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消費価値観が消費者行動に及ぼす影響に関する 実証分析

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消費価値観が消費者行動に及ぼす影響に関する 実証分析
1
消費価値観が消費者行動に及ぼす影響に関する実証分析
消費価値観が消費者行動に及ぼす影響に関する
実証分析
奥 瀬 喜 之*
目次
本研究では,野村総合研究所が 2013 年度に行った
1.はじめに
「マーケティング分析コンテスト 2013」配布データを
2.実証分析
用いて,消費者の消費価値観と耐久消費財カテゴリー
2.1 目的
における消費者行動の関係性を検討する。外部の調査
2.2 データ
機関が調査した二次データを使用した分析でもあるた
2.3 分析手続き
め,本研究は探索的要素の強い研究にならざるをえな
2.4 分析結果
いが,今後の仮説構築,更には理論構築の下地の一つ
3.まとめ
として供しうる研究となるはずである。
1.はじめに
2.実証分析
消費者行動研究領域においてはこれまで,ライフス
2.1 目的
タイル研究やパーソナリティ研究の観点から,消費者
本研究では,消費者の消費価値観と耐久消費財の保
の価値観と消費の関係性について,数多くの研究がな
有状況,購入意向との関係性を検討するため,以下の
されてきた(清水 1999 などを参照)。消費者がどのよ
3 つの分析を行う。配布データには,消費者が新しい
うな製品を保有するか,購入したいと考えるかには,
製品・サービスを採用する時の考え方について尋ね
その消費者のライフスタイルや価値観が強く影響して
た,消費先進度に関する項目 (参照)が含まれてい
いると考えられる。
る。本研究では,この消費先進度がどの消費価値観と
ことに耐久財においては,一般的に高価格であるだ
1)
関連しているかについても検討する。
けでなく,実際に使用する期間も長く,また廃棄に手
間がかかることが多いため,その購買や保有に際し
て,消費者は当該製品カテゴリーの特徴を踏まえてよ
り慎重に検討すると考えられる。つまり,耐久消費財
(1)消費価値観の構成次元についての検討
消費価値観に関する 34 項目から,消費価値観を構
成する次元を検討する。
の保有や購買には,消費者の消費に対する価値観がよ
り色濃く影響すると考えられる。
*専修大学商学部教授
(2)消費先進度に影響を及ぼす消費価値観の検討
消費価値観と消費先進度との関係性について検討す
2
ての検討
る。分析 1 で抽出した消費価値観の構成次元を用い
て,どの消費価値観が消費先進度に関連しているか,
検討する。
続いて,分析 1 によって抽出された消費価値観構成
次元を独立変数,消費先進度を従属変数として線型回
帰分析を行った。消費先進度(SENS2_SA)の質問項
(3)消費価値観と耐久消費財の保有状況,購入意向の
関係性についての検討
各耐久消費財の保有状況,購入意向と,どの消費価
値観が関連しているかについて検討する。
本研究では,消費者の消費価値観と耐久消費財の保
目は,1 がより先進的であることを表す順序尺度で
あった。従って,4 がより先進的であることを表すよ
うに,元々のデータの値を反転させた上で,4 段階の
間隔尺度とみなして使用している。推定はステップワ
イズ法によって行っている。
有状況,購入意向との関係性を検討するため,次の 3
つの分析を行った。分析 1 で抽出した消費価値観の因
分析 3: 消費価値観と保有耐久財,購入希望耐久財の
関係性の検討
子が,各耐久財の保有状況,購入意向に関連している
かどうか,検討する。
最後に,消費価値観と耐久消費財の保有状況及び購
入意向との関係性を検討するため,ロジスティック回
2.2 データ
帰分析(変数減少法:尤度比)を行った。分析 1 に
今回の分析では,野村総合研究所が 2013 年度に実
よって抽出された因子を独立変数,それぞれの耐久消
施した「マーケティング分析コンテスト 2013」で配
費財の保有(GOODS_01_MA~GOODS_42_MA )及
布したデータを使用した。このデータは,野村総合研
び購入意向(GOODS2_01_MA~GOODS2_12_MA)
究 所 が 関 東 地 方 に 居 住 す る 20 歳 か ら 69 歳 の 男 女
を従属変数としている。保有耐久消費財については
3000 名に対して行った調査から得られたデータであ
41 製品カテゴリーと「あてはまるものはない」につ
る。媒体接触状況,耐久財を含む商品の購買意向,耐
いて,購入意向のある耐久消費財については 11 製品
久財の保有状況などを含むシングルソースデータであ
カテゴリーと「あてはまるものはない」について,そ
る。これらの変数のうち,本稿では,消費者の消費価
れぞれロジスティック回帰分析を行っている。
値観に関する項目,消費先進度に関する項目,耐久消
費財の保有状況,購入意向に関する項目を用いている
(次項の分析手続きでは括弧内に,配布データにおけ
る変数名を併記しておく)。
2.4 分析結果
分析 1:分析結果
因子分析の結果は,表 1 に表されている。表 1 の
(a)は今回の因子分析において利用された各質問の持
2.3 分析手続き
各分析の分析手続きは次の通りである。
つ情報量の割合を表す共通性を表している。表 1(b)
では,一番左側の列(「合計」の列)に各因子の固有
値が示されており,採択する因子数の決定に使用して
分析 1:消費価値観の構成次元についての検討
いる。今回は固有値が 1 以上の 8 因子を採用してお
まず,消費価値観に関する 34 項目(SEN_01_MA
り,それらの累積寄与率は 41.471 % である。(c)表 1
~SEN_33MA)を用いて探索的因子分析を行い,消
はそれぞれの因子の因子負荷量(バリマックス回転後
費価値観を構成する次元の抽出を行った。推定は最尤
の値)を示しており,それぞれの因子がどのような消
法にて行い,バリマックス回転をかけている。消費価
費価値観構成次元を表すのかを解釈するのに用いられ
値観に関する 34 項目の具体的な内容については,後
る。
に示す分析 1 の結果(表 1(a))を参照されたい。
続いて,採用された 8 つの因子についての解釈を行
う。
分析 2: 消費先進度に影響を及ぼす消費価値観につい
第Ⅰ因子(品質・功利的価値因子):「価格が品質に
3
消費価値観が消費者行動に及ぼす影響に関する実証分析
表 1 :分析 1 (因子分析)結果
(a)共通性
初期
因子抽出後
消費価値観(とにかく安くて経済的なものを買う)
0.134
0.267
消費価値観(価格が品質に見合っているかどうかをよく検討してから買う)
0.240
0.405
消費価値観(多少値段が高くても,品質のよいものを買う)
0.301
0.442
消費価値観(名の通ったブランドやメーカーの商品であれば,そのぶん多少値段が高くてもよい)
0.204
0.310
消費価値観(いつも買うと決めているブランドがある)
0.103
0.139
消費価値観(使いやすい(着やすい)かどうかよりも,色やデザインを重視して商品を買う)
0.106
0.220
消費価値観(テレビやパソコンなどの商品でも,色やデザインを重視して商品を買う)
0.150
0.214
消費価値観(無名なメーカーの商品よりは,有名なメーカーの商品を買う)
0.223
0.457
消費価値観(多少値段が高くても,利便性の高いものを買う)
0.239
0.365
消費価値観(使っている人の評判が気になる)
0.141
0.254
消費価値観(流行にはこだわるほうである)
0.129
0.210
消費価値観(周りの人が持っているものを持っていないと気になる)
0.094
0.149
消費価値観(多少値段が高くても,アフターサービスが充実している方がよい)
0.183
0.253
消費価値観(周りの人と違う個性的なものを選ぶ)
0.146
0.224
消費価値観(自分のライフスタイルにこだわって商品を選ぶ)
0.194
0.282
消費価値観(できるだけ長く使えるものを買う)
0.189
0.255
消費価値観(環境保護に配慮して商品を買う)
0.136
0.290
消費価値観(安全性に配慮して商品を買う)
0.175
0.335
消費価値観(レンタルやリースをよく利用する)
0.043
0.109
消費価値観(中古製品やリサイクル品をよく買う)
0.068
0.116
消費価値観(使い捨て商品をよく買う)
0.045
0.080
消費価値観(プライベートブランド(小売店が独自に販売しているブランド)をよく買う)
0.103
0.199
消費価値観(自分のためにオーダーメイドされた商品をよく買う)
0.039
0.046
消費価値観(商品を買う前にいろいろ情報を集めてから買う)
0.213
0.333
消費価値観(よい情報を得るためにはお金を払うのが当然である)
0.083
0.131
消費価値観(商品や店舗に関する情報をよく人に教える方である)
0.110
0.156
消費価値観(すぐに使える現金や預貯金がないときに,クレジットカードで高額の買い物をすることが
よくある)
0.076
0.114
消費価値観(自分の好きなものは,たとえ高価でもお金を貯めて買う)
0.182
0.252
消費価値観(同じ機能・値段であるならば,外国製品よりも日本製品を買う)
0.164
0.251
消費価値観(有名な人がよいと言っているものを選ぶことが多い)
0.117
0.177
消費価値観(周りの人がよいと言っているものを選ぶことが多い)
0.140
0.263
消費価値観(探している商品が見つからない場合は,すぐに店員に聞く方である)
0.100
0.124
消費価値観(あてはまるものはない)
0.157
0.223
4
(b)固有値
因子
初期の固有値
合計
分散の %
抽出後の負荷量平方和
累積 %
合計
分散の %
回転後の負荷量平方和
累積 %
合計
分散の %
累積 %
1
4.015
12.165
12.165
3.289
9.966
9.966
1.421
4.306
4.306
2
1.775
5.378
17.543
1.015
3.076
13.043
1.176
3.564
7.870
3
1.751
5.307
22.850
1.006
3.047
16.090
1.138
3.449
11.319
4
1.448
4.388
27.238
0.724
2.195
18.284
0.974
2.952
14.272
5
1.331
4.033
31.270
0.600
1.818
20.102
0.942
2.855
17.127
6
1.163
3.525
34.795
0.386
1.171
21.273
0.901
2.729
19.856
7
1.124
3.406
38.201
0.341
1.033
22.306
0.680
2.061
21.916
8
1.079
3.269
41.471
0.282
0.853
23.159
0.410
1.242
23.159
9
0.997
3.022
44.492
10
0.957
2.901
47.394
11
0.946
2.866
50.260
12
0.933
2.828
53.088
13
0.912
2.762
55.850
14
0.902
2.732
58.582
15
0.859
2.604
61.186
16
0.854
2.587
63.773
17
0.834
2.527
66.300
18
0.819
2.482
68.782
19
0.789
2.390
71.173
20
0.776
2.352
73.525
21
0.766
2.323
75.847
22
0.745
2.257
78.104
23
0.725
2.197
80.302
24
0.717
2.173
82.475
25
0.707
2.143
84.619
26
0.696
2.109
86.728
27
0.687
2.083
88.811
28
0.676
2.050
90.860
29
0.658
1.995
92.855
30
0.632
1.915
94.770
31
0.593
1.797
96.567
32
0.575
1.742
98.309
33
0.558
1.691
100.000
5
消費価値観が消費者行動に及ぼす影響に関する実証分析
(c)因子負荷量(バリマックス回転後)
因子
1
2
3
4
5
6
7
8
品質・功
利的価値
因子
デザイ
ン・個性
因子
価格非重
視因子
準拠集団
因子
安全・安
心因子
メーカー
ブランド
因子
経済性・
効率因子
中古・
シェアリ
ング因子
消費価値観(価格が品質に見合っているかどうかをよく検討して
から買う)
0.619
0.069
0.044
0.053
0.104
0.022
0.026
0.030
消費価値観(商品を買う前にいろいろ情報を集めてから買う)
0.543
0.105
0.051
0.090
0.077
0.055
-0.002
0.084
消費価値観(できるだけ長く使えるものを買う)
0.359
0.100
0.196
-0.097
0.220
0.081
0.114
-0.020
消費価値観(あてはまるものはない)
-0.338
-0.135
-0.121
-0.020
-0.061
-0.116
-0.240
-0.017
消費価値観(同じ機能・値段であるならば,外国製品よりも日本
製品を買う)
0.330
-0.062
0.090
0.036
0.156
0.258
0.156
-0.117
消費価値観(使いやすい(着やすい)かどうかよりも,色やデザ
インを重視して商品を買う)
0.007
0.447
-0.059
0.040
-0.022
0.080
0.041
-0.078
消費価値観(周りの人と違う個性的なものを選ぶ)
0.081
0.434
0.104
0.059
0.046
-0.039
0.043
0.093
消費価値観(自分のライフスタイルにこだわって商品を選ぶ)
0.251
0.386
0.158
0.045
0.152
-0.037
-0.048
0.128
消費価値観(テレビやパソコンなどの商品でも,色やデザインを
重視して商品を買う)
0.133
0.383
0.093
0.117
-0.020
0.154
-0.003
-0.051
消費価値観(いつも買うと決めているブランドがある)
0.031
0.218
0.136
-0.004
0.132
0.183
0.081
0.122
消費価値観(すぐに使える現金や預貯金がないときに,クレジッ
トカードで高額の買い物をすることがよくある)
0.032
0.200
0.167
0.151
-0.040
0.065
0.121
-0.042
消費価値観(多少値段が高くても,品質のよいものを買う)
0.205
0.105
0.541
0.028
0.176
0.216
-0.132
0.009
消費価値観(多少値段が高くても,利便性の高いものを買う)
0.185
0.029
0.524
0.069
0.126
0.155
-0.050
0.091
消費価値観(自分の好きなものは,たとえ高価でもお金を貯めて
買う)
0.151
0.307
0.340
-0.009
0.049
0.104
-0.055
0.058
消費価値観(自分のためにオーダーメイドされた商品をよく買
う)
-0.051
0.133
0.143
0.032
0.011
-0.042
0.048
0.010
消費価値観(周りの人がよいと言っているものを選ぶことが多
い)
0.072
-0.040
0.058
0.459
0.073
0.082
0.164
-0.060
消費価値観(使っている人の評判が気になる)
0.214
0.049
0.020
0.433
0.017
0.064
0.065
-0.100
消費価値観(有名な人がよいと言っているものを選ぶことが多
い)
-0.073
0.114
0.032
0.353
0.039
0.104
0.086
0.114
消費価値観(周りの人が持っているものを持っていないと気にな
る)
-0.013
0.079
0.000
0.345
0.034
0.028
0.013
0.148
消費価値観(流行にはこだわるほうである)
-0.027
0.310
-0.019
0.318
0.016
0.063
-0.037
0.082
消費価値観(商品や店舗に関する情報をよく人に教える方であ
る)
0.070
0.217
0.104
0.237
0.091
-0.080
0.020
0.148
消費価値観(安全性に配慮して商品を買う)
0.135
0.027
0.100
0.097
0.539
0.049
0.052
-0.012
消費価値観(環境保護に配慮して商品を買う)
0.102
0.023
0.024
0.042
0.513
0.012
0.009
0.114
消費価値観(多少値段が高くても,アフターサービスが充実して
いる方がよい)
0.091
0.033
0.283
0.057
0.363
0.167
0.004
-0.010
消費価値観(無名なメーカーの商品よりは,有名なメーカーの商
品を買う)
0.151
0.062
0.118
0.154
0.059
0.623
-0.019
-0.019
消費価値観(名の通ったブランドやメーカーの商品であれば,そ
のぶん多少値段が高くてもよい)
0.040
0.154
0.187
0.181
0.078
0.443
-0.067
0.102
消費価値観(プライベートブランド(小売店が独自に販売してい
るブランド)をよく買う)
0.097
0.021
-0.050
0.048
0.083
-0.003
0.414
0.077
消費価値観(とにかく安くて経済的なものを買う)
0.154
-0.050
-0.251
0.034
-0.036
-0.016
0.413
0.066
消費価値観(使い捨て商品をよく買う)
-0.066
0.036
0.036
0.088
-0.017
-0.017
0.251
0.039
消費価値観(探している商品が見つからない場合は,すぐに店員
に聞く方である)
0.141
0.101
0.139
0.121
0.140
0.049
0.191
-0.027
消費価値観(レンタルやリースをよく利用する)
-0.004
-0.019
0.008
0.046
0.013
0.022
0.071
0.317
消費価値観(よい情報を得るためにはお金を払うのが当然であ
る)
-0.001
0.142
0.180
0.057
0.114
0.059
0.001
0.241
消費価値観(中古製品やリサイクル品をよく買う)
0.140
0.027
-0.008
0.037
0.006
-0.047
0.194
0.232
6
見合っている」
「情報をいろいろ集めてから買う」「出
のぶん多少値段が高くてもよい」と関連があり,価格
来るだけ長く使えるものを買う」「同じ機能・値段で
などよりもメーカーブランドを重視することを表す因
あるならば日本製品を買う」などと関連が強く,ブラ
子である。第Ⅵ因子はメーカーブランド因子と名付け
ンドよりも製品の品質や功利的価値を重視に関する因
た。
子であると考えられる。
第Ⅶ因子(経済性・効率因子):「プライベートブラ
第Ⅱ因子(デザイン・個性因子):「使いやすいかど
ンドをよく買う」,「とにかく安くて経済的なものを買
うかよりも,色やデザインを重視して商品を買う」
う」といった項目と関連があり,より安いものを求め
「周りの人と違う個性的なものを選ぶ」「自分のライフ
る傾向と関連する因子であると考えられる。また,
スタイルにこだわって商品を選ぶ」「色やデザインを
「使い捨て商品をよく買う」「探している商品が見つか
重視して商品を買う」「いつも買うと決めているブラ
らない場合は,すぐに店員に聞く方である」とも関連
ンドがある」などと関連が強く,デザインや個性の重
があり,消費や購買の時点において,効率も重視して
視に関する因子であると考えられる。
いることを表す因子であると考えられる。従って,経
第Ⅲ因子(価格非重視因子):「多少値段が高くて
済性・効率因子と名付けた。
も,品質の良いものを買う」,「多少値段が高くても利
第Ⅷ因子(中古・シェアリング因子):「レンタルや
便性の高いものを買う」,「自分の好きなものは,たと
リースをよく利用する」,「中古製品やリサイクル品を
え高価でもお金を貯めて買う」,「自分のためにオー
よく買う」などと関連がある因子である。所有するこ
ダーメイドされた商品をよく買う」などと関連が強
とや新品であることにこだわらず,他者との共用を厭
く,価格よりも品質や利便性,自分の好みを優先する
わないことを表す因子であると考えられ,中古・シェ
ことに関連する因子であると考えられる。第Ⅲ因子は
アリング因子と名付けた。
価格非重視因子と名付けた。
第Ⅳ因子(準拠集団因子):「周りの人がよいと言っ
分析 2:考察
ているものを選ぶことが多い」「使っている人の評判
重回帰分析の結果は表 2 に示されている。推定はス
が気になる」「有名な人がよいと言っているものを選
テップワイズ法によって行われており,結果として,
ぶことが多い」「周りの人が持っているものを持って
統計的に有意な独立変数のみが残されたモデルの推定
いないと気になる」「流行にはこだわるほうである」
結果が示されている。自由度調整済み決定係数は
といった項目と関連が強く,流行や周囲の人々や有名
0.081 でありかなり低い値となっている。今回のモデ
人の意見に従って選択することと関連する因子と考え
ルに含められた要因以外に,消費先進度のより多くの
られる。また「商品や店舗に関する情報をよく人に教
部分を説明する要因があると考えられる。分散分析の
える方である」とも関連があり,自らも周囲に発信す
結果は 1 % 水準で有意であり,モデルに含まれる独
ることを表している。従って,第Ⅳ因子は準拠集団因
立変数の組み合わせは妥当であると考えられる。
子と名付けた。
第Ⅱ因子(デザイン・個性因子)が消費先進度に最
第Ⅴ因子(安全・安心因子):「安全性に配慮して商
も強い正の影響を与えていることが示された。続い
品を買う」
「環境保護に配慮して商品を買う」「多少値
て,第Ⅲ因子(価格非重視因子),第Ⅳ因子(準拠集
段が高くてもアフターサービスが充実している方がよ
団因子)の順に正の影響を与えていることが示され
い」との関連を表す因子である。安全や環境に配慮し
た。逆に,第Ⅶ因子(経済性・効率性因子)は,符号
た商品を購入することを表す因子であり,安全・安心
がマイナスで有意であり,消費先進度に負の影響を与
因子と名付けた。
えていることが示された。
第Ⅵ因子(メーカーブランド因子):「無名なメー
カーの商品よりは,有名なメーカーの商品を買う」
「名の通ったブランドやメーカーの商品であれば,そ
第Ⅰ因子(品質・功利的価値因子),第Ⅴ因子(安
心・安全因子),第Ⅵ因子(メーカーブランド因子),
第Ⅷ因子(中古・シェアリング因子)といった因子は
7
消費価値観が消費者行動に及ぼす影響に関する実証分析
表 2 :分析 2 (消費先進度を従属変数とした重回帰分析)結果
(a)モデル全体に関する分析結果
R2 乗
R
0.287
調整済み R2 乗
0.082
推定値の標準誤差
0.081
0.77926
(b)分散分析結果
モデル
平方和
自由度
平均平方
回帰
145.879
4
36.470
残差
1629.848
2684
0.607
合計
1775.727
2688
F値
有意確率
60.057
0.000
(c)係数に関する分析結果
モデル
標準化されていない係数
標準化係数
標準誤差
B
定数
2.486
0.015
第Ⅱ因子(デザイ
ン・個性因子)
0.198
0.021
第Ⅲ因子(価格非重
視因子)
0.163
第Ⅳ因子(準拠集団
因子)
第Ⅶ因子(経済性・
効率因子)
ベータ
t値
有意確率
165.434
0.000
0.179
9.431
0.000
0.022
0.143
7.520
0.000
0.129
0.022
0.112
5.949
0.000
-0.054
0.024
-0.043
-2.281
0.023
非有意となった。高品質であるか否か,安全性が保証
状況を従属変数としたロジスティック回帰分析の結果
されているか,メーカーブランドかどうかといった点
であり,表 3(c)は耐久消費財の購入意向を従属変
は,消費先進度には関係しないと考えられる。
数としたロジスティック回帰分析の結果である。表中
以上の通り,重回帰分析の結果から,個性やデザイ
の推定値が示されている各セルにおいて,左上が対数
ン,準拠集団といった要因が消費先進度を高める方向
オッズ比,左下がオッズ比を表している。右欄の上は
に影響していると考えられる。また,価格にこだわら
有意確率を表し,下は有意水準を表している。有意水
ない消費者ほど消費先進度が高く,経済性や効率性を
準はそれぞれ,***:1 % 水準で有意, **:5 % 水
気にかける消費者ほど消費先進度が低いことも示され
準で有意,*:10 % 水準で有意を表し,n.s. はステッ
た。従って,先進的な消費者像として,自分のこだわ
プワイズでは落ちなかったが,非有意となった変数を
りやデザイン,周囲へのアピールを重視し,そのため
表している。
には少々高価格であっても厭わない(価格弾力性の低
耐久消費財の保有に関する分析結果と耐久消費財の
い),経済的に余裕のある,先進度の高い消費者の姿
購入意向に関する分析結果とでは,分析結果に顕著な
がうかがえる。
差がみられた。耐久消費財の保有に関しては,傾向と
して第Ⅰ因子(品質・功利的価値因子),第Ⅲ因子
分析 3:分析結果
分析 3 のロジスティック回帰分析の結果が表 3(a)
~(c)である。表 3(a),(b)が耐久消費財の保有
(価格非重視因子)が有意であったのに対し,耐久消
費財の購入意向では,第Ⅲ因子(価格非重視因子)の
他,第Ⅱ因子(デザイン・個性因子),第Ⅴ因子(安
0.128
1.136
-1.774
0.170
対数オッズ比
オッズ比
対数オッズ比
-1.190
0.304
0.146
1.158
固 定 電 話 ( I P 電 対数オッズ比
話以外)
オッズ比
0.000
***
***
0.000
***
0.000
***
0.000
***
0.000
***
0.000
***
0.000
***
0.000
***
0.001
0.000
***
0.856
n.s.
***
0.000
***
0.000
***
0.000
***
0.000
***
0.000
***
0.000
**
0.000
***
0.019
**
0.008
***
0.011
0.216
1.242
0.216
1.241
0.355
1.427
0.291
1.338
0.277
1.319
0.172
1.188
0.461
1.585
0.351
1.421
1.318
0.243
1.275
0.276
0.212
1.236
0.199
1.221
0.209
1.232
0.134
1.143
0.234
1.264
0.131
1.140
***
***
0.000
***
0.000
***
0.000
***
0.000
0.000
**
***
0.018
0.000
***
***
0.000
***
0.000
0.001
**
***
0.011
***
0.000
**
0.001
0.017
*
***
0.100
0.000
第Ⅰ因子
品質・功利的価
値因子
0.355
1.427
0.291
1.338
1.301
0.263
-0.119
0.888
0.093
1.097
1.347
0.298
-0.101
0.904
***
***
0.000
0.000
**
0.011
**
0.033
*
0.095
**
0.016
*
0.065
0.142
1.152
0.107
1.113
0.125
1.133
1.440
0.148
1.160
0.365
0.244
1.276
0.217
1.242
0.134
1.143
1.317
0.154
1.166
0.275
0.186
1.204
0.247
1.280
0.175
1.192
0.147
1.158
**
0.016
*
0.061
**
***
0.027
*
0.002
***
0.056
**
0
**
0.036
***
0.022
***
0.009
0.001
***
***
0.002
***
0.000
0.003
***
0.010
第Ⅱ因子
第Ⅲ因子
デザイン・個性 価格非重視因子
因子
-0.105
0.900
-0.132
0.877
0.185
1.203
0.118
1.125
0.208
1.231
0.111
1.118
1.178
0.164
0.124
1.132
0.170
1.185
0.126
1.134
0.143
1.153
0.159
1.173
0.201
1.222
*
0.063
**
0.018
***
**
0.009
**
0.044
*
0.020
0.057
**
0.040
***
**
0.003
0.036
*
**
0.055
**
0.013
0.028
**
0.035
推定値
第Ⅳ因子
準拠集団因子
0.204
1.226
-0.110
0.895
1.246
0.126
1.135
0.220
0.194
1.214
0.201
1.223
0.103
1.108
***
0.001
*
0.065
***
*
0.000
0.093
*
0.051
***
0.001
*
0.076
0.109
1.115
0.101
1.106
0.235
1.264
0.159
1.172
1.422
0.169
1.184
0.130
1.139
0.352
*
0.059
*
0.089
***
0.000
***
0.006
***
**
0.010
***
0.023
0.006
0.114
1.121
0.164
1.178
0.114
1.121
-0.165
0.848
0.145
1.156
*
**
0.068
0.037
*
0.068
*
0.067
**
0.021
63.015
17.718
81.498
41.322
47.273
26.059
27.117
144.373
16.128
96.561
51.986
28.933
12.722
50.404
58.006
6
2
5
2
4
3
5
5
3
6
3
3
2
5
4
768.975
0.000 3651.152
0.000 2914.825
0.000 3498.694
0.000 2633.683
0.000 3661.958
0.000 1091.345
0.000 2331.066
0.000 3573.965
0.001 1346.752
0.000 3631.154
0.000 3320.101
0.000 1732.946
0.002
0.000 3585.699
0.000 3117.737
0.023
0.007
0.030
0.015
0.017
0.010
0.010
0.052
0.006
0.035
0.019
0.011
0.005
0.019
0.021
0.031
0.010
0.041
0.024
0.023
0.028
0.018
0.070
0.015
0.047
0.027
0.022
0.019
0.025
0.031
56.9
76.5
62.9
80.2
56.7
94.7
85.2
60.4
93.0
57.8
67.8
89.9
96.7
59.9
72.3
- 2 対数 CoxSnell Nagekerke
第Ⅴ因子
第Ⅵ因子
第Ⅶ因子
第Ⅷ因子
カイ 2 乗 自由度 有意確率
的中率
R2 乗
R2 乗
尤度
安全・安心因子 メーカーブラン 経済性・効率因 中古・シェアリ
ド因子
子
ング因子
0.001
0.228
0.070
17.225
1
0.001 1345.655
0.006
0.016
93.0
-0.407
0.666
1.256
***
*
0.202
0.000
0.073
42.456
3
0.000 3678.905
0.016
0.021
55.3
-0.127
1.224
0.881
***
*
0.206
0.000
0.066
32.05
4
0.000 3688.915
0.012
0.016
54.9
-0.112
1.229
0.894
***
*
0.223
0.000
38.323
4
0.000 3684.155
0.014
0.019
55.6
1.250
***
0.224
0.009
19.456
3
0.000 1630.57
0.007
0.016
90.8
1.252
***
22.935
2
0.000 2914.32
0.008
0.013
76.4
図表 3 :分析 3 (ロジスティック回帰分析)結果
※推定値右側の上段は p 値を表し,下段は有意水準を表す。有意水準については,***は 1 % 水準で有意,**は 5 % 水準で有意,*は 1 % 水準で有意を表し,n.s. はステップワイズでは除外されなかったが非有意であったことを表す。
0.491
1.634
1.431
4.183
0.169
1.184
-2.957
0.052
デスクトップ型パ 対数オッズ比
ソコン
オッズ比
対数オッズ比
ノート型パソコン
オッズ比
対数オッズ比
無線 LAN
オッズ比
対数オッズ比
IP 電話
オッズ比
オッズ比
ホ ー ム セ キ ュ リ 対数オッズ比
ティ
(セコムなど)オッズ比
床暖房
温水洗浄便座
0.007
1.007
-2.623
0.073
血圧計
-0.768
0.464
-2.230
0.108
-3.435
0.032
-0.378
0.685
-0.979
0.376
-1.188
0.305
-2.324
0.098
-2.629
0.072
0.099
1.105
0.103
1.108
0.091
1.095
定数項
対数オッズ比
オッズ比
体脂肪計・体組成 対数オッズ比
計
オッズ比
電 動 マ ッ サ ー ジ 対数オッズ比
チェア
オッズ比
カーナビゲーショ 対数オッズ比
ン
オッズ比
対数オッズ比
ETC
オッズ比
電動アシスト付の 対数オッズ比
自転車
オッズ比
対数オッズ比
食器洗い機
オッズ比
対数オッズ比
洗濯乾燥機
オッズ比
対数オッズ比
空気清浄機
オッズ比
家庭用生ごみ処理 対数オッズ比
機
オッズ比
ス チ ー ム 調 理 器 対数オッズ比
(ヘルシオなど) オッズ比
自 動 車 ( ハ イ ブ 対数オッズ比
リッド)
オッズ比
自 動 車 ( ハ イ ブ 対数オッズ比
リッド以外) オッズ比
耐久消費財の保有状況
(a)耐久消費財の保有状況(1)
8
対数オッズ比
オッズ比
対数オッズ比
オッズ比
対数オッズ比
オッズ比
対数オッズ比
オッズ比
対数オッズ比
オッズ比
対数オッズ比
オッズ比
対数オッズ比
オッズ比
対数オッズ比
オッズ比
対数オッズ比
オッズ比
対数オッズ比
対数オッズ比
-7.343
0.001
-1.327
0.265
-4.187
0.015
-1.164
0.199
-1.099
0.333
-0.079
0.924
-0.781
0.458
-1.268
0.281
-1.605
0.201
-0.414
0.661
-0.326
0.722
-1.589
0.204
-0.260
0.771
0.927
2.527
-0.308
0.735
-0.810
0.445
-0.838
0.433
-2.745
0.064
-1.177
0.308
-0.029
0.971
1.358
3.887
0.458
n.s.
0.000
***
***
0.000
***
0.000
***
0.000
***
0.000
**
0.000
***
0.044
***
0.000
***
0.000
***
0.000
***
0.000
***
0.000
***
0.000
***
0.000
***
0.000
***
0.000
***
0.000
***
0.000
***
0.000
***
0.000
定数項
-2.110
0.121
0.421
1.523
0.280
1.323
1.198
0.264
1.302
0.181
0.201
1.222
0.368
1.445
1.249
0.118
1.125
0.543
1.722
0.172
1.188
0.489
1.631
***
***
0.001
0.000
***
***
0.000
***
0.000
0.000
***
0.001
***
***
0.000
**
0.000
***
0.012
**
0.000
***
0.024
-2.010
0.134
0.540
1.716
0.189
1.208
0.252
1.287
0.162
1.176
0.003
**
0.049
***
0.001
***
***
0.004
***
0.000
0.293
1.340
0.364
1.439
0.235
1.264
0.153
1.165
1.149
0.121
1.129
0.139
0.221
1.247
0.243
1.275
0.230
1.259
0.315
1.370
0.161
1.175
***
*
0.000
***
0.056
**
0.001
0.014
**
*
0.020
***
0.071
0.002
***
***
0.006
***
0.000
***
0.001
0.000
第Ⅰ因子
第Ⅱ因子
第Ⅲ因子
品質・功利的価 デザイン・個性
価格非重視因子
値因子
因子
0.358
0.000
0.130
0.024
1.430
1.138
***
**
0.546
0.000
0.246
0.001
1.726
1.279
***
***
0.297
0.000
0.259
0.000
1.346
1.296
***
***
0.235
0.026
0.208
0.033
0.349
0.001
1.265
1.231
1.417
**
**
***
0.466
0.000
1.594
***
0.325
0.000
0.002
0.144
0.015
-0.187
1.385
0.829
1.155
***
***
**
0.222
0.000
推定値
0.219
1.244
-0.388
0.678
1.162
0.205
1.227
1.297
0.150
0.260
0.122
1.130
-0.140
0.869
0.140
1.150
***
0.000
0.115
n.s.
***
***
0.001
***
0.009
0.000
*
0.074
**
0.266
1.305
0.145
1.156
0.189
1.208
-0.125
0.882
0.295
1.343
-0.105
0.900
1.131
0.123
***
0.000
**
***
0.038
0.002
*
0.073
***
0.000
*
**
0.071
0.030
-1.367
0.255
1.310
0.206
1.229
0.127
1.135
0.270
0.134
1.143
0.167
1.181
1.127
0.170
1.186
0.169
1.184
0.120
0.153
n.s.
***
**
0.000
***
0.033
*
0.001
***
0.059
0.003
**
***
0.012
**
0.002
0.029
-1.413
0.243
1.164
0.114
1.121
0.152
0.156
1.169
-0.146
0.864
0.149
1.160
0.183
1.201
1.123
0.116
**
0.035
**
*
0.013
0.079
**
0.050
**
*
0.021
***
0.082
0.009
*
0.056
0.198
1.219
0.130
1.139
0.206
1.228
**
0.014
*
0.073
**
0.018
195.177
128.818
16.884
43.031
62.466
62.805
41.753
35.972
29.384
96.964
176.584
42.888
151.725
42.796
40.666
4
4
3
3
4
4
4
5
4
4
5
4
5
4
4
2818.9
2991.61
456.687
0.000
245.864
0.000 2716.039
0.001
0.000 2417.805
0.000
0.000 3660.839
0.000 3315.106
0.000
0.000 2428.293
0.000 3525.232
0.000 3488.711
0.000 2446.142
0.000 3111.695
0.000 3641.079
0.000 3625.848
0.070
0.047
0.006
0.016
0.023
0.023
0.015
0.013
0.011
0.035
0.064
0.016
0.055
0.016
0.015
0.463
0.072
0.039
0.026
0.034
0.031
0.022
0.020
0.018
0.048
0.085
0.026
0.078
0.021
0.020
98.4
77.7
98.3
82.9
74.5
56.6
68.3
77.7
82.9
61.5
60.8
82.6
71.3
57.7
57.5
- 2 対数 CoxSnell Nagekerke
第Ⅵ因子
第Ⅶ因子
第Ⅷ因子
カイ 2 乗 自由度 有意確率
的中率
第Ⅴ因子
R2 乗
R2 乗
尤度
メーカーブラン 経済性・効率因 中古・シェアリ
安全・安心因子
ド因子
子
ング因子
0.157
0.007
0.107
0.057
85.486
4
0.000 3641.694
0.031
0.042
56.3
1.169
1.113
***
*
0.121
0.101
105.737
3
0.000 2700.949
0.039
0.060
78.4
1.128
n.s.
0.107
0.094
57.317
3
0.000 2912.463
0.021
0.032
75.9
1.112
*
0.034
0.047
0.283
0.026
40.15
6
0.000 1270.389
0.015
0.038
93.4
-0.261
-0.266
0.770
0.767
1.327
**
**
**
0.035
0.050
68.7
0.026
0.119
0.045
0.101
0.091
0.131
0.049
95.266
5
0.000 3228.407
1.126
1.106
1.140
**
**
*
**
0.016
54.891
4
0.000 3281.655
0.020
0.028
68.8
第Ⅳ因子
準拠集団因子
※推定値右側の上段は p 値を表し,下段は有意水準を表す。有意水準については,***は 1 % 水準で有意,**は 5 % 水準で有意,*は 1 % 水準で有意を表し,n.s. はステップワイズでは除外されなかったが非有意であったことを表す。
オッズ比
あてはまるものは 対数オッズ比
ない
オッズ比
防災用品
プレイステーショ 対数オッズ比
ンポータブル
オッズ比
対数オッズ比
ニンテンドーWii
オッズ比
対数オッズ比
ニンテンドーDS
オッズ比
対数オッズ比
電子辞書
オッズ比
対数オッズ比
ピアノ
オッズ比
別荘地・リゾート 対数オッズ比
マンション
オッズ比
デジタル携帯オー 対数オッズ比
ディオプレーヤー オッズ比
プレイステーショ 対数オッズ比
ン3
オッズ比
デジタル一眼レフ
カメラ
オッズ比
CD プレーヤー, 対数オッズ比
CD ラジカセ
オッズ比
デジタルコンパク
トカメラ
ブルーレイレコー
ダー
DVD レコーダー
ビデオカメラ
ビデオ デッ キ
(VHS など)
ホームシアター/ ホー
ムプロジェクター
コピー機
プリンター
ファックス
耐久消費財の保有状況
(b)保有している耐久消費財の保有状況(2)
消費価値観が消費者行動に及ぼす影響に関する実証分析
9
0.987
2.682
-2.718
0.066
-4.152
0.016
***
***
0.000
***
0.000
0.000
-0.199
0.820
0.206
1.229
***
**
0.001
0.034
-0.180
0.835
***
0.004
第Ⅰ因子
第Ⅱ因子
第Ⅲ因子
定数項
品質・功利的価 デザイン・個性
価格非重視因子
値因子
因子
-3.754
0.000
-0.570
0.000
0.386
0.004
0.371
0.022
0.023
0.566
1.471
1.450
***
***
***
**
-3.061
0.000
0.293
0.006
0.047
1.341
***
***
-3.461
0.000
0.344
0.012
0.424
0.006
0.026
1.411
1.528
***
**
***
-3.891
0.000
0.446
0.002
0.02
1.562
***
***
-6.131
0.000
-1.099
0.028
0.803
0.066
0.002
0.333
2.232
***
**
*
-2.652
0.000
0.256
0.014
0.071
1.292
***
**
-2.081
0.000
0.308
0.000
0.188
0.027
0.125
1.361
1.207
***
***
**
-3.588
0.000
0.028
***
-4.568
0.000
0.466
0.011
0.423
0.059
0.01
1.594
1.526
***
**
*
推定値
第Ⅳ因子
準拠集団因子
-0.114
0.892
0.202
1.224
0.500
1.649
0.172
1.188
0.204
1.226
*
**
0.064
0.044
***
0.007
**
*
0.011
0.084
-0.408
0.665
0.187
1.206
***
*
0.000
0.069
-0.170
0.844
*
0.085
0.554
1.740
0.280
1.324
0.329
1.390
0.244
1.276
0.372
1.451
4.058
70.4
20.807
**
6.539
0.000
***
0.021
20.158
50.336
**
0.030
**
21.149
0.005
***
0.015
4
4
1
3
1
5
3
353.295
442.658
0.000
0.011
0.000 3099.583
0.000 1268.462
673.63
0.044
0.000 1892.174
0.000 1326.151
0.020
0.036
0.007
0.058
0.016
0.020
0.370
0.008
0.019
0.002
0.007
0.002
0.008
0.026
72.4
93.5
98.4
98.7
97.2
88.2
93.1
- 2 対数 CoxSnell Nagekerke
第Ⅵ因子
第Ⅶ因子
第Ⅷ因子
カイ 2 乗 自由度 有意確率
的中率
第Ⅴ因子
R2 乗
R2 乗
尤度
メーカーブラン 経済性・効率因 中古・シェアリ
安全・安心因子
ド因子
子
ング因子
0.476
0.001
0.030
41.816
5
0.000 671.181
0.015
0.066
97.1
-0.440
1.609
0.644
***
**
0.584
0.000
31.654
2
0.000 1015.551
0.012
0.036
95.2
1.793
***
0.042
17.793
3
0.000
674.1
0.007
0.029
97.2
-0.353
0.703
**
0.356
0.054
13.891
2
0.001 553.493
0.005
0.027
97.8
1.427
*
7.272
2
0.026 113.293
0.003
0.062
99.7
※推定値右側の上段は p 値を表し,下段は有意水準を表す。有意水準については,***は 1 % 水準で有意,**は 5 % 水準で有意,*は 1 % 水準で有意を表し,n.s. はステップワイズでは除外されなかったが非有意であったことを表す。
カーナビゲーショ 対数オッズ比
ン
オッズ比
対数オッズ比
ETC
オッズ比
ホ ー ム セ キ ュ リ 対数オッズ比
ティ
(セコムなど)オッズ比
デスクトップ型パ 対数オッズ比
ソコン
オッズ比
対数オッズ比
ノート型パソコン
オッズ比
対数オッズ比
無線 LAN
オッズ比
C S 放 送 ( ス カ 対数オッズ比
パー!など) オッズ比
対数オッズ比
DVD レコーダー
オッズ比
ブルーレイレコー 対数オッズ比
ダー
オッズ比
あてはまるものは 対数オッズ比
ない
オッズ比
自 動 車 ( ハ イ ブ 対数オッズ比
リッド)
オッズ比
自 動 車 ( ハ イ ブ 対数オッズ比
リッド以外) オッズ比
耐久消費財の保有状況
(c)耐久消費財の購入意向
10
全・安心因子)が有意となった。
続いて,それぞれの分析結果をより詳細に考
察する。
耐久消費財の保有に関する分析
41 カテゴリー全体の傾向として,第Ⅰ因子
(品質・功利的価値因子),第Ⅲ因子(価格非重
視因子)が有意となっているカテゴリーが多
い。長期間にわたって使用する耐久財の本質的
属性を重視し,そのためには少々価格が高くて
も構わないという考え方が保有者に浸透してい
る様子がうかがえる。
ノート型パソコン,無線 LAN,デジタル携
帯オーディオプレーヤー,別荘地・リゾートマ
ンションの他に,家庭用生ごみ処理機,体脂肪
計・体組成計,ホームセキュリティ,ホームシ
アター/ホームプロジェクター,CD プレー
ヤー/CD ラジカセ,プレイステーション 3 な
ど家庭内で使用する財においても第Ⅱ因子(デ
ザイン・個性因子)が有意となった。自宅で使
用するものにおいてもデザインなどにこだわる
様子がうかがえる。ETC,温水洗浄便座,ビデ
オカメラはマイナスとなった。
自動車(ハイブリッド),カーナビゲーショ
ン,ETC,電動アシスト付自転車,デジタルコ
ンパクトカメラ,ニンテンドーWii,ニンテン
ドーDS,電子辞書などのような人前で使用す
る可能性のある財,互換性が重視される財のみ
ならず,洗濯乾燥機,空気清浄機,スチーム調
理器,体脂肪計・体組成計,電動マッサージ
チェア,温水洗浄便座,床暖房,ビデオカメ
ラ,防災用品などにおいても,第Ⅳ因子(準拠
集団因子)が有意となった。家電製品を中心
に,新しい技術が導入された製品などにおい
て,知人など信頼できる他者からの情報をもと
に製品知識を蓄えている様子がうかがえる。デ
スクトップ型パソコン,固定電話(IP 電話以
外),ビデオデッキ,別荘地・リゾートマン
ションではマイナスとなった。
第Ⅴ因子(安全・安心因子)は,電動アシス
消費価値観が消費者行動に及ぼす影響に関する実証分析
11
ト付自転車,空気清浄機,血圧計,電動マッサージ
とは対照的にマイナスとなった。食器洗い機,洗濯乾
チェア,床暖房,ホームセキュリティなどの他,固定
燥機,空気清浄機,血圧計,電動マッサージチェアな
電話,ファックス,コピー機,DVD レコーダー,CD
どでは非有意となった。家庭内で使用する耐久財,肌
プレーヤー/CD ラジカセなど,比較的多くのカテゴ
に触れる耐久財に関しては,共有あるいはリサイクル
リーにおいて,有意となった。家電製品において環境
はしたくないと考えられている可能性がある。
配慮型製品が有望であると考えられる。無線 LAN,
ホームシアター/ホームプロジェクター,ブルーレイ
耐久消費財の購入意向に関する分析
レコーダー,プレイステーションポータブルではマイ
全体傾向としては,耐久消費財の保有に関する場合
ナスとなった。DVD レコーダーでは保有と正の関係
と同様に,ほとんどのカテゴリーにおいて第Ⅲ因子
があったが,ブルーレイレコーダーでは保有と負の関
(価格非重視因子)が有意となっている一方,第Ⅱ因
係となった点は興味深い点かもしれない。
子(デザイン・個性因子),第Ⅴ因子(安全・安心因
第Ⅵ因子(メーカーブランド因子)は,自動車(ハ
子),第Ⅷ因子(中古・シェアリング因子)が有意と
イブリッド),カーナビゲーション,ETC,洗濯乾燥
なっている点が異なっている。一方で,第Ⅰ因子(品
機,空気清浄機,家庭用生ごみ処理機,体脂肪計・体
質・功利的価値因子),第Ⅶ因子(経済性・効率因子)
組成計,温水洗浄便座,無線 LAN,固定電話(IP 電
はほとんどのカテゴリーにおいて非有意,第Ⅳ因子
話以外),ファックス,プリンター,ビデオデッキ,
(準拠集団因子)では全てのカテゴリーにおいて非有
DVD レコーダー,ブルーレイレコーダー,デジタル
意となった。耐久消費財の保有に関する分析結果とは
コンパクトカメラ,デジタル携帯オーディオプレー
顕著な差がみられたといえる。
ヤー,プレイステーション 3,プレイステーション
第Ⅰ因子(品質・功利的価値因子)は,自動車(ハ
ポータブル,ニンテンドーWii,ニンテンドーDS で
イブリッド),ホームセキュリティにおいてマイナス
有意となった。
で有意となった。品質に見合う価格かなどを熟慮する
第Ⅶ因子(経済性・効率因子)は,体脂肪計・体組
成計,デスクトップ型パソコン,IP 電話,固定電話
消費者ほど,ハイブリッド車やホームセキュリティの
購入意向が低いという結果となった。
(IP 電話以外),ビデオデッキ,DVD レコーダー,デ
第Ⅱ因子(デザイン・個性因子)は,ホームセキュ
ジタルコンパクトカメラ,CD プレーヤー/CD ラジ
リティ,デスクトップ型パソコン,無線 LAN,DVD
カセ,プレイステーション 3,ニンテンドーWii,ニ
レコーダーを除く 7 カテゴリーで有意となった。乗用
ンテンドーDS で有意となった。自動車(ハイブリッ
車など屋外で使用する製品以外でも,デザインやこだ
ド),カーナビゲーション,ホームセキュリティ,
わりの強い消費者ほど購入意向が高い結果となった。
ホームシアター/ホームプロジェクター,デジタル一
第Ⅲ因子(価格非重視因子)は,自動車(ハイブ
眼レフカメラでは,対数オッズ比ではマイナスとなっ
リッド以外),ETC,無線 LAN,DVD レコーダー,
た。対照的な成分である第Ⅲ因子(価格非重視)が多
ブルーレイレコーダー以外で有意となった。有意と
くのカテゴリーにおいてプラスとなっていることを考
なったカテゴリーでは,何らかのこだわりにより,価
えても,耐久財の保有には,価格にはあまりこだわら
格は少々高くてもよいと考える消費者ほど購入意向が
ない消費価値観が影響していると考えられる。
高いといえそうである。一方で,ETC や無線 LAN な
リサイクルやレンタルの利用に関する第Ⅷ因子(中
どでは価格も大事な要因であるといえそうである。
古・シェアリング因子)は自動車(ハイブリッド),
第Ⅳ因子(準拠集団因子)は 11 カテゴリー全てで
ホームシアター/ホームプロジェクター,デジタル一
非有意となった。準拠集団の意見を重視するか否か
眼レフカメラ,デジタル携帯オーディオプレーヤー,
は,これらのカテゴリーの耐久消費財の購入意向に関
プレイステーションポータブルで有意となった。自動
係しないという結果となった。保有状況との関連の分
車(ハイブリッド以外)は,自動車(ハイブリッド)
析では有意となったカテゴリーにおいても,購入意向
12
においては関係しないという結果となった。解釈とし
より重視されている傾向が見てとれる。第Ⅳ因子(準
ては,購入を検討している段階では準拠集団を意識し
拠集団因子)は全てのカテゴリーにおいて非有意と
ないが,所有した後に準拠集団を意識しているという
なったが,このことは,「その製品を使う(あるいは
解釈と,準拠集団の意見等を聞く消費者が実際の購入
買う)ことを周囲がどう見るか」は重要ではなく,そ
(更には保有)に到達するという,二通りの解釈が考
れよりも自分のこだわりを大事にするという価値観
えられる。
第Ⅴ因子(安全・安心因子)では,自動車(ハイブ
が,購入検討段階ではより強く効いていることを示唆
していると考えられる。
リッド),デスクトップ型パソコン,ノート型パソコ
ン,CS 放送,ブルーレイレコーダーの 5 カテゴリー
3.まとめ
で有意となった。
第Ⅵ因子(メーカーブランド因子)は,ブルーレイ
分析 1 では,8 つの消費価値観の構成次元が抽出さ
レコーダーではプラスで有意,カーナビゲーションで
れた。どのような構成次元が抽出されるかは,因子分
はマイナスで有意となったが,他のカテゴリーでは非
析にかける質問項目に依存することから,再検討の余
有意となった。メーカーブランドを重視するかどうか
地はあるが,品質と価格のバランスを検討する「価
は,ブルーレイレコーダーでは購入意向と関係がある
格・功利的価値」や長期的に使用される耐久財の
が,ほとんどのカテゴリーでは関係がなく,カーナビ
「メーカーブランド」の構成次元の他,「安全・安心」
ゲーションではメーカーブランドを重視しない消費者
「中古・シェアリング」など,昨今の消費者に特徴的
ほど購入意向が高いという結果となった。ブルーレイ
な価値観を反映する構成次元も検出された。
のような機種間の違いが分かりにくい製品カテゴリー
分析 2 では,分析 1 で抽出された 8 つの消費者価値
の場合,ブランド選択に当たってメーカーブランドを
観構成次元と消費先進度の関係性が検討され,「デザ
重視している可能性がある。逆に,カーナビゲーショ
イン・個性」に関する因子が,もっとも強い正の関係
ンの場合,その機能やデザインも多岐にわたるため,
性を持つことが示された。「価格非重視」や「準拠集
メーカーブランドに依存することなく,製品属性を細
団」に関する因子が続き,本質的な機能よりも自らの
かに比較してブランド選択を行っている可能性が考え
こだわりや周囲からの評価を重視する消費者が先進度
られる。
の高い消費者であることが示された。一方,「安全・
第Ⅶ因子(経済性・効率因子)では,自動車(ハイ
安心」や「中古・シェアリング」に関する因子は先進
ブリッド),ノート型パソコンにおいてマイナスで有
度とはあまり強く関わっておらず,安全性を重視する
意となった。
消費者やレンタルやリースを使用する消費者は先進度
第Ⅷ因子(中古・シェアリング因子)は,自動車
が低いことが示された。また,「経済性・効率性」に
(ハイブリッド)
,カーナビゲーション,ホームセキュ
関する因子の符号がマイナスで有意であった。「価格
リティ,CS 放送を除く 7 カテゴリーにおいて有意と
非重視」も強く効いていることを踏まえると,消費先
なった。有意となったカテゴリーにおいては,レンタ
進度の高い消費者の姿として,価格やコスト・パ
ルやリースをよく利用している消費者は,まだ実際の
フォーマンスはあまり気にすることなく,こだわった
購入には至っていないが,購入を検討している段階に
購買をする先進度の高い消費者像がうかがえる。
ある可能性がある。
分析 3 では,耐久消費財の保有状況に関する分析と
前述した通り,全体で見た場合,購入意向に関する
購入意向に関する分析とでは,分析結果に顕著な差が
分析では,第Ⅰ因子(品質・功利的価値因子)は非有
みられた。耐久消費財の保有状況に関しては,第Ⅰ因
意で第Ⅱ因子(デザイン・個性因子)は有意となって
子(品質・功利的価値因子),第Ⅲ因子(価格非重視
いるカテゴリーが多く,品質などの本質的属性より
因子)が有意であったのに対し,購入意向に関する分
も,他との差別化を図るデザインなどの副次的属性が
析では,第Ⅲ因子(価格非重視因子)の他,第Ⅱ因子
消費価値観が消費者行動に及ぼす影響に関する実証分析
(デザイン・個性因子),第Ⅴ因子(安全・安心因子)
が有意となった。このことに関して,消費者行動論の
13
おける様々な知見に照らして,調査設計に改良を加
え,実証を重ねる必要があると考えられる。
観点から 2 通りの解釈が考えられる。
1 つ目の解釈は,関与概念との関連による解釈であ
謝辞
る。すなわち,耐久消費財の保有に関する分析で有意
最後に,本研究において「マーケティング分析コンテ
になった価値観(品質・功利的価値因子)は製品関
スト 2013」配布データの使用をお許し頂いた株式会
与,耐久消費財の購入意向に関する分析で有意になっ
社野村総合研究所消費サービス・ヘルスケアコンサル
た価値観は購買関与(デザイン・個性因子,安全・安
ティング部マーケティング分析コンテスト事務局の松
心因子)に,それぞれ関連しているという解釈であ
本様にお礼を申し上げたい。
る。
2 つ目の解釈は,Trope and Liberman(2003)が提
唱する解釈レベル理論との関連による解釈である。解
注
釈レベル理論に基づけば,対象との心理的距離が遠い
1)配布データにおいて,消費先進度の質問項目は「以下のタ
ときには本質的属性,近いときには副次的属性を重視
イプの中で,新しい商品やサービスを利用する際に,あなた
する。今回,耐久消費財の保有状況に関しては,価
格,品質,財によってはブランドなど本質的な属性に
関わる価値観が有意となった。一方で,耐久消費財の
購入意向に関しては,デザイン・個性や安全・安心な
ど,どちらかといえば副次的な属性に関わる価値観が
有意となった。財の購買時点により近い購入検討時点
は,どれにもっとも近いとお考えになりますか」」という問
に対して,
「1.人よりも先に新しい商品やサービスを利用し
たり,新しいお店に行くほうである」
「2.少し様子をみてか
ら,新しい商品やサービスを利用したり,新しいお店に行く
ほうである」
「3.一般に普及してから,新しい商品やサービ
スを利用したり,新しいお店に行くほうである」
「4.新しい
商品やサービス,お店には関心がないほうである」の 4 つの
では副次的属性が注目され,購入後の保有時点では本
選択肢から選択する,回答が順序尺度となる単一回答形式の
質的属性が注目されていると考えることができる。
質問項目である。
今後の研究課題としては,これらの概念と消費者の
価値観との関係性について検討した上で,それらが消
参考文献
費者の購買行動にどのような影響を及ぼしうるのか,
Trope, Yaacov and Nira Liberman(2003), Temporal Construal,
検討する必要がある。
また,今回の研究で使用したデータは外部データで
あり,本研究で行われた実証研究は,限られた所与の
変数(質問項目)の中で行われた探索的分析である。
消費者の消費に関する価値観についての仮説構築およ
び理論構築のためには,冒頭にも述べたライフサイク
ル研究やパーソナリティ研究などの消費者行動研究に
Psychological Review, pp.403-421
清水聰(1999)
『新しい消費者行動』千倉書房
野村総合研究所(2014) 野村総合研究所 INSIGHT SIGNAL
マーケティング分析コンテスト ウェブサイト https://
www.is.nri.co.jp/con test/index.html(2014 年 5 月 20 日閲覧)
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