納税有無、資格・免許、事業所等
3) 法人番号の浸透が前提
法人番号が浸透していないと、企業間の取引において法人番号が積極的に利用されない。
(そのためには企業が法人番号を利用するメリットの明確化、強制力を持って使わせる仕組み、行政機関
が公開する情報に法人番号を付加して公開等の施策が必要ではないか)
4) 異なるコード体系
既存のコード体系には意味を持たせていたり、付番単位が違ったり(事業所単位、口座単位、請求先単
位)するため、法人番号への置き換えが出来ない。
5) 商号及び所在地情報の正確性
商号及び所在地の情報が正確でないと、取引先管理や企業取引には使えない。
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
法人番号システムに対する意見
本事業のヒアリング及び意見交換会で確認された、国税庁の法人番号システム
に対する主な意見は以下の通り。
1.法人3情報など全般に関する意見
① 閉鎖・廃業等した法人の情報も履歴として残す必要
② 更新日付はシステム上の更新日ではなく、登記の更新日が必要
③ 重複付番等が判明し、法人番号が取り消された場合に、ユーザー側が認知でき
るようにしておくべき
2.検索・ダウンロード機能に関する意見
① 都道府県等で絞込み、結果をダウンロードできる機能(Web-API等)が必要
② ファイル形式はXML形式やCSV形式があれば十分で、PDF形式は不要
③ サーバ側の負荷集中を抑制し円滑なダウンロードを可能にするために、事前登
録制などの対応が必要
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
3. 諸外国の取組状況調査の結果
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
調査結果の概要
調査対象国:
英国、ノルウェー、デンマーク、米国、シンガポールの5か国
調査方法:
調査はインターネット上に公開されている文献と、弊社独自にこれまで調査した成果物をインプット
とし、対象5カ国の法人コードに関する制度と利活用状況を整理。
制度概況:
国名
制度概況
英国、ノルウェー、デンマーク
各国共通の法人コードが整備され、政府や民間事業者で利用されている。また、機械可読と二次利
用が可能な登記情報がオープンデータとして公開される動きがある。
米国
連邦政府では分野を横断する業務において、民間の法人コード(DUNSナンバー)が主に利用されて
いる。
シンガポール
共通の法人コード(UEN)が整備され、行政手続きや政府間の業務で利用されている。
代表的な法人コードの利活用ユースケース:
領域
名称
概要
取引先管理
取引先を管理するコードもしくは属性情報に共通の法人コードを利用することで、外部
の企業情報の取込みが容易に行える。
B to B
取引の透明化
企業間取引の請求書等に法人コードの記載を義務付けることで、政府機関が取引の内
容を調査する際の企業の特定を効率化している。
B to G
オープンデータの集約効率化
企業情報サービス会社は、政府機関から公開される企業に関する情報を法人コードで
効率的に集約し、主に民間事業者に対して情報を販売している。
In B
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
個人事業主へのコードの付番状況
諸外国の多くでは個人事業主を識別する番号や課税・付加価値税の番号に、個
人番号とは違う番号が使われている。
国名
番号種別
法人
個人事業主
企業・個人識別番号 SIREN (9 digits)
SIREN (9 digits)
個人識別番号(13 digits)
SIREN (9 digits)
Intracommunity VAT Number
Intracommunity VAT Number
付加価値税番号
(FR + XX(2 digits) + SIREN (9
(FR + XX(2 digits) + SIREN (9 digits))
digits))
Company House Registration Number
企業・個人識別番号
不明
(8 digits or 2 letters + 6 digits)
Corporation Tax Payment Reference
課税事業者番号 Number (10 digits + A001 + 2 digits + 不明
イギリス
1 letter)
VAT Registration Number
VAT Registration Number
付加価値税番号
(GB + 9 digits)
(GB + 9 digits)
Trade Register Number (5 digits+3
企業・個人識別番号
不明
letters+3 to 6 digits)
課税事業者番号 Tax Number
Tax Number
ドイツ
Sales Tax Identification Number
Sales Tax Identification Number
付加価値税番号
(DE + 9 digits)
(DE + 9 digits)
企業・個人識別番号 法人登録番号 (13 digits)
事業者登録番号(10 digits)
課税事業者番号 事業者登録番号 (10 digits)
事業者登録番号 (10 digits)
韓国
付加価値税番号 事業者登録番号 (10 digits)
事業者登録番号 (10 digits)
フランス
課税事業者番号
SIREN (9 digits)
個人
個人識別番号(13 digits)
―
(統一番号制度廃止)
国民保険番号
―
(分野別に番号が異なる)
税務識別番号
―
住民登録番号 (13 digits)
住民登録番号 (13 digits)
―
出典:各種文献に基づき日立コンサルティング作成
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
4. 効果算定の結果
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
効果算定の考え方
これまでの調査や意見交換会で確認されたユースケースは下図の通り。このユースケー
スのうち、比較的大きな効果が見込まれ、一定の仮説のもと定量化が可能な下線で示し
たユースケースを中心に、各委員の協力のもと効果算定を行った。
付番対象
法人等
+
個人事業主
Ⅰ´
Ⅰ
法人等
【図: ユースケース一覧と算定対象(下線)】
制度改正
(個人事業主への付番)
企業情報の共有
Ⅱ´
Ⅲ´
Ⅱ
Ⅲ
Ⅰ-1:取引情報の収集効率化
Ⅱ-1:行政手続きの添付書類の削減
Ⅰ-2:グループ内調達情報の名寄せの効率化 Ⅱ-2:企業間取引の添付書類削減
Ⅰ-3:企業マスタの登録・更新業務の効率化
Ⅱ-3:取引先の登録・更新業務の効率化 制度改正
Ⅰ-4:正式名の確認
(その他)
Ⅰ-5:対象企業の確認業務の効率化
法人番号との紐付け・変換
Ⅰ-6:市場調査の基礎データ
(海外事例):取引の透明化
Ⅰ-7:キャンペーン管理の厳格化
Ⅲ-1:マネーロンダリング対策
Ⅱ-4:EDIの法人コード統一による業務効率化
Ⅰ-8:サーバー証明書の信頼性向上
Ⅱ-5:依頼対象企業の特定業務の効率化
Ⅲ-2:従業員情報の自動更新
Ⅰ-9:コードによる属性情報の自動入力
Ⅱ-6:入金消込の業務効率化
Ⅲ-3:統計情報分析の効率化
Ⅰ-10:なりすましメール対策
Ⅱ-7:不渡り情報と融資先企業の名寄せの効率化
Ⅰ-11:フィッシングサイト対策
Ⅱ-8:信用情報の取込みの効率化
Ⅱ-9:電話帳情報の利活用の効率化
Ⅱ-10:口座照会の対応業務の効率化
すぐに利活用が期待される
施策追加により利活用
が期待される
制度改正により利活用
が期待される
凡例
14
制度改正が必要な領域
課題
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
効果算定シミュレーション結果
各分類の効果算定の結果、「すぐに利活用が期待される」では年間約70億円、「施策追加
により利活用が期待される」まで拡大することにより年間約1兆132億円となった。また、付
番対象を個人事業主へ拡大することにより、それぞれ約1.5~154倍の効果が期待される。
付番対象
【図: 法人番号等の利活用による効果算定シミュレーション結果】
(※法人の利用率は5割を想定)
Ⅰ´
法人等
+
個人事業主
Ⅰ
Ⅱ´
効果:Ⅰの約1.5倍
効果:Ⅰの154倍
約108億円/年
約1兆766億円/年
Ⅲ´
• 企業のオンライン認証
• 個人番号と法人番号の
連携
制度改正
(個人事業主への付番)
Ⅱ
Ⅲ • 取引情報の高度利用
企業情報の共有
法人等
• マネーロンダリング対策
制度改正
効果:約70億円/年
効果:Ⅰの約145倍 (その他)
など
約1兆132億円/年
法人番号との紐付け・変換
すぐに利活用が期待される
施策追加により利活用
が期待される
凡例
15
制度改正により利活用
が期待される
制度改正が必要な領域
課題
効果
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
5. 課題と施策の整理の結果
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
課題と施策の整理 サマリ
民間事業者における法人番号等の利活用に向けた主な課題と必要な施策を整
理した結果(サマリ)を以下に示す。
主な課題
施策(案)
①-1:行政機関において企業情報を共有する基盤の整備
①企業情報の共有
①-2:民間事業者において企業情報を共有する基盤の整備
①-3:企業の認証基盤の整備
②-1:行政機関による法人番号の積極的な利用
②法人番号との紐付け・変換
②-2:法人番号と既存コードとの紐付け・変換の促進
②-3:行政機関の既存コードと法人番号の紐付け促進
③-1:個人事業主への付番
③制度改正
③-2:取引における法人番号の利用義務付け
③-3:企業内個人への番号の付番
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
課題と施策の整理 1/5
【課題:①企業情報の共有】
<主な論点>
•
•
•
行政機関の間で個人番号を使い情報を共有・連携する基盤のように、法人番号で企業情報を共有・連携する
基盤が不足
民間事業者の間でも法人番号で企業情報を共有・連携する基盤が不足
基盤が整備されても企業自体を認証する仕組が不足
<施策(案)>
①-1:行政機関において企業情報を共有する基盤の整備(政府)
行政機関の間で法人番号による企業情報の共有や連携を可能とする基
盤を整備する。
以下のような情報は個別の行政機関のデータベースに格納されており、
この個別データベースを結びつけ、企業情報の共有・連携を行うための情
報共有基盤が必要である。
【共有する情報の例】
 行政の各種申請(入札参加資格審査申請、補助金・助成金申請、
各種許認可申請、各種変更申請等)で求められる、登記事項証
明書、納税証明書、行政機関との取引実績の情報
また、情報共有基盤を通じて企業情報を共有し、各事業者に提供する事
業者ポータルを整備する必要も想定される。
【施策全体イメージ】
自治体
省庁
情報共有基盤(行政)
認証基盤(法人/個人事業主)
企業
金融業界
海外企業
情報共有基盤
(民間)
物流業界
自動車業界
電機業界
【事業者ポータルのサービス例】
 プッシュ型の情報配信サービス (利用可能な助成金の案内、各種許認可期限の通知等)
 行政分野を横断する手続きのワンストップ申請サービス (入札参加資格審査申請等)
 自社情報のオンラインでの閲覧・更新サービス
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
課題と施策の整理 2/5
【課題:①企業情報の共有】
<施策(案)>
①-2:民間事業者において企業情報を共有する基盤の整備 (民間)
民間事業者の間で法人番号による企業情報の共有や連携を可能にする基盤を整備する。
【共有する情報の例】
 基本的な属性情報、信用情報、事業所情報、ブランド情報、納品先情報等
 民間機関等が発行する資格情報(ISO登録書、プライバシーマーク等)
①-3:企業の認証基盤の整備 (政府/民間)
機密性を保持する必要がある情報等を連携する場合や、事業者ポータルで法的な権限を執行する場合に必要
と想定される共有基盤へのアクセスを制御する認証基盤を整備する。
このため、今後は以下の主な課題を整理し、認証手段等を実証していくことが求められる。
≪検討事項≫
  既存制度との関係: (商業登記に基づく電子認証制度、電子署名法に基づく個人の署名、公的個人
認証サービス(JPKI))
  セキュリティレベル: (PKI、IDパスワード、多要素認証などリスクに応じた認証手続き)
  認証主体: (企業、企業の代表者(役職)、企業の代表者個人等)
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課題と施策の整理 3/5
【課題:②法人番号との紐付け・変換】
<主な論点>
•
•
より大きな効果が期待されるB to Bのユースケースの実現には、法人番号が普及していることが前提
導入当初は既存コードと法人番号との紐付・変換作業が必須
<施策(案)>
②-1:行政機関による法人番号の積極的な利用 (政府)
税と社会保障はもとより、調達、助成金、認可等の各分野の行政手続きや情報公開(オープンデータ等)において、
積極的に法人番号を付加する。これより、民間事業者の情報収集業務の負荷が低減されるほか、政府の公開情報
と他の企業に関する情報を組合わせることで、新たなサービスの機会を創出される。
【行政手続きの例】
 入札参加資格申請、各種補助金・助成金申請等
(各種行政手続きの際に企業に法人番号を記入してもらうことで、政府から公開する情報に
法人番号を紐づけることが容易)
【公開情報(オープンデータ)の例】
 表彰情報:対象企業の認知度向上
 行政処分情報:検索の容易性向上と類似・同一商号による風評被害防止
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課題と施策の整理 4/5
【課題:②法人番号との紐付け・変換】
<施策(案)>
②-2:法人番号と既存コードとの紐付け・変換の促進 (民間)
主要な法人コード管理組織において、法人番号と既存コードとの紐付けや変換を実施する。
<主に利用されている既存コードの例>
 TSR企業コード、TDB企業コード、標準企業コード、共通取引先コード(GS1)等
<企業間取引において、独自の法人コードを法人番号を紐付け・変換する理由>
 中小・零細企業のEDI への参加拡大
 業界を横断したEDIでの取引拡大等
②-3:行政機関の既存コードと法人番号の紐付け促進 (政府)
各行政機関は企業情報を個別のシステムで管理している。そのシステムで企業に付番されているコードは、順次
法人番号に変換、もしくは属性情報に法人番号を登録するなどの紐付け作業を実施する。
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
課題と施策の整理 5/5
【課題:③制度改正】
<主な論点>
•
•
取引先には個人事業主も含まれるものの、個人事業主は法人番号の付番対象外
民間事業者が必ず法人番号を利用することが前提
<施策(案)>
③-1:個人事業主への付番 (政府)
個人事業主を一意に特定する番号を整備するために番号法の改正を行う。一方で、個人事業主の住所は個人
宅の場合もあることから、自然人としてのプライバシーに配慮した対策等も実施する。
③-2:取引における法人番号の利用義務付け (政府)
取引情報の収集・紐付けの効率化のために、請求書や領収書等に法人番号の記載を義務付ける。また、マネー
ロンダリング対策などの金融取引の透明性向上のために、振込み先及び振込み元の企業の法人番号の記載を義
務付ける。
③-3:企業内個人への付番 (政府)
法人番号と個人番号から、企業内個人を特定する番号の整備する。
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6. 参考資料
23
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
ヒアリング対象
ヒアリングを実施した対象は、民間事業者を中心とする以下14の組織。
領域
会社名
部門
(株)東京商工リサーチ
調査取材本部
(株)帝国データバンク
企総部企画課/産業調査部
(財)日本情報経済社会推進協会
電子情報利活用研究部
クロストラスト(株)
代表取締役
セコム(株)
IS研究所
(株)コンストラクション・イーシー・
ドットコム
電子契約事業部
(株)セールスフォース・ドットコム
グローバルエンタープライズ営業本部/セールスストラテジー
(株)TKC
税務情報システム設計センタ/番号制度対応推進室
松本商工会議所
情報事業部
(社)日本自動車工業会
総務統括部
(社)日本経済団体連合会
産業技術本部
楽天銀行(株)
企画本部/楽天(株)渉外室
シンクタンク
(株)三菱総合研究所
社会ICTソリューション本部/調達管理グループ/経理財務部/
グループ業務部
地方自治体
千葉市
総務局/業務改革推進/行政改革推進など
企業情報サービス会社
情報セキュリティ
クラウドサービスプロバイダ
中小企業支援団体
業界団体
金融機関
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
利活用ユースケースの概要 1/5
ヒアリング結果をふまえ、法人番号等の利活用が期待されるユースケースの概要(全24
件)をまとめると以下の通り。
領域
すぐに利活用が期待される領域
No.
名称
概要
Ⅰ-1
取引情報の収集効率化
企業は取引先を法人番号で一元管理できることによって、取引情報
を取引先単位に名寄せするなどが容易になり、取引状況の全体像を
把握することが容易になることが想定される。
Ⅰ-2
グループ内調達情報の
名寄せの効率化
グループ各社は異なる取引先管理情報に法人番号を活用することで、
MRI
グループ全体の調達状況の把握が容易になることが期待される。
Ⅰ-3
企業マスタの登録・更新
業務の効率化
信用調査会社は新設企業を把握するために全国の法務局に情報公
開請求を行っているが、法人番号公表機能の活用により作業負荷軽
減が期待される。また、公表される名称及び所在地の変更情報に
よって、DMの再送付コストの削減も期待される。
TSR, SFDC
Ⅰ-4
正式名称の確認
法人番号公表機能は、取引先の正式名称を確認することに活用でき
ることが想定される。
経団連
Ⅰ-5
対象企業の
確認業務の効率化
信用調査の依頼を受ける際に、調査対象企業の確認画面に法人番
号公開機能を使うことが想定される。
TSR
Ⅰ-6
市場調査の基礎データ
法人3情報を信用調査会社が保有する情報と紐付けることで、日本
全国の「企業分布図」の作成が可能になり、市場調査の基礎データ
ベースとして活用されることが想定される。
TSR
ヒアリング元
経団連,
松本商工会議所,
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
利活用ユースケースの概要 2/5
(続き)
領域
すぐに利活用が期待される領域
No.
名称
Ⅰ-7
キャンペーン管理の
厳格化
Ⅰ-8
サーバー証明書の
信頼性向上
Ⅰ-9
Ⅰ-10
Ⅰ-11
概要
ヒアリング元
キャンペーンを利用する企業を法人番号で管理することで、企業と
顧客の間に販社が入った場合でも、キャンペーンを既に利用した企
業を厳格に管理することが可能になると想定される。
TKC
証明書のシールに表示させる情報に、最新の商号や名称を表示した
り、閉鎖された企業については注意喚起情報を表示したりすることで、
証明書の信頼性が向上する可能性がある。
クロストラスト
コードによる属性情報
の自動入力
各種法人の申請画面で法人番号を入力すると、名称や所在地が自
動表示される機能を提供することで、郵便番号による住所表示と同
様に利用者の作業負担が軽減される可能性がある。
楽天銀行
なりすましメール対策
法人番号または法人3情報による法的実在を確認した情報と、ネット
情報の実在情報を利用することで、メールのなりすまし対策が可能に
なると想定される。
JIPDEC
フィッシングサイト対策
法人番号または法人3情報による法的実在を確認した情報と、ネット
情報の実在情報を利用することで、実際に誰がホームページを運営
しているかが分かるようになると想定される。
JIPDEC
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利活用ユースケースの概要 3/5
(続き)
領域
施策追加により利活用が期待される領域
No.
名称
概要
Ⅱ-1
行政手続きの添付書類
の削減
各行政機関への入札参加資格登録や補助金申請をする際に、都度
要求される登記事項証明書や納税証明書がバックオフィス連携され
ることで、企業の負担が軽減されることが期待される。
SFDC, 経団連,
千葉市
Ⅱ-2
企業間取引の添付書
類削減
民間事業者間の契約・取引においても、登記事項証明書や納税証明
書などが求められるが、法人番号によって企業情報を連携すること
によって、添付書類の削減が期待されている。
経団連
Ⅱ-3
取引先の登録・更新業
務の効率化
営業は取引先企業の廃業や企業情報の更新を随時把握することは
事実上出来ないため、法人番号公開機能により企業情報の更新事
実を随時把握できるようになることが期待される。
TKC, SFDC,
楽天銀行, JIPDEC
Ⅱ-4
EDIの
法人コード統一による
業務効率化
自動車業界のEDIにおいて、CADや受発注等のデータ交換を行う際
に一意に企業を識別するコードがあれば、非常に有効だと考えられ
る。
自動車工業会
Ⅱ-5
依頼対象企業の
特定業務の効率化
信用調査会社は調査依頼を名称や住所等で受ける際に、対象企業
の特定に時間を要している。もし調査依頼の際に法人番号で依頼さ
れるようになると、対象企業を特定する工数が軽減される。
TDB, TSR, SFDC
ヒアリング元
出典:民間事業者のヒアリングに基づき日立コンサルティング作成
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利活用ユースケースの概要 4/5
(続き)
領域
施策追加により利活用が期待される領域
No.
名称
概要
ヒアリング元
Ⅱ-6
入金消し込みの
業務効率化
銀行からの入金通知に法人番号が含まれることによって、どの企業
からの入金なのか、入金元企業の特定に要する時間を軽減できる可
能性がある。
MRI, クロストラスト
楽天銀行, TKC
Ⅱ-7
不渡り情報と
融資先企業の
名寄せの効率化
でんさいや手形交換所の不渡り情報に法人番号が含まれることによ
り、金融機関は対象企業が取引先に含まれているのかを特定するの
が容易になると想定される。
楽天銀行
Ⅱ-8
信用情報の
取込みの効率化
信用情報をはじめとする外部の企業に関する情報を社内の取引先情
報に取り込む際に、共通の法人番号があることで効率的に取り込め
るようになる可能性がある。
MRI,
Ⅱ-9
電話帳情報の
利活用の効率化
電話帳などの情報に法人番号が含まれることで、取引先企業の情報
と名寄せが容易になり、より利活用し易くなることが想定される。
松本商工会議所
Ⅱ-10
口座照会の
対応業務の効率化
警視庁からの口座照会では企業の名称や住所等で依頼を受けるた
め、類似商号等がある場合には複数の候補を回答している。それが
法人番号で特定出来れば、対応業務の負荷軽減が期待できる。
楽天銀行
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利活用ユースケースの概要 5/5
(続き)
領域
制度改正により利活用
が期待される領域
No.
名称
Ⅲ-1
マネーロンダリング
対策
Ⅲ-2
従業員情報の官民連
携による効率化
個人の転入転出届出情報が、行政機関から企業に通知されることで、
従業員がこれまで会社に提出していた住民票が不要になると想定さ
れる。
セコム
Ⅲ-3
統計情報
分析の効率化
行政機関から公開される統計情報など、企業に関わる情報に法人番
号が含まれることで、企業単位の名寄せや属性情報との突合が容易
になることが想定される。
MRI,
概要
ヒアリング元
入出金名に法人番号の登録を義務付けることによって、マネーロン
楽天銀行
ダリングへの抑止力や税務調査の業務効率化に繋がると想定される。
※ヒアリング元の略称について
・経団連・・・(社)日本経済団体連合会
・MRI・・・(株)三菱総合研究所
・TSR・・・(株)東京商工リサーチ
・SFDC・・・(株)セールスフォース・ドットコム
・JIPDEC・・・(財)日本情報経済社会推進協会
・TDB・・・(株)帝国データバンク
出典:民間事業者のヒアリングに基づき日立コンサルティング作成
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
ヒアリング結果と効果算定の考え方 1/2
これまでの調査結果や前回の意見交換会において確認された法人番号等の利活用が
期待されるユースケースは、下図に示す通り各ユースケースの実現性(利活用時の前
提(課題))を考慮した分類で整理する。効果算定にあたっては、この分類で段階的な効
果を算出するシミュレーションを行った。
付番対象
【図: 法人番号等の利活用による効果算定シミュレーションの考え方】
Ⅰ´
法人等
+
個人事業主
Ⅱ´
 Ⅰのユースケースに対し、制度
改正により付番対象が個人事
業主へ拡大した場合に想定さ
れる効果
Ⅰ
法人等
 現行の番号法のもと、主に民間
事業者の取組によって、すぐに
でも利活用が期待されるユー
スケースの効果。
すぐに利活用が期待される
 Ⅱのユースケースに対し、制度
改正により付番対象が個人事
業主へ拡大した場合に想定さ
れる効果(算出値はⅠの効果
のとの累計)
Ⅱ
 現行の番号法のもと、施策追加
により利活用が期待されるユー
スケースの効果(算出値はⅠの
効果との累計)
 「企業情報の共有」、「法人番号
との紐付・変換」の2つの課題
への取組が前提。
施策追加により利活用
が期待される
Ⅲ´
 Ⅲのユースケースに対し、制度
改正により付番対象が個人事
業主へ拡大した場合に想定さ
れる効果
(※下記同様、今回算定対象外)
Ⅲ
 番号法のほか関連する制度の
改正により利活用が期待される
ユースケースの効果
(※現時点は不確定な要素が多い等
の理由から効果算定対象外とする)
制度改正により利活用
が期待される
凡例
30
制度改正が必要な領域
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効果算定の結果(サマリ)
各分類の効果算定の結果(サマリ)を以下に示す。
分類
すぐに利活用が
期待される
算定結果(年間)
ユースケース
Ⅰ(法人等)
Ⅰ´(法人等+個人事業主)
Ⅰ-1:取引情報の収集効率化
約8億円
約15億円
Ⅰ-3:企業マスタの登録・更新業務の効率化
約24億円
約36億円
Ⅰ-4:正式名の確認
約38億円
約57億円
約70億円
約108億円
合計
算定結果(年間)
分類
ユースケース
Ⅱ(法人等)
Ⅱ´(法人等+個人事業主)
約706億円
約706億円
約7,574億円
約7,574億円
Ⅱ-3:取引先の登録・更新業務の効率化
約873億円
約1,015億円
Ⅱ-6:入金消込の業務効率化
約907億円
約1,360億円
約2億円
約3億円
合計
約1兆62億円
約1兆658億円
Ⅰ、Ⅱ累計
約1兆132億円
約1兆766億円
Ⅱ-1:行政手続きにおける添付書類削減
Ⅱ-2:企業間取引の添付書類削減
施策追加により
利活用が期待さ
れる
Ⅱ-7:不渡り情報と融資先企業の名寄せの効率化
31
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
効果算定の結果(詳細) 1/3
「すぐに利活用が期待される」ユースケースの効果算定の詳細を以下に示す。
※法:法人等
ユースケース
Ⅰ-1:取引情報の収
集効率化
Ⅰ-3:企業マスタの登
録・更新業務の効率
化
Ⅰ-4:正式名の確認
個事:個人事業主
付番対象
効果(年)
算定式
法
約8億円
「紐付け削減効果(約6万円※1)」×「複数の取引先マスタを持つ法人(資
本金1億円以上と仮定:2万5,636社)」×「利用率5割」
法+個事
約15億円
「紐付け削減効果(約12万円※1)」×「複数の取引先マスタを持つ法人
(資本金1億円以上と仮定:2万5,636社)」×「利用率5割」
法
約24億円
「法人の取引先数(1,000社※2)」×「DM送付対象(1%※3)」×「年間送付
件数(2回)」×「DM送付コスト(90円※4)」×「全国の法人数(258万社)」
×「利用率(5割)」+「信用調査会社の効果(4,824万円)」×「大手信用
調査会社の件数(2社)」
法+個事
約36億円
(「法人の取引先数(1,000社※2)」+「個人事業主の取引先数(500社
※2)」)×「DM送付対象(1%※3)」×「年間送付件数(2回)」)×「DM送付コ
スト(90円※4)」×「全国の法人数(258万社)」×「利用率(5割)」+「信用
調査会社の効果(4,824万円)」×「大手信用調査会社の件数(2社)」
法
約38億円
「正式名確認作業削減工数(1分)」×「法人の取引先件数(1,000社※2)
の1割※5(100社)」×「民間企業従業員の時間単価(1,758円)」×「法人
数(258万社)」×「利用率(5割)」
法+個事
約57億円
「正式名確認作業削減工数(1分)」×「法人の取引先企業件数(1,000社
※2)と個人事業主の取引先数(500社※2)の1割※5(150社)」×「民間企
業従業員の時間単価(1,758円)」×「法人数(258万社)」×「利用率(5
割)」
合計
法
約70億円
法+個事
約108億円
※1:ユースケースⅠ-1の経理における紐付け削減効果を一般的企業の削減効果として仮定
※2:全国の法人における法人の取引先企業を1,000社、個人事業主を500社と仮定
※3:製品・サービスやセミナーの案内をDMで送付する対象は全体の1%と仮定
※4:DMの送付コストは東京商工リサーチのDM送付コストと同等と仮定
※5:正式名称を年に1度でも確認する対象企業の数は取引先の1割と仮定
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
効果算定の結果(詳細) 2/3
「施策追加により利活用が期待される」ユースケースの効果算定の詳細を以下に示す。
※法:法人等
ユースケース
Ⅱ-1:行政手続きにお
ける添付書類削減
Ⅱ-2:企業間取引の
添付書類削減
Ⅱ-3:取引先の登録・
更新業務の効率化
個事:個人事業主
付番対象
効果(年)
算定式
法
約706億円
電子行政に関するTF資料より引用:<行政手続きにおける「登記事項
証明書」、「納税証明書」、「印鑑証明書」の削減効果:706億円>※1
法+個事
約706億円
(個人事業主の行政手続きにおける添付書類は個人に関する書類が多
く、実現には個人番号との連携などの制度改正が必要)
法
約7,574億円
電子行政に関するTF資料より引用:<企業間取引における「登記事項
証明書」、「納税証明書」、「印鑑証明書」の削減効果:7,574億円>※1
法+個事
約7,574億円
(個人事業主の企業間取引における添付書類は個人に関する書類が多
く、実現には個人番号との連携などの制度改正が必要)
法
約873億円
(「企業の倒産・廃業チェックの効果(22,845円)」+「企業情報の検索(企
業名寄せ)の削減工数(約5分)」×「取引先法人件数(1,000件※2)」×
「更新対象率(7.5%※3)」×「民間企業従業員の時間単価(1,758円)」)×
「社内のDB数(2つ※4)」×「法人数(258万社)」×「利用率(5割)」
法+個事
約1,015億円
(「企業の倒産・廃業チェックの効果(22,845円)」+「企業情報の検索(企
業名寄せ)の削減工数(約5分)」×「取引先法人件数(1,000件※2)」+
「取引先個人事業主件数(500件※2)」×「更新対象件数(7.5%※3)」)×
「民間企業従業員の時間単価(1,758円)」)×「社内のDB数(2つ※4)」×
「法人数(258万社)」×「利用率(5割)」
※1:第24回電子行政に関するタスクフォース会議資料 資料1-2より引用
※2:全国の法人における法人の取引先企業を1,000社、個人事業主を500社と仮定
※3:年1回の棚卸ではなく、変更が発生した企業のみを検索すると仮定。変更率は信用調査会社へのヒアリングで確認された、企業名称及び主たる事業所の所在地が変更される率を仮定として利用
※4:社内にあるDB数は2つとして、検索件数も2倍になると仮定
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効果算定の結果(詳細) 3/3
(続き)
※法:法人等
ユースケース
Ⅱ-6:入金消込の業
務効率化
Ⅱ-7:不渡り情報と融
資先企業の名寄せの
効率化
Ⅱの合計
Ⅰ、Ⅱ累計
付番対象
効果(年)
個事:個人事業主
算定式
法
約907億円
「1社あたりの削減効果(70,320円※1)」×「法人数(257万9千件)」×「利
用率(5割)」
法+個事
約1360億円
「1社あたりの削減効果(105,480円※2)」×「法人数(257万9千件)」×
「利用率(5割)」
法
約2億円
「不渡り企業と法人口座の名寄せ作業削減工数(2分)」×「不渡り件数
(42,145件)」×「不渡り件数のうちの法人の割合(54% ※3)」×「民間企
業従業員の時間単価(1,758円)」×「全国銀行協会の会員数(253件)」
×「利用率(5割)」
法+個事
約3億円
「不渡り企業と法人口座の名寄せ作業削減工数(2分)」×「不渡り件数
(42,145件)」×「民間企業従業員の時間単価(1,758円)」×「全国銀行
協会の会員数(253件)」×「利用率(5割)」
法
約1兆62億円
法+個事
約1兆658億円
法
約1兆132億円
※「すぐに利活用が期待される」のⅠの約70億円を含む。
法+個事
約1兆766億円
※「すぐに利活用が期待される」のⅠ´の約108億円を含む。
※1:TKCの算定値(210,960円)のうち、取引ごとのコードが必要な「入金額と請求金額との消し込み」の効果(140,640円)を除いた数値を利用
※2:個人事業主も含めると年間の処理件数が1.5倍になると仮定
※3:日本における法人件数(258万件)と個人事業主の件数(220万件)の割合を利用
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平成25年度電子経済産業省構築事業 「法人番号等の民間事業者における利活用に関する調査研究」
効果算定に用いた緒元一覧
【表:効果算定に用いた緒元一覧】
効果試算の緒元
民間企業従業員の時間単価
税務統計から見た法人数
税務統計から見た資本金1億円
超の法人数
個人経営の事業所数
不渡り手形実数
全国銀行協会会員数
値
出所
1,758円 総務省「労働力調査」(平成23年1月)
257万8,593社 国税庁「会社標本調査結果」(平成23年度分統計表)
2万5,636社 国税庁「会社標本調査結果」(平成23年度分統計表)
総務省統計局「経済センサス活動調査結果」(平成24年)
(「全国の民営事業所数(約542万事業所)の約40.7%(約220万事業所)」)
約220万事業所
※個人事業主は1企業1事業所が多いと想定されることから、個人事業主の
事業所の数を個人事業主の会社数と仮定して算出
42,145件
全国銀行協会「全国手形交換髙・不渡手形実数・取引停止処分数調」(平成
25年)
253件 全銀協の概要(平成25年12月31日現在)
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