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元コンチネンタルエアーライン上級副社長鶴田氏の講演記録

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元コンチネンタルエアーライン上級副社長鶴田氏の講演記録
このファイルは、http://te-wisdom.net/2008-3-17.pdf
よりダウンロードできます。
2008/3/17:15:00 よりの JAMSS(有人宇宙システム(株))における
元コンチネンタルエアーライン上級副社長鶴田氏の講演記録
国際的な航空宇宙機器の購買はどうあるべきかについて
ワープロ化
2008-4-30
JAMSS 鶴田氏講演記録-1 表紙.doc
2008/3/17:JAMSS における元コンチネンタルエアーライン上級副社長鶴田氏の講演記録、15:00 より
(DVD ビデオ、ブルーレイビデオ記録あり)
(講演記録文の中で、アンダーラインのある部分は、わかりやすくするため、
と誤解をなくするため、実際に話した内容より、講演者の希望により、訂正をした、部分の文章です。
司会のあいさつ
1.元コンチネンタルエアーラインの上席副社長でございました鶴田さんに御講演いただいて、今後の日本のいろんな意
味での購買といいますか、国際的な購買はどうあるべきか、ということで、情報交換のできる機会を得たいと思ってい
ます。
まず鶴田さんに、御経験、コンチネンタルエアーラインにおいて購買関係の改革をきびしくやられたということでござ
います。その改革の状況だとかですね。その後、いろんな意味で、日本のリージョナルジェットへの御貢献だとか、い
ろいろ活躍中だというふうにお伺いしております。それの御紹介等いただきまして、今後の参考にできればと思ってお
ります。
2.なお当社はですね、皆さんお聞きおよびのように、宇宙ステーションの補給部のセンターが 3 月 11 日に打ち上がり
まして、なかなか忙しいところでございますが、当社の鈴木常務もかけつけております。HTV(宇宙輸送機)関係の調達
その他で、今後共宇宙ステーションにむけての輸送サービス等の事業の展開についてもいろいろ検討しているところで
ございます。本日も、鶴田社長さんの御講演は本社として参考になることだと思います。今後共、皆様とのご縁を大事
にしていきたいと思っていますのでよろしくお願いします。
それでは、鶴田先生よろしくお願いいたします。
3.
(鶴田) 私、鶴田と申します。
ちょっとバックグラウンドだけを申しあげますと、1966 年にアメリカに渡りました。そしてそのときには私、YS-
11 のプロダクトサポートとして、アフターサービスですね、行きまして、約 4 年間、私、川重の出身ですから、川重
から日航製(日本航空機製造株式会社)へ出向して、4 年間アメリカにおりまして、それから帰るときは、もうアメリ
カに住むということで、4 年間アメリカの生活をみて、生活というのはですね、仕事の生活ですね、ビジネスの生活で、
日本に帰ってもラチがあかんし、いいたいことをいえる状態にありまして、上司にもお世辞を言えず、それでアメリカ
に戻ってそこで生活をして、1969 年にアメリカの市民権を得ました。
4.それ以降、ピエドモント航空の購買担当、購買担当部長になる前にメインテナンスの部長、予算部長をして、それで
全体がみえるようになってから、購買のバイスプレジデントになりました。それから、ピエドモントエアーラインが
USA エアーに買収されたときに、私はそこに残らず、私、ミッドウエーエアーラインの上級副社長としてオペレーシ
ョン全体をみる副社長でやっていましたが、オイルショックやいろんな問題でミッドウエーが破産すると、私はもう人
には使われたくないと自分で商売するということで、自分で倉庫業をはじめました。
5.そりゃ、倉庫業をはじめたといいましても、何か寝ている間にもうかるものはないかと、倉庫とかアパートだとか、
しかしアパートは人のうるさいことをいってくるから、倉庫ならいちばん文句もこないので、倉庫をやることにしまし
た。
6.そのうちに、1994 年にコンチネンタル航空から資材担当の副社長になってくれと頼まれてきまして、2003 年まで
69 歳まで働きました。それ以降、コンサルタントというのはあまり好きではないですね。僕はアドバイザーならいい
のですけれど、まあ 10 社くらい、ボーイングを含めて 10 社のアドバイザーもやり、今もきております。
7.で、まず日本人としてアメリカに渡って、外からみた日本、ものを買うときに、その国の条件、状態ですね、まず商
業的な状態、工業的に、それからパブリック、ガバメント、日本をどう見ているかということ、ちょっとしゃべりたい
と思います。
8.日本というのは遠い国である。しかし残念ながら、日本を知っている人はほとんどいないですね。ですから、遠い不
思議な国だ。そして意外なことに一つ野蛮がついているのです。ちょっと先ほど申し上げたことなのですが、CNN か
なんかで、日本の「しゃち」とか皿だらけになっている。そのドルフィン、なんというのか、ここで。
「いるか」
「いる
か」だ。これはいるかというのは非常に愛する動物だけど、日本はそれを殺して、そんな嫌なこともある。だから、ア
メリカから日本を見たときに不思議な国である。
9.しかし、日本の首相が来てもアメリカのニュースメディアは何にも放送しない。そりゃ、日本というのは不思議な国
だ。それから日本の要するに外務省の大使館も公使館も、これは自分の仕事をしていないということもあります。例え
ば、ヒューストンにおきまして、私は御招待を受けまして、今日は天皇誕生日だ、お祝いをするとかね。ところが、集
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ったのはみんな日本人ばっかりですね。で、税金使って豪華な料理を出している。茶菓子ひとつをとっても葵の御紋が
ついている。それで日本人のローカルよりも、それよりも大事な、アメリカ人とコミュニケーションをしなさいと、そ
ういうことをしない。居心地のよいと思うんですね。きっと日本人は「お山の大将」になっていると、それで、その社
会的にアメリカから見たときに遠い国である。
10.
それから、政治家、これはみんなつながっているわけですね、お金に。お金つながっていることは、例えば、日本
からみて親日家というのは、昔、国防省の大将、長官だった、コーエン、コーエン防衛大臣ですか。それから、次官、
要するに、これあのー、通産ではなくて、政府の外務省の次官ですか、アーミテージというのがいるわけですね。そう
いうのが「日本通(つう)
」になっているのですね。日本のプロ日本なのですね。
11.
アーミテージが、あのー、政府をやめていっちゃったから、日本の政府は外交を知っているやつがいないと、要す
るに、親日家がいなくなる。そこをあけてみれば、パワーブローカーと組んでいるわけです。サクションをしているわ
けです。だって本当の親日家というとあんまりいないのです。みんなお金につながっている。
12.
それからもう一つ、アメリカから見た日本というのは、日本人のマーチャンというと、日本人は、ドルのサインが
おでこについている。見られて、言い値で買ってくれるようになっている状態です。
13.
ということは、言った通りにお金を払うという。例えば、あのね、注文はいくらですか、と言ってくるのです。商
社が言ってきて値段は問題じゃない。とにかく物をいつ入れてくれるかが大事だというわけです。ということは日本の
人は値段の交渉をしないということです。
14. 一つの例をあげますと、私が YS-11 を日本からもって行ったとき、日本の要するに輸入品のスペアーパーツをす
べて持っていったわけです。その購入価格の1.6倍で日本航空製造というのはアメリカに Offer したわけです。
15. そしてもどって来たときに要するにクレームを受けてきたわけです。クレームはお前の値段というのは 3 倍高いじ
ゃないか。エアーラインが1ヶ、2ヶ買う値段の3倍高いでしょ。
16.
それで、全然買ってくれないわけですね。それはもちろんデットストックになっている。というのは、うちの日航
製におった購買というのは、まず購買努力というネゴシエーションをしていなかったということです。
17. 一体ネゴシエーションとはどういうことかというと、日本の本にも書いていることですが、購入の一番大事なのは、
要するに見積をとって、ネゴシエーションをして、それで契約に結びつける。これは冗談ではないですか、ということ
が私は言いたいのです。ということは、ネゴシエーションをするということは、見積依頼をする前の仕事が一番大きい
ということです。
18.
一つの今、国策のプロジェクトのお手伝いを私していますが、それをいいますと、3年前にもうすでにこういうも
のは、まず最初にどういうものを買うか、いかに安く買うかということは、設計段階からやらなきゃいかん。デザイナ
ーはこう飛行機を作りたい、こういうロケットを作りたい、こういうブースターポンプ、こういうハイドロリックシス
テムがいると。するとあるマニュアルから調査しているわけですね。そのマニアルというものは、10 年も前にすでに
作られているわけです。
19. ですから、ちょっと YS-11 にもどると、YS-11 をアメリカにもっていったときにはもう 10 年古い飛行機、たま
たま 737 がきている。737 のコクピットと YS を比較してみると、YS の方が非常に古ぼけている、ということですね。
20. ということは、YS をデザインしたときは、State of art が、どのようなものかも知らず、業者やメーカーから、古
いものを押しつけられ、そのままかって、いたという状況でした。また、飛行機のデザインをした人達は、飛行機に乗
ったこともなく、今日のように、CNN もなく、また英語も堪能でない状態でした。したがって、売られたパーツを組
み合わせしただけで、システムインテグレーションをどのようにするかの知識もなかった状態でした。。
21.
当時、Eメールもなんにもないし。古びたマニュアルを見て、それで自分でそういうふうにシステムを作った。将
来、ものをいかに買うかというのは、その部品をピックアップするときに、その競争しているような部品をピックアッ
プしなさい。従って、デザインのステージから、それがはじまる、はしりはじめますよ。
22. それからもう一つものの RFQ,値段を出して下さいという前に、今生産状況はどうなのか、マーケットの状況はど
うなのか、例えば飛行機のシステムを買おうと思っても、オーダーが多すぎて、新規注文は断って、ネゴシエーション
をできない。ということはデイマントがサプライよりも大きいわけです。
(たとえば、APU をキャパシティーから見る
と、サンストランドの APU システムをベストと思って、値段の引き合いをもって、サンストランドは、787 やエアバ
スの APU の注文で、キャパシティーもいっぱいです。そのさい新しい機体として引き合いを出しチェも、新しい注文
が取れないようない状態で、値段を交渉をしても時間の無駄です)
23. 今、たまたま JAMCO(松金)さんに(本講演会に)お願いしてきてもらったのですけれども、ギヤレーとか飛行
機の部品を作っていて、みんな断っているわけです。そんな状況のときに値段のネゴシエーションは全然時間の無駄で
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しょう。ですから、マーケットの勉強ということは、買うまえにしておかなければならないということです。つまり
RFQ を出す前にしておかねばならないわけです。
24.
それから我々よく部下に言ったのは、一体マーケットにどれだけでているのかと、あまっているようだったら、そ
れはネゴシエーションする余地があるでしょう。ですから、いくら人間が努力しても、からで済むもの、からで済まな
いものがあると。ですからマーケットコンディション、マーケットリサーチ、それからどんなアベーラビィリティーが
あるかということ、
25.
それからもう一つ、いいバイヤーというのは図面に呼ばれているのは、Aパーツだけ、ところがAパーツと同等の
Bパーツ、Cパーツがある。それでかえってエンジニアリングのところで、なんでAを使うのか、なんでBを使うのか、
値段は3倍違うよと、安くなるよと、要するにそういう能力があるのがバイヤーでならないよ。ですからそれをするた
めのインフォメーションが必要である。
26.
ところが、日本のここに座っていて、今どのような部品が、システムが、アベーラブルであるかを調べようとする
と、すでに既存のものですね。10 年先のパイプラインがどんなものであるか、それまでを調べねばいかんでしょう。
27. さっき言ったように、YS-11 は、はじめてアメリカに持っていったら、10 年古い飛行機になっていた。ところが
ある会社、今名前を出しませんが、あるナショナルプロジェクトしている会社は、(その事前調査を)もう3年間前か
ら、やっているわけですね。どのようなエンジンがあるかというわけですね。
28. このエンジンには 20,000 ポンドのスラストがいる、19,000 ポンドのスラストがいる。そのあてはまるものがない
かと、GEもあるしロールスロイスもある。ただちょっとスラストが足らない。ではどうしたらよいか。新しくベース
しなければならない。と、どれだけのベースをインプルーブしなければならない。
29.
それから今の使っている新しい飛行機のエンジンの弱点、それからどういうインテント、どういうコストで、エン
ジンメーカーかエアフレームメーカーに売っているのだ。それを調べねばならないわけですね。悪い言葉でいえば、産
業スパイです。で、いい言葉でいえば、自分の言葉で言えば、マーケットリサーチをしようという言葉です。
30.
ですからRFQを出すときにはもうすでに期待価値をもっているわけです。で思ったとおりに、例えば3ミリオン
以内でおさめる場合と、ところがエンジンは、こう、6ミリオンといってくるわけですね。ところが3ミリオンでおせ
るわけです。ということは、もうすでに、その会社ということは、あるメーカーに3ミリオンですでに売っているわけ
ですね。
31.
ですから、そのようにその宿題(前もっての勉強)をして、それから交渉にあたると、その宿題というのはホーム
ワークはですね、そのたび、今いくらで売っているかというのも必要なんですけれども、10 年先のパイプラインを見
ながら、どういうものを含めなければならないか。
32.
それからエンジニアがどういう部品を使うというのは、一つのユニークな部品(特注品)を作ったときには、値段
がコントロールできないわけですね、コントロールされる方なのです。ですからなるべくコモンな部品(共通な部品)
を使いなさい、というようなそこまで進めなければいかんというわけですね。
33.
で、ちょっと我々外から見ましてですね、えー、今防衛庁が作っている飛行機、僕はロケットのことは全然知りま
せんけれど、F-21 ですか、買おうとしているのは?
(フロアーからの声)F-22 です。
ステルスじゃないわけですね。
(フロアーからの声)ステルスです。
34. だけどコングレスは反対しているわけでしょ。ということは日本はまだ信頼されていたい。ということはチョット、
アメリカの政府の機構をみてみますと、あれ下院議員が 600 人以上いるわけですね。彼等の知識というのは、インタ
ーナショナル、ナショナルのなんでもない。その小さな地域で選ばれたやつが、その小さな地域の利益だけをやってい
る。が、国全体から見るやつがわからない。インターナショナルでどういうような方向に効いているのか、日本は大事
なパートナーということもわかっていない。ただ、遠い国のストレンジカントリーと。だから皆反対をしている。日本
ではストレンジカントリーで買えないと思っていますね。
35. ところがちょっと考えてみるとステルスはすでにもう 1970 年代に作っているわけですね。戦闘機を、アメリカで、
それで最初のたしか F-117 と思っているのですが、もうリタイアしているわけです。で、日本に対しコングレスして
から反対する。
36. ですから日本の兵器、航空機を見ますと、例えば、CX を作るということで、CX というのは私のところのへ川重が
来ました。私の意見を聞いて、これは、むつかしいのではないですか、と私は言いました。民間機はなぜかといいま
すと、民間の航空機、カーゴ機というのは、要するにパッセンジャーから改造する。
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37.
また民間用カーゴ機は、ただ同然で買えるパッセンジャーエアラインから機体を買い、カーゴ用に改造して使って
います。DC―10、MD-10、MD-11 は、たまたま、CX と同じベースのエンジンを使っています、そしてカーゴとし
Fedex でも US、UPS も全部使っているわけですね。
38. ところが CX を見ますと、CF-6 エンジンを使ってみるわけですね。このエンジンというのは、1965 年僕が川重に
いたときに DC-10、1011 をはじめたわけです。これ用に設計されたのがベースになっているエンジンです。三菱の
MRJ というのは 10 年先のことを考えて今の既存のエンジンを使っていないわけですね。
39. ところが CX というのは、1960 年のあのベースになったエンジンを、しかもボーイングやエアバスというのは 1995
年にそのエンジンを使っていないわけです。ただ買っているのは防衛庁とイタリア軍なのですね。イタリアの空軍と
いうのは、ま、コミカルというのか、おかしな要するにイタリア人の性格で、あんまりレスペクトされていないわけ
です。
40. ですから日本の航空機、YS-11 でも 11 年遅れている。それから F-16 のリンエンケーした F2 も、大分遅れている。
41.
ということで、日本航空機工業会というのはどうしているのかなという視点が1つと、それから、今みえまして先
ほどちょっと申し上げましたんですけれど、航空機の日本の産業には2つのグループにはっきりとわかれている。グ
ループ1というのは機体と5社カヤバ、帝人、島津、東芝、このグループと、
42. この2つ目のグループには JAMCO、ヨコハマゴム、コミー、パナソニック、そのグループ2は日本の国の仕事、
要するにコストプラスとうことでやらないで、自分の新しいものを作って、手持弁当で、アメリカ航空機業界、ヨー
ロッパ機会社を回って、
今、JAMCO といったらサプライヤーオブザイヤーを5年連続でとっていられるわけですね。
しかも一ばん一ばんレスペクトされているサプライヤーです。コミーさんは 35 人の会社で。しかもそれを世界に歩
いてですね、コミーの特別なミラーをデベロップして、ベーシックコンフィギュレーションで売られるようになって
いるわけです。
43. ですからはっきりわかれることは、コストプラスでやっている会社は一人立ちができない。しかも今 MRJ を作る
ときに、日本のシステムインテグレーターは一つもないわけです。ランディングギヤーひとつできない(住精は断っ
たとか?)ですから、非常に僕は残念だと思いますね。
44.
あー、それはどうしてかというと、やはりその防衛庁から、すべて防衛庁の人には申し訳ないけれども、防衛庁の
コストプラスでやっていて、それで自分の安全側の利益は確保されると、リスクをとらない。で、私共が話しても、
要するに機体5社とか防衛庁の仕事をしている人は、全然興味がないのですね。
45.
私は防衛庁の仕事をしていれば安全だというのです。しかも日本のビジネスマンにはビジョンがないわけでしょ、
そう言っちゃ悪いんですけれど日本のビジネスマンはビジネスマンじゃないわけですね。アドミニストレーター(情
報をただ伝える庶務係)です。自分できた送り順序にして、ゴマをすっている。そういう言葉少し悪いんですがね、
それで偉くなって、事故をおこさない、文句言われないようにして、退職してやっていくと。
46.
アドミニストレーターとマネージメントというのは、2つの違いがはっきりあるわけですね。マネージメントはマ
ネージする。私が、自分が、ま、川重で 10 何年勤めて辞めたんですけど、自分の昔の会社の悪口をいうわけではな
いのですがね、要するに言いたいことを言ったら怒られる。インプルーブしたら怒られる。これは防衛庁の仕事だか
ら、いくらでもいいんだよ。
47.
要するに、例えば直接工はいくらかで、アワリーレイトで決められている。それのパーセントが間接費として認め
られている。そんなにインプルーブすることはなくて、とにかくはやく増やせ増やせというような雰囲気なのですね。
ですから、そういうような状況で民間で、それをベースにして、世界で、日本ではいいかもしれませんけれど、日本
では通用しても、世界と競争するときには、ほとんど勝てないでしょ。
48.
日本では、航空会社が、自由化前は国内線の料金はアメリカと比較すれば、同じ距離で、3 倍の料金をとっていま
したが、料金や安売りの会社が運行し始めて、対抗するために、徐々に料金を下げた結果としては、国際線も赤字にな
ってきたことです。昔から JAL は International Flight は、儲からず、ドメスティックで稼いで、International の赤
字を埋めてきました。言い換えれば、国際競争には、勝てず、国内線で高い値段で、日本人に独占企業として金を吸い
上げてきたことです。
49.
エアラインのビジネスは、チーム・ワークがベースですが、別会社とか、子会社を作り、短期的な手先だけの経営
方法で長続きしないと思います。同じ仕事でも、本社社員、派遣社員と分け、しかも一番大切な業務、例えば、Flight
Attendant とか、パッセンジャー・カウンターに、外注社員を置いて仕事をしていますが、サービス業として、われ
われの目で見て、考えられないことです。(エアラインの仕事はいろいろ仕事があります。たとえばメンテナンスが
機体をレディー・ツー・サービスとしてターミナルに駐機させます。ケータリングが機内食を積みます。フライトア
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テンダントは、スケジュール通り、待機している向かっています。チケットカウンター、カーゴの人々はスケジュー
ルを守るため、おのおの、仕事をスケジュール通り、出発準備をしています。しかし、もしコパイロットが一人遅れ
れば、飛行機はスケジュール通り出発できません。一機となすのに約 200 の人がチームワークをしてスケジュール通
り飛ばしていることが、エアーラインの仕事として、考えれれば、わかると思います)
また日本のリストラは、すなわち人件費削減または、人減らしと思っているようですが、首切りや人減らしをする前
に、コスト節減をする努力をしているとは思えません。例えば、今だに、航空機購入に、商社を通して購入したり、
航空機メーカーから高い値段で買わされたり、子会社社通じて手数料を払い、コスト節減の努力をしているとは思え
ません。Dignity、respect、honesty が全くありません。したがって、従業員は、ワーク・ツギャザーでセイフティ
ーフライト、そしてオン・スケデュールは、一流航空機会社にはなれず、二流になってしまっています。
50.
防衛省のコストプラスでやっておれば、毎年、損をしなうようになっていますので、企業努力をせずに、長い目で
みたら、世界市場では、企業能力が全然ない結果になります。
51. 防衛省の仕事を専業にしている会社は、技術的に、また競争の理由がなく、システムとして、MRJ プログラムにサ
プライできる会社はみあたりません。
(No system Provider in Japan)
(防衛省の仕事を、戦後、続け、甘やかしてい
るから、企業努力がないということです。これはたびたび申しあげ理解されておられると思っていました。少し驚い
ています)
52. それは JAMCO さんは最初けられた、ところが JAMCO さんが、じゃやりましょう、ということで松金(JAMCO
営業課長)さんはあなたのところで何をやるわけ?内装と?(JAMCO 松金氏)あの内装で、我々のコアーであります、
そのギャレー、キッチンですね、ラバトリーとそれからコックピットドアーです、(松金:はい)
、をやられると、
53.
それからベースにコミーのフラットミラーをつけられると、コクピットビンにですから、それらは一人立ちした人
にはできるけれど、今までの防衛庁とか官で仕事をした人の企業というのは、世界の MRJ、というのは世界で競争す
る、それについてこれない、技術的にも、経済的にもついてこれない、できない、残念なんですね。
54.
ですから飛行機の価格構成をみますと、70%が、70%近くの部品システム、購入品が輸入品です。日本の場合はあ
と 30%は工数とか何かですね。で、YS-11 の失敗したのは何かというと、リサーチせずに商社に依存して、そして、
物を買って造って世界に売ろうとしたわけです。
55. ところが 70%の部品が Out of control ですね。いい値で買っているわけです。ですから、あー、売る毎に損をする。
それから一つはリサーチできなかった。僕は作って担当した人達は非常に苦労して立派な人達だと思っています。
56.
今は英語のできる人はいるけれど、昔はあんまりいないで、大きなマニュアルを郵送してもらって、それを見てピ
ックアップしている。ピックアップしたときには時代遅れです。
57. ですから MRJ というのはいい例にとれるのですが、もうすでに3年4年前から敵が何をやっているかと、いくら
でどういう契約をしているのか、いくら払っているのか、どういうのか、10 年先にでてくるのかと。ですから私が自
分で得た知識を、日本の企業としては非常にうれしいわけです。
58.
このまま私が死んじゃって(そのノウハウが)全然なくなる。ですからあるほんとに少ないですが、三菱の方はわ
かってくれたわけです。で、大体こういうことだと思うのですね。
59.
日本から行って向こうにものを売ってくれと、こういうものはないかというときには、小売価格で増やせというわ
けです。しかも、買おうとする人はインセンティブはないのですね。
60.
インボイスプラス何パーセントですから、すべてのメカニズムは高くなる、高くなるということになる。それをリ
バースしなければならない。
(それを逆の方向にむけなければならない)
61. 「防衛大臣が直接輸入はむこうの商業の商習慣かわからん」と言っている。電話帳を見てごらん。5~6 人で6貿易
商社をやっているやつがいるんで。昔は、商習慣も何もわからずに、アメリカにすぐ行ってわからんでしょう。しかも、
防衛庁の人を見ますと、非常に頭がよい。本当に立派な人が多い。
62.
ところが、彼等にやらせればすぐできると思う。ところが、システムがルールが全然できないようになっちゃって
いる。私がヒューストンにおりましてね、その輸入業者から「鶴田さん、こういうものが欲しいのだがないので、何か、
誰か、探してくれないか?」「値段は全然問題じゃない。いくらでも払うから」と言うんですね。そのときにそれを聞
いて、がっかりしたわけです。これは、税金じゃないかと、それでこのようなことを言ってくるやつがいるから、まー
そういうような経験もありますけれども。
63.
それは過去のこととしまして、じゃ将来どうするかといいますと、そんな、要するに日本が行って今すぐ始めると
いうときに、必ず私のレコメンドしているようにローカルな(その土地にあった)エクスパティーを雇いなさい。そし
て自由にやりなさい。
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64.
例えば、アメリカのマネージメントと日本のマネージメントのシステムが違う。日本人のマネージメント、やり方
というのは責任だけを負わせている。オーソリティーをやっていないのですね。だからオーソリティーをやっていない
から決められない。
65.
私はアメリカにおって、日本の人が売り込みに来たときに、本当は日本人と売買するのはいやなんです。というこ
とは決めないんですね。まあ、もちろん JAMCO とコミーは違いますけれど。決められないのです。日本へ帰ってか
ら、あの役員会をひらいてから返事します。うちは早く決めたいのですね。まー、そういうようなメカニズムになって
います。ですから、責任あるけどオーソリティーは何もない。だからそれはアドミニストレーターでしょう。
66. (質問)鶴田さん、さっきのローカルエクスパティーというのはなんですか?
(鶴田)ローカルエクスパティーというのは、こういうことです。日本ではわからない。日本の習慣をかえなければい
けない。ですから MRJ でやったということは、私共を雇っているわけです。何も私をやとってくれというわけではな
いのですが、アメリカに住んでいる人のエクスパティーがなければならない。エクスパティーで経験がある人、まじめ
な人を2~3人やといなさい。
67. (質問)ですから買うときも、売るときも同じパターンですね。
(鶴田)売るも買うも同じで、ただリバースしただけです。ただそれよりもなにも、そこが PO を出すとか、何かとい
うわけで、購入するシステムや部品に関し事前調査をしなければ、ならない。
ところが、なんとかリサーチといっている弁護士や商社員ではだめで、本当にち s 機のある専門家を選びなさい。それ
はなぜかというと、マーケットコンディションを知っているわけです。現地経験だけでも、それも経験がありますとい
うだけで手をあげるやつが多いわけです。本当に経験のあるやつを見極めなければなりません。ただの購買をしている
やつは全然わかっていないわけです。
68.
一番大事なことは、産業スパイというとまずいかもしれませんが、産業インフォメーションですね。例えば一つの
例をあげますと南米のエンブラエルとかボーイングが自分のところでいるものをどれだけの値段を払って、何を買って
どういうふうにプロダクトサポートの内容を知っているかということ。例えば、一つの例をあげると、日本が買ってい
るシステムとか部品をいって、防衛庁がもらっているのは一年間のワランティーなのですね。我々にとっては5年とっ
ているわけです。
68. (質問)それは一年間というのは、到着から一年間か、機体に取り付けてから一年間というわけですか?
(鶴田)そのことはアウトラインをいっているのですが、防衛庁の場合は到着後からと聞いています。
いずれにしても、アウトラインを申しますと、それ(ワランティー)は5倍、4倍、5倍となっているわけです。
69.
なぜかというと、プライスとコストを混同しているわけですね。プライスというのはインボイス価格ですね。とこ
ろが、ユーザーにおいてのトータルコストというのは、例えばエンジンを買うときに、今、山田洋行で問題になってい
たように、そのエンジンをどういうような買い方をしますか?
70.
例えば、私共、飛行機を作るときに、飛行機を作るときには3機か4機をテスト用に作らなければなりません。そ
の3機か4機としたらエンジン6台か 8 台がいるわけですね。そしてそのスペーアーがいるわけです。その8台エン
ジンをただで出しなさい。ということは Certification をとらねばならないわけですね。その例えば GE のエンジンが、
日本の飛行機を作った場合、その飛行機に使えますという Certification をとらねばならない。だから GE にもメッリ
トもあるでしょう。
(註:スペアーの一つを使わなければ、返すという条件です)
71. ですからその GE から買うときには、もちろんそのプライスを出して、そのプライスには何を含まれていますかと
いうことです。どういうギャランティーをさせているかということになります。それからギャランティーだけで、その
部品費を払いますだけでは、それはだめなのです。例えば、壊れたエンジンを降ろした場合には、予備エンジンを出し
なさい。それから、いろんなことがありますね。これはですね、フェーエルフロー、EGT、エンジンのテンペレチュ
アーのギャランティー、インフライトシャトダウン・ギャランティー、ディスパッチ・ギャランティー、ショップビッ
ジト・ギャランティーと、いろんな 20 項目くらいあるのです。それを全部とってあるのです。
72. (質問)ちょっとすみませんが、ギャランティーの、ワランティーの違いがよくわかりませんが。
(鶴田)それはちょっと後で説明することにして、要するにワランティー、ギャランティーをとると、その部品を壊れ
た分だけ払いますよではなくて、それが原因で、例えばエンジンが5ミリオンしますと、5ミリオンのスペアーを使っ
ちゃって、要するにフェールをしたら、自分のスペアーまで買わなければいかんわけです。だからエンジンをただで出
しなさい。そういうような条件を全部のまさなければいけないわけです。そういうのがコントラクターです。
73. ところが商社さんはそんなことはわからんのです。山田洋行がいくらで CF6 のエンジンを買っているのかわからん
のですけれど、私が防衛庁と話したとき(2006/7/12)には、19 ミリオン払っていると、聞きました。
D:¥0-My Documents¥1-作業ファイル
1¥d¥1-水増し価格¥鶴田¥JAMSS 鶴田氏講演記録-1.doc
74.
新聞には、そんなことはいってないわけですね。しかもテスト用に川重がもらっているかどうかもわからんわけで
すね。ただでもらっている。必ず出すはずです。しかも GE は言わないはずです。要求しなければいけないわけです。
そういうことも調べて、情報を、例えば、日本のメーカーは初めて伺うと交渉しなければならないわけです。
(声)実際にはただでもらっていないようですね。
75. 請求をされていませんから。MRJ はたしか7台フリーで出してもらっています。あまり細かいことをその言わない
でください。あの、いずれにしましても、僕は同じ日本でも、同じ会社で、民間のときにはスマートにやられている。
76.
ところが官になると、僕は何もその悪いという必要はないですけれど、そういうようなことは官でも努力しなけれ
ばならないでしょ、ということは血税を使っているわけですから。
77. (質問)ワランティーとは。
(鶴田)ワランティーというのは、例えば5年間壊れたらその部品費だけではなく、それの補償をしなさい。ギャラン
ティーとは、例えば物を買ったときにこのストラクチャーは 10 年もちますよ、壊れるべきでない、というその違いで
す。
ですからワランティー、ギャランティー、それからもう一つ大事なことはレメディーをとりなさい。壊れたときにどう
するかということです。ただ部品費や修理費だけをもらったって、全然意味がないわけです。プロジェクト全部止まっ
ちゃうわけです。飛行機の場合は工場と一緒であって、その工場が全部止まっちゃうわけです。
78. それで修理費で 100 ドルか 1000 ドルか、10,000 ドルか、大体飛行機のエアーラインの固定費とそれから流動費が
60~70%、今ちょっと石油が高いから固定費%下がってきたわけで、流動費というのは石油とランディングフィーだ
けで、飛行機が飛んでも飛ばなくても、従業員を減らすわけにはいかない。固定費が決まっているわけです。
79.
ですから、エンジンが一つフェールしてその修理代だけをみてもらうだけでは困るわけです。修理のほかに、それ
を外したり、降ろさなければならないわけです。そしてつけなければならないわけです。新しいエンジンをです。それ
の費用も、もらいなさい、というわけです。
80. 僕は YS-11 のものを買うのを見ているわけですし、CX を外から見ているわけですが、そんなことは全然ないとみ
ています。ということは防衛庁の人の話では、エンジンを買うときの(2006/7/12 にみせてもらった)契約書は3ペー
ジぐらいしかないわけですね。計画は私の方の場合では、契約書の厚さが5インチぐらいあるのです。それは 20 年間
保証させているほか、それからもう一つはデトリエーションだけ、そのエンジンの効率が下がってくるわけですね。古
くなれば古くなるほど、その効率のデトリエーションもギャランティーさせるというわけです。
81.
それからもう一つ大事なことは、例えば飛行機やロケットを作って、一つの例を出しますね。僕は何も国の悪口を
言うわけではないのですけれども、どこかへ行ったときにですね、飛行機何ですか 767 をベースにしたレーダーの何
ですか AWAC、3台止まっているのですね。3台グランドしていたら、たしか6機作ったわけですね。
82. すると戦闘機やファイターとちがって、AWAC とか P3C というのは、常時警戒をしていなければならないのです
ね。もし3機止まっているのならば、必要ないものまで買っているのではないか。要するにユーティリティージェーシ
ョンが良いか悪いか。
83. それから PX 何機作るかしれませんが、
僕が最初に見たときにはあの飛行機というのは4発ついているわけですね。
で、なんでこんな小さい機体に4発つくのか、何かと何かすぐに私が気がついたことは、何か政治的になるような飛行
機だな、見ていて DC-9 とミグ戦闘機のアイノコみたいな小さな飛行機だ。そして次に見たら今度は4発になってい
る。
(そりゃ、今の PX ということですね)あれは博物館にいれた方がよいような飛行機ですね。ありゃねー、とにか
く機体が古いのですな。ウィンクをみたって、あれは DC-9 と同じところをいっている。大体飛行機はよいか悪いか
は一目見れば大体わかるわけですよ。あー、これはよさそうな飛行機だね。
84.
あの飛行機、見ましたね。それからもう一つ4発ついているということは、しかも輸入をつかっていないで、しか
も国産のエンジンを使っているわけですね。あのような飛行機で出すスピード、たしかにスピードも必要なんですね。
スローも必要なのですね。ということは(海上を)目視するために、そりゃわかるんですけれど、もしそのスラストが
必要で、スピードを落とすのであれば、よく面積を広げるか、フライトコントロールで、アジャストできるはずです。
4発のエンジンは、非常に機体製造費も、また整備費も高くなり、経済性を全然考えていないような気がします。
(P3V
にしても、目視をするために、スピードを落とすことは、パトロール航空機として、ベーシックです。航空機専門の貴
殿に説明するこては、心苦しいことですが、KHI のパトロール機の絵を見ただけで、判断していますが、DC-9 より小
さいい機 t だと思います。パーフォーマンス上、20,000lbs.か、30,000lbs のスラストが想像できますが、スピードを
落として、エンジンスラストを下げることが必要で、ストールスピード以上の場合、リフティングお増加、すなわち、
よく面積を広げるか、フライトコントロール(フラップなど)で、スピードを落とせることが可能でしょう、というこ
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1¥d¥1-水増し価格¥鶴田¥JAMSS 鶴田氏講演記録-1.doc
とです。もちろん4エンジンの場合エンジンをシャットダウンしてスピードを落とす設計をしているようですが、非常
に高いエンジンを4台付けて、またメインテナンスコストも、高くつくということです)
85.
それより下請けへの最初の質問がでてくるわけです。あのエンジンいくらのかなーと知っているのか、と大体2ミ
リオンから3ミリオンですね。あれよりもっと大きいやつの値段、防衛庁は 10 ミリオンくらい払っているのではない
ですか?
86. それから非常に高い飛行機、僕はなにも PX というものは型だけではなく内容があるので、要するに電子準備がど
んなのがついているかが大事なのですけれど、機体を見てあんなものを作るのであれば、なんで今の既存のガルフスト
リームの改造で作らないのか?ま、それをベースにして作ると、ま、そういうような疑問が出てくるわけですね。
87. 国産を、要するに国の産業レベルを上げるために作るということは、それ自体は大したことなのですが、ところが、
悲しいかなポリシー、国の方針の育てるような状況ではなく、かえってスポイルさせているような状況でしょ、という
ことなのです。
88. ですから、一番残念なことは、最初に JAMCO さんは(MRJ)を断られたわけです。内装も作りません、ギャレーも
作りませんといって、
89.
実は私、日本人でアメリカ国籍ですが、日本で生まれ、日本で教育を受けています。非常に残念に思っています。
国産機だけど、設計と外板と胴体ウィングは作るけれど、あとは全部輸入分だけじゃないか、内装までできないのか、
と思ったわけですね。それは非常に残念に思ったことです。
90. ところが JAMCO さんは方針を変えて、JAMCO には、立派な人があおられて、40 年ぶりの国産旅客機を、国のた
めにという考えで初期の方針を変えられたと思います。残念ながら、内装品とか、JAMCO が、国際マーケットで勝ち
抜いているもの以外は、日本製がないので、外国にいる日本人として、少しさびしい気がします。
91. 何も僕はそれを立派に三菱はやられたわけです。競争して競争をしてネゴシエーションして、ですから YS-11 を
リピートしない(YS-11 の失敗をくりかえさない)
。10 年先のことをね。
92.
それから(国際競争メーカーと)同じような補償をされているということ。これは立派なことと思います。ですか
ら、10 年先のことを見ているわけですね。
93.
YS-11 はそんな能力もなかったし、既存の SHELF ITEM をやった。ですから、まあー、遠くで見まして、アメ
リカから見た、ヨーロッパから見た、日本ということと、それに日本人の購入の仕方、商社に頼む、RFQ を出す前に
自分のするべき勉強があるでしょう。
94. それ(RFQ を出す前の、前勉強)をしていますか?それ(その勉強)のメカニズムがいるということです。で、そ
れは日本人がそのアメリカの会社とかパートナーと組めば、1~2年でマスターしちゃいます。ですから、今のような
MRJ のプロジェクトの場合、毎日聞いているのですが、だんだん自分でわかってきて、自分でやれるようになってき
た。ですからプロセスが国産するときに大事でしょう。
95.
それからアメリカ人というのは、あまり利口なやつはいない。利口なやつはいないというのは、利口なやつは優れ
ているけど、一つの例をいいますとね、100 人中 90 人近くは、東京のポジションはわからないし、自分の国の首相の
名前、もちろんブッシュの名前はわかるけれども、副大統領の名前はわからない。もちろん法務長官の名前そんなもの
は全然言えない。要するに教育レベルが低いというのか、知識はすごく少ない。
96. しかも、そのなんで原因しているのかというと、ニュースメディア、TV にしても、ニュースペーパーにしても、全
然「ガッツ」がないわけですね。
97.
報道をする会社の社員が、自分で報道したくても、商社、その報道会社にメディア広告を出している大きな会社か
ら圧力がかかり、会社に迷惑をかけられないという理由があり、報道したくても、報道できない事実があるようです。
民放も、もちろん NHK も、全然本当のことを言わないと。
98. ロッキード事件は、我々は昔もう 40 年前にロッキード事件があり、今だに、同じことが続いている。今、山田洋行
のことについての話がでていますが、山田洋行以外にどんな会社がやっているのか、同じことをやっているのです。
99.
その話をします。日本は不思議な国で、もう一つ言いますとね、ある人に何回もしゃべっているのですけれども、
日本の経団連、私の若いときに経団連は偉い人がなると、それから日本商工会議所は立派さ人ばっかりだと、裏を返し
てみると、ロビーストだ。金で自分らでその経団連を作り、証拠を消して、自分のいいように政治をもっていかせて、
金を動かしている。
100. 僕がここへ来るとホテルに泊まるのですけれど、みんな若い人もおっさんもちょこちょこ歩いて金を使っているわ
けですね。聞いたら農協だというわけです。で、農協とは何かといったら、あれ、非常に農業を代表するばっかりでは
なくて、保険会社もやられており、日本では一番保険、加入のおおきいのは、農協であることは、聞いています。政治
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1¥d¥1-水増し価格¥鶴田¥JAMSS 鶴田氏講演記録-1.doc
を動かしているわけです。ですから、農協、経団連、日本商工会議所、すべては金につながっている政治家につながっ
ています。
101. これは日本人は、今、アメリカ人の場合は、そのようなこと、農協もあるでしょうし経団連もある、商工会議所も
ある。それもこそこそ裏でやっているわけですね。
102. 日本は大手を振ってやっているわけです。そこがちがうというといっているわけです。
103. ですからメカニズムが全然あっていない。ですから本当に国のために将来ロケットを上げよう、飛行機を作ろうと
するときに、今の政治の体制、政治の体制ばかりでなく事業の体制が全然できていない。
104. 要するに、日本のエアーラインは航空機会社は、いまだに、航空機自体をボーイングから買う時、商社を通じて買
っています。日本の航空機会社の人たちは、英語もうまくはなし、またアメリカの大都市には視点もあり、なぜ商社経
由にするか、わかりません。その結果、航空機も、整備に使う部品費も、US エアーラインに比較すると、30%から、
70%高く、買っているわけです。
105. で、私ははっきり言うと、名前を言うと問題になると思いますので、ある会社のアドバイザーをしていたときに、
プライシングを、値段を決めたわけです。そのときに日本の価格というのは、韓国と日本は同じなんですが、アメリカ
をベース(100%)とするときにそれよりも 25%も、30%もアップするのですね(120~130%ということ)
、値段を出すと
きに。私は日本人として、ちょっと不愉快なことがありました。この他に、アラブの国が 15%アップなのです。日本
も、韓国も、それもいいのですが、あまり韓国のことをいうとやられちゃうかもしれませんが、マークアップしている
わけです。それからアフリカが、日本より、日本よりちょっと5%高いのです。
(メモ、これが 30%のケース)なぜそ
んなことをするのか、なぜこの飛行機を日本に売ったときにプロダクトサポートが多いとなんとかいうのだが(実際に
はそれが増えているわけでもないのに)全然関係ないのではないか。ということを話したら、いやこれは、金が動くと
いうのです。それをどこに払うのか知らないですよ。
106. ところが、私の想像では政治家にいっているのでしょう。政治家にもいっているし、それから商社にも行くでは。
ですからトータルメカニズムは、そのエフィシエンシーにいい飛行機を作る、ロケットを作る、というような状況にな
っていない。
107. ですから、私が MRJ をちょっとお手伝いしていますが、MRJ プロジェクトは、原則として、商社を通さず購入
しているようです。もしここに商社出身の方がおられたら、なにも文句言っているわけで、ないのですが、国のために、
大きな目で見て、航空の一番のお客様はアメリカから見た場合、防衛庁が一番多いでしょ。
108. その防衛庁がまず先頭で、今後どういうふうにするかということを考えて、直接輸入はできないか、4~5人の会
社がアメリカから輸入しているわけですね。 防衛庁の予算、それから人の Quality をみますと、防衛庁の人というの
は、僕は調達しか知らなくて、一日おつきあいして(2006/7/12)
、非常に立派できれる人が多かった。
109. ところがそのシステムが自分で思うようにできないと、そのルールに従ってやらないといかん、ですからそのルー
ルをまず変えないといかんと思います。これは大変なことだとは思いますけれど、ところが、ちょっと、あんまり希望
をもてないのはですねー、
110.
大臣が変なことを言っているわけですねー、「防衛庁が直接買えないのは、商業習慣がわからないので、それをや
るためには何千人の人がいる」とわかっていないで、ものを言っているのです。
111. ですから、私が申し上げたいのは、なにも私は悪口をいうつもりは全然ない、目をさめてくださいよ、アメリカや
ヨーロッパで物を買ったときには(日本に対しては)暴利されていますよ。暴利することにチャレンジする人はいまで、
いませんでしたよと。
112. 商社はインボイスが上がれば上がるほど手数料が上がるのです。ですから、そこは、インセンティブもなにもない
のです。
113.
それから、たしかに秘密というのは大事ですが、防衛庁は秘密を守っていないのです。防衛省のトップクラスが、
自分の知り合い、または、昔の部下に、次は、こういう部品を買いますという、陰で知った、知っていることの事実を、
を知っています。何を買うか、また数量など、知り合いに教えているわけです。これはアメリカの場合、アンフェアー・
プラクティスとして、また法律を破っていることで、起訴され実刑を受けることになります。
114. ですから、何も私は民間とあの官の違いを言っているのではないですけれど、官も民間並みにやりなさいと、とこ
ろが残念ながら機体5社を含めて、昔から官の仕事をしている人は、いまだに一人立ちできません。まー、そんなよう
な話で、何か質問があったらお答えさせていただきます。江崎さん、これくらいでいいの?何か、質問がったら、聞い
て。
117. (江崎)うん。そうですね、あのー、アメリカ国内で正式に何をいくらで売っているのかを調べる SEC の話をこ
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の前しておられたですね。SEC でこの機体をいくらで売っているかということが、わかるのですね。
(鶴田)それは、まずオーソドックスのやり方としては、SEC:Security Exchange Commission、パブリック会社は要
するにパブリック会社(一般の会社)はいくらでこういう取引をしていますという、まあ、消しているとこもありますが、
大体どんなものを売っているか、いくらで売っているか、どういう条件で売っているかを、それ、インターネットで調べ
られるはずです。また SEC にいけば答えてくれる。
118. (江崎)SEC とは何ですか。
(鶴田)Security Exchange Commission です。ということはこれは要するに、商業道徳、商業のルールをみているわけ
です。で、パブリック、要するになんというのですか、公益会社ですから、パブリック、要するに人がインベストする
会社は、日本語で何というのですか、日本語で、民間で、プライベートの企業があるんでしょ。給与と株を売っている
会社あるんです。株を売っている民間も、何というんですか。
(フロアー)法人会社です。
119. 法人会社は必ず義務をするいろんな内容、契約の内容なんかを報告する義務があるのです。そこへ SEC に聞けば
よいわけです。大きなすべてのビジネスは報告しなければいかんわけです。株主も代表してプロテクトしているわけで
すね、SEC が。ですから、江崎さん、商売するときにですね、あとはいろいろなルールがあるかもしれないけれども、
そんなルールがアメリカにあるわけです。
120. ですから、そのそういうので調べなさい。そういうのがまず基礎ベースです。
121. それから大きなものを買うときに、一体やつらは誰にいくらで売っているかを知らなければいかないわけですね。
それは、産業スパイでなくても、産業のインフォメーションを得る方法はいくらでもあるのですね。
122. 例えば、民間機を作るときに、それで世界で売るというときに一体いくらで作ったらよいか、一つの目安として例
えば 200 ミリオンの飛行機が 200 人乗りであれば、それを 200 で割ると、一席ミリオン、一億円ですね。ところが、
ジェット 100 人乗りを作りましょうと、今、要するにリージョナルジェットはマーケットでいくらで売っているかと、
40 ミリオンで売っている。そうしたら一つの席というのは 4000 万ですから、そんならうちが作ったとき、日本が作
ったときにいくらで売ったらよいか、すると 4000 万をベースにしたら 90 人乗りはこれを掛ければよいわけです。
123. 要するにユニットなのです。例えば、エンジンを買うときに、エンジンの例えば 50,000 ポンドスラスト、30,000
ポンドスラスト、20,000 ポンドスラスト、じゃ、大きなエンジン、今 JAL が使っている、大きなエンジン、例えば、
GE-90 は、おおよそ、90,000 から 100,000 ポンドのスラストがあり、大きなエンジンでも$パー・ポンド当たりの値
段が出れば、おおよその根太の想像がつきます。
124. 例えば CF-6、CX のエンジンを 10 ミリオンで買ったとすると、10 ミリオンで 50,000 ポンドだったとすると、
大体 50,000 ポンド、60,000 ポンドのスラストなんですね。そうすると1ポンドのスラストはいくらですかということ
ですね。200 ドル1ポンドということになると、MRJ は 20,000 ポンドである、と 200 ドル掛けて4ミリオンぐらい
でないかという想像をつけなければならない。ですから、ある程度センスをもってレファレンスをしなければならない。
125.
MHI の MRJ のチームは、市場の価格を前もってしらべており、これをベースにして、価格パーフォーマンスの
みならず、価格を自信を持って決めていると思います。
126~129 は、記録上、省略します。
130. それから、例えば、エンジンを買った場合に、GE の例をといいますと、例えばエンジンの価格、購入価格の、購
入をするエンジンを売るということ、そこから、サービスをする仕事をもっているわけですね。サービスを例えばエ
ンジンを5ミリオンとすると、その5倍、25 ミリオンはサービスする。エンジンのライフに、ユーザーに払うわけ
です。ですから、エンジンを売るだけで利益を上げるのでなくて、その5倍のサービスですね。要するにその購入エ
ンジンのエンジン売りの5倍がサービス費としてとれるということですね。ということはどういうことかといいます
と、今私達が 10 年前、7~8年前から、パー・バイ・アワー、ということは1時間飛ぶごとにいくらぐらい払うか
とエンジンの整備を、それ1時間に 90 ドル、だんだん上がってきて 150 ドルになるのですね。ということは予算も
つきやすいし、1年に、ですからギャランティー今まで防衛庁、官は 1000 時間、われわれは、は 2 万 5000 時間お
りないギャランティーをとっているわけです。
131. (質問)それは、1時間毎ですか。
(鶴田)1時間飛ぶ毎にメインテナンスコストを払います。それですから、エンジンが下りたときには無償でやってく
れる。先に払っているわけです。
(質問)だから補用品とか修理品とかを含んでいて、1時間あたり払います。それでワランティーですね。
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(鶴田)全然そんなことないです。だからね、補用品というのは2つあり、オペレーショナル補用品とオーバーホール
補用品があるわけです。今防衛庁がやっているのは、オーバーホール補用品も石川島に渡しているわけですよ。ところ
がエアラインというのはそんなことなしにエンジンメーカーが全部オーバーホールしてくれるわけです。それは、なぜ
かというと、そのお金ばっかりではなく、タイム・コスト・マニーです。要するに金利、それに以外にオブソレースン、
つまりエンジンが使えなくなって廃棄しなければならない。それはキャピタルのロスがあるわけです。わかりますか。
132. (質問)廃棄するときはどうなるのですか。
(鶴田)廃棄するのは、みんなむこう持ちですから、エアラインは関係ないんです。ところがもし(エンジンを)持っ
ていたら飛行機がリタイアしたときには、それをロストして出さなければいけない。ということは今まで在庫のイン
ベントリーとして値段がブック上にあるわけです。それがゼロになっちゃうわけです。それが損益の損を上げなけれ
ばいけない。
(質問)だから引き取り費をみるということですか。
(鶴田)引き取り費をみるのではなくて、全部やらとるということです。何もエアライン・ユーザーは、かかわりない。
(質問)あなた解っていない。
言っていることが、エンジンメーカーがオーバーホール用の部品も全部集めていますということです。エアラインは
全然関係ないのです。で、エンジンをオーバーホールしたときには、自分で使ったエンジンを送れば、しかも 15 日
間でやりなさいということなのです。文書を指しているわけです。それでもしうちが飛行機をおとしたら、もうエン
ジンをオーバーホールしなくなるでしょう。しなくなるから、それ用の部品が、メーカーが買ったやつを全部捨てな
きゃいかんでしょ、ということです。
(質問)まだ解りません。エンジンをおわしたらエンジンメーカーは廃棄しなければならないよ、ということですか?
(鶴田)例えばあなたがエンジンメーカーとすると、するでしょう、私がエアラインとすると、あなたに全部全てオー
バーホールして下さいよ、ということです。するとあなたは、なにも、人も集めなければならないことはないし、部
品も集めなければならないので、エンジンを送るわけですよ、どんどんと。ところが私がその飛行機を使わなくなる
とエンジンも使わなくなるのですよ。あなたは、その手持ちの(エンジンの補用)部品をどうするのですか?捨てな
きゃならないでしょ。そのリスクは(エンジンメーカーの)あなたが持たなければいかんですよ、というわけですよ
というわけです。
133. ところが、今防衛庁がやっているのは、うすうす知っているだけで、間違いかもしれませんけれども、防衛庁が
全部オーバーホール用の部品も IHI に渡しているわけです。で、防衛庁使わなかったら、防衛庁は引き取らなきゃ
いけないわけです。そればかりでなく、買ってまだ使ってないやつも、その金利がかかるでしょ、ということですよ
というわけです。
(質問)買って、また廃棄をしなければならないので更に損金になるということですね。
(鶴田)そこでそれは全部防衛庁の責任をもっていますよということです。
(質問)ところが、鶴田さんの話によれば、その捨金を全部メンテナンスコストの中に入れてやりますということです
ね。
(鶴田)そういうことです。だから、エアラインマーザーは関係のない金は使わないということです。それは??なの
です。ということはね、飛行機航空機のさっきの製造各コンポーネントは 30%がエンジン、30%がストラクチャー、
30%が装備品ですね。エンジンというのは非常に比重が多いということですから、話を戻しますと、エンジン売る
を1としたらエンジンのライフ(の期間には)は5(のお金が)とれるということです。ですからエンジンのオーバ
ーホールは非常に大事だということです、
134. メーカーからみると。それで GE は非常に効果をあげている。で、787、ボーイング 787 というのは GE をみま
してね。4~5年前に、私のところは飛行機売ったままだ、じゃ飛行機の面倒もみましょうという、おおそれた話を
もってきて、787 を売るときにエンジンも Per by hour とか by flight hour ということを Offer しているわけです。
135. ボーイングがメーカーであって、エアラインでは全然わかっていないわけですね。しかも飛行機というのは世界中、
飛んでいるわけです。どうして、そんなことをカバーできる。そんなバカなことをしなさんなということで、結局、
ボーイングは JAL とかいろんなところで(その方式を)売り歩いて、アメリカの人は(その方式を)全然買う人は
いないわけです。
136. ということは GE をみて、そのうちもやってみたいなーという希望でやっているのですが、それは成功していない
わけです。今は成功していないわけです。多分 JAL はやるかもしれないですが、まあー、合意しないと思います。
大体、見ていまして。ですから、要するに物を買うときにはプライスでなくて、トータルコストで買いなさい。トー
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タルコストの中には、購入価格プラス、ワランティー、レメディー、タイムコストマニー、オブソレーションもある
でしょう。そういうのをトータルとしてみなさい。
137. ただ RFQ が出発点ではなくて、RFQ を出すときにはすでにマーケットリサーチ、すでにいろんなアナライズは終
わっているわけです。先ちょっといったエンジン、適当価格というのは、まずレファレンスをしなさいと。それを今
CF-6 エンジンをいくらで買っている。JTF、僕は一つの例を出しますと、昔 737、DC-9 のときのエンジンがた
しか 25,000~26,000 ポンドのスラストで、要するにインプルーブされたエンジンではなく初期のエンジンで、あれ
のオーバーホール期間が 3000 から 4000、YS-11 のダート 10 というのは、1800 時間、1000 時間、ところが今の
ニュージェネレーションのエンジンというのは 25,000 時間というわけです。
(ここで、一時間、ビデオのチャプターがかわります)
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138 日航製はダート 10 をやる。ダート 10 のちがいはプロペラは世界では大きいエンジンです。プロペラの、それで、
エジューとしてそれでわかるはずです。径が大きくなるほどバランスが難しいはずです。で、アリソンのエンジンでと
は、プロペラのあったでしょう。短いの、あの C-130 のあのエンジン。そのあの当時 C-130 カーゴで防衛庁も使われ
ている。あのエンジンを使ったわけですね。日航製はダート 10 でやった。これは値段は高かったし、しかも、サービ
スは悪かったし、それから、ジェットに比べれば勿論、全然その寿命が短い。アリソンを、もし採用しておれば、もっ
と売れた飛行機でしょ。
139. ところが当時の人はわかんない。YS-11 に乗ってこられた人は、御存知かどうか知りませんけれど、あれに乗り
ますとね、窓が低いんです。こんなになって見ねばならないのですね。で、私は当時太田稔さんといって営業部長だけ
れども有名な富士重工の侍5人の一人なんですが。「太田さん、この窓低いのではないのですか?」まあ、言いたいこ
とをいう男(私)だったから。すると、「君、ばかなことを言うな。飛行機に乗ったら下を見るのだろう」と言うんで
す。ところが、飛行機、空港へ着いたら、ここターミナルはどこ、というように見なければいかんわけです。しかし、
私さえ(鶴田氏、腰をかがめて)こうやらなければならないけれども、6フィート 5 くらいあるやつは、それが見えな
いわけですね。ですから、そういうような失敗があると、
140 それからもう一つ失敗談というのは、将来を方向づけるために、日航製の人は飛行機というのはその大丸の西陣織
を使っている。内装のフロントとバックに西陣織、部屋じゃなくて前の方と後ろの方の壁にです。西陣織というのはた
しかに絹からできており、直射日光に当たってアフリカとか南米、アメリカ、二ヶ月で色が変わっちゃってもう全然だ
めですね。ですから、そういうことを知らないのですね。だから、
141 そういうことはできのだけれども、要するに全体のことは見れない。あのー、エアコンディジョンというのは、こ
れ(YS―11)は名機と日本の人はいわれているのですが、これはエアコンディションというのは古い GCP というよう
なギャレットの APU を使いまして、BTU としては 10,000BTU もないのですね。自動車の BTU は、相当、すぐ冷や
さなければいかん。そんなにかわらないのです。ところが YS-11 のは。ところが YS-11 はもちろんエアコンを使う
のはレベルフライトしかできない。レベルフライトするにはクライムして、レベルフライトをしてそれからまた、ディ
セントするわけです。ところが 30 分熱い 100 度 F、日本でいうと 40℃近くのやつをヒート送風するわけで、それはち
っとも涼しくないので、それが一番コンプレインがある。一つのコンプレインですね。じゃ、どうするかというと、い
ろいろしたって、どうしたかというと、いろいろして布団をまくというわけです。じゃ、ヒート送風したって、布団も
あったかくなって、全然関係ないじゃないか。ですから、その知らなくてやったわけですね。
142 ですからマーケットリサーチもでなかったし、それからレコメンド、サジェッションなんもいない。エアラインの
経験者も今誰もいない。ですからそういうような失敗がもとにして、間違いをしないようにしたい。
143. ですから、今のナショナルプロジェクトで MRJ を作るときは、その失敗をしないと思うですね。非常に勉強して
いる。それから、いろいろな知識がある。ですから私は、あのー、(MRJ と)プラットにいったときに Don’t fool を使え
と言っている。
「ばかにしちゃいけないよ」と。Smart enough they hire me、彼等は頭がよい。私がやとうぐらいの知
識があるんだよ。
(質問)こっちがいうわけね。
(鶴田)私が言ったわけです。
144 それは、日本のあなにいうわけですね。今までは、日本ではシッポを上げて、いばっていたやつが、橋の真ん中へ
行って片足しあげて、小便をかけているわけです。しょぼんとしてしてね(子犬のように)。まあ、それはいいんですけ
れど、要するに、ばかにされちゃいけません。日本人見たらドルのマークがおでこについているわけです。
145. (質問)そういうことをパッと言えるような、現場のエクスパティーが必要だというわけですね。
(鶴田)現場というより、そういうような知識のある人を使いなさい、ということです。ですから、すでに日本の国から
見たら、一つの大事な MRJ プロジェクトは、まー、ゴアヘッドへ決まるかしれないけれど、やられているわけです。過
去の失敗を、みてそれを繰り返さないようにやっている。もう自分が三菱の方から見て、こうなんでというわけでなく、
外からみてわかるわけです。ということは質問が非常に深い。
146. (質問)質問が深いということは。
(鶴田)いい質問をするということ。
(質問)いい一言を最初に、ぽっと、言うこと?
(鶴田)いや、そうじゃなくて、自分の知識をいう全体をみますとね、あのー、全体をみましてね、ボーイングなんかへ、
行って、質問が出てくるわけです。 ばかなやつから質問がくるわけです。
「この部分はどこについている?」
「マニュア
ルを見ろ」といえるわけです。
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147. ところが、チャレンジしてくるわけです。
「なんでこんなデザイン思想がある?」
「このデザインおかしいじゃない
か」それは、昔はそうではなくて、今、JAL や全日空が言ってくるわけです。だから、「はー、なるほど」「こいつは頭
がよいんだな」ということです。
148. へんなエアラインになると、「マニュアルどこについているの?」とかね。自分で見りゃわかることを質問してく
るわけです。ですから私が見て、JAL じゃなくて三菱が質問することと KHI が質問することは違うんです。
149
KHI はそのカーゴ(エアープレーン)を作ると、飛行機を作ると、レンジどのくらいかと聞くと、そのレンジもわ
かっていないわけです。ということは、ペイロードなどを含めて、(フロアーより);あれは、鶴田さんのところへ KHI
の人間が尋ねていったときに)発表するなと、一般に、防衛庁から、いわれていたからです。これは裏で聞いた話ですか。
(鶴田)発表するとかということではなくて、
(KHI が)これで飛行機売れますかといって聞いてきたときに、ペイロー
ドもわからない、レンジもわからないのでは、
(相談に来てもらっても)
「YES」も「NO」も言えたもんじゃないですか。
(影の声;まだ発表するなということを言われていても事前相談に行くときは、まだ防衛省に、発表するなといわれてい
ますが、人には漏らさないでほしいのですが、実はこの程度で考えていますか、どうでしょうか、と内々に相談に行くと
きは、内内の話で、漏らさないようにしてくださいということで話をしないと相談も何もできないということで、バカ正
直すぎるといえます)
だから、摩擦が(ずれこみ)あるわけです。こいつバカであるのじゃなかろうかと思うのです。そのエンジンはどのくら
いというと、
(私のところへ相談にきた人が)それも言えないのです。わかっていないと思ったのですがね。
150. ですから僕は何にも、悪口をいっているわけでない。ただ外から見てね、歯がゆいということはおかしいけれど、
目さめてくださいよ。みんなは「バカ」にしていますよ。それから勉強不足ですよ。(来る前にもっと相談、指導を受け
るため、もっと、準備の勉強をしてこいという意味・・・その相談をするときの当然の知識の手がかりさえも持っていな
い。その様なノウハウ、態度のノウハウが、会社の中に蓄積されていない・・・蓄積して、使えるようにしてあるシステ
ムがない)
151. それから要するに日本のマネージメントのスタイル、それからアメリカのマネージメントスタイル。アメリカ人は
ちっとも立派じゃないし、頭いいやついないし、ほとんどみんな「バカ」同然ですね。ですから、オーソドックスに話し
てもだめでしょう。もうすでに日本人の概念があるわけです。要するに、それは日本のナショナルはどんな概念か?ビジ
ネスのプラクティスはどうしているか?ということがあるわけです。
152. ですから日本から Inquiry が来たときに、みんな高い値段を出すわけです。それで今までは通っていたわけです。
でもそれじゃ国際市場で勝てないでしょう。飛行機やロケットを作っている場合に。
153. で、じゃどうするかというと、ユニットコストを出すわけですよ。さっき言ったように、ということは、スラスト
/ディバイデットバイ/ドラー、ドラー・ススラスト、とする場合、1 ポンドあたりの値段が出てくるでしょう。飛行
機にしても、値段を席で割ると、一体あたりの値段がわかるはずですね。
(フロアー)そういうことを見にホームワークで調べてやりなさいというわけですね。
(鶴田)調べるのですけれど、私は一生懸命努力すればいい、なるべく早くエフェクティブにやりたいわけですね。だか
ら、人を使うわけですね。自分でやったらそんなにわかるわけでないですね。
(フロアー)人を使って調べるわけですね。
(鶴田)そういう裏手を使いなさいと、
154 あのー、スパイではなくてインフォメーションであって、前の日にしておかねばならない宿題を、しっかりしなさ
いよ。その古いインフォメーション、だめですよ。
155. 今日のインフォメーション、例えばね、ボーイングやエアバスではどんなコントラクトをしていますというときに、
727 のコントラクトは全然役に立たんわけです。一番大事なのは 787 のコントラクトはどういうようなことをエアラ
インはしているのか。それを知りたいわけです。そりゃ、知る方法はいくらでもあるわけです。
156. ですから、そういうような最新の情報を得て、プラス 10 年先の、まあ 5 年先のマーケットを含めて自分でデシジ
ョンプロセスをしなさい。ところが残念なことに、YS のときには全然そんなことを知らなかったのです。じゃ、それ
はしょうがない、日本の国全体がそうだったし、コミュニケーションもなかったし、E-mail もなかった。今はそうい
う時代じゃないし、ほとんどの人はコミュニケーションできるわけですね。ですから、尐なくともライトパーソン、ラ
イトポジション
157. ですから何も社員ばっかりではなくて、外のやつも使いなさい。しかし、その選ぶときにはプロセスを大事に捕ま
えないと大事ですよ、ということです。
158.ということはね、ちょっと、余談になりますがね、会社辞めたとか、辞めさされるやつか、その次なにをするかと
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いいますと、すぐ名刺を作るわけですね。それはコンサルタントになるわけですね。それよりは私からいうと、コンサ
ルタントというのは失業者の代名詞じゃないか。そういうやつが山ほどいるわけですよ。アメリカには、その中に本当
にできるやつがいるわけです。いるかどうか知らないけれど選ばないとならないと、だめですよということです。
159. (フロアー)で、それについて僕が聞いたことがあるのですが、結局社員だったらね、資料を勝手に持ち出したら
法にふれるから、やめた人ですね。やめた人というのは、そのやり方というのか、それが頭に入っているのですから退
役た人を使えばよいというわけですか?
(鶴田)いや、だけど、いいポジションにいる人はね、コンフィデンシャルアグリーメントをするわけです。ということ
はコンフィデンシャルアグリーメントであんまりしゃべれないけれど、手のうちを知っていることは、あるはずです。
そのことは、何も文章にしなくてもよいわけでしょ。それはまずいですよということは、言えるわけです。そりゃ、企
業をしてはどんな企業もやっているのじゃないですか。
160. (フロアー)ということは、だから、ロッキードにいた人かね、退職した人を雇えば秘密は漏らさないけれども、
手のうちは知っているわけですね。
(鶴田)そうです。こうしないほうがよいですよ、を知っているというわけです。雇う方でも、例えば飛行機を売ると
きに、日本人が飛行機を売るために、何も大体飛行機をね、売りたい。
161. 日本には何か一つありますね。日本航空ではなくて昔は NAMCO にいた日本航空機製造(虎の門にいたんです)
一年ごとにくるわけですよ。マーケットリサーチということで、来られるんです。そこから 5 人くらい各エアライン
メジャーエアラインをまわるわけです。で、エアラインをまわってどんな飛行機を作ったらよいでしょうか、ともう
40 何年つきあっているわけです。もうやめなさいと。で、
「タイピンを作っときゃいいのではないですか」という嫌味
を言うわけですよ。それでどういうようなエンジン使って、どういうのだというと一応ポンチ絵を持ってくるけど、質
問したら中身を全然答えられないわけですね。
162 一方、三菱は MRJ を作るということで、いろいろ歩いているわけです。
163. なんだこれ、官ミクスチャアではないか?一体どういうつもりでやっているのか?というと、予算がついているか
らです、という。あんまりいうと叱られるでしょうかなー。で要するに、それなんですよ。45 年間、マーケットリサ
ーチに毎年来てるわけですよ。で、私に聞きにくるわけです。
(フロアー)どこがくるんですか。日本航空機製造か通産ですか?
(鶴田)ぼやかした方がよいですよ。もう皆さんわかっているでしょうから。
(フロアー)日本航空機製造かな。日本航空機工業会かな?
ま、それは exit しましょう。
それは昔はタイピンをもってくるわけですよ。飛行機のあれです。で、そのときに「あなたタイピン作りをしなさい」
と「飛行機は無駄ですよ」と、それでもくるわけです。
「鶴田さん、話をききたいですから」と。それが多いのと、
164. それから MRJ、三菱がきたときには全然ベースがちがうんですね。真剣に聞きにこられたのです。ほじってほじ
って、ほじって、だから、そういうベースが全然違っているわけですね。で、同じ日本人で、日本人の能力は、アメリ
カ人以上です。それがシステムというより会社になるとね、何も決められないグループになっちゃうわけです。だから
非常に残念なのですね。ですから、個々では日本人は非常に優れているわけですけれど、グループやチームになると誰
か決める人がいない。ただ、
「うーん」
「うーん」といっているだけですね。要するにアドミニストレーター(書類を左
か右へ移すだけの人)ということです。
165 ほかに質問あります。
(質問)もう一つ大事なことを聞きたかったのですが、私、BK-117 を開発したときはですね、アメリカの商売の基本
はユニフォームコマーシャルコート(UCC)の 2-206 章で Formation of contract という条項があるというのが基本に
なっているという、そういう理解で、その言い手と受け手の関係で、きちんと整理されているから、そういうのが基本
理念だよ、という知識をもって向かったのですが、まあーそういうことは日本の人はあまり知らないことです。アメリ
カでは当たり前のことではあると思いますが?
165. (鶴田)僕はそんなコードを知らないけれど、そういうことは当たり前で、買うときの義務と、売るときの義務を
プロテクションしなければならない。従って、どういうプロテクトするかはもう決まっているわけですよ
ですから、それと、それから、そのー、何かアーギュメントとか問題がおこったときには、どこでの裁判所を使って裁
判しますよかを決めるわけです。 とそれが、一番、いつも問題になるわけです。うちはニューヨークでしたい。とこ
ろが日本の人は東京になるわけですね。ところが、悪いやつが買うほうが悪い。いつもニューヨークとか、自分の方を
有利にするため、デラウエアーにしたいとか、ニューヨークにしたいとか、ワシントンにしたいとか、こういう話にな
る。契約書というのは、まずプロテクションすると、コミュレメントさせると、そういうのはそういうことはしますか
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と決まりきっていることです。で、Dispute、問題がおこったときはここで裁判します、と。しかし裁判する前には必
ず仲介人が出てきてそれをセットする。またわたし、何十年そんな問題をおこしたことは一度もない。ということは業
界でそういうことをしたらすぐ広がっちゃうし、お互いに会議しましょということです。ですから、その細かいルール
はあるし、しかも、ルールは決まっているし、ただ、いつも問題になるのは、大体 1 回サインをしましたら、その契
約書などは見ないのですね。ということはレスペクトしているわけです。で、大体信頼できないような会社、例えばサ
プライヤーを選ぶとき、メーカーを選ぶとき会社の技術能力、レピュテーションどんな評判があるかと、どのくらいの
マーケットシヤーをもっているのか、それからファイナンシャルポジション、要するにお金の要するに経営が、大丈夫
かと、それからレビュテーションといいましたが評判はどうかと、そのぐらい調べなければいかんわけです。ですから、
その契約するときサインするときには、私のコミートメントと相手のコミットメントを簡単にきれいにしサインするだ
けです。ですから、そういう最初、要するに RFQ を出す前の仕事が非常に多いですよ、ということです。RFQ がス
タートしてからではだめですよ。そしてインセンティブがないとだめです。
166. (質問)RFQ を出す前に General agreement を先に、とっておかねばならないのでは。
(鶴田)いや、かまわないですよ。買った場合どうですかと、Letter of intent というのを出すわけですよ。もしよけ
れば買います。ただし Approved by その
・・・、レターオブインテントを出せ、コンフィデンシャルアグリーメン
トを出せ、と言ってきますから、そりゃ出せばよいのであって、ところが最終的な契約はそのレターオブインテントこ
ういうことをしますよ。できれば、Subject of approval、あのー、こういう条件があれば、そうようにします。それか
ら秘密にして守りなさい。それはやる。サインすればよいのであって、法律的にバインディングというのは全然ないわ
けです。
(質問)それから今言われたことですが「Subject of approval」は、例えば日本には予算制度がありますので、まあ、
こういうことの予定で作るよ、というんだけれども、国会承認がないとお金がだせないよ、ということで This contract
(or agreement の方がよいと思う)is subject of approval of the government もしくは board ということサジェッション
を入れた方がよいよ、ということ聞いた事があるのですが、あるのですけれども。
(鶴田)いや、すべて、例えば今いったパブリックな会社はチェアーマンでも金額が大きければ、Subject of approval
になるわけです。ボードのアプルーバルです。
167. (質問)それからちょっと質問があります。それは我々はあの宇宙関係ですが、飛行機とちがって大量生産はなか
なかできなくて、いろんな意味で、ネゴシエーションがブロックしているわけです。それで、一般にバルク・バイで、
買おうというときに、いつもコスト値切るやり方の中で、習熟率とかいろんなことを議論するときがあるのですが、そ
の他に 3 ヶ作ってもらう、例えば、1機ではなくて、10 機で買うというとかですね。そういう場合のというのは、それ
は、あのー、飛行機の場合習熟度は大体 85%というのがあるのですが、宇宙の場合なかなか LC が 0.95 かどうか、わ
からないのですよ。そういう世界です。だから他に手だてとなるようなものがあれば教えてください。
(鶴田)それは、あのー、ロケットのことは知りませんけれど、要するに、Value と Cost analysis をしなければならな
いということです。それとマーケットコンディション、こういうものは大体いくらくらいでできなければいけないとい
うことは、自分である程度知っていなければならないということです。それから、この会社はいくらで売っているかと、
それから、コストコンポーネントを考えなければならんわけです。例えば今おっしゃられたそのランニングカーブとい
うのは、ラーンニング・カーブというのは量が多くて長い時間ではじめて到達されるわけですが、一ヶ一ヶというのは、
セッティングタイムがあるし、それからこれが Shelf item かと、Shelf item とは在庫あるのか、それから注文に応じ
て作ると、注文に応じて作るときには、ある程度の知恵があるだろうから、そのこれを作るというのは大体いくらくら
いかかるであろうと、多分高いものだと思います。すべてが高いからそれだけの、そのさっき、ちょろっと話したわけ
ですけど、何千とか何万という部品を全部アナライスできないわけです。ですが、トップ(上位)
、20%アイテムをと
れば 80%のコストをコントロールできる、という原理があるのですから、そのトップ 20%をやればよいのではいいの
ですか、最初に。で、その高い値段の中で、要するに Value とコストの関係で、要するにさっき言ったようにエンジ
ンの値段はこれくらいだろう、ロケットの値段にはこれだけのスラストで、これだけ払うので、1ポンドのスラストど
れくらいの市場価格であろうか、といった Analize する場合があるわけです。
168. それから、その会社がよその会社に売ってはいくらくらいとっているのであろうかと、どれくらいチャージしてい
るかと、それからさっきから何回も申し上げているのですが、その部品の中に要するに手間、それから工数がいるのと、
それから例えば薬一つ買ってもお金をいくらかとられるけども、実際の Research and development のほとんどは固定
費ですでしょ。固定費は、70%~80%です。例えば薬の場合、製品費は、100 円もしないけれど、2 万円とか 1 万円と
かになる。それはなぜかというと、Research and development に相当金をかけている。ですからそれが Shelf item か
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どうか、すでにその会社はノウハウをもっているかどうか、ですから工数というのに流動費なのですね。ですから流動
費と固定費のことまで、あまり言葉好きじゃないですけれど、これはどれくらいなのかということを知ってはじめてで
きるかもしれない。ですから、要するに工数の節減などは。ですから、薬なんかそうなんですが、薬を作る工程などと
いうのは、本当に簡単なんです。ところが実際に 5 年 10 年かからないと FDA から approval を得られないわけです。
その代わり、相当な金を払っているわけです。だからロケットも大体それだと思いますね。Research and development
の方が非常に全コストがかかっている。しかもそれをよそに売っていればそれはあとの流動費だけにしよう、というこ
との話になる。それから今おっしゃられた、購買の一番のネゴシエーションのベースになるのは Quanty なのです。例
えば、防衛庁が年間 2 機、1つ買います。で、私がその場合 10 年使いますから2つの代わりに 20 台買います。で、
ネゴシエーションをするわけですね。20 台代を買えばいくらにしてくれる。それでデリバリーはこうですよ、とする。
ところが毎年毎年毎にネゴシエーションしていることではわかるよ。
169. それから、もう一つ話したいのは、エスカレーションですね。エスカレーションははやっているですけど、エスカ
レーションは例えば年内3%上げると、これは許せないわけですね。要するに流動費に関して、(エスカレーション)
を上げるのであればよいのですが、だから3%にするのであれば固定費と流動費の割合出しなさい。それを流動費に関
して、固定費は?使っているわけでしょ。だから便乗値上げになるのですよ。
170. (フロアー)だから全体の値段に3%ではなくて、流動費に対してだけ、エスカレーションをかけるということで
すね。
それともう一つは、企業能力でインプルーブメントしているのじゃないかと工場の中の能率を上げるわけでしょ。それ
から能率を上げた分は全部返しなさいと、こっちにとりなさいと、尐しわけなさいと。ですから3%マイナス4%にし
なさいよ。ですから、よそには3%とらしてもよいです。その分私にまけなさいと。
(フロアー)ネゴのあれですね。
171. (鶴田)ネゴのスキルです。ですから僕は日本の国でもその今いっているMの会社では非常に立派なことをやって
おられる。要するに、3%うちはそれを認めません。マイナス3%にしなさいと。1%ちがうと 10 年するとね、
(0.99X
10 乗=0.90)90%となる。1%ちがうと、非常に大事だということです。ですからこの 10 年先のことを考えてですか
らネゴシエーションスキルというのは量だ。Quantity でベースにするということです。
172. それからエスカレーションを上げさせないということ。こういう話があります。チタニウムの値段が上がるから、
要するに値段を5%を上げますといってきたわけです。私まだ現役のときに。まあ、タイタニウムの原料は 1 トン
いくらかというと、500 ドルというわけです。ちょっとエンジンのウェイトどれだけだと?エンジン全部チタニウム
にしたって、おまえこんな 500 ドル以下でできるじゃないか。それはおかしな話ではないか?、そうすると下げて
きました。要するに、便乗益(便乗値上げ)が多いということです。で、オポチュニティープライス、機会プライス、
払ってくれるから請求する。ところがチャレンジすれば、それだけ尊敬してくれるとかレスペクティブしてくれるわ
けです。あー、あいつは頭がいいと、業界では評判になっているわけです。つまり、よくても評判になる、悪くても
評判になる。あいつはいいなりに買ってくれると。これは日本の観念として、日本の購入者はみんな言い値で買って
くれるというわけです。ですから非常に残念だというわけです。
173. (質問)今、質問があるから続きですけれども、逓減率の話ですが、ネゴのときに逓減率の話はでるのですか。
(鶴田)出ないです。
(フロアー)でないでしょうね。
(鶴田)ということはねー、続けて買わないですよ。ぽっ、ぽっとでるわけですよ。だから私の下げなさいと、その
代わり最初からこういうところでデリバリーしなさいよというわけです。ですから逓減率のことまでいいますとね、
かえってややこしくなって、そこまで分散化しますと非常に話がうまくいかない。大体ネゴシエーションというのは
30 分で終わらなければならない。いや 4 時間も 5 時間もぐじゃぐじゃつきまわるわけなんですよ。
174. しかもまたネゴシエーションは、まず、あなた決められるオーソリティーをもっていますかということを聞かな
ければいけない。全然持っていないやつに、だらだらとしゃっべているわけです。それで、時間の無駄じゃないか。
それよりは、こういう値段で買うから、おまえ本社と話しなさいよ。日本の場合、JAMCO も違いますよ。KOMY
(航空機客室用の薄型バックミラーの会社)も違います。僕は 100 億円買って 4000 万のあとの違いがあった。常務
も出てくるわけですな。4000 万の違いで 100 億円の買いものをしているわけですよ。0.4%、そしたら鶴田さん私
ではできません、と本社の役員会にかけます。つまりバカじゃないか、とメッセンジャーですね。私自分で 200 ドル
500 ミリオン決めますよ。ところが日本では役員会にかけて、そこではじめて OK か NO かというわけですよ。そん
な時間ない、もうじゃお宅のは買わない、ということになってくれるわけです。たまたま同じ学校を卒業したやつで
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すからあまり言わなかったわけですけれども、そこが違ってくるわけですね。
175. ま、アメリカでも、ヨーロッパでもネゴをするときに、あなたはネゴシエーションを決めるオーソリティーを持
っていますか?持っていなかったらあまり時間の無駄だ。ネゴシエーションは進まない。しかしネゴシエーションを
する前には、すでに自分で勉強してきなさいよ。さっきもちょっと言ったんだけれども、例えばギャレーを全日空が
使いたいと、で、JAMCO に注文する、ネゴシエーションをする以前に JAMCO は仕事以上、自分の能力以上に仕事
を持っているわけです。そのときには無駄でしょう。それでかえってお願いします、と。これだけにしてくださいと
いう方がいいわけですね。ですからサプライデマンドのコンディション、それから例えばレタスを一つ買うのに、値
段が一つ 150 円で、ところが私のレストランで 100 使うという。したら、八百屋のおじさんに、いくらにしてくれ
るかという話になるわけです。量というのは非常に大事だ。
177. それからデリバリーいつしてくれるか?ですからものを例えば一年に 5 ヶずつ買うのなら、5 ヶなら 10 年で 50
ヶにしなさいと。そういうことを Subject of approval of government とまで大きなことを言わなきゃ、誰がアプル
ーバルをするという文句つけりゃいいわけです。(カッコウをつければよいということ)それで値段を交渉する、し
あうという、底値を出させる。そりゃいろんなテクニックがある。そのテクニックというのは経験しか出てこない。
ま、経験と常識、常識というのはコマーシャルの常識ね。普通の人が、考えれば何でもできる。何でもできるという
のはコモンセンスを使いなさいと。ですから 1000 ドルのものを一生懸命アワとばしてやるのはやめなさいと。1 ミ
リオンで1%まけたら 10,000 ドル変わってくるわけでしょう。そんなところに力を入れなさい。ですから、
(輸入購
買のために)人員たくさん、いるんだ云々であったら、トップ 20%、最初できなかったら途中にでもやってネゴシ
エーションして、20%したら全体の(コスト)80%はコントロールできていますよ。あとはもう、商社にまかせれば
よいのです。10 ドルだったら倍とられたとしても 20 ドルです。3 倍とられたら 30 ドルじゃないですか。それでで
っかいやつを抑えなさい。はい、他には。
178. (フロアー)えーっと、今日ですね、あのー、JAXA 宇宙航空研究開発機構の方から何人か来ていただいています。
おそらく新しいロケット H-2A という新しいロケットを民営化していくつもりで?、今日、三菱重工から来ていただい
ていますから、(鶴田:すみません、三菱の悪口言って)あの、おそらくですね、国際関係でいろいろなデーターが指
し値で交渉されていると思うのです。で、実際には、その例えば 2 トン級の静止衛星とか 1 トン級の静止衛星を上げ
るために、いくらで商売しなければならないかということで、随分悩んでおられると思いますね。そうした場合の例え
ばサービスの価格を相手側にオファーするときの「コツ」だとか、ちょっと言っていただくとよいと思いますが。
(鶴田)あのー、まず最初に、もし私が頼まれたらそのロックウェルとか、いろんな会社はあるわけですね。メーカー。
ボーイングにしてもダグラス、マーチンにしてもいくらぐらいで売っているかを調べますね。それでやはりロケットの
ペーロードとスラストだけなので、あとはナビゲーションにしても、フライントコントロールにしてもみんな同じよう
なと。ですからまずよそがいくらでどんな値段で売っているかということを調べます。
179. (質問)どうやって調べるのですか。
(鶴田)ガールフレンドを作れば一番いいのです。
(フロアー)あの、JAXA の松崎さんいらっしゃいますか。もしあれでしたら、あの私などからよりも、本人が困って
いる人が、聞いたほうが、よいと思いますから。
(松崎)あんまり質問を考えてこなかったことなのですが、今具体的に困っていることとしては、あの H-2A ロケッ
トで今、運用中なのですけれども、あのー、開発当初に、23 機の部品をまずまとめ買いをして、で、まー、コスト
をまとめて、運用しているんですけれども、もう部品が2~3 年でもう在庫がなくなってしまうので、次の部品を調
達する必要があるのですけれども、やっぱり通常考えれば物価も上がっていますし、材料費等も上がっていますので、
同じ条件で買ったとしても、まあ、コストが上ってしまうというのがあって、次に部品をどういうふうに使っていっ
たらよいか、どういう仕組みで調達したらいいのか、ちょっと検討しているのですけれども、そこらへんで、まあ、
いいヒントがあれば教えてください。
(鶴田)ロケットのことはあんまり知りませんけれど、飛行機だったら大分似ていると思います。
180. 例えば、ハイドロシステムのハイドロポンプを買うと、ハイドロポンプというのは、どれだけの PSI(油圧)とどれ
だけの容量をもたなければいけない。それは、そのエアロスペースインダストリーと比較すればよい。例えば、フライ
トコントロールのフライバイワイヤーとロケットの知りませんけれど大体この値段で買っていると。それで大体の予想
価格が出てくるのですね。ところが、申し訳ないけれど商社を通じて買った値段が買ったら高値がでてくる。で、実際
に使う使用者がいくらで買っているかを調べる。それから例えばエクストロージョン(押し出し型材)、アルミとかが
あるかもしれない。例えば Functional part の場合、シミラーな部品を選ぶ、ということは航空機とロケットというの
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は、ほとんどコモン(共通な)ところが多いということです。
(質問)それは要するに共通的な部品を、ま、選んでいくということですね。
(鶴田)そういうことです。それも大事なことはエンジニアが選ぶときに、変な一つしかないやつを選ぶより、コモン
なものをなるべく選びなさい。それから、メーカーやエアラインが、それを買うのに、にいくら払っているかを調べな
さい。
181. (質問)その調べるのは、いわゆる今までの流れであると相場を調べるときているわけです。ところが、鶴田さ
んはそうではなくて、情報が得られるチャンネルを使いなさいということですね。
(鶴田)こういうことなんです。例えば、あのー、コンピュターというのは非常に便利なものですね。そのユーザー
として、エアライン業界として、その全部インプットしているわけですね。どんな部品はどこから買って、いくらで
買っているかと、プライスリストと購入価格はこうだと(註;実際にはプラスリストの価格より値引きをして購入し
ている。プライスリストは標準価格という意味)それが全部知りたかったら、昔はこんなでっかい資料をもってこな
ければいけないけれど、今、ボタン一つで出てくるわけですね。ですからもしその、外で、あなたの目とか耳になる
人は、要するに、私だったらエアラインとつながっているやつを使いますね。非常に簡単に得られる。
182. (フロアーから)今つながっている人とかつてそこにいた人という両方の意味ですね。
(鶴田)まあ、そりゃー、決められればいいんですけど、要するに、例えば、ボーイング、ボーイングでも従業員たく
さんいるわけですね。やめた人、リタイアした人もたくさんいるわけです。ですから、例えば、飛行機を売るときに、
ちょっと話途中になったけれど、電話かけて、エアラインの会長に直接話せるようにならないと飛行機は売れないので
す。ところが、日本の会社の人はディレクター役、まあーパーチェシング、まあ名前だけ取っていて、決定権も何もな
い。飛行機を決めるというのは、一体どういう飛行機を買って、いつ決めるか、これは企業の大秘密なのです。だから
部長クラスに言わないわけです。もし競争相手がわかれば、あー、こいつはこういうマーケットを狙っているというこ
とがわかるわけです。だから発表したときには、すでにもう遅いわけです。ですから、そのー、さっきマーケットリサ
ーチをするため日本の人達は来るけど、会っている人は決定する人に会わないで、下っ端のやつに話いい加減にして帰
っていきます。
、三菱はちがうですよ。さっき言った、名前ははっきり言えませんけれど、それなんです。
183. で、私は話を元に戻りますと、そのーシミラリティーを調べる方法というのはたくさんあります。さっ
きいっ
た
SEC でどのようなプライスが出ているか、あと、パブリック・プライス・リストですね。
(質問)パブリックプライスリストというのはもう出版されているということですね。
(鶴田)だから得ても誰も文句は言わない。だけどプロプライオリティーインフォメーション・企業の秘密があるわけ
です。それは法律では得られない。
(質問)パブリック・プライス・リストは、一応、値引率とかそういうのはなかなかわからないですね。
(鶴田)値引率とかはわからないけれど、そういうのは、どこもそのリスト(プライス)では買わないわけですよ。で、
そのリストは得るということ、もう一つは、アクセスできる現役か、リタイアした人を雇いなさい。雇うというのは、
そのパーマネントに雇うのではなくて、そういう知恵をかりなさいと。ですから、そういうような、あの、自分で努力
してもできないですよな。アメリカへ行って、そんなことをするよりは。
(フロアー)だから人を上手に使いなさいということですね。
(鶴田)そういうことです。しかも選ぶときは注意して選びなさい、ということです。
(フロアー)悪いやつがいるからですか。
(鶴田)悪いやつというより、能力がないやつがあるような顔をしているから。会社辞めさせられたやつが、皆がコン
サルタントになるわけです。
183. (フロアー)先ほどから物のその価格というのは、そのエスカレーションというのは、お話がでたのですが、やは
り宇宙の世界というのは、そのマーチャンタビティーが尐ないものですから。
(司会)ちょっと名前を教えてください。
(フロアー)三菱重工の土本です。
(鶴田)でも小牧、大江ですか。
(土本)小牧です。それで昔航空エンジンだったのですが、結局その BLS というのがあんまり通用しない。それが
通用しないということはやっぱり価格なんで、ベンダーから見積をとると、去年とったものの 2 倍 3 倍でポンとき
てしまうというのがあるので、そのへんのコントロールが難しい。(陰の声、はじめから、これくらいならいけると
いう理論武装をして、指値をして、行けばよいのに、そして、相手が反発してきたら、堂々とその理由を述べればよ
いのに)
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(鶴田)それあのなんですか、ストラクチャーの部品ですか、それとも要するにメカニカル的な?
(土本)あのストラクチャー、あのー材料とかそういうものです。コンペティターもいないので、たたけないという
ところも。
(鶴田)それは日本でもできないということですか。その会社しかできないとか。
(土本)日本にはなかなか、そういうのはないです。
(鶴田)その場合、私は自分で出かけますね。それで、なんで、そんな高いものになるんだと。将来あなたと仕事した
いから、もう尐し勉強してくれとか、なんかいろんな、要するにビジネスというのはラン(走ること)と一緒ですな。
いかにして到達するかで。ですから、ネゴシエーションは僕は非常に大事だと思うんだけど、個人的なつきあい、僕
はあのアメリカにいましてね、日本から来た人もきて、夕飯を食べましょう。日本人 5 人、アメリカ人 5 人でてき
て、これは個人的なつきあいのなんでもないですな。別れたらそれきりです。ところがパーソナル的つきあいもでき
なければいかんでしょう。ですからあなたも若いし、それから、そういう人、要するにビジネス担当者と自分の家に
来てもらい、自分が彼等の家に行くような個人的なアプローチも必要でしょうし、ま、これも自分の外交ですな。で、
日本人はそれ、できないですね。で、アメリカにいて、よく見ますけれど、日本から来て、日本ヒルメシをどっかメ
シ屋に頼んで、うちに帰って奥さんの料理を食べ、日曜土曜はゴルフを日本人でやっているですから、それではだめ
であって、要するに個人つきあいもアプローチも大事でしょう。ということは、ということは必ずそれがあらわれれ
ば、あなた真剣にやっておられると、そんな倍の値段は出てこない。ということは、今いったオポチュニティープラ
イスなのです。ですから、とにかく順当な、マージンを払いますと。だから、適当なトリートメントをしてくれと、
しかも E-mail かなんかで、Quote しているところへ、いいたいこと言ってくる。
184. (土本)あともう一つ、わりに、荒利があるのではですね。JAXA さんにしても防衛庁さんにしても、そうでなん
でしょうけれども、我々そのベンダーから取った見積をつけてそれにプラスでその何パーセントかをつけて、という風
にいたものですから、どうしても、そこに我々も安住しちゃうところもあるところがあるものですから。
(鶴田)その通りと思いますね。ですから、お宅の三菱さんには非常に立派な人がおわれ民需にランニングカーブ早い
ですね。で、彼等4~5人でていますね。もう 3 年間例えばエンジンだけで担当して 3 年勉強しているわけです。そ
れですべて情報を得ているわけです。それでネゴシエーションをします。
(三菱)コネチカットへいったのは多分滝川だとか、向こうに井村というのがいたんだけど。
(鶴田)いや、篠田さんとか水野さん、水野クニヒコさん、非常にのみ込みが早いわけです。ですから、一番大事なの
は、個人的にも外交するということですね。ですから、非常に三菱の、今、名前をちょっと言ったんですが、向こうの
人は尊敬しているのです。スマートだと、インテリジェントだと、ということ、それでタフだということをいっている
わけですね。タフというのは、尊敬されているわけです。あいつはバカで「いい値で買う」といわれるよりは、タフと
いわれた方がよいわけです。
(フロアー)向こうの人か、三菱の人を尊敬するようなところまで、そこまでもっていったということですね。
(鶴田)そりゃね、やっぱり、次、値段を出すというようなバカなことをいってこないわけですね。もうすでに実績を作
っているから。ですからあの答えとしては、あのー、個人外交も必要でしょう。それから日本人だということでバカに
される。日本人でもちょっとちがった。ですからね、MRJ のグループではすでにエスタブリッシュしているわけです。
(フロアー)もう一流になったということですね。
(鶴田)一流までは評価できないけれど、要するに、いいところやっているわけです。非常に立派にやっている。
(フロアー)我々の三菱からというと一番有能な人を投入しているということですね。
(鶴田)そう。
185. (土本)エンジンといいますと、もともとエンジン出身なんですが、いろんなエアラインをまわってエンジンのオ
ーバーホール、MRO をやっている、よく知っているのが、いるわけすね。
(鶴田)ですからね、非常に彼等に、僕はつきあえるわけです。ということは、僕はさっき言ったようにコネチカット
へ行ったとき、これは最近の話だけれど、Don’t fool them.といって、バカにしたらだめだよ、と They are smart
enough to hire me.ということはその頭いいから、僕もやとっているのですよと。それで仕事、終わっちゃうわけで
す。ですから個人的なつきあいも大事だということです。それから日本人は個人的に非常に下手です。まずい。です
から、それをできるような人を使わなければいかんということです。教育しなければいかんということです。
186. (フロアー)今日は HTV というカーゴを(宇宙に)輸送する輸送系の方に(JAXA から)来ていただいたのです
が、今ここにおわれるのですけれど、今一番困っているのはですね、あのー、エレクトロニクス関係ですねー、まあ、
ソフトを含めてですねー、エレクトロニクス関係の調達に関して何か、知恵というのですかね、これはいえるものがあ
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りますか?
(鶴田)これは最近の例なのですがね、エレクトロニクスというのは限られているわけです。コリンズとかハニウェル、
シーダ、ラビットにある会社ね。それでそれは何かというと、それをやっている人がリタイアした人がいるはずです。
そう言う人を高い値段をだす必要ないです。コンサルタントとしてやとって彼等はすべての新しい情報を得てくれる。
例えば、フライトコントロールを含めて、すべて、アビオニクスだ。あのー、エレクトロニクス、それは一番難しいの
は今売っているやつを買うのはまずいですね。10 年先のことを考えねば、それは内部情報が必要です。今どういうも
のがオンボードデザインしているかということです。それを知らずに今の Shelf item、在庫でこれをネゴシエーション
したら時代おくれになります。それをどうして調べるかといったら、私が探してもできない。それを知っているやつを
使うということです。それは、そこまでデザインしたやつ、例えば MRJ というのはコリンズを使っている。コリンズ
は全部ベンディクスのバイコントロール、そうするとハニウェルのやつをやとうわけです。私のところに3~4人働い
ています。同じプロジェクトで、それはハニウェルのやつは電子の専門です。電子のことは普通ではわからんですね。
私もよくわからん。ですから、それを専門家でやったやつを??と、弱点、いくらで売ったやつがわかる。ですから、
10 万ドル使うと、だけど何十ミリオンという、見返りがあるわけです。例えば、大きなプロジェクトについて、それ
からそのインベストメントに対する見返り、ベネフィットですね、それを考える必要があるでしょう。だから全部自分
で、だやると、そんなことをしていたら大損をしますよ。
(質問)だからその人をどうやって見つけるのよ、と、例えば鶴田さんのような人をね。
(鶴田)もし、よければ私を調べればよいのです。それは、誰かいますよ。もう私の知恵を三菱に渡したら、三菱の篠
田さんに聞けばそれはわかっている。ま、いずれにしても、そういうようなのはね、あの一人に要するに情報を、戦争
しても情報がなければ何もできないでしょ。その情報を集めなさいというやつを、自分でできなければいくらでもやり
方あるんじゃないのですか?女性を使っちゃいまずいけど、これは新聞ダネになっちゃっていろんな方法はあるでしょ
う。だから情勢を収集しなさいということを僕は一番大事だと言っているわけです。
はいどうぞ。
187. (司会)あと、あの、財団法人の防衛調査基盤整備協会より来ていただいていますから、宗吉さん、もし御質問等
がありましたらお願いします。
188. (宗吉)私、来るにあたっていろいろ、ちょっと考えて来たんですが、尐しあのー、先ほどから防衛庁の OB とし
て、今現役ではないんで、あのですが、あのーやはり、えーと、民間航空機の場合は会社ですので、やはり私はイニシ
ャルコストとライフサイクルコストのトータルコストでいろんな判断をして、投資としてどこのエンジンを採用するか
ということを決めれると思うのですが、やはり今の日本の防衛省の状態を見ているとやはり、あのー、単年度予算、え
ーっと、長くても中期防衛整備計画となりますから、このへんの中でのこうやって企業とか組んでやっていますので、
そのへんではやはり、予算制度をかえていかないと本当に税金をですね、先ほどから言われます、とにかくもう防衛庁
の現役で私はずっと船関係をやっていたのですが、やはり、あのー、限られた予算の中で、やはりいかにいい船を作っ
てですね、それの、実際に船を私達の言葉で、今、船を動かして、戦争に行く人達が戦えるものを作るかについての感
覚で、私達ものを作ってきたわけですね。ですからコスト意識をそんなに持った人に、組織がそのものを使うか、あく
までもそういう装備品の調達を考えを、いろんなシステムを変えていかないと非常にあのー難しいものがある。ただで
すね、先ほど鶴田さんが言われた、あのー、限られた人間でやっていっても、その効率的のよい仕事のやり方というの
はあると思うのですが。
(鶴田)はい。まず効率というのは、人をたくさんやとって、8 時から 5 時まで一生懸命やっているけれどもみんな間
違いばっかりだ。ところが出来る人は 5 分でやっちゃう。ですからスマートに仕事をするか、ハードにするか、私は
80%の責任、仕事は私のいい人を適所におけば自分の 80%の責任は終わっちゃっているわけです。全部やらせるわけ
です。ですから頭数じゃなくて、どんな Quality をまずやってもらいたい。あー、ですから私がしょっちゅう言ってい
ますのは、まじめに 8 時から 5 時まで仕事するけども何もきっかけていないと。それよりは、ただその期待しても、
自分のオーソリティーと、それからレスポンシビリティーを一緒に出さなければならない、やらせるということは。そ
れできない、例えばさっき申し上げたように、今あのー、ついでだけど話をしますけれど、MRJ というのは数ですね、
数は尐ないと。ところが MRJ のネゴシエーションしたときに、まあ、MRJ にもかぎらず、まあ、一般我々ネゴシエ
ーションするときには、想像では 3000 機作ります。それをベースにしてくださいと。ところがこれで 20 年間する。
しかもそれで保証していないわけです。だから、いて絵に画いた餅を出すわけです。ですから、例えばロッキードのマ
ーティンに 20 年間でこれだけ作りますと。これでベースで出してください。それが一番大事です。ですから、5 年で
もいいですけれど、要するにトータルで、これだけ買うから、これで契約してくれと。で、デリバリーはこうなるでし
ょうと。それはデリバリーはあとで教えますと。Subject of approval にするとか、いろいろな方法がある。ところが
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一番大事なのは、買い手は数をなるべく多くさせる。それから内部事情をよく知っているやつを自分の味方に入れる。
これはちっとも悪いことと思わずにみんなやっているんだから。例えば、ボーイングがそのエアバースのやつを雇った
とか、国防省のえらいやつを雇ったとかが、バレて大分、タンカーの問題でやられたでしょう。ということはお互いに
やっているわけですよ。ですから、まじめにこちらで Request for quatation をしていくなんてことは、尐なくともベ
ースから間違っているわけです。ですから、数もなるべく増やすと、ベースになるものは Quantity が一つのベースと
なるものでしょ。それから Art of negotiation です。いろんな方法アプローチがあるわけでしょ。
189. それから一つ本当の日本のビジネスはアドミニストレーターとか、ビジネスマンというのは個人外交も必要でしょ
う。それを教育しなけりゃいかん。それは、その日本人、防衛庁とか宇宙開発には機密が多いでしょう。機密もなにも
いらない、こういうことを調べると、テーマは RI(Request of information)。僕は三菱からこういう飛行機をこれで売
るという、大体話して、それはわかるけれど、他の詳しいこと知りません。ということは知る必要もないし、私は、ナ
ショナルプロジェクトしよう。あれ、しかも YS で失敗した今度はこれで成功してもらいたいと。あの日本人として(ア
メリカを)日の丸が飛んでいるときはうれしかった。YS-11 が,それから落胆して、落胆してで、今度は MRJ がプ
ロジェクトがでてきた。これは大きい。ナショナルなんですから、心はね、外へ行っても日本人の方がより強いような
気がするわけですよ。そのような気持ちであると。
190. それからだまされているから悔しいという腹が立つわけです。ですから早く目覚めてくださいよと。世の中終わり
ますよ。Work harder よりは Work stmart にしなさいということです。それでよろしいですか?
191. (司会)あと JAMCO さんと KOMY さんが来ていただいているわけですが。それぞれ進めていってください。
(鶴田)これはねー、僕は思ったのは、要するにさっき申し上げたように、申し訳ないけど三菱さんがいるけれども、
機体 5 社は自立できないと、今はアバレッジ近く、今まで、全然(自立)できなかったわけですね。そのシステムイ
ンテグレーターも全然できていない。それを JAMCO さんというのは松金さん、何年前あなたが(私のところへ)来
られたのは?
(松金)30 年前です。
(鶴田)30 年前ですね。私がウィストンセーラム、ノースカロライナ、田舎町です。そこに(ビエドモンド航空の)
本社がある。で、こういうものを作りたいということで、要するに、本当に裸一つで来ているわけです。いろいろ話を
聞いてみたら、これ話よく知っているなと、できそうだな、それからこちら(日本)へ来て工場を見に行きましたら、
外見はなんか土木建築の事務所だけど、中を見て驚いたわけですね。ボーイングと直接コンピュターがつながっている。
当時ですよ、つながっている。そりゃー立派ですよ。ということで、もうギャレーを全部かえるの、そしたらいい Quality
のものを出してくる。それが、つきあいで、それかちょっと防衛大臣が「こちらは商習慣か知らないと」そういうこと
を言われて、ちょっと驚いた。例の人、コミーさん、お宅は 35 年くらいですか所長 35 人くらいですか。パート入れ
て 35 人の会社です。ボーイングのサプライヤーです。ボーイングというのは実をいうと 5000 社のくらいのサプライ
ヤーがいたのですよ。昔、それをどんどん下げて JAMCO は入っているのですが、今 1000 社くらいしかないですか、
松金さん。要するに減らしちゃうわけでしょ。ですからそういうように減らして要するに JAMCO やコミーさんがボ
ーイングやエアバスのサプライヤーとして残っている。それは、まず言いたいことは防衛大臣がね「日本は(米国の)
商習慣を知らない」といっているわけですが、彼等(JAMCO やコミー)は手弁当でやっているわけですよ。35 人の
会社それもパートも入れて、それで業界に成功しているということ、現実見てくださいよ、ということです。僕は(今
日は)それを言いたかったのです。それで(JAMCO とコミーに)来ていただいたし、ついでに紹介していただいてい
い会社ですよ。ですから、それではどうぞ。
(司会)それではあのー
(ビデオパート3)へ、
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192. (資材管理協会:日々野)私、日本資材管理協会の理事の日々野でございます。私は日本の詳細前提条件付き標準
工数のデータベースをまとめたものでありますが、鶴田先生のお話をお聞きして、たいへん勉強になり、ありがとうご
ざいました。私、以前ではありますが、神戸大学とドイツのスタットゲルト大学から講演依頼があり、講演に行き、そ
のときダイムラー・クライスラー・エアロ・スペース(当時DASA:現EADS)社、ZF社(注1)
、MTU社(注
2)などのEUの自動車や軍事産業が一丸となって、戦車や航空機のコストを下げるために「原価とは何か?」を追求
している様子を見て「すごいな!」と感じました。
その背景のもと、ドイツのベスト・プラクティスの加工工程をもっているZF社の加工機を使って、日本代表約 280
社で検証運用されている弊社の詳細前提条件付き標準工数のデータベースを現場で、実際に、比較検証した結果、日本
の加工技術レベルの高さが評価され、そのデーター・ベースで、「戦闘機、ロケット、戦車、戦艦をトヨタ自動車のよ
うに安く作れないか?」「何とかならないか?」と、ベンツのトップから依頼があり、「EUの Target Consting
Initiative」としての「EUのフレームワークに入れ!」とさえ言われました。(註3)(しかし今は事情があり、それ
を辞退しておとなしくしています)
。
その後、日本の加工技術力を実証した事例として、
「2 階建てのエアバス」のジェット・エンジン音を小さくするため
エンジンのファンが大きくなってしまい、重量オーバーになったため、その加工技術が、ヨーロッパがほしいというの
で、その紹介のため、我国の「牧野フライス製作所」を紹介させていただきました。牧野フライス製作所は、米国のフ
ライス・メーカー「シンシナティ社」を買収し、その加工技術と日本の加工技術をあわせ持っており、世界の各国にフ
ライス加工機を供給している会社です。
その牧野フライス製作所をエアバス社に紹介させていただきました(注4)。それらの経緯から本日は、その体験から
も、日本の加工技術は他でも大きく進んでいるのだなということがわかり、たいへん勉強になりました。ありがとうご
ざいました。
(注1:ヘリコプターなどのギヤミッション・メーカー「ZF FRIEDRICHSHAFTZ. AG」)
(注2:航空用エンジン、ディーゼルエンジン・メーカー「MTUエアロエンジンズ」
、
「MTUフリードヒスハーフェ
ン」
)
(註3:このときの議事録とそれをもとにした、日本でターゲットコストイニシャティブの活動拠点を創ろうよという
提案の写しは、次のURLで、見れます。http://dtcn-wisdom.jp/00001-targetcost-initiative.pdf
)
(注4:牧野フライス製作所の「エアバスの軽量化のための部品加工」は、NHK テレビで放映されました。
193. (鶴田)やはりそのさきほど申し上げたように、日本人のここというときには非常に高い能力をもっているのです
が、チームになると会社になると何も決められない。言いたいことも言えない。そのエンバーロメント、それをかえな
きゃいかん。従って、それと若い人達に、責任と同時にある程度の権限を与えなさい。何も決められないで、海外出張
して、それで帰ってくる。それを先ほど、何回も申し上げたわけです。ネゴシエーションをする前に、聞きなさい。あ
なた決定する権利か、要するにできますかと、できなかったらお帰りください、いうことをやらせているわけです。と
いうことは時間の無駄だ。ですから、日本人の立場にしても、要するに、Obligation とか義務をやったら、Authority
も上げなさいと。それからもう一つ情報の交換、若い人を教育するためには会社どんな状況になっているか、どのよう
な収入どのような問題があるかということもしなければならない。例えば我々の場合は、昨日、次の日ですよ。条件い
くらでもあって、コストはこれだけで、これだけの達成率があった。それから株価はいくらだとか、いろんな情報を毎
日、世界中(コンティネンタルエアーラインには、47,000 人の従業員がおり、アメリカをはじめ、世界中で働いてい
ます。社員一人一人として、会社ががどのような状態か、昨日の売り上げがいくらだったか、御客が何人だったか、自
分の会社の株尾動きがいくら上がったか、または下がったかという会社の状況を知らせているということです。社員も
会社の一人という考え方を持たせるということです。従業員が集まるところ、例えば、エレベーターの中、食堂、エア
ポートのスクリーンで、昨日のパーフォーマンス、たとれば、乗客数、ロードファクター、経営効率とを示しています。
また、コンティネンタルの株価も示しています)に流しているわけです。実は、会社の一従業員も自分の会社というこ
とですね。そういう気になるわけですね。ですから情報というのは下や上にあげるばっかりでなくて、上から、特にト
ップから、下に、常に、情報を流すことということが、会社や組織の中で、絶対必要です。Both way ですよというこ
とをいいたいわけです。それもすみにおかれて何をやっているかわからんと。会社のミッションは何かわからんという
ようなことをしたらまずい。ですからそれが大きな違いですね、日本の会社とアメリカの会社と。ただし、例えばやる
気になればできると。たとえば、実証できるのは今いった三菱の MRJ プロジュエクトが非常にうまく努力されてやっ
ている。僕は 100%自信をもっている。ですからそれ比較すると川重などは 10 年遅れているんじゃないかこと。自分
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ではきびしく思うんです。昔から川重の出身ですからそう言うんです。現実には正しいと思うんですがなー。江崎さん、
言いかえればねー、あのー、ハード・ワークでなくてスマート・ワークをしなさいと。情報収集が必要ですよというこ
と、それから個人のネゴシエーションも、個人のつきあいも大事ですよ、ということです。
194. (司会)最後に JAXA の佐々木さん、何かお困りのことなにか質問を。
(佐々木)あの HTV というプロジェクトをやっているんですが、あのー、まあ、国の予算を使っているのですが、ま
あー努力して、年毎に買うのではなくて、まとめてある程度発注をするという努力をしているんですが、今の情勢の中
でまとめて買うんだけれども更にもう 1 機とか、微妙な、この追加とかあって、そのときのネゴシエーションには非
常にきびしくもう相手は自分達が(足元を見て)おさえていると認識でもって、先ほど三菱さんが苦労されているとお
っしゃっている、その次のロットのときに非常に苦労している。そのへんを。
(鶴田)ですからそのときに大事なのはコンピュート・エンバロメント、要するに競争会社を作るよ。もしその会社が
得意であったとしても、必ずどこかにあるはずですよ。そういう例えば私達がネゴシエーションする場合に競争相手の
コリンズを呼べばハニウェルも一緒に呼ぶわけです。すると廊下かどっかですれちがうわけです。これはまずいな。で
すから競争な場面をつくるわけです。うそでもかまわないわけです。こういうことをとっていると、要するに、一つで
いうと Art of negotiation をどうやって、こうやって、こうタスキのこがしといって、だましあいですよ。それまでは
下からないかもしれないけれど、それに近いことをしなければならないでしょということです。
(フロアー)最初はよいのだけれど、一つ決めてしまって専用のベンダーを決めると足元をみられるとそのへんのとこ
ろをね。
(鶴田)そのとき契約のときに、もしそういうことがもしあり得るのであれば、このオプションの場合は、ベースをして
オプションをこうしますよと契約につめとけばよいのです。
(質問)オプションということはどういうことですか、例えば。
(鶴田)例えば、重工が 10 機分買うとするでしょう。で、2 機か3機あとで増えるといったときは、その2~3機がオ
プションなのです。10 機は組でそのあとはしませんよ。だからオプションのことを今度契約するときつけたらどうで
すか、ということです。
(質問)オプションの条件を最初から決めておくということですね。
(鶴田)オプションはベースと一緒にしなさいということです。
(質問)ということは、10 機を決めるときに、あと2機追加があったとしても、一緒にしなさいということを先にネゴ
をしてしまえということですね。
(鶴田)そう、航空機を買う場合に 20 機買いますと、その代わりオプション 20 機買いますからといって 40 機をベース
にネゴシエーションをするわけですよ。買うか買わないかは別の話。
(質問)別の話ですが、そこは先に話した The contract(or agreement) is subject of approval of board or government
というような条項を入れて、するということで。
(鶴田)いろんなことがいえる。ですから、あなたを Love をしたときに、いかにしてそのいいことを言って、やると、
一緒だということです。
(司会)ありがとうございました。
(質問)すみません。もう 2 つだけ簡単に聞きたいことがあるのです。その、そのもう一つにですが、そのローカライ
ズにさがしてみるエクスパータイズの人をさがしてみると鶴田さんしかいないように思うけれども。
(鶴田)そんなことはないですよ。ほかにもあるでしょ。防衛庁の軍同士のおつきあいがあるから OB の人を通してとか
ね。いや、僕が言おうとしていることはね、防衛庁が、例えばハニウェルから買おうと思うとかボーイングから買うと
かするときはボーイングからリタイアした人を雇えばよいのではないかといっているのです。
(質問)それで、そう人をさがす窓口、手口もないので困りぬいているところがちょっとあるのですが。
(司会)まあ、そこらへんは、ちょっと、まあお酒でも飲みながらでと思います。ありがとうございました。
D:¥0-My Documents¥1-作業ファイル
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