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日本下水文化研究会 関西支部便り

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日本下水文化研究会 関西支部便り
日本下水文化研究会
関西支部便り
関西支部:〒630-0239 生駒市青山台117-86
TEL & FAX
-第21号 2013年(平成25年)2月25日 発行-
0743-76-0761
<イベントの開催>
【支部ニュース】
1「大和川の日」市民のつどい
(夏祭り、「大和さくらい万葉まつり」に会わせて開催)
主催 大和川市民ネットワーク
<運営委員会報告>
(当会関西支部も会員)
平成24年度第4回(9月14日)出席者5人委任2名
日時 9 月 8 日(土)14 時から 17 時
1 支部総会、講演会の準備状況
場所 奈良県桜井市
事務局より講演者の大阪工業大学 駒井幸雄先生
講演 「奈良・和歌山の災害について」
との打ち合わせ結果について下記の通り説明があ
国土交通省 大和河川事務所 平松 健氏
った。
講演の後、「大和さくらい万葉まつり」に参加した。
① 駒井先生の演題 「大阪平野を取り囲む山々の渓
水の窒素濃度の特徴」
2 下水道講演会・意見交換会
② 他の講演者については、現在、駒井先生が調整中
③ 開催日は 11 月 3 日(土)
「大阪平野を取り囲む山々の水環境と都市河川水質
④ 講演時間は駒井先生、他の講演者ともに 1 時間 15
の変遷」
分とする。
日本下水文化研究会関西支部の総会(拡大運営委員
2 講演会の時間割
会)をかねて下記により開催した。約 45 名の方が参
加され、山の渓流の水環境と下水道が整備された市
駒井先生との打ち合わせに基づき、講演会のスケジ
街地の水環境と比較し、「水環境とは何か」、話し
ュールについて打ち合わせが行われた。
その結果、下水道科学館会議室借用の時間制限から、
合いが行われ、非常に有意義な会となった。
パネルジスカッションに代え質疑応答、意見交換
趣旨 下水道等整備が進み、国民の多くがその恩恵を
会に変更して時間短縮を図ることとなった。
受けている現在、水環境に対する関心が薄れつつある。
3 案内の送付
案内は1ヶ月前頃には発送する必要があることか
この様な状況にあって、自然界、とりわけ周辺の山々
ら、日程調整を行った結果、10 月 5 日 15 時 30 分
の渓流の現状あるいはその推移を見、都市の水環境に
から大阪 NPO プラザで発送作業を行うこととなっ
ついても再度原点に返り考える機会を設けるもので
た。
ある。
主催 財団法人 都市技術センター、NPO 法人日本下水
4 関西支部便り
文化研究会 関西支部、NPO 法人下水道と水環境を考
中西正弘氏から「古代ローマの上下水道探訪」と題
える会・水澄
した原稿が届いたのをうけ、関西支部便り第20
号の案が事務局より提示された。講演会の案内と
後援 大阪府 兵庫県
一緒に発送するために、各委員は 9 月末までに内
協賛 関西水環境ネット
容の検討を行って、支部長に報告することとなっ
日時 11 月 19 日(金)13 時 30 分~17 時 00 分
た。
場所
大阪市下水道科学館
講演
3 関西水環境ネットの開催
「大阪平野を取り囲む山々の渓流水の窒素濃度の特徴」
事務局より「6 月に予定していた関西水環境ネット
が未開催なので、早急に対応する必要がある。
」と
大阪工業大学 工学部 教授
説明があり、開催に向け、10 月 10 日頃を目途に
「下水道整備にともなう都市河川水質の変遷」
大阪市立環境科学研究所 研究主任
日程調整を行うこととなった。
駒井 幸雄
新矢 将尚
※ 詳細は日本下水文化研究会関西支部のホームペー
1
場所 大阪府泉北府民センター
ジ http://www1.kcn.ne.jp/~k-atsuhi/をご覧ください。
「市民ボランティアネットワーク 石津川に鮎を」
(当会関西支部も構成員)の一員としてパネル展示、
3 大和川源流探訪第3回 石川をめぐるバスツアー
生き物の展示、などを行った。
主催 大和川市民ネットワーク
(当会関西支部も会員)
8 第 6 回近畿「こどもの水辺」交流会 in 大阪
日時 11 月 24 日(土)10 時 00 分~17 時 00 分
主催 近畿こどもの水辺」交流会実行委員会
場所 石川流域上流
(事務局 大阪府都市整備部河川局)
参加者 40 名
天候は、薄曇りでしたが、寒くもなく、山々の紅葉が
日時 2 月 9 日(土)10 時 00 分~15 時 30 分
見頃を迎えており、快適なバスツワーとなった。
場所 ドーンセンター
当関西支部はパネル展示と「釣りゲーム」を行った。
パネル展示では、日本下水文化研究会関西支部の紹介
4 アドプトリバー・鶴田町
と昭和40年の寝屋川の写真集などを展示した。
主催 アドプトリバー・鶴田町(当会関西支部も構
成員)
9 大和川水質改善発表・研究・交流会
日時 12 月 2 日(日)10 時~12 時
主催 近畿地方建設局大和川河川事務所
多数の方が参加して行なわれた。
当日は薄曇りで、少し寒い日だったが、自治会、大
日時 2 月 23 日(土)13 時~17 時
阪府鳳土木事務所の職員、石津川に鮎の会員などが
場所 奈良県王寺町地域交流センター
集まり、清掃活動を行った。今回も、歩道橋のピアー
当関西支部はパネル展示で、日本下水文化研究会関西
に引っ掛かっているごみをゴムボートで除去した。
支部の紹介と下水道の歴史などの展示をした。
<関西水環境ネット>
5 初冬の自然観察会
1 平成 24 年度第 1 回関西水環境ネット
主催 東本願寺と環境を考える市民プロジェクト
(当会関西支部も構成員)
10 月 10 日に開催され、先ず、活動報告として、各
日時 12 月 8 日(土)10 時 00 分~12 時 00 分
種イベントの案内の報告があり、続いて関西水環境
場所 東本願寺 渉成園
ネット協賛で 6 月 6 日に開催された兵庫県揖保川浄
まだ、紅葉の残る、渉成園の自然を観察し、子供達
化センター、兵庫西スラジセンターの見学会につい
と CD ケースを使った「自分達だけの立体植物図鑑つ
て報告があった。
くり」を楽しんだ。
次に、11 月 3 日開催される、講演会・意見交換会の
開催について協議が行われ、関西水環境ネットが協
賛することが決まった。
6 中河内「私の水辺」
その後、各団体から今後の活動内容について説明が
主催 「私の水辺」大発表会中河内地域交流会実行委
員会,八尾タイ絵画交流委員会
あり、情報交換を行なった。
(事務局 大阪府八尾木事務所)
日時 12 月 21 日(金)11 時 30 分~16 時 00 分
以上が20号支部便り記載後の関西支部の活動状況です。
場所 アリオット八尾
『投 稿』
当関西支部はパネル展示と「釣りゲーム」を行った。
パネル展示で、日本下水文化研究会関西支部の紹介と
【古代ローマ上下水道探訪 2】
昭和40年の寝屋川の写真集などを展示した。
日本下水文化研究会会員
7 第 11 回「私の水辺」泉北地域交流会
主催 「私の水辺」泉北地域交流会実行委員会
前号よりつづく
(事務局 大阪府鳳土木事務所)
⑥ ベネツィアには下水道がない!
日時 1 月 26 日(土)10 時 30 分~15 時 30 分
海水で希釈、消毒?
2
中西 正弘
5~6世紀に外敵の脅威にさらされ、内海に浮かぶラ
した古代ローマ時代の下水道施設が展示されていた。レ
グーナ(干潟)に避難して建設された都市。運河が街の
ンガづくり下水道で、下水道に入ってくる道路の側溝も
中を縦横に張りめぐらされ、街の中の交通、輸送機関は
かなり完全な状態で残っていた(写真-15)
。地下のあ
船である。荷物運搬、ゴミ回収等も船で行っており、ゴ
ちこちに歴史的建造物が眠るイタリアならではである。
ンドラ観光は有名だ。家屋の玄関のすぐ前が運河で水面
⑧ ボローニャ
スレスレ。最近は海面上昇で満潮になると街が浸水する
運河水路の下に下水道管を敷設
のでニュースになっている。下水道には海水が浸入して
くることが考えられる。そんな町の下水道はどうなって
ボローニャはヨーロッパ最古の大学、ボローニャ大学
いるのか気になるところである。
がある古い学問の町。街の中には縦横に水路が張り巡ら
運河に面した家屋の排水口から雑排水がそのまま出
され産業や生活用水の確保、運河として利用されてきた。
ていた(写真-13)
。ベネツィアには下水道がなく、汚
水路はかなり流量が多く、流れも早い。かつては製材、
水は浄化槽と直
製糸、製粉工場等で水車を回す動力として利用されてい
接放流。でも海水
た。そして、その製品は運河で各地に運ばれ、交易が行
で希釈、消毒され
われていた。
るので大丈夫と
しかし、近代になって水路に流入する汚水量がふえて、
は現地案内人の
水路の水質汚染が進み悪
弁。実際に運河を
臭を放つようになった。こ
ゴンドラに乗っ
のため、水路に覆蓋が行わ
て回ってみると、
悪臭がするとこ
れ、交通量の増大に伴い、
写真-13
その上部は道路として利
ろがわずかあっ
用されるようになった。
たが、運河の水は
水路の本格的な水質汚
そんなに汚いと
濁対策として、1970 年代に
いう感じではな
なって水路の下部に下水
かった。
道管が埋設され、各戸から
ベネツィアは
下水立管(写真-16)が
島なので水道が
接続されて、汚水は流れ
引かれる前は水
写真-16
込まなくなり、水はきれいになった。水路の一部はその
写真-14
が貴重で、屋根な
まま下水道に利用されたところもあるようだ。今では主
どに降った雨水を集めて道路下の貯水槽(写真-14)に
要な水路は残り、ボローニャの街の名物になっている。
溜め、汲み上げて利用していた。この施設はそのまま残
っており、今も利用されている。
⑨ 世界最古?のダム
ボローニャの水路運河の水源
⑦ ミラノ
ボローニャの市街から5~6km西を流れるレーノ
地下鉄工事で下水道遺構が出土
川を堰止め、レーノ運河を経てボローニャの水路の水源
ミラノは古い
になっているの
町であるが、ファ
がカーザレッキ
ッション産業の
オ・ディ・レーノ
中心地でもある。
ダムである。案内
地下鉄に乗って
してくれたダム
ミゾーリ駅を出
の管理人は日本
ようとしたら、構
人が来たのは初
内に 1990 年の地
めてだといって
写真-15
下鉄工事で出土
歓迎し、当方の質
3
写真-17
ズは貴族の娯
問にも答え、熱心に説明してくれた。
楽だったとい
ダムの長さは 100m、高さ 15mほどの石積みづくり。
ダムの堤をオーバーフローして堰堤を水しぶきをあげ
う。そんな館の
て流れる様子(写真-17)は壮観で、周りの森の緑とマ
中でも豪華な
ッチして素晴らしい光景である。
ヴィラ・ピサー
ニ(写真-20)
11 世紀に地元の教会が建設し、その後 49 の貴族の所
有となり、1208
を途中下船し
年にボローニ
て見物した。
ャ市に移管さ
広い庭園に
写真-20
れた。ダムから
はきれいな水を張った池や噴水があり、中庭の手入れは
水門調節で毎
行き届いて見事なものであった。館の部屋の壁にはキリ
秒3㎥の水を
スト教のフレ
取水(写真-
スコ画が全面
18)し、ボロー
に描かれ圧倒
ニャの水路に送
される。この館
写真-18
り、取水された水
にはナポレオ
は 30km先でレーノ川に合流するという。
ンがイタリア
観光ガイドの案内では、世界最古のダムということだ
遠征した時、何
が、農耕等で川から水を大量に取水する時、川の水位を
か月か滞在、ナ
かさ上げするため必要なので、規模の大小を問わなけれ
ポレオンが使
ばもっと古いのは世界のどこかにあるだろう。本格的な
用した椅子式トイレ(写真-21)が置かれてあった。
ダムとしては世界最古ということがいえるかもしれな
運河は 4~5
いが、歴史がある中国あたりにもっと古いのがありそう
か所閘門式で
だ。
水位を上下さ
このダムは現
写真-21
せて船を通し、
在、石積みとコン
運河に架かる
クリートづくり
橋も船の航行
であるが、建設当
に支障ないよ
初は木材、土砂、
うに回転橋(写
石積みを組み合
真-22)
、跳ね橋、
わせて利用した
引き込み橋と興味深いものがあった。
もので、資料室に
創設時の木杭が
写真-22
写真-19
終わりに
保存、展示(写真-19)され時代の古さを物語っていた。
イタリアの古代上下水道の遺跡を駆足で回った探訪
であった。何事も準備、下調べが肝心である。前回の文
⑩ ブレンダ運河
章で、ポンペイの共同水飲み場の遺跡に止水栓付き蛇口
河畔の館にナポレオンのトイレ
があったと書いた。前回紹介した松井三郎・京大名誉教
これは上下水道施設でないが、ブレンダ運河クルーズ
授と最近ある会合で会い、この話をしたら、古代ローマ
を楽しんだ。石製水道管があったパドヴァから水の都ベ
の水道は自然流下で水源から末端まで流れっ放しなの
ネツィアまで約 40km。朝出航、夕方到着するゆっくり
で、コック式の水量調整弁は見つかっているが、現代式
とした船旅である。
の止水栓付き蛇口は必要ないということだ。
1140 年パドヴァの人々によってベネツィアと往来す
そういえば、イタリアの公園や街角にある水道の蛇口
る運河の開削が行われた。ブレンタ運河の河畔には多く
は止水栓が付いていなくて、水が出しっ放しになってい
の貴族の館(ヴィラ)が建設され、当時ブレンタクルー
た(写真-23)
。日本では使わない時は蛇口を締めて水
4
境を考える会・水澄
を止め出しっ放
しということは
協賛
ない。イタリアは
日時 3月23日(土)
水道の水は飲ま
場所 大阪市下水道科学館
ない習慣がある
話題
というから、水に
関西水環境ネット
東海道・駿河国の水紀行
対する意識が違
NPO 法人下水道と水環境を考える会・水澄
い、国情の違いだ
六鹿史朗
写真-23
福田川の市民活動について
ろうか。それにし
福田川クリーンクラブ
ても、古代の遺跡
市川勝己
途上国の水環境
に現代の蛇口を
(財)都市技術センター
取り付けて紛ら
間渕弘幸課長
わしいことをす
る(写真-24)と
関西支部の主催ですので、多数の会員の参加をお待ちし
は、ポンペイの遺
ています。
跡の担当者は
なにを考えて
写真-24
※ 詳細は日本下水文化研究会関西支部のホームペ
ージ http://www1.kcn.ne.jp/~k-atsuhi/をご覧くだ
いるのかと思ってしまう。
さい。
また、前回の文章で、アッピア街道とアッピア水道が
同じ名前なのに大分離れたところにあるのは何故か、ガ
* 関西支部便りの原稿を募集しています。
イドに聞き忘れたと書いたが、街道も水道もアッピウス
という古代ローマの最高官職の役人がつくり、その名前
今回は、会員の中西正弘氏の「古代ローマ上下水道探
から名付けられたことがわかった。
訪」を2回連続で掲載しました。 会員の皆さん旅行
記、日頃考えていること、など、何でも結構ですから
これら古代ローマの上下水道などについては、塩野七
生著「ローマ人の物語(第 28 巻)すべての道はローマ
支部長までお寄せください。
に通ず(下)
」
(新潮文庫、定価 476 円)に詳しい。探訪
(Email [email protected])にお送り下さい。
の前に読んでおくべきであった。
【ご案内】
* 大和川清流復活大作戦!緊急アクション
主催 大和川清流復活ネットワー
(事務局奈良県環境政策課 河川課 下水道課)
日時 3 月 9 日(土)10 時 30 分~15 時 00 分
場所 奈良県橿原文化会館
日本下水文化研究会関西支部がパネル展示をします
見に来てください。
※ 詳細は日本下水文化研究会関西支部のホームペ
ージ http://www1.kcn.ne.jp/~k-atsuhi/をご覧くだ
さい。
* 平成24年度「水環境をかたる会」
主催 財団法人都市技術センター、NPO 法人日本下
水化研究会 関西支部、NPO 法人下水道と水環
5
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