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Page 1 Page 2 を示唆する。 従って、 DNA の違いを探る手法で は答え
アジサイの花色変異 の解明
Mechanism of Flower Color Variation of I」
(日
名古屋大学
久 忠
協同研究者
田 藤
名古屋大学
吉 近
代表研究者
‐
drangea r22acr(pカ メla
本植 物 生 理学会 推 薦 )
美
Nagoya Unversity Kumi YosHIDA
雄
NagOya University Tadao KoND0
ヽnthocyanins are dissolved in vacuoles of epidermal
lost■ o、 ver color is caused by anthocyanins. ゴ
cells The color of anthocyanins changes depending pH and concentration of pigment,co―
metal ions.To clarl取
the mechanism of■ ower color development and variation in l
pigment and
ing petal cell we
measured absorption spectrum of colored protoplast and the vacuolar pH of the same cell by using
proton selective nlicroelectrode.VVe also analyzed the organic components and metal ions in the colored
vacuoles. Using those techniques
、
ve studied the color change and the difference of blue and red
hydrangea sepals
Hydrangea flo、 ver color is varied frolll red,through purple to blue. However,all colors are caused
from the same pigment,delphinidin 3-glucoside(1)and the same co― pigments,5-0-caffeoylquinic acid(2)
n.From the sepal tissue、
5-0-p‐ coumaroylquinic acid(3),and 3-0-caffeoylquinic acid(4),with A13+ 1。
as 4.l and that of red cell was 3 3 The molal‐
isolated colored protoplasts.The vacuolar pH of blue cell M′
ratio of components(1:2:3:4:A13+)in blue cells v√
e
as l:7:3:9:1.On the other hand that in red cells v「
as
l:2:1:16:0.01.Frolll thoseゴ nvノ vο data v′ e could reconstruct both blue and red color hydrangea sepals
研究 目的
花色素 ア ン トシアニ ンは、 そ の発色 が微 妙 にか
つ 多彩 に変化 す る こ とに最大 の特徴 を持 つ 。色 の
変 異 は、 pHの 変 化 、 金属 イオ ン との錯 体 形 成 、
助色素 の存在 な どによって大 きく影響 を受 け る。 こ
進 み、再 び園芸種 として 日本 へ 戻 って きた植 物 て
あ る。経 時変化 、土壌 、気候 な どの様 々 な環境 要
I
因 に よ り花色 が容易 に変 わ る こ とか ら、 一 世紀 ナ
し、実
しか
上前か らその機構が興味 を集めて きた。
れ まで我 々 は、金属 錯 体 、 pH上 昇 、助 色素 との
際 には、色 の本体 のみ な らず、 その色変異 の機 15
も全 くわか ってい な い。花色素研 究 にお いて最大
コピグメ ンテ ー シ ョンな どに よる青色発色 の機構
の未解 明課題 の ひ とつ であ る。
を化 学 的 に明 らか に して きた。 しか し従 来 の花色
実際 のアジサ イ琴片組織 を顕微鏡観察す ると、キ
色 した細胞 は表層の一層下 に局在す る。 さらに、
「
一株 で色 に連続 的変化 が あ った り、 モ ザ イク状 に
発現研 究 は、花弁細胞 を抽 出 して分析す る もので、
色素細胞 だけ に注 目 して はい なか った。花弁 あ る
い は専 片組織 を顕微鏡 観察す る と、 一般 的 に着色
した細胞 は、向軸側 、胚軸側 の両表層 に局在 し、 中
間 の柔組織 は無色 で あ る。従 って、細 胞 レベ ルの
花色発現機構 の解 明 には、有色細 胞 だ け を標 的 と
した研 究が不可 欠であ る。
ngで a
多様 な色の細胞が混 じり合 った専片 が存在す るcこ
れ まで に、青、赤 、紫 の どの色 の専片 も同一 の 色
素 ア ン トシア ニ ン と助色素類 を含 む こ とや、 ア
ミニ ウ ム イオ ンが青色発色 に関与す る こ とが 明 r
:
か にな って い る。 これ らは、 ア ジサ イの発 色が
なる遺伝子 支配 で はな く、個 々の細胞 それぞれ │
'「
maび の 力Jrffa)は 日本 原 産
ア ジサ イ (三 だ
“
で、 シー ボ ル トに よ り欧州 へ もた らされて育種 が
環境 に応答 し、生 理 的 な制御 が な されて い るこ と
-120-
を示 唆す る。従 って、 DNAの 違 い を探 る手 法 で
は答 えが得 られず 、あ
析と力
キナ酸 エ ス テ ルで、 キナ酸 の 5位 の アキ シヤル水
酸基 に カフェ酸 の 結合 した 2(イ ツ ク ロ ロゲ ン酸 、
っ の 精 密 な生 理 環 境 分
5CQ)ま た は P― クマ ル酸 の結合 した 3(5pCQ)と
rο の色 素 の 分子構 造解析 を真 に融 合 さ
ι
3
位 のエ カ トリア ル水酸基 に カフェ酸 の 結合 した 4
せ た新 た な方法論 の 開拓 に よってのみ解 明す るこ
とがで きる と考 える。
ロロゲ ン酸、3CQ)が 含 まれて いた。
(ク
本研 究 で は、 ア ジサ イ事 片 の一 つ一つ の細 胞 内
で何 が起 きて い るのか、 どん な分子 が どの よ うに
さ らに、 専 片 を灰 化 して
ICPで 金 属 分 析 を行
なった ところ、青色 の ア ジサ イ専 片 には、約 200
認識 しあ って 分子 集合体 色素 を形 成す るのか、 そ
れ は、 い か なる細 胞生理 的要 因 に基 づ くのか、 そ
∼ 300ppmの Alが 含 まれ るの に対 し、 赤色 で は
の結 果、 同一 成分 か ら精緻 な分子 制御 に よ りどれ
か し、琴片 の ほ とん どは無色 の細胞 であ り、発色
ほ ど多彩 な色 が発色 す るのかの システムの解 明 を
に直接 関係 す る助色 素 や Alの 量 は この 方法 で は
目指 した。花 色発現機構 を包括 す る機構 に留 ま ら
明 らか にで きな い。 そ こで 、有色細 胞 だ け の単離
ず、全 ての生命現 象 に通ず る分子 同士 の コ ミュニ
ケ ー シ ョンと機能発現 の理 解 へ とつ なが る と考 え
を試み た。
て い るcこ の よ うな、遺伝 子 支配 で は な く、環境
支配 の花色 変異機構 を細胞 レベ ルで化学 的 に解 明
2
す るため には、色素 の存 在す る着色 した細胞 の液
は、 表層 には存在 しな いので 、着色細胞 の色 、液
胞 内 の 環境 、即 ち、液 胞 pH、 共存 す る金 属 イオ
ンや コピ グ メ ン ト類 の組 成 を、 一 細胞 で明 らか に
胞
1/3∼ 1/4程 度 しか含 まれない ことがわかった。 し
アジサ イ専片 のプ ロ トプ ラス ト化
アジサ イ専 片 で は、他 の花 弁 と異 な り有色細 胞
pHお
よびそ の 中 の有機 成分 、無機 成分 を分析
す るには、 プ ロ トプラ ス ト化 して、集 め る必要が
あ る。 そ こで まず、各種 のセ ル ラー ゼ 、 ペ クチ ナ
す るこ とが不可 欠 で あ る。本研 究 は、 この「 シング
ーゼ で処理 して、 プ ロ トプラス トの色 を測定 した。
ルセル科学」を 目指 して行 なった。
02%(W/V)Macerozyme R-200と
Cellulase Y Cを 用 い て、pH 63の
研 究経過
1
20%(W/V)
06Mマ ンニ ト
ー ル 中 で反応 させ る こ とに よ り、青 色 、赤色 い ず
アジサ イ等片 に含 まれ る有機 、無機成分
ア ジサ イの 花色 は赤 か ら紫 、青色 と多彩 な色 が
れ の等 片組織 か らも、有色 プ ロ トプ ラ ス トを含 む
同一 成分 か ら発色す る こ とが特徴 であ る。花色 は
環境 な どに よ り移 ろ い やす く土壌 の pH、 Al及 び
プ ロ トプラス ト混合物 (有 色 プ ロ トプラ ス トの比
率 は約20%程 度)を 得 ることがで きた。 これ を、光
助 色素 の キナ酸 エ ステ ル類 が青色 発色 に関与 して
い る と報 告 されて い る。我 々 は まず、様 々 なア ジ
束を
サ イの 専 片 を抽 出 し、 HPLCで 成分 を分析 した。
いず れの専片 に も、 同一 の ア ン トシア ニ ン しか含
定 した反射 ス ペ ク トル とほぼ同一 のス ペ ク トル を
与 えた。 この こ とか ら、酵素処理 中 に細 胞 内 の成
まれず、全 ての色 の アジサ イの色 は、 デ ル フ ィニ
ジ ン3‐ グル コ シ ド(Dp3G,1)か ら発現 す る こ とが
分や生理条件 の変化 は起 きない ことが確認 で きた。
確 認 された。 さ らに、助 色素 (コ ピグメ ン ト)成 分
も全 く同 じで あ った (Figure l)。 即 ち、 い ず れ も
3
10μ
mに 絞 った顕微 分光装置 で吸収 スペ ク ト
ル を測 定 した ところ、 専片組織 を積 分球装置 で測
有色 プ ロ トプラ ス トの液胞 pH測 定
次 に、得 られた プ ロ トプ ラス トを用 い て、液胞
H。 一
《
5-O caffeoylquinic acid
酬
げ
(5CQ:2)
1
5‐
(Dp 3-G:1)
プ
「
∫°
qulnlc add
7:gそ
I「
Figure l Components in sepals of 17ァ drangea lmacc"力 ylla
-121-
―べ
、_c。
Ю
ttc。
`二
Op― coumaroylquinic acid
(5pcQ:3)
delphinidin 3-91ucoside
)》
HO
H°
`:)・
―
ヽ
二
c。
pH測 定 を行 な った。 1個 の細胞 の容積 は約 10‐ 40
plで あ る。従 って、通常 の pH電 極 で は測 定不可
た。青色 の ア ジサ イ専 片 中 の有色 細 胞 の 液胞 pH
は、栽培 品種 、野生種 い ず れ も赤色 よ りも有意 に
能 であ る。20年 ほ ど前 に Asenら は、 キ ヤ ピラ リ
ー を花弁 に刺 し、 その液 を集 めて pH感 受性 の色
素 と混 合 し液胞 pHを 測 定 して い たが、我 々 は、
33で あ つた。 この こ とか ら、 ア ジサ イの発 色 の
高 い こ とが 明 らか にな った。全 ての青色 品種 の 液
胞 pHの 平 均 値 は pH 41、 赤 色 の 平 均 値 は pH
よ り、直接 に測 定 で きるプ ロ トン選択 的電極 を用
いた細胞 内微小電極法 を用 い た。微 小電極 にお い
違 いには、 液胞 pHの 違 い も大 き く関 わる ことが示
唆 された。 また、 これ に よ り、初 め て、 アジサ イ
て、先端径 の太 さ と応答性 はパ ラ レル な関係 が成
り立 つ が、細胞 へ の ダメー ジは先端径 と反比例 と
の色 と液胞
立で きた。
なる。 そ こで、種 々の電極 を作 成 して検 討 した結
果 、約
lμ
pHの 関係 を同時 に測 定す る手法が確
mの pH電 極 が 良 い こ とが わか った。
そ こで このサ イ ズの電極 を作 成 し、 カバ ー ガラス
上 にポ リリジ ンで 固定 し、 そ の プ ロ トプ ラス トの
4
有色 プ ロ トプ ラス トの 有機成分 分 析
次 に、有 色 プ ロ トプ ラス トの有機成分 分析 を行
吸収 スペ ク トル を顕微 分光 法 で測 定後 、液胞
を測定 した。通常 電極 先端 が液胞 内 に挿入 され た
なった。前述 の よ う に、専 片 をプ ロ トプ ラス ト化
す る と、様 々 な酵素条件 や反応条件 を検討 して も、
最 大 20%程 度 しか有 色 細 胞 が含 まれ な い 、 プ ロ
証拠 と して、膜電位 を同時 にモ ニ ター す る必要が
あ るが、 プ ロ トプ ラス トヘ の挿入 の場 合 、膜電位
トプラス ト混合物 しか得 られなか った。 さらに、密
度勾 配遠心 法や種 々の有色細胞 の精 製法 を検討 し
pH
はほ とん ど認 め られ なか った。 しか し、先端径 が
太 いため、 光学 顕微鏡 で も挿入 の 観察が可 能 で あ
たが、 はか ばか し くな く、最終 的 には、 マ イ ク ロ
マニ ピユ レー タを用 い て、顕微鏡 下有色細 胞 だけ
ったので、それ を 目安 とした。
を拾 い集め るこ ととした。
(鳴 海 青 、 ブル ー
青色 ア ジサ イの栽培 品種 2種
ダイ ア モ ン ド)と 野 生種 1種 (愛 知 県 の茶 臼 山 )、
お よび赤色 アジサ イの栽培 品種 2種 (カ ステ リ ン、
LK-49)を 用 いて 、 プ ロ トプ ラス ト化 して得 た有色
細胞 の液胞 pHを 測 定 した結果 を Table lに 示 し
当初 は、HPLCに よる定量分析 に 500個 の細胞
が必要 であ ったが、 カラ ムの ミク ロ化 を進 め、数
十個 の細胞 で可 能 な条件 を見 いだ した。 さ らに現
在 、1個 の有色細胞 を用 いた 定量 分析 法 を確 立 し
つつ あ る。 この手法 で、青色 プ ロ トプ ラス トお よ
「acuolar pII of blue and red hydrangea protoplast
Table l ヽ
Scpal co10r
Blue
Red
a
vvavelength
λvismax(nm)a vacu01ar pH(No of experiments)b
Cultivar
586± 3.05
36± 0.27*,#
(16)
Bluc diamond
588± 4.17
4.5± 0.36*,##,S
(16)
Mt Chausu
595± 169
4.3± 0.29*,##,$$
(9)
Kasterin
539± 4.23
3.3± 024**
(21)
LK-49
530± 2.07
3.5± 035**
(5)
Narunli blue
of
pcak
of
visiblc
absorption
spectra
of
protoplast
measured
by
microspectrophotometry
b Means tt SD (■ o. of experilnents)of Vacuolar pH valuc mcasured by proton― selective
microelcctrode. Significant(P<0.001)Were obtained between * and **,and#and##, and
signiicant differences(P<005)、 vere Obtained bet、 vcen S and$$by Student's t test
-122-
び赤色 プ ロ トプ ラス トに含 まれ る色 素、 デ ル フ ィ
ニ ジ ン3グ ル コ シ ド(1)と 、 そ れ に対 す る助 色 素
(5pCQ,3)、
(5CQ,2)、
(3CQ,4)の 当量比 を定量
す る容器 の徹 底 的 な洗 浄 と、 ク リー ンルー ム での
試料調製 な ど、様 々 な工夫 を し微量化 をはか った。
ICP発 光分析 を用 い る と約 500個 の有色細 胞 での
した (Table 2)。 1に 対 す る5ア シル化 キナ酸誘 導
定量 が可能 となった。 さ らに検討 を加 え、 フ レー
体 2と 3の 合 計量 は、 青色細胞 で は 10当 量以上
ム レス原子吸光分析 に よ り現在 、50個 の有色 プ ロ
であ ったのに対 し、赤色細胞 で は 2当 量以下 と非
トプ ラス トを集 め る こ とに よ り、青色 、赤色細胞
常 に低 い ことが明 らかになった。 これに対 し、3ア
の色 素 に対 す る Alの 当量 を決 定す る こ とが で き
シル化 キナ酸誘導体 の
4は 、青色細 胞 では比較 的
る よ うになった (Table 2)。
少 な く、赤色 細 胞 で は 16当 量 以 上 と非常 に多 く
含 まれて い る こ とが明 らか になった。
6
5
デ ー タを元 に、 ア ジサ イの青色 お よび赤色 の再現
アジサ イの青色 、赤色の再現
こ う して得 られた、 アジサ イの有色細胞 の分析
有色 プ ロ トプラス トの Al分 析
なった。 Alは 、 土 ぼ こ りな どか ら容易 に混入 し、
実験 を行 なった。pH 4と 3の 緩衝液 中で、Table
2の 分 析 値 を も とに ア ン トシ ア ニ ン と助 色 素 、
微 量 定量分析 の非常 に困 難 な元素 であ る。 ガ ラス
A13+を そ れぞ れ混合 した。 ア ン トシア ニ ン (1)に
容器 は もちろんの こと、 ppbオ ー ダーでの分析 で
対す る 2、
同様 に、有 色 細 胞 だ け を用 い て、 Al分 析 を行
3、
4及 び A13+の
当量比 を、 7:3:9:1
は、樹脂 容器 か らの混入 も無視 で きな い ほ どにな
と した ときに、 プ ロ トプ ラス トと同 じ青色 が再現
る (重 合 の 際 の触 媒 に用 い られ る)。 そ こで、 使用
で きた。 一 方赤色細胞 で は、 それぞれの成分 の 当
Table 2.Composition of co‐ pigment and A13+in C01ored protoplast
Dp 3-G
Scpal color
Conc.M)
BIue
0.01
Red
0.01
molar ratio to l(eq.)
5CQ(2) 5pCQ(3)
3CQ(4) A13+
16
Abs.
0.01
Abs.
1.5
reconstructed、
_ blue
10
1.5
reconstructe d^
\
1.0
prdoph鎖
ゼ
rё d
protoplast
´‐
′ ヽ、
0.5
0.5
﹂∞
04
0 4
﹂0
0
Wavelength(nm)
wavelength(nm)
Figure 2 ヽZIS spectra of colored cell of blue and red hydrangea and reconstructed pigments fronl the
components
-123-
量比 を
2:1116:001で 混合 した ところ、赤色溶
液が得 られ、細 胞 の赤色 を同 一 の スペ ク トル を与
えた (Figure 2)。
1を pH 4の 条件 下 1当 量 の A13+と 混 合 して
も、速 やか に青黒色 の沈殿 を与 え、安 定 な青色 溶
液 は得 られ なか った。 さ らに、 同様 の pH条 件 下
1に 1当 量 の
AF・ と
10当 量 の 4を 混 合 した場
合 も沈殿 が速やか に生 じ、青色溶液 は与 えなか っ
た。即 ち、5‐ アシル化 キナ酸が デ ルフィニ ジ ン3グ
阪
.
2吉 田久美 、 森 美穂 子 、新 海 陽介 、外 山友紀 、
近藤忠雄 ;青 色花色発 現機構 の細胞 レベ ルで
の 解 明 、 第 44回 天 然 有 機 化 合 物 討 論 会 、
2002、
10、
東京
.
3吉 田久美 、外 山友紀 、近藤忠 雄
;ア ジサ イの
青色発色機構 の研 究、 日本植物生理学会 2003
年度年会 、2003、
3、
奈良
.
ル コシ ド(1)の AF十 錯体 を安 定化 して、青 色 を発
誌上発 表
色 す る機構 が判 明 した。 一 方 、3‐ ア シル化 キナ酸
l Y Toyama Kato,K Yoshida,E Fujimori,H
は、その ような助色素効果 を持 た ない。 また、pH
Haraguchi, Y Shirnizu and T Kondoi
3以 下 の条件 で は、 いず れの助色素が含 まれて も、
Analysis of metal elements of hydrangea
さらに、 A13+が 存在 して も、赤色 溶液 となるこ と
sepals at various growing stages by ICP―
が わか った。 しか し、pH 35で は、助色素 の組成
の量比 )お
(5‐ アシ ル化 キナ酸 と3ア シル化 キナ酸
AES Bioc力 em.Eng」 "in press
2 K Yoshida,Y Toyama Kato,K Kameda and
よび A13+の 量 に よって、発 色 は微 妙 に影響 され
T Kondoi Sepal Color Variation of Hydrangea
「acuolar pH measured
macrophylla and ヽ
て青、紫、赤色が発現 した。
with a PrOton‐ selective
licroelectrode PFan`
Ce〃 Pf2ysfο l,in press
考察
アジサ イの花色発現 は、着色細 胞 の 液胞pHお よ
び 液胞 内 の 色 素 、助 色 素 成分 と A13■ の 組 成 の バ
ラ ンス に よって微 妙 に影響 され、連続 的 に色が変
化 す る もの と推 定 され る。今後 は、微妙 な色 の違
3近 藤忠雄 、吉 田久美
色 はなぜ変 わ るのか
;ア サ ガオや アジサ イ の
?、
現代化学、No376,25-
31(2002)
4吉 田久美
;ア ン トシア ニ ンに よる花 色発 現 、
い をさ らに詳細 に解 明す る とともに、青色 色素 の
バ イオサ イエ ンス とイ ンダス トリー 、 60,9‐
精密化 学構 造 を明 らか に した い と考 えて い る。通
常 非常 な毒 で あ る Alが 、 ア ジサ イで は どの よ う
5吉 田久美 ;花 色 変異 の分子 メカニ ズ ム、 バ イ
に根 か ら吸収 され液胞 へ 運 ばれ るのか も解 明す る
必要が あ る。 また、隣あ った細 胞 の色 が モ ザ イ ク
状 に異 なるア ジサ イの例 も含 め、 同 一 の遺伝子 を
持つ細胞でなぜとうな細胞内環境の違いが起きる
のか は、非常 に興 味深 い 問題 であ る。
種 々の生命現象 の解 明 には、真 にその反応 や現
象 が起 きて い る細胞 だけ を標 的 に した研 究が必要
であ り、全 ての組織 や細胞群 をす り潰 した り、抽
出 して分析 す る と、重要 な物 質 をか えって薄 めて
検 出 で きな くして しま う。本研 究 で、 ミク ロ細 胞
化学分析 の手法 の可能性 が拓 か れた もの と考 えて
お り、 さ らに これ を展 開 し、花色 変異 の総合 的 な
理解 を深 めた い。
研 究発表
口頭発表
1近 藤 忠雄 、尾 山公 一 、吉 田久美
;メ タロ ア ン
トシア ニ ン形 成 にお け るキ ラ ル分子認識、 第
43回 天 然 有 機 化 合 物 討 論 会 、 2001、
10、
大
-124-
10(2002)
オ サ イ エ ンス と イ ン ダ ス トリ ー 、 60,27‐ 30
(2002)
Fly UP