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2013年の主な天文現象~栃木県から~
2013 2013年の主な 年の主な天文現象 主な天文現象 ~栃木県から~ 日時はすべて日本標準時(JST) パンスターズすい星(C/2011L4) パンスターズすい星(C/2011L4)(3月~4月 (3月~4月) 月~4月) 彗星(すいせい)は、発見した人の名 前が先着順で3名までつけられる天体 です。1990 です。1990年代になると人工衛星や、 1990年代になると人工衛星や、 彗星や小惑星を広範囲にわたって探そ うとする国際規模のプロジェクトチー ムによる彗星の発見が相次ぐようにな り、彗星にもこれらのプロジェクト名 もつくようになりました。 「パンスター 百武彗星(ひゃくたけすいせい) ズすい星」は、ハワイ大学の全天観測プロジェクト「パンスターズ計画(Pan ズすい星」は、ハワイ大学の全天観測プロジェクト「パンスターズ計画(Pan(Pan-STARRS サー ベイ) ベイ)」の中で、口径1.8mの望遠鏡を使って、2011年6月6日に発見された彗星なので、 2011年6月6日に発見された彗星なので、 このプロジェクトの名前がつきました。2013 このプロジェクトの名前がつきました。2013年3月 2013年3月11 年3月11日に太陽に最も接近します。すい星 11日に太陽に最も接近します。すい星 は、汚れた雪だるまのようなものでできていると言われていますが、太陽に近づくにつれ てその熱で溶けて明るい尾を引くようになります。夕方の空では3月中旬以降に西の低い 空にある時に、明け方の空では3月下旬ごろに東の低い空で、肉眼で見えるほど明るくな ることが期待されています アイソンすい星(C/2012S1) アイソンすい星(C/2012S1)(11月~ (11月~12 月~12月 12月) 「アイソンすい星」は、ロシアの天体観測チームが、ISON(International 「アイソンすい星」は、ロシアの天体観測チームが、ISON(International Scientific Optical Network)の口径40cmの望遠鏡を使って、 Network)の口径40cmの望遠鏡を使って、2012 の口径40cmの望遠鏡を使って、2012年9月 2012年9月21 年9月21日に発見した彗星(す 21日に発見した彗星(す いせい)です。2013年 2013年11月 11月29日に太陽に最接近 29日に太陽に最接近(約190 (約190万 190万km) km)します。11月中旬以降に朝方、 11月中旬以降に朝方、 東の低い空にある時に、肉眼で見えるほど明るくなることが期待されています。 スピカ食 スピカ食 (8月12日 12日)おとめ座の一等星が月と隠れんぼ おとめ座の一等星が月と隠れんぼ 明るい恒星には名前があります。おとめ座 で最も明るい恒星は1等星で、スピカと呼ば れています。この れています。このスピカが、日没のころ月に このスピカが、日没のころ月に スピカ かくされます。2013 、 2013年8月12日 12日(月) 午後6時 午後6時45 6時45分ころから、 45分ころから、南西の空を見まし 南西の空を見まし ょう。このように明るい恒星の ょう。このように明るい恒星の食は、比較的 このように明るい恒星の食は、比較的 珍しく、 珍しく、数年に一度くらいの割合で起こりま す。右 す。右の写真は、 の写真は、当館で撮影した は、当館で撮影した1995年 当館で撮影した1995年 月 2月20日の 2月20日のスピカ食で、 スピカ食で、スピカが月に隠さ れる直前のものです。 れる直前のものです。栃木県内から見た時に 栃木県内から見た時に は、スピカは午後 スピカは午後6時 午後6時45 6時45分 45分過ぎに月の裏側 にかくれ、午後7時 にかくれ、午後7時15 午後7時15分 15分過ぎに、月の影か 過ぎに、月の影か ら再び現れます。 スピカ食 当館の望遠鏡にて撮影 ※月は、星占いに使われる12星座のあたりを動きますが、地球が 月は、星占いに使われる12星座のあたりを動きますが、地球が太陽 地球が太陽の周りを回る公 太陽の周りを回る公 転の面に対して 転の面に対して、 に対して、約5度傾いた面上 約5度傾いた面上を回っていて を回っていて、しかも毎年 しかも毎年少しずつ 毎年少しずつ軌道 少しずつ軌道がずれ、 軌道がずれ、約1 がずれ、約1 9年後 9年後にほぼ同じところ ほぼ同じところに戻ります。 同じところに戻ります。 水星食 (12 月 2 日) 水星は太陽に 太陽に一番近いところをまわる惑星です。 一番近いところをまわる惑星です。月よりも遠いところにあ まわる惑星です。月よりも遠いところにあるため 月よりも遠いところにあるため、 るため、月と 重なる 重なる時には、今回のように 時には、今回のように月 今回のように月の後ろにかくされます。 栃木県では、201 栃木県では、2013 2013年12月 12月2日(月 日(月)の早朝5時29分 )の早朝5時29分ころから 早朝5時29分ころから、水星が東の低い ころから、水星が東の低い 空で、昇ってきたばかりの月にかくされ、6 空で、昇ってきたばかりの月にかくされ、6時 月にかくされ、6時31分ごろ 31分ごろには、再び水星が現れます。 ごろには、再び水星が現れます。そ には、再び水星が現れます。そ の直後、6時34分 の直後、6時34分ごろ 6時34分ごろ日の出になります。 ごろ日の出になります。 このころアイソン星が明るくなっていれば、一緒に楽しむことができます。 月食と 月食と日食 月食とは、地球が太陽と月の間にきて 食とは、地球が太陽と月の間にきて一直線に並び、太 地球が太陽と月の間にきて一直線に並び、太 陽の光をさえぎるため、月の光る面が 陽の光をさえぎるため、月の光る面が欠ける現象のことを 月の光る面が欠ける現象のことを いいます。月食が、ほとんど毎年起こる いいます。月食が、ほとんど毎年起こることは 、ほとんど毎年起こることは、 ことは、あまり知 あまり知 られてはいないようです られてはいないようです。月食には、皆既月食と部分月食 いようです。月食には、皆既月食と部分月食 があります。 があります。皆既月食は月の全面がかけ、部分月食はある 一部分しかかけないという違いがあります。今年は4月 今年は4月 26 日 部分月食のようす に起こる部分月食1回のみ (この他に、半影月食が 2 回 に起こる部分月食1回のみです。 1回のみです。 あります。 )栃木県で )栃木県では、4時 栃木県では、4時 51 分ごろ欠け始めますが、このころ月が沈みます。 日食は2 (オーストラリアでは、5 日食は2回起こりますが、栃木県では見ることができません。 オーストラリアでは、5 月 10 日に金環日食となりますが、日本 日に金環日食となりますが、日本では、南鳥島とその海域で部分日食になります。ま 日本では、南鳥島とその海域で部分日食になります。ま た、11 た、11 月3日には、アフリカで金環皆既日食が起こりますが、日本では見ることができま 月3日には、アフリカで金環皆既日食が起こりますが、日本では見ることができま せん。 ) せん。 分) 今年の流れ星情報 流れ星は、宇宙の「 流れ星は、宇宙の「ちり」 ちり」などが大気中に入り込 んでひかる現象です。 んでひかる現象です。太陽系には、太陽の周りをま わっている密度の高い「 わっている密度の高い「ちり」 ちり」のかたまりがあり のかたまりがあり、 あり、 地球がその場所を通る時には、多くの 多くの流れ星を見る ことができます。毎年決まった時期に見ることがで きるこの現象を流星群といいます。有名なものに きるこの現象を流星群といいます。有名なものに 「しし座流星群」 、 「しぶ 「しし座流星群」や し座流星群」や「ペルセウス座流星群」 んぎ座流星群」 、 「ふたご座流星群」 「ふたご座流星群」 などがあります。 その年によって、見える流れ星の数が変化します。今年は、 その年によって、見える流れ星の数が変化します。今年は、流れ星の数も多く見やすい 今年は、流れ星の数も多く見やすい 3 大流星群の中では 大流星群の中では、 の中では、ペルセウス座流星群が月明りの影響 ペルセウス座流星群が月明りの影響を受けることが 月明りの影響を受けることが少なく好条件で観 を受けることが少なく好条件で観 察できます。 月明かりや街明かりがあると、空が明るくなる分、暗い流れ星が埋もれてしまい、見え づらくなってしまいます。 以下の今年の情報 以下の今年の情報も 今年の情報も、参考にしてください。 3大流星群 しぶんぎ座 しぶんぎ座流星群 出現期間予想 極大時刻予想 1 月 1 日~ 1月3日 1月7日 ペルセウス座流星群 ふたご座流星群 22 時 7 月 20 日~ 8 月 13 日 8 月 20 日 03 時 12 月 5 日~ 12 月 20 日 *ほかにも多くの流星群があります。 12 月 14 日 14 時 観測の好機 1 月 3 日 日没~月が昇る 22 時ころまで *月明かりの影響が大きい 8 月 12 日 21 時すぎから翌朝にかけて *月明かりの影響が少なく好条件 12/13,14 の月が沈む明け方近く *月明かりの影響が大きい 今年の惑星情報 惑星とは、自分からひかる星のまわりをまわっている星のことをいいます。太陽系には、 8つの惑星( 8つの惑星(水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星 水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星) ・火星・木星・土星・天王星・海王星)があります。2006 があります。2006 年 までは、冥王星 までは、冥王星も含まれていましたが、 冥王星も含まれていましたが、2006 も含まれていましたが、2006 年夏の国際天文学連合 年夏の国際天文学連合の会議 の国際天文学連合の会議で、冥王星は の会議で、冥王星は準 で、冥王星は準 惑星という別な分類に 惑星という別な分類になりました。 という別な分類になりました。 栃木県をはじめ 栃木県をはじめ地球から をはじめ地球から惑星を観察する 地球から惑星を観察する時には 惑星を観察する時には、金星・火星・木星・土星が見やすい 時には、金星・火星・木星・土星が見やすい惑 、金星・火星・木星・土星が見やすい惑 星です。いずれの です。いずれの惑星 。いずれの惑星も明るく輝いていて、 惑星も明るく輝いていて、1 も明るく輝いていて、1 等星と同じくらいか、それよりも明るく見 えます。街明かりがあっても目立ちますので、ぜひ探してみてください。 これらの惑星は、日によって場所が変わりますので、夜空のどの位置にあるかを確認す る必要があります。当館でも「星をみる会」という観望会で、これらの惑星を紹介してい る必要があります。当館でも「星をみる会」という観望会で、これらの惑星を紹介してい ますので、興味や予定に合わせてご参加ください。 ますので、興味や予定に合わせてご参加ください。また、最近では、 ので、興味や予定に合わせてご参加ください。また、最近では、スマートフォンや また、最近では、スマートフォンやタ スマートフォンやタ ブレット PC、 PC、携帯ゲーム機 携帯ゲーム機に星空用のシミ に星空用のシミュレーションソフトやアプリケーションがあり レーションソフトやアプリケーションがあり ますので、いろいろな手段を使って、 ますので、いろいろな手段を使って、ぜひ いろいろな手段を使って、ぜひ惑星探しをしてみてください。 ぜひ惑星探しをしてみてください。 以下に、栃木県から観察した場合の、各惑星の見える時期や位置を示しますので参考に してください。 [金星] 金星] 地球より内側をまわっている惑星のため真夜中に 欠けた金星 見ることはでき 見ることはできません ことはできません。そのため、観察は ません。そのため、観察は朝 。そのため、観察は朝方か夕方 に限られ に限られます。朝方、東の空に える金星を「明けの られます。朝方、東の空に見 ます。朝方、東の空に見える金星を「明けの 明星」、夕方、西の空に見 、夕方、西の空に見え 、西の空に見える金星を「宵の明星」と 呼びます。 呼びます。年初めは明けの明星ですが、3月26日を ます。年初めは明けの明星ですが、3月26日を 当館の望遠鏡にて撮影 境として、宵 境として、宵の明星へと変わります。 また、月のように満ち欠けをします また、月のように満ち欠けをしますが(上図) しますが(上図)、年末から来年にかけては、 、年末から来年にかけては、 見かけの大きさや形が大きく変化するので、そ 見かけの大きさや形が大きく変化するので、その様子 大きさや形が大きく変化するので、その様子を の様子を望遠鏡などで楽しむ 望遠鏡などで楽しむ ことができます。 ことができます。 金星没 金星出 金星南中 日出 Winter Morning Autumn Summer Spring Morning Venus Dec Nov Oct Sep Aug Jul Jun May Apr Mar Feb Jan 日没 Evening Evening 2am 4am 6am 8am 10am20132pm 4pm 6pm 8pm 10pm 1年間の金星の出没( 1年間の金星の出没(緑色は の金星の出没(緑色は観察できる時間帯) 緑色は観察できる時間帯) 時刻 [火星] 火星は、地球の外側をまわっている惑星の中で、最 も地球に近い惑星です。8 も地球に近い惑星です。8 月ごろから明け方に ごろから明け方に見え 明け方に見えや 見えや すくなります。火星が すくなります。火星が赤く見える ます。火星が赤く見えるのは、 赤く見えるのは、火星の地表面 のは、火星の地表面 が酸化鉄という物質を多く含んでいるからです。ぜひ、 赤い星、 赤い星、火星を見つけてみてください。 火星出 火星南中 日没 日出 Winter Morning Autumn Summer Spring Morning Mars Dec Nov Oct Sep Aug Jul Jun May Apr Mar Feb Jan 火星没 Evening Evening 2am 4am 6am 8am 10am20132pm 4pm 6pm 8pm 10pm 1年間の火星の出没(緑色は 1年間の火星の出没(緑色は観察できる時間帯) 緑色は観察できる時間帯) [土星] 観察会などで人気の高い天体の一つです。右の 観察会などで人気の高い天体の一つです。右の 写真は、当館の 写真は、当館の望遠鏡でとったもの 望遠鏡でとったものですが、やは ものですが、やは り土星の環 り土星の環が見えると感動もひと が見えると感動もひとしお ひとしおです。 しおです。1 です。1 月 から 8 月にかけて観察しやすく、てんびん座から 月にかけて観察しやすく、てんびん座から おとめ座のあたり おとめ座のあたりにあり あたりにあります。 にあります。 当館の望遠鏡にて撮影 時刻 4 月下旬に地球に最も接近して明るく輝くので、そのころが最も観察に適し ています。土星の環 ています。土星の環の傾きは毎年変化します。その傾きは、 の傾きは毎年変化します。その傾きは、下 毎年変化します。その傾きは、下図のように約 30 年をかけて変 化していきます。 今年は、 上の画 像よりも 環の幅 も大きく、いか にも土星らしい 姿が観察できま す。 ぜひ、当館 の 口径 75cm の大型望遠鏡で 土星を眺めてみ てください。 日出 土星出 日没 土星南中 Winter Morning Autumn 土星没 Summer 土星南中 Spring Morning 土星出 土星没 Saturn Dec Nov Oct Sep Aug Jul Jun May Apr Mar Feb Jan Evening Evening 2am 4am 6am 8am 10am20132pm 4pm 6pm 8pm 10pm 1年間の土星の出没(緑色は 1年間の土星の出没(緑色は観察できる時間帯) 緑色は観察できる時間帯) 時刻 [木星] 木星は太陽系で最も大きな惑星で、 木星は太陽系で最も大きな惑星で、‐2 ‐2 等星ぐらいの明るさで 等星ぐらいの明るさで、とても明るく輝 、とても明るく輝 きます。4 きます。4 月までは夕方おうし座で輝き、 までは夕方おうし座で輝き、 8 月から年末にかけて明け方観察しやす から年末にかけて明け方観察しやす くなります。 右の写真のように大型望遠鏡でみると、 の写真のように大型望遠鏡でみると、 木星の縞模様まではっきりと見ることが 木星の縞模様まではっきりと見ることが できます。 できます。 当館の望遠鏡にて撮影 木星出 日出 Winter Morning Autumn Summer 木星出 木星没 Spring Morning 日没 Jupiter Dec Nov Oct Sep Aug Jul Jun May Apr Mar Feb Jan Evening 木星没 木星南中 Evening 2am 4am 6am 8am 10am20132pm 4pm 6pm 8pm 10pm 1年間の木 1年間の木星の出没(緑色は 星の出没(緑色は観察できる時間帯) 緑色は観察できる時間帯) 時刻 [水星] 水星は太陽に 水星は太陽に一番近いところをま わる惑星です。そのため、地球から 見たときに太陽からあまり離れない ので、 ので、日の出前か日没直後のわずか な時間しか観察するチャンスが な時間しか観察するチャンスがあり 観察するチャンスがあり ません。 ☆「水星食」を見よう! 12月2日の朝方に、水星が月に隠される「水星食」という現象が起こり ます。日の出前の東の空、いったん水星が ます。日の出前の東の空、いったん水星が月に隠され 水星が月に隠され、 月に隠され、再び水星が 再び水星が現れ 水星が現れた直 現れた直 後に、太陽が登り夜が明けます。このころ「アイソン彗星(すいせい) 」が明 後に、太陽が登り夜が明けます。このころ「アイソン彗星(すいせい) 」が明 るくなっていれば一緒に楽しめます。 るくなっていれば一緒に楽しめます。 日出 日没 水星出 水星没 Mercury Winter Morning Autumn Summer Spring Morning Dec Nov Oct Sep Aug Jul Jun May Apr Mar Feb Jan Evening 水星南中 Evening 2am 4am 6am 8am 10am20132pm 4pm 6pm 8pm 10pm 1年間の水星の出没(緑色は観察できる時間帯) 時刻 ✩月のかたち(位相) 新月 1/12 2/10 3/12 4/10 5/10 6/9 7/8 8/7 9/5 10/5 11/3 12/3 半月(上弦の月) 1/19 2/18 3/20 4/18 5/18 6/17 7/16 8/14 9/13 10/12 11/10 12/10 満月 1/27 2/26 3/27 4/26 5/25 6/23 7/23 8/21 9/19 10/19 11/18 12/17 半月(下弦の月) 1/5 2/3 3/5 4/3 5/2 6/1 6/30 7/30 8/28 9/27 10/27 11/26 12/25