Comments
Description
Transcript
を今に届ける Kawasakiのモーターサイクル
﹁ ﹂ は、 川崎重工の事業群の垣根 Ninja H2R を超えた ﹁オンリーワン﹂ テクノロジーとクラ なハンドリングに仕上がった﹂ と、 高速安 量産車初のスーパーチャージド・ エンジンで、圧倒的な加速を 実現した﹁ Ninja H2R ﹂ フトマンシップの結集とも言える1台だ。強 サーキット専用車の ﹁ Ninja H2R ﹂ である。 ﹁何の制約もなしに自由に二輪車を設計 らした﹁ Ninja ﹂ の登場から 年。 その記念す べき年に、 川崎重工は新たな革新を世に問う。 トアップを抑え込む。 ノッキングの抑制はガ 制御技術をフロント・ウィングレットに取り ガスタービンの技術をエンジン設計者自らが 定性も両立した。 世界のモーターサイクルに革命をもた 。 この できるとしたら何をつくるか﹂ ―― 問いに川崎重工のモーターサイクル開発 スエンジンの技術に学び、 燃焼室の形状は従 ﹁ Ninja H2R ﹂ である。 量産二輪車としては世界初の機械駆動 膜の中に純銀の層を生成し表面を鏡状に レームの美しい溶接ビード﹂﹁銀鏡塗装 ︵塗 により細部に至るまで作り込まれている。 ﹁ 過 給 機 の 加 工・組 立・調 整・検 査 ﹂﹁ フ 遠心過給機 ︵スーパー・チャージャー︶ を備 した塗装︶ ﹂ などは、 すべてベテラン作業員 馬力という圧倒的なパワーで比類なき加速 そのスタイリングは、 ライダーにフィット えた1000 4気筒エンジンは、300 来にない斬 新 な ものとなった。 入れ、 高速走行時に前輪が浮き上がるリフ 学び、設計した。また航空機の主翼の空力 烈なパワーを生むスーパー・チャージャーは、 年先行したスペッ 陣が出した答えは、 ﹁ 30 ク を 今 、実 現 す る こ と ﹂で あ り 、そ れ が 10 を生み出し 、 最高時速は300 / を優に CC のスチールパイプフレーム ︵トレリスフレー 回性の良いハンドリングを実現しつつ、細径 は、 ショートホイールベースとすることで旋 超える。 その強大なパワーを受けとめる車体 デザインを担当したモーターサイクル&エン つつ、 強烈なパワー感を発現している。 突き詰められたシンプルな機能美を持ち する燃料タンク形状の作り込みをはじめ、 的に発生する力強さを素直に形にしまし ム︶ の採用により外乱収束性を高めて高速安 ︵株式会社ケイテック実験部製品評価課 た。匠による巧みが、 これほど盛られている量 圭志は、﹁機能から生まれる美しさと、 必然 フォアマン︶ が、﹁これまでに乗った中で一 産車は他にない。﹃川崎重工の技術﹄ を象徴す 番速い。時速300 / からでもはじか ジンカンパニー技術本部デザイン部長の福本 h 定性を確保した。開 発 ラ イ ダ ー の 山 下 繁 km 安定してラインをキープするほど素直な から手を離してもマシンは微動だにせず に 安 定 し て い る 。定常円旋回でハンドル の強烈な加速感。﹁しかも車体挙動は非常 れるような加速を体感できる﹂ というほど 世界のモーターサイクルは今、 環境性能、 つま たのも至極自然なことでした﹂ と語る。 リバーマークエンブレムを戴冠しようと考え るものとして、 当社の商標の 〝川〟 を意味する 高出力の両立をめざす過程で誕生したものだ。 規開発の過給エンジン﹂も実は、燃費性能と 高速域でも接地感があり、 かつダイレクト り燃費の向上を軸にした新車開発が進む。﹁新 h リーン特性を持ち、 時速330㎞以上の超 km 04 Kawasaki News 176 Kawasaki News 176 05 Special Feature 「Ninja H2R」 の開発ライダーを務めたのがケイテック 実験部製品評価課のフォアマン、山下繁。フレームのパ イプ径・板厚をミリ単位で何種類もテストをし、 さらにダ イレクトなハンドリング感を演出する為、山下の全身が センサーとなって改良が加えられた。 「身体とコックピッ トが一体になったようなダイレクトなハンドリングで、時 速300km/h以上でもビクともしない走行安定性があ る。私自身にとって、納得できるマシンに仕上がった」 【特集】 「 10 年先のスペック」を 今に届ける Kawasaki の モーターサイクル 川崎重工のモーターサイクル事業が、 また新たな伝説を誕生させる。 「Ninja H2R」。 常識にとらわれず、自ら “突然変異” を生み出す。 「Kawasaki」 ブランドへの世界の期待に応える 川崎重工のモーターサイクル事業の核心とは何だろうか。 設計を担った同カンパニー技術本部第 年 品を創る。だからこそ﹁ Kawasaki ﹂を持つ ことは、 喜びや誇りへと昇華されていく。 世界のライダーを魅了した。 とも言えるパフォーマンスを発揮して 特のカウリングなどの採用により、無敵 心を忘れることはありません﹂ と語る。 めて国際レースに挑んだ先輩たちの挑戦 代後半、あえてライムグリーンで塗り固 世 界 の 若 者 た ちに 希 望 を 届ける グロー バルな 製 造・販 売 拠 点の整 備 人に伝えていきたいと思います。 いち さとあき 実はモーターサイクル事業は、川崎重 さらなる革新、突然変異で世界中を驚 愕させたのが2008年の ﹁ Ninja 250R ﹂ クラスは先進国ではエ だった 。250 く、安 全 運 転 教 育なども通じて「Kawas aki」に乗ることの喜び を多くの 一設計部第一課基幹職の市聡顕は、 ﹁ 先行した設計スペックを世の中に出し、 熱 る 事 業 で あ る 。そ れ 故 に 、1 9 6 0 年 代 工のなかで唯一、最終消費者を顧客とす 心な Kawasaki ファンに長期にわたり感動 を与え続けたいと考えています。製品とし の半ばには厳しい販売競争にさらされ、 ントリーモデル、 新興国ではプレミアムモ を 知ってもらう活 動に力を注ぎ たいと考えています。作り、売るだけでな てのモーターサイクルにとどまらず、 顧客 された時期さえあった。 川崎重工のモーターサイクルの事業 事業撤退が デルと位置づけられたが、 クラスを超えた これからは、もっと多くの人、特に若い世代の人 たちに「Fun to Ride」 に感動を与え続けるモーターサイクルを そ の 苦 境 を 打 ち 破 り 、モ ー タ ー サ イ ク できない環境対応技術を生み出すのです。 世に出したいのです﹂ と胸を張る。 としての〝主戦場〟は海外である。市場 極。 年代にはアメリカを軸に海外展開 は、アメリカ、その他先進国、新興国の3 質感と性能を誇る世界戦略車となった。 た の が 、1 9 7 2 年 の﹁ Z 1 ﹂だ っ た 。当 に乗りたいから免許を取った﹂ Ninja ﹁ ル事業の可能性と開発思想を指し示し 時、レース車にしか使われていなかった を本格化させ、 年代半ばには東南アジ この商品で具 現化された技 術こそ、次のステップにおいて他社には真似の 受け継 がれる の執 念 。 ﹁ 強い商 品 を 真 ん 中 に 置 け ﹂ ﹁ Ninja と い う 二 輪 車 が 欲 し い ﹂。二 輪 車 の新車購入者の平均年齢 が 歳という ました。もちろん「Ninja H2R」が 環境対応ではないという意味ではなく、 ︶を アへの展開も始めた。 が 、そのような 時 代であるからこそ 、Z1から脈々と繋 がるK a w a s a k i の エ ン ジ ン︵ 9 0 0 シーンに新たな幕開けをもたらした。開 D N Aを引き継ぎ、新たな頂 点を示す商品の開 発に挑 んでみようと始まり 4気筒 発 者 た ち の 座 談 会 で は 、﹁ 世 界 一 を 作 ら 内 。そ ) れほどにまで人を引きつけてや ま な い 魅 力 が あ る 。タ イ 工 場 で 製 造 し 、 す。これからのモーターサイクルの開発は、低 燃 費環 境 対応 型が主 流です 川 崎 重 工 は 、総 合 重 機 メ ー カ ー だ が 、 ﹁ Kawasaki ﹂がモーターサイクルの専門 メーカーだと思っている人も少なくない。 なければ絶対に生き残れない﹂ ﹁〝 カ ワ 万円を切る販売価格としたマーケ 場が稼働を開始した。第1工場と合わせた 「N i n ja H 2 R 」の 開 発 は、 「 Z1 」を開 発した 気 概を現 代に再現するもので 量産車に採用。世界のモーターサイクル それほどモーターサイクルの世界では サ キ ら し さ 〟 は 馬 力 、最 高 速 、ゼ ロ ヨ ン 1984年には初代﹁ Ninja GPz900R ﹂ が 登 場 し た 。当 時 、ア メ リ カ で の 忍 者 た 。﹁ 今 や 当 社 の モ ー タ ー サ イ ク ル は 、 ティングも奏功した。 ブームがネーミングの由来だったが、水 〝ライムグリーンの Kawasaki 〟などと 言われますが、そのライムグリーンは海 年間生産台数は2倍以上の 万台になる 。 世界の工場に供給するほどの力を備え、 ﹂は 、全 米 か ら デ ィ ラ ー Dealer Meeting が集い、新機種や販売戦略について方針 インドネシアでは2014年4月に第2工 が示されると共に、現場からの厳しい要 3大市場に加え、 タイやマレーシア、 フィ 25 リピンなどでも、﹁ Kawasaki ﹂は憧れのブ ランドだ。富裕層の増加によりレジャー 最高の喜びをお客様に届けたいと考えています。 加速﹂等々の言葉が並ぶ。 はない、ハイパフォーマンスのプレミア 冷4 気 筒D O H C で サ イ ド カ ム チ ェ ー 70 さらにインドでは現地の大手企業と合弁 ﹂は他社と比較して Kawasaki 健闘を続け、日本メーカーの中で首位の むなかで、﹁ シェアを獲得できたのは、このミーティ カーとは異なる競争の舞台に身を置くことで、 「 強い商品」にリードされた スクーターなど低価格、大量販売製品で ム・モーターサイクルに特化。 他メーカー ン、エンジンと一体になったダイヤモン ﹂を設 計 し た 市 も﹁ Ninja ﹂に ﹁ Ninja H2R 憧 れ 、モ ー タ ー サ イ ク ル の 設 計 を 志 し れ、個性的だからこそ語り継 には作れず真似もできないオリジナリ 60 求 が 寄 せ ら れ る 。リ ー マ ン シ ョ ッ ク 後 、 K awasa k i 60 ングにおける挑戦心の共有が大きい。 台 数こそ大メーカーと言える規 模ではありませんが、中・大 型車分 野では トップレベルのブランド力を誇っています。特に新興 国でモーターサイク ルブランドを牽引しているのは「Kawas aki」である、ということに、私 た ちは強い自負と誇りを持っています。 バイクを楽しむ人が増え、﹁ Kawasaki ﹂は 指名買いが続く。若者たちがわくわくす 川 崎 重 工の モ ーターサイクル は 、中 型 車と大 型 車を 中 心 に展 開し 、生 産 そしてアジアでは、 世界の3大市場であ を見せ、2 011年には世界で初めて生 産 台 数 が6 0 0 0万台を 超 えました。 るようなモーターサイクルがある。それ を 契 機 に 大 きく落 ち込 みました が 、そ の 後 、新 興 国を中 心 に回 復の 兆し は、 かつての日本がそうであったように、 モペット・スクーターも含めた世界 の二 輪 車 生 産は、リーマンショック る中国、 インド、 インドネシアの市場に対 ライバルはヨーロッパメーカー ブランド力とデザインでトップを競います 応するために製造拠点や販売拠点の整備 川崎重工業株式会社 モーターサイクル&エンジンカンパニー営業本部 営業本部長執行役員 明日への希望となるものである。 ンとブランド力で支 持を集めるヨーロッパのメーカーです。他の国内メー 中に置く﹂という開発思想だ。モペット・ ﹁ Kawasaki ﹂ は強烈な存在感を放っている。 その背景にあるのが、﹁強い商品を真ん 状況のなかで、 ﹁ Ninja 250R ﹂は 歳 代 ま で の 購 入 者 が 全 体 の7 割 を 占 め る 国( 51 で製造・販売拠点を整備している。 ア メ リ カ で 開 か れ る﹁ Ninja H2/H2R モーターサイクルの販売が大きく落ち込 Ninja 250R ティーに Leader’s Voice を進めてきた。 タイ工場はすでに、 部品を ライバルは、モペット・スクーターを量 産するメーカーではなく、デザイ CC 外では不吉な色とされていました。 年 4 Ninja H2Rはサーキット専用車だが、もちろん公道仕様 車も発売される。主要国の基準に適合させたストリート リーガルの「Ninja H2」 ( ZXT00N)だ。 「 Ninja H2」を前 に記念写真に納まったのは、 ( 左から)開発ライダーの山 下繁、設計担当の市聡顕、デザイナーの福本圭志。 50 Takeshi Asano 浅野剛 Ninja/GPz900R 2 5 ( 1 )新 興 国 で は 、 「 N i n j a 」や「 Z 」は 若 者 の 憧 れ の 的 。写 真 は 、インド ネ シア で の「 N i n j a 」新 車 発 売 イ ベ ント。 ( 2 )同 国 で は 第2工 場 も 完 成した 。 ( 3 , 4 , 5 )部 品 の 加 工 から組 立 、完 成 車 試 験まで 、明 石 工 場 は マ ザ ーファクトリーとしても の づくりの 世 界 戦 略をリードして いる ドフレーム、そして空力特性に優れた独 4 3 06 Kawasaki News 176 Kawasaki News 176 07 CC 10 KAWASAKI Z1 1 「Ninja H2R」 (ZXT00P)。 長年のモーターサイクルについての蓄積に、他事 業分野の航空宇宙、ガスタービン、ガスエンジンな どの技術を取り入れた、 「 オンリーワン」テクノロ ジーとクラフトマンシップの結晶。 30 D O H C Z 1 がれ、顧客を引きつけてやまない強い商 「Kawasaki」の モーターサイクルのDNAを生み、 育てた名車たち。 代を 切 り拓 モーターサイクルの喜びを共有する。 ミーティング﹂﹁U ― ミーティング﹂ など の催しを継続的に実施。コーヒーブレー ファンが集う場をつくり、熱い思いに ク ミーティングは、 2013年に100 商品力とは、顧客が商品を買う前に理 耳を傾けるのも、次なる突然変異を求め 回記念を迎えたが、会場となった淡路島 解する商品の属性が他社よりも優れ、そ てのことである。顧客についての深い理 ユー ザーの尖った 声 を 聞き 、 ユー ザ ー を 知 る 活 動にこ そ 、 すべての起 点 がある の属性により顧客を獲得する力だ。突然 解こそが新たな技術革新を促している。 には3800人ものファンが集った。 変 異 やD N A に 象 徴 さ れ る 開 発 思 想 は 、 技術が尖り、 先行しているかに見えて、 川崎重工のモーターサイクル事業で ま さ に 商 品 力 そ の も の 。一 方 、商 品 性 と は、﹁商品力﹂と﹁商品性﹂という言葉が使 は、顧客が商品を購入した後に理解する 実は顧客の ﹁ Fun to Ride ﹂ の夢を知り、 技術とのスパイラルを生み出す。 ﹁なぜ Kawasaki なのか﹂﹁ Kawasaki の何 が 良 い の か ﹂。参 加 者 は 思 い 思 い に 語 り 商品属性が他社よりも優れ、その商品属 そこに川崎重工のモーターサイクル い分けられる。 性により満足し、再び同じメーカーの商 1968年、米ユニメーション社と技術提携 し、翌69年から国産初の産業用ロボット の商業生産を開始。 事業の核心がある。 ユニメート2000 型 品を選んでもらう力だ。 性能や品質、 メン 国産初の産業用ロボット テンナンスのしやすさなどがあるが、こ 初代 モデル こで重要な活動となっているのが、 ﹁ Kawasaki のモーターサイクル﹂をより 深く知ってもらうための活動だ。営業本 部長の浅野はそれを、﹁ことづくり﹂と表 現する。 会社であるカワサキモータースジャパン が組織する﹁KAZE 活動﹂。川崎重工の モーターサイクルファンのためのクラブ 組織で、 独自の月刊情報誌を発行したり、 加入しやすい保険商品を用意したり、 レースの応援やツーリングツアーを企画 国産初号機の開発以来、次々と活用分野を拓き、ロボット産業の基盤をつくってきた。 したりしている。 現在、 会員数は2万50 川崎重工の産業用ロボット事業は、人間本位のものづくりの哲学を背景に、 00 人を数える。他メーカーも同様のク 産業用ロボット ラブを組織したが、今なお活動が続くの 【vol.003】 は ﹁KAZE﹂ だけである。 Epoch Maker その象徴が、モーターサイクルの販売 く さ ら に﹁ カ ワ サ キ コ ー ヒ ー ブ レ ー ク 時 29 「 K A Z E 活 動 」は 、独 自 の 月 刊 誌 の 発 行 や ライ ダ ー ズミー ティング の 開 催 などによりファン が 交 流 する だ け で な く、ファン の 尖った 声 を 知るため の 機 会にもなって いる。 スポット溶接用ロボット B シリーズ 垂直多関節型の溶接ロボット。アー ムの軽量化や高出力・高回転小型 モータ、最新の防振制御などにより サイクルタイムを大幅に短縮。さら にケーブル・ホース類をアーム内に 内蔵することで、隣接ロボットや周 辺装置との干渉を解消した。 高速ピッキング ロボット クリーンルーム用 ロボット Y シリーズ NT シリーズ 小型ながら最大可搬質量が2kg と3kgの2機種があり、高速・高 精度・安全な搬送が可能。食品、 薬品、化粧品の製造ラインのみ ならず電子関連機器まで幅広い 用途で活用されている。 微細な塵の混入も許されないク リーンルームでの電子部品製造。 ウェーハの搬送に活躍する水平 多関節型のロボット。独自の駆動 部により高精度で高剛性、そして 滑らかな動きを実現している。 MS005N ロボットによる作業の自動化への要求が高まって いる医薬・医療現場でも、川崎重工は先駆的な存 在だ。人が介在することによる作業ミスや微生物 の混入を防ぎ、抗ガン剤などの高薬理活性医薬品 の取り扱いによる感染を防ぐ。MS005Nは、オー ルステンレス構造とすることで薬液耐性が高く、 洗浄性、サニタリー性に優れたロボットです。 Future Vision モーターサイクルの持続的な成長をめざし 関連団体が「二輪車産業政策ロードマップ」を策定 日本のモーターサイクル産業の持続的な成長をめざした取 日 本 の 優 れた 商 品 の 提 供 を 通じて 世 界 中 の 人 々 の 生 活 の 質 り組みが相次いでいる。 の 向 上と社 会・経 済 の 発 展に寄 与し、日 本 の 二 輪 車 産 業 の 持 2 0 1 3 年には、経 済 産 業 省 の 支 援を得て官 民 一 体による会 続 的 な 成 長 をめざして いる。一 方 、国 内 市 場 では 、① 安 全・安 今 界では、日本製の産業用ロボットが過半数を占め、日本は“ロ の自動化に産業用ロボットを適用した初の試みであった。 一時、 ロボット 議体「BIKE LOVE FORUM(BLF)」が発足。2020年度をゴー 心 な 二 輪 車 利 用 環 境 の 醸 成 、② 社 会との 共 生 の 実 現 、③ 社 会 メーカーは200社を超えたが、 その競争のなかで生き残ったメーカーに共 ルとした目 標 の 設 定や課 題 の 整 理 、実 行 施 策や展 開イメージ 基 盤 の 整 備 、④ 免 許 制 度 の 見 直し、⑤ 快 適さや楽しさの 訴 求 、 ボット大国”として世界のものづくりを支えている。 通するのは、 ロボット勃興期に川崎重工が試みた、 新しい分野への積極的な などについて議論がなされている。 をめざすことにしている。 その先駆が川崎重工で、 「産業用ロボットの父」と呼ばれたエンゲル 適用を自らの課題とした点にある。 その意味で、 川崎重工の産業用ロボット BLF活動と連動し、2014年5月には日本自動車工業会など 川崎重工も、BLF活動やロードマップの実現に尽力してモー バーガー博士が創始した米ユニメーション社と提携して1968年に国 の開発は、 日本のロボット産業のDNAを形づくるものだった。 モーターサイクルの関連8団体と、地元にモーターサイクル産 ターサイクル事業の成長に向けた基盤づくりに協力している。 産初の産業用ロボットの開発に成 功。70 年代に入ると大手自動車 産業用ロボットは、機械技術、エレクトロニクス、コンピュータ、サー メーカーに相次いで導入され、これを機に日本は産業ロボット大国へ ボモータ、センサなどの総合技術であり、利用技術、生産技術、現場技 の道を歩み始める。 術の裏付けがあればこそ生産現場で力を発揮する。その総合力を背 川崎重工では、 自社工場でさまざまな用途へのロボットの活用を試み、 景に、過酷で困難な作業はロボットに任せ、自らはより人間的な作業 その知見が他の産業分野での活用へとつながっていった。 例えば、 明石 に集中するという、人間本位のものづくり哲学が川崎重工のロボット 工場 (兵庫県) での工作機械の自動運転システム (1971年) は、 機械加工 事業の基本思想になっている。 やものづくりに不可欠な存在となっている産業用ロボット。世 09 医薬・医療向けロボット 最新 シリーズ Kawasaki News 176 業を擁 する5つ の 地 方 自 治 体 が 共 同 で 、モ ーター サイクル の 成 長 戦 略シナリオである『 二 輪 車 産 業 政 策ロードマップ 』を取 りまとめ公表した。 ロードマップでは、2020年を目 標に、①グローバ ル 市 場で 世 界 の バイクの 2 台に1 台を“ JA PA N ”ブ ランドにする、② 国 内 市 場では新 車 販 売を100万 台とする、③ 国 内における利 用 者マナー の 向上、の 3つの目標を掲げている。国 際 市 場では 2 014 年 8 月に浜 松市 で 開かれ た第 2 回 BLF。モーターサイクル の楽しさと、産業としての発展を 考える重要な催しになっている Kawasaki News 176 08