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アレルギー発症における経皮感作の重要性

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アレルギー発症における経皮感作の重要性
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日本ラテックスアレルギー研究会会誌Vol.17 No.12013
【教育講演】
アレルギー発症における経皮感作の重要性
松永佳世子
藤田保健衛生大学 医学部
皮膚科学
【はじめに】
本稿では、最近話題を呼んでいる経皮感作による食物アレルギーの概要と、皮膚バ
リア障害と経皮感作の関係について述べる。
【旧茶のしずく石鹸⑭によるコムギアレルギー】
近年、旧茶のしずく石鹸⑧に含まれた加水分解コムギ末(グルパール19S⑧:
GP19S)が原因で即時型コムギアレルギーとなった症例が相次ぎ、社会問題となって
いる1’3)。日本アレルギー学会は「化粧品中のタンパク加水分解物の安全性に関する
特別委員会」を発足し、実態調査と正しい情報提供、そして原因解明などを行ってき
た4)。2014年1月20日時点で、2102例の多数の確実例が登録された。男性4%、女
性96%平均年齢は45.8歳であった(図1)。
症例の25%がショック、30%が呼吸困難・消化器症状を伴い、全体で55%がコム
ギ摂取時にアナフィラキシー等で生命の危機を脅かされた重症例であった(図2)。
800
v
10000
9000
700L
8000
600 r
7000
巌⊃
oo oo oo
50 40 30
60 oo
数 400・
き
量,。。r__
丁
200
・2000
100
1000
。しニュ籔_ご二_二≧__.ご_ご_、
9歳以下 10代 20代 30代 40代 50代 60代
・一一….…:=一_.LO
70代 80代 90代
図1.GP19Sによるコムギアレルギー症例の性別年代別症例報告数(棒グラフ)
2014年1月20日現在; 折れ線は人ロの年齢・性別分布
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人
ロ 単位︷千人︸
響
轟5°°
5
日本ラテックスアレルギー研究会会誌VoL17 No.12013
症状なし,24件,3%
それ以外の症状奪
疹・目の腫れ・鼻閉
水・痒み・発赤など
385件,42%
図2.GP19Sによるコムギアレルギー患者のコムギ摂取後の症状
このように多くの症例が発症した原因であるが、GP19SをO.3%含む旧茶のしずく
石鹸⑧は、泡立ちのよさと美白効果があるとのロコミ、およびテレビでの宣伝などか
ら、2004年3月から2010年9月までに4,667,000名に合計46,508,000個が販売された。
洗顔石鹸という用途で使用したため、皮膚、眼や鼻の粘膜等が長期に石鹸主成分であ
る界面活性剤とともにGP19Sに曝露され、皮膚バリア機能が障害されている部分に、
このアレルゲンが吸収されやすくなったと考えられる。コムギ摂取時に惹起される最
初のアレルギー症状が、眼瞼が腫れる症状であったことからも、眼周囲での抗原曝露
が多かったことが推測される。
GP19 Sはグルテンを塩酸と高温で、ある一定時間処理し加水分解されたコムギで、
蛋白質はWestern blotにより、スメア状になっていることがわかった。さらに分析
の結果、グルタミンがグルタミン酸に転換されたγ一グリアジンや低分子グルテニン
などが原因抗原と考えられた。
旧茶のしずく石鹸⑧の使用を中止した後、コムギ摂取までの期間と予後を調査した
結果、3年9か月経過を把握できた症例の96%はコムギを摂取していることが判明し
た。また、ELISA法によるGP19Sに対する特異IgE抗体5)の推移をみると、抗体は
減少し、約3年6か月程度で、多くの症例の抗体は陰性化することが予測できた(図3)。
このアレルギーは旧茶のしずく石鹸⑧を使用した症例の2000人から2500人に一人
の割合で発症したことになる。発症しやすい個体の要因は、アトピー性皮膚炎、花粉
症、葦麻疹などの既往との関連性は特定できなかった。現在、遺伝的素因の確立を目
的として、single nucleotide polymorphism(SNP)を使用して全ゲノム関連解析を行っ
ている。その結果によって、病態解明の糸口が見つかることが期待される。
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日本ラテックスアレルギー研究会会誌VoLl7 No.12013
経邉の違えた1246撞体(404癒例)のGP 19S slgE纏(u間t)の推移
100・0㌦r吟●■除、.
這e●……o●●
,。.。 £㌔・
●
●
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●◆ ●
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一
懸灘雛購翻羅灘鍵灘灘鐡騒灘羅羅蹴,羅瞬
●
●
●
⊃ 50.0
●
言
遮抵
陽性範囲内だが低下
陽性から疑陽性に低下
陽性から陰性に低下
疑陽性から陰性に低下
陰性範囲内を推移
減少傾向の悪い例
217
34
39
18
24
72
計
404
40.0
30.0
20.O
●
10.0
y=−O.0252x+32.653
●
0.0
0
R2=0.0433
200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 2000
days
図3.GP19S特異lgE抗体の経時的変化
【GP19S以外の化粧品タンパク質による経皮感作食物アレルギーの緊急疫学調査】
続いて、筆者等は成人発症の全身性コムギアレルギー症例において、旧茶のしずく
石ma @の使用経験のない症例の中に、異なる加水分解コムギで感作された症例はいな
いのか、また、コムギ成分以外のタンパク質による経皮感作食物アレルギーの実態を
早急に把握する必要があると考え、厚生労働科学特別研究事業1化粧品中のタンパク
質等の安全性に関する緊急疫学調査(且24一特別一指定一〇27)を行った。
その結果、GP19S以外の高リスクな加水分解コムギ末における健康被害が疑われ
る症例は34例が報告された。臨床症状は、アナフィラキシー3名、顔面発赤9名、
眼瞼腫張5名、葦麻疹4名等、症状を誘発した食材は主に小麦製品(パン・パスタ・
うどん)、感作源となった可能性のある化粧品は、シャンプー2名、ヘアトリートメ
ント3名、石鹸3名、化粧水1名、不明25名であった。
化粧品に含まれるコムギ成分以外のタンパク質成分による食物アレルギーの健康被
害が疑われる症例数は33例であった。男性は1名であった。主な臨床症状はアナフィ
ラキシー15名、呼吸困難2名、葦麻疹7名、眼瞼腫張3名で、症状を誘発した食材
は赤色マカロン7名、カンパリ3名、コラーゲン2名、納豆・バナナ・いちご牛乳・
はちみつ・パパイン・赤ワイン・卵白・フルーツ・豆乳・クラムチャウダー・ハンバー
グ・パスタは各1名、不明9名であった。感作源となった可能性のある化粧品は、口
紅8名、化粧水2名、洗顔料2名、アイシャドー・アイクリーム・ヘアトリートメン
ト・はちみつ含有化粧品・クリーム・美容液は各1名、不明12名であった。
そのなかではコチニール色素によるアレルギーの症例が最多であった。コチニール
色素はカイガラムシ科エンジムシの乾燥体より水又はエタノールで抽出し精製したも
ので、主成分はカルミン酸で、食品や化粧品(口紅・頬紅・アイシャドーなど)を赤
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日本ラテックスアレルギー研究会会誌Vol 17 No.12013
く着色する目的で用いられるコチニール色素には1.15∼2.2%の虫体残存タンパクが
含まれている。原因抗原は、エンジムシから抽出した約39∼45KDa付近の爽雑タン
パク質である可能性が示唆されている6)7)。当科で経験した症例を含めて、全例女性
であることから、口紅などの化粧品に含まれるコチニール色素に経皮的に感作されて、
同じ色素を含む食品で即時型アレルギーの症状を呈するようになったと考えられる。
以上のような、経皮感作による食物アレルギーは、化粧品に含まれているタンパク
質成分によるもので、化粧品を塗布した場合には、痒みや、発赤、葦麻疹などの症状
は出現しても、食物摂取時のような重篤な症状を呈することは少なく、また、皮膚に
症状を呈する前に、食品摂取による症状が先行する症例が多く、原因が化粧品である
と気づくことが遅れたために、原因の解明に時間がかかった。そこに、大いなる落と
し穴があったといえる。
【ラテックス・フルーツ症候群】
さて、このような事例を経験する前に、経皮感作・経粘膜感作後の食物アレルギー
の症例を既に多く経験してきている。それは、ラテックス・フルーツ症候群であり、
花粉食物アレルギー症候群である。前者は、天然ゴム手袋に残留する蛋白抗原が皮膚
を通して、また、気道経由で、感作し、特異IgE抗体が産生された個体に、主要抗
原であるヘベインを共通抗原として持つクラス1キチナーゼを含むクリ、アボカド、
バナナなどを摂取して、葦麻疹やショックをきたすアレルギーである8)9)。蛋白質を
除去した天然ゴム手袋の使用、あるいは、これを含まない、ニトリル手袋などの合成
手袋に変更することにより、医療従事者でのラテックスアレルギー発生率は減少して
おり、ラテックス・フルーツ症候群の発生頻度も減少していることが推測されている。
一方、スギ、ハンノキ、シラカバなどの花粉による経皮・経粘膜感作ののち、リン
ゴ、セロリ、サクランボ、ニンジンなどのフルーツや野菜を摂取すると、口腔アレル
ギー症状や、葦麻疹、アナフィラキシーを生じることがある。これらに共通する抗原
は、植物が普遍的に持っている、生体防御蛋白質である場合が多く、症状の誘発に抗
原の立体構造が保たれている必要のあるものが多い10)11)。しかし植物抗原には脂質
輸送蛋白質のように、熱や消化酵素に抵抗性のものもあり、食物摂取後消化されず抗
原性が残存し吸収されるため、重篤な症状を引き起こす抗原もある。
【食物アレルギーは経皮感作から起こることに注意】
以上のように、近年、食物アレルギーは経口感作ではなく、経皮感作によっても起
こることが注目されている。マウスの実験では、擦過した皮膚ヘピーナッツを曝露す
ることによって特異的IgE抗体が産生されるという報告があり、これは、食物アレ
ルギーが経皮感作で起こる可能性を示唆している。
最近の食物アレルギーの考え方は「食物アレルギーは食べて治す」とされている。「食
物アレルギー診療ガイドライン2012」では12)、食物アレルギーの定義を「食物によっ
て引き起こされる抗原特異的な免疫学的機序を介して生体にとって不利益な症状が惹
起される現象」と定義しており、侵入経路である経口摂取、皮膚接触と関係なく食物
により誘発された症状を食物アレルギーと定義している。
現在、食物アレルギーは経皮感作が主な経路であるとする説が唱えられている13)。
動物実験では経皮感作が経口免疫寛容の成立を阻害することはすでに報告されている
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日本ラテックスアレルギー研究会会誌Vol.17 No l 2013
が14)、2010年頃から本邦でも茶のしずく石鹸使用者の小麦アレルギーの発症が急増
し、これは食物アレルゲンの経皮感作の傍証の一つとなる15)。
食物アレルギーに対する経口免疫療法の機序は解明されていないが、抗原を経口摂
取することでその抗原に対する免疫反応を抑制する可能性は理論的には考えられる。
その機i序としては、1)高用量摂取によるanergy(無反応状態)(抗原特異的
effector T細胞の不応答化や消失が起こる)、2)低用量摂取による、制御性T細胞
から産生される抑制性サイトカイン、TGF−bやIL−10によるeffector T細胞の抑制
等があげられる16)。
食物アレルギーの予防に関してDu Toitら17)はイギリス在住のユダヤ人小児のピー
ナッッアレルギーの頻度はイスラエル在住のユダヤ人小児の10倍であり(1.85%vs.
0.17%,p<0.001)、イギリスの乳児は1歳前にほとんどピーナッッを摂取しないが、イ
スラエルでは乳児に離乳初期からピーナッツを与えることは普通に行われており、経
口免疫寛容が実際に機能していることを疫学調査で示した18)。
【経皮感作の誘発因子】
経皮感作の誘発因子としては、1)皮膚角層のバリア機能障害、2)アレルゲンの
皮膚透過性、そして3)皮膚での免疫応答が挙げられる。
バリア機能障害としては、アトピー性皮膚炎の発症因子にフィラグリン遺伝変異が
関与していると報告されている。バリア機能が障害されるとランゲルハンス細胞や
TSLPによって、自然免疫および獲得免疫が応答し、特異IgE抗体を産生させる(図
4)19)20)。
●
T\
:灘ilで癒ア露糞蓋蕪竃1
・ 抗菌ペプチド lymρhoρoietin
役割を持つサイトカイン。 }
β _defensin↓ ・ ADでは、皮膚病変部の表皮での
→ 皮表に黄色ブドウ球菌増殖 発現がみられ、Th2反応を誘導する。
鞠毫
r/’1燃
ゆ
● ●
● ● ● ●● ● ●
蒜二儒∼3
’拶㌃鞭
1L−8
CXCL1’8 樹状細胞は二次リンパ組織に遊走し,
肥満細胞
号
iランゲルハンス細胞ti6:iii劉
T細胞に対してTh2分化などの作用を
バリア機能が低下した皮膚
惹起する
ランゲルハンス細胞は“蛋白抗原の感作成立”
に不可欠であり、さらにTSLPがこれに
深くかかわっている。
自然免疫応答
初期の炎症反応を形成
図4.バリア障害と経皮感作の関係19)20)
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獲得免疫応答
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日本ラテックスアレルギー研究会会誌Vol.17 No.12013
加水分解コムギについては、わが国では分子量が10,000未満ならば、感作性は低
いとする考えがあり、米国では、アミノ酸30までのものを使用するならば、感作の
リスクは低減できるとのCosmetic Ingredient Reviewからの情報がある。化粧品原
料については、動物実験はできない時代に入っており、安全性を確保する方策を考え
ることは喫緊の課題といえる。
【結語】
結論として、経皮感作食物アレルギーはこわい。主食の成分や、食物アレルギーを
起こすことがよく知られている蛋白質成分を化粧品に使用することは、十分な注意と、
抗原性を除去し使用することが必要である。
【謝辞】
本教育講演は、藤田保健衛生大学医学部皮膚科学、矢上晶子、中村政志、佐野晶
代、小林束の諸氏との共同研究の成果と、日本アレルギー学会化粧品中のタンパク
加水分解物の安全性に関する特別委員会委員の協力、ならびに、全国262施設から症
例登録をいただいたすべての医師の協力によるものであり、ここに深甚の謝意を表し
ます。
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