...

生活リズム向上のプログラム

by user

on
Category: Documents
15

views

Report

Comments

Transcript

生活リズム向上のプログラム
早寝・早起き・朝ごはんのすすめ
~生活リズム向上のプログラム~
子どもの生活圏づくり研究集会
和洋女子大学人文学部
鈴木みゆき
2008
Ⅰ.今、子どもの生活リズムは・・
①就寝時刻が遅くなっている
100
平成12年度
昭和55年度
50
0
1歳
2歳 3歳
4歳 5~
平成12
年度
54.3 59.2 51.8 38.6 39.6
昭和55
年度
25.7 29.3 21.8
13
9.7
図1:夜10時以降に寝る幼児の割合
(日本小児保健協会)
1
②朝食欠食率があがっている
③全ての子ども世代が寝不足
JSC
平日、夜12時以降に就寝する割合
文部科学省 平成17年度「義務教育に関する意識調査」概要
小学生 n=3,350,中学生 n=2,924
2
高校生も・・・
④生活リズムに関する知識がない
3
4
ほとんどない
35%
結構ある
40%
時々ある
25%
結構ある
時々ある
ほとんどない
図1 夜寝るまで添い寝する
3~5歳児(N=1071)2002
5
気に入りのものを持たせる
198
842
子守唄を歌う32
ビデオを見せる 70
絵本を読む
1003
970
225
515
抱っこしている26
特にない
0
1014
434
200
する
606
400
600
800
1000
1200
しない
図2 寝るときの様子の有無
3~5歳児( N=1071) 2002
Ⅱ.早寝早起きの科学的根拠
6
副腎皮質ホルモン
Ⅲ 生活リズムがきちんとしないと・・
(1)午前中から眠い
7
(2)朝食欠食は睡眠不足と関係する
(3)情動面への影響がでる
全国1200名余の保育者(幼稚園教諭・保育士)
の約8割が「今の子どもは睡眠不足」と感じ、「朝
体温が低く活動にのれない」「朝ボーッとしてい
る」「無表情」「リズムを伴う遊びが稚拙」等と相
関がみられた(鈴木 2000)。
1歳児~5歳児の睡眠-覚醒リズムの調査からわ
かったこと(鈴木 2001~2003)
1)午睡から起こされる幼児には、睡眠‐覚醒リズ
ム(就眠時刻・起床時刻)が不整な場合が多い。
2)就眠時刻が不整な児は本人の意思に任され寝
ている割合が高い。
8
3)睡眠‐覚醒リズムが不整な児は、保育者が「気
になる子ども」と思っている割合が高い。
4)保育者が「気になる」不整な児のエピソードを
KJ法で分類すると以下になる。
①ボーっとしていて午前中の活動にのれない
②無表情で自分の気持ちを表しにくい
③理由のない攻撃性を示す
④特定のものにこだわり、他(ひと)に無関心
(4)性の早熟化がすすむ
9
(5)体温が上がらない
中央教育審議会スポーツ・青少年分科会2005・11より
(6)肥満につながる
10
(7)運動量は少ない
表1家庭に引きこもりがちな1歳児2歳児と保育所に通う児の運動量
(「育児雑誌からの子育て支援アプローチⅠ」井上・中野・鈴木,日本小児保健学会2003発表)
*歩数は朝起床~夜就寝までの一日の測定
運動強度(度数分布)%
歩数
歩数
強度0
強度
1
強度
2
強度
3
強度
4
強度
5
強度
6
強度
7
強度
8
強度
9
H保育2歳
9663
92.98
1.51
2.42
0.67
0.31
0.56
0.1
0.51
0.77
0.17
M保育2歳
11072
91.99
1.67
2.89
0.95
0.54
0.47
0.27
0.52
0.61
0.09
Y児(家庭)
3014
97.72
0.59
0.85
0.17
0.13
0.3
0.23
0.01
H保育1歳
10749
91.38
2.76
3.58
0.79
0.35
0.42
0.14
0.22
0.31
0.05
M保育1歳
8440
93.6
1.56
2.68
0.64
0.39
0.35
0.17
0.31
0.25
0.05
M児(家庭)
3214
97.62
0.72
0.84
0.15
0.14
0.31
0.22
注1
0
0
0
0
0
運動強度0=静かにしている~運動強度7=ジョギング~運動強度9=一生懸命走る
(8)学力に関係する?!
11
(9)幼児の場合も知的能力に影響
12
2003年幼児の睡眠とVMI
都内区部の5箇所の公立保育所の協力を得て、
家庭で4~5歳児クラスに在籍する幼児の2週間
の睡眠日誌(day-by-day plot法)を記録してもらう。
日中保育活動の1つとしてVMI検査を行う。VMI
は,Berry Developmental Test of Visual Motor
Integration を用いる。
VMIは6月下旬及び11月下旬の2回実施する。
睡眠日誌とVMIの結果との相関を考察する。
6月/11月 2回の調査でも・・
13
Ⅳ.生活リズム改善への提言
1)睡眠に関する科学的根拠をきちんと説明で
きる「場」をあること→認識・知識・意識
2)養育者が幼少時代どうだったかを思い出す
→気づき
3)1週間の睡眠記録をつけてみる。そのことを
話し合う→事実の認識・意識
4)教育の場から改善への具体的提言と繰り返
しサポート→実践
6%
10%
40%
34%
2%
8%
0%
遅寝なので改善したい
遅寝だけどこのままでいい
遅寝だけど改善できないので仕方ない
遅寝かどうかわからない
遅寝ではないのでこのままでいい
その他
無回答
図4
自分の子どもの就眠時刻への感想
14
朝少しでも食べさせ
るようになった
36
33
35
朝部屋に光を入れ
て目覚めさせるよう
になった
朝決まった時刻に
起こすようになった
夜決まった時刻に
夕食をとるように
なった
夜決まった時刻に
寝かせるようになっ
た
夜寝る前に傍にい
るようになった
11
32
9
23
その他
0
10
20
30
40
図5 改善したこと(複数回答2003)
1)保護者と目標を決めよう♪
1)保護者と目標を決めよう♪
15
2)生活リズムカルタを作ろう♪
16
3)より具体的に話そう♪
睡眠-覚醒リズム改善法
・早起きをさせる→10~30分
不機嫌当然、じゃれてなだめる
・朝のカーテンをあけよう運動→もっと光を!まぶしく
て当然、新聞取りに外に出る
・朝ごはんを食べよう→楽しくおしゃべり
エネルギーに変わるものを
・夕食は決まった時刻に→就床時刻の鍵
・夜寝る前のTVに注意→だらだら9時過ぎ×
・おやすみなさいの聖なる儀式
17
・ソフトランディング→興奮しない、させない
・添い寝はできるうちが華→絵本、子守唄等
・我が子の「寝癖」発見!→額を撫ぜる、耳を
さわる、トントンする等
・一緒に寝ちゃって大丈夫→大人は途中で目覚
められる。目覚めなかったら 疲れている証拠
子どもを取り巻く全ての方へ
お願い
地域創生に向けて
1.子育て世代へのサポート
おばあさん仮説
地域があることの意味
2.夜子どもがいない街づくり
コンビニ、居酒屋さんにポスターを
時間・空間・仲間+世間
18
Fly UP