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全 文 - 国総研NILIM|国土交通省国土技術政策総合研究所

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全 文 - 国総研NILIM|国土交通省国土技術政策総合研究所
ISSN 1346-7328
国総研資料 第811号
平 成 26 年 9 月
国土技術政策総合研究所資料
TECHNICAL NOTE of
National Institute for Land and Infrastructure Management
No.811
September 2014
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)
浦野 真樹・安部 智久・木下 真吾
Analysis on World Container Ship Movement and Containerized Cargo Flow(2014)
Maki URANO, Motohisa ABE, Shingo KINOSHITA
国土交通省
国土技術政策総合研究所
National Institute for Land and Infrastructure Management
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism, Japan
国土技術政策総合研究所資料
No. 811
2014 年 9 月
(YSK-N-296)
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)
浦野真樹*・安部智久**・木下真吾***
要
旨
本資料は,全世界のフルコンテナ船の動静及びコンテナ貨物流動について,最新のデータの整理を行
うと共に,我が国を取り巻く状況変化についての分析を行い,もって,国際海上コンテナ輸送に関する
我が国の港湾政策の企画・立案に資することを目的としたものである.
具体的には,船舶動静については Lloyd’s データ等を用い,フルコンテナ船の船舶諸元や寄港実績等に
関する経年的な分析を実施した.一方コンテナ貨物流動については,アメリカ-東アジア間のコンテナ
輸送について PIERS データを用い,東アジア地域でのトランシップの状況を含む輸送経路に関する詳
細な分析を行った.また,船舶の大型化によるカスケード効果の影響についても分析を試みた.
キーワード:コンテナ貨物,Lloyd’s,PIERS,TEU,トランシップ,カスケード
* 港湾研究部 港湾計画研究室 研究員
** 港湾研究部 港湾計画研究室長
*** 港湾研究部 港湾計画研究室 交流研究員
〒239-0826 横須賀市長瀬3-1-1 国土交通省国土技術政策総合研究所
電話:046-844-5027 Fax:046-844-5027
e-mail: [email protected]
i
Technical Note of NILIM
No. 811
September 2014
(YSK-N-296)
Analysis on World Container Ship Movement
and Containerized Cargo Flow (2014)
Maki URANO*
Motohisa ABE**
Shingo KINOSHITA***
Synopsis
This paper presents the results of analyses of world container ship movement and containerized cargo flow
data, and analyses of other related issues in order to contribute to policy making.
First, the size distribution and ship movement of full container vessels were analyzed using Lloyd’s data on
the time series basis. Then detailed analyses of container cargo flow between North America and East Asian
countries was also conducted based on PIERS data, including transshipment trends in the region. This year, other
analyses such as current trends in the “cascading effect” were added.
Key Words: Containerized Cargo,Lloyd’s,PIERS,TEU,Transshipment,Cascading Effect
* Research Engineer of Port Planning Division, Port and Harbor Department
** Head of Port Planning Division, Port and Harbor Department
*** Exchanging Researcher of Port Planning Division, Port and Harbor Department
National Institute for Land and Infrastructure Management, Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
3-1-1 Nagase, Yokosuka, 239-0826 Japan
Phone:+81-46-844-5027
Fax:+81-46-844-5027
e-mail: [email protected]
ii
目
次
1.はじめに ············································································· 1
1.1
はじめに ········································································· 1
1.2
分析データ ······································································· 1
2.最近の世界経済と海運の概況 ··························································· 3
2.1
最近の世界経済の概況 ····························································· 3
2.2
最近の海上輸送の概況 ····························································· 4
2.3
最近の世界経済と海運の状況:まとめ ··············································· 4
3.フルコンテナ船の船型分析 ····························································· 5
3.1
分析手法 ········································································· 5
3.2
就航船の隻数・総船腹量 ··························································· 5
3.3
TEU Capacity別の就航船の隻数・総船腹量 ··········································· 5
3.4
建造年別の船型分析 ······························································ 12
3.5
航路別の隻数・総船腹量 ·························································· 12
4.フルコンテナ船の寄港分析 ···························································· 15
4.1
分析手法 ········································································ 15
4.2
世界のフルコンテナ船の寄港回数の推移 ············································ 15
4.3
国別寄港実績の分析 ······························································ 15
4.4
航路別の国別寄港実績・船腹量の分析 ·············································· 18
4.5
港湾別寄港実績の分析 ···························································· 22
4.6
航路別の港湾別寄港実績の分析 ···················································· 27
5.アメリカ-東アジア間のコンテナ流動分析 ·············································· 28
5.1
分析手法 ········································································ 28
5.2
国別輸送経路分析 ································································ 28
5.3
港湾別輸送経路分析 ······························································ 35
5.4
品目別輸送経路分析 ······························································ 41
6.長期的動向及びカスケード効果影響分析 ················································ 44
6.1
長期的な世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析 ····························· 44
6.2
カスケード効果の影響分析 ························································ 47
7.結論 ················································································ 53
謝辞 ··················································································· 54
参考文献 ··············································································· 54
付録 ··················································································· 55
iii
iv
国総研資料
1. はじめに
No.811
山:Shanghai(上海)のターミナル),Beilun(北倫:Ningbo
(寧波)のターミナル)等である.これらについては,
・
従来 1)~7)との整合を図るため,それぞれ Shanghai(上海)
1.1 はじめに
本資料は,全世界のコンテナ船の動静及びコンテナ貨
Ningbo(寧波)に合算した.なお,本資料で使用されて
物流動について,最新のデータの整理を行うと共に,我
いる東アジア地域の主要港湾の位置については付録の図
が国を取り巻く状況変化についての集計分析を行い,も
-A.1 を参照されたい.
って国際海上コンテナ輸送に関する我が国の港湾政策の
企画・立案に資することを目的としたものである.本資
1.2 分析データ
料は「世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析」
以下に,本資料で取り扱った各データの概要を表す.
1)~7)
の継続であり,最新のデータにより,現在の状況を分
(1) Lloyd’s データ
析したものである.
Lloyd’s データとは,Lloyd’s List Intelligence の提供する
以下に本資料で用いる用語について,整理する.
船舶動静及び船舶諸元に関するデータベースである.船
「フルコンテナ船」
コンテナのみを積載する専用船.
舶動静データとしては,船舶毎の寄港地名や入出港日,
「セミコンテナ船」
コンテナと同時に,コンテナ以外
船舶諸元としては総トン数,全長,全幅,喫水等の情報
の箱・袋積み等の一般貨物等を積載できる船.
が入っている.2013 年のフルコンテナ船に関する動静デ
「TEU Capacity」 TEU(Twenty-foot Equivalent Unit:20ft
ータは全部で約 53 万レコード,諸元データは約 5,100 レ
コンテナ換算個数)単位でのコンテナ船の積載能力.
「船舶諸元」
コードであった.
Lloyd’s 船舶動静データの精度については,既往の資料
船舶の大きさや主要寸法のこと.本資料
6)
にて,過去の分析データと日本の港湾管理者の外航フル
では以下を用いる.
TEU Capacity
コンテナ船寄港回数と比較した結果,同程度もしくは
全長(L:Length Over All)
数%小さくなることが確認されている.本資料では,3
型幅(B:Breadth Moulded)
章及び 4 章にて Lloyd’s データを用いてフルコンテナ船の
満載喫水(d:draft Maximum)
船型及び寄港実績について分析している.
「船腹量」
就航しているコンテナ船の積載能力の総計
「東航」
東アジアからアメリカへの貨物の動き
「西航」
アメリカから東アジアへの貨物の動き
(2) PIERS データ
PIERS(Port Import/Export Reporting Service)データと
は,JOC Group Inc.(前 UBM Global Trade)が作成する米
香港に関しては,中国の港湾統計
8)
等でも国内港湾と
国を仕出地/仕向地とするコンテナ貨物の輸出入情報デ
して取り扱われていないことを踏まえ,本資料では,1
ータベースである.
国として整理することとした.そのため,特に断りのな
アメリカ輸出入貨物について,アメリカの情報公開法
い場合,中国とは,香港を除く中国本土を指すものとし,
に基づいて公開されているマニフェスト(積荷目録)も
中国本土と香港の合計は,中国計と記すこととする.
しくは B/L(船荷証券)のデータを集計したもので,こ
港 湾 の 名 称 は , 本 分 析 の 主要 な 分 析 デ ータ で あ る
れを船積明細書と照らし合わせて確認をすることにより,
9)
Lloyd’s 及び PIERS データにより設定している.例えば,
高い精度を保持したデータとされている
アメリカの New York/New Jersey 港は,Lloyd’s・PIERS デ
アメリカ輸出入貨物について,TEU ベースで輸送経路ま
ータ上では New York 港とされている.また,中国の深圳
で判明する国際海上コンテナの統計データは,PIERS の
港は,塩田港,蛇口港及び赤湾港の総称で,全体として
みである.
.現時点で,
のコンテナ取扱量が示されることがあるが,Lloyd’s・
米国及びアジアでの仕出地/仕向地のほか,TEU,メ
PIERS データ上では,Yantian(塩田)港,Shekou(蛇口)
トリックトン,価値などの情報が含まれている.2013 年
の東航(アジア→米国)貨物データは約 537 万レコード,
港及び Chiwan(赤湾)港で各々登録されている.これら
については,従来
1)~7)
西航(米国→アジア)貨物データは約 132 万レコードで
どおり,特に修正を施さず,その
まま分析を行った.一方,Lloyd’s データにおいては,AIS
あった.
データの活用が進んでいる関係で,ターミナル名の寄港
PIERS データの利点は,米国の直近/直後の積み替え
実績が見られるようになってきた.例えば,Yangshan(洋
港の情報を含み,コンテナ輸送経路が判別される点であ
-1-
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
る.この情報から,各国におけるフィーダー貨物,トラ
ンシップ貨物に関する分析を行うことが可能である.フ
ィーダー貨物,トランシップ貨物の定義については 5 章
にて説明する.しかし B/L 等を情報元としているため,2
回以上の積み替えがなされている場合はアメリカ直近の
1 回のみが記録され,他の積み替えはデータに出てこな
い.
またデータの性格上,空コンテナについては対象となっ
ていない.
本資料では,5 章にて PIERS データを用いてアメリカ
-東アジア間のコンテナ流動分析を行っている.
なお米国輸入コンテナについては,Zepol 社もデータの
提供を行っている 10)が,米国への輸入の AMS(電子申請)
データのみが主な対象となっている.現在のところ米国
からの輸出貨物量についてはカバー率が必ずしも高くな
いので,本資料では使用しなかった(当研究室が行った
ヒアリング調査による).
(3) MDS データ
MDS データとは,MDS Transmodal が提供する世界コ
ンテナ船に関するデータベースであり,個別のコンテナ
船に対して就航航路(投入ループ)や寄港地,輸送頻度,
運航業者等の情報が含まれている.
2013 年 8 月のデータについてフルコンテナ船のデータ
は約 5,100 レコードであった.
本資料では,3 章,4 章及び 6 章にて MDS データを用
いて航路別のフルコンテナ船の船型及び寄港実績を分析
している.
-2-
国総研資料
No.811
2. 最近の世界経済と海運の概況
った新興国は金額のシェアでみるとそれぞれ 1%台であ
り,世界貿易全体における影響はまだ小さい.2012 年に
2.1 最近の世界経済の概況
おいては,世界最大の輸入市場である欧州での輸入の大
表-2.1 は世界の主要地域の GDP 成長率を見たもので
幅な減少が世界の輸出量を抑制した形となっている.ま
ある.2009 年のリーマンショックにより一時成長率は落
た新興国においては,金属やコーヒーを含む飲料等の価
ち込んだが,世界全体では 2011 年までにはその影響から
格が下落したことも輸出額減少の要因と指摘されている
脱したものの,以前のような高い成長率にはなっていな
11)
.
い.その理由として,欧州の債務危機やそれに端を発し
他方,米国の経済はリーマンショック後順調に回復局
た欧州の各国における財政引き締めが経済成長を鈍化さ
面にあり,特に自動車(新車)の販売台数は 2012 年にリ
せたことがある.世界的な経済成長をけん引してきた新
ーマンショック後最高を記録し,個人消費の回復が輸入
興国においても,先進国における経済成長の鈍化による
を押し上げている 11).
輸出の伸び悩みに加え,自国の投資ブームが一巡したこ
日本は 2011 年において 31 年ぶりに貿易赤字となった
とから,成長率は鈍化する傾向にある.特に中国は今後
が依然として 2012 年もその傾向が続いている.輸出につ
も 7%台とかつてと比べて低めの予測がなされている.
いては円高の影響を受け貿易額が減少しまた自動車関連
なお,IMFは経済成長の減速は 2013 年まで続き,2014
産業以外の輸出が低迷している.また輸入については原
年以降は持ち直すとの予測をしている.
子力発電所代替のための火力発電所稼働に必要な LNG
表-2.2 は世界主要国・地域の貿易額である.
等のエネルギー価格が高止まりしていることが輸入金額
JETRO11)によれば,2012 年において世界の輸出額は過
の増加の要因となっている.
去最高に達した 2011 年とほぼ横ばいとなった.比率でみ
新興国のプレゼンスは現状では大きいものではないが,
ると,欧州,中国,米国,日本の順に多い.中国は依然
長期的に経済成長が継続すれば,消費財の輸入が今後増
として世界最大の輸出国である.インド,ブラジルとい
加していくことが期待される.
表-2.1
世界主要地域のGDP成長率(%)
(単位:%)
年
世界全体
日本
米国
ユーロ圏
中国
ASEAN5
インド
サブサハラアフリカ
中南米
2011
3.9
-0.6
1.8
1.5
9.3
4.5
6.3
5.4
4.6
2012
3.1
1.9
2.2
-0.6
7.8
6.1
3.2
4.9
3.0
2013
3.1
2.0
1.7
-0.6
7.8
5.6
5.6
5.1
3.0
2014
3.8
1.2
2.7
0.9
7.7
5.7
6.3
5.9
3.4
資料) JETRO11)
注1) 2013年、2014年の数値は予測値である.
注2) ASEAN5は,インドネシア,マレーシア,フィリピン,タイ,ベトナムである.
表-2.2
世界主要国・地域の貿易額
輸出
金額(百万$)
世界貿易値(推計)
米国
EU27か国
日本
中国
ASEAN(6か国)
うちインドネシア
ロシア
インド
ブラジル
南アフリカ共和国
その他
17,977,031
1,545,709
5,814,257
801,335
2,048,935
1,221,242
190,032
352,536
296,111
242,580
87,264
5,567,062
輸入
伸び率(%)
構成比(%)
0.0
4.4
-4.4
-2.4
7.9
1.2
-6.6
-6.9
-3.6
-5.3
-9.8
100.0
8.6
32.3
4.5
11.4
6.8
1.1
2.0
1.6
1.3
0.5
29.9
-
資料) JETRO 11)
注) ASEAN 6か国:シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン
-3-
金額(百万$)
18,664,441
2,275,320
5,886,800
888,584
1,817,826
1,193,434
191,691
290,406
489,319
223,149
101,558
5,498,045
伸び率(%)
構成比(%)
0.5
3.0
-5.7
4.2
4.3
5.9
8.0
4.2
5.2
-1.4
1.5
100.0
12.2
31.5
4.8
9.7
6.4
1.0
1.6
2.6
1.2
0.5
28.5
-
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
2.2 最近の海上輸送の概況
図-2.4 は世界のコンテナ貨物量(TEU ベース,単位は
図-2.1 は世界の GDP と海上貿易量の比較であり 1990
年を 100 としたものである(国連 UNCTAD 資料
100 万 TEU)の推移である.2013 年においては過去最高
12)
の約 1 億 6000 万 TEU の荷動きがあったものと推測され
より筆
者ら作成).1990 年以降,世界の GDP の成長以上に,海
ている.
上貿易量が増加しまたその差は拡大し続けている.この
要因としては,世界的な分業体制の進展によりサプライ
2.3 最近の世界経済と海運の状況:まとめ
チェインが拡大し続けていることがその構造的一つとし
世界貿易はリーマンショックによる落ち込みから脱し,
て考えられる.
再び増加傾向に戻りつつあったが,欧州の債務危機によ
このような中で,コンテナ輸送はその重要性を増して
り減速傾向にある.長期的にはインド・ブラジルといっ
いる.図-2.2 ならびに図-2.3 は海上貿易量の主要品目別
た新興国における貿易額の増加が期待されるが,現状で
12)
.海上貿易量は一貫して増
は依然として世界貿易の中心は欧州,米国,アジア地域
加しており,リーマンショックによって 2009 年に一時的
である.特に米国は安定的な成長基調に入りつつある.
の内訳を示したものである
に減少したものの,その後は増加傾向に戻っている.バ
世界においてサプライチェインが拡大傾向にある中で,
ルク貨物等と重量ベースで比較しているためシェアとし
日本は GDP は伸びているもののその率は世界の中では
ては低いが,コンテナ輸送はそのシェアを一貫して増加
相対的に小さい状況にある.重量ベースでの海上貿易に
させており 2013 年においては 18%程度になっているも
おけるコンテナ化率は 2000 年に 10%となって以降も継
のと推測され,世界の海上貿易においてその重要性が高
続的に増加傾向にあり,コンテナ輸送の重要性が引き続
まっている.
き高まっている.
250
100%
世界のGDP
海上貿易
90%
主要品目別海上貿易の割合
200
150
100
80%
70%
60%
コンテナ
メジャーバルク
オイル・ガス
その他ドライカーゴ
50%
40%
30%
20%
世界の GDP と海上貿易量の比較
図-2.3
10,000
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2000
1995
1,000
0
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2000
160
140
120
100
80
60
40
20
0
資料) 国連UNCTAD資料12)より筆者ら作成
資料) 国連UNCTAD資料12) より筆者ら作成 図-2.2
主要品目別海上貿易の割合
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
世界のコンテナ貨物量(百万TEU)
7,000
1990
主要品目別海上貿易量 (百万トン)
8,000
より筆者ら作成 180
コンテナ
メジャーバルク
オイル・ガス
その他ドライカーゴ
9,000
1995
12)
資料) 国連UNCTAD資料
資料) 国連UNCTAD資料 12)より筆者ら作成
図-2.1
1990
0%
2015
2010
2005
2000
1995
1990
1985
1980
1975
10%
50
主要品目別海上貿易量
図-2.4
-4-
世界のコンテナ貨物量の推移
No.811
3. フルコンテナ船の船型分析
5,000
3.1 分析手法
隻数
Lloyd’s List Intelligence による寄港実績/船舶諸元デー
タ(以降「Lloyd’s データ」という)を用いて,世界に就
航するコンテナ船の船型について分析を行った.各年は,
3,500
隻数
平均船型
4,000
3,000
3,000
2,500
2,000
2,000
1,000
1,500
0
1,000
分析の対象は,全てフルコンテナ船とした.これは,
セミコンテナ船を含めると,積載能力(TEU Capacity)
2000
2002
2004
2006
2008
2010
2012
2013
績には,2006 年 12 月末時点の船舶諸元を使用).
1995
港実績の年末のデータを用いた(例えば,2006 年寄港実
1990
1 月~12 月の暦年を示し,船舶諸元データの時点は,寄
平均船型(TEU)
国総研資料
年
と船の大きさを関係づけることが出来ない点を考慮した
図-3.1
ものである.
フルコンテナ船就航隻数・平均船型の推移
18,000
16,000
ス(以降「MDS データ」という)をあわせて利用した.
14,000
総船腹量('000TEU)
航路別の分析は,MDS Transmordal 社によるデータベー
MDS データによって船舶の就航航路を特定し,IMO ナン
バーで Lloyd’s データとリンクさせて分析している.航路
は,「北米-東アジア航路」,「欧州-東アジア航路」「東
アジア域内航路」の3つを対象とした.MDS データより,
1 隻の船舶が複数航路を航行していることが確認された
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2000
2002
2004
2006
2008
2010
2012
2013
MDS データより,船舶毎の就航航路及び寄港地の情報
1995
0
1990
2,000
場合は,それぞれの航路で計上している.
年
が得られるが,内容はデータ作成時点のものになるため,
図-3.2
例えば1年間のうちに就航航路に変更があった場合はそ
フルコンテナ船の総船腹量の推移
の結果を考慮できない.本資料で使用した MDS データは,
2013 年 8 月時点のものである.
表-3.1
船舶諸元不明データ(2013 年)
船舶諸元
TEU Capacity
L (全長)
B (型幅)
d (満載喫水)
3.2 就航船の隻数・総船腹量
Lloyd’s データによると,世界で 2013 年に就航してい
たフルコンテナ船は 4,909 隻で,2012 年に比べて-0.1%の
隻数
21
8
26
23
割合
0.4%
0.2%
0.5%
0.5%
減少であった.図-3.1 にフルコンテナ船就航隻数の推移
型の算定には TEU Capacity が必要となるため,表-3.1 の
を示す.
不明データ 21 隻は,算定より控除した.
次に,図-3.2 ではフルコンテナ船の総船腹量の推移を
示した.総船腹量とは,就航船の積載能力(TEU Capacity)
を合計したものであり,2013 年は 17,006 千 TEU,対前年
3.3 TEU Capacity 別の就航船の隻数・総船腹量
比 6.1%の伸びであった.
フルコンテナ船の就航隻数の推移を,TEU Capacity で
総船腹量を就航隻数で除することにより求めた平均船
区分して見たのが図-3.3 である.
型を,図-3.1 に隻数と合わせて示す.2013 年の平均船型
左図は,各年の就航隻数を示し,右図は,その期間に
は 3,479TEU と,2012 年に比べて 6.1%増加しており,引
おける隻数の増減を,年当たりに換算して示している.
き続き船舶の大型化が進んでいることが確認された.
マイナスの部分があるのは,新たに投入された船より,
また,Lloyd’s 船舶諸元データの精度を見るために,本
退役もしくは長期間の係船をした船の方が多いことを示
資料で用いた 2013 年データのうち,船舶諸元が不明の船
す.各年の図のスケールは同じにしてあり,また,前出
舶数を確認した結果が表-3.1 である.諸元が不明のデー
の通り TEU Capacity が不明の船は除外している.
タはいずれも 1%以下であった.なお,船腹量や平均船
2013 年間の増減隻数は 4,000TEU より小さな船舶は 20
隻前後の減少傾向にあるのに対し,4,000TEU 以上の船舶
-5-
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
は全ての船級において増加する傾向がみられた.特に
同じデータを,船腹量において見たのが図-3.4 である.
8,000~9,999TEU,12,000TEU 以上の大型船の隻数が多く
2013 年も 2011 年,2012 年に引き続き 12,000TEU 以上の
増加している.
船舶による船腹増加量が最も多い.
フルコンテナ船就航隻数
6000-
8000-
10,000-
12,000-
8000-
10,000-
12,000-
8000-
10,000-
12,000-
4000-
60006000-
3000-
2000-
就航隻数
1500-
100
80
60
40
20
0
-20
-40
-60
-80
-100
1000-
100
80
60
40
20
0
-20
-40
-60
-80
-100
-499
年平均増減隻数
1995年末 1,000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
年平均増減隻数
1991年始
→1995年末
100
80
60
40
20
0
-20
-40
-60
-80
-100
年平均増減隻数
12,000-
8000-
TEU Capacity
10,000-
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
500-
1000-
-499
就航隻数
1990年末 1,000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
500-
年平均増減隻数
4000-
3000-
2000-
1500-
就航隻数
-499
2000年末 1,000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
1000-
1996年始
→2000年末
500-
12,000-
TEU Capacity
10,000-
8000-
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
500-
-499
TEU Capacity
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
500-
2001年始
→2004年末
-499
12,000-
8000-
10,000-
TEU Capacity
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
500-
-499
TEU Capacity
TEU Capacity
図-3.3
TEU Capacity によるフルコンテナ船就航隻数の推移(1/3)
-6-
国総研資料
No.811
フルコンテナ船就航隻数
年平均増減隻数
6000-
8000-
10,000-
12,000-
8000-
10,000-
12,000-
8000-
10,000-
12,000-
4000-
60006000-
3000-
2000-
1500-
500-
-499
就航隻数
2006年末 1,000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
100
80
60
40
20
0
-20
-40
-60
-80
-100
1000-
2005年始
→2006年末
年平均増減隻数
12,000-
8000-
TEU Capacity
10,000-
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
500-
1000-
-499
就航隻数
2004年末 1,000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
-499
就航隻数
2008年末 1,000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
100
80
60
40
20
0
-20
-40
-60
-80
-100
500-
2007年始
→2008年末
年平均増減隻数
12,000-
TEU Capacity
10,000-
8000-
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
500-
-499
TEU Capacity
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
500-
100
80
60
40
20
0
-20
-40
-60
-80
-100
-499
2009年始
→2010年末
年平均増減隻数
12,000-
8000-
10,000-
TEU Capacity
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
500-
-499
TEU Capacity
TEU Capacity
図-3.3
TEU Capacity によるフルコンテナ船就航隻数の推移(2/3)
-7-
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
フルコンテナ船就航隻数
年平均増減隻数
12,000-
8000-
10,000-
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
TEU Capacity
6000-
8000-
10,000-
12,000-
6000-
8000-
10,000-
12,000-
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
-499
就航隻数
2012年末 1,000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
100
80
60
40
20
0
-20
-40
-60
-80
-100
500-
2012年始
→2012年末
年平均増減隻数
12,000-
TEU Capacity
10,000-
8000-
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
500-
-499
-499
就航隻数
2011年末 1,000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
100
80
60
40
20
0
-20
-40
-60
-80
-100
500-
2011年始
→2011年末
年平均増減隻数
12,000-
8000-
TEU Capacity
10,000-
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
500-
1000-
-499
就航隻数
2010年末 1,000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
-499
就航隻数
2013年末 1,000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
100
80
60
40
20
0
-20
-40
-60
-80
-100
500-
2013年始
→2013年末
年平均増減隻数
12,000-
TEU Capacity
10,000-
8000-
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
500-
-499
TEU Capacity
図-3.3
12,000-
8000-
10,000-
TEU Capacity
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
500-
-499
TEU Capacity
TEU Capacity によるフルコンテナ船就航隻数の推移(3/3)
-8-
図-3.4
12,000-
-9-
TEU Capacity
TEU Capacity によるフルコンテナ船就航船腹量の推移(1/3)
500-
800010,00012,00012,000-
12,000-
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
10,000-
TEU Capacity
10,000-
700
600
500
400
300
200
100
0
-100
-200
6000-
TEU Capacity
8000-
300
200
100
0
-100
-200
8000-
TEU Capacity
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
-499
300
200
100
0
-100
-200
6000-
4000-
3000-
2000-
2001年始
→2004年末
年平均増減船腹量
(’000TEU)
12,000-
10,000-
8000-
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
500-
-499
船腹量
(’000TEU)
フルコンテナ船就航船腹量
1500-
TEU Capacity
1000-
1996年始
→2000年末
500-
-499
TEU Capacity
500-
-499
12,000-
1991年始
→1995年末
年平均増減船腹量
(’000TEU)
12,000-
TEU Capacity
年平均増減船腹量
(’000TEU)
2000年末 4,500
4,000
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
10,000-
8000-
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
500-
-499
船腹量
(’000TEU)
1995年末 2,000
1,500
1,000
500
0
10,000-
8000-
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
500-
-499
船腹量
(’000TEU)
1990年末 2,000
1,500
1,000
500
0
10,000-
8000-
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
500-
-499
2004年末 4,500
4,000
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
船腹量
(’000TEU)
国総研資料
No.811
年平均増減船腹量
年平均増減船腹量
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
フルコンテナ船就航船腹量
8000-
10,000-
12,000-
8000-
10,000-
12,000-
船腹量
(’000TEU)
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
500-
700
600
500
400
300
200
100
0
-100
-200
-499
2010年末 4,500
4,000
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
2009年始
→2010年末
年平均増減船腹量
(’000TEU)
12,000-
10,000-
8000-
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
500-
-499
TEU Capacity
TEU Capacity
12,000-
10,000-
8000-
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
500-
-499
TEU Capacity
TEU Capacity
図-3.4 TEU Capacity によるフルコンテナ船就航船腹量の推移(2/3)
- 10 -
12,000-
8000-
60006000-
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
-499
船腹量
(’000TEU)
2008年末 4,500
4,000
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
700
600
500
400
300
200
100
0
-100
-200
500-
2007年始
→2008年末
TEU Capacity
年平均増減船腹量
(’000TEU)
12,000-
8000-
10,000-
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
500-
1000-
-499
TEU Capacity
10,000-
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
500-
-499
船腹量
(’000TEU)
2006年末 4,500
4,000
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
700
600
500
400
300
200
100
0
-100
-200
1000-
2005年始
→2006年末
年平均増減船腹量
(’000TEU)
年平均増減船腹量
国総研資料
No.811
フルコンテナ船就航船腹量
6000-
8000-
10,000-
12,000-
8000-
10,000-
12,000-
8000-
10,000-
12,000-
4000-
60006000-
3000-
2000-
1500-
4000-
3000-
1500-
2000-
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
500-
700
600
500
400
300
200
100
0
-100
-200
-499
5,000
4,500
4,000
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
2013年始
→2013年末
年平均増減船腹量
(’000TEU)
12,000-
10,000-
8000-
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
500-
-499
TEU Capacity
TEU Capacity
12,000-
10,000-
8000-
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
1000-
500-
TEU Capacity
-499
船腹量
(’000TEU)
1000-
船腹量
(’000TEU)
-499
2012年末 5,000
4,500
4,000
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
700
600
500
400
300
200
100
0
-100
-200
500-
2012年始
→2012年末
年平均増減船腹量
(’000TEU)
12,000-
8000-
10,000-
6000-
4000-
3000-
2000-
1500-
500-
1000-
-499
TEU Capacity
TEU Capacity
2013年末
500-
-499
船腹量
(’000TEU)
2011年末 4,500
4,000
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
700
600
500
400
300
200
100
0
-100
-200
1000-
2011年始
→2011年末
年平均増減船腹量
(’000TEU)
年平均増減船腹量
TEU Capacity
図-3.4
TEU Capacity によるフルコンテナ船就航船腹量の推移(3/3)
- 11 -
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
3.4 建造年別の船型分析
の内数である.
Lloyd’s 船舶諸元データを元に,2013 年末時点で世界に
2013 年をみると北米-東アジア航路においては,就航
就航している船の積載能力(TEU Capacity)を,建造年
隻数は 2004 年,2008 年に引き続きパナマックス船を含
別に散布図として整理したものが図-3.5 である.マーカ
む 4,000~5,999TEU の船舶が最も多いが,2012 年 7)と比
ー1つが船舶 1 隻を表す.
較して 8,000~9,999TEU の船舶が約 30 隻増加している.
2013 年には 2012 年新造最大船 16,000TEU 級を超える
欧州-東アジア航路は 8,000~9,999TEU,12,000TEU 以
18,000TEU 級の船舶が建造された.10 年程前に 8~9 千
上の大型船舶の就航が多く全隻数の約6割を占め,他の
TEU クラスが最大船だったことと比較すると,最大船型
航路よりも平均船型も大きい.12,000TEU 以上の船舶は
の大型化は 2 倍近くまで進んでいることが分かる.また
2012 年から約 30 隻増加している.
東アジア域内航路では,2012 年から 2013 年にかけて
一方で TEU Capacity の小さい船舶も引き続き建造されて
500TEU よ り 小 さ い 船 舶 が 減 少 し て い る な か で
いる.
1,000~1,499TEU,2,000~2,999TEU クラスの船舶の隻数が
増え,平均船型も増加した.2004 年と比較すると最大船
3.5 航路別の隻数・総船腹量
型は 2,000~2,999TEU から 4,000~5,999TEU へと大きくな
3.1 に示す方法にて, Lloyd’s データと MDS データを
用いて 2013 年と 2008 年と 2004 年の航路別の船型分布に
っている.
ついて分析した.船型(TEU Capacity 区分)別に就航隻
いずれの航路も平均船型は年々増加しており,各年間
数と総船腹量を整理したものを表-3.2(2013),表-3.3
の伸び率(2004 年から 2008 年,2008 年から 2013 年)は
(2008)及び表-3.4(2004)に示す.また,航路毎に全
北米-東アジア航路が 1.2,1.2,欧州-東アジア航路が
就航隻数を 100 として船型(TEU Capacity 区分)別の船
1.3,1.5,東アジア域内航路が 1.2,1.4 と平均船型の大型
舶隻数が占める割合を,図-3.6(2013),図-3.7(2008)
化が進んでいる.
及び図-3.8(2004)に表し,同様の整理を総船腹量につ
南北航路は 2013 年のデータにおいて,4,000~5,999TEU
いて行ったものが図-3.9(2013),図-3.10(2008)及び
の船舶隻数が最多である一方でそれ以上の規模,
図-3.11(2008)である.
10,000TEU 超える船舶も就航していることが確認された.
2008 年までは 4,000~5,999TEU 以下が主流であった状況
航路は「北米-東アジア航路」「欧州-東アジア航路」
「東アジア域内航路」のほか「南北航路」
「日本-中国航
と比較すると,近年急速に船舶が大型化している航路で
路」
「日本-韓国航路」の3航路についての分析結果も参
あるといえる.
考掲載する.この「南北航路」とは,東アジア地域及び
日本-中国航路,日本-韓国航路もこの約 10 年間で就
南米,アフリカ,オセアニア,中東,南アジアのいずれ
航船舶の船型が大型化傾向にあり, 2013 年時点で日本
か1地域以上への寄港がある航路を示す.
「日本-中国航
-中国航路では 2,000~2,999TEU の船舶が数隻就航して
路」「日本-韓国航路」はどちらも「東アジア域内航路」
いる.
20,000
18,000
16,000
TEU Capacity
14,000
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
1968
1971
1975
1978
1982
1985
1989
1992
1995
1999
2002
建造年
図-3.5
建造年別のフルコンテナ船船型分布
- 12 -
2006
2009
2013
国総研資料
表-3.2
2013
TEU
Capacity
-499
5001,0001,5002,0003,0004,0006,0008,00010,00012,000計
平均船型
(TEU)
2008
-499
5001,0001,5002,0003,0004,0006,0008,00010,00012,000計
平均船型
(TEU)
隻数
船腹量
('000TEU)
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
9
31
60
320
76
520
132
1,126
33
351
133
1,801
443
4,149
9,366
隻数
船腹量
('000TEU)
0
0
0
0
3
4
7
12
8
19
16
57
274
1,323
92
615
102
875
8
87
2
25
512
3,017
5,892
2004
-499
5001,0001,5002,0003,0004,0006,0008,00010,00012,000計
平均船型
(TEU)
船腹量
('000TEU)
隻数
76
25
210
157
244
282
154
261
106
276
20
67
45
208
0
0
0
0
0
0
0
0
855
1,276
1,493
隻数
船腹量
('000TEU)
0
0
0
0
0
0
2
4
43
120
61
214
162
816
131
891
130
1,120
4
40
8
100
541
3,305
6,109
隻数
船腹量
('000TEU)
0
0
0
0
0
0
15
25
29
78
60
209
317
1,560
56
383
17
140
0
0
0
0
494
2,396
4,849
船腹量
('000TEU)
隻数
136
210
197
104
26
8
7
0
0
0
0
688
1,058
45
153
230
174
66
29
31
0
0
0
0
728
船腹量
('000TEU)
0
0
0
0
2
3
6
10
67
173
64
221
180
939
92
621
4
32
0
0
0
0
415
1,998
4,815
隻数
船腹量
('000TEU)
0
0
3
2
6
7
22
36
90
232
111
385
248
1,175
31
210
4
33
0
0
0
0
515
2,080
4,038
隻数
船腹量
('000TEU)
6
42
20
2
4
0
0
0
0
0
0
74
951
2
32
22
3
11
0
0
0
0
0
0
70
日本-韓国航路
隻数
17
18
7
0
0
0
0
0
0
0
0
42
610
船腹量
('000TEU)
5
13
7
0
0
0
0
0
0
0
0
26
南北航路
隻数
船腹量
('000TEU)
0
0
16
13
22
26
54
93
141
363
78
271
293
1,396
91
602
50
438
4
43
7
95
756
3,340
4,417
日本 - 中国航路
隻数
船腹量
('000TEU)
23
58
13
0
0
0
0
0
0
0
0
94
681
9
41
14
0
0
0
0
0
0
0
0
64
日本-韓国航路
隻数
23
12
0
0
0
0
0
0
0
0
0
35
421
船腹量
('000TEU)
7
8
0
0
0
0
0
0
0
0
0
15
南北航路
隻数
船腹量
('000TEU)
3
1
18
14
50
63
127
216
235
590
112
382
67
303
1
6
0
0
0
0
0
0
613
1,574
2,568
航路別船型分布(2004)
欧州-東アジア航路 北米-東アジア航路 東アジア域内航路
隻数
日本 - 中国航路
航路別船型分布(2008)
欧州-東アジア航路 北米-東アジア航路 東アジア域内航路
表-3.4
TEU
Capacity
航路別船型分布(2013)
欧州-東アジア航路 北米-東アジア航路 東アジア域内航路
表-3.3
TEU
Capacity
No.811
船腹量
('000TEU)
隻数
139
189
171
49
12
0
0
0
0
0
0
560
881
47
134
200
83
29
0
0
0
0
0
0
493
- 13 -
日本 - 中国航路
隻数
28
53
6
0
0
0
0
0
0
0
0
87
622
船腹量
('000TEU)
10
37
7
0
0
0
0
0
0
0
0
54
日本-韓国航路
隻数
24
12
0
0
0
0
0
0
0
0
0
36
417
船腹量
('000TEU)
7
8
0
0
0
0
0
0
0
0
0
15
南北航路
隻数
船腹量
('000TEU)
2
1
31
23
58
73
135
227
139
345
29
98
5
24
0
0
0
0
0
0
0
0
399
790
1,980
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
2,0001,5001,000-
500-
-499
0%
1,000-
20%
40%
12,000-
欧州-東アジア
8,000-
8,000-
2,000-
東アジア域内
6,000-
4,000-
1,50060%
80%
100%
航路別 船型(TEU Capacity)別 隻数シェア
図-3.6
5000%
1,00020%
500-499.00
6,000-
8,000-
8,000-
12,000-
10,000-
1,500-
4,000-
2,000-
40%
60%
80%
100%
航路別 船型(TEU Capacity)別 船腹量シェア
2,0001,5001,000-
500-499.00
4,000-
3,000-
500-
-499
6,000-
6,000-
4,000-
12,00010,0008,000-
8,000-
1,000-
3,000-
3,000-
東アジア域内
北米-東アジア
欧州-東アジア
6,0004,0003,000-
2,000- 3,000-
1,500-
20%
40%
60%
80%
100%
航路別 船型(TEU Capacity)別 隻数シェア
6,0004,0003,000-
500-
-499
500-499.00
6,000-
6,000-
8,000-
1,000-
20%
図-3.10
2,0001,5001,000-
4,000-
4,000-
0%
0%
図-3.7
2,0001,5001,000-
(2013)
12,00010,0008,000-
東アジア域内
6,000-
4,000-
図-3.9
(2013)
2,000-
6,0004,0003,000-
4,000-
北米-東アジア
東アジア域内
6,000-
欧州-東アジア
欧州-東アジア
4,000-
12,00010,0008,000-
500-499.00
北米-東アジア
6,0004,0003,000-
北米-東アジア
12,00010,0008,000-
40%
1,50060%
2,000-
80%
100%
航路別 船型(TEU Capacity)別 船腹量シェア
(2008)
(2008)
図-3.8
4,000-
3,000-
50020%
6,000-
40%
6,000-
1,00060%
1,500-
80%
100
航路別 船型(TEU Capacity)別 隻数シェア
北米-東アジア
4,000-
3,000-
12,00010,0008,000-
500-499
2,000-
欧州-東アジア
-499
2,0001,5001,000-
2,000-
東アジア域内
2,000-
0%
6,0004,0003,000-
2,000-
欧州-東アジア
1,500-
東アジア域内
北米-東アジア
12,00010,0008,000-
-499
0%
図-3.11
(2004)
(2004)
- 14 -
6,0004,0003,000-
3,000-
2,0001,5001,000-
4,000-
4,000-
3,000-
50020%
500-499 6,000-
1,00040%
6,000-
60%
1,50080%
航路別 船型(TEU Capacity)別 船腹量シェア
2,000-
100%
国総研資料
4.フルコンテナ船の寄港分析
No.811
(1) 全フルコンテナ船の寄港回数
2013 年のフルコンテナ船の寄港回数を国別に集計し,
上位 100 か国の順に並べ替えたものを次ページ以降に示
4.1 分析手法
す(表-4.1).表内には 2012 年から 2013 年にかけての増
3.1 と同様に,Lloyd’s データよる寄港実績/船舶諸元
情報及び,航路の就航状況を調べるために MDS データを
減率も掲載している.
用いて,世界に就航するフルコンテナ船の寄港実績につ
1 位中国,2 位日本,3 位韓国,4 位米国まで 2012 年か
いて分析した.ここでも,セミコンテナ船は,コンテナ
ら 2013 年にかけて順位の変動はなかった.1 位の中国の
以外の積み卸しのための寄港が含まれてしまうという点
寄港回数は,2012 年まで著しく伸び続けてきたが 2013
から対象とせず,フルコンテナ船のみを取り扱っている.
年は前年を下回る結果となり,2013 年の対前年の伸び率
寄港実績(回数)は,Lloyd’s データの寄港地への入港日
は-2.8%と減少した.上位の国では 8 位の香港も,前年よ
(Arrival Date)をカウントして求めた.また,データ内
りも寄港回数が減少し伸び率は-15.0%であった.
100 位までの国々では,アフリカ地域,中東地域,東
の各年は,1 月~12 月までの暦年を表す.
アジア地域などを中心とした発展途上国の伸び率がプラ
4.2 世界のフルコンテナ船の寄港回数の推移
ス傾向にある.なかでもアフリカ諸国では回数自体は多
くはないものの 2012 年から 2013 年にかけての伸び率が
全世界のフルコンテナ船の寄港回数の推移を図-4.1 に
+10%を超える国が複数ある.
示す.2013 年の総寄港回数は 444,422 回,前年比-0.6%と
他方で欧州地域を中心とした先進国の多くはマイナス
微減であった.寄港回数を就航隻数で除した一隻当たり
の平均寄港回数は 91.1 回と 2012 年と同数であった.
成長の傾向にある.
日本を含む近隣諸国について,2000 年以降の寄港回数
の推移を図-4.2 に示す.
90,000
400,000
80,000
350,000
70,000
300,000
60,000
50,000
40,000
年
図-4.1
2010
2011
2012
2013
10,000
2008
50,000
△:Korea
◇:USA
田:Hong Kong
2006
20,000
2012
2013
100,000
2000
2002
2004
2006
2008
2010
30,000
1995
150,000
○:Japan
2004
200,000
□:China
2002
250,000
■:China Total
2000
寄港回数
450,000
1990
寄港回数
4.3 国別寄港実績の分析
年
フルコンテナ船寄港回数の推移
図-4.2
- 15 -
主要国のフルコンテナ船寄港回数の推移
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
表-4.1
国別フルコンテナ船寄港回数の推移(1/2)
2013年
2012年
2011年
2010年
2009年
Rank 国等
地域 寄港回数 増減率 Rank 寄港回数 Rank 寄港回数 Rank 寄港回数 Rank 寄港回数
東ア
- 2.8%
1 China
67,300
1
69,213
1
61,794
1
43,359
2
33,209
東ア
- 0.4%
2 Japan
39,312
2
39,466
2
39,960
2
36,900
1
33,584
東ア
+ 1.1%
3 Korea
23,035
3
22,775
3
22,288
3
21,468
4
17,737
北米
- 2.9%
4 USA
20,849
4
21,476
4
22,052
4
19,668
3
18,414
東ア
+ 3.6%
5 Taiwan
16,636
8
16,061
8
16,015
7
15,978
7
14,574
東ア
- 2.6%
6 Malaysia
16,132
7
16,571
7
17,161
8
14,621
8
12,770
東ア
- 3.5%
7 Singapore
16,008
6
16,590
6
17,163
6
16,576
6
15,442
東ア
- 15.0%
8 Hong Kong
14,420
5
16,967
5
17,541
5
17,360
5
15,729
欧州
- 4.3%
9 Spain
11,818
9
12,351
9
12,470
9
11,737
9
10,758
東ア
+ 7.9% 10
10 Indonesia
10,922
10,121 17
8,224 14
8,471 14
7,757
欧州
- 3.0% 12
11 Italy
9,264
9,547 10
10,222 12
9,844 11
9,764
欧州
- 6.0% 11
12 Germany
9,114
9,697 11
9,939 13
9,161 12
9,321
南米
- 8.1% 13
13 Brazil
8,304
9,034 12
9,416 11
9,992 10
9,943
欧州
- 8.1% 14
14 Turkey
8,098
8,816 14
8,573 18
5,883 19
5,095
欧州
- 7.9% 15
15 UK
7,888
8,565 13
8,886 15
7,861 15
7,424
東ア
+ 9.5% 18
16 Thailand
7,832
7,154 19
6,950 16
7,361 17
6,072
欧州
- 6.6% 16
17 Netherlands
7,496
8,027 15
8,527 10
10,568 13
8,421
中東
- 0.7% 19
18 UAE
7,008
7,058 18
7,052 17
6,970 16
6,635
東ア
- 8.2% 17
19 Vietnam
6,944
7,566 16
8,481 24
3,855 24
3,802
中東
20 India
6,493 + 10.6% 20
5,871 23
5,469 20
4,830 20
4,694
北米
- 1.4% 21
21 Panama
5,720
5,801 22
5,506 41
1,820 27
3,009
欧州
22 Russian
5,521 + 17.7% 25
4,689 26
3,517 26
3,395 29
2,714
アフリカ
+ 2.5% 22
23 Egypt
5,341
5,209 20
5,639 21
4,673 22
4,038
欧州
+ 4.0% 24
24 France
4,976
4,785 24
4,460 22
4,403 21
4,559
欧州
- 9.0% 23
25 Belgium
4,703
5,169 21
5,552 19
5,675 18
5,358
オセアニア
- 5.9% 26
26 Australia
4,127
4,385 25
4,280 23
4,033 23
3,874
南米
+ 9.6% 27
27 Colombia
3,809
3,474 28
3,263 25
3,514 25
3,374
北米
28 Mexico
3,483 + 13.9% 29
3,057 31
2,982 31
2,705 35
2,021
アフリカ
29 Morocco
3,203 + 11.5% 30
2,873 29
3,044 34
2,310 42
1,680
東ア
30 Philippines
3,120 + 52.7% 41
2,043 54
1,234 52
1,298 40
1,751
欧州
31 Portugal
3,074 + 20.4% 34
2,553 32
2,828 30
2,714 33
2,207
アフリカ
+ 9.7% 31
32 South Africa
3,006
2,739 30
3,010 28
3,122 26
3,038
アジア
33 Sri Lanka
2,996 + 10.6% 32
2,710 34
2,632 32
2,646 28
2,989
34 New Zealand オセアニア
2,884 + 10.3% 33
2,615 35
2,611 36
2,084 32
2,216
中東
35 Saudi Arabia
2,743 + 11.1% 36
2,468 27
3,298 27
3,375 31
2,505
欧州
- 12.3% 28
36 Greece
2,691
3,070 38
2,327 38
1,948 46
1,555
中東
37 Israel
2,508 + 21.5% 40
2,064 39
2,272 37
2,083 44
1,611
欧州
- 0.1% 35
38 Sweden
2,468
2,470 36
2,529 35
2,302 39
1,806
欧州
+ 5.7% 39
39 Norway
2,183
2,066 40
2,118 46
1,556 38
1,819
中東
+ 1.8% 42
40 Oman
2,010
1,974 43
1,702 40
1,907 53
1,318
- 7.2% 38
41 Canary Islands アフリカ
1,920
2,069 37
2,373 33
2,384 34
2,044
北米
- 1.9% 43
42 Guatemala
1,880
1,916 41
1,773 43
1,650 55
1,059
南米
- 16.9% 37
43 Chile
1,874
2,255 33
2,678 29
2,752 30
2,627
北米
+ 7.6% 46
44 Canada
1,816
1,687 50
1,419 53
1,284 45
1,556
欧州
+ 6.3% 47
45 Finland
1,781
1,676 49
1,499 39
1,917 36
1,983
北米
- 6.3% 44
46 Dominican
1,726
1,842 42
1,740 45
1,587 41
1,746
欧州
47 Malta
1,716 + 21.9% 50
1,408 44
1,572 42
1,693 37
1,823
南米
48 Peru
1,644 + 34.1% 54
1,226 46
1,535 58
1,111 54
1,227
欧州
49 Poland
1,624 + 11.8% 49
1,452 53
1,245 44
1,645 51
1,365
欧州
- 7.3% 45
50 Denmark
1,584
1,709 47
1,520 50
1,371 50
1,365
- 16 -
国総研資料
表-4.1
No.811
国別フルコンテナ船寄港回数の推移(2/2)
2013年
2012年
Rank 国等
地域 寄港回数 増減率 Rank 寄港回数
北米
+ 3.4% 48
51 Jamaica
1,566
1,515
アフリカ
+ 2.0% 52
52 Algeria
1,365
1,338
南米
+ 6.5% 53
53 Argentina
1,363
1,280
南米
- 10.7% 51
54 Venezuela
1,240
1,389
中東
+ 1.7% 55
55 Pakistan
1,223
1,202
北米
+ 6.7% 59
56 Honduras
1,214
1,138
アフリカ
57 Nigeria
1,189 + 22.7% 60
969
欧州
- 9.0% 58
58 Ireland
1,058
1,162
北米
- 11.5% 56
59 Costa Rica
1,055
1,192
南米
+ 6.4% 61
1,027
965
60 Ecuador
中東
61 Bangladesh
901 + 10.3% 66
817
中東
+ 1.1% 67
62 Lebanon
807
798
欧州
- 5.3% 63
63 Cyprus
801
846
+ 2.2% 69
64 Trinidad&Tobago 北米
790
773
欧州
- 19.3% 62
65 Ukraine
732
907
南米
- 12.4% 65
66 Uruguay
731
834
中東
- 40.7% 57
67 Iran
702
1,184
アフリカ
- 8.5% 70
68 Cote d'Ivoire
697
762
欧州
- 3.8% 71
69 Lithuania
692
719
中東
- 17.9% 64
70 Qatar
686
836
欧州
+ 5.2% 72
71 Iceland
670
637
アフリカ
+ 0.8% 73
72 Ghana
612
607
アフリカ
+ 4.8% 76
73 Libya
611
583
アフリカ
- 24.5% 68
74 Angola
600
795
欧州
- 0.8% 74
75 Slovenia
593
598
欧州
+ 1.4% 78
76 Latvia
589
581
アフリカ
77 Djibouti
558 + 181.8% 115
198
北米
- 6.7% 75
78 Bahamas
554
594
中東
79 Kuwait
550 + 29.7% 82
424
欧州
- 7.4% 77
80 Romania
539
582
アフリカ
81 Congo
517 + 87.3% 103
276
アフリカ
493 + 46.3% 96
337
82 Tanzania
アフリカ
83 Togo
481 + 31.1% 91
367
北米
- 8.5% 80
84 Puerto Rico
473
517
アフリカ
85 Tunisia
467 + 12.0% 85
417
アフリカ
86 Benin
466 + 39.9% 97
333
アフリカ
+ 7.8% 82
87 Kenya
457
424
アフリカ
- 16.4% 79
88 Senegal
439
525
東ア
89 Myanmar
418 + 13.0% 90
370
中東
+ 8.7% 89
90 Jordan
414
381
欧州
- 0.7% 85
91 Croatia
414
417
中東
+ 3.3% 88
92 Yemen
407
394
アフリカ
- 8.5% 81
93 Namibia
399
436
欧州
- 6.4% 87
94 Bulgaria
380
406
東ア
+ 3.3% 93
95 Cambodia
373
361
アフリカ
+ 6.6% 95
96 Mozambique
371
348
欧州
- 13.3% 84
97 Estonia
364
420
中東
- 1.6% 91
98 Iraq
361
367
オセアニア
99 Fiji
352 + 18.9% 99
296
北米
332 + 14.1% 100
291
100 El Salvador
- 17 -
2011年
Rank 寄港回数
51
1,404
65
841
52
1,364
45
1,555
48
1,513
57
1,206
61
961
55
1,224
58
1,149
59
996
62
941
60
995
64
901
66
798
67
792
63
924
56
1,207
72
587
74
567
73
578
81
509
68
722
117
125
76
546
70
629
83
452
122
108
78
534
69
674
71
613
86
415
91
349
89
366
75
552
82
487
98
323
84
451
79
531
93
341
87
410
94
337
80
523
96
333
92
342
88
369
85
449
97
328
90
359
103
277
100
299
2010年
Rank 寄港回数
49
1,413
59
1,045
48
1,478
55
1,196
47
1,512
57
1,155
63
931
51
1,326
56
1,190
65
924
64
927
60
1,001
62
944
70
695
76
577
66
839
54
1,211
61
977
75
581
79
506
108
232
67
839
101
281
96
302
73
622
86
411
89
375
69
704
68
755
74
592
88
389
106
240
84
455
81
476
78
518
97
298
82
465
77
556
104
267
83
458
90
350
71
687
91
341
102
281
85
439
87
397
99
294
80
503
93
309
113
152
2009年
Rank 寄港回数
49
1,385
57
1,024
43
1,636
48
1,422
47
1,467
58
979
68
739
52
1,353
60
889
56
1,026
61
871
59
935
64
828
66
802
75
573
62
856
67
761
69
725
73
632
84
460
103
241
74
616
110
181
118
137
81
471
86
407
78
496
63
855
70
715
72
642
105
219
106
204
83
462
82
471
76
531
90
348
80
476
77
526
107
201
79
480
91
341
71
704
101
249
97
279
85
432
87
384
95
302
92
327
100
257
99
262
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
(2) 大水深が必要なフルコンテナ船の寄港回数
ルであり,日本は 18 位であった.2 位の米国は,昨年よ
水深 16m 以深の大水深バースを必要とするフルコンテ
りも寄港が 750 回以上増加しシンガポールや香港を超え
ナ船に限定した寄港回数の推移を整理したのが,図-4.3
た.経済の持ち直しが背景にあるとみられる.
及び表-4.2 である.船舶の必要バース水深については,
基本的な考え方が,
「港湾の施設の技術上の基準・同解説」
4.4 航路別の国別寄港実績・船腹量の分析
13)
Lloyd’s データ及び MDS データを用いて,北米-東ア
において,以下に定められている. バース水深は,以
ジア航路,欧州-東アジア航路,東アジア域内航路の 3
下の式により算定することが出来る.
航路における,2013 年一年間のフルコンテナ船の国別寄
バース水深=最大喫水+余裕水深
港実績を,表-4.3 に TEU Capacity 区分別の内訳をあわせ
ここで,最大喫水とは,対象船舶の満載喫水等,運用対象条
て整理した.
件における係船状態等の静水状態の最大の喫水を表す.また,
表-4.3 より,2013 年も引き続き北米-東アジア航路
余裕水深は,一般的に最大喫水のおおむね 10%とすることが望
は 4,000~5,999TEU の船舶の投入が主力であり,欧州-
ましい.
東アジア航路では 8,000~9,999TEU または 12,000TEU 以
また,さらに詳細なコンテナターミナルのバース水深の
上の船舶が主に活用されている.東アジア域内航路の最
設定については,高橋 14)により,満載喫水に入出港喫水
大船型は 4,000~5,999TEU であった.いずれの航路も東ア
率を乗じ,さらに,大水深バースの場合切り上げではな
ジア諸国のうち最大船型の寄港数が最も多いのは中国で
く,例えば 0.2m を超えた場合に 1m 増深するとの考え方
ある.日本は東アジア域内航路における寄港回数が 3 万
が示されている.本資料では,これに従い,最大喫水を
回を超え中国よりも多い.同様に航路別の年間総船腹量
満載喫水×0.98(入出港喫水率),余裕水深を 10%とし満
(TEU Capacity×寄港回数)についても表-4.4 に取りま
載喫水 14.11m 以深のフルコンテナ船が水深 16m 以深の
とめた.日本の船腹量は,北米-東アジア航路や欧州-
バースを必要と設定した.なお,この設定,特に入出港
アジア航路に比べ東アジア域内航路が圧倒的に多い.東
喫水率については世界の各港湾の状況により異なると考
アジア域内航路での日本への寄港が最も多いのは 500~
えられるが,これを厳密に設定することは困難であるこ
999TEU の船舶である.北米-東アジア航路では,中国と
とから,本資料では一律の設定とした.
香港の 12,000TEU 以上の船腹量の利用が増えている.
2013 年の大水深バースにおける国別フルコンテナ船寄
港回数が多いのは,1 位中国,2 位米国,3 位シンガポー
14,000
■:China Total
12,000
□:China
寄港回数
10,000
8,000
6,000
◆:USA
△:Singapore
田:Hong Kong
◇:Malaysia
▲:Korea
○:Japan
4,000
2013
2012
2010
0
2008
2,000
年
図-4.3
主要国の水深 16m 以深の大水深バースを必要とするフルコンテナ船寄港回数の推移
- 18 -
国総研資料
表-4.2
No.811
水深 16m 以深の大水深バースが必要なフルコンテナ船の国別寄港回数の推移
2013年
Rank 国等
地域 寄港回数
東ア
11,354
1 China
北米
2,917
2 USA
東ア
3 Singapore
2,316
東ア
1,930
4 Hong Kong
東ア
1,802
5 Korea
東ア
1,629
6 Malaysia
欧州
7 Germany
1,233
欧州
1,158
8 Netherlands
欧州
1,082
9 Spain
南ア
1,078
10 Brazil
欧州
11 UK
977
欧州
907
12 Italy
欧州
870
13 France
中東
14 UAE
845
欧州
841
15 Belgium
東ア
798
16 Taiwan
中東
717
17 Saudi Arabia
東ア
18 Japan
709
アフリカ
540
19 Egypt
中東
479
20 Oman
北米
21 Mexico
432
アフリカ
375
22 South Africa
北米
358
23 Canada
アジア
334
24 Sri Lanka
中東
25 India
333
アフリカ
301
26 Morocco
欧州
296
27 Malta
欧州
28 Greece
256
南ア
221
29 Chile
欧州
217
30 Portugal
欧州
216
31 Russian
欧州
32 Turkey
215
北米
33 Panama
199
東ア
185
34 Vietnam
北米
182
35 Bahamas
南ア
36 Argentina
156
中東
155
37 Lebanon
中東
140
38 Israel
南ア
39 Peru
138
134
40 Canary Islands アフリカ
東ア
120
41 Thailand
中東
104
42 Pakistan
南ア
43 Uruguay
96
北米
84
44 Dominican
南ア
72
45 Colombia
欧州
46 Sweden
68
欧州
53
47 Poland
欧州
52
48 Denmark
アフリカ
50
49 Djibouti
欧州
50 Ukraine
47
2012年
2010年
2008年
増減率 Rank 寄港回数 Rank 寄港回数 Rank 寄港回数
+ 0.3%
1
11,325
1
6,692
1
4,583
+ 35.1%
4
2,159
4
1,477
7
849
+ 2.3%
3
2,263
3
1,636
3
1,386
- 18.1%
2
2,356
2
2,151
2
1,741
+ 11.4%
6
1,618
5
1,282
9
783
- 6.5%
5
1,742
6
1,276
5
937
- 11.3%
7
1,390
7
1,272
4
1,032
- 7.7%
8
1,255
9
1,006
6
909
+ 12.5% 10
962 12
784 10
728
+ 78.2% 18
605 19
286 30
41
- 18.0%
9
1,192
8
1,060
8
803
+ 34.0% 17
677 15
650 12
659
- 0.6% 11
875 14
715 13
554
+ 22.5% 15
690 17
472 17
280
+ 7.3% 13
784 11
799 11
677
- 1.1% 12
807 13
764 14
521
+ 5.1% 16
682 16
637 15
489
- 3.7% 14
736 10
828 16
340
+ 15.9% 19
466 18
366 19
191
+ 17.1% 20
409 20
269 22
100
+ 66.2% 26
260 31
84 25
77
+ 7.4% 21
349 23
170 31
31
+ 12.6% 22
318 29
107 26
57
+ 8.4% 23
308 22
180 20
190
+ 42.3% 27
234 40
34 34
22
+ 28.6% 28
234 26
137 35
22
+ 8.4% 24
273 21
191 18
193
- 3.0% 25
264 28
121 40
8
+ 1.4% 30
218 46
12
+ 201.4% 42
72 34
57 32
31
+ 140.0% 40
90
38
9
+ 0.5% 31
214 30
96 21
125
+ 63.1% 33
122 44
18 39
9
- 17.4% 29
224 49
7
+ 51.7% 34
120 25
146 24
81
+ 62.5% 38
96 37
43 41
8
+ 6.9% 32
145 24
152 23
85
+ 438.5% 51
26 50
6
+ 43.8% 37
96 53
4
+ 27.6% 35
105 27
122 36
17
+ 33.3% 41
90 43
31 33
25
+ 73.3% 45
60 47
10 46
3
+ 43.3% 43
67 45
15
+ 281.8% 52
22 56
1 42
6
+ 350.0% 54
16
- 25.3% 39
91 36
48 28
42
- 5.4% 46
56 35
51
- 3.7% 47
54 39
37 27
48
+ 284.6% 55
13 51
5
- 54.4% 36
103 33
75 49
1
- 19 -
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
表-4.3
航路別-TEU Capacity 区分別フルコンテナ船国別寄港回数(2013)
(回)
航 地
路 域
北
米
北
米
|
東
ア 東
ジ ア
ア ジ
ア
欧
州
欧
州
|
東
ア
ジ
ア 東
ア
ジ
ア
東
ア
ジ
ア
域
内
東
ア
ジ
ア
国等
計
-499
USA
Canada
Mexico
Panama
Japan
China
Hong Kong
Taiwan
Korea
Singapore
Malaysia
UK
Germany
Netherlands
Belgium
France
Spain
Italy
Japan
China
Hong Kong
Taiwan
Korea
Singapore
Malaysia
Japan
China
Hong Kong
Taiwan
Korea
Singapore
Philippines
Thailand
Malaysia
Indonesia
Vietnam
7,769
968
228
1,073
2,491
9,456
1,798
1,505
2,606
1,049
533
846
1,190
1,014
670
736
935
1,005
517
9,307
1,559
492
1,118
2,301
1,821
30,395
28,266
7,372
10,594
13,115
5,772
2,198
5,738
6,588
6,728
4,993
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
5,630
1,544
16
437
2,513
204
1
6
608
988
164
500-
1,000-
1,500-
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
11,074
7,536
1,100
1,399
4,709
767
321
132
958
2,079
1,246
15
0
0
0
0
35
0
16
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
7,456
6,901
2,261
4,057
2,899
1,962
887
3,134
2,309
1,654
2,059
34
0
0
0
0
102
1
34
0
1
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2,786
4,924
2,072
3,361
1,590
1,153
473
2,018
1,127
1,177
1,217
- 20 -
TEU Capacity
2,000- 3,000- 4,000-
173
25
0
0
124
202
0
0
30
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2,497
3,870
1,259
1,164
1,159
1,047
399
346
1,225
588
265
223
20
1
24
267
246
8
18
129
22
13
5
6
0
6
0
0
0
0
181
2
0
5
0
74
31
1,057
185
33
160
174
71
78
74
137
0
4,652
516
151
1,041
1,727
4,727
853
722
1,405
382
212
4
4
1
4
4
72
292
108
1,148
206
112
139
259
268
921
2,434
479
143
85
465
46
24
287
105
42
6,000-
8,000-
1,257
158
61
0
169
1,563
452
378
479
296
192
95
154
61
36
80
255
279
122
1,357
296
124
178
333
373
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1,286
243
15
8
204
2,222
426
326
506
337
106
352
432
356
235
218
246
212
284
2,569
532
241
229
689
507
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
10,000- 12,000-
100
6
0
0
0
260
40
11
55
10
9
115
180
131
87
69
38
20
0
773
115
14
63
251
138
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
29
0
0
0
0
99
18
0
1
1
0
275
414
465
302
365
324
202
3
3,279
408
1
504
769
461
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
国総研資料
表-4.4
No.811
航路別-TEU Capacity 区分別フルコンテナ船船腹量(2013)
('000TEU)
航 地
路 域
北
米
北
米
|
東
ア 東
ジ ア
ア ジ
ア
欧
州
欧
州
|
東
ア
ジ
ア 東
ア
ジ
ア
東
ア
ジ
ア
域
内
東
ア
ジ
ア
国等
計
-499
USA
Canada
Mexico
Panama
Japan
China
Hong Kong
Taiwan
Korea
Singapore
Malaysia
UK
Germany
Netherlands
Belgium
France
Spain
Italy
Japan
China
Hong Kong
Taiwan
Korea
Singapore
Malaysia
Japan
China
Hong Kong
Taiwan
Korea
Singapore
Philippines
Thailand
Malaysia
Indonesia
Vietnam
44,190
5,968
1,253
4,930
12,369
58,330
11,563
9,154
15,429
6,998
3,445
8,610
12,505
11,253
7,275
8,079
8,994
8,235
3,897
90,343
14,413
3,656
11,442
22,489
16,278
34,074
47,794
13,047
15,210
14,254
10,441
3,521
8,483
10,310
8,276
6,219
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1,800
554
5
182
757
77
0
2
215
336
64
500-
1,000-
1,500-
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
8,418
5,850
811
1,025
3,660
595
249
111
642
1,426
902
18
0
0
0
0
41
0
19
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
8,280
7,859
2,609
4,684
3,165
2,336
1,005
3,697
2,727
2,030
2,374
56
0
0
0
0
169
2
56
0
2
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
4,700
8,244
3,515
5,587
2,700
1,992
811
3,414
1,943
2,028
2,055
注) TEU Capacityが不明の船舶は除く
- 21 -
TEU Capacity
2,000- 3,000- 4,000-
6,000-
8,000-
411
54
0
0
269
507
0
0
65
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
6,538
10,246
3,298
2,975
3,062
2,727
1,012
884
3,233
1,517
645
8,329
1,068
389
0
1,112
10,435
3,025
2,535
3,169
1,960
1,281
674
1,092
435
258
551
1,735
1,883
856
9,316
2,037
858
1,208
2,277
2,520
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
11,004
2,065
129
70
1,758
19,151
3,576
2,729
4,482
2,833
911
3,007
3,689
3,043
2,001
1,858
2,119
1,821
2,437
21,911
4,515
2,027
1,936
5,881
4,299
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
802
79
4
80
919
903
28
64
477
79
47
17
21
0
21
0
0
0
0
628
7
0
19
0
258
94
3,574
621
115
543
595
248
256
252
477
0
22,107
2,641
731
4,781
8,312
22,972
4,264
3,640
6,664
2,008
1,110
21
21
6
21
23
405
1,606
565
6,126
1,125
615
716
1,403
1,393
4,246
11,466
2,187
642
365
2,120
197
119
1,296
461
179
10,000- 12,000-
1,092
60
0
0
0
2,885
440
111
558
105
94
1,231
1,944
1,394
936
767
393
201
0
8,205
1,189
143
700
2,683
1,518
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
371
0
0
0
0
1,266
229
0
12
12
0
3,660
5,738
6,375
4,040
4,880
4,343
2,724
39
44,157
5,541
13
6,864
10,246
6,291
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
4.5 港湾別寄港実績の分析
いるのが目立っている.
(1) 全フルコンテナ船の寄港回数
(2) 大水深が必要なフルコンテナ船の寄港回数
2013 年におけるフルコンテナ船の寄港回数を港湾別に
水深 16m 以深の大水深バースを必要とするフルコンテ
集計し,上位 150 か国の順に並べ替えたものを次ページ
ナ船の港湾別の寄港回数の推移を整理したのが,表-4.8
以降の表-4.7 に示す.そのうち,上位 5 港及び日本国内
である.4.3 と同様に,満載喫水 14.11m 以深のフルコン
五大港についてまとめたものが表-4.5 である.
テナ船が水深 16m 以深のバースを必要と設定した.
2012 年から 2013 年にかけては、2012 年に 1 位であっ
日本の港湾は,2013 年は横浜港が 54 位であり,やや
た Hong Kong 港の寄港回数が 2,000 回以上減少し,
減少傾向にある.
Singapore が 1 位となった.続いて 2 位 Shanghai,3 位 Hong
2013 年の上位 6 港湾について表-4.6 に示すが,うち,
Kong,4 位の Busan となっているが Shanghai も 1,000 回
2 位の Singapore,4 位の Hong Kong を除く 4 港が中国港
以上寄港回数が減少した.日本国内五大港である横浜港,
湾であり,2012 年から 2013 年にかけて寄港数が増加し
東京港,名古屋港,神戸港,大阪港は寄港回数,順位と
ているのは 5 位の Qingdao と 6 位の Yantian であった.表
も前年と比較して横ばい傾向である.
よりこれら 6 港は,東アジア域内において欧州航路の寄
港数が多い港であることが分かる.
図 -4.4 に 主 要 港 湾 の 寄 港 回 数 の 推 移 を 示 す が ,
Shanghai の伸びが 2012 年から 2013 年にかけて減少して
表-4.5
また図-4.5 に主要港湾における寄港回数の推移を示す.
主要港湾のフルコンテナ船寄港回数上位 5 港及
表-4.6
とするフルコンテナ船寄港回数上位 6 港
び日本国内五大港
Rank 港湾
1 Singapore
2 Shanghai
3 Hong Kong
4 Busan
5 Qingdao
12 Tokyo
13 Yokohama
18 Nagoya
19 Kobe
24 Osaka
2013年
国等
Singapore
China
China
Korea
China
Japan
Japan
Japan
Japan
Japan
寄港回数
16,008
14,797
14,420
13,878
8,768
5,144
5,097
4,380
4,270
3,758
2012年
Rank 寄港回数
2 16,590
3 15,920
1 16,967
4 13,753
7
7,896
12
5,307
11
5,362
18
4,490
22
4,263
23
3,722
2012年→2013年
増減数 増減率
-582 -3.5%
-1,123 -7.1%
-2,547 -15.0%
125 +0.9%
872 +11.0%
-163 -3.1%
-265 -4.9%
-110 -2.4%
7 +0.2%
36 +1.0%
2013年
Rank
1
2
3
4
5
6
港湾
国等
China
Shanghai
Singapore Singapore
China
Ningbo
Hong Kong China
China
Qingdao
China
Yantian
寄港回数
2,423
2,316
1,975
1,930
1,437
1,375
2012年から 欧州-東アジア
※
の増減数 航路寄港回数
-277
+53
+33
-426
+279
+280
3,000
寄港回数
◇Hong Kong
◆:Shanghai
□:Singapore
△:Busan
15,000
10,000
▽Kaohsiung
▲Rotterdam
5,000
2,500
◆:Shanghai
□:Singapore
2,000
■:Port Klang
◇:Hong Kong
1,500
△:Busan
1,000
田:Ningbo
○:Yokohama
○:Kaohsiung
500
田:New York
▽:Yokohama
2013
2012
年
年
図-4.4
2010
2008
2010
2011
2012
2013
2008
2006
2004
2002
0
2000
0
2,069
2,301
1,842
1,559
1,157
1,210
※ 表-4.9より抜粋.水深16m以深の大水深バースが必要なフルコンテ
ナ船以外の寄港も含む.
20,000
寄港回数
主要港湾の水深 16m 以深の大水深バースを必要
主要港湾のフルコンテナ船寄港回数
図-4.5
主要港湾の水深 16m 以深の大水深バースを必要
とするフルコンテナ船寄港回数の推移
- 22 -
国総研資料
表-4.7
No.811
港湾別フルコンテナ船寄港回数の推移(1/3)
2013年
国等
2012年
2011年
Rank 港湾
寄港回数 Rank 寄港回数 Rank 寄港回数
1 Singapore
2
2
Singapore
16,008
16,590
17,162
2 Shanghai
3
3
China
14,797
15,920
14,911
3 Hong Kong
1
1
China
14,420
16,967
17,541
4 Busan
4
4
Korea
13,878
13,753
13,715
5 Qingdao
7
9
China
8,768
7,896
7,559
6 Ningbo
5
6
China
8,611
8,049
9,028
7 Kaohsiung
8
8
Taiwan
8,277
7,847
8,012
8 Port Klang
6
5
Malaysia
7,803
7,915
9,088
Netherlands
9 Rotterdam
9
7
7,167
7,734
8,209
10 Chiwan
10
11
China
5,542
5,536
5,633
11 Laem Chabang
14
18
Thailand
5,354
4,916
4,545
12 Tokyo
12
12
Japan
5,144
5,307
5,381
13 Yokohama
11
10
Japan
5,097
5,362
5,688
14 Jebel Ali
15
14
UAE
4,884
4,853
5,027
15 Hamburg
13
13
Germany
4,755
4,985
5,240
16 Tanjung Pelepas
16
16
Malaysia
4,590
4,829
4,578
17 Xiamen
17
20
China
4,465
4,548
4,466
18 Nagoya
18
15
Japan
4,380
4,490
4,671
19 Kobe
22
19
Japan
4,270
4,263
4,504
20 Antwerp
20
17
Belgium
4,034
4,401
4,578
21 Bremerhaven
19
21
Germany
3,981
4,412
4,179
22 Xingang
21
23
China
3,878
4,269
3,984
23 Jakarta
26
30
Indonesia
3,858
3,464
3,133
24 Osaka
23
25
Japan
3,758
3,722
3,753
25 Gwangyang
24
27
Korea
3,658
3,592
3,470
26 Yantian
30
22
China
3,609
3,206
4,024
27 Keelung
27
26
Taiwan
3,369
3,430
3,674
28 Taichung
29
28
Taiwan
3,254
3,242
3,237
29 Valencia
28
31
Spain
3,218
3,363
3,020
30 Ho Chi Minh City
25
29
Vietnam
3,187
3,515
3,168
31 Colombo
33
33
Sri Lanka
2,996
2,710
2,632
32 Algeciras
31
32
Spain
2,983
2,981
2,973
33 Haiphong
34
24
Vietnam
2,659
2,704
3,827
34 Surabaya
35
46
Indonesia
2,593
2,657
2,050
35 Coco Solo
36
39
Panama
2,527
2,536
2,358
36 Nansha
37
China
2,526
2,388
227
37 Dalian
32
China
2,477
2,965
91
38 Port Said
41
36
Egypt
2,371
2,233
2,536
39 Balboa
39
41
Panama
2,346
2,367
2,307
40 Le Havre
46
44
France
2,316
2,042
2,096
41 Ambarli
40
40
Turkey
2,303
2,277
2,317
42 Incheon
44
51
Korea
2,269
2,161
1,932
43 New York
45
37
USA
2,211
2,149
2,434
44 Santos
38
34
Brazil
2,132
2,385
2,607
45 Piraeus
43
55
Greece
2,123
2,176
1,690
46 Manila
73
Philippines
2,121
1,303 125
773
47 Bangkok
49
50
Thailand
2,116
1,924
1,978
48 Felixstowe
42
38
UK
2,092
2,224
2,378
49 Cartagena(COL)
52
48
Colombia
2,037
1,880
2,021
50 Hakata
47
43
Japan
2,029
2,025
2,184
注) 「 - 」は,当該年のRankが201位以下であることを示す.
- 23 -
2010年
2009年
Rank 寄港回数 Rank 寄港回数
2
2 15,441
16,576
3
3 11,462
13,132
1
1 15,729
17,360
4
4 10,945
12,922
8
12
5,551
4,590
10
19
5,315
3,501
7
6
8,227
7,783
6
7
9,057
7,348
5
5
10,248
8,000
27
88
3,034
896
14
16
4,749
3,819
11
11
5,166
4,816
9
9
5,458
5,016
13
10
4,876
4,831
12
8
5,025
5,175
30
34
2,578
2,104
23
33
3,257
2,216
16
14
4,305
4,049
18
15
4,123
4,001
15
13
4,382
4,155
20
17
3,654
3,766
71
1,166 117
700
24
24
3,209
2,894
21
20
3,535
3,366
25
25
3,195
2,733
19
18
3,768
3,648
17
21
4,127
3,282
26
26
3,114
2,623
22
22
3,329
3,020
47
35
1,790
2,058
29
23
2,644
2,988
37
40
2,230
1,873
48
46
1,744
1,685
41
43
1,954
1,794
137
616
361
249
332
119
55
749
1,470
28
30
2,901
2,304
164
509 147
559
35
32
2,249
2,284
51
59
1,654
1,341
42
48
1,947
1,650
33
28
2,499
2,397
32
27
2,507
2,535
67
92
1,221
865
97
78
920
970
39
39
1,980
1,911
34
29
2,291
2,375
43
37
1,933
1,989
45
53
1,848
1,539
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
表-4.7
港湾別フルコンテナ船寄港回数の推移(2/3)
2013年
2012年
2011年
Rank 港湾
国等
寄港回数 Rank 寄港回数 Rank 寄港回数
51 Tangier-Mediterranee Morocco
53
52
2,020
1,825
1,916
Saudi Arabia
52 Jeddah
51
35
1,994
1,913
2,561
53 Barcelona
48
42
Spain
1,950
2,009
2,219
54 Kitakyushu
55
49
Japan
1,833
1,801
1,996
55 Oakland
56
45
USA
1,754
1,765
2,077
56 Savannah
50
47
USA
1,747
1,916
2,022
57 Ulsan
57
54
Korea
1,745
1,739
1,743
58 St. Petersburg
60
64
Russia
1,740
1,668
1,418
59 Marsaxlokk
68
58
Malta
1,699
1,366
1,521
60 Norfolk(USA)
54
59
USA
1,661
1,815
1,511
61 Jawaharlal Nehru India
59
53
1,651
1,688
1,890
62 Genoa
58
56
Italy
1,558
1,715
1,654
63 Kingston(JAM)
61
65
Jamaica
1,545
1,489
1,393
64 Los Angeles
63
62
USA
1,504
1,416
1,439
65 Mersin
62
69
Turkey
1,461
1,420
1,342
66 Salalah
64
68
Oman
1,444
1,411
1,360
67 Callao
83
63
Peru
1,431
1,181
1,421
68 Haifa
74
87
Israel
1,430
1,302
1,048
69 Taipei
66
Taiwan
1,390
1,395 106
885
70 Port Everglades
71
81
USA
1,390
1,314
1,156
71 Gioia Tauro
76
71
Italy
1,381
1,277
1,324
72 Charleston
67
74
USA
1,349
1,370
1,290
73 Mundra
87
India
1,292
1,071 136
679
74 Fuzhou
69
77
China
1,286
1,355
1,216
75 Manzanillo(MEX)
75
73
Mexico
1,264
1,278
1,310
76 Miami
79
75
USA
1,197
1,224
1,268
77 Shimizu
80
80
Japan
1,185
1,209
1,193
78 Puerto Cortes
89
82
Honduras
1,130
1,061
1,137
79 Shekou
84
67
China
1,125
1,140
1,367
80 Las Palmas
78
60
Canary Is.
1,122
1,241
1,484
81 Khor Fakkan
77
97
UAE
1,110
1,243
958
South Africa
82 Durban
90
61
1,100
1,053
1,444
83 Lianyungang
70
79
China
1,096
1,317
1,213
84 Botany Bay
86
84
Australia
1,087
1,079
1,069
85 Izmir
88
83
Turkey
1,081
1,061
1,115
85 Alexandria(EGY)
72
72
Egypt
1,076
1,308
1,312
87 Ashdod
122
78
Israel
1,074
762
1,214
88 Melbourne
82
76
Australia
1,072
1,182
1,254
89 Yantai
65
70
China
1,071
1,402
1,325
Dominican
90 Caucedo
81
91
1,067
1,188
1,000
91 Leixoes
94
86
Portugal
1,058
975
1,061
92 Penang
85
89
Malaysia
1,029
1,111
1,026
South Africa
93 Cape Town
104
1,013
882 114
834
94 Buenos Aires
97
99
Argentina
978
930
922
95 La Spezia
93
85
Italy
964
1,003
1,063
96 Brisbane
98
Australia
958
921 105
885
97 Lisbon
121
95
Portugal
950
766
972
98 Yokkaichi
100
Japan
946
912 126
741
99 Long Beach
92
66
USA
940
1,014
1,382
100 Casablanca
118
Morocco
935
776 118
814
注) 「 - 」は,当該年のRankが201位以下,または寄港回数が集計されていないことを示す.
- 24 -
2010年
Rank 寄港回数
83
1,027
31
2,577
36
2,241
38
2,040
50
1,691
46
1,838
49
1,739
56
1,470
53
1,643
78
1,057
40
1,977
54
1,603
59
1,391
58
1,401
64
1,236
57
1,439
79
1,055
75
1,081
260
94
951
60
1,322
62
1,266
17
130
658
70
1,192
95
941
63
1,245
76
1,077
44
1,872
55
1,511
66
1,224
52
1,644
159
521
74
1,108
82
1,029
68
1,219
87
1,000
72
1,114
61
1,309
96
933
80
1,039
108
842
111
834
81
1,032
73
1,110
105
857
91
976
128
667
65
1,225
101
893
2009年
Rank 寄港回数
133
633
36
2,000
31
2,285
51
1,568
42
1,821
45
1,729
54
1,474
60
1,321
44
1,748
109
761
38
1,936
52
1,556
57
1,369
56
1,408
65
1,160
90
886
66
1,146
100
812
120
680
110
759
49
1,643
61
1,304
50
345
126
656
106
780
64
1,222
83
927
41
1,854
63
1,292
69
1,105
47
1,664
162
72
1,058
58
1,343
86
906
104
790
70
1,102
84
923
71
1,065
87
902
113
736
89
894
73
1,057
80
949
105
781
91
872
115
722
74
1,054
112
740
国総研資料
表-4.7
No.811
港湾別フルコンテナ船寄港回数の推移(3/3)
2013年
国等
2012年
2011年
Rank 港湾
寄港回数 Rank 寄港回数 Rank 寄港回数
101 Fos
108
France
920
836 131
698
102 Tilbury
91
88
UK
914
1,029
1,046
103 Guayaquil
113
Ecuador
913
787 102
897
104 Portsmouth(VA USA)USA
105
899
879 141
651
105 Gothenburg
99
92
Sweden
899
916
991
106 Gdynia
123
Poland
898
760 148
633
107 Santo Tomas de Castilla Guatemala
103
887
892 110
866
108 Sines
142
Portugal
881
672 158
582
Bangladesh
109 Chittagong
119
866
776 101
902
110 Yingkou
95
China
863
959
306
111 El Dekheila
130
Egypt
855
731 144
640
112 Cristobal
102
Panama
843
895 115
825
113 Hiroshima
106
90
Japan
834
865
1,016
114 Beirut
112
93
Lebanon
804
796
988
115 Cagliari
125
130
Italy
785
745
703
116 Puerto Limon
101
Costa Rica
779
902 108
881
117 Vladivostok
137
Russia
770
695 139
658
118 Karachi
128
96
Pakistan
770
734
967
119 Zhoushan
116
China
766
780
226
120 Limassol
110
Cyprus
764
816 109
878
121 Buenaventura
132
138
Colombia
756
717
669
122 Mizushima
117
Japan
749
776 104
892
New Zealand
123 Tauranga
115
748
785 157
592
New Zealand
124 Auckland
149
733
640 129
716
125 Montevideo
109
98
Uruguay
731
834
924
126 Paranagua
129
Brazil
719
733 122
782
127 Aarhus
111
Denmark
713
802 112
847
128 Pasir Gudang
138
Malaysia
701
695 103
895
129 Leghorn
120
Italy
699
772 117
815
130 Gresik
Indonesia
698
239
2
131 Dublin
127
Ireland
697
734 111
859
132 Klaipeda
131
Lithuania
692
719 163
567
133 Nemrut Bay
152
Turkey
685
628 123
777
Ivory Coast
134 Abidjan
146
676
646 174
527
135 Damietta
145
Egypt
675
662 113
835
136 Southampton
163
U.K.
671
582 127
739
137 Rio de Janeiro
107
Brazil
671
860 107
882
138 Novorossiysk
171
Russia
671
558 182
495
139 Mawan
126
China
664
736 132
698
140 Liverpool
162
U.K.
662
588 167
546
141 Salerno
156
Italy
652
603 133
696
142 Tacoma
178
U.S.A.
652
529
412
143 Altamira
144
Mexico
647
671 128
737
144 Vostochnyy
143
Russia
645
672 190
461
145 Tees
124
UK
635
755 143
646
146 Fuqing
133
China
629
714
89
147 Da Chan Bay
182
China
622
517 155
596
148 Trieste
170
Italy
621
558 137
679
149 Makassar
140
Indonesia
616
688 198
450
150 Bilbao
154
Spain
615
619 135
685
注) 「 - 」は,当該年のRankが201位以下,または寄港回数が集計されていないことを示す.
- 25 -
2010年
Rank 寄港回数
125
687
89
992
107
844
106
852
85
1,009
113
797
126
678
172
489
99
912
28
318
146
573
103
874
88
994
120
713
102
883
149
567
90
978
124
98
917
100
898
121
706
151
549
231
109
839
77
1,072
132
637
114
786
117
756
86
1,000
144
581
165
505
112
826
116
115
775
104
859
408
177
170
494
135
620
197
438
143
585
364
142
591
43
240
169
494
191
453
138
615
2009年
Rank 寄港回数
93
859
75
1,039
85
906
97
844
129
645
152
535
312
286
98
839
10
388
173
465
119
688
82
933
96
846
123
666
175
461
79
962
40
99
825
101
803
142
599
150
539
310
94
856
68
1,118
107
775
62
1,293
108
772
76
1,013
135
632
53
121
679
369
114
733
102
798
302
19
179
446
143
580
145
566
124
664
303
168
472
21
26
183
426
199
391
137
625
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
表-4.8
水深 16m 以深の大水深バースが必要なフルコンテナ船の港湾別寄港回数の推移
2013年
Rank 港湾
国等
China
1 Shanghai
Singapore
2 Singapore
China
3 Ningbo
China
4 Hong Kong
China
5 Qingdao
China
6 Yantian
Korea
7 Busan
Netherlands
8 Rotterdam
China
9 Chiwan
Malaysia
10 Port Klang
Germany
11 Hamburg
Malaysia
12 Tanjung Pelepas
China
13 Xiamen
Saudi Arabia
14 Jeddah
France
15 Le Havre
Taiwan
16 Kaohsiung
Belgium
17 Antwerp
China
18 Nansha
UK
19 Felixstowe
UAE
20 Jebel Ali
China
21 Xingang
Oman
22 Salalah
Korea
23 Gwangyang
Spain
24 Valencia
China
25 Shekou
Egypt
26 Port Said
Germany
27 Bremerhaven
USA
28 Oakland
UK
29 Southampton
Sri Lanka
30 Colombo
Spain
31 Algeciras
Brazil
32 Santos
USA
33 Los Angeles
Italy
34 Gioia Tauro
USA
35 Long Beach
China
36 Dalian
37 Tangier-Mediterranee Morocco
Malta
38 Marsaxlokk
USA
39 Norfolk
Spain
40 Barcelona
USA
41 Savannah
UAE
42 Khor Fakkan
Belgium
43 Zeebrugge
Greece
44 Piraeus
USA
45 New York
Italy
46 La Spezia
China
47 Mawan
USA
47 Portsmouth
Portugal
49 Sines
USA
50 Charleston
Bahamas
51 Freeport
Panama
52 Balboa
France
52 Fos
Japan
54 Yokohama
Italy
55 Genoa
Japan
56 Kobe
India
57 Jawaharlal Nehru
Mexico
58 Manzanillo
Argentina
59 Buenos Aires
Vietnam
60 Phu My
Lebanon
60 Beirut
2012年
2010年
2008年
寄港回数 Rank 寄港回数 Rank 寄港回数 Rank 寄港回数
2,423
2,316
1,975
1,930
1,437
1,375
1,259
1,157
1,081
976
800
652
648
630
597
592
585
536
532
520
476
475
468
446
433
416
398
397
354
334
330
329
320
315
311
304
301
295
289
277
264
260
256
251
250
239
235
235
217
210
182
177
177
175
171
165
163
160
156
155
155
- 26 -
1
3
4
2
8
9
6
5
7
10
11
13
12
14
17
15
19
18
16
22
21
24
26
23
25
27
20
29
28
31
40
49
30
39
36
32
42
33
47
38
46
41
37
35
61
65
34
47
89
59
67
66
44
43
45
56
69
63
75
53
57
2,700
2,263
1,942
2,356
1,158
1,095
1,188
1,254
1,160
987
884
749
808
608
584
606
528
560
590
442
452
409
357
421
380
353
493
326
328
308
249
173
314
252
260
307
234
273
178
255
180
246
256
264
133
123
272
178
70
134
120
122
217
222
202
150
111
127
96
158
145
2
3
6
1
11
4
8
5
13
9
7
18
14
12
15
10
17
63
16
25
34
27
26
20
19
22
21
28
23
39
38
54
29
30
31
89
47
36
69
33
50
41
23
49
58
58
65
96
69
43
42
112
45
32
43
37
104
127
81
127
40
1,645
1,636
973
2,151
654
1,292
865
1,006
561
833
928
442
551
600
529
726
460
67
468
322
201
269
314
361
414
343
344
256
338
179
181
85
249
234
223
38
122
190
57
202
115
149
338
121
69
69
62
34
57
145
146
18
142
216
145
184
25
6
43
6
152
3
2
8
1
14
5
7
4
27
9
6
15
11
12
16
10
18
48
17
25
34
40
31
21
13
33
22
28
23
30
35
78
37
20
24
45
81
29
26
81
49
19
103
109
46
123
68
50
43
85
38
36
39
58
73
86
42
1,226
1,386
581
1,741
454
774
605
859
211
549
756
387
503
487
374
521
342
63
362
217
154
99
176
310
486
158
276
208
257
190
150
15
138
328
239
75
12
191
215
12
62
334
4
2
72
1
30
54
81
9
122
146
113
44
21
8
85
No.811
国総研資料
加している.香港は 2012 年から 2013 年にかけて北米-
4.6 航路別の港湾別寄港実績の分析
Lloyd’s データ及び MDS データを用いて,北米-東ア
東アジア航路の寄港回数が 500 回弱減少していた.
ジア航路,欧州-東アジア航路,東アジア域内航路の 3
日本の港湾への寄港は,大半が東アジア域内航路に就
航路のフルコンテナ船の港湾別寄港実績を表-4.9 にまと
航する船舶によるものであり,国内五大港全てに一定の
めた.
寄港数がある.その数は域内の他港と比べても多い方で
北米と欧州の港湾(Algeciras 港を除く)の寄港回数は
ある.2012 年から 2013 年にかけては,北米-東アジア
2012 年から 2013 年にかけて横ばいもしくはやや減少傾
航路,欧州-東アジア航路の寄港回数はやや減少傾向に
向にある.
あるが,東アジア域内航路では東京,大阪,神戸におい
東アジアの港湾では,2004 年以降 Qingdao,Ningbo,
て 100 回以上の増加がみられた.
Yantian といった中国港湾において各航路の寄港回数が増
表-4.9
航路別の港湾別フルコンテナ船寄港回数
2012年
2013年
地域 港湾
北
米
欧
州
東
ア
ジ
ア
国等
北米-
東アジア
853
415
810
航路
欧州-
東アジア
-
東アジア
域内
-
-
-
北米-
東アジア
842
455
894
2008年
航路
欧州-
東アジア
-
東アジア
域内
-
-
-
北米-
東アジア
1,247
404
1,011
航路
欧州-
東アジア
-
東アジア
域内
-
-
-
New York
Charleston
Savannah
USA
USA
USA
Seattle
Oakland
Los Angeles
Long Beach
Vancouver
USA
USA
USA
USA
Canada
Felixstowe
Hamburg
Bremerhaven
Rotterdam
Antwerp
UK
Germany
Germany
Netherlands
Belgium
-
Le Havre
Algeciras
Gioia Tauro
Tokyo
France
Spain
Italy
Japan
759
453
309
152
102
3,780
769
465
265
167
125
3,673
942
625
159
338
373
3,156
Yokohama
Nagoya
Osaka
Kobe
Qingdao
Japan
Japan
Japan
Japan
China
467
461
105
450
1,134
64
102
50
100
1,157
3,626
3,297
2,968
3,127
3,946
529
472
120
467
1,039
67
123
45
114
1,080
3,737
3,308
2,824
2,984
3,390
938
574
335
647
624
192
292
198
222
687
3,063
2,722
2,837
2,970
1,816
Shanghai
Ningbo
Xiamen
Yantian
Shekou
China
China
China
China
China
2,366
1,886
787
1,503
117
2,069
1,842
556
1,210
276
5,598
2,052
1,975
354
497
2,499
1,563
727
1,322
113
2,406
1,917
632
949
248
5,828
1,840
1,845
313
489
2,100
954
580
1,196
313
2,316
1,188
801
944
634
3,824
1,247
1,269
120
605
Hong Kong
Keelung
Kaohsiung
Busan
Gwangyang
China
Taiwan
Taiwan
Korea
Korea
1,798
154
1,210
2,172
403
1,559
8
425
815
251
7,399
2,389
4,498
7,303
2,073
2,273
158
1,292
2,083
400
1,968
12
478
846
250
7,652
2,434
4,318
7,261
1,793
2,575
270
1,515
1,931
370
3,100
61
1,019
1,032
256
7,084
2,906
2,849
5,991
1,459
Singapore
Laem Chabang
Port Klang
Tanjung Pelepas
Singapore
Thailand
Malaysia
Malaysia
1,049
186
207
322
2,301
49
1,052
768
5,652
3,550
2,356
1,737
1,058
197
143
329
2,312
23
1,111
836
5,741
3,169
2,617
1,712
831
199
291
219
3,222
74
1,379
629
5,849
1,607
2,525
643
Jakarta
Indonesia
8
6
2,743
13
0
2,167
4
27
1,613
395
1,110
966
651
421
491
766
380
1,013
392
471
1,117
965
672
374
-
-
- 27 -
596
918
443
1,203
463
-
456
1,293
1,090
879
570
-
421
1,148
349
1,257
576
-
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
5.アメリカ-東アジア間のコンテナ流動分析
該国で積み替えたもののことをいう.以上の概念を図
-5.1 に表すが,西航の場合も考え方は同じである.
5.1 分析手法
表-5.1 及び表-5.2 では,国別に,「直行」欄に直行コ
アメリカ-東アジア間のコンテナ流動の輸送経路につ
ンテナ,
「海外フィーダー」欄に経由国別のフィーダーコ
ンテナ,「他国発 T/S」欄にトランシップコンテナの量を
いて,PIERS データを用いて分析した.
PIERS では,一部カナダの港湾の取扱貨物が計上され
表した.直行コンテナとフィーダーコンテナの合計が,
ているが,本資料においては,アメリカの港湾での取扱
自国発着コンテナ量(表中の「自国発着計」)となる.つ
貨物に限定した.また,アメリカ自治連邦区のプエルト
まり,2013 年の日本(東航)を例にみると,日本発アメ
15)
でも自国データ
リカ行きのコンテナ計 605.5 千 TEU のうち,544.3 千 TEU
に含めていることから,含めて分析を行った.さらに,
を直行で輸送し,残り 61.3 千 TEU を海外で一度積み替え
PIERS データは,速報性(最新の月単位の実績値が,概
て届けた(フィーダーコンテナ).フィーダーコンテナで
ね 10 週間後に発表される)があるが,その後も微修正が
は,韓国を経由したものが 51.8 千 TEU と最も多かった.
なされている.このような点から,最新の 2013 年データ
一方で,20.3 千 TEU のコンテナが海外から日本で一度積
は速報値であるため,この後に微修正される可能性があ
み替えられてアメリカへ渡った,ということになる.
リコについては,アメリカ運輸省統計
自国発着コンテナに占める直行の割合を表したのが
ることを留意されたい.
PIERS データの精度については,日本の港湾統計と比
「直行率」であるが,東アジア各国における 2004 年から
較すると,港湾統計より PIERS の方が,7%強少ないとい
の直行率の推移を示した図-5.2(東航)及び図-5.3(西
う検討結果がある 6). PIERS では,元となる税関データ
航)によると,東航ではタイの直行貨物が 2006 年以降増
において,コンテナサイズが不明の場合,MT(メトリッ
加傾向にあり,西航はマレーシアやタイの直行率がやや
ク・トン)から,コンテナの実体積を推計して TEU 換算
低下している.しかしながらこれらの国の貨物量は他の
している.このため PIERS による実績値と港湾統計との
東アジア諸国に比べてまだ少ない.日本の 2013 年の直行
間の差が出ているものと推察される.以降の分析におい
率は東航が 89.9%,西航が 88.6%と横ばいである.
ては,この程度の差があることを念頭に置いておく必要
更に,東アジア各国について,自国発コンテナ量にお
ける海外フィーダー率の過去 10 年間の推移を図-5.4(東
がある.
航)及び図-5.5(西航)に示す.海外フィーダー率は,
5.2 国別輸送経路分析
自国発着コンテナ量(100%)から,表-5.1 及び表-5.2
に示す直行率を減じて求めた.東航における中国の減少
(1) 輸送経路の推移
傾向は緩やかにではあるが継続しており,2013 年は日本
最新の 2013 年も含めた近年の実績について,東航(東
と同程度の海外フィーダー率であった.西航では韓国を
アジアからアメリカへの貨物の動き)
・西航(アメリカか
除いて微増傾向にあるが,他国からのトランシップ貨物
ら東アジアへの貨物の動き)の輸送経路を整理したのが
が増えたのは表-5.2 よりシンガポール,中国,香港など
表-5.1(東航)及び表-5.2(西航)である.過去 10 年間
である.
のデータを掲載した.
表に示す内容を説明する.まず,分析対象の輸送経路
とは,積み替えを含む貨物の動きそのものである.例え
フィーダー
(東航の場合)
ば,東航の場合日本からアメリカへ輸送されるコンテナ
他国
が,途中で積み替えられることなく届いたものか,もし
当該国
くは,どこで積み替えがなされたのかということである.
直行
アメリカ
このうち,途中で積み替えられることなくアメリカへ輸
送されたコンテナを「直行」といい,日本から一度積み
他国
替え(例えば韓国)を経てアメリカへ届いたコンテナは
図-5.1
「フィーダーコンテナ」という.このフィーダーコンテ
ナの輸送経路は 日本→韓国→アメリカとなる.さらに
「トランシップコンテナ」とは,このフィーダーコンテ
ナを韓国側からみたときの名称であり,他国発着で,当
- 28 -
トランシップ
直行,フィーダー及びトランシップの定義
国総研資料
No.811
表-5.1 アメリカ-アジア間の輸送経路別・国別コンテナ量(東航)(1/2)
('000TEU)
Taiwan
Hong Kong
China
Japan
仕
出
国
年
直行
(a)
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
736.7
787.5
792.7
716.7
642.9
435.7
514.0
537.9
555.6
544.3
4,624.6
5,816.7
6,973.4
7,282.0
6,836.2
5,963.7
6,979.8
7,191.5
7,176.9
7,675.2
985.9
789.5
704.8
619.5
548.5
409.1
517.7
477.6
418.8
390.0
570.5
571.0
591.4
533.8
494.9
386.5
439.3
477.2
467.9
478.7
海外フィーダー
計 (b)
36.8
44.8
51.3
52.4
56.8
46.3
55.2
60.9
60.1
61.3
1,390.5
1,599.3
1,505.1
1,377.4
1,137.2
959.9
978.5
855.1
855.0
842.4
139.4
40.3
15.2
14.3
10.5
10.0
16.4
9.7
9.6
11.6
22.2
19.8
15.0
15.9
15.7
23.1
39.0
24.1
35.1
41.7
Japan
46.5
52.2
59.2
56.5
27.8
29.7
34.5
14.3
10.4
5.2
1.9
1.1
0.5
0.7
0.2
2.0
3.8
1.0
0.1
0.1
0.9
0.7
0.4
0.7
0.3
0.8
1.1
0.6
1.3
2.0
China Hong Kong Taiwan
0.6
0.6
2.2
4.9
0.7
1.8
10.4
2.4
1.6
9.5
1.1
3.0
10.4
1.1
6.1
5.6
0.6
6.1
2.7
0.5
6.1
2.3
1.0
5.9
4.6
0.5
4.6
3.8
0.3
4.0
738.6
177.3
810.2
169.0
754.4
158.9
698.6
149.4
617.6
105.3
436.6
78.0
391.8
91.6
318.7
78.3
269.0
86.0
289.0
78.5
120.9
9.6
27.6
7.0
7.8
3.3
7.8
3.5
5.3
3.2
4.7
0.7
6.4
1.7
4.5
0.6
5.6
0.6
7.3
0.3
0.8
8.6
0.6
9.5
1.6
5.2
2.1
8.2
2.2
10.2
5.1
9.0
12.6
9.5
2.6
10.0
3.7
19.2
6.1
21.0
-
注) 東アジア諸国以外へのフィーダー貨物は,直行貨物に計上した.
- 29 -
Korea Singapore Malasia その他
32.2
0.1
0.0
1.0
36.2
0.1
0.0
1.1
35.5
0.1
0.0
1.3
38.5
0.1
0.0
0.1
38.8
0.3
0.0
0.0
33.8
0.1
0.0
0.1
44.7
0.4
0.1
0.7
50.3
0.4
0.1
0.9
49.0
0.3
0.1
1.1
51.8
0.5
0.0
0.7
427.0
0.4
0.6
0.2
566.4
0.8
0.5
0.2
527.9
1.8
1.9
1.0
455.0
12.0
0.6
5.4
367.3
17.4
0.9
1.0
389.8
24.9
0.6
0.3
418.1
38.9
3.1
0.6
402.3
30.2
9.2
2.1
429.4
38.2
19.8
2.1
413.5
32.8
21.6
1.9
6.8
0.1
0.0
0.0
4.5
0.0
0.0
0.0
3.3
0.1
0.0
0.0
1.6
0.4
0.0
0.2
1.1
0.6
0.0
0.1
1.6
0.9
0.0
0.1
2.4
1.9
0.0
0.2
1.9
1.7
0.0
0.0
1.5
1.6
0.0
0.1
2.0
1.8
0.1
0.1
9.7
2.1
0.0
0.0
7.9
1.0
0.1
0.0
7.8
0.0
0.0
0.0
4.6
0.0
0.0
0.2
3.0
0.0
0.0
0.0
7.5
0.6
0.2
0.0
14.1
0.8
0.8
0.2
9.4
1.3
0.1
0.1
7.3
3.5
0.0
0.1
9.0
3.4
0.1
0.1
自国発計 直行率
(a+b)
(a/(a+b))
773.5
832.4
844.0
769.1
699.7
482.1
569.2
598.8
615.7
605.5
6,015.1
7,415.9
8,478.5
8,659.4
7,973.4
6,923.6
7,958.3
8,046.5
8,031.9
8,517.6
1,125.3
829.8
720.0
633.8
558.9
419.1
534.1
487.4
428.3
401.6
592.7
590.8
606.5
549.6
510.6
409.6
478.3
501.3
503.0
520.4
95.2%
94.6%
93.9%
93.2%
91.9%
90.4%
90.3%
89.8%
90.2%
89.9%
76.9%
78.4%
82.2%
84.1%
85.7%
86.1%
87.7%
89.4%
89.4%
90.1%
87.6%
95.1%
97.9%
97.7%
98.1%
97.6%
96.9%
98.0%
97.8%
97.1%
96.3%
96.7%
97.5%
97.1%
96.9%
94.4%
91.8%
95.2%
93.0%
92.0%
他国発
T/S
63.5
67.8
73.5
71.8
43.1
47.1
54.1
29.0
22.0
20.3
145.5
87.2
138.3
116.8
142.7
112.4
118.1
109.1
138.5
184.0
897.6
1,072.3
1,011.2
924.6
827.0
734.6
678.6
550.5
508.7
536.2
627.8
649.3
662.8
549.7
488.9
384.4
353.0
367.5
354.6
347.3
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
表-5.1 アメリカ-アジア間の輸送経路別・国別コンテナ量(東航)(2/2)
('000TEU)
Malaysia
Thailand
Singapore
Korea
仕
出
国
年
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2000
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
直行
(a)
507.5
541.1
571.5
543.0
528.9
472.9
616.2
653.9
650.0
663.7
65.3
53.4
51.8
54.0
48.6
35.7
55.1
58.2
61.6
62.0
206.1
184.6
147.9
145.4
150.5
125.0
160.7
163.9
173.0
187.0
71.4
70.5
70.0
77.6
75.2
69.7
58.1
64.7
75.9
66.2
海外フィーダー
計 (b)
6.6
7.8
10.3
12.2
33.2
7.6
8.8
6.9
11.6
9.0
12.2
13.7
19.6
17.0
14.1
12.9
12.8
13.4
15.3
15.4
207.8
243.1
294.4
234.1
206.0
185.9
186.7
173.8
152.4
154.2
191.7
225.7
226.4
184.5
159.1
142.7
163.2
154.4
159.5
161.7
Japan
2.3
2.1
1.4
2.1
2.6
0.4
0.6
0.4
0.2
0.4
0.2
0.1
0.0
0.0
0.0
0.0
0.1
0.0
0.0
0.0
5.1
4.3
4.0
4.3
4.4
4.1
4.8
3.7
1.6
3.5
0.8
0.6
1.1
0.2
0.2
0.2
0.3
0.3
0.2
0.1
China
1.3
0.8
2.8
4.5
24.5
4.7
4.6
3.4
7.2
5.9
0.7
0.8
1.4
3.4
1.9
1.6
2.1
2.7
1.8
2.9
4.1
25.9
50.6
15.7
17.0
17.6
6.5
6.1
11.2
12.4
3.8
5.9
11.2
16.3
25.2
22.4
23.7
23.2
24.3
29.8
Hong Kong Taiwan
1.1
0.9
1.1
1.1
1.0
1.6
1.5
1.1
0.2
0.3
2.8
3.3
4.1
2.4
1.6
3.4
3.5
2.3
3.1
2.6
32.8
41.5
41.9
43.5
40.9
61.7
64.9
50.3
29.2
30.3
31.6
52.4
40.5
20.0
13.1
17.2
21.6
16.1
17.0
15.5
1.8
3.8
4.9
4.5
4.9
0.7
1.4
0.6
1.8
1.6
4.4
5.9
9.5
6.1
7.0
5.0
4.1
4.5
4.6
3.9
124.2
115.9
102.2
72.4
60.9
50.9
47.1
55.4
44.4
38.5
41.0
46.1
54.6
32.4
27.9
32.8
23.5
28.6
29.8
30.8
注) 東アジア諸国以外へのフィーダー貨物は,直行貨物に計上した.
- 30 -
Korea
2.4
2.1
1.8
1.4
0.3
0.3
0.5
1.0
1.7
1.6
6.6
7.0
9.9
5.2
7.3
5.7
5.8
4.1
3.5
3.7
13.8
8.9
8.2
5.4
2.9
5.8
6.6
13.5
16.9
12.3
Singapore Malasia
0.1
0.0
0.1
0.0
0.2
0.0
0.5
1.4
1.7
0.7
32.8
43.6
71.6
80.8
71.0
37.9
45.2
43.6
51.3
55.1
99.9
110.0
108.9
107.0
89.3
64.3
87.0
72.2
70.7
72.2
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.1
0.2
0.0
0.5
0.1
1.5
1.4
2.4
3.3
3.1
2.5
2.2
2.8
3.4
4.3
1.7
3.1
10.0
7.3
4.2
8.0
12.2
10.6
11.1
10.7
-
自国発計 直行率
(a+b)
(a/(a+b))
その他
0.0
514.1 98.7%
0.0
548.8 98.6%
0.1
581.8 98.2%
0.0
555.2 97.8%
0.0
562.2 94.1%
0.0
480.5 98.4%
0.0
625.1 98.6%
0.0
660.8 98.9%
0.0
661.6 98.3%
0.0
672.6 98.7%
0.1
77.5 84.3%
0.1
67.0 79.6%
0.4
71.4 72.5%
0.3
71.0 76.0%
0.1
62.7 77.6%
0.0
48.6 73.4%
0.2
67.9 81.1%
0.0
71.5 81.3%
0.6
76.9 80.1%
0.1
77.3 80.1%
0.6
413.9 49.8%
1.7
427.7 43.2%
4.2
442.3 33.4%
4.9
379.5 38.3%
0.4
356.6 42.2%
0.1
310.9 40.2%
0.1
347.4 46.3%
0.0
337.7 48.5%
0.1
325.3 53.2%
0.1
341.2 54.8%
0.8
263.1 27.1%
2.0
296.2 23.8%
1.9
296.4 23.6%
3.2
262.1 29.6%
0.5
234.3 32.1%
0.1
212.4 32.8%
0.5
221.3 26.3%
0.6
219.1 29.5%
0.7
235.4 32.2%
1.0
227.8 29.0%
他国発
T/S
551.0
677.9
650.4
580.2
483.3
497.8
551.7
550.5
585.8
571.5
427.3
468.0
504.3
559.7
554.5
421.7
508.1
462.9
500.2
531.5
6.4
4.1
2.8
3.2
2.4
0.2
0.5
0.8
1.5
1.6
26.8
25.1
58.2
72.8
53.0
61.7
79.8
80.5
102.5
114.8
国総研資料
No.811
表-5.2 アメリカ-アジア間の輸送経路別・国別コンテナ量(西航)(1/2)
('000TEU)
Taiwan
Hong Kong
China
Japan
仕
向
国
年
直行
(a)
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
742.3
734.9
730.3
730.4
768.7
666.5
740.7
777.1
762.1
744.9
917.0
1,067.4
1,257.4
1,608.7
1,767.2
1,913.2
2,068.5
2,270.9
2,455.7
2,613.6
314.4
323.2
349.7
394.0
395.6
428.0
449.8
449.5
397.6
330.0
322.5
377.4
448.9
670.8
669.3
516.8
549.5
622.9
581.9
539.4
海外フィーダー
計 (b)
101.5
97.8
97.3
71.6
80.1
72.7
79.7
76.8
78.5
95.7
489.7
590.4
582.4
291.6
288.4
400.5
258.7
256.8
284.3
408.1
5.0
6.1
13.0
11.3
7.5
9.9
9.3
5.3
5.7
14.5
17.9
17.4
16.4
36.7
25.2
26.2
19.4
19.3
17.0
26.1
Japan
19.9
37.8
33.9
21.4
19.6
14.0
13.1
12.0
15.8
23.6
1.0
1.8
3.7
4.0
0.2
0.1
0.4
0.2
0.2
0.4
4.5
5.3
2.6
10.8
6.4
2.2
3.6
3.0
2.1
1.4
China
2.2
2.9
5.2
3.3
3.5
2.4
1.9
4.1
3.9
8.4
1.6
1.9
3.3
3.3
4.6
5.3
3.7
2.7
3.1
6.9
1.7
1.8
2.1
4.1
3.0
2.9
3.1
4.9
4.7
11.3
Hong Kong Taiwan
10.2
11.1
5.2
2.8
5.5
9.2
15.6
7.7
3.1
7.3
337.8
403.5
392.6
181.2
194.8
250.1
167.1
124.5
129.0
168.3
8.0
5.5
8.2
15.6
9.6
8.9
6.6
7.2
6.8
8.4
35.8
22.7
17.6
11.5
13.2
13.6
16.8
15.2
16.3
17.3
47.3
45.9
46.5
33.7
26.4
48.7
30.8
31.3
35.2
34.5
1.9
1.6
3.5
2.0
1.3
2.6
3.5
1.9
1.8
5.0
-
注) 東アジア諸国以外へのフィーダー貨物は,直行貨物に計上した.
- 31 -
Korea
53.0
61.0
69.1
53.7
57.8
46.0
44.6
48.9
54.4
62.5
84.0
102.4
108.6
52.8
45.7
77.3
34.6
70.2
82.5
105.2
0.3
0.8
2.3
1.5
1.2
1.6
1.4
0.4
0.5
1.9
3.2
4.5
2.2
3.4
4.8
8.9
2.7
3.0
3.0
3.3
Singapore Malasia
0.3
0.1
0.2
0.2
0.1
0.1
0.1
0.5
0.5
0.2
0.5
0.7
0.8
1.9
1.4
3.0
5.9
5.7
3.6
47.0
0.1
0.0
0.2
0.5
0.1
0.1
0.0
0.0
0.0
0.2
0.4
0.2
1.2
2.8
1.2
1.5
1.0
0.0
0.1
1.2
0.0
0.0
0.0
0.1
0.0
1.3
0.5
0.2
0.0
0.0
0.1
0.0
0.1
0.1
0.3
6.6
6.9
12.0
16.7
28.6
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.1
0.0
0.0
0.1
0.0
0.0
0.0
0.0
0.1
1.9
2.0
0.8
0.1
0.4
自国着計 直行率
(a+b)
(a/(a+b))
その他
0.0
843.7 88.0%
0.0
832.7 88.3%
0.0
827.6 88.2%
0.1
801.9 91.1%
0.0
848.9 90.6%
0.0
739.1 90.2%
0.2
820.4 90.3%
0.2
853.9 91.0%
0.4
840.6 90.7%
0.2
840.6 88.6%
0.2
1,406.7 65.2%
0.0
1,657.8 64.4%
0.0
1,839.8 68.3%
0.5
1,900.3 84.7%
0.2
2,055.5 86.0%
0.7
2,313.6 82.7%
0.4
2,327.2 88.9%
1.2
2,527.7 89.8%
1.5
2,740.0 89.6%
1.0
3,021.7 86.5%
0.0
319.4 98.4%
0.0
329.3 98.1%
0.0
362.6 96.4%
0.1
405.3 97.2%
0.1
403.1 98.1%
0.2
437.9 97.7%
0.1
459.0 98.0%
0.1
454.8 98.8%
0.0
403.2 98.6%
0.1
344.6 95.8%
0.1
340.4 94.8%
0.0
394.8 95.6%
0.1
465.3 96.5%
0.0
707.5 94.8%
0.1
694.5 96.4%
0.0
543.1 95.2%
0.5
568.9 96.6%
0.4
642.2 97.0%
0.2
598.9 97.2%
0.1
565.4 95.4%
他国発
T/S
46.4
75.7
66.6
58.9
48.6
31.2
37.8
27.9
27.1
32.5
22.5
27.1
61.8
88.2
83.2
61.7
64.1
70.7
59.1
104.4
421.1
486.0
463.8
254.0
296.8
335.4
243.6
179.6
186.7
250.0
261.8
256.9
257.1
216.6
261.2
266.1
182.7
154.6
177.4
205.2
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
表-5.2 アメリカ-アジア間の輸送経路別・国別コンテナ量(西航)(2/2)
('000TEU)
Malaysia
Thailand
Singapore
Korea
仕
向
国
年
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
直行
(a)
428.4
427.8
445.6
575.2
640.3
582.6
608.8
659.7
618.6
619.8
95.6
95.1
88.1
138.2
129.9
120.5
153.3
154.3
118.5
111.0
63.2
66.6
60.8
98.2
102.8
95.9
102.2
110.3
103.3
73.6
24.0
19.8
14.5
38.3
72.0
56.2
71.2
89.6
73.9
68.3
海外フィーダー
計 (b)
26.9
34.1
34.4
26.5
43.6
36.3
44.2
34.6
32.4
25.7
14.7
13.6
26.4
24.3
29.8
28.0
16.4
18.1
21.0
24.2
53.2
58.9
61.4
56.2
69.4
47.2
43.4
31.5
43.6
70.8
43.5
48.6
53.9
56.2
69.5
43.7
26.7
29.2
35.0
49.5
Japan
11.4
15.8
10.1
9.1
13.6
7.1
15.2
7.5
5.9
3.8
0.3
0.6
1.0
0.6
0.3
0.5
0.6
0.7
0.4
0.3
2.2
2.7
2.7
1.7
1.7
2.7
1.2
0.8
0.3
0.6
0.6
1.1
1.1
1.1
0.6
0.4
0.3
0.3
0.2
0.3
China Hong Kong Taiwan
1.3
3.1
11.1
2.0
3.8
12.4
4.4
9.8
10.0
7.4
2.0
7.8
11.3
7.7
10.9
11.8
4.0
13.1
11.1
4.8
12.4
9.0
2.3
14.3
6.3
1.1
18.2
7.2
3.6
8.7
1.4
3.6
7.3
1.0
3.9
4.8
3.1
4.1
9.9
6.3
3.4
9.0
2.9
8.5
14.5
3.8
3.5
10.4
4.6
1.0
4.1
6.8
1.0
1.3
5.6
2.6
5.7
5.9
3.5
9.7
1.4
9.9
27.3
1.7
9.7
30.2
11.5
5.0
23.8
22.6
5.3
12.5
22.9
5.4
23.3
4.6
1.8
20.8
1.8
1.0
21.5
2.8
1.5
10.4
1.9
8.8
8.8
4.6
8.4
17.4
1.8
5.7
7.0
2.5
4.6
7.7
3.5
3.9
11.2
5.2
3.4
14.5
3.9
4.9
23.2
2.8
4.6
10.1
3.1
3.8
5.9
4.5
2.6
7.3
4.0
2.8
9.0
8.5
4.7
9.8
注) 東アジア諸国以外へのフィーダー貨物は,直行貨物に計上した.
- 32 -
Korea Singapore Malasia その他
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.1
0.1
0.2
0.0
0.0
0.1
0.0
0.1
0.1
0.0
0.2
0.2
0.0
0.4
1.0
0.2
0.2
0.4
0.2
0.4
1.8
0.5
0.1
0.7
0.7
0.8
1.4
1.4
0.5
0.6
7.5
0.2
0.8
4.1
0.2
0.8
2.6
0.2
1.3
8.3
0.2
1.3
4.6
0.3
1.5
6.8
0.0
1.2
5.3
0.1
1.7
2.8
0.3
2.1
7.8
1.6
0.9
2.9
7.5
2.6
1.5
2.2
8.0
7.9
0.2
1.3
8.2
3.0
1.6
2.6
10.9
2.6
0.0
1.9
8.9
6.5
0.1
1.3
6.2
10.2
0.3
0.6
5.4
9.8
0.1
1.0
13.3
9.5
0.0
1.4
21.9
6.9
9.6
1.6
24.7
2.1
2.3
29.0
1.3
1.7
32.3
0.3
2.5
28.7
0.8
1.6
35.2
0.1
1.3
24.5
0.1
1.0
12.4
0.2
1.3
13.1
0.1
1.1
18.0
0.1
1.0
25.1
0.1
自国着計 直行率
(a+b)
(a/(a+b))
455.2
461.8
480.1
601.7
683.9
618.9
653.1
694.3
650.9
645.5
110.3
108.7
114.5
162.5
159.7
148.5
169.8
172.4
139.5
135.2
116.4
125.4
122.2
154.4
172.2
143.1
145.6
141.8
146.9
144.4
67.5
68.4
68.4
94.4
141.6
99.9
97.9
118.8
108.9
117.8
94.1%
92.6%
92.8%
95.6%
93.6%
94.1%
93.2%
95.0%
95.0%
96.0%
86.6%
87.5%
77.0%
85.0%
81.3%
81.2%
90.3%
89.5%
85.0%
82.1%
54.3%
53.1%
49.8%
63.6%
59.7%
67.0%
70.2%
77.8%
70.3%
51.0%
35.6%
29.0%
21.2%
40.5%
50.9%
56.2%
72.8%
75.4%
67.8%
58.0%
他国発
T/S
157.0
190.0
203.5
134.2
126.8
157.6
104.5
146.5
156.3
189.9
129.4
143.0
140.3
139.0
178.7
132.5
102.3
93.9
112.5
228.2
5.3
4.7
0.9
1.4
0.6
0.6
0.4
0.5
0.7
0.3
11.4
12.8
37.8
26.3
16.3
47.3
55.1
61.4
67.7
72.6
国総研資料
No.811
100%
△:Korea
▲:Hong Kong
▼:Taiwan
○:Japan
田:China
●:Singapore
90%
80%
直行率
70%
60%
□:Thailand
50%
40%
×:Malaysia
30%
20%
10%
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
年
図-5.2
直行率の推移(東航)
100%
△:Korea
▲:Hong Kong
▼:Taiwan
○:Japan
田:China
●:Singapore
90%
80%
直行率
70%
60%
×:Malaysia
□:Thailand
50%
40%
30%
20%
10%
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
年
図-5.3
直行率の推移(西航)
- 33 -
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
25%
海外フィーダー率
20%
15%
10%
○:Japan
田:China
▼:Taiwan
5%
▲:Hong Kong
△:Korea
0%
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
年
図-5.4
海外フィーダー率の推移(東航)
40%
35%
海外フィーダー率
30%
25%
20%
田:China
○:Japan
15%
10%
▼:Taiwan
△:Korea
▲:Hong Kong
5%
0%
2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013
年
図-5.5
海外フィーダー率の推移(西航)
- 34 -
国総研資料
(2) コンテナ貨物の価値
No.811
5.3 港湾別輸送経路分析
PIERS の“VALUE”データにより,2013 年のコンテナ
1TEU 当りの価値を確認した結果を表-5.3 に示す.
(1) 輸送経路の推移
この“VALUE”データは,当該コンテナ貨物の直接の
東アジア主要港湾について,自国発着コンテナの直行,
価格ではなく,PIERS データが独自に整理している換算
フィーダー及び他国コンテナのトランシップ(表中 T/S)
係数(品目,重量,その他の条件を考慮)によって推定
コンテナ量を整理したのが表-5.4(東航)と表-5.5(西
された値である.すなわち,実際の価格ではなく推計価
航)である.国内輸送は,直行に含めている.
値である.また,2009 年 5 月以降の西航において,
これまでに引き続いて国内五大港のフィーダー貨物量
HSCODE の「811291」分類(scrap 等)の“VALUE”デ
は,東航,西航ともに直行貨物量と比して小さい水準で
ータに異常な数値が確認されたため,当該品目について
あった.東航では Shanghai,Ningbo,Yantian といった中
は,2009 年 1~4 月の平均単位価値を用いて算定してい
国港湾の直行貨物が増加傾向にある.
る.
表-5.3 に示す 2013 年の結果は 2012 年 7)の分析結果に
比べ推計価値が全体的に東航は増加,西航は減少した傾
向にあるが,これについて PIERS の発行元に確認したと
ころ,2013 年 7 月に上記の換算方法について大規模な見
直しを行ったことが関係しているとのと回答があった.
2012 年に引き続き,表-5.3 によると直行コンテナ貨物
の価格がフィーダー貨物のそれを上回るケースが多いこ
とが見て取れ(特に東航),価値の高い貨物が輸送リード
タイムの短い経路を選択する傾向にあることが推察され
る.ただし例えばマレーシアについてはシンガポールが
隣国でありシンガポール経由によるフィーダー輸送の方
が北米向けの輸送リードタイムが短くなる場合もありえ
る.このようにリードタイムが地理的要因に左右される
ことや,この数値自体が貨物ごとの実際の価格ではなく
品目別の推計価値であることにも留意すべきである.
表-5.3
アメリカ-東アジア間のコンテナの単位価値(2013 年)
('000$/TEU)
国等
Japan
China
Hong Kong
Taiwan
Korea
Singapore
Thailand
Malaysia
合計
64.7
32.8
46.4
40.2
42.9
64.7
35.3
61.0
東航
直行 フィーダー 直行/FD
65.6
57.3
1.14
32.9
31.9
1.03
46.6
39.6
1.18
41.1
32.6
1.26
43.6
27.9
1.56
64.8
64.2
1.01
37.7
32.6
1.16
47.2
65.9
0.72
- 35 -
合計
54.3
25.5
32.0
33.2
40.0
51.2
35.7
32.4
西航
東航/西航
直行 フィーダー 直行/FD
56.4
38.9
1.45
1.19
24.2
32.4
0.75
1.28
31.9
33.5
0.95
1.45
32.6
42.4
0.77
1.21
40.1
37.6
1.07
1.07
49.0
59.6
0.82
1.26
33.9
37.4
0.91
0.99
31.4
33.6
0.94
1.88
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
表-5.4
アメリカ-東アジア間の輸送経路別・港湾別コンテナ量(東航)
港湾
国等
Tokyo
Yokohama
Nagoya
Osaka
Kobe
Xingang
Qingdao
Shanghai
Ningbo
Xiamen
Shekou
Yantian
Hong Kong
Keelung
Kaohsiung
Busan
Gwangyang
Singapore
Bangkok
Laem Chabang
Port Klang
Tanjung Pelepas
Japan
Japan
Japan
Japan
Japan
China
China
China
China
China
China
China
China
Taiwan
Taiwan
Korea
Korea
Singapore
Thailand
Thailand
Malaysia
Malaysia
港湾
国等
Tokyo
Yokohama
Nagoya
Osaka
Kobe
Xingang
Qingdao
Shanghai
Ningbo
Xiamen
Shekou
Yantian
Hong Kong
Keelung
Kaohsiung
Busan
Gwangyang
Singapore
Bangkok
Laem Chabang
Port Klang
Tanjung Pelepas
Japan
Japan
Japan
Japan
Japan
China
China
China
China
China
China
China
China
Taiwan
Taiwan
Korea
Korea
Singapore
Thailand
Thailand
Malaysia
Malaysia
2013年
2011年
('000TEU)
直行 フィーダー 自港発計
125
3
128
75
3
78
155
4
159
18
11
29
73
7
80
215
205
419
622
111
733
2,362
48
2,410
939
66
1,006
426
97
523
21
4
25
2,427
25
2,451
405
12
417
97
6
103
213
19
232
627
10
637
72
0
72
62
17
79
41
57
98
143
92
236
31
58
88
31
30
61
T/S
13
7
0
0
1
0
3
33
25
17
0
57
596
2
345
639
10
532
1
1
2
119
直行 フィーダー 自港発計
121
2
123
74
3
78
133
3
136
25
5
30
84
4
88
199
180
380
548
96
643
2,113
37
2,151
760
41
801
354
122
475
132
3
135
2,192
45
2,237
478
10
487
100
6
106
207
11
218
566
7
573
84
0
84
58
13
72
43
59
102
117
92
209
23
65
88
28
18
46
T/S
13
14
0
0
1
0
1
33
19
2
4
27
550
3
358
544
6
463
0
1
2
77
2009年
直行 フィーダー 自港発計
94
1
95
60
2
62
110
2
112
26
2
28
61
2
63
155
173
328
441
74
515
1,781
51
1,833
522
48
570
267
111
378
88
1
89
1,981
45
2,026
409
10
418
88
5
93
164
9
174
393
7
400
78
0
79
36
13
49
35
72
107
87
87
174
28
57
85
30
16
46
T/S
15
18
0
13
1
1
2
23
19
2
2
47
735
1
381
496
2
422
0
0
7
53
2007年
直行 フィーダー 自港発計
151
1
151
111
2
113
177
2
179
40
2
42
95
2
97
320
191
512
455
114
569
2,066
72
2,137
519
76
595
304
139
443
148
7
155
2,499
84
2,583
619
14
633
132
4
136
221
6
227
492
10
502
50
2
52
54
17
71
56
94
150
85
117
202
41
69
109
19
10
29
T/S
29
35
1
0
7
0
0
22
23
2
2
36
925
8
542
564
16
560
0
3
20
53
- 36 -
国総研資料
表-5.5
No.811
アメリカ-東アジア間の輸送経路別・港湾別コンテナ量(西航)
港湾
国等
Tokyo
Yokohama
Nagoya
Osaka
Kobe
Xingang
Qingdao
Shanghai
Ningbo
Xiamen
Shekou
Yantian
Hong Kong
Keelung
Kaohsiung
Busan
Gwangyang
Singapore
Bangkok
Laem Chabang
Port Klang
Tanjung Pelepas
Japan
Japan
Japan
Japan
Japan
China
China
China
China
China
China
China
China
Taiwan
Taiwan
Korea
Korea
Singapore
Thailand
Thailand
Malaysia
Malaysia
港湾
国等
Tokyo
Yokohama
Nagoya
Osaka
Kobe
Xingang
Qingdao
Shanghai
Ningbo
Xiamen
Shekou
Yantian
Hong Kong
Keelung
Kaohsiung
Busan
Gwangyang
Singapore
Bangkok
Laem Chabang
Port Klang
Tanjung Pelepas
Japan
Japan
Japan
Japan
Japan
China
China
China
China
China
China
China
China
Taiwan
Taiwan
Korea
Korea
Singapore
Thailand
Thailand
Malaysia
Malaysia
2013年
2011年
('000TEU)
直行 フィーダー 自港着計
242
3
244
104
2
106
87
6
93
56
3
58
99
7
105
215
46
261
408
51
459
558
20
578
153
13
166
61
5
66
24
2
26
91
4
94
330
15
345
65
2
67
270
12
282
380
7
387
153
7
161
111
24
135
18
21
39
54
45
99
38
26
64
9
4
12
T/S
1
31
0
0
0
1
4
18
17
7
0
21
250
0
180
185
5
228
0
0
0
72
直行 フィーダー 自港着計
250
4
254
110
2
112
92
6
98
59
3
62
114
4
118
252
34
286
352
32
383
560
7
568
153
10
164
46
3
50
46
1
47
82
3
85
450
5
455
74
2
76
277
7
285
431
5
436
135
10
145
154
18
172
29
11
40
80
19
98
49
12
61
8
1
9
T/S
0
26
0
0
0
3
1
17
5
5
1
9
180
1
137
140
4
94
0
0
1
61
2009年
直行 フィーダー 自港着計
206
5
211
99
2
101
86
3
89
46
2
48
97
6
104
169
38
206
269
34
303
454
10
465
175
9
184
42
6
48
40
1
41
79
1
81
428
9
436
63
3
66
323
12
335
392
9
401
101
9
110
121
28
148
28
14
42
66
28
94
32
23
54
3
0
4
T/S
1
29
0
1
0
1
2
23
11
1
2
7
335
1
244
137
20
133
0
1
1
46
2007年
直行 フィーダー 自港着計
226
4
230
121
2
124
103
2
106
42
2
44
120
4
124
155
22
177
271
27
298
429
11
441
97
9
106
20
3
23
26
1
27
84
2
86
393
11
404
74
4
77
385
18
403
385
9
394
107
8
115
138
24
162
26
17
44
71
30
101
24
26
50
2
1
3
T/S
2
56
0
0
0
0
1
23
6
3
1
2
254
2
215
119
15
139
0
1
1
26
- 37 -
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
(2) コンテナ集荷量
フィリピン,横浜港は中国,台湾といった近隣国からの
主要港湾について,他国発着のコンテナを積み替えた
貨物が多い傾向にある.一方で,隣国の釜山港は,トラ
T/S 量から,自国発着コンテナが他国で積み替えられるフ
ンシップが 638 千 TEU と最多であり,その貨物は中国,
ィーダー量を差し引いた,正味の他国からのコンテナ集
日本からの貨物のほか,ベトナム,インドネシア,マレ
荷量を東航及び西航で見たのが,図-5.6 及び図-5.7 であ
ーシア,インドといったアジア全域から集荷しており日
る.
本の港湾での長期的な改善の方向性を示唆している.西
東航・西航ともに Hong Kong,Singapore がやや増加傾
航では,国内港でトランシップ量が最も多いのは横浜港
の 30 千 TEU で,うち大半を中国,韓国への貨物が占め
向にある.
る.対して,釜山港の取扱量は 145 千 TEU あり,中国,
(3) トランシップコンテナの仕出国/仕向国
日本への貨物が多いものの,東航と同様にアジア各国へ
東アジア主要港における他国からのトランシップ貨物
の貨物がある.
東京港の貨物は 2012 年と比較して東航が 9,967TEU か
の仕出国・仕向国をそれぞれ表-5.6(東航)及び表-5.7
(西航)に示す.縦軸にトランシップコンテナの仕出国
ら 13,312TEU,西航が 157TEU から 502TEU へといずれ
/仕向国,横軸にトランシップ港湾名をとり,各港湾で
も増加した.
の取り扱いコンテナ量を表している.これは 2013 年の集
シンガポールは,東航・西航ともにインドネシアを仕
7)
出国/仕向国とするコンテナの取扱いが多いという特徴
計値である.2012 年について同様の集計を行った資料
では,ミャンマー及びロシア(極東部のみ対象)を仕出
がある.
中国の厦門におけるトランシップ量が 2012 年と比較
国/仕向国とする貨物は集計されていないものの,2013
年時点でも一部の国を除いて取扱量は少ないことから同
して東航で 5,569TEU から 17,096TEU(約 3.1 倍),西航
様のデータとして比較を行う.
が 1,760TEU から 6,979TEU(約 4.0 倍)と大きく伸びている.
表-5.6,5.7 によると,東航では,釜山,香港,シン
また韓国の光陽でも東航,西航ともにトランシップ量の
ガポール,高雄の順にトランシップが多く,釜山,香港,
増加が 2,722TEU から 10,447TEU(約 3.8 倍),190TEU か
シンガポールの取扱量は直行を上回る.西航では,香港,
ら 4,637TEU(約 24.2 倍)へと大きく増加している.
ロシアを仕出国/仕向国とする貨物の取扱いはいずれ
シンガポール,釜山,高雄の順にトランシップコンテナ
の国も少ないものの,西航では釜山,上海,横浜,光陽
量が多い.
日本の港湾は 2012 年と同様に,東航では,東京港と横
の順で量が多い.
浜港でトランシップ量が多く東京港はベトナム,タイ,
500
800
△:Busan
●:Hong Kon
□:Singapore
600
400
▽:Kaohsiung
200
田:Yantian
◇:Tokyo
○:Yokohama
◆:Shanghai
0
-200
図-5.6
2009
2010
2011
年
2012
T/S量-フィーダー量('000TEU)
T/S量-フィーダー量('000TEU)
1,000
400
300
100
アメリカ-東アジア航路における主要港湾の集
図-5.7
荷コンテナ量(東航)
○:Yokohama
田:Yantian
◆:Shanghai
◇:Tokyo
0
-100
2013
●:Hong Kong
□:Singapore
△:Busan
▽:Kaohsiung
200
2009
2010
2011
年
2012
アメリカ-東アジア航路における主要港湾の集
荷コンテナ量(西航)
- 38 -
2013
国総研資料
表-5.6
No.811
東アジア主要港湾でのトランシップコンテナ量(東航)とその仕出国
(TEU)
トランシップ港湾(母船積港)
東京
横浜
ベトナム
フィリピン
中国
タイ
カンボジア
韓国
台湾
マレーシア
仕 インドネシア
出
国 インド
香港
バングラディシュ
スリランカ
シンガポール
パキスタン
ミャンマー
ロシア
日本
5,532
1,892
1,273
3,558
479
73
122
65
206
68
39
0
0
6
0
0
0
-
46
289
3,857
353
0
163
1,816
71
4
36
4
1
10
0
0
0
0
-
計
13,312
6,650
直行コンテナ量
181,557
60,296
大阪
神戸
0
0
0
0
0
33
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
釜山
光陽
上海
寧波
55
149
152
66
0
78
30
0
10
0
16
0
0
0
0
0
0
26,887
6,928
472,875
4,192
630
10,302
12,772
23,593
13,452
1,965
1,082
549
1,948
4,862
6
63
55,988
299
2
5,590
0
0
0
23
6
3,583
0
61
18
10
857
0
0
0
1,865
4,487
2,873
55
2,744
2,527
3,490
2,992
5,230
1,880
571
1,496
485
221
1
0
1,254
6,450
443
2,587
469
3,436
1,296
5,730
1,756
274
961
460
63
430
147
2
0
476
33
557
638,095
10,447
32,172
24,981
4,152
94,428
621,470
60,853
2,729,476
950,353
台中
シンガポール
タンジュンペラパス
-
-
トランシップ港湾(母船積港)
厦門
香港
深セン
基隆
高雄
ベトナム
フィリピン
中国
タイ
カンボジア
韓国
台湾
マレーシア
仕 インドネシア
出
国 インド
香港
バングラディシュ
スリランカ
シンガポール
パキスタン
ミャンマー
ロシア
日本
2,025
3,266
257
247
260
242
2,385
2,706
2,767
1,204
415
270
736
292
10
0
15
142,909
18,362
320,637
34,828
4,521
356
22,212
17,980
14,292
6,513
1,893
703
2,766
6,404
6
10
355
32,879
4,269
4,903
2,148
166
600
19,039
17,050
5,715
3,014
4,539
914
1,411
1,166
9
0
2,080
119
0
1,612
714
0
0
1
0
0
3
0
0
0
0
0
0
8
69,083
57,219
70,127
40,104
789
729
30,559
46,019
14,110
328
840
2,940
4,405
181
2
0
3,784
計
17,096
594,746
99,902
2,457
直行コンテナ量
470,822
403,170
2,759,427
57,101
注) 「計」は,表中の掲載国のみの合計であり,表-5.4 「T/S」とは一致しない
- 39 -
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
60,229
16,915
32,767
55,062
12,396
653
3,421
72,230
171,463
52,056
1,764
36,559
4,182
5,229
160
0
516
34,465
1,079
20,657
10,889
4,237
132
70
40,339
1,194
42
1,230
3
4,359
0
97
0
41
341,219
0
525,601
118,833
383,494
135
60,264
40,380
-
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
表-5.7
東アジア主要港湾でのトランシップコンテナ量(西航)とその仕向国
(TEU)
トランシップ港湾(母船卸港)
東京
ベトナム
フィリピン
中国
タイ
カンボジア
韓国
台湾
マレーシア
仕
向 インドネシア
国 インド
香港
バングラディシュ
スリランカ
シンガポール
パキスタン
ミャンマー
ロシア
日本
2
0
28
22
0
81
14
116
10
4
208
0
0
18
0
0
0
-
212
715
23,053
505
1
3,195
1,271
162
240
65
238
0
0
249
8
2
207
-
大阪
神戸
0
0
185
0
0
248
36
0
0
0
0
0
0
9
0
3
10
釜山
0
1
115
56
0
1
20
4
18
4
0
0
0
21
0
0
0
-
-
873
2,699
100,908
1,392
154
3,181
967
2,736
1,544
1,885
86
63
1,634
502
16
2,655
62,441
光陽
上海
19
19
4,321
14
1
50
12
7
16
25
0
2
0
0
0
177
11
721
858
461
222
2,717
4,514
1,130
1,531
174
1,984
53
6
582
16
2
237
2,496
寧波
3,862
1,779
1,328
307
96
412
1,711
1,802
1,049
2,098
234
4
1,555
60
9
1
30
502
30,124
490
239
183,736
4,673
17,705
16,338
259,527
147,576
26,704
138,447
449,813
151,794
720,207
230,570
台中
シンガポール
タンジュンペラパス
計
直行コンテナ量
横浜
トランシップ港湾(母船卸港)
厦門
4
48
香港
深セン
187
47
10
1,638
986
3,849
17
115
12
1
36
2
20
0
8
20,012
4,886
168,281
8,403
420
3,539
8,402
4,654
4,604
9,512
872
382
3,505
2,781
205
18
7,332
3,227
5,780
2,602
228
480
4,015
4,537
17,275
4,358
1,868
337
151
3,226
160
276
54
5,617
計
6,979
247,808
直行コンテナ量
66,516
328,245
ベトナム
フィリピン
中国
タイ
カンボジア
韓国
台湾
マレーシア
仕 インドネシア
向
国 インド
香港
バングラディシュ
スリランカ
シンガポール
パキスタン
ミャンマー
ロシア
日本
-
基隆
高雄
2
0
0
6
0
0
0
0
0
0
0
22,846
49,800
25,805
17,399
238
5,723
7,279
19,290
2,572
4,257
348
11
8,307
2,567
151
4
10,883
54,192
413
177,480
14
223,961
70,262
260,310
35,033
436,470
21,244
106,797
14,082
注) 「計」は,表中の掲載国のみの合計であり,表-5.5 「T/S」とは一致しない
- 40 -
3
3
356
1
0
42
-
0
4
6
0
0
0
0
0
0
4
0
0
0
0
0
0
0
12,323
17,455
47,032
21,877
4,764
1,776
1,174
25,117
63,100
17,605
190
5,265
1,663
4,077
347
1
192
4,965
4,625
28,584
6,893
3,547
524
441
15,050
2,098
34
200
13
2,666
234
388
0
0
-
国総研資料
No.811
一方で 10 万ドル/TEU を超えるような価値の貨物の直行
5.4 品目別輸送経路分析
率は 90%以上のものが多い.ここでも 5.2 と同様価値の
(1) 分析の目的
高い貨物が輸送リードタイムの短い経路を選択する傾向
ポートセールスを効果的に行うためには,港湾を利用
にあることが推察される.
している主要な荷主並びにその業種を特定し,さらには
当分析の考察として,シェアの比較的大きい業種(自
これらの顧客企業の求める輸送ニーズをきめ細かに把握
動車製造,ゴム・タイヤ製造ならびに建設機械製造)は
することが重要である.このような観点からの基礎的な
我が国の港湾の主要な顧客とみられるがその直行率は平
資料とするため,我が国の主要な荷主(ただしデータの
均値よりも大きく,これらの業種の中には輸送リードタ
制約から日本から米国への輸出に限定した)を抽出しま
イムの短い経路(直行)を選択してする企業が多くみら
たこれらの荷主の主要な輸送品目を把握した.さらに輸
れる.一方今回分析対象とした他の業種(電気機械製造
送ニーズの把握の一例として,品目・推計価値毎の輸送
ならびに商社)について直行率は平均よりも低いが,こ
ルートを直行率から分析することを試みた.
れは様々な価値の貨物が扱われていることによるもので
あり,例えば商社は直行率の高い品目も多い.全般的に
(2) 品目別輸送経路分析
直行輸送を必要とする品目も多くみられることから,こ
PIERS デ ー タ で は 個 々 の コ ン テ ナ 貨 物 の 品 目
のようなサービスが享受できるような状態を維持するこ
(HSCODE)及び荷主名(FNAME)も把握している.本
とが必要であると考察できる.
分析では 2013 年の半年間(奇数月のみ)を対象に,日本
から米国へ輸出にて貨物量シェアの大きい 5 業種につい
表-5.8
て品目別の分析を行った.
年間,東航)
5 業種は,表-5.8 に示す FNAME が不明なものを除い
コンテナ貨物取扱量の上位 20 荷主(2013 年半
荷主名
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
た半年間の取扱貨物量(TEU)の多い 20 荷主より判断し,
自動車製造,ゴム・タイヤ製造,建設機械製造,電気機
器製造,商社の 5 つとした(ただし表-5.8 の荷主には,
PIERS データの微妙な入力の違いによる同一荷主の重複
がある).この 5 業種について一般的に大手とされる企業
を分析対象としている.業種毎の全貨物における貨物量
(TEU)のシェアは表-5.9 に示す通りであり,5 業種あ
わせて全体貨物の 3 割強を占める.ただしこのシェアに
は,5 業種に該当しても今回の分析対象としてない荷主
の貨物は含まれていない.
5.2 と同様の考え方にて業種毎の輸送経路を分析した
結果を表-5.9 の直行率欄に表す.表-5.1 で示した 2013
年の日本全体の直行率 89.9%と比較し,それを上回った
のは自動車製造業(95.1%)及び建設機械製造(90.8%)
業種
自動車製造
ゴム・タイヤ製造
自動車製造
自動車製造
自動車製造
自動車製造
自動車製造
建設機械製造
ゴム・タイヤ製造
電気機器製造
商社
商社
ゴム・タイヤ製造
ゴム・タイヤ製造
その他
建設機械製造
商社
ゴム・タイヤ製造
自動車部品製造
電気機器製造
'000TEU
19.8
7.5
7.0
6.5
5.8
5.8
5.8
4.2
3.3
2.4
2.3
2.2
2.0
1.9
1.8
1.7
1.7
1.7
1.6
1.6
であり,一方で電気機器製造及び商社の直行率は 85%強
表-5.9
とやや下回っていた.
次に業種毎に取扱いの多い上位 10 品目を表-5.10 に表
業種毎の日本発貨物シェアと直行率(2013 年半
年間)
業種
自動車製造
ゴム・タイヤ製造
建設機械製造
電気機器製造
商社
その他
計
し,品目毎の 1TEU あたりの平均推計価値(ドル)及び
同業種内における貨物量シェア(TEU),直行率について
も掲載する.推計価値は 5.2 (2)に記載している通り実際
の価格ではなく PIERS による推計値である.この平均推
計価値と直行率の関係を示したものが図-5.8 であるが,
1TEU あたりの平均推計価値が 6 万ドルを下回るあたり
から日本の平均直行率よりも率の低い貨物が増えている.
- 41 -
'000TEU
56.8
19.1
13.2
6.4
5.7
215.8
317.0
シェア
17.9%
6.0%
4.2%
2.0%
1.8%
68.1%
100.0%
直行率
95.1%
89.6%
90.8%
85.1%
85.5%
92.3%
-
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
表-5.10
業種別取扱い上位 10 品目及びその推計価値等(1/2)
TEU
品目
業種
51,716
自動車用部分品及び附属品でその他のもの
$/TEU
48,110
シェア
91.1%
直行率
95.4%
ピストン式火花点火内燃機関(往復動機関及びロータリーエンジンに限る)
810
75,790
1.4%
87.5%
ピストンエンジンの始動に使用する種類の鉛蓄電池
419
81,596
0.7%
100.0%
294
262,204
0.5%
87.1%
285
24,787
0.5%
100.0%
261
133,405
0.5%
100.0%
自 一次電池及びその部分品
動 自動車用バンパー及びその部分品
車
製 電話機(携帯回線網用その他の無線回線網用の電話を含む)及びその他の機器(ラジオ・テレビ・プリンター用は含まない)
造 自動車用ギヤボックス及びその部分品
252
70,424
0.4%
93.7%
蓄電池でその他のもの
235
150,398
0.4%
100.0%
鉱物性生産品のその他のもの(灯油,軽油,重油等)
185
1,394
0.3%
100.0%
モーターサイクル(モペットを含む),補助原動機付きの自転車及びサイドカー
160
44,381
0.3%
59.1%
TEU
品目
業種
ゴム製の空気タイヤ(新品のものに限る)でその他のもの
乗用自動車用ゴム製の空気タイヤ(新品のものに限る)
ゴ
ム ゴム及びその製品
・ 加硫したゴム製の製品
タ 自動車用部分品及び附属品でその他のもの
イ 鉄鋼製のより線,ロープ及びケーブル
ヤ 飛行機又はヘリコプターのその他の部分品
製 管及びホース(加硫したゴム製)
造
$/TEU
シェア
直行率
17,031
19,528
89.4%
92.8%
745
16,833
3.9%
46.6%
358
29,653
1.9%
62.2%
200
59,982
1.1%
10.7%
156
45,724
0.8%
100.0%
94
36,301
0.5%
100.0%
80
132,882
0.4%
100.0%
69
54,159
0.4%
85.6%
ゴム又はプラスチックの加工機械及びゴム又はプラスチックを材料とする物品の製造機械
60
75,392
0.3%
83.4%
非耐火性調整上塗り材
23
160,165
0.1%
100.0%
TEU
品目
業種
$/TEU
シェア
直行率
デリック,クレーン,移動式リフティングフレーム,ストラッドルキャリヤ及びクレーンを装備した作業トラック用部分品
6,512
61,371
49.3%
98.1%
フォークリフトトラック及び持上げ用又は荷扱い用の機器を装備したその他の作業トラック用部分品
1,570
46,176
11.9%
98.6%
建 ピストン式圧縮点火内燃機関(ディーゼルエンジン及びセミディーゼルエンジン)
設 メカニカルショベル,エキスカベーター及びショベルローダー
機 自動車用部分品及び附属品でその他のもの
械 伝導軸,その他の伝動装置の構成部品及び部分品
製 飛行機又はヘリコプターのその他の部分品
造 メカニカルショベル,エキスカベーター及びショベルローダーで上部構造が360度回転するもの
1,414
76,444
10.7%
79.2%
1,116
40,993
8.4%
68.2%
600
55,075
4.5%
83.2%
200
32,492
1.5%
14.0%
気体ポンプ,真空ポンプ,気体圧縮機及びファンならびに換気用又は循環用のフードの部分品
186
138,787
1.4%
100.0%
エアーコンディショナーの部分品
158
57,843
1.2%
100.0%
82,801
2.6%
99.6%
201
395,767
1.5%
100.0%
TEU
品目
業種
346
1,198
エアーコンディショナーの部分品
$/TEU
シェア
直行率
52,454
18.6%
97.6%
竹(組物,編み物用)
547
4,695
8.5%
95.6%
自動車用部分品及び附属品でその他のもの
534
50,048
8.3%
96.3%
407
98,517
6.3%
0.0%
307
84,793
4.8%
100.0%
277
98,767
4.3%
99.9%
242
131,655
3.8%
93.3%
190
102,494
3.0%
94.5%
ピストン式火花点火内燃機関(往復動機関及びロータリーエンジンに限る)
188
117,099
2.9%
100.0%
機械類(固有の機能を有するものに限る)
154
100,459
2.4%
94.1%
電
気 ピストン式火花点火内燃機関に専ら又は主として使用する部分品
機 発電機(原動機とセットにしたものに限る)
器 ラジオ,テレビジョン,レーダーなどの送受信機器用に使用する部分品(アンテナなど)
製 一次電池又は蓄電池のくず,使用済みの一次電池及び蓄電池並びに機器の電気式部分品
造 電動機及び発電機(原動機とセットにした発電機を除く)
- 42 -
国総研資料
表-5.10
No.811
業種別取扱い上位 10 品目及びその推計価値等(2/2)
TEU
品目
業種
$/TEU
シェア
直行率
1,857
62,384
32.5%
94.8%
チタン及びその製品(塊,粉,くずなど)
379
136,815
6.6%
97.9%
自動車用車輪並びにその部分品及び附属品
279
69,421
4.9%
72.4%
フロントエンド型ショベルローダー
229
59,180
4.0%
44.5%
自動データ処理機械及びこれを構成するユニット並びに磁気式又は光学式の読取機,データをデータ
媒体に符号化して転記する機械及び符号化したデータを処理する機械
216
268,213
3.8%
100.0%
178
162,926
3.1%
100.0%
伝動軸(カムシャフト及びクランクシャフトを含む)及びクランク
174
74,042
3.0%
100.0%
鉄鋼製品でその他のもの
153
69,498
2.7%
100.0%
炭素電極,炭素ブラシ,ランプ用炭素棒,電池用炭素棒その他の製品で黒鉛その他の炭素のもの
103
46,854
1.8%
53.4%
卑金属製の手動具及び手工具,その部品
101
150,642
1.8%
100.0%
自動車用部分品及び附属品でその他のもの
商
社 円すいころ軸受け(コーンと円すいころを組み合わせたものを含む)
100%
直行率
80%
60%
40%
ゴム・タイヤ製造
建設機械製造
自動車製造
商社
電気機器製造
20%
0%
0
50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 350,000 400,000
$/TEU
図-5.8
主要輸送品目の推計価値と直行率の関係
- 43 -
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
6.長期的動向及びカスケード効果影響分析
のほか,東アジア地域のインドネシア,インド,ベトナ
ムといった国々,アフリカ地域のナイジェリアやエジプ
本章では長期的な世界のコンテナ船動静及び東アジア
ト,またロシアの伸び率が高い傾向にあるが,これらの
のコンテナ貨物流動の分析と,船舶の大型化によるカス
国の寄港回数の規模は世界の上位国と比較すると小さい.
ケード効果の影響について分析した結果を表す.
表-6.1
対象国
地域
国名
日本
中国
韓国
マレーシア
東アジア
シンガポール
インドネシア
インド
ベトナム
イギリス
欧州 フランス
ドイツ
カナダ
北米 アメリカ
メキシコ
ブラジル
南米
チリ
南アフリカ
ケニア
アフリカ
ナイジェリア
エジプト
オーストラリア
アラブ首長国連邦
その他
ロシア
ウクライナ
6.1 長期的な世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流
動分析
(1) 分析の目的
当研究所においては,寄港実績やコンテナ流動に関す
る分析を過年度に亘り実施しており,過去のデータが蓄
積されている.他方現在の世界のコンテナ船やコンテナ
貨物,コンテナ港湾に関する構造的な理解を深めるため
には長期的なトレンドについて分析・考察することも有
益と考えられる.そこで過去 20 年間における動向を分析
した.
(2) 分析手法
過去 20 年間における世界の国々のコンテナ船の寄港
回数及び東アジア諸国の海外フィーダー率について分析
した.
Japan
China
South Korea
Malaysia
Singapore
Indonesia
India
Vietnam
U.K.
France
Germany
Canada
U.S.A.
Mexico
Brazil
Chile
South Africa
Kenya
Nigeria
Egypt
Australia
UAE
Russia
Ukraine
コンテナ船の寄港回数分析では 4 章と同じくフルコン
テナ船の寄港のみを対象としている.分析に用いたデー
タは Lloyd’s データであり,寄航回数として入港日(Arrival
date)をカウントする手法等は 4.1 と同様である.
分析の対象とした国は以下の表-6.1 に挙げる 24 か国
とし,分析は 4 年毎に行った.
海外フィーダー率は 5 章 5.2 と同様に PIERS データを
用いて算出している.海外フィーダー率とは例えば東航
の場合,対象国からのアメリカ向け貨物のうち他国を経
由して輸送されたものが占める割合を表したものである.
こちらは表-6.1 の東アジア地域の国等を対象に 5 年毎に
分析を行った.
(3) 長期的な世界のコンテナ船動静分析
表-6.1 に表す 24 か国の 1993 年から 2013 年にかけて
のフルコンテナ船の寄港回数の推移を図-6.1 に示す.な
お,2013 年の値は表-4.1 と同値である.
図-6.1 より過去 20 年間の推移において 2005 年以後の
中国の増加が著しいことが分かる.日本の寄港回数は
1993 年より他国と比較して高い水準にあるが,2009 年以
降中国の寄港回数との差が開いている.
また,表-6.2 には各年度間の寄港回数の伸び率を整理
している(4 年前の年と同数の場合は 1.0 になる).中国
- 44 -
表-6.2 国別寄港回数伸び率(1993 年~2013 年)
2009
2005
2001
1993
1997
地
国名
↓
↓
↓
↓
↓
域
2013
2009
2005
1997
2001
日本
1.4
1.3
1.1
1.0
1.2
中国
0.6
1.4
1.9
2.1
2.0
1.4
1.0
1.3
1.6
2.1
東 韓国
1.1
1.3
1.3
1.8
1.6
ア マレーシア
ジ シンガポール
1.1
1.2
1.0
1.0
1.5
ア インドネシア
0.7
1.4
2.2
1.7
2.1
インド
1.3
1.4
2.0
1.8
1.6
ベトナム
1.4
4.0
1.8
3.4
1.8
イギリス
1.2
1.2
1.1
1.1
1.6
欧
フランス
1.4
1.2
1.0
1.1
1.1
州
ドイツ
1.1
1.5
1.1
1.0
1.8
カナダ
1.1
1.1
0.9
1.2
1.6
北
アメリカ
1.2
1.3
1.1
1.0
1.1
米
メキシコ
1.1
1.1
2.6
2.6
1.7
1.1
1.1
0.8
2.4
1.9
南 ブラジル
米 チリ
1.3
1.5
1.4
0.7
2.3
1.0
0.9
1.2
1.0
2.5
ア 南アフリカ
1.1
1.4
1.0
2.7
1.8
フ ケニア
リ ナイジェリア
1.3
1.5
2.0
1.5
1.6
カ エジプト
1.4
1.3
1.5
1.6
1.5
オーストラリア
1.0
1.3
0.9
1.1
1.6
そ
アラブ首長国連邦
1.0
1.4
1.2
1.1
2.1
の
1.3
1.5
1.9
2.0
2.0
他 ロシア
ウクライナ
1.3
1.3
1.4
1.3
2.8
No.811
国総研資料
70,000
Singapore
Indonesia
India
Vietnam
U.K.
France
Germany
Canada
U.S.A
Mexico
Brazil
Chile
Southe Africa
Kenya
Nigeria
Egypt
Australia
UAE
Russia
Ukraine
65,000
60,000
40,000
35,000
30,000
Japan
China
South Korea
Malaysia
□ : China
○ : Japan
25,000
◇ : South Korea
◆ : U.S.A
20,000
× : Malaysia
○ : Singapore
15,000
□ : Indonesia
10,000
5,000
0
1993
1997
2001
2005
2009
年
図-6.1
国別寄港回数の推移(1993 年~2013 年)
- 45 -
● : Germany
▼ : Brazil
+ : U.K.
◆ : UAE
× : Vietnam
◆ : India
▽ : Russia
○ : Egypt
△ : France
□ : Australia
▲ : Mexico
◇ : South Africa
● : Chile
■ : Canada
□ : Nigeria
▽ : Ukraine
2013 田 : Kenya
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
100%
100%
+ : Indonesia
◆ : Philippines
80%
80%
◎ : Vietnam
60%
海外フィーダー率
海外フィーダー率
■ : Malaysia
▼ : Thailand
40%
◆ : Philippines
+ : Indonesia
60%
▼ : Thailand
■ : Malaysia
40%
◎ : Vietnam
× : India
20%
0%
1993
図-6.2
20%
▲ : Singapore
1998
2003
2008
△
○
□
◇
●
2013
: Japan
: China
: Taiwan
: Hong Kong
: South Korea
0%
1993
図-6.3
海外フィーダー率の推移(1993 年~2013 年)
(東
1998
航)
表-6.4
中国貨物量の推移(1993 年~2013 年)(東航)
貨物種別
自国発着計
直行
フィーダー
1993
465.8
2.5
463.3
1998
1,770.5
516.0
1,254.5
2008
: India
: Singapore
: China
: Japan
: Taiwan
: Hong Kong
: South Korea
海外フィーダー率の推移(1993 年~2013 年)
(西
航)
表-6.3
2003
×
▲
○
△
□
◇
●
2013
2003
4,620.4
3,248.6
1,371.8
('000TEU)
2008
2013
7,973.4 8,517.6
6,836.2 7,675.2
1,137.2
842.4
中国貨物量の推移(1993 年~2013 年)(西航)
貨物種別
自国発着計
直行
フィーダー
(4) 長期的なコンテナ貨物流動分析
1993
119.8
19.5
100.4
1998
368.1
103.8
264.2
2003
1,232.7
767.0
465.7
('000TEU)
2008
2013
2,055.5 3,021.7
1,767.2 2,613.6
288.4
408.1
海外フィーダー率は,当該国の港湾の整備状況と密接
表-6.1 に表す東アジア地域の国等について北米-東ア
な関連がある.特に中国については,20 年ほど前は高い
ジア間コンテナ貨物における 1993 年から 2013 年の海外
海外フィーダー率を示していたが,自国の港湾整備が進
フィーダー率の推移を図-6.2(東航)及び図-6.3(西航)
んだことによりその比率が急激に減少した.現在中国の
に示す.なお,2013 年,2008 年の値は表-5.4(東航)及
海外フィーダー率は日本と同程度であり,今後どの程度
び表-5.5(西航)と同じである.
数値が低下するかが注目される.中国のトランシップ貨
両図から東航,西航ともにベトナム,タイ,インドに
物の多くを取り扱っているのは釜山港であるが,中国の
おける海外フィーダー率がこの 20 年間で低下傾向にあ
急激な成長を釜山港が取り込んだ形となっている.ただ
ることがわかる.東航,西航にそれぞれ注目すると,東
中国の伸びも鈍化しており中国の動向によって釜山港の
航で最も海外フィーダー率が低下したのは中国であり,
取扱貨物量ならびにアジア地域の港湾の状況は今後大き
逆にインドネシア,フィリピン,マレーシアの 3 国は高
く左右されるものと予想される.参考に中国の貨物量の
い海外フィーダー率を 2013 年時点でも有している.西航
推移を表-6.3(東航),表-6.4(西航)に表すが,海外フ
ではベトナム,タイ,インドのほか,1993 年に高い海外
ィーダー貨物量そのものは 2003 年をピークにその後は
フィーダー率にあったフィリピン,インドネシア,マレ
減少傾向にある.
ーシア及び中国でもこの 20 年間における率の低下がみ
他方フィリピン,インドネシア,ベトナム,タイにつ
いては減少傾向にあるが,依然として 50%程度の海外フ
られる.
日本の海外フィーダー率は,東航は 20 年間ではやや増
ィーダー率がありまた今後の経済成長も見込まれること
加傾向にあるものの近年は約 10%に留まっている(図
からトランシップ貨物の誘致先としてしばらくの間は有
-5.4).西航についても 2003 年までは増加していたが以
望であるとみることもできる.
降は 10%前後を推移している.
- 46 -
No.811
国総研資料
6.2 カスケード効果の影響分析
(2) 分析手法
(1) 航路別船型動向
使用するデ-タは,前章と同様に,セミコンテナ船を
この 10 年間における航路別船型分布はいずれも大型
対象とせず,フルコンテナ船のみを取り扱っている.
化の傾向にある.表-3.2 に示すとおり,欧州-東アジア
3 章では,
「欧州-東アジア航路」及び「北米-東アジ
航路には 1 万 TEU を超える超大型コンテナ船が数多く投
ア航路」において,1 隻の船舶が複数航路を航行してい
入され,平均船腹量が既に 9 千 TEU を超えている.我が
ることが確認された場合はそれぞれの航路で計上したが,
国に多く寄港している東アジア域内航路,その中でも平
本章の表-6.5~表-6.14 では,対象とする全船舶がそれ
均船腹量が小さい日本-中国航路や日本-韓国航路にお
ぞれ就航する航路を明確にするため,1 隻の船舶が 1 つ
いても,大型船の投入が進み,500TEU 未満の隻数が減少
の航路で計上されるように航路を細分化して分析した.
している.また,南北航路(南地域(南米,アフリカ,
例えば,3 章において定義している「欧州-東アジア航
オセアニア,南アジア・中東)-東アジア航路)におい
路」は,欧州及び東アジアの港湾のみ寄港する「A 欧州
ては 2008 年以降,6 千 TEU を超える大型船が急速に投入
-東アジア航路」,欧州及び東アジアの港湾以外にも北米
されているとともに,3~6 千 TEU 級の隻数の増減が大き
や南地域を寄港する「B 欧州・北米・南地域-東アジア航
い.
路」,欧州及び東アジア並びに北米の港湾に寄港する「C
これら船型の動向は,超大型の新造船が建造され欧州
欧州・北米-東アジア航路」,欧州及び東アジア並びに南
-東アジア航路や南北航路などへ投入されている一方で,
地域の港湾に寄港する「D 欧州・南地域-東アジア航路」
超大型船の投入により,それより小さい既存就航船が他
に細分化した.
航路へ転籍されている「カスケ-ド効果」があるものと
また,「I 日本-中国航路」は台湾・香港を含まず,デ
-タ内の各年は 1~12 月までの暦年を表す.
考えられる.カスケ-ドとは階段状に水が落ちる滝のこ
とで,転じてカスケ-ド効果(カスケ-ド現象とも言う)
(3) 転籍状況の分析
はある反応が次々と他に影響していることを指す.近年
のコンテナ航路に関して,基幹航路の急激な大型化が他
a) 2004 年から 2008 年における転籍状況
の航路の大型化を連鎖的に引き起こしているとの指摘が
表-6.5 は 2004 年における 2008 年就航航路別の就航隻
あり,この現象が基幹航路への大型コンテナ船投入によ
るカスケ-ド効果と称される
17)
数を示している.ここで,ある船舶が 2004 年の就航航路
.
本章においては,3.1 と同様に,Lloyd’s デ-タによる
が A 欧州-東アジアであり,2008 年の就航航路も A 欧州
船舶諸元情報及び寄港実績や,MDS デ-タによる航路就
-東アジアであれば,その船舶は同一航路を就航してい
航状況を用いて,世界に就航するフルコンテナ船の転籍
るものとし,2004 年と 2008 年で別航路を就航している
状況を分析した.
のであれば転籍したものとみなした.
表-6.5
2008年就航航路
A
欧州-
東アジア
B
欧州・
北米・
南地域-
東アジア
C
欧州・
北米-
東アジア
D
欧州・
南地域-
東アジア
E
北米-
東アジア
(31)
5
8
8
27
9
(5)
8
3
6
(24)
2
6
1
49
9
13
7
(166)
10
6
3
15
2
2
27
1
7
(37)
15
2004年就航航路
A 欧州-東アジア
B 欧州・北米・南地域-東アジア
C 欧州・北米-東アジア
D 欧州・南地域-東アジア
E 北米-東アジア
F 北米・南地域-東アジア
G 南北
H 東アジア域内
2004 年における 2008 年就航航路別の就航隻数
4
F
北米・
南地域-
東アジア
2
2
1
G
南北
38
2
1
12
65
8
(174)
28
2
H
東アジア
域内
I
日本-
中国
J
日本-
韓国
その他
航路
56
7
1
18
90
9
147
130
25
4
200
32
38
48
219
31
223
181
50
16
-
-
3
1
16
4
60
(256)
22
11
1
15
(37)
1
4
1
(20)
I 日本-中国
J 日本-韓国
2008年就航航路別
2004年から転籍した隻数
52
19
11
57
97
22
156
117
17
5
参考:2005~2008年の新造船
148
1
3
118
113
2
184
109
36
4
※( )内の数値は同一航路就航隻数を示す.
- 47 -
2008年に
他航路へ
転籍した
隻数
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
年の H 東アジア域内へ 60 隻転籍するなど,大型船投入に
表-3.2 でも示したように,一般的に欧州-東アジア航
路では超大型コンテナ船が就航している.例えば,表-6.5
伴うカスケード効果が見られる.
及び表-6.6 において,2005 年から 2008 年までに A 欧州
さらに,表-6.7~表-6.9 に示す 2008 年の各航路の船
-東アジアへ投入された新造船は 148 隻であり,そのう
型分布や平均船型は,表-3.2 に示す 2008 年の船型より
ち 8 千 TEU 超の大型船が 76 隻,平均船型が 7,198TEU で
も大型であることから,既存就航船が他航路へ転籍され
あった.これらの新造船の投入等の影響により,2004 年
ることで,転籍を受けた各航路で大型化が進展の一因と
に A 欧州-東アジアで就航していた船舶が 2008 年の E
なっていることがわかる.
北米-東アジアへ 49 隻転籍しており,その船型分布は表
ただし,カスケード効果は単純なものではなく,様々
な航路へ複雑に転籍されている.例えば 2004 年に A 欧州
-6.7 に示すとおりである.
また,表-6.5,表-6.8 及び表-6.9 において,2004 年
-東アジア航路に就航していた船舶の転籍先は 1 航路の
に E 北米-東アジアで就航していた船舶が 2008 年の G
みではなく B~H までの各航路及びその他の航路へ広が
南北へ 6.7 隻,2004 年に G 南北で就航していた船舶が 2008
っている.
表-6.6
’05-’08 新造船
A 欧州-東アジア船型分布
表-6.8
’04 E 北米-東アジア航路から’08 G 南北航路へ転
籍した船型分布
TEU
Capacity
-499
5001,0001,5002,0003,0004,0006,0008,00010,00012,000計
平均船型
(TEU)
表-6.7
'05-'08新造船
A欧州-東アジア航路
船腹量
隻数
('000TEU)
0
0
0
0
11
2
29
30
64
4
8
148
TEU
Capacity
0
0
0
0
31
8
137
197
553
40
100
1,065
-499
5001,0001,5002,0003,0004,0006,0008,00010,00012,000計
平均船型
(TEU)
7,198
’04 A 欧州-東アジア航路から’08 E 北米-東アジ
-499
5001,0001,5002,0003,0004,0006,0008,00010,00012,000計
平均船型
(TEU)
0
0
1
4
28
25
7
0
0
0
0
65
0
0
1
7
73
85
31
0
0
0
0
197
3,024
表-6.9 ’04 G 南北航路から’08 H 東アジア域内航路へ転
ア航路へ転籍した船型分布
TEU
Capacity
'04 E北米-東アジア航路
⇒ '08 G南北航路
船腹量
隻数
('000TEU)
籍した船型分布
'04 A欧州-東アジア航路
⇒ '08 E北米-東アジア航路
船腹量
隻数
('000TEU)
0
0
0
0
1
1
37
8
2
0
0
49
TEU
Capacity
0
0
0
0
3
4
203
53
16
0
0
278
-499
5001,0001,5002,0003,0004,0006,0008,00010,00012,000計
平均船型
(TEU)
5,682
- 48 -
'04 G南北航路
⇒ '08 H東アジア域内航路
船腹量
隻数
('000TEU)
0
9
11
27
12
1
0
0
0
0
0
60
0
7
14
45
31
3
0
0
0
0
0
100
1,664
No.811
国総研資料
b) 2008 年から 2013 年における転籍状況
また,表-6.10,表-6.13 及び表-6.14 において,2008
表-6.10 及び表-6.11 において,2009 年から 2013 年に
年に E 北米-東アジアで就航していた船舶が 2013 年の G
A 欧州-東アジアへ投入された新造船は 106 隻であり,
南北へ 85 隻,2008 年に G 南北で就航していた船舶が 2013
そのうち 8 千 TEU 超の大型船が 102 隻,そのうち 1 万 2
年の H 東アジア域内へ 102 隻転籍するなど,2004 年から
千 TEU 超が 57 隻であり,平均船型が 11,032TEU であっ
2008 年における転籍状況に比べて隻数や船腹量が上回っ
た.これらの新造船の投入等の影響により,2008 年に A
ており,大型船投入に伴うカスケード効果が進展してい
欧州-東アジアで就航していた船舶が 2013 年の E 北米-
ることがわかる.なお,G 南北の 85 隻のうち 10 隻が,H
東アジアへ 43 隻転籍しており,その船型分布は表-6.12
東アジア域内 102 隻の内 27 隻が日本へ寄港しており,各
に示すとおりである.なお,43 隻のうち 12 隻が日本へ
平均船型は 5,130TEU(G 南北),1,926TEU(H 東アジア
寄港しており,その平均船型は 6,229TEU である.
域内)である.
表-6.10
2013年就航航路
A
欧州-
東アジア
2008年就航航路
A 欧州-東アジア
B 欧州・北米・南地域-東アジア
C 欧州・北米-東アジア
D 欧州・南地域-東アジア
E 北米-東アジア
F 北米・南地域-東アジア
G 南北
H 東アジア域内
(36)
1
8
11
2
B
欧州・
北米・
南地域-
東アジア
2008 年における 2013 年就航航路別の就航隻数
C
欧州・
北米-
東アジア
8
(7)
2
11
(5)
11
10
2
1
D
欧州・
南地域-
東アジア
E
北米-
東アジア
F
北米・
南地域-
東アジア
23
6
8
(24)
6
4
43
2
16
40
(135)
1
3
9
1
7
3
9
G
南北
59
4
4
49
85
6
(122)
21
2
H
東アジア
域内
10
I
日本-
中国
J
日本-
韓国
その他
航路
218
18
35
198
266
29
491
294
71
20
-
1
102
(265)
35
7
1
3
14
(23)
2
8
3
(15)
65
5
7
80
122
16
367
247
31
11
-
7
17
I 日本-中国
J 日本-韓国
2013年就航航路別
2008年から転籍した隻数
22
15
30
47
111
23
230
178
21
11
参考:2009~2013年の新造船
106
0
8
109
120
6
244
135
13
5
2013年に
他航路へ
転籍した
隻数
※( )内の数値は同一航路就航隻数を示す.
表-6.11 ’09-’13 新造船 A 欧州-東アジア船型分布
表-6.12
’08 A 欧州-東アジア航路から’13 E 北米-東アジ
ア航路へ転籍した船型分布
TEU
Capacity
-499
5001,0001,5002,0003,0004,0006,0008,00010,00012,000計
平均船型
(TEU)
'09-'13新造船
A欧州-東アジア航路
船腹量
隻数
('000TEU)
0
0
0
0
0
0
0
4
40
5
57
106
TEU
Capacity
-499
5001,0001,5002,0003,0004,0006,0008,00010,00012,000-
0
0
0
0
0
0
0
26
337
50
756
1,169
計
平均船型
(TEU)
11,032
'08 A欧州-東アジア航路
⇒ '13 E北米-東アジア航路
船腹量
隻数
('000TEU)
0
0
0
0
0
1
13
11
18
0
0
43 ※
7,053
※このうち12隻が日本へ寄港している
(平均船型:6,229TEU)
- 49 -
0
0
0
0
0
4
71
74
155
0
0
303
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
a) 船型と寄港地数
南北航路や東アジア域内航路,日本-韓国及び中国航路
表-6.13
について,船型(TEU Capacity)と寄港地数の関係を分
’08 E 北米-東アジア航路から’13 G 南北航路へ
析した.なお,寄港地数は定期航路の 1 ループのうち複
転籍した船型分布
TEU
Capacity
-499
5001,0001,5002,0003,0004,0006,0008,00010,00012,000計
平均船型
(TEU)
'08 E北米-東アジア航路
⇒ '13 G南北航路
船腹量
隻数
('000TEU)
0
0
0
2
0
3
66
10
4
0
0
85 ※
5,201
数回寄港する港湾を 1 寄港地とみなして計上している.
図-6.4 は南北航路における船型と寄港地数を示してい
る.船型が大きい船舶ほど寄港数が多い傾向にあるが,1
0
0
0
3
0
11
329
66
33
0
0
442
万 TEU 超の大型クラスは寄港地数が 10 以下となってお
り,大型船については寄港地が絞り込まれている可能性
がある.また,6 千 TEU を超える船舶の多くは新造船も
しくは転籍船であり,8 千 TEU を超えるような大型船の
転籍が複数存在することも確認された.
図-6.5 は東アジア域内航路を示しており,南北航路と
は異なり船型と寄港地数に強い関係性は見られない.し
かし,5 千 TEU 超の船舶は寄港地数がやや少ないことか
ら,寄港地が絞り込まれている可能性もある.2 千 TEU
を超える船舶の多くは新造船もしくは転籍船であり,新
※このうち10隻が日本へ寄港している
(平均船型:5,130TEU)
造船,転籍船ともに 4 千 TEU から 5 千 TEU 超の比較的
大型の船舶も就航している.
図-6.6 は日本-韓国及び中国航路を示しており,近海
表-6.14
’08 G 南北航路から’13 H 東アジア域内航路へ
の短距離航路であるため寄港地数は少なく,船型と寄港
地数に強い関係性は見られない.1,500TEU を超える船舶
転籍した船型分布
TEU
Capacity
-499
5001,0001,5002,0003,0004,0006,0008,00010,00012,000計
平均船型
(TEU)
'08 G南北航路
⇒ '13 H東アジア域内航路
船腹量
隻数
('000TEU)
0
1
20
32
38
9
2
0
0
0
0
102 ※
は全て転籍船であり,新造船は 1,000TEU 前後の規模であ
る.
いずれの航路も,各航路の大型クラスの船舶において
0
1
24
53
95
31
9
0
0
0
0
213
他航路からの転籍船が高い割合で確認されたことから,
カスケード効果による船舶の転籍によっても船型の大型
化は進んでいると推察できる.
以上のことから,東アジア域内航路及び南北航路は我
が国の港湾政策に大きな影響を与えるため,今後とも動
向を注視すべきである.
b) 南北航路の主な寄港国
南北航路は近年急速に船舶の大型化が進んでいること
2,086
から,8 千 TEU 超の船舶の寄港国を整理した.表-6.15
※このうち27隻が日本へ寄港している
(平均船型:1,926TEU)
に示すとおり,これらの船舶の多くは中国を基点とし,
中東やアフリカ,南米へ寄港している.一方で,日本へ
寄港している船舶もあるが,全体数から見てその割合は
(4) 東アジア域内/南北航路の船型大型化の状況
相対的に少なく,これら船舶の寄港への取り組みが今後
必要であると考えられる.
東アジア域内航路における船型の大型化は国際コンテ
ナ戦略港湾以外の全国の港湾へ影響を与えるとともに,
南北航路は経済成長著しい地域との貿易拡大により新た
な基幹航路となる可能性があるため,これら航路の船型
大型化の状況について分析する.
- 50 -
国総研資料
No.811
16
14
寄港地数
12
10
同一航路就航船
他の航路からの転籍船
'09-'13新造船
8
6
4
2
0
0
2,000
4,000
6,000
8,000 10,000 12,000 14,000 16,000
TEU Capacity
図-6.4 南北航路の船型と寄港地数(2013)
16
14
寄港地数
12
10
同一航路就航船
他の航路からの転籍船
'09-'13新造船
8
6
4
2
0
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
TEU Capacity
図-6.5 東アジア域内の船型と寄港地数(2013)
16
14
寄港地数
12
10
同一航路就航船
他の航路からの転籍船
'09-'13新造船
8
6
4
2
0
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
TEU Capacity
図-6.6
日本-韓国及び中国航路の船型と寄港地数(2013)
- 51 -
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
表-6.15
TEU
Capacity
14,075
14,075
13,290
13,290
13,290
13,290
12,560
11,310
11,310
10,060
10,060
9,600
9,600
9,600
9,440
9,440
9,440
9,440
9,200
9,178
9,178
9,178
9,178
9,178
9,178
9,178
9,113
9,113
9,000
8,800
8,800
8,800
8,800
8,700
8,700
8,700
8,600
8,586
8,586
8,586
8,530
8,468
8,468
8,410
8,240
8,240
8,240
8,200
8,200
8,200
8,200
8,200
8,200
8,200
8,200
8,200
8,070
8,070
8,060
8,060
8,030
南北航路における 8,000 TEU 超の船舶の寄港国
寄 港 国 ( 寄 港 順 )
建造年
2012
2012
2011
2012
2012
2012
2011
2008
2009
2008
2008
2013
2013
2013
2006
2006
2006
2006
2013
2005
2005
2005
2006
2007
2007
2007
2006
2006
2013
2013
2013
2013
2013
2012
2012
2013
2013
2011
2010
2011
2009
2004
2004
2009
2006
2006
2004
2006
2006
2009
2010
2005
2006
2006
2006
2005
2005
2005
2004
2004
2005
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
韓 国
韓 国
韓 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
韓 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
韓 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
中 国
韓 国
韓 国
韓 国
韓 国
韓 国
韓 国
韓 国
シンガポール
シンガポール
シンガポール
シンガポール
シンガポール
シンガポール
シンガポール
シンガポール
シンガポール
シンガポール
シンガポール
シンガポール
韓 国
韓 国
韓 国
韓 国
韓 国
韓 国
韓 国
韓 国
韓 国
シンガポール
シンガポール
シンガポール
シンガポール
シンガポール
中 国
中 国
中 国
韓 国
シンガポール
シンガポール
シンガポール
シンガポール
シンガポール
シンガポール
韓 国
シンガポール
シンガポール
中 国
シンガポール
シンガポール
シンガポール
シンガポール
韓 国
韓 国
韓 国
中 国
シンガポール
シンガポール
シンガポール
シンガポール
シンガポール
シンガポール
マレーシア
マレーシア
マレーシア
マレーシア
マレーシア
マレーシア
マレーシア
南アフリカ
南アフリカ
UAE
UAE
マレーシア
マレーシア
マレーシア
UAE
UAE
UAE
UAE
UAE
日 本
日 本
日 本
日 本
日 本
日 本
日 本
日 本
日 本
南アフリカ
南アフリカ
ブラジル
ブラジル
ブラジル
シンガポール
シンガポール
シンガポール
日 本
ブラジル
南アフリカ
南アフリカ
南アフリカ
ブラジル
南アフリカ
日 本
南アフリカ
南アフリカ
シンガポール
ブラジル
ブラジル
ブラジル
ブラジル
メキシコ
メキシコ
日 本
シンガポール
南アフリカ
ブラジル
ブラジル
ブラジル
ブラジル
南アフリカ
- 52 -
UAE
UAE
UAE
UAE
UAE
UAE
UAE
モーリシャス
モーリシャス
サウジアラビア
サウジアラビア
南アフリカ
南アフリカ
南アフリカ
サウジアラビア
サウジアラビア
サウジアラビア
サウジアラビア
バーレーン
メキシコ
メキシコ
メキシコ
メキシコ
メキシコ
メキシコ
メキシコ
メキシコ
メキシコ
モーリシャス
モーリシャス
ウルグアイ
ウルグアイ
ウルグアイ
ブラジル
ブラジル
ブラジル
メキシコ
スリランカ
スリランカ
マレーシア
マレーシア
ブラジル
ブラジル
ブラジル
マレーシア
マレーシア
マレーシア
マレーシア
サウジアラビア
パナマ
パナマ
パナマ
パナマ
パナマ
パナマ
パナマ
パナマ
パナマ
スリランカ
スリランカ
マレーシア
ペルー
ペルー
ペルー
ペルー
ペルー
ペルー
ペルー
ペルー
ペルー
チ リ
チ リ
チ リ
チ リ
チ リ
チ リ
チ リ
チ リ
チ リ
パナマ
ペルー
チ リ
パナマ
スリランカ
スリランカ
ペルー
チ リ
ペルー
チ リ
ブラジル
ブラジル
ブラジル
ブラジル
メキシコ
モーリシャス
モーリシャス
ブラジル
ウルグアイ
ウルグアイ
ウルグアイ
コロンビア
コロンビア
メキシコ
ブラジル
ブラジル
ウルグアイ
ウルグアイ
ウルグアイ
ウルグアイ
モーリシャス
パナマ
パナマ
パナマ
スリランカ
国総研資料
No.811
(7)
6. 結論
アメリカ-東アジア間の輸送コンテナの単位価値
は,直行コンテナ貨物がフィーダー貨物の価格を上回
るケースが多くなっていた.価値の高い貨物が輸送リ
本資料は,全世界のコンテナ船の動静及びコンテナ貨
ードタイムの短い経路を選択する傾向にあることが推
物流動について,最新のデータの整理を行うと共に,我
察される.
(8)
が国を取り巻く状況変化についての分析を行い,もって,
アメリカ-東アジア間のコンテナ貨物の各国におけ
国際海上コンテナ輸送に関する我が国の港湾政策の企
る集荷量(トランシップ貨物からフィーダー貨物を除い
画・立案に資することを目的としたものである.本資料
たもの)では,東航,西航ともに香港,シンガポールが
で得られた結論は,以下のとおりである.
近年やや増加傾向にある.
(9)
(1)
世界貿易はリーマンショックによる落ち込みから脱
東アジア諸港のトランシップ貨物の集荷圏は,日本
は,東航で取扱貨物量の多い東京港では,ベトナム,フ
し,再び増加傾向に戻りつつあったが,欧州の債務危
ィリピン,中国,タイといった近隣アジア諸国であった.
機により減速傾向にある.インド・ブラジルといった
西航で取扱貨物量が多い横浜港は,主に中国,韓国であ
新興国における貿易額と比較して,依然として世界貿
った.一方で隣国の釜山港は,東航は中国,日本のほか
易の中心は欧州,米国,アジア地域である.重量ベー
ベトナム,インドネシア,マレーシア,インドといった
スでの海上貿易におけるコンテナ化率は 2000 年に
アジア全域からの集荷があった.西航も同様で,釜山港
10%となって以降も継続的に増加傾向にあり,コンテ
はアジア全域から集荷する傾向がある.このことは日本
ナ輸送の重要性が引き続き高まっている.
の港湾での長期的な改善の方向性を示唆している.
(2)
(10) 我が国の主要な荷主業種については,自動車製造,
世界で就航しているフルコンテナ船は,2013 末で,
隻数は前年末比-0.1%の減少,船腹量は前年末比 6.1%
ゴム・タイヤ製造ならびに建設機械製造があるが,業種
増であった.平均船腹量が引き続き増加していること
ごとのシェアが大きい業種ほど輸送の直行率が高い状
からコンテナ船の大型化は進んでいるといえる.
況にある.また推計価値の高い品目について直行率が高
(3)
建造年別に TEU Capacity を比べると,この 10 年間
い傾向にあるが推計価値が低い品目の中にも直行率が
で最大積載能力を持つ船型はおよそ倍に大型化が進ん
高いものがあり,直行サービスを享受できることが重要
でいる.一方で TEU Capacity の小さい船舶も引き続き
である.
(11) 過去 20 年間の寄港回数ならびにフィーダー率の動
建造されている.
(4)
全世界のフルコンテナ船寄港回数は,2013 年は,
向から,中国の急激な成長が釜山港の成長やアジア地域
2012 年比-0.6%と微減であった.国別寄港回数は,日
での港湾の状況に大きく寄与していたことが推察され
本は昨年と同程度,他国では香港の寄港回数の減少が
る.またインドネシア等の幾つかの国についてはトラン
目立っていた.港別の水深 16m 以深の大水深バースを
シップの誘致先として今後しばらくの間は有望である
とみられる.
必要とするフルコンテナ船の寄港回数では,横浜港が
(12) 近年のコンテナ船の大型化の一要因とされるいわゆ
54 位で減少傾向にある.
(5)
フルコンテナ船航路別港湾別寄港回数の分析では,
る「カスケード効果」について実データから把握を行っ
日本の各港湾の寄港回数は北米-東アジア航路や欧州
たが実際のコンテナ船の転籍の挙動は複雑であること
-東アジア航路では近隣アジア諸国の主要港に比べて
を確認した.カスケード効果による大型化の影響を大き
少なかったが,東アジア域内航路では国内五大港とも
く受けているのは南北航路である.東アジア域内航路に
相対的に多かった.
ついても大型化が進展し既に 5,000TEU クラスの船舶が
(6)
アメリカ-東アジア間のコンテナ貨物輸送経路分析
投入されている.基幹航路以外の航路において船舶の大
では,日本のコンテナ貨物の直行率(自国発着コンテ
型化が寄港港湾の数の減少をもたらしているという事
ナに占める直行の割合)は東航は過去(2004 年から
実は現時点では明確には確認できないが,今後も注視が
2009 年にかけて)減少傾向にあったが,近年は横ばい
必要である.
傾向にある.西航の直行率も横ばいである.中国の直
行率(東航)は増加が続いており日本の直行率と同程
本資料は,国際海上コンテナ輸送に関する世界的なデ
度にまで引き上がったが,以前よりも伸び率は鈍化し
ータを整理分析したものである.分析を行ったフルコン
ている.
テナ船の動静やコンテナ貨物流動について,得られてい
- 53 -
世界のコンテナ船動静及びコンテナ貨物流動分析(2014)/浦野真樹・安部智久・木下真吾
8)
るデータの範囲内において,世界の傾向を,継続的に,
中華人民共和国交通部,中国港口年鑑編集部編纂:
中国港口年鑑,2012.
かつ,容易に把握できるように配慮した.
9)
使用データは港湾統計等とは異なり全数調査ではなく
また特定の国の港湾のみを対象としたものではないため,
レイデンリサーチ:PIERSパンフレット.
10) 日本海事新聞社:航路は1つ データは2つ? アジア-北米
国別の港湾に関する分析においては一定の誤差も入りう
コンテナ荷動き 統計2社,韓国発に7万TEUの差,2010年1月
る点に留意されたい.
31日付記事,2010.
11) JETRO(日本貿易振興機構)
:ジェトロ世界貿易投資
世界のコンテナ船動静やコンテナ流動は,世界の経済
報告,2013.
動向・貿易動向に大きく影響を受けるため,状況はめま
12) UNCTAD(国連貿易開発会議):Review of Maritime
ぐるしく変化することが予想される.このような動向を
Transport, 2013.
正確かつタイムリーに把握し情報提供するため,今後も
13) (社)日本港湾協会,国土交通省港湾局監修:港湾
同様の分析を継続して行う予定である.
の施設の技術上の基準・同解説,2007.
14) 高橋宏直:わかりやすい港湾・空港工学シリーズ
(2014 年 9 月 1 日受付)
コ
ンテナ輸送とコンテナ港湾,pp.51,技法堂出版,2004.
15) U.S.
謝辞
Department
of
Transport
,
Maritime
Administration:Trade Statistics
本資料の作成にあたっては,国土交通省港湾局計画課
より貴重なコメントをいただくと共に,所内の皆様から
16) 後藤文子・高橋宏直:東アジア地域に視点をおいた
様々なご助言をいただきました.ここに記し,感謝の意
対北米コンテナ貨物流動に関する分析(2006)-コンテ
を表します.
ナ貨物の価格に関する比較分析-,国土技術政策総合
研究所資料,No.339,2006.
17) 高橋宏直:世界経済の動脈物流の実態-世界を駆け
参考文献
1)
赤倉康寛・二田義規・渡部富博:世界のコンテナ船
めぐる国際コンテナ貨物の最新事情-,国土技術政策
動静及びコンテナ貨物流動分析(2007)-大型化が進
総合研究所資料,No.482,pp.131-147,2008.
む東アジア域内航路の動向分析-,国土技術政策総合
研究所資料,No.432,2007.
2)
二田義規・赤倉康寛・渡部富博:世界のコンテナ船
動静及びコンテナ貨物流動分析(2008)-米国-東ア
ジア間におけるコンテナ化の動向-,国土技術政策総
合研究所資料,No.467,2008.
3)
赤倉康寛・二田義規・渡部富博:世界のコンテナ船
動静及びコンテナ貨物流動分析(2009)-我が国港湾
におけるトランシップコンテナ流動の推計-,国土技
術政策総合研究所資料,No.538,2009.
4)
瀬間基広・赤倉康寛:世界のコンテナ船動静及びコ
ンテナ貨物流動分析(2010),国土技術政策総合研究所
資料,No.601,2010.
5)
瀬間基広・赤倉康寛:世界のコンテナ船動静及びコ
ンテナ貨物流動分析(2011),国土技術政策総合研究所
資料,No.642,2011.
6)
赤倉康寛・後藤修一・瀬間基広:世界のコンテナ船
動静及びコンテナ貨物流動分析(2012),国土技術政策
総合研究所資料,No.689,2012.
7)
浦野真樹・安部智久:世界のコンテナ船動静及びコ
ンテナ貨物流動分析(2013),国土技術政策総合研究所
資料,No.755,2013
- 54 -
No.811
国総研資料
付録
S hekou(蛇口)
Xingang(天津新港)
Yantian(塩田)
Chiwan(赤湾)
Qingdao(青島)
Busan
(釜山)
東京
横浜
大阪
神戸 東京港・横浜港
名古屋
Gwangyang 名古屋港
大阪港
(光陽)
S hanghai(上海)
Ningbo(寧波)
Hong Kong(香港)
香港周辺
Xiamen(廈門)
神戸港
Keelung(基隆)
Kaohsiung(高雄)
Haiphong
Manila
Bangkok
Laem Chabang
Ho Chi Minh City
Port Klang
シンガポール周辺
Tanjung Pelepas
Jakarta
S ingapore
図-A.1
東アジアの主要港湾位置図
- 55 -
国土技術政策総合研究所資料
TECHNICAL NOTE of N I L I M
No. 811
編集・発行
September 2014
C国土技術政策総合研究所
本資料の転載・複写のお問い合わせは
〒239-0826 神奈川県横須賀市長瀬 3-1-1
管理調整部企画調整課
電話:046-844-5018
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