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5/02 - 名古屋大学経済学部・経済学研究科
2013/4/30 ミクロ経済学II(第4回) 平成25年度 名古屋大学経済学部 花薗 誠 完全競争からの逸脱 • 寡占市場:少数企業の市場シェアが大きい. ビール系飲料 (2008年1-3月) サント リー 13% サッポロ 14% キリン 36% プラットフォーム別世界スマート フォンシェア(2010年第4四半期) Microsoftその他 3% 3% アサヒ 37% RIM 14% Google 33% Apple 16% Nokia 31% 1 2013/4/30 例:医薬品市場 • バイアグラ:ファイザー製薬の開発・特許。 各国で独占的な生産と販売。高価格維持。 • カナダのバイアグラ特許訴訟 特許無効判断(2012年11月) • ジェネリック薬品の販売 →ファイザー、バイアグラ価格を値下げ 100ミリ4錠49ドルから37ドルへ 不完全競争市場 • 経済構成員に価格支配力がある市場のこと. – 構成員の数が小さい. あるいは市場シェアの大きい企業が存在. • 問題提起: 1. 不完全競争市場における企業行動とは? 2. 市場均衡で効率性は達成されるか? 3. 達成できない場合, 政府がどう介入すればよいか? 2 2013/4/30 寡占市場その1:独占 • 独占:市場における企業数が1 • 具体例:Diamonds (De Beers), Disneyland • その他: 公益事業(電力・鉄道等);後述 独占価格の選択 • • 市場価格は所与でない. 企業が価格pを選ぶ⇒ 消費者はy=D(p)を購入. p D( p ) 消費者の購入行動を考慮して, 独占企業は利潤最大化する独 占価格を選択. y 3 2013/4/30 価格⇔取引量(独占の場合) • y = D(p)は一対一対応. p = D-1(y)と書きかえ可. p D( p) y p選択⇒y=D(p) を販売 y選択⇒p=D-1(y) で販売 価格と販売量は, 表裏の関係. • 以下yについて最大化. 記号: D-1(y) = G(y) y 限界収入 • p 限界収入(離散変数の場合): 取引1単位増による収入増加量 = p2 (y1+1) – p1 y1 p1 = p2 – (p1 - p2) y1 = 追加販売分の収入増[p2] -価格↓による収入減[-(p1 - p2) y1] • ポイント: 1. 価格下落p1→p2を考慮 2. 限界収入<市場価格 G( y) y1 y 4 2013/4/30 図解:利潤最大化 • 利潤:収入-支出 =∑(限界収入) -∑(限界費用) p MC ( y) • 利潤最大化条件: MR(y*)=MC(y*) • 独占価格:p*=G(y*) G( y) MR( y) y 利潤最大化 • 収入:p y = G(y) y 限界収入(Marginal Revenue):連続変数の場合 MR(y) = (G(y) y)’ = G(y) + G’(y)y . MR(y) < p=G(y); 限界収入曲線は需要曲線より下方 • 利潤最大化: Maximize π = G(y)y – C(y) • 最大化の一階条件: G(y*) + G’(y*)y* – C’(y*) = 0 (限界収入) – (限界費用) = 0 5 2013/4/30 例 p • 需要関数:D(p)=10 – p 費用関数:C(y)=y2/2 1. 逆需要関数G(y): 2. 限界収入MR(y): 3. 限界費用MC(y): 4. 最適y*と独占価格p*: y 練習 • 需要関数:D(p)=8 – p 費用関数:C(y)=y3/3 1. 最適なyと独占価格を求 めよ. • 逆需要関数:G(y)=y -k ただし, 0<k<1, 費用関数C(y)=y2/2 1. 最適なyと独占価格を求 めよ. 2. k→0としたときのMR(y) とG(y)の関係を考え, kの 大きさと独占価格, MCの 関係について述べなさ い. 6