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(狩猟者へのお知らせ(PDF))
狩猟中のヒグマによる人身被害の防止について 昭 和 3 7年 4 月か ら平 成2 4年8 月末までに発 生し たヒグ マによる 人身被 害に遭っ た1 2 7 人 の う ち 、 狩 猟 ・ 有 害鳥 獣 駆 除 中 の 被害 者は 5 1 人と 、 全 体の 4 0% に のぼ っ てい ま す。 近年、エゾシカの狩猟や有害駆除の現場でヒグマと遭遇する事例が増えています。 ヒグマは全道に分布していることから、猟場等には必ずヒグマがいるものと認識し、猟 友と協力して見張りを徹底するなど、人身被害の防止に努めましょう。 ま た 、 エ ゾ シ カ を 餌 と 認 識 し た ヒ グ マ が 多 く な っ て い る と 考 え ら れ て お り 、 狩 猟 者が 捕 獲したエゾシカをヒグマが奪おうとしたような状況も察知されています。 一 般的にヒグマは確 保した餌を奪 おうと する 者に対して非常 に攻撃的 になる ことが知 られており、エゾシカの死体や残滓があった場合も含め、十分な注意が必要です。 有 害 駆 除 によ り捕 獲 したエゾ シ カを一 時養 鹿するための施 設に おいて 、エゾ シ カを餌 と認識したヒグマが侵 入し、飼養中のエゾシカに被害が発生するとともに、ヒグマが施設 周辺に定着し、エゾシカの捕獲が困難になった事例も報告されています。 【 ヒグマによる人身被害の発生状況(S37.4~H24.8)】 事故時の活動状況 山菜採り ヒグマ駆除 山林作業 ヒグマ狩猟 農作業 エゾシカ狩猟 川釣り その他 合計 被害者数 28 27 18 17 11 7 4 15 127 うち死亡者数 15 9 4 7 2 1 4 7 49 割合(%) 22 21 14 13 9 6 3 12 【 狩猟者の被害防止のために 】 ・ 狩猟 や 有 害 鳥 獣駆除 の現 場では、 必 ず複数で行動し まし ょう 。また、獲物 ばか りに 注力せず 、猟友と協力して後方や側方の見張りを厳重にしましょう。(装備万全、状 況確認、連絡緊密、過信厳禁、無理禁物、安全優先!) ・ 森林や川沿い、農作物の生い茂った畑など、見通しの悪い場所では、特に注意し ましょう。 ・ ヒグマのフンや足跡などの痕跡を発見した場合には、特に警戒が必要です。 ・ 捕獲した獲物の残滓やゴミは持ち帰り、ヒグマに味を覚えさせないようにしましょ う。 ・ 有害鳥獣駆除やパトロールなどの依頼を受けて出動する際には、安全確保のた め 、事 前 に依頼者 からヒグマの出 没状況や被害などに関する詳細な情報の提供 を 受けるとともに、連絡調整を十分に行ったうえで出動しましょう。 ・ ヒ グマの痕 跡を 発見 した場合 に は 、地域での安 全対策のため、市町村役場等 の関 係機関へ連絡してください。また、ヒグマ調査研究の貴重な資料となるので、狩猟 報告の提出もお願いします。 【 有害駆除における人身被害の実例 】 平成23年8月、A町において、ヒグマの有害駆除にあたっていた捕獲従事者と、 これに同行していた友人の2人が、前日、手負いにしたヒグマを追跡していたとこ ろ、不意に襲われ、負傷する事故が発生した。 2 人は 、笹が 生い茂った樹林の中を、 ヒグマの踏み倒した跡 を伝って追 跡してい たところを、約3メートルの距離から不意に襲いかかられた。 ヒグマに襲 われた現場は、笹が深く生い茂った樹 林の中で、天候も曇りであった ため、薄暗く、非常に見通しの悪い状況であった。