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地域統括会社設立支援 - EYアドバイザリー株式会社
EY アドバイザリー株式会社 地域統括会社設立支援 真のグローバル化に向けた経営管理構造の変革 従来の日本企業の海外展開は、国内において確立・成功したビジネスモデルをベースとして、製造 拠点・販売市場を海外に求めるものであり、このフェーズにおけるグローバル経営管理の要諦は、 海外現法のオペレーション管理にありました。 しかしながら近年の経済の急速なグローバル化に伴い、戦略策定やビジネスモデルの構築・変革 といったステージからグローバルな視座に立った取り組みが必要となっているため、本社によ る一括コントロールでは対応が難しくなっています。 そうした状況の下、地域統括会社の設立と権限移譲を通じた、グローバルな経営管理構造の変革 が求められています。 製品輸出中心(代理店等を通じての販売) 海外 国内 現地オペレーションの確立 国内 海外 海外法人 代理店・支店 本社 本社 現地オペレーションの拡大 国内 海外 海外法人 海外法人 本社 海外法人 グローバル化の進展 一部の本社管理機能の現地化、現地法人間のネットワーク化 海外法人 中国地域統括会社 海外法人 海外法人 海外法人 地域ごとに全本社管理機能を備えた法人が統括 海外法人 本社 海外法人 北米地域 統括会社 南米地域 統括会社 本社 東南アジア地域統括会社 日本企業の海外展開状況 国内市場の停滞や価格競争の激化により、製造業・サービス業を中心に海外事業の比率が高まり、海外現地法人 数も継続的に増加しています。とりわけ、アジア新興国における増加が顕著です。 国内製造業の海外売上高比率の推移 日本企業の海外地域別現地法人数の推移 (比率 %) 北米 35.0 30000 CAGR 3.4% 30.0 25.2 21.8 その他 アジア 欧州 10000 15.0 その他 5000 10.0 年 年 12 20 年 11 20 年 20 10 09 年 20 20 出所:経済産業省「グローバル出荷指数時系列データ」より作成 08 07 年 年 12 年 20 20 11 年 20 09 20 20 10 年 年 08 年 0 07 20 NIEs3 15000 20 20.0 中国 ASEAN4 18,201 18,599 19,250 20000 16,732 17,658 24.6 23.2 22.2 中南米 23,351 25000 25.0 22.1 CAGR 6.9% 出所:経済産業省「海外事業活動基本調査」より作成 地域統括会社設立の目的と統括機能 海外展開の加速に伴い、現地ニーズに即した経営の迅速化、および域内の業務効率化・コスト最適化を目的とした、 地域統括会社の設立が進んでいます。 地域統括会社設置の目的 経営統制を強化し、迅速な意思決定、 市場ニーズに即した経営を行うため 地域内のグループ企業に対して経営支 援機能をシェアードサービス化し、効 率化・コスト削減を図るため 現地ニーズに即した経営の迅速化 71.4% 域内の業務効率化・コスト最適化 70.1% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 販売・マーケティング 人事・労務管理・人材育成 金融・財務・為替 新規事業、再編、投資の立案 情報システム 物流・ロジスティクス 為替リスクの集中管理、資金・決済の 一元管理などグループ企業の金融面 での効率化を図るため 23.4% 各種税制インセンティブ等を有効活用 し、 グループ企業全体で税務戦略を高 度化するため その他・無回答 地域統括会社の統括機能 15.6% 5.2% 法務・知的財産権 技術支援 調査・分析 監査 調達 広報 生産管理 研究・開発(R&D) 出所:JETRO「第3回シンガポール日系企業の地域統括機能に関するアンケート調査報告書」より作成 地域統括会社に係る課題 しかしながら、地域統括会社を設立したものの当初想定した効果を享受できず、設立の目的を十分に実現できて いないケースが多いのも実情です。 位置づけの課題 ・ 地域統括会社の役割や、 本社から移譲される権限・責任が不明確であるため、 地域統括会社の判断 が本社で覆されることが度々起こる ・ そのため、 各国現法は本社、 地域統括会社のどちらを向いて仕事をすれば良いのかが分からず、 地 域統括会社の存在意義が問われている オペレーションの課題 ・ 各国のオペレーションや情報システムがバラバラで、 域内の業務最適化やシェアード化が進まない ・ 各国のオペレーション品質や管理者のレベルに問題があり、 その建て直しから始める必要がある ・ 各国のオペレーションの可視化が不十分であるため、 地域統括会社によるガバナンスが利かない 財務・税務面の課題 ・ 地域統括会社が提供するサービスの対価について、 各国現法の合意が得られない ・ そのため、 地域統括会社が赤字会社となり、 税務上の優遇措置を受けられない 人の課題 ・ 地域における意思決定やオペレーション統括を行う人材がいない、 育たない、 定着しない ・ 限られた人的リソースの中で、地域統括会社が担うべき役割の優先順位が不明確であるため、全 ての取り組みが中途半端で終わってしまう 地域統括会社設立にあたっての論点 地域統括会社が求められる機能を果たし、グローバル経営管理の構造変革を成功に導くためには、地域統括会 社設立に際して、以下の7つの論点について十分な検討を実施する必要があります。 また、既に地域統括会社が存在しパフォーマンスに課題があるケースに関しても、同様に以下の7つの論点で現状 アセスメントを行い、強化のためのアクションプランを明確し再構築を進めます。 ① 地域統括会社設立 の目的 グローバル経営管理上の課題のうち、地域統括会社の設立により解決すべき課題を明確にする ことで、地域統括会社の設立目的を整理する また、複数の目的がある場合には、その優先順位や実現時期についても整理する 3 層間 の 役割分担 と機能配置 地域統括会社の設立目的に従い、本社/地域統括会社/各国現法の 3 層間の役割分担、および 権限・責任の所在を明確にし、最適な機能配置を定義する 複数事業を展開している場合には、事業軸と地域軸の役割分担についても整理する ② ③ 地域統括会社の 設立場所 各国の法令や税制上の優遇措置、調達先や販売先との地理的関係、交通・通信等のインフラ環境、 および労働市場環境などを比較検討した上で、地域統括会社設立の目的に沿った最適な設立場所 を決定する ④ 地域統括会社の 収支構造 地域統括会社の役割と機能に基づく収益スキーム (配当金、指導料、ロイヤリティ等)と、役割・機能 を果たす為に必要なコストと保有すべき資産、 および負債項目を明確化する その上で、 地域統括会社の B/S, P/L を試算する 3層間の収支の流れについて、所在地各国の税務上の懸念点(寄付金認定等)がないか、また、地域 ⑤ 税務 統括会社所在国の税制上の優遇措置を得るための適格要件を満たしているかについて精査する ⑥ 地域統括会社の組 織設計と人材配置 地域統括会社の役割に合致した組織構造と、 3層間のレポートラインを定義する また、地域統括会社の機能を実現するために必要な人材像と人員数を明確にし、 3層間の人材再配 置を含む人材確保方針、 および将来の育成に向けたキャリアパスの設計を行う ⑦ 地域統括会社と 域内現地法人 の 業務・システム構築 地域統括会社の機能を実現するための業務プロセスと情報システムを設計・構築する また、域内の業務最適化・効率化、ガバナンス強化の観点から、各国現法を含む域内全体の業務プロ セスと情報システムの標準化を計画・実施する 地域統括会社の設立アプローチ EY アドバイザリーでは、以下の推奨アプローチに基づき地域統括会社の設立を支援します。 地域統括会社稼働 ▼ Phase1 概要設計 Phase2 詳細設計 Phase3 稼働準備 Phase4 フォローアップ 地域統括会社の設立と安定稼働 ・地域統括会社 の 設立目的 整理 ・役割分担 / 機能配置の設計 ・地域統括会社 の 設立場所 決定 ・収益スキームの概要設計 ・地域統括会社 の 組織概要 設計 ・人材配置方針の決定 ・地域統括会社 の 機能詳細 設計 ・地域統括会社の B/S, P/L 試算 ・税務観点からの妥当性検証 ・地域統括会社 の 組織詳細 設計 ・人材配置詳細化 ・地域統括会社 の 業務 プ ロ セス、情報インフラの詳細 設計 ・規程・業務マニュアルの整備 ・情報インフラ構築 人事異動 ・人材確保、 ・業務トレーニング ・チェンジマネジメント ・地域統括会社の稼働後評価 ・稼働後の課題管理と解決 ・地域統括会社の業務定着化 とシステム安定稼働 地域統括会社設立に係る諸手続き(※ EY 現地事務所による支援) ・現地法制度、優遇税制等の 確認 ・地域統括会社の設立準備 ・地域統括会社の登記手続き ・優遇税制 の Certificate 取得 域内業務の最適化(シェアード化、 SCM 統合など)およびガバナンス強化 ・各国現法を含む、域内業務 最適化とガバナンス強化 に向けた方針策定 ・域内業務最適化 と ガ バ ナ ンス強化のためのアクショ ンプランの策定 ・域内業務最適化 と ガ バ ナ ンス強化のためのアクショ ンプランの実施 EY | Assurance | Tax | Transactions | Advisory EY について EY は、アシュアランス、税務、トランザクションおよびアドバ イザリーなどの分野における世界的なリーダーです。私たちの深 い洞察と高品質なサービスは、世界中の資本市場や経済活動に信 頼をもたらします。私たちはさまざまなステークホルダーの期待 に応えるチームを率いるリーダーを生み出していきます。そうす ることで、構成員、クライアント、そして地域社会のために、よ り良い世界の構築に貢献します。 EY とは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバル・ ネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メン バーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グロー バル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供し ていません。詳しくは、ey.com をご覧ください。 EY アドバイザリー株式会社について EY アドバイザリーは EY メンバーファームです。常に変化する ビジネスの最前線で活躍する、さまざまな専門家が優れた知見 と強力なグローバルネットワークを活用し、幅広いクライアント の業績向上のためのアドバイザリーサービスを提供しています。 そうすることで、より良い世界の構築に貢献します。詳しくは eyadvisory.co.jp をご覧ください。 © 2015 Ernst & Young Advisory Co., Ltd. All Rights Reserved. 本書は一般的な参考情報の提供のみを目的に作成されており、会計、税務及びその他の専門的な アドバイスを行うものではありません。EY アドバイザリー株式会社及び他の EY メンバーファーム は、皆様が本書を利用したことにより被ったいかなる損害についても、一切の責任を負いません。 具体的なアドバイスが必要な場合は、個別に専門家にご相談ください。 サービスに関するお問い合わせ EY アドバイザリー株式会社 お問い合わせフォームへ (ここをクリックしてください)