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遺伝性・家族性乳がん診療のコンセンサス(多施設アンケート結果から) O

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遺伝性・家族性乳がん診療のコンセンサス(多施設アンケート結果から) O
O-82
遺伝性・家族性乳がん診療のコンセンサス(多施設アンケート結果から)
Current consensus of the management of hereditary/familial breast cancer on the results of questionnaire to
multi institutes.
杉江 知治 1、戸井 雅和 1、光森 道英 2、山内 智佳子 3、石黒 洋 4、三上 芳喜 5、岡村 隆仁 6、
加藤 大典 7、山内 清明 8、稲本 俊 9
1
4
京都大学医学部 乳腺外科 、2 京都大学医学部 放射線治療科、3 滋賀県立成人病センター、
京都大学医学部 外来化学療法部、5 京都大学医学部 病理診断部、6 大和高田市立病院・外科、
7
呉医療センター・乳腺外科、8 北野病院・乳腺外科、9 天理よろづ相談病院
【目的】わが国における遺伝性・家族性乳がん診療に関する意識と実地臨床の現状を検証する。
【方法・結果】京都大学関連
施設を対象にアンケート調査を行い、27 施設・60 名の乳腺外科医より回答を得た。BRCA1/2 遺伝子変異を疑う乳がん症例を
経験したことのある施設は 52%であったが、そのうち遺伝子解析を行ったことのある施設は 11%にすぎず、遺伝子検査が普
及していないことがわかった。遺伝子検査を行ううえでの問題点としてカウンセリング体制の不備(82%)や遺伝性乳がんと
判明した場合の対処法についてのコンセンサスが得られていない(78%)を挙げる施設が多かった。遺伝子性乳がん家系と判
明した場合、発端者の家族に対して 89%が遺伝子相談を紹介するとしたが、予防法としては検診のみが 97%であり、化学予
防や手術予防を行うと答える外科医はほとんどいなかった。また予防法を行う場合に両側乳房切除を行うと答えた外科医は
12%にすぎず、予防切除のコンセンサスは得られていない。また、予防手術を行う場合の術式として、total mastectomy 25%、
skin sparing mastectomy 36%, nipple sparing mastectomy 39%と術式に関しても意見がわかれていた。家族性乳がんが疑わ
れる乳がん患者に対して、温存手術を施行すると答えた外科医は 83%ともっとも多く、対側の予防的乳房切除を行うと答え
た外科医は 5%にすぎず、積極的な予防的切除を行わないとの意見が多かった。
【結論】今回のアンケート結果から、実地臨
床では、遺伝子診断の重要性は意識しながらも、その後の予防法や治療法についてのコンセンサスが得られていないために、
積極的は予防や治療を講じられていない。
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