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宮崎大学 農学部附属動物病院 鳥巣 至道

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宮崎大学 農学部附属動物病院 鳥巣 至道
宮崎大学
農学部附属動物病院
鳥巣 至道

プロフィール
 犬種:スコッチテリア
 年齢:7歳5ヶ月
 性別:雌
 体重:13.2 kg

主訴
 半年前から肝酵素上昇
 臨床症状なし
 元気、食欲あり
10か月前に、本症例の母犬が
肝酵素上昇で、来院
腹腔鏡下肝生検にて、
慢性肝炎と診断
検査項目
初診時 検査項目
初診時
TP (g/dl)
7.4
T-cho (mg/dl)
270
Alb (g/dl)
3.3
TG
(mg/dl)
346
ALT (U/L)
401
NH3 (μg/dl)
<30
AST (U/L)
64
TBA (μmol/l)
6.9
ALP (U/L)
2326
GGT (U/L)
14
DV
Lateral
肝臓のFNA検査
リンパ腫や肥満細胞腫を疑わせる所見なし

暫定的な治療





低脂肪食
ウルソデオキシコール酸
エリスロマイシン
ベジタブルサポートDrプラス
10mg/kg BID
3mg/kg BID
2.5g/head BID
4ヵ月経過
 胆嚢内容物や肝酵素に顕著な変化なし

方針
 肝生検と胆嚢洗浄の実施

細菌学的検査
 グラム染色
 好気培養検査
 嫌気培養検査

内容物の検査
 実施せず
(-)
(-)
(-)
ALT
ALT
ALP
ALP
T-cho
T-cho
TG
TG
: 401 U/L
: 401 U/L
: 2326 U/L
: 2326 U/L
: 270 mg/dl
: 270 mg/dl
: 346 mg/dl
: 346 mg/dl
ALT
ALP
T-cho
TG
: 111 U/L
: 1334 U/L
: 277 mg/dl
: 131 mg/dl

肝細胞脂肪変性
 肝細胞はびまん性に淡明化し、混濁腫脹、お
よび中等度から高度の脂肪変性を認める。
 類洞内にヘモジデリンおよびセロイド貪食マ
クロファージの小集簇、および好中球の小集
簇を散見。
症例
T-cho : 250 mg/dl
TG
: 165 mg/dl
正常
検査項目
初診時
胆嚢洗浄
クリノフィブラート
投与 3か月後
ALT (U/L)
401
111
108
ALP (U/L)
2326
1334
939
T-cho (mg/dl)
270
277
206
TG (mg/dl)
346
131
68
ベースの食事
低脂肪食+ベジタブルサポートドクタープラス+ささみ
投薬
クリノフィブラート 10mg/kg BID
ウルソデオキシコール酸 10mg/kg BID

高脂血症と肝疾患の関係
 空胞性肝障害、胆嚢粘液のう腫
 犬の脂肪肝は、比較的珍しい
▪ T-choやTGが顕著な増加なし
▪ 脂質代謝異常が関与

胆嚢洗浄
 胆嚢摘出術の前段階の処置として有用?
 胆泥の成分分析や培養検査が可能
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