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図書室通信第3号
図書室通信 No3 発行日 平成28年 10 月4日 発行者 図書委員会 ~ 図書委員長から ~ 図書委員長の関崎香凛です。もうすぐ中間テストですが、図書室には面白い本がたく さんあるので、昼休みにぜひいらしてください!図書室では、静かに座って本を読みま しょう。 読書感想文紹介! 夏休みの課題であった読書感想文の中から、課題図書の部で 3 年の寺本君、自由読書の部で 2 年の山下さんの感想文が旭 町中の代表として松戸市小中学校読書感想文コンクールに出品されました。山下さんの読書感想文は、松戸市の第二次審査を 経て、現在、県の審査に進んでいます。二人の読書感想文を次に紹介します。 ★ 中学校生活の共感できる楽しさ 寺本 匠 僕が今回読んだ本は「ABC!曙第二中学校放送部」という本です。この本を読んでみようと 思った理由は、書店に行ったときに課題図書のコーナーにあったこの本に目が止まり、本の帯 を見て、部活動の問題が出てくるとあったからです。文化部と運動部という違いはありますが、 僕が部活をやっていた頃と重ねて、共感できる部分や、新しく思うようになった部分が見つか るのではないかと興味が沸きました。 この本の主人公である曙第二中学校三年生の本庄みさとは、ある理由でバスケ部を退部して 放送部へと入部しました。最初は部長である古場和人とみさとの二人しかいなかったのが、途 中から美少女転校生の真野葉月、元野球部の新納基、一年生の小島株子が入部し、さらに新し く入った顧問の須貝友春先生を含めた六人が、ハプ二ングに巻き込まれたり、部内で衝突が起 きたりと数多くの壁に行く手を阻まれますが、それを六人が力を合わせて乗り越え、目標の放 送コンクールへ向けてがんばっていくというのが、この本の内容です。 この本を読んで共感できると思った場面の一つ目は、生徒指導でみさと達の担任の古権沢先生に放送部で反抗すると いうところです。この古権沢先生は生徒指導の担当で、とても厳しく怖く、生徒からは恐れられ、ほとんどの先生は古 権沢先生には逆らえませんでした。しかし、放送部は屈することなく、自分達が正しいと思った方向へ迷わず進みまし た。僕がもし放送部の立場だったら、僕も反抗していたと思います。しかし、一人だったらそんな勇気を出せないと思 います。二つ目は、葉月が放送でしゃべることを拒否し続けて、みさとがイライラしていたところです。葉月は放送経 験があり、みさと達よりもずっと上手なのに、アナウンスを一切やろうとしませんでした。僕がみさとの立場だったら、 何も理由をいわずにやってくれないと、協力してくれないと思い、嫌になると思います。僕が部活をやっていた時も、 練習をさぼってやらない人がいて嫌な気持ちになりました。 次に驚いた場面の一つ目は、みさとがバスケ部にいた頃の同じチームだった澤村亜美からいやみを言われていたと き、葉月が澤村に向かって「ブス」と言ったところです。自分の中での葉月のイメージは、もの静かで控えめというイ メージだったので、少しびっくりしました。その後に葉月はみさとに案内させて防音室へ行き、そこでものすごい勢い でたくさんの悪口を叫んでいて、それにもびっくりしました。二つ目は、みさとが放送コンクールのアナウンス部門で 八位に入賞したことです。全国大会出場にはあと少しのところで届きませんでしたが、それでも経験が全く無くて最初 は失敗ばかりだったのが、大勢の人の前で全国大会まであと一歩という記録を出せるのはすごいと思いました。努力を しっかり続ければ、人は変われるのだということを改めて知ることができました。 最後に、すごいなと感心した場面の一つ目は、葉月がまだ放送部に入ったばかりなのに他のメンバーをしっかりまと めていたことです。僕は部活をやっていた時、後輩を指導したり、チームをまとめたりすることがあまり得意ではあり ませんでした。だから、そういったことをきちんと言うことができる葉月をすごくうらやましく思い、自分もそういう ことができたら良かったのかなと思いました。二つ目は、みさとが学校で吹かれている楽器と声出しで我慢比べをして、 勝ったことです。楽器を吹いているのはおそらく吹奏楽部で、肺活量は普通の人よりも多いいのに、それに勝てるぐら いの練習量をし続けていたなんてすごいと思いました。この話から、僕も様々な面での基礎を大切にしていきたいと改 めて強く感じました。三つ目は、須貝先生が、放送部で問題が起きてしまったときに古権先生に怒られてしまっても、 とても明るくしていたところです。本当に怒られたのだろうかという態度でいて、なぜそんなに明るくいられるのだろ うかと不思議に思いました。もしも僕が須貝先生の立場でいても、ここまで明るくはいられないので、前向きでいると いう面だけでは須貝先生を尊敬しました。しかし、怒られたのだから、もう少し反省をした方が良いのではないのかと 疑問に思いました。 この本を読んで、自分の経験と重ねて、共感したり、すごいな、自分もできたらなと感心したりした場面が他にもた くさんありました。そこで、自分が部活を通して見たり、起こしてしまった問題や行事でのクラスとの思い出なども思 い起こすことができ、読んでいてとても楽しかったです。また、そういった思い出の他にも、この本のおかげで学べた ことがたくさんありました。それを、残りの中学校生活や高校生活で活かし、みさと達放送部のように自分の目標へと 向かって努力し続けられるように、そして、毎日を充実させることができるようにがんばっていきたいと思いました。 ★ 自分を好きになれるように 山下 真琴 私は今の自分が嫌いだ。言ってもいないことを、友達に勝手にうわさで流されてしまったり、先輩に誤解が解けないま ま怒られてしまったりと、信用できる相手がいなくなったことで、人に対して厳しい目で見るようになったからだ。私を 怖がって少しずつ友達が遠ざかるのを感じ、 「このままではだめなんじゃないか。 」と自問せざるを得なくなった。 そんな時、 「去年の今頃は、たくさんの友達が向こうから寄ってきてくれていたんじゃないの?」と母に問いかけられた。 そして、人を軽蔑するような私の考え方に対して、 「誰だって、思っていても出来ないことや、直したくてもなかなか直せ ないことってあるんじゃないの?あなた自身にだって同じところがあると思うよ。 」と指摘された。 「いつまでも許す心が 持てず、気づかないうちに私は友達にこんなにひどい態度をとってしまっていたんだ。 」と思うと、心がズキッと痛み、私 は今の自分を変えたいと強く思うようになっていた。 挿し絵の可愛らしさに惹かれて読み始めたこの本『美雨十三歳のしあわせレシピ』には、私と 同じように自分を変えようとしているお父さんがいた。主人公美雨のお父さんは、お母さんが家 出をしたのは自分が原因だと考え、自分を変えることでお母さんが帰ってくると信じていた。悩 んでいても前に進めない。行動しなければ変われない。やると決めたことはすぐに取りかかる。 こんな美雨のお父さんを見たとき、ある出来事を思い出した。 私が二歳の時まで父はタバコを吸っていた。当時私は小さかったので、あまりよく覚えていない。 だが、母の話によると、私と姉は家中がタバコ臭くなるのが嫌だったし、タバコが体に良くない ことも知っていたので、父がタバコを吸うのを必死に止めていたらしい。それから父はタバコを やめることを決心し、心が折れることなく、一回で禁煙を成功させた。タバコを吸っている人に 近づかないようにしたり、口が寂しい時のためにアメを持ち歩いたりと、いろいろ努力をして達 成したそうだ。決意が早く、実行力のある私の父は、美雨のお父さんの姿と重なった。 美雨はお母さんについて、料理が苦手だったからカレーばかり作っていると思っていた。そしてお父さんは、一週間に 一回は出てくるカレーを食べながら、 「まずいなあ。他のものも食べたいなあ。 」そんなことを思いながら黙って食べてい るとしたら、やっぱりお母さんが可愛そうだと美雨は思っていた。ところが、お母さんが家出をしたことで、お父さんと たくさんの話をしてみたら、お母さんが料理が苦手なのは、ずっとピアノを勉強してきて、手を守るために料理は厳禁だ ったという理由があり、カレーばかり作っていたのは、お父さんはお母さんの作るカレーが大好きだったので、会社でヘ マをしてしおれて帰ってきた時のお父さんを励ますためだったのだ。そして、お父さんが黙々とカレーを食べていたのは、 まずいと思っていたのではなく、いろいろなことを噛みしめていたからだったのだ。カレーが出てくる度に、 「頑張らなき ゃ」と思えていたのだ。美雨は家族のことなのに、こんなにもたくさんの誤解をし、勝手に思い込んでいたのだ。 つい最近、一人の友達が私に「自分の目で見たことと、自分で本人に直接聞いたことしか信じないからね。 」と言ってく れた。変なうわさを聞いても流されずに、私のところに確認に来てくれたのだ。こんな大人の考え方をしている友達がい ることにとても心強さを感じ、尊敬した。勝手に思い込まないで、直接相手と話して自分で判断することが大切なのだと 改めて感じた。 私は、この本の中で一番心に響いた言葉がある。 『自分のことを嫌いなのに、相手が好きでいてくれるわけがない』とい う、お父さんの言葉だ。今の自分が嫌いだと思っていたさなかに聞いたこの言葉は、ストレートに私の心に飛び込んでき た。確かに、自分のことを嫌いな人は、どこか投げやりで、後ろ向きで、きっと何の魅力も感じないだろうなと思った。 まさに、今の私の日常生活がそれを物語っているようだ。逆に、たくさんの仲間から信用されている友達は、とても自分 に自信があって生き生きと過ごしているように感じる。そして、そんな友達は周りの人に優しくて、友達や家族、先生や 自分をとても大切に思っているという気持ちが伝わってくる。 こんなことを思いながら読んだこの本から、今の私を変えようとしてくれているような力を感じた。そして、自分のこ とを「好き」と言えるように少しでも進歩していきたいと思った。今、私は新しい自分へ変わるための階段を一歩一歩踏 みしめながら上って いる。 図書室からのお知らせ もうすぐ図書室には、今年度の新刊図書の第二弾が入ります。皆さんから寄せられた希望図書も含 まれています。ぜひ、新刊コーナーに注目してください。 (*今回の図書室だよりは、1年図書委員の榊と萩原が担当しました。 )