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二〇一四年度川崎市予算要望書

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二〇一四年度川崎市予算要望書
二〇一四年度川崎 市 予 算 要 望 書
二〇一四年度川崎市予算要望書
日本共産党川崎市議会議員団
日本共産党川崎市議会議員団
二〇一四年度川崎 市 予 算 要 望 書
二〇一四年度川崎市予算要望書
日本共産党川崎市議会議員団
日本共産党川崎市議会議員団
予算要望書の提出にあたって
できる川崎を
二、 ひ と り 一 人 の 子 ど も た ち が 大 切 に さ
れ、すべての子どもたちの成長・発達を
支える教育の実現を
三、いまこそ、国の福祉切り捨て・社会保
障切り捨てに抗し、川崎市が防波堤の役
割を
四、障がい者・児の基本的人権を守り、発
達保障と自立・社会参加を保障する
五、地域経済の担い手を守り、成長を促す
支援策を
六、労働者の雇用と権利を守る施策を
七、
﹁川崎に住んでよかった﹂と思える良好
な環境の形成を。豊かな自然を残し、安
心して住み続けられる川崎を
八、震災・防災対策を抜本的に強める
九、市民の命と健康を守るための公害環境
対策と、自治体固有の事業として抜本的
な廃棄物対策を
十、市民・地域にねづいた豊かな文化・ス
ポーツ政策を
十一、女性の地位向上と社会参加の向上を
十二、青年の願いにこたえる施策の充実を
十三、
﹁核兵器廃絶﹂の機運を高め、平和を
守る取り組みを強める
十 四、 不 要 不 急 の 大 規 模 事 業 を や め、 福
祉・くらしの増進に全力を挙げる自治体
本来の使命を果たす自治体に
十 五、 主 権 者 市 民 が 真 に 主 役 と し て 参 加
し、意見表明できる民主的な仕組み・市
政運営を
区民要望書
︹一︺川崎区
区
︹二︺幸
︹三︺中原区
︹四︺高津区
︹五︺宮前区
︹六︺多摩区
︹七︺麻生区
93
96
目
次
要望書本文
2
一、子育て支援策の充実で安心して子育て
4
4
20
30
40
71 51
82 75
予算要望書の提出にあたって
昨年末の総選挙で誕生した自民党安倍政権は、今年7月の参議院選挙での多数派獲得を力に、いっ
そう暴走を続けています。来年四月からの消費税増税の実施を決め、社会保障大改悪、原発再稼働、
TPP交渉参加、オスプレイ配備、憲法改悪に向けてひた走り続けています。集団的自衛権について
も、明文改憲でなく、解釈改憲で合法化する道を突き進み、そのための内閣法制局長の差し替えまで
おこなう異常さです。そして、今国会には、暗黒政治の再来となる﹁秘密保護法案﹂を上程し、成立
に執念を燃やしています。しかし、安倍政権の突き進もうとしている道は国民多数の民意とはかけ離
の軸足を市民要求実現によって市内の中小零細企業も商店街も元気になって活性化する、そのことに
災対策の充実をはかることです。そのためにも、不要不急の大規模開発を抜本的に見直し、市政運営
成制度の創設など中小零細事業者への実効性ある支援策、若者の正規雇用の拡大、住民の命を守る防
いま川崎市に求められているのは、市長選で示された市民の切実な要求に応え、中学校給食や認可
保育所整備、小児医療費助成制度の拡充など子育て施策の充実をはかるとともに、住宅リフォーム助
国の悪政のもとで、自治体は住民の福祉と暮らしを守る役割を積極的に果たす必要があります。
特定秘密保護法など、安倍自公政権の暴走政治への国民・市民の強い危惧・批判が示されたものです。
市民が厳しい審判をくだすとともに、消費税大増税や原発推進、憲法改悪、集団的自衛権の行使容認、
民福祉の増進﹂という自治体本来の役割を投げ捨て、市民に冷たい市政運営を続けてきた阿部市政に
12
―2―
れた、国民の生活を破壊する道であることは間違いありません。
月の川崎市長選挙では、自民党・公明党・民主党の相乗り推薦で盤石
こうした中でたたかわれた
の体制 で 臨 み 、
﹁阿部市政の継承﹂を掲げた元総務省官僚・元財政局長が直近の今年7月参議院選挙で
の自民党・公明党・民主党の比例合計得票数の半分以下にとどまりました。この結果は、 年間、
﹁住
10
よって雇用拡大もはかるという、
〝好循環サイクル〟へと転換することが必要です。
竹間
宮原
石田
斉藤
佐野
井口
大庭
裕子
真美
仁昭
隆司
和子
春夫
幸一
団
長
市古
映美
副団長
石川
建二
副団長
勝又
光江
日本共産党川崎市会議員団
この要望書は、広範な市民や各界から寄せられた要望・意見などを集約したものを予算要望項目と
してまとめたものです。これら市民の強い願い・要望を二〇一三年度予算編成にあたり、積極的に取
り入れられるよう申し入れるものです。
二〇一三年十二月五日
川 崎 市 長
福
田
紀
彦
様
―3―
要望書本文
一、子育て支援策の充実で安心して子育てできる川崎を
景気後退の長期化により経済状況が厳しさをますなか格差と貧困が広がり、子どもと家庭を取り巻く環境は、その
影響を大きく受けています。貧困による格差の広がりは、子育てが困難という状況をうみだし、教育や進学の機会を
―4―
奪うだけでなく、すこやかに育つための環境にも大きな影響を及ぼします。国民の暮らしを支え、子育てへの経済的
支援の拡充、子育てのセーフィティーネットの確立が必要です。安心して子育てができる川崎にするために、小児医
療費助成制度の拡充や私立幼稚園保育料補助の増額は今や喫緊の課題です。
共産党市議団が2012年に取り組んだ市民アンケートには、﹁仕事をしなければ生活がままならないのにあずけ
る先がなく、でも仕事をしていないと保育所の入所申請ができず、どうしろというのか﹂﹁川崎は公立の幼稚園がな
く、私立ばかり、入園料も保育料も高すぎる。保育料補助をもっと拡充してほしい﹂
﹁こどもの医療費助成を東京都並
みに中学3年生まで行ってほしい﹂等、安心してこどもを育てられない川崎の実態が多数寄せられました。こうした
要望に応え、抜本的な子育て支援策を講じることが急務です。
政府は、保育の公的責任を投げ捨てる﹁こども子育て新システム﹂について、2012年8月、子ども子育て関連
3法を公布しました。これら3法︵①子ども子育て支援法②認定こども園法の一部改正③児童福祉法の一部改正︶の
本格施行は、消費税率が %に引き上げられる予定の2015年4月からとされていますが、現在の保育制度は大き
育ママなどを待機児童の受け皿にしていく点は変わっていません。直接契約、個人給付といった保育を市場化するた
言は残りました。しかし、保育を必要とするすべての子どもを保育所で保育するという原則が崩され、基準の緩い保
く変わり新たな制度が導入されます。改正された児童福祉法は、削除反対の強かった﹁市町村の保育実施義務﹂の文
10
めの﹁新システム﹂の仕組みも変わっていません。これは安心して子育てができる状況に逆行するもので、到底容認
できません。
︵一︶安心して出産できる環境を整備する
回までの
人口が増え、出生率も増加しているのに、市内の分娩取り扱い病院は年々減少し、2013年8月現在、前年度よ
り1診療所減って 施設になりました。安心して出産できる環境整備が急がれます。お産難民をつくらない取り組み
が必要になっています。ハイリスク出産を防ぐため妊婦健診をだれでも安心してうけることができるよう
年4月から実施、継続されています。、引き続きの国の助成の継続と、一人当たり8万9千円の助成では、健
院として聖マリアンナ医科大学病院内に、NICU
床、GCU
17
床を保有する総合周産期母子医療センターが開設
08
24
30
における現場滞在時間が 分以上かかった割合は2011年は9・5%、2012年は
妊婦健診
回までの助成を継続すると同時に全額公費助成する。
・4%になり、 年当時よ
10
08
床です。さらなる新設・増床を進め、ハイリスク妊婦の
市地域保健医療計画において、NICUは出産人口1000人あたり2床必要としており、2012年度まで
に 床の整備目標に対し、現在の市内のNICUは、
救急体制や母子の救命に力を尽くす。
24
⑥
助産所の嘱託医と嘱託医療機関の確保に行政支援を行い、嘱託医療機関に必要な支援を継続して行う。
⑤ ﹁川崎市地域保健医療計画及び周産期医療計画﹂に助産所の活用がもりこまれましたが、総合周産期医療のネッ
トワークを確立し、連携して市民の安心なお産の場を確保する。
④
② 産科医の確保に全力を尽くし、分娩医療機関を新設・増床・再開し、安心してお産ができる体制を拡充する。
③ 013年3月に川崎病院に開設された助産師外来の充実を図る。
①
りは改善されたものの更なる周産期医療ネットワークの強化が必要です。
30
されました。2011年には日本医科大学武蔵小杉病院のNICUが3床増えて6床になりました。妊婦の救急搬送
12
妊婦の救急搬送も、現場滞在時間が 分以上かかった割合が 年は ・2%で、政令市中ワースト1位という状況
のなか、市立川崎病院で新生児集中治療室が六床再開し、2010年3月に本市の周産期救急医療システムの基幹病
診内容によっては自己負担が数千円に及ぶ場合があることから全額無料にするための助成の拡大が求められます。
助成が
14
26
14
―5―
09
30
⑦ 2 0 1 2 年 の 現 場 滞 在 時 間 が 分 以 上 が 1 割 を 超 え る 現 状 か ら、 妊 婦 の 救 急 搬 送 の よ り 迅 速 化 を は か る た め
に、助産師等を活用して﹁情報オペレーター・電話相談窓口﹂を配置し、日中コーディネーターが市内のNIC
Uや産科の空床状況、受け入れ体制を把握し、夜間コーディネーターに引き継ぎ救急に備えるとともに、電話相
談も担うシステムを創設する。
︵二︶産後ケアで育児不安を解消し、安心して子育てができるサポート体制を充実する
出産後早期退院︹5日目︺が通常化するなか、出産による体力消耗、急激な体の変化、頻回授乳、慣れない育児へ
の不安と、母親の心身に大きな負担がかかることから、この時期に適切なケアが必要ですが、核家族化や祖父母の高
齢化や就労でサポート体制が困難なケースが増加しています。育児不安を早期解消し、児童虐待を未然防止すること
が必要です。
① 宿泊型の産後ケアセンターを整備する。生後4ヵ月未満の母子の母体ケア、乳児ケア、育児相談、育児指導を
行なう産後ケア事業を創設する。当面新設が無理ならば現状でも産後ケアを実施している助産所を活用し、市と
して体制と支援策を講じる。
② 保健師を増員し、
﹁新生児訪問事業﹂や﹁こんにちは赤ちゃん事業﹂の充実をはかり、継続的に母親へのきめこ
まやかな育児支援や育児相談にのる。
③ 産後ヘルパー派遣事業の充実を計る。産前にも適用できるようになったことから、周知の意味も含め﹁産前・
産後ヘルパー派遣事業﹂と事業名を改め、補助額を増額すると同時に、横浜市のように、低所得者については無
料とするなど、必要な母子が使いやすいよう改善する。
︵三︶地域子育て支援センターを増設する
家から歩いていける距離に、誰でも気軽に集まってこども同士、親同士または異世代で交流でき、子育ての悩みや
相談ができる場を小学校区に1ヵ所まで増設することが必要です。同時に、個々の子育て支援活動と地域の保育園な
ど、公共機関との連携や協同をする取り組みの強化を図ることが必要です。現在認可保育所併設は2012年度より
―6―
30
2ヵ所増えて
ヵ所、旧公立幼稚園に6ヵ所、こども文化センターに児童館型を
いていける範囲に増設していくことが必要です。
ヵ所で合計 ヵ所です。地域で歩
53
けない実態が広がっています。中学校卒業までの助成は東京 区のすべての区をはじめ
政令市のうち7政令市まで
こどもが小学生にあがり医療費助成がなくなることが、受診抑制につながっている実態があります。また小学生以
上の子どもが二人以上いる家庭やアレルギーなどの持病を持つ子どもがいる家庭等、医療費負担で安心して病院に行
︵四︶小児医療費助成制度の所得制限を撤廃し、通院対象年齢を中学卒業まで助成する。
としないで、同センターに引き続き担当係長を配置する。
﹁新たな公立保育園﹂の新たな機能として区役所に新設された﹁子ども支援室・事業推進人材育成担当﹂との兼務
ありますが、旧公立幼稚園舎と園庭を活用し、いずれも最も多い市民に利用されています。施設管理の点からも
③ ﹁新たな公立保育所﹂を2013年度に先行実施した川崎区、宮前区の旧公立幼稚園舎を活用した単独型地域子
育て支援センターの担当係長を引き上げ、正規職員の配置をなくしたのは問題です。同センターは全市で6ヵ所
① 保育園併設の地域子育て支援センターの増設を行う。
② こども文化センターに乳幼児の遊べる環境を整え、専任の専門職種を配置し、地域の合意を得た上で、地域子
育て支援センターを整備する。
26
20
① 小児医療費助成制度の所得制限を撤廃し、通院対象を中学卒業まで助成する。
②
一部負担金を2014年度以降も導入しない。
③
ひとり親家庭医療費助成制度事業についても一部負担金を導入しない。
すます強くなっています。お財布の中身を心配しなくても早期通院できるよう一刻も早い拡充が求められます。
ます。本市では2012年9月から小学校1年生まで年齢を拡充しましたが、市民からは、年齢引き上げの要求はま
広がり、小学校卒業までは7市、小学校3年生までは5市が取組んでいます。神奈川県下でも拡充が次々広がってい
23
―7―
21
︵五︶豊かな幼児教育を保障する
、 年度と
本市は若い世代の人口が急増しているにもかかわらず、幼稚園の数は増えておらず、2013年度は
同じ 園です。2013年度の私立幼稚園の定員超過率は106・ %で、政令市で唯一100%を超えています。
11
12
かという父母の不安が多数よせられています。
なかには入園願書を受け取るために前夜から並ぶなど、入園先を確保するのも大変な状況が続き、入園できるだろう
41
%︺より微減したのは、私立幼稚園の定員を増やしたことによりますが、同
定員超過率が2012年︹107・
じ敷地内に教室を増やすのは限界があると思われます。2010年4月には、研究実践園として残っていた公立幼稚
園2園も廃止になり、
政令市で公立幼稚園が無いのは本市と千葉市、横浜市の3市のみになりました。この間、公
76
2013年度、川崎市の私立幼稚園の入園料平均額は
万3953円、保育料平均額は年額 万3779円、合計
んの説明もなく廃止してしまいましたが、これは納得できるものではありません。
立幼稚園の廃止にとどまらず、計画では本市の幼児教育の中心を担うと位置づけられていた幼児教育センターをもな
20
35
万7732円で、入園料も保育料も政令市のなかで一番高い状況が続いており、市独自の保育料補助の増額が父母
13
保育料負担のために幼稚園にも保育園にも通えない子がいないかどうか、私立幼稚園の定員超過における教育環境
の検証の調査を行うことが必要です。
文部科学省は、2013年度のAランクからCランクまでの第1子の保育料補助単価を年額3000円増額しまし
たが川崎市では保育料が全市平均で前年比4063円値上げされており、国の補助増額分が値上げ分で消えてしまう
状況です。さらに国はDランクで補助額を2万1220円増やしたのに、市が同ランクの市加算額を前年比で940
0円も減額したため、補助額は6万6700円︵前年比4500円増︶に止まりました。Dランクは年収360万円
から680万円と範囲が広いことを鑑み、国の増額分を保育料補助額として増額すべきです。
① 幼児教育センターが担ってきた機能を教育センター、子ども本部、各区役所の子ども支援室が連携して責任を
もって業務を担う。
②
私立幼稚園の定員超過における教育環境調査・検証を行い、環境が厳しい地域には対策を立てる。
③
私立幼稚園の保育料が払えず入園できない子どもがいないかの調査・相談を行い、必要な支援策をはかる。
―8―
86
の切実な願いになっています。
48
④
Dランクの補助額を増額し全ランクで市が上乗せする。
⑤
私立幼稚園の入園料 万円の補助制度を創設する。
⑥ 幼稚園の就園児増加地域に公立幼稚園を整備する。
⑦ 障がい児受け入れのための人的保障の支援の増額を図るとともに、各区の子育て支援室が、入園要望があるの
に入園できない相談にのり、入園のコーディネーターに責任を持つ。
⑨ 1学級 人という定員を少人数に改善するよう国に要求する。
⑧ 延長保育の助成額を増やす。
10
︵六︶保育事業の充実をはかる
2013年4月現在の認可保育所の定員は2012年度より1505人増加し1万8995人となりました。保育
所の申請数は増加の一途をたどり、2012年度より1439人増加し、2013年4月付けで、2万2164人と
なりました︵今年度も前年度と同様に、利用申請数の増加︿1439人﹀は、整備などではかられた定員増︿150
5人﹀とほぼ同じです︶
。認可保育所に入所申請して入所できなかった児童は2765人で、 年度より114人増え
人が﹁待機児童﹂にカウント
ました。この数のうち、やむなく認可外保育所に入所した1223人、4月時点で産休・育児休業中の申請者数が5
12
区や近隣政令市の多くが待機児童としている﹁一時保育の利用﹂の118人や﹁育
08人、第1希望のみ等の申請者が439人、今年度はさらに自宅で求職活動をする
されません。さらに、本市は東京
39
な増設の取り組みの強化を求めます。
比重を重く置くのでなく、国、県、市有地の積極的な活用と土地所有者とのマッチング等による認可保育所の抜本的
数を基本的に含ませ、潜在的なニーズもしっかり反映させるべきです。次期整備計画に、民間事業者活用型の整備に
するのは明らかです。2014年度からの保育所整備計画を作成にあたって、保育を必要とする推計に、入所不承諾
外保育施設に預けた多くの人や、次年度卒室するお仲間保育室の児童等、次年度も認可保育所への入所をめざし申請
人が認可保育所の﹁待機児童﹂なのです。﹁待機児童﹂ではないとされた育休、産休をとっている人も、やむなく認可
となりました。カウントしない項目をたくさんつくることで、待機児童数は減っているように見えても実態は多くの
児休業の延長﹂も待機児童ではないとしています。そのため、不承諾数は2765人なのに﹁待機児童﹂は438名
23
―9―
35
条に反します。
認可外保育所を増やし、入所を希望する保護者に利用券を渡し、自分で選んで契約する保育バウチャー制度の導入
では待機児解消に決してはなりません。保育事業を民間任せ、保護者の自己責任にゆだねることは、自治体の保育実
施責任を明記した児童福祉法第
国民生活基礎調査などあらゆる指標から子どものいる若い世帯の貧困の実態が深刻さを増していることがわかりま
す。
﹁待機児童﹂438人中、これから仕事を探すEランクの待機児童は120人、 %でした。入所できなければ仕
のでなく、申請する人全てが入所できるように整備することがどうしても必要です。Aランクでも147人、 %も
仕事を失い生活苦に陥るなどという事態は一刻も早く解決しなければなりません。本来、ランクをつけて振り落とす
事に就けず収入が増えないため困窮から脱出できません。保育所がないために子育て中の若い世代が就職できない、
27
また2013年度開設の認可保育所
7園もあります。
園で園庭のない保育園数は3園、施設内でプール遊びができない保育園数は
待機児をゼロにすることはできないと考えます。あらゆる手立てを尽くし整備拡充を求めます。
待機している実態からも、保育所不足は深刻です。真正面から、認可保育所の緊急増設を抜本的に進めることなしに
33
44
したが、 年にハッピースマイル園が突然閉鎖される事態が起こったのに続き、アスク新百合ケ丘では2013年4
園で実に %に上
本市は株式会社の参入が拡大され、2012年度は民間の認可保育所127園中、株式会社は
ります。企業参入は、保育という営みにとって不可欠な継続的・安定的な事業運営が困難となることを指摘してきま
56
24
園ありますが、全て株式会社で、そのうちの 園が急激に箇所数を増
子どもと保護者に大きな不利益と不安を与えました。この数年間で大幅に市内で拡大してきた企業参入を見直すべき
です。職員の平均勤続年数が1年の保育園が
15
認可保育所の入所不承諾の受け入れを担っている認可外保育所の保育環境の充実や保育料の軽減のため、施設に対
する援護費の拡充と条件が確保されている地域保育園から認定保育園への移行を促進すべきと求めてきました。
にあたっては、経験年数についての一定の基準をもうけることも検討すべきです。
ん。保育士が働き続けることができ、経験を重ね専門性を高めていくためには、安定した労働環境が必要です。認可
ンスよくいなければなりません。営利をあげるために人件費を切り詰めざるを得ない企業参入は保育にはなじみませ
入れ替わりが激しいことを示しています。子どもの育つ保育現場には、安定性と継続性、経験を積んだ保育士がバラ
やしている2社で占められています。中には開設後5年、3年経過しても平均勤続年数が1年の園もあり、保育士の
16
― 10 ―
24
月開設予定で、入所内定通知が保護者に発送されていたにもかかわらず、工事着工が遅れ、開設が6月にずれ込む等、
08
﹁お仲
2012年度に示された﹁川崎市認可外保育事業の再構築基本方針﹂は、本市の認可外が﹁かわさき保育室﹂
間保育室﹂
﹁川崎市認定保育園﹂
﹁地域保育園﹂とあってわかりづらいので、これらを対象に2013、 年度の期間
域保育園から川崎認定保育園︵B型︶に
園移行し、
月にもかわさき保育室、川崎市認定保育園から移行の申請が
にひとつの制度﹁川崎認定保育園︵A型、B型︶﹂に再編するとしました。この方針に基づき、2013年4月に、地
14
名以上の1、2歳児が減額、
﹁多子減免
31
場所を確保する﹂等の要綱や取り扱い要領を定める。
ク 乳児の受け皿である﹁おなかま保育室﹂を引き続き存続する
ケ 子どもの成長発達を保障するために園庭の確保について、横浜市のように、
﹁遊技場の基準面積の確保が困難
な場合は付近の公園等を代えて認める場合にあっては、基準面積の2分の1以上、またはプール遊びのできる
カ
マッチング事業を拡大する。
キ 住戸の数が300戸以上の共同住宅を建築する特定大規模開発事業においては、認可保育園等の公益的施設
を整備するための条例を積極的に活用して認可保育園を整備する。
オ 民有地を借りて、認可保育園を新設する社会福祉法人に、土地の賃借料の補助を継続する。
ウ
全庁あげて市有地貸与方式で、認可保育園を増設する。
エ 市の再開発事業の際には、計画段階から認可保育所の整備を位置づけ、事業者と積極的に協議を行い、特に
底地を市が所有している場合は、等価交換して、園庭も確保した認可保育園の整備を必ず行なう。
ア
待機児童解消の時期を明確にし、直ちに不承諾をゼロにする計画を立てる。
イ
国有地・県有地が利用できるよう国及び県に積極的に働きかけ認可保育園を増設する。
① 2014年度からの保育所整備計画に、不承諾数を必要整備数の推計に加え、抜本的な認可保育所の増築を盛
り込み、企業参入がしやすい民間事業者活用型の整備に重きをおかない。
ん。移行後の保育料の上限設定もすべきです。
加算﹂も減額されています。保育環境の充実や保育料の軽減策ともなるのですから現行より減額すべきではありませ
しかし、A型の基本助成額について乳児は増額されますが、3歳児以上児と
﹁障害児加算額﹂は現行の﹁かわさき保育室﹂と同額、
﹁B型﹂の﹁基本助成額﹂も現行の﹁認定保育園﹂と同額です。
でているとのことです。助成として﹁職員安定雇用費﹂が創設され、
﹁A型﹂の﹁延長保育費﹂
﹁リフレッシュ保育費﹂
10
コ
川崎認定保育園の助成額を現行より減額しない。
― 11 ―
25
サ 川崎認定保育園、おなかま保育室、地域保育園から﹁新制度﹂へ移行にともなって、必要な施設整備費、保
育士確保への支援を行う。
シ 新制度移行にともなう要件の条例化については基準を低くせず、質の担保を守るよう条例化する。
ス 認可外保育所の保育料について、月5000円の補助を行うこととしたが、増額と同時に、補助の増額分が
保護者の負担軽減になるよう、保育料の上限設定を行う。
セ 企業立の保育所の本部・本社への繰り入れに対する使途の確認と社会福祉法人の会計基準に準拠した資金収
支計算書等を提出させる。
― 12 ―
②
公立保育園の民営化を凍結する
毎年5ヵ所の民営化が進められましたが、民営化を進める根拠は次々破綻してきました。私達は、民営化によ
るコスト削減は人件費削減=労働条件悪化に直結し、福祉水準の低下を招く危険性が高まること、保育士の離職
率を高め、さらに人材確保が困難に直面することを指摘してきました。
市は民営化による運営費の削減額について、最初は5千万円、次いで3千万円といってきましたが、その根拠
が 崩 れ、
﹁公立保育園の運営費に対する国庫負担金が廃止されたこともあり、保育所の運営にかかる経費を見直
し、効率的で効果的な運営手法に変えていく必要から進めている﹂と自ら答弁をかえてきています。民営化する
ことで待機児解消を行う、多様なニーズに応えることができるとの主張も、待機児童解消にはならず、多様な
ニーズも公立保育園でできないことはないことも明らかになりました。民営化の対象として選定される理由も論
理破綻した結果、民営化のすべての根拠が崩れてしまっています。
条による﹁保育所を選択し、そこで保育を受ける権利﹂があり、なによりもこ
児童・保護者には児童福祉法
どもにとって大きな負担になることから、民営化計画は凍結すべきです。
どの地域にもある公立保育所が継続して果たしていくべきです。また、
﹁新たな立保育所﹂が民間保育所への支援
育て支援機能は、これまでも公立保育所が担ってきた訳ですから、特段﹃新たな公立保育所﹄に特化する事なく、
とともに、既存の公立保育所については民営化を推進します﹂と記述されています。しかし、地域のこども・子
﹁公立保育所の再構築に向けては、地域におけるこども・子育て支援や民間保育
第2期川崎市保育基本計画に、
所の運営に対する支援などの役割を担い、区を基本とした一定のエリアごとに﹃新たな公立保育所﹄を設置する
24
と適切な指導・監督に向けた人材を育成するとありますが、民営化されても﹃保育の専門性・継続性が担保され
る﹄と繰り返し答弁してきたことと矛盾します。公立保育所を民営化したために、公立保育所で民間への支援・
指導のための職員を育成しなくてはならなくなったというのなら、はじめから、今ある公立保育所をわざわざ民
営化しなければよかったことです。公立保育園の役割が重要というのなら、一定のエリアごとに、絞り込むこと
をやめ、いまある公立保育園を存続すべきです。
︵そのうえにたって︶
ア 保育行政になじまないと反対してきた指定管理制度は2011年度以来止めている。指定管理保育園 園を
直営にもどす。
イ や む を え ず 指 定 管 理 者 の 再 指 定 す る 場 合 に は、 仕 様 書 に 盛 り 込 ま れ た﹁ 保 育 士 配 置 の バ ラ ン ス の 取 れ た 構 成
と、未経験の新任保育士を配置する場合には、新人1名に対し教育担当の保育士を1名配置する﹂ことに責任
ある把握と指導を徹底する。市は指定管理者に対し、円滑な運営がされているかの検証を十分に行い、特に職
員の定着率については資料の提供を求め、検証すると同時に職員の処遇についても立ち入った指導を行う。
ウ
指定管理者の受託事業者は委託料の使途、職員定着率などの情報を毎年公開する。
エ
選考基準や選考過程を民主的に公開し、選考委員会に保育士、保護者を入れる。
オ
父母・川崎市・事業者による三者協議会を設置する。
カ
市はリスク管理を徹底する。
③ 認可保育園は地域の公的な責任と機能の充実を図る
ア 園庭開放や育児相談、出前保育など地域に開かれた子育て支援を担って実施している公立保育園を地域子育
て支援センターとして保育相談や地域活動事業の充実を諮る。そのための施設改善と人的配置を行なう。
イ 園児や地域の乳幼児の健康や栄養・食事の相談指導のためにすべての保育園に看護師や栄養士を配置する。
ウ
子育て支援事業として認可保育園で一時保育を段階的に整備する。
エ 給食業務の委託化は質の低下につながらないようしっかりと検証し、保護者の意見要望に応え、委託を安易
にしない。
オ
アレルギー除去食を実施している民間保育園に職員増員の補助を行う。
カ
乳幼児の生活する場として安全点検を常に実施し、大規模改修予算及び小破修繕予算を大幅に増額し、必要
― 13 ―
10
な修繕は直ちに実施する。トイレはドライ方式に改良し、備品費も増額し必要な備品を整備する。
キ
園児の布団丸洗い乾燥を実施する。
ク 病児保育を各区で実施する。
時以降の延長保育は拠点園だけでなくニーズの高い園から計画的に実施する。
ケ
④ 認可外保育園への支援を拡充する
ア 園庭が無く水遊びもできない小規模認可保育所やかわさき保育室に対し、隣接する認可保育所と連携するな
ど外遊びや水遊びを保障する。
イ 一定の基準を満たし待機児受け皿の実績のある認可外施設から認定保育園への移行を望む場合、認定化を進
め援護費の拡充をはかる。
ウ
認定保育園の認可化は認可保育園の職員配置、設置基準、面積基準を遵守する。
エ
認定こども園、かわさき保育室における入園決定と保育料は、認可保育園に準ずるものとする。
オ
家庭福祉員制度の保育補助者の雇用時間と雇用費の増額、開設時の初期投資費の新設を行う。
カ
地域保育園の運営のための固定的な補助︹家賃、施設と維持改善費補助︺を新設する。
キ
認可保育園に入所できずやむなく認可外に預けている児童の保育料の補助を増額する。
︵七︶児童虐待を未然に防止し子どもの人権を守るための制度や機能の充実を図る
児 童 虐 待 は 重 大 な 人 権 侵 害 で す。 徹 底 的 に ﹁ 子 ど も を 守 る ﹂ 立 場 に 立 ち 、 子 ど も の 安 全 を 確 保 す る 必 要 が あ り ま
す。虐待を受けた子どもは深く傷つき、その後の子どもの心を支える息の長い支援が必要です。そして何よりも大事
なのは﹁虐待を起こさない﹂ための、予防的な支援です。
わが党は、2011年度にむけた予算要望書から、庁内に﹁児童虐待対策担当チーム﹂を設置し、虐待対策・予防
事業の体系化を図り、2次予防、3次予防事業を創設し虐待の未然防止に力を注ぐこと、こどもと家庭に関わる部署
の連携を強め、虐待の早期発見・早期対応、再発防止など児童虐待に関わる切れ目のない支援の充実のための体制整
備を推進することを毎年度求めてきました。
児童虐待対策の強化のために、2012年5月に児童福祉審議会から提出された︵2011年に発生した2歳児の
― 14 ―
19
お子さんの虐待死亡事例の︶
﹁検証報告書﹂に示された提言内容を、昨年の予算要望書に盛り込むと同時に、児童相談
所と保健福祉センターの専門職種の増員を含めた人員配置と体制の整備・強化、ならびにその連携強化等について具
体化を図るべきと主張し、質問してきました。
川崎市はこの﹁検証報告書﹂の提言を受けて2012年8月に児童家庭支援・児童虐待対策についての基本的な対
策を策定するために﹁子育て支援・児童虐待対策推進検討委員会﹂を設置し、2013年度からおおむね5年間を対
象とした﹁児童家庭支援・児童虐待対策基本方針﹂を策定しました。
2013年度は、各区保健福祉センターに専門的かつ総合的支援の提供に必要となるマネジメント機能を強化する
として﹁児童家庭課﹂を設置し、社会福祉職・心理職・保育士を配置。児童相談所の多様かつ複雑な支援ニーズに対
応するため、ケースワーカーへの組織的バックアップ体制を構築するとともに専門性を強化し、保健医療領域の専門
性を強化するために保健師を配置し、両機関が連携強化する推進体制が示されました。
2012年度の児童虐待相談、通告件数は1237件で前年度比6%、 人の減となりました。 年度、虐待対応
の体制が強化されましたが、
﹁検証報告書﹂の提言に立ち返り、今後も児童虐待防止と対策の強化を尽くすことが課題
です。
応・緊急対応、家族再統合、司法的対応等高い専門性を要する分野については専任で実施できる人員配置、体制整備
て新規ケースの初期対応や緊急対応、さらには重篤ケースの家族再統合まで担い、対応件数も増加している。初期対
次に﹁児童相談所には強制的な介入から被虐待児のケアや家族再統合に至る援助、区役所への後方支援まで多種多
様かつ高度な専門性を要する業務が集中して求められている。本市では地区担当が継続相談のケースワークに平行し
めに、人員配置を見直すべきとしています。
対応ができるよう、人員配置も見直すべきである﹂としています。ソーシャルワーク機能や組織的な判断・対応のた
いたまま個人で判断、対応がなされた状況が見受けられる。組織的な判断・対応の徹底のために必要時には必ず複数
が見受けられた。よって、人員配置について見直すべきである﹂
﹁本事例では必要な情報が共有されず客観的視点を欠
体制整備が求められる。マンパワー不足、多忙、疲弊により本来業務が果たせない状況にまで追い込まれている事実
提言は、児童相談所における組織的対応の徹底・組織体制整備について、
﹁ソーシャルワークを機能させるために児
童福祉士、児童心理司、管理職を含めた専門性の向上、新任職員を組織としてフォローできる人員配置、OJ T等の
13
が必要である﹂としています。2011年度の3児童相談所における地区担当のひとりあたりの平均もちケース件数
― 15 ―
83
は
件でした。専任で実施できる人員配置、体制整備が必要であるという提言をしっかりうけとめ具体的な対策をと
ることが急務です。
次に保健福祉センターの課題と児童相談所との連携についてです。
報告書では、施設入所措置解除等により、子どもが家庭、地域に戻る場合、児童相談所より身近な保健福祉センター
が果たすべき役割について明確にされない点は課題である。虐待ケースの家庭復帰後の支援を児童相談所のみで担う
ことは難しく、個々のケースで必要な支援は当然異なるが、地域支援体制の基本はルール化する必要があると考えら
れる﹂としています。さらに、
﹁母子保健業務をはじめ、多くの業務を担っている保健福祉センターにおける虐待対応
体制の整備として、専任の虐待対応職員の配置やスーパーバイズを受けられる体制等、適切な虐待対応、虐待予防を
可能にする組織体制整備が急務である。また、保健福祉センター内で情報共有、協議、方針決定をする会議等の位置
づけを明確にしておく必要がある。児童相談所における所内会議のように位置づけが明確な会議を設置し、そこで組
織決定に基づく対応を徹底することが求められる。また、原則複数人対応とすべきであり、それを可能にする人員配
児童相談所のソーシャル機能を高めるための児童福祉士、児童心理司、管理職を含めた専門性の向上と新人職
置も検討すべきである﹂と提言しています。
①
員を組織としてフォローできる人員配置、OJ T等の体制整備を行う。初期対応、緊急対応、家族再統合、司法
的対応等高い専門性を要する分野については専任で実施できる人員配置をとるために、子ども家庭センターと3
児童相談所体制の連携体制を強化しそれぞれの機関に児童福祉司、児童心理士、臨床心理士など専門職種の増員
を図る。
② 各児童相談所は各区の子ども支援室、児童家庭課、児童家庭支援センターと連携し、後方支援に力を尽くす。
③ 地域支援体制のルール化と保健福祉センター内の体制整備を充実させる。保健福祉センターにおいて、虐待対
応、虐待予防を可能にするため、児童相談所に置ける所内会議のように位置づけが明確な会議を設定し、組織決
定に基づく対応を徹底するなどの組織体制整備を急いではかる。原則複数対応が可能になる人員増をはかる。
④ 産後ケア事業を創設する。
︵再携︶産後ケアを行っている助産院を市として支援し充実を図る。
⑤ 現在2ヵ所の児童家庭支援センターを各区に整備する。
⑥ 要保護児童対策地域協議会と各区の実務者会議をより充実させ、地域が見える範囲のネットワークをつくる。
⑦ 南、中、北に、1ヵ所ずつの児童養護施設の増設計画を推進する。
― 16 ―
82
⑧ 里親の増員をはかる。
︵八︶どの子にも安心して過ごせる放課後対策を
2013年5月現在、学童保育数は、全国で2万1635ヵ所︵前年比789ヵ所増︶、入所児童数は、 万875
3人︵前年比4万1786人増︶となり、その必要性がますます高まっています。
学童保育は、戦後間もなく大阪や東京で始められ、急速に広まりましたが、学童保育そのものを定めた法律がない
中で、働く親たちの切実な願いと運動によって自治体に実施させたり、補助を勝ち取ってきました。1966年、文
部省︵当時︶が﹁留守家庭児童館補助事業﹂を開始しますが、1970年には、この事業を廃止、
﹁校庭開放事業﹂に
統合してしまいます。しかし、その後、法制化を求める運動の中で、1997年、児童福祉法等の一部改正により学
童保育が﹁放課後児童健全育成事業﹂として法制化され、事業の目的を﹁遊びの場﹂とともに﹁生活の場﹂であるこ
とが明記され、それまでの児童館事業のような﹁全校児童対策﹂と区別し﹁個別の事業﹂として位置付けられました。
その後、需要の高まりにより大規模化する施設対策として、2007年には﹁放課後クラブガイドライン﹂が出さ
れ、適正規模を 名程度が望ましいとするなど、環境面での改善が求められるようになりました。しかし、その基準
﹁子ども・子育て関連3法﹂によって、学童保育事業︵放課後児童健全育成事業︶が市町村によって条例化︵2015
年度中︶されることとなり、地方自治体の取り組み姿勢が大きく問われることとなりました。
市は、 年もの間続いてきた公設の学童保育を廃止。川崎の学童保育は、保護者らの運営する﹁自主学童保育﹂を
残すのみとなってしまいました。代わりに、全児童を対象とした﹁わくわくプラザ事業﹂を2003年4月より全小
思いをさせたくない﹂という保護者たちの願いも踏みにじられる結果となりました。
政令市の中で、学童保育と全児童対策とを一体化して実施しているのは、川崎市と札幌市のみであり、その札幌市
においても、保護者らの運営する学童保育への補助を行っていることから、学童保育事業の実施あるいは財政的支援
を行っていないのは、川崎市だけという異常な状態が続いています。学童保育事業の条例化にあたって、川崎市が行
うべきは、学童保育と全児童対策である﹁わくわくプラザ事業﹂を個別の事業として位置付け、それぞれ、環境の整
― 17 ―
88
は、国や自治体の責任が曖昧であり、補助金も実態に見合ったものではありませんでした。2011年8月成立した
40
学校で実施しましたが、放課後に家庭に帰っても保護者等のいない児童の﹁生活の場﹂は失われ、
﹁放課後、さびしい
40
備を進め、どの子にも、安心して過ごせる放課後を保障することです。
﹁学童保育﹂と﹁わくわくプラザ﹂とを個別の事業として位置付ける。
︵1︶学童保育事業の条例化にあたっては、子どもの権利条例に則し、子どもの権利が十分保障されたものにする。
①
㎡以上の専
②
﹁わくわくプラザ﹂関係者だけでなく、学童保育関係者も参加させる。
条例の検討にあたっては、
③ ﹁学童保育﹂と﹁わくわくプラザ﹂を併設して行う場合には、それぞれに、専任の正規職員を利用児童の規模
に応じて、複数配置する。また、学童保育には、生活の場にふさわしく、利用児童一人当たり1・
用スペースを整備する。
就業時以外に発生した災害について、すべての子どもの安全を守る立場から、子ども文化センター・わくわく
︵2︶災害時に備えた避難計画と備蓄計画を進める。
①
プラザ・学校との連携できるよう協議する。児童の安否確認の相互連絡を取るとともに、保護者への連絡方法を
明確にする。
災害時に障がいのある児童など特別に配慮が必要な児童が安心して避難できるように、対応を明確にしてお
を利用児童の規模に応じて行う。
② 子ども文化センター・わくわくプラザにおいて、帰宅困難な児童に対し、食糧・水・防寒具などの備品の整備
③
く。学校や保護者等とも事前によく話し合っておく。
④ 防災訓練を引き続き学校と連携して行う。
⑤ 自主学童保育施設等に対し、引き続き災害時の情報提供を行うとともに、災害時の対応について、あらかじめ
学校と協議し、連携して児童の安全を図れるようにする。
⑥ 自主学童保育施設等において、災害備蓄を行う場合、備蓄品に対する補助制度を創設する。
︵3︶わくわくプラザの改善
― 18 ―
62
①
②
③
④
平日利用が平均で
名を超える施設は、施設を分割し、それぞれ、専任の職員を配置する。また、それに準じ
る施設においても、市の指導でスタッフリーダーの複数配置を行う。
夏休みの学校プールの使用が可能なように、職員の配置を行う。また、自主学童保育がある場合には、利用児
童がプール利用が可能なように連携する。
おやつのメニューを補食としてとらえ、内容を充実する。地元の食材なども使用した手作りおやつなどを取り
入れる。
おやつに公費助成を行い、保護者の負担軽減を行う。おやつ代について、被保護世帯における対応だけでな
施設が2階以上にあり、階段を利用しなければならない施設は、車いす等の利用が可能なように、バリアフ
の配置を市の責任で行う。少なくとも、各区に1名以上の巡回指導員を配置する。居場所の確保も行う。
障害のある児童の実情に合わせた対応ができるように、スタッフは、増員だけでなく専門的知識を有した職員
く、就学援助を受けている世帯については、おやつ代を免除する。
⑤
⑥
リー対策を行う。
⑦ ﹁子ども運営会議﹂
﹁保護者懇談会﹂を充実し、運営に利用者の意見が反映できるようにする。その内容につい
て、利用者に知らせる。
⑧ ﹁子育て支援・わくわくプラザ﹂は、個別の事業とせずに利用者負担を無料にする。
⑨ スタッフ体制については、正規職員の複数配置を基本とし、職員の専門性を高める。サポーターの時給を10
00円以上に引き上げ、経験年数に応じた賃金体系にできるよう改善する。
④
③
②
①
市と自主学童保育関係者の定期的な懇談の場を設ける。
災害時の連携が取れるよう協議する。
職員研修などに、自主学童保育の職員も参加できるようにする。
学校説明会など入学時の説明が行われる機会には、自主学童保育の情報提供も行う。
保護者・社会福祉法人等︵企業が運営する施設を除く︶に対し、運営費補助や立ち上げ時の補助制度を作る。
︵4︶自主学童保育への支援をおこなう
⑤
― 19 ―
70
︵5︶子ども文化センターの改善
老朽化した施設の建て替えを含めた改善を進める。引き続き、可能なところでは、自然エネルギーを活用した
図書・遊具などの予算を増やし、新しいものを整備する。
①
②
子ども文化センターで行うイベントでは、予算も確保し、子どもたちの興味や関心に合わせた企画を充実する
施設に切り替えてゆく。
③
よう指導する。
30
強調して、その改善を求めています。
― 20 ―
④ 楽室の箇所数を増やす。
二、ひとり一人の子どもたちが大切にされ、すべての子どもたちの成長・
発達を支える教育の実現を
日本国憲法の精神に基づき、1951年に制定された児童憲章では﹁すべての児童の幸福をはかるために﹂として、
第一に﹁すべての児童は、心身ともに健やかに生まれ、育てられ、その生活を保障される﹂としています。
そして、ゆきとどいた教育はすべての子どもたちに不可欠なものであり、この子どもの未来をつくります。ところ
が、日本の教育は世界から見ても大きな歪みをかかえています。
ひとつは教育予算が貧しいことです。その水準はOECD諸国平均の7割以下で、3年連続最下位です。
人、 人以下の少人数学級な
その結果、国民は高額な教育費負担に苦しんでいます。また、ヨーロッパの国々が
のに、安倍政権は﹁国による教職員の定数完全計画案﹂をストップさせ、 人以下学級の拡充を小学校2年生で中止
20
さらに、子どもたちを苦しめているのが、ゆきすぎた競争です。
国連・子どもの権利委員会も日本政府に﹁高度に競争的な学校環境が、いじめ・精神的障害、不登校・登校拒否、
中退および自殺などの原因となっている﹂と指摘し、
﹁驚くべき数のこどもが、精神的幸福度の低さを訴えている﹂と
させ、
﹁高校授業料無償﹂には所得制限を検討するなど、その姿勢は後ろ向きです。
35
自公政権は﹁競争で学力向上﹂といって全国学力テストを開始し、今年度から再び悉皆調査は始めました。競争教
育が、子どもたちの人間関係をつくる力をなえさせ、自己肯定感情も傷つけていることも大きな問題です。
﹁従軍慰安婦﹂問題など国内外で大きな問題となってい
安倍政権の教育政策のもう一つ見過ごせない重大な問題は、
る歪んだ歴史認識を子どもたちに教え込むために、教育行政への不当な介入、そして、教科書の大改悪を狙っている
ことです。侵略戦争美化に歯止めとして設けられた教科書﹁近隣諸国条項﹂の見直しや、歪んだ歴史認識の教科書を
政治の圧力で採択できるようにする教科書採択制度の改悪を主張しています。これはとりもなおさず﹁海外で戦争を
する国﹂
﹁弱肉強食の経済社会﹂という今日の支配層がすすめる国策に従う人づくりと一体化のものです。
この動きを先取りするように、神奈川県教育委員会は7月に実教出版の教科書を自主的に選定した校長に圧力をか
け、変更を強要しました。現行制度のなかで検定に合格した教科書の採択を、教育委員委員会の﹁考え方﹂で変更さ
学校現場では、教職員の定数が増えないなかで、法令上、原則的には時間外労働をさせてはいけないはずの教員の
長時間・時間外労働が常態化しています。新指導要領の完全実施にともなう授業時数の増加、諸会議、給食事務や事
学校づくりに取り組むことは学校の教育力の向上にとっても大切なことです。
刻です。300人近い欠員が続くことは異常としかいいようがありません。正規教員を配置し、長い見通しをもって
定数法通りの教職員が正規で配置されていない﹁定数内欠員﹂は小中高学校、特別支援学校あわせて2013年5
月現在291人で2010年度は一時減ったものの、その後毎年増え続け、特に中学校、特別支援学校での欠員が深
ています。2014度改定の教育プランに、少人数学級の拡充を盛り込み、確実な拡充に取り組むべきです。
35
― 21 ―
せた行為は、教育基本法が禁じる﹁不当な支配﹂そのものであり、断じてゆるされません。
・3%と比較しても依然と
そのようななか、川崎の教育の状況はどうなっているでしょうか。
川崎では中学校の不登校生徒の割合が高く、いわゆる﹁中一ギャップ﹂も深刻な問題です。中学校における不登校
生徒数はここ数年1000人程度で横ばい。2011年度は1036人で、生徒数1000人あたりの不登校の割合
は 政令都市中ワースト3位です。
全日制高校進学率は2012年度 ・0%で昨年より若干上がったものの、全国平均
して最悪のレベルを脱していません。
92
小学校3年生から中学校3年生の 人学級の実施が見送られた中で、川崎でも国のレベルを超える取組みはできま
せんでした。少人数学級の拡充は教育の根幹にかかわるもので、だからこそ他の多くの政令指定都市が独自に拡充し
88
20
務的な報告業務が多いなどで、教師が子どもとゆっくり向き合う時間や、放課後にじっくり教材研究をする時間が、
正規の労働時間のなかではとれなくなっています。
このような状況のなかで、教職員健康悪化は深刻です。教職員のメンタル疾患による休職者の数は、2012年度
は 人で、求職者数102人中では約 %に当たります。現在に教職員の平均的な離職年齢は ・3歳︵2009年
51
川崎市の就学援助受給率は、政令都市比較でも調査回答があった 市で、学用品・通学用品費の援助受給率は小学
生が6・8%︵ 位︶
、中学生が9・7%︵ 位︶と低い受給率になっています。申請については一定の改善に取り組
義務教育における教育費の保護者負担は増大し続けています。学校教育予算を増額し、﹁教育は無償﹂の原則にた
ち、学習指導上必要な社会見学費などは公扱いにすることを含め、保護者負担軽減をすすめることが必要です。
す。
入学で合格できたのに、初年度納付金を期日までに払えなくて、合格を辞退せざるをえなくなった中学3年生もいま
社会全体の経済格差はさらに深刻なり、子どもの貧困も教育現場でさまざまなかたちであらわれています。
学校への積立金が払えず、卒業アルバムを受け取らないまま卒業する子どもも珍しくなくなっています。突然の失
職により、生活費の工面と給食費などを支払うために、子どもをおいて夜の仕事に就く親もいます。私立高校に推薦
きるような教育条件の整備がもとめられています。
をつくることは、現在の多様で、深刻な教育課題を解決するために大切です。教師が子どもと向き合う時間を確保で
います。ベテラン教師の経験を若い教師に引き継ぎ、協力して、子ども・生徒の指導や学校作りをすすめる学校環境
から2010年度学校教員統計調査︶となっています。川崎でも、定年前の離職者は、定年での離職者数を上回って
60
14
17
これまでの川崎の奨学金制度は高校中途退学に歯止めをかけ、さらに大学進学率の向上に寄与してきました。今回の
し、給付型は守ったものの、全体の予算はそのままに支給基準を生活保護基準に準じ、成績も3・5以上としました。
金の見直しがされました。この間の経済状況によって申請者数は年々増加してきました。ここでも行革が影を落と
る制度の根幹にかかわる問題です。さらに、授業料以外の教育費負担は依然として重いものです。川崎では高校奨学
やっと実現した高校授業料の無償化に所得制限が導入されようとしています。所得制限の導入は、﹁社会全体であ
なたの学びを支えます﹂という制度導入の理念を否定し、国際人権規約・後期中等教育の段階的無償化条項にも反す
ということではないでしょうか。
んでいるとしていますが、この受給率は依然として、全市的に権利があるのに申請がされていない世帯が相当数いる
15
― 22 ―
61
改定は、川崎の奨学金の果たしてきた理念そのものからの後退です。
2014年度開校の川崎高校の中高一貫校は、受験競争の低年齢化を過熱させ、義務教育の複線化につながるもの
です。せめて入学者の決定は、無作為の抽選にすべきです。
特別支援教育は引き続き、すべての障害をもつ子どもたちの全面発達を保障することを基本に、欠員はただちに補
充し、必要な人的配置をして川崎で積み上げてきた水準を発展させることが求められています。
中学校給食の実現は、ますます市民のつよい要求になっています。政令指定都市で中学校完全給食に取り組まない
のは横浜市、川崎市だけになりそうです。市民の願いにこたえ、市教育委員会が﹁中学区給食の是非をめぐる検討﹂
を開始することにしたのは当然ですが、貴重な前進です。いまこそランチサービスに決別し、子どもたちの健康、保
護者のねがいにこたえるバランスのとれた安心でおいしい中学校給食に2014年こそ踏み出すべきです。
30
― 23 ―
︵一︶憲法・子どもの権利条約・川崎市子どもの権利に関する条例にもとづいた教育をすすめる
1 子どもの権利条約・子どもの権利条例にもとづき、子どもの命と人権を大切にし、体罰・いじめなどをなくして
いく教育をすすめる。
① 子どもの意見表明・話し合いの場面を増やし、子どもを主権者として正しく権利行使ができるよう育てていく
教育をすすめる。
② 暴力や差別・偏見をなくし、人権を大切にする教育をすすめる。安易に警察を導入しない。
③
いじめを人権問題として捉えた教育を全校で実施する。
④ 全国に先駆けて核兵器廃絶平和都市宣言を行い、人権と共生のまちづくりを進めてきた川崎市にふさわしく、
平和館の予算を増額し、子どもたちが命と人権について学ぶ機会を増やす取組みをすすめる。
人学級を早期に実現し、すべての子どもにゆきとどいた教育をすすめる
2
﹁日の丸・君が代﹂の強制など、子どもの内心の自由を侵すような教育は行わない。
︵二︶
1 国と県に対して 人学級の早期実現を要求する。2014年度改定される﹁川崎教育プラン﹂に少人数学級の中
30
学3年生までの拡充を盛り込む。当面、川崎市独自で小学校3年生、中学校1年生の少人数学級を実現する。その
ため学校施設の確保をすすめ、常勤の教職員を市独自で採用する。
2 教職員の定数内欠員274名にも及ぶという異常な事態、特に中学校、特別支援学校での定数内欠員は深刻であ
る。
① 教育委員会内に担当職員をきちんと配置し、現場の実態を正確につかみ、法令通りの正規職員の配置を行い、
欠員を解消する。
② 定数内欠員を解消することができるように新規採用者を増やす。特に、中学校と特別支援学校の欠員解消を強
力に進める。
3 通常学級に在籍する﹁特別な教育的ニーズ﹂をもつ子どもたちへの有効な支援を実施するため、正規教職員の加
配を実施する。
4
教育困難に陥った学級や不登校など生徒指導上の課題を抱える学校を支援するため、教職員を配置する。
5
学校図書館に図書館司書を配置する。
6
柔道の必修化に伴い、指導員体制を充実させる。
︵三︶老朽校舎の改築を早め、学校の施設設備を改善する
1
老朽校舎の改築を計画的にすすめる。
2 過大規模校の解消を早期に実現する。過大規模校の解消は、分離・新設で行う。
3 都市再開発、マンション建設の急増に伴う就学人口の社会増は教育活動に支障をきたしている。施設整備の新
設、拡充、改築などは遅れることなく取り組む。いまでも、飽和状態でさらに就学人口の増加が予想される小杉駅
周辺については、校庭の縮小も余儀なくされている。少人数学級や少人数指導も教室不足から困難になるのなど教
育活動上に支障をきたす巨大再開発は見直す。
4 どの児童・生徒にも学校での移動を保障するため、エレベーター未設置校の設置は、テンポをあげて計画的に取
り組む。すでに障害がある児童・生徒が在籍する学校については、早急に整備する。
5
トイレの改修のテンポをあげてすすめる。
― 24 ―
① 子どもたちが気持ちよく使えるトイレ施設になっているかを実態調査し、劣悪な施設を優先して改修する。
②
洋式トイレの設置拡充をはかる。
③ トイレ床の張り替えや人感センサーの設置をすすめる。
6
特別教室の冷房設備の設置を計画的に進める。
7 固定式の黒板は、職員にとっても児童・生徒にとっても使いにくいので、全部の学校に、可動式の黒板を設置す
る。特に、低学年の教室から早急に設置する。
8 体育授業時等に使用する更衣室の早期整備をはかる。
︵四︶教育関連予算の大幅増額をはかる
1
学校運営費・修繕費、微破損修理費を増額する。
2 プール清掃の委託費を増額する。
3
プール監視員の予算を増額し、夏休み中プールを最大限開放する。
4
トイレ清掃の委託費を増額し、実施回数を増やす。
5
3年に1回の窓ガラス清掃をさらに期間を短縮して行う。
― 25 ―
9 教職員の休憩室の計画的設置をする。
窓枠のアルミサッシ化が完了していない学校について、早急に完了する。
網戸を設置する。
プールろ過装置の設置をはかる。
校舎のバリアフリー化をすすめる。
学校体育館の開放については、学校教育法、スポーツ基本法で定められた国の施策であること。学校施設を地域
住民に開放し、スポーツ、文化活動等を振興していくことを目的としていることからも、無料化に戻す。
小学校給食調理室と設備の改善をはかる。
市立総合科学高校のメンテナンス費用を大幅に増額し、人工芝の全面張り替え、体育館外壁のひび割れによる壁
の落下を予防するため、改修工事を行う。
14 13 12 11 10
16 15
︵五︶ひとりひとりの成長を保障する立場で、困難学級や学級崩壊などの現状を学校、保護者、市民で総力をあげて
打開する
1 県に対して、全校に生徒指導担当教諭が配置できるよう要望し、加配がされていない小規模校については、川崎
市が独自の支援策をとる。
2 児童支援コーディネーター専任化事業については、現在のように加配なしで後追いの非常勤講師を配置する方式
は、学校現場の多忙化を解消できないことは明らかであり、定数加配の条件ですすめる。
56
2
県に対し、私学助成金の増額を要求し、保護者負担の軽減に努める。市独自の奨学金の増額をはかる。
改善を求める。
しかし、川崎市内では、全日制公立高校に入学したのは %にとどまり、また、全日制高校への進学を希望した
生徒のうち、252人︵3%︶もの中学生が断念させられている。一五の春を泣かせないために、早急に抜本的な
61
― 26 ―
︵六︶子どもをとりまく環境対策の推進をはかる
1 インターネット等は有益なものばかりではなく、いじめ、犯罪などのトラブルの原因になっている。安全なイン
ターネット等の利用について、啓発活動、さらに広い範囲での問題意識・ルールの共有化など、積極的な取組みを
すすめる。
2
地域交通安全員を必要な箇所に必要な時間配置をおこなう。
3 引き続き、通学路の安全点検を定期的に行い、危険個所の対策を急ぐ。
︵七︶高校入試の改善をはかる
1 高校進学率が連続 %を割るという異常事態を緊急に解消する。公立中学校の概ね6割を公立全日制課程とする
割り振り実施がされたが経済的格差が広がるなかでこの公私間比率の見直しがつよく要望されるなかで、2013
年度入学については定員募集は約 %になったが、さらに公立全日制の入学定員枠を増やすことを要請する。
90
3 定時制の1クラス定員は
人とし、募集定員の増を行なうときは、学級増で対応し、必要な教職員の配置を行う。
︵八︶
﹁市立高校改革推進計画﹂を抜本的に見直す
1 中高一貫校は、十二歳の段階で選別することになり、義務教育の複線化につながる。しかし、開校がすすめられ
ている実態から入学者の決定については﹁無作為の抽選﹂を復活する。
2
全日制普通科の定員をはかる。
3 定時制高校の再編にあたっては、橘高校の定時制課程は廃止しない。
4
定時制高校の給食費は無料にする。
︵九︶特別支援教育を充実させる
1 特別支援学校、特別支援学級に通学する児童生徒が増加している実態をふまえ、教室や作業室の増設、老朽化対
策など施設設備の早期充実をおこなう。
2 すべての特別支援学校へのスクールカウンセラーの配置を行う。
3
通学保障体制を充実させる。スクールバスの増車とともに、正規添乗員を常時複数にする。
4
幼稚園・保育所における障害児保育を一層充実させる。専門機関の援助・指導を保障する。
5 幼児から中学生まで﹁ことばの教室﹂での指導を必要としているすべての子どもたちを通級の対象として認め、
必要な教室と教職員の定数を確保する。
6 放課後、休日の障害児の生活の場、ファミリ︱サポートの場を整備し、レスパイトサービスを実施する団体の助
成の増額をおこなう。
― 27 ―
35
7 特別支援教育サポート事業を、ニーズに応じたサポーターの増員とサポーターの勤務条件の改善を行う。
8 特別支援教育における学級担任は5人に1人の配置を県に要望する。最終的には市単独を含めて配置する。
9 養護学校の増設をおこなう。
特別支援学級担任の研修を充実させる。
10
︵十︶義務教育費の保護者負担を軽減する
1 学校徴収金については具体的に保護者負担が軽減されるように、改定された﹁公費・私費区分の要綱﹂の見直し
について各学校への周知を徹底させる。
2 さらに保護者負担の軽減につとめ、社会見学など指導のために要する経費に該当するものについて公費負担を検
討する。
3
高い修学旅行費の保護者負担を軽減するための見なおしを行う。とくに、企画手数料やは公費負担とする。
4 就学援助については、就学援助が必要な人がより一層受けられるように、周知・申請のやり方について、全員に
就学援助の説明書と申請用紙を封筒とともに配布し、必要な人は申請書に記入し、全員から封筒を回収する方法を
― 28 ―
実施する。認定基準を生活保護基準の1・0から1・2に引き上げる。
① 卒業アルバム代等卒業記念品援護費、ランドセル、文具券などの入学支度金、就学旅行の支度金、メガネ代を
支給品目として復活させ、校外活動費の支給限度額を6500円に戻す。
条第
② 国が就学援助項目で新たに追加したクラブ活動費、生徒会費、PTA会費について、就学援助費として支給す
る。
5
教育活動の一環として実施する自然教室の食事代の公費負担を復活させる。
︵十一︶教職員の健康を守り、労働安全衛生法が遵守される学校運営をすすめる。
1
教職員の長時間・時間外労働の解消のために、抜本的な対策を講じる。
① 教職員の長時間・時間外労働、学校の多忙化解消のために、抜本的な対策を講じる。
② 給特法に規定する限定4項目以外の業務を勤務時間を超えて行わなければならないときは、労働基準法
2項に基づいて割り振り変更を行い、違法な時間外勤務を行わせないようにする。
④
市教委として、提出書類の削減や、研究推進校の募集枠を大幅に削減し、教職員が子どもと向き合える時間を
③ 給特法に基づき、教職員には時間外労働を命じない原則にのっとり、教職員の業務の精選、協業のあり方の見
直しなどを進める。
32
保障する。
⑤ 教職員の負担として大きな比重をしめている、給食事務の公会計化や就学援助事務の合理化・簡素化を実施す
る。
2 増加している学校現場でのパワーハラスメントを根絶するため、他の自治体でも進められている﹁パワーハラス
メント防止指針﹂を作成する。
3 労働安全衛生法の規定にもとづいて産業医による職場巡視をおこない、当面年に1回行われるよう産業医の増員
をはかる。
4
脳ドッグ、骨ドッグの実施など教職員健康診断の項目の充実をはかる。
5
教育に成果主義を持ち込むことはやめるよう県に要望する。
6 画一的な﹁学校評価﹂を行わず、保護者・地域・教職員の教育行政に対する意見を尊重し、合意づくりをすすめ
る。
7
管理職の民主的任用制度を確立し、全ての教職員に開かれた制度とする。
8
臨時的任用教員の任用空白期間の縮減・賃金・休暇などの勤務条件を、全国の自治体なみに早急に改善する。
9
市非常勤講師の賃金・勤務時間・交通費などの勤務条件を、全国の自治体並みに早急に改善する。
︵十二︶安全でおいしい栄養ゆたかな学校給食の実現を
1 中学校給食を実施する。
2
小学校給食のこれ以上の民間委託はおこなわない。自校調理方式を堅持する。
3 自校献立を増やし、米飯給食を増やす。国産の食材を100%使用する。地元でとれた食材を取り入れる。商店
街との連携をはかり、遺伝子組み換え食品は使用しない。現行の学校給食物資規格基準書を順守する。
4
給食食材の放射線測定の検体数を増やし、保護者への情報公開を徹底する。
5
食育の充実の視点から栄養士を全校配置する。それが実現するまで、兼務校には、非常勤の栄養士を配置する。
6
給食調理室と設備の改善を促進する。ドライ方式にする。
― 29 ―
︵十三︶子どもと学校を大切にし、ゆきとどいた教育を進めるために、教育委員会の権限を強化する。
1
﹁教育委員会の政治的中立﹂を保障し、市長から独立して自主的に決定できる権限を強化する。
2
教育委員会の権限に属する事務の決定を、市長は尊重し予算面での実現に努力する。
3
教育委員の公選制をめざし、当面は準公選制を実施する。
︵十四︶市立図書館の充実を
― 30 ―
1
分館構想を復活させ、ブランクエリアに市民館・図書館分館をつくる。
2
市民館運営を社会教育事業として充実させる。
3 中原図書館の返却ボックスを休日だけでなく、開館中も使用できるようにする。
中原図書館のみならず、利用状況に応じて各開館時間を9時から 時まで延長する。
明確にしています。
条で明記されているように﹁健康で文化的な最低限度の生活を営む権利﹂であり、
﹁国はすべて
社会保障は、憲法
の生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない﹂と﹁国の責任﹂を
三、いまこそ、国の福祉切り捨て・社会保障切り捨てに抗し、川崎市が防
波堤 の 役 割 を
5
各区図書館に専属の図書館司書を配置する。その際、他の業務と兼任させない。
6 ブランクエリアの解消に努めるとともに、移動図書館の充実をはかる。
4 各区図書館の職員が一部民間委託になっている。図書館法の精神にてらし、書架整理や貸し出しなどは、図書館
機能の後退につながるものであり、民間委託をやめる。
21
しかし﹁社会保障は自助が基本﹂という現政権のもとで﹁税と社会保障の一体改革﹂路線が加速され、社会保障の
25
解体が進行しています。すでに年金の切り下げが行われ、生活保護については、生活保護基準の6・5%もの切り下
げを2013年度予算で強行し8月から実施されるとともに、
﹁水際作戦﹂を制度化し、就労支援の名で稼働年齢層の
追い出し等を促進する等生活保護法等の大改悪法案が提出されていました。︵通常国会会期末に審議未了で廃案︶
﹁社会保障と税の一体改革﹂を進める﹁社会保障制度改革国民会議﹂が医療、介護サービスを中心に負担
8月5日、
増と給付削減を鮮明にした最終報告書をまとめました。政府は8月末までに報告書に添った﹁社会保障制度改革大綱﹂
を閣議決定し、秋の臨時国会に負担増と給付削減の期限等を決める法案を提出する構えです。
報告書は、介護保険で要支援者を保険給付の対象から外し、市町村任せの事業に段階的に移行していく方向を明記
し、利用料アップの方策も列挙しました。介護保険法の改定案については社会保障審議会の介護保険部会で年末まで
にとりまとめを行い2014年の通常国会に提出する方針を表明しています。
医療分野では、 歳から 歳の窓口負担を早期に1割から2割に引き上げることや医療機関に支払われる診療報酬
の改定︵来年4月実施︶で入院日数の短縮等を図る構えです。
月から3段階で2・5%削減し、そのあとは﹁マクロ経済スライド﹂で毎年0・9%ずつ削っていこう
年金額は
としています。さらに課税の強化、支給開始年齢の更なる引き上げの検討を打ち出しました。
74
・1%を占める等、低所得層の加入割合が高まっていると同時に無保険者も増えています。こうした国保の深刻な
用の悪化が進むなか、派遣・非正規労働者や失業された方々が多く加入しています。総所得200万円未満が全体の
10
年度
・7%
国保は、社会保障及び国民保険の向上に寄与するもの︵国民健康保険法第1条︶とされ、国の運営責任を明確にし
た︵同法第4条︶制度です。事業主負担のない国保は、適切な国庫負担なしには成り立たないのは政府も認めていた
国保財政の原則です。ところが、国保の総会計に占める国庫支出の割合を1984年度の約 %から
09
24
合を計画的に戻すなかではかられるべきであり、それまでは川崎市の一般会計からの繰り入れを行うべきです。
に半減してきたことが国保財政の厳しくなった要因です。真に持続可能な国保制度にしていくためには、国庫負担割
50
後期高齢者医療制度について、政府が決定した新制度案は、 歳以上を形式だけは国保や健保に戻しつつ、引き続
き現役世代とは﹃別勘定﹄にするというものです。さらに所得の少ない人への保険料軽減措置の縮小ももりこまれて
75
― 31 ―
70
皆保険制度の根幹をなす国民健康保険制度の見直しも焦点になっています。国保はこの 数年来滞納世帯数、資格
証明書並びに短期保険証の発行数ともに高止まりしたままです。国保は、年金暮らしや自営業の方、それに加えて雇
10
実態を一顧だにせず、厚生労働省は、国保の都道府県単位化︵広域化︶を進めようとしています。
68
います。後期高齢者医療制度は即時廃止し、老人保健制度に戻すべきです。国庫支出を増額して誰もが安心してかか
れる医療制度への改革をはかるべきです。
%ですが、実際
特定検診の受診率が低下し続けています。川崎市特定検診実施計画では、2010年度の目標は
は ・7%、保健指導の目標は %に対し動機付け支援は ・1%、積極的支援は5・ %という低い実施率です。
11
03
50
2
特定健診の検査内容を以前の老人健診の内容に戻し、費用負担を元にもどす。
3 敬老パスは高齢者の自立支援のためにも無料パスを復活させる。当面、応能負担にする。
4 廃止した高齢者医療費助成制度を高齢者負担を1割とする助成制度として復活させる。 歳以上の高齢者医療費
窓口負担を無料にする。
めにあらゆる努力をする。川崎市独自でも保険料、医療費自己負担のさらなる軽減制度を確立する。
要望する。存続している間は、短期証の発行はしない。保険料の改定にあたっては、これ以上の値上げをしないた
戻した上で、減らされ続けた国庫負担を抜本的に増額して、安心してかかれる高齢者医療制度に転換するよう国に
1 後期高齢者医療制度はいまも現存している。保険料を滞納すると短期証へ切り替えられ、さらに保険料は2年ご
とに引き上げられる。この制度が続く限り高齢者の苦しみは続く。きっぱりと廃止以外ない。元の老人保健制度に
︵一︶安心できる老後のために
できる公的医療、地域医療の充実こそ求められています。
医療の拠点とするとされていますが、先に述べた問題点を払拭できません。市民誰もが、安心して医療を受ける事が
引き下げになり﹁医師不足、医師偏在﹂の加速などです。臨海部の医療特区はそうした国の方向性のなか、高度先進
担の増加と低所得者の医療閉め出し、医療の不採算部門の撤退、医師や看護士、介護士などの労働市場の開放で給与
日本の医療は、この間、医療構造改革のもとで市場原理主義を導入することが求められ、保険診療と自由診療を併
用する混合診療の一部が解禁されてきましたが、多くの問題があります。公的医療保険が使える範囲の縮小、患者負
てたいということですが、受診料を元に戻すことを含め抜本的な受診率向上の取り組みを求めます。
2011年度に未受診者への電話による受診勧奨と受診しない理由・要望等、意見を伺い、今後の受診率向上に役立
35
5 高齢者が地域活動をする際に市に対して望まれる援助策の第1が身近な活動ができる場所の確保です。健康づく
75
― 32 ―
20
り、居場所づくりのため、使える場所の情報を提供し、﹁いこいの家﹂﹁いきいきセンター﹂のみならず、公共施設
の積極的開放、世田谷区のように私的な家でも公共スペースとして活用できる工夫をし、場所の確保を市として支
援する。いこいの家の夜間・休日利用をさらに拡充する。
6
﹁老人いこいの家﹂の未設置中学校区への建設を早急にすすめる。
7
高齢者の就労事業を拡大する。
8
高齢者住み替え家賃補助制度を今後も継続させる。福祉住宅は存続し増設する。
9 長寿祝い金制度を元に戻す。
低家賃で住める養護老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、高齢者向け優良賃貸住宅の政治をすすめる。
﹁高齢者福祉のしおり﹂を、公共施設での配布だけでなく、高齢者のいる全世帯に配布する。
介護保険に関連して
1 国は消費税増税を国民に押し付ける一方で、介護分野でも削減方向を示している。要支援が介護保険から外され
て 市 町 村 の 裁 量 で 行 う 事 業 へ 移 行 す る よ う な こ と に な れ ば、 川 崎 の 一 万 八 千 人 余 り の 要 支 援 認 定 者 は ど う な る の
か、介護予防につながるデイサービスやホームヘルプなどのサービスが継続されるかどうか、まさに利用者にとっ
て、家族にとっては死活の問題になる。国に対してこのような制度改悪をしないよう強く働き掛ける。
2
川崎市として総合事業を実施しない。従来の介護予防サービスやだれでもが利用できる地域支援事業を拡充する。
3 低所得者の保険料・利用料負担軽減は急務。﹁お金がないため、介護が受けられない﹂という人をなくす。介護保
険料・利用料の軽減措置を国の制度として確立するように国に強く要請する。
川崎市の軽減制度もその基準を抜本的に引き上げ、関係者に周知する。早急に預貯金の所持基準をせめて横浜市
並みに拡充する。
4 特養ホームの待機者は、5328人﹂
︵2013年4月1日︶になり、依然として深刻な事態になっている。要介
護3 以 上 で 在 宅 も し く は 病 院 に 在 院 し て い る 高 齢 者 の 入 所 を め ざ し て の 整 備 促 進 プ ラ ン は 2 0 1 3 年 度 で 終 了 す
る。川崎の特養ホーム整備は依然として大幅に遅れている。特養ホームの待機者は老人保健施設に入居している高
齢者のなかにもかなりいる。次期整備計画にあたっては、このような実態もきちんと把握すること。その実態に見
合った整備計画をつくり、すみやかに実行すること。整備にあたって国有地・公有地、県有地の活用をすすめ、さ
― 33 ―
11 10
らに民有地を市として確保し、待機者解消をめざす。引き続き、多床室の整備をすすめる。
5 地域包括支援センターを地域包括ケアの拠点となるべく、職員体制の充実、財源の拡充を行う。さらに人口急増
地域には増設を検討する。区の健康福祉センターが責任をもって、地域ケア体制を充実させる。
6 地域の身近なところに、地域密着型小規模特養ホーム、老人保健施設、グループホーム、小規模多機能型施設の
建設を積極的にすすめ、必要な財政的支援をおこなう。
7 同時に住み慣れた家で介護を受けながら住み続けたい、という願いにこたえる。ひとり暮らし高齢者、認知症の
高齢者をはじめ、高齢者が地域で安心して暮らし続けていけるよう医療と介護の連携した地域ケアの充実・推進を
はかる。
― 34 ―
①
介護援助手当は対象を要介護3以上の人として復活する。
② 生活支援ヘルパー派遣事業の時間を拡充する。介護保険対象外でも軽度生活援助事業として、日常生活上の援
助が必要な人に派遣できる制度に拡充する。
③ 生活支援型配食サービスは介護認定にかかわらず、ひとり暮らし・高齢者世帯の食事の用意が充分できない人
に食事を配食することにより、安心した生活が営めるようにする。
④ 認知症高齢者対応として、医療センター機能の充実とセンターの箇所数を増やす。ヘルパー派遣事業を創設す
る。
⑤
ひとりぐらし、高齢者世帯などでの孤立死をなくすための﹁高齢者見守りネットワーク事業﹂の拡充をはかる。
⑥ 訪問理・美容サービスの自己負担一律をやめ、低所得者には低料金とする。
8
介護労働者の待遇改善に取り組む。介護職員の賃金を引き上げるため、川崎市としても支援する。
9 ヘルパー養成について、すべての民間事業所に門戸を開放し、補助を実現する。市独自でもヘルパー養成講座を
受ける人に補助制度を創設する。
高齢者の健康づくりや介護予防の観点から、いきいきセンターやいこいの家の場の提供や﹁介護予防とともに、
プール体育館施設の利用についても年齢にかかわりなく無料券の発行などでさらなる健康維持の増進をすすめる。
︵二︶地域医療の充実をすすめる
10
1 小 児 医 療 費 助 成 制 度、 ひ と り 親 家 庭 ・ 重 度 障 害 者 医 療 費 助 成 制 度 に お け る 一 部 負 担 金 の 導 入 は 引 き 続 き 行 わ な
い。小児医療費助成制度については、所得制限を撤廃し、通院対象年齢を中学校卒業まで拡大する。︵再掲︶
2 救急医療体制の充実をはかる。
① 川 崎 病 院 に 設 置 さ れ て い る 南 部 小 児 急 病 セ ン タ ー を 北 部 小 児 救 急 セ ン タ ー の よ う に、 独 立 し て つ く る な ど し
て、地域の小児科医の協力を得られやすい体制にする。
②
休日夜間歯科診療所、在宅輪番制病院などの整備、拡充を図り、補助金を増額する。
③ 小児を含む救急医療に対する補助金は、削減しない。
3
医師、看護師不足を解消する。
①
減少しつづけている産科病棟については、少子化対策からも民間病院も含めて行政としての支援策を講じる。
②
市の看護師修学資金の貸与額の増額を行う。
③
院内保育に対する助成を大幅に増やす。
④
離職している看護師をほりおこし、看護師不足を解消する。
4
医療施設を整備し、医療内容の向上と予防活動を前進させる。
①
市立病院での差額ベッドの拡大と差額料金の拡大は行わない。
②
中部を中心とした人口密集地域に、小児専門医療機関の建設を国、県に働きかける。
③
理学療法士、作業療法士養成機関の建設を県と協議してすすめる。
④ 介護型療養病床の廃止を行わないことを国に働きかけるとともに、市としても、今後さらに老健施設を増やす。
5
子どものアレルギー対策に取り組む。
① 民間の医療機関でも、アレルギー検診が無料で受けられるようにする。
② 給食の安全やアレルギー対策、食教育の観点からも、一小学校に一人の栄養士の配置を国に要求する。実現す
るまで市単独でも対策を講じる。
6
市民の健康づくりをすすめる。
①
節目健診を拡充し、健診内容に肝臓がん健診︵腹部エコーと腫瘍マーカー︶を新設する。
② 基本健診が特定健診にかわったことにより後退させられた、これまで市が行ってきた基本健診の検査内容を復
活する。また、特定健診の項目にのせられないものは、市の独自健診として行う。
― 35 ―
③
歳から隔年で行われている子宮がん検診は、毎年行う。
歳から隔年で行われている乳がん検診については、 歳に戻して、毎年行う。
④
⑤ 市が行ってきたがん検診の検査内容は後退させず、拡充を図る。また、検査費用は元に戻す。がん検診の項目
に、前立腺がん検診を加える。
⑥
歳以上の健診時、市単独で聴力検査を行う。
7 特定疾患医療給付の医療費助成制度を市独自に設ける。特定疾患療養費補助金は復活する。B型肝炎、C型肝炎
を難病と指定するよう国に働きかけるとともに、市単独でインターフェロンの投与についても支援する。
30
8 小児特定疾患に指定されている色素性乾皮症︵XP︶が国の難病指定になったが、医療費の公費負担が実現され
るよう国に働きかける。
9 透析治療を受けながら社会への復帰を果たす。
① 透析患者の重度障害者福祉タクシー制度の割増交付枚数を増やす。さらに加算料金も支払えるようにクーポン
制度にする。
② 自己歩行困難な透析患者が車いすでも通院出来るよう、福祉有償送迎サービス事業者への救済を含め、利用者
の経済的、精神的負担の影響がなく、安心して利用できるよう支援を行う。
③ 介護施設に併設された透析施設での治療ができるよう、国に要望する。
④ 災害時においても透析治療が可能となるよう、透析治療を含めた近隣の自治体との相互応援協定の充実と透析
患者への情報の伝達方法、またそれに伴う福祉避難所の設置など、早急なネットワークの整備、充実を行う。
⑤
2012年9月に県が発行した﹁災害時透析患者支援マニュアル﹂の市内及び透析施設への徹底推進を行う。
⑥ 災害時において透析治療が受けられない日数を考えると、低カリウム食品などの透析食が必要です。透析食、
医薬品、医療機器の安定的な供給が行われるようにする。また、透析施設への水・電気の供給を速やかに行う。
⑦ ﹁ 災 害 時 要 援 護 者 の た め の 防 災 行 動 ガ イ ド ∼ 災 害 か ら 身 を 守 る た め に ∼﹂ の 中 に 透 析 患 者 の 支 援 に つ い て の 対
策を盛り込む。
在宅の重度障害者への訪問看護体制を強化する。
― 36 ―
40 20
65
HIV感染者・エイズ患者の医療とカウンセリングを充実し、エイズへの正しい知識を広げるための教育・広報
活動を充実させる。
10
11
繊維筋痛症の実態調査と、周知、サポート体制を確立する。
老朽化した休日診療所の改築を行い、機能の改善を行う。
︵三︶国民健康保険・年金制度を改善する
国民健康保険法施行令の改正により国保料の算定が旧但し書き方式に変更されました。問題は、計算方式が変わる
ことによって、収入のある非課税世帯、低所得で扶養家族の多い世帯、障害者控除や寡婦︵夫︶控除・医療控除等を
受けている福祉的要素の大きい世帯が最も負担増になることです。
本市は改定にあたり、激変緩和策として旧但し書き所得を2012年度から3年間、順次 %、 %、 %まで控
除し 年度から % で継続するとしていますが、それでも市のシュミレーションは、低所得者ほど値上げ額が大き
10
90
60
30
2013年度は %の緩和措置がとられていますが、国保料の通知が届いた6月には、抗議や問い合わせが次々寄
せられました。これが %、 %となったら払いたくても払えない世帯がさらに増大する恐れがあります。軽減率を
20
18
シュミレーションをも上回り、2015年度は
万円を超えると予想されています。
度は %の緩和措置がとられても 万440円へと1・9倍に跳ねあがるというものでした。その後の試算ではその
く、給与収入200万円の小学生2人を含む4人家族の保険料は、2011年度の9万9750円から、2015年
15
10
60
10
漸減させるのではなく、 %に戻すべきです。
30
%を占めます。
資格証明書発行数は、2013年4月現在9477件にのぼり、加入世帯の4・
生活困窮のために保険料を払えず資格証明書を交付されている人が、医療を受ける必要が生じ、かつ、医療機関に
対する医療費の一時払いが困難であるという申し出を区役所に行った場合、特別な事情から緊急対応として短期保険
現行の所得減少減免や生活困窮減免制度の周知をもっと徹底し、払いたくても払えない世帯に適用すること、可能
な分納相談等、親身に対応すべきことを求めておきます。
90
1 国保加入者の健康と命を守る国保に改善する。
① 国保料を低額におさえ、医療費総額に対する保険料の賦課率を引き下げる。国民健康保険財政基盤安定化へ国
証を交付するとしていることを、各区役所の保険年金課に周知徹底することを求めておきます。
53
― 37 ―
13 12
庫補助金の大幅増額を要求する。低所得者層の保険料軽減のために、応益割・応能割の現行割合を継続する。
② 国保料の減免規定を拡大し、減免制度のPRを徹底し納付相談窓口でも市民に徹底する。国保医療費一部負担
減免制度を拡大し市民に徹底する。
③
軽減対策として、市民税非課税世帯には所得割額を賦課しない。
④
軽減率を2012年度の %に戻し継続する。
才と 才の健康診断事業のPRを徹底し、受診率を高めるとともに、年齢を拡大する。
⑦
⑧
傷病手当金制度を新設する。
⑨
組合国保の事務費を全額国庫負担とするよう引き続き国に要求し、市独自でも事務費補助を引き上げる。
⑤
資格証明書は滞納の理由を精査し一律的に発行しない。
⑥ 保険料滞納世帯に対する制裁措置、財産調査、差し押さえ等を無差別には行わない。
短期証の方が滞納した保険料を誠実に分納している場合には、正規の保険証に戻す。
90
た。安倍政権は8 月から生活保護基準の引き下げを強行し3 年間で最大
% にも達し、戦後最大の歴史的大改悪で
ん。税と社会保障の一体改革を強行するための露払いとして生活保護基準が邪魔になることから意識的に行われまし
生活保護世帯は158万世帯215万人︵2013年7月時点︶を超え、戦後最悪の深刻な事態が進行しています。
今年ほど﹁不正﹂受給をきっかけとして生活保護世帯に対するメディアを使ったバッシングが行われた年はありませ
︵四︶低所得者、生活困窮者対策を強める
2 年金制度の改善を求める。
① 最低保障年金制度を確立するよう国に働きかける。年金積立金は年金給付以外に使わないよう、ひきつづき国
に求める。
38
国 民 生 活 の 最 低 ラ イ ン を 示 す 生 活 保 護 基 準 は、 低 所 得 世 帯 に 対 す る 各 種 の 支 援 施 策 の 指 標 と し て も 使 わ れ て い ま
す。基準引き下げにより就学援助や保育料減免などを打ち切られる可能性があります。また生活保護基準は最低賃金
熱費、衣類などに充てられる生活費そのものです。
す。削減額は今年度で150億円。3年かけて670億円を予定しています。今回削られる生活扶助費は、食費、光
10
― 38 ―
35
条違反です。
にも連動し、最賃の引き上げを阻害する要因にもなりかねません。国民の権利であり、最後のセーフティネットであ
る生活保護基準の引き下げは﹁健康で文化的な生活を営む権利を保障した憲法
1 生活保護基準の引き下げを行わないよう国に要求する。
2
生活資金貸付制度を生活困窮者の生活実態に即して運用するとともに額の引き上げを図る。
3 生保世帯の医療費の保険外負担について助成を拡大する。生活保護世帯の人に医療証を発行することができるよ
う、国へ働きかけを強める。
4 入浴券を生保世帯に支給する制度を復活する。
5
就学援助制度についてはプライバシー保護に配慮して教育委員会でも申請を受けつけるようにする。
6 削減された夏季・年末慰問金や生活保護世帯・就学援助を受けている小中学校の児童、生徒の入学祝金、卒業記
念品代、メガネ代を復活する。
7
低所得世帯の上下水道の基本料金免除制度を復活する。当面非課税世帯の免除を行う。
8
生活保護世帯の老齢加算を復活させるよう、国に働きかける。
受付窓口で相談者を追い返すような水際作戦を取らないで親切に相談に応じる。
生活保護受給家庭の負の連鎖を断ち切るために少なくとも中学1年から教育支援を全市で展開する。
雇用支援として体験作業や面接の心得などの訓練をする機関を作る。
簡易宿泊所で生活保護を受給している1800人余の人と、第2種社会福祉事業宿泊所利用の800人余の人を
自立支援するために住居支援を急ぐ。
11
︵五︶ホームレス対策をすすめる
ホームレス増大の根源は、政府の経済不況・雇用対策の失敗や労働者派遣法の相次ぐ改悪にあります。自立支援セ
― 39 ―
25
9 生活保護ソーシャルワーカーが国基準に合わない実態がある。それを補う職員の増員を早急に行う。
生活保護世帯の熱中症対策としてクーラー設置またはクーラー修理費用を支給する。
川崎市独自の仕事を作り
﹁不正﹂受給に名を借りた警察官OBの採用はやめる。
雇用対策を強化する。
10
13 12 11
15 14
ンターの機能を充実させ、健康管理を行い、働く意志があることが実態調査で明らかになった人については、就職支
援を根気よく行うことが必要です。
6畳一間をベニヤで仕切り電灯は一つで一人当たり5万3千円の家賃を取るとか、台所とトイレが共同の5 ㎡の部
屋で69800円の家賃を取るなど貧困ビジネスが横行しています。事業計画等住民と協議するなど市独自のガイド
ラインを見直すなど対策を強める。
1
市独自のしごと作り︵公園の清掃や道路の管理など︶、雇用対策を強化する。
2 緊急避難の措置として、シェルター建設や、簡易宿泊所の借り上げなどで宿泊施設を提供する。
2級では6万6千円にすぎません。それなのに、たとえばホームヘルプサービスでは、身体障害者の %の方が支援
95
費制度では無料だったのに、自立支援法では平均負担額が月8400円。 %の人が無料だった通所施設利用者は、
99
― 40 ―
3
女性のホームレスを対象にした施設を設置する。
4
自立支援センターでの就職斡旋ができるようにする。
5 貧困ビジネスが横行しないようきめ細やかな防止対策を講じる。
︵六︶同和行政の終結に伴い人権に名を借りた特別予算を撤廃する
四、障がい者・児の基本的人権を守り、発達保障と自立・社会参加を保障
する
年4月から、国の障害者施策が措置制度から支援費制度へ変わり、障害者への負担︵応能︶が導入され、そのわ
ずか2年後の 年4月には、障害者に1割の利用料を負担︵応益︶させる﹁障害者自立支援法﹂へと改悪されました。
06
﹁障害者自立支援法﹂は、支援費制度でさえ応能負担であったものを、応益負担を導入し、しかも重度であればある
ほど負担が重くなるという過酷な悪法でした。障害者の主な収入源である障害基礎年金は、1級で月約8万3千円、
03
利用料と食費で1ヶ月約3万円の負担、入所施設者は水道・光熱費も加わり、実に約9万円もの負担になることが明
らかになったことから、私たちは、導入を目前にした 年9月議会で、こうした実態を示したうえで、
﹁これほどの負
年3月議会では、障害者全体の約6割を占める低所得1・2の方が福祉サービ
年間で、長く続いた革新市政時代に築かれた障
ところが阿部市政は、こうした施策をとるどころか、就任以来の
害児・者や重度成人更生施設の整備、福祉パスなどの充実した障害者福祉施策を、4次にわたる﹁行革﹂で次々と削
国が悪政を行うときこそ、地方自治体は福祉を充実し、防波堤となるべきです。その立場から、私たちは議会にお
いて、市独自で障がい者の方々の負担軽減の施策をとるよう、繰り返し求めてきました。
スと自立支援医療などの合計で収入の約4割にもなる大変な負担増の実態が明らかになりました。
ねない﹂と指摘。施行を目前にした
す・聞くためにお金を払うことにすらなりかねません。地域で自立して暮らしていくどころか自立の可能性を奪いか
担を強いれば、障害者は生活費を削るかサービスを抑制するかしかなくなります。視覚障害者や聴覚障害者は人と話
05
市は、手当削減の理由を在宅福祉の充実に充てるということを理由にしていますが、本来それぞれ独自に拡充すべき
﹁自立支援﹂法のもとで、障がい者の生活が困難を極めているなか、阿部市政は心身障がい者手当の削減を強行しまし
た。神奈川県が先行実施したことですでに大幅に減額されていたところに追い打ちをかけるように実施したものです。
ものの、他都市にも例のない前代未聞の制度で、障がい者の人権を制限することにつながるものでした。
し、余暇活動など社会参加のための外出は利用料を高く設定したのです。2012年度にようやく区別が廃止された
﹁自立支援﹂法で自治体独自の事業とされた﹁地域生活支援事業﹂に、障がい者が病院や役所に出かけるため
また、
の﹁移動支援事業﹂が含まれましたが、この移動、
﹁外出﹂を川崎市は﹁社会生活上必要不可欠な外出﹂か否かで区別
の方の医療費を無料にする対策を取るべきです。
る約8億円を一般財源から削減する予算を計上したのです。今からでも、川崎市も、市独自で、せめて低所得1、2
﹁自立支援法﹂の実施に際しても、横浜市では障がい者の暮らしを守るため、低所得1、2の方の福祉サービス利用
料を無料にする施策を取ったのに、川崎市はこうした施策をとるどころか、県の負担金や障害者の利用料で増収とな
でした。
ホームなどへの運営費補助金の削減、結核・精神医療付加金制度、難病患者療養費補助など、本当に容赦のないもの
減してきました。重度障害者への入院費食事療養費補助の打ち切り、地域作業所・小規模通所授産施設・グループ
12
障がい者施策を対立的に捉えるやり方をとることは許されません。心身障がい者手当の復活を強く求めるものです。
― 41 ―
06
さらに、2013年度からは、施設利用のない軽度障がい者や介助者の無料バス乗車証の廃止も強行しました。介
助者なしには行動が困難な障がい者にとって、本当に過酷な削減で、関係者の皆さんからは悲鳴があがっています。
もとに戻すべきです。
天下の悪法、障がい者﹁自立支援﹂法に対して障害者や家族、事業者など関係者から反対運動が大きく広がり、全
国で違憲訴訟が多発する事態となりました。2010年1月、違憲訴訟弁護団と国の間で和解が成立、
﹁速やかに応益
負担を廃止し、自立支援法を廃止して総合的な福祉法制を実施する﹂という基本合意書が交わされました。しかし、
同年6月、自立支援法の﹁改正﹂として﹁障害者総合支援法﹂が成立。基本合意も、総合福祉部会による﹁骨格提言﹂
も無視し、自立支援法の115条項のうち108条項には手をつけていないという点で、その内容も成立過程での当
事者の声も聴かないやり方も、まさに〝国家的詐欺〟というものでした。総合支援法の抜本的な改正を求めるべきで
す。
障がい者自身が高齢化し、さらに高齢の親の介護も必要になるという問題が、深刻化しています。高齢化した親と
障がい者が介護しあう﹁老障介護﹂という実態や、高齢の親が急死し障がい者の子どもも支援を受けられずに死亡す
るという﹁孤立死﹂などということが頻繁に報道されるような事態です。社会から孤立しているこうした世帯を掘り
起こし、支援につなげるとともに、障がい者の入所施設やグループホームの整備を抜本的に増やし、高齢障害者の生
活の場を急いで立ち上げる必要があります。
東日本大震災は、こうした緊急時に障がい者の命とくらしを守る体制がいかに脆弱であるかということを白日のも
とにさらしました。震災後数ヵ月たっても、どのくらいの障がい者がどういう生活をしているのか把握することすら
できないという事態でした。この震災で命を落としたいわゆる災害弱者の割合は、一般の被災者の二倍であったと言
われており︵内閣府の発表︶
、真剣な取り組みが必要です。震災時の障がい者の命を守る対策は阪神大震災以来、叫ば
れてきました。しかしその教訓が生かされていなかったと障がい者団体は指摘しています。この痛恨の教訓を川崎市
でしっかり生かし、直ちに具体的な対策をとることを強く求めます。
1 ﹁骨格提言﹂の6つの目標︵①障害のない市民との平等と公平、②谷間や空白の解消、③格差の是正、④放置でき
ない社会的問題の解決、⑤本人のニーズにあった支援サービス、⑥安定した予算の確保︶に基づき、本市の障がい
者施策を検証し、その目標を自治体の範囲で達成する方針を確立する。
2 相談支援事業について
― 42 ―
① 地域から孤立し、申請も出せないでいる利用者や家族の掘り起こしをし、サービスを提供できるようにするた
め、保健福祉センターのケースワーカーを増員し、家庭訪問、聞き取りなど個別具体の支援を行う。
② 相談支援事業のありかたについて障害者団体から意見を聞くとともに、どういう相談がありどういう対応が必
要なのか、この1年間の状況を調査する。
③
本市独自の相談支援事業については、各区で基幹型1ヵ所地域型3ヵ所ではまったく足りない。直ちに増やす。
④ 基幹型は、 時間365日相談を受けるということだが、現状では夜間に携帯電話に出ることができるだけで
とても訪問などはできる体制ではない。夜間体制を作り、緊急の相談があった場合訪問ができるようにする。
⑤ 児童の相談を専門に行う事業所を各区に別途設置する。児童の相談を専門に行っている事業者を﹁ふれあい﹂
に掲載する。
⑥ 精神障がい専門の相談窓口はどうしても必要である。各区に1ヵ所ある地域活動支援センターは、2012年
度までは夜 時までの相談を義務化していたが、2013年度からは基本的に夜8時までとなった。また、相談
支援事業の再編のなかで、地域活動支援センターは相談事業をやらなくなったと理解されている。正しい活動を
周知するとともに、 時までの相談は、登録会員に限らず一般の人もできるようにする。また、精神障がい者か
3 発達障害の理解を広げ、専門的な支援を充実する。
① 発達障害は専門的な知識を持ってその人に合わせた対応ができるかどうかで、一生を大きく左右する。区役
所、保育園、学校などでの系統的な研修を行う。区役所の窓口に専門知識を持った職員の配置を行う。
ない。高齢障害課の人員を抜本的に増員する。
⑧ 最終的に支援のメニューを決定するのは区役所であり、変更があるたびに区役所で受給証を発行するという作
業になっている以上、区役所の人員を抜本的に増やさなければ、障がい者は必要なサービスを受けることもでき
⑦ 指定特定相談支援事業所が現在9ヵ所しかないのは、1ケースあたりの単価があまりにも安いからである。市
として加算し、事業所が独立して運営できるようにする。
置する。
らの相談が急増していることに対応するため、基幹型及び地域型相談支援センターに精神障害の専門相談員を配
11
② 発達障害者支援センターの機能充実を図る。相談は子どもに限らず、年齢、相談内容も多岐にわたっている。
予算措置を行って、人数を増やす。専門職を増やせるよう、予算措置を行う。
― 43 ―
24
11
4 早期発見、早期治療・早期療育は発達保障の基本。児童の豊かな療育を保障する。
① 児童の利用料は、親の収入にかかわらず無料にし、経済的理由で早期発見、療育が遅れることが絶対にないよ
うにする。
② 療育は公的機関との連携が必要であり、継続した安定的な運営が求められることから、療育センターは本来直
営で行うべきである。少なくとも指定管理者の再指定の際には非公募とする。
③ 障がい児の在宅サービスの充実を図る。
イ、放課後等デイサービス、日中一時支援事業はどれも利用希望がたいへん多い。箇所数を増やし、毎日希望す
るときに利用できるよう整備する。
ロ、障がい児タイムケア事業は児童福祉法で放課後等デイサービスに含まれることになったが、当面は現状の運
営が続く。たいへん希望の多い事業であり、いそぎ次の諸点を実現する。
ア、毎日利用を希望する子どもに対応するよう、毎日開所する場所を確保し、箇所数を増やす。
イ、民間の建物で開設する場合の家賃補助や開設時の初期投資などに補助を行う。
ウ、放課後等デイサービスに移行する場合も、利用料が上がらないようにする。
エ、送迎車や個別に対応できる職員の人材確保をする。そのための補助額を増額する。
④ 障がい者児生活サポート事業︵あんしんサポート・障がい児ファミリーサポート・生活サポート︶の生活支援
と家事援助の対象となる支援策を充実させ、障がい者の要望にもとづき必要なときにはしっかりとサービスが供
給される体制をとる。あんしんサポート事業は、3 時間以上利用しても、時間に応じて報酬が増えるようにす
る。その場合利用料にはね返らないよう補助する。あんしんサポートの報酬単価を生活サポート並に増額する。
⑤ 児童の移動介護の年齢制限の制約を緩和し、幼児期からの支援を充実する。児童に対して、親の就労を理由と
する移動支援の利用料が、1回1000円、上限1万円というのは高すぎる。児童の利用料は無料にする。
⑥
障がい児のショートステイを増やす。
⑦
重症心身障がい児入所施設を高津区以南に新設する。
5 医療費について
① 自 立 支 援 医 療 は 無 料 に す る。 当 面 、 重 度 障 害 者 医 療 費 助 成 制 度 に お け る 一 部 負 担 金 の 導 入 は 引 き 続 き 行 わ な
い。県は所得制限の導入など助成要件を狭めているが、本市では削減につながる見直しは行わない。
― 44 ―
② 精神科の医療費は精神福祉手帳1級の精神障がい者は重度障がい者医療費助成制度助成の対象となったが、多
くは2級であり、医療の重要性は変わらない。2級と入院も対象とする。
③ 神奈川県緊急財政対策本部調査会が発表した﹁神奈川県における緊急財政対策に対する中間意見﹂では、重度
障がい者医療費給付補助事業など、障がい者に密接に関係する補助金や施設の凍結・廃止が打ち出されている。
市としてこの実施をしないよう県に強く申し入れるとともに、万一これが実行されても、本市の施策を後退させ
ない。
項目以上の在宅福祉施策
④ 経皮的冠動脈形成術︵PTCA︶を更生医療に加える。
6 障 が い に 伴 う 必 要 な 支 援 は、 児 童 も 含 め て 原 則 無 償 と す る 。 ま た 、 高 額 収 入 者 か ら 一 定 の 負 担 を 求 め る と し て
も、収入認定は配偶者があっても障がい者本人とする。
7 心身障がい者手当を復活する。手当を大幅に削減して、かわりに新たに行うとされた
は、手当の廃止による予算の枠にとらわれず、別途すべて実行する。
8 障がい程度区分によってサービスの種類や支給量を制限する制度を改める。当面、程度区分によって国の制度で
サービスを利用できない区分が生じてしまう場合には、同じような制度を市として整備し、希望するサービスはだ
れでも必要なだけ利用できるようにする。
9 市南部地域にあらたな入所施設を整備する。老朽化している柿生学園と川崎授産学園の建て替えを急ぐ。ショー
トスティを増設する。
40
55
歳で8割以上を占めているというたいへん深刻な実態がうきぼりとなった。この
73
①
高齢者と障がい者が同居している世帯の実態調査を緊急におこなう。
② 高齢障がい者が利用できるグループホームの整備を急ぐ。現行法では日中活動の場を造らなければならないた
め、作業所の併設ができるよう設置費補助の仕組みを作る。年齢とともに、日中も自室でケアしなければならな
いことになる場合の世話人の人件費補助を行う。
③ 高齢の親と障がいを持つ子が同居できる廉価な住宅を整備する。
― 45 ―
20
﹁川崎市障がい者施設等入所待機者実態調査﹂︵2012年3月︶によれば、入所施設への入所を希望している人
のうち、障がい程度区分の4から6の方が %と圧倒的で、当事者の年齢が 歳以上が %を占め、親との同居が
%、その親の年齢が 歳から
80
現実を重く受け止め、高齢障がい者が親亡き後も安心して暮らせる施設を整備する。
60
10
87
グループホームの増設、増員を促進し、グループホーム事業者がこれまでどおり事業を継続できる支援策を充実
する。
①
市の世話人体制確保加算と新規開設、増築した場合の初期加算を継続・充実する。
② 夜間の泊まりの体制を確保するため、勤務実態に合わせた給与を支払えるよう補助する。少なくとも世話人の
宿泊による夜間支援体制加算を増額する。
③ グ ル ー プ ホ ー ム は、 利 用 料 を 日 割 で 計 算 す る た め 、 利 用 者 が 入 院 し た り 土 日 に 帰 宅 す る と 事 業 者 の 収 入 が 減
り、市が単独加算︵入院時加算と家賃補助加算︶を行っていてもなお、運営が厳しい。利用料は月額計算にする
よう国に強く働きかける。市単独の補助を増額する。
④ 身体障がい者が入所できるグループホームを整備する。
⑤ 重度障がい者が入所できるグループホームを整備する。看護師の世話人配置などの支援体制を整備する。
移動支援の充実を図り自立と社会参加を保障する。
① バス券がフリーパスになったと同時に軽度障がい者と介護者は有料にしたことは関係者から強い批判の声が上
がっている。ひとりで外出できない障がい者にとっては、介護者の交通費が負担できなければ結局外出を控えざ
るを得ない。フリーパスは障害の程度にかかわらず、介護者とともにすべて無料とする。また、障がい者手帳を
同時に提示させることなく1枚で提示できるようなカードを作る。紛失しやすい障がい者に対し3ヵ月券を作る。
② タクシー券は、500円券のみでなく、100円券を作る。金額合計で従来の4万7250円を下回らないよ
うにする。
③ 本市は、移動支援は1ヵ月当たり 時間を標準時間として、標準時間を超えた申請に対しては各区のサービス
調整会議、市の審査会の承認を得るということになっているが、必要とする時間の申請も承認を必要とせず、障
がい者の移動の権利を保障する。
時までの利用時間を延長して設定する。台数を増やし、全区に
20
⑥
福祉バスの改造をただちに行う。行えないのであれば、各団体が自己負担で民間会社のバスを借りている借り
⑤ 福祉キャブ運行規定を緩和し、1回4時間、
配置する。
④ 通院のための移動支援は、病院の入り口までで、病院内は支援されない。障がい者を支援する体制のある病院
は少なく、病院内も引き続き移動支援ができるよう制度を改正する。
40
― 46 ―
11
12
上げ代を補助する。
⑦ 福祉運送事業は、タクシーの半額くらいで利用できるが、利用料だけでは事業が運営できず、撤退する事業者
も生まれている。事業が継続できるよう市の補助を行う。
日常生活用具について
① ﹁かわさき基準︵KIS︶
﹂をかかげて新たな福祉製品の開発を進めている都市にふさわしく、新たな製品をど
んどん取り入れ、日常生活用具の対象品目を拡大する。
②
日常生活用具および補装具について市独自の減免策を継続させる。
③
ストーマー装具は実費申請による全額公費負担とする。
④ 住宅用火災報知器の設置に対する日常生活用具給付を継続するとともに、対象を拡大する。
就労支援の充実を図る。
① 障がい者優先調達法の施行により、2013年度から﹁川崎市障害者優先調達推進方針﹂が策定されたが、2
013年度の調達目標は﹁前年度実績を上回ること﹂とされ、その実績は物品調達で3万円、役務で1787万、
合計1790万円である。この目標では全庁あげて優先的に調達しようという立場には立てない。法律の趣旨に
基づき、障がい者が就労の機会を得、自立につながるようにするには、この方針によって調達量が増え、仕事が
増えなければならない。長期的展望も持ち、確実に調達量が増える目標を設定する。また、実際にどういう仕事
を調達するかは各局の現場に任されており、それでは現状と変わらない。具体的に作業所をコーディネートする
部署をつくる。
② おしごとセンターへの発注を積極的に行う。
③
障がい者の市職員への雇用枠を増やし、年齢も拡大する。
④ チャレンジ雇用は、個別の障がいの専門知識を持った人をコーディネーターにし、一人一人に最適の職種をさ
がすとともに、現場でも適切なアドバイスを行う体制を作る。そのうえで知的障害者の枠を増やす。精神障がい
者を対象にする。
⑤ 就労援助センターでは、なかなか就労先が決まらず、援助する職員が足りなくなっている。センターを各区
1ヵ所に整備する。職員を増員する。
⑥
精神障がい者に特化した就労支援を行うため、社会参加支援センターを廃止しない。
― 47 ―
13
14
⑦ 障 が い 者 と 事 業 者 を 結 ぶ マ ッ チ ン グ 事 業 を 市 の 主 導 で 繰 り 返 し 行 う。 障 害 者 を 雇 用 す る と 何 ら か の イ ン セ ン
ティブを与える制度を創設する。
就労支援施設を増やす。
①
高等部卒業後の﹁在宅ゼロ﹂を継続し、ひきつづき新設のために力を尽くす。
② 市直営で運営している﹁わーくす﹂は、ひきつづき直営とし、老朽化した﹁わーくす﹂の改善を図る。
③
施設の運営を安定化させるため、日割計算をやめ、固定費には補助する。
市内各入所施設の施設職員の待遇を改善し、人材確保の支援を強化するために市の補助金を抜本的に増額する。
成年後見制度や﹁地域福祉権利擁護事業﹂の周知を事業所任せにせず、区役所などからていねいに行う。
精神障がい者支援対策をすすめる。
① グループホームの増設を市のイニシアで強力にすすめる。
② 退院後の地域生活にスムーズに移行できるよう、入院時から一貫して支援する体制をつくる。体験宿泊できる
施設を増やす。体験宿泊への補助金を継続する。
③ グループホームと医療機関との連携するシステムを強化する。サテライト型の設置を促進する。
時間体制の精神障がい者対応の救急ベッドや、合併症対策の体制整備を、市内の病院で図る。
④
⑤ 精神障がい者が精神科以外の疾患で救急車を呼んでも、受け入れを断られることが多くたいへん困っている。
市立病院で独自に精神障がい者の救急医療体制を整備する。
⑦
精神障がい者の特性として、体調から作業所を休んだ場合の作業所への人的保障の加算と家賃補助を増やす。
⑧ 精神障がい者のための社会参加、援助の場として公的施設・公共施設に精神障がい者がいこい、働き、集える
喫茶店などの場を現在の3ヵ所からさらに増やす。
⑥
地域活動支援センターに安心して通所できるよう﹁通所交通費﹂を継続する。
24
⑨
障がい年金の申請に添付する医師の診断書が何通も必要で、その費用が重い。補助を行うか、簡素化する。
⑩ 区分認定にかかる時間を短縮する。
聴覚障がい者への施策について
① 継続性と専門性が強く要求される川崎市聴覚障がい者文化センターの指定管理者の指定は、今後非公募とする。
② 区役所には手話通訳者を常勤で配置する。
― 48 ―
15
18 17 16
19
③ 手話通訳派遣コーディネーターは正職員で一名配置できるようにする。
④ センターが行っている手話通訳・要約筆記の派遣は、必要な要請にすべてこたえるため、指定管理費とは別枠
の事業費補助とし、実績払いとする。
⑤
手話奉仕員養成事業の入門過程を各区で開催する。
⑥
公共機関において、電光掲示板など情報伝達を文字で表記する設備を整備する。
⑦
災害時に難聴者に対し情報の伝達およびニーズ対応について文字で表すネットワークシステムを構築する。
⑧ 難聴者に対応する、磁気ループをすべての公共施設に設置する。福祉バスにも設置する。ポータブルタイプの
貸し出しを行う。
視覚障がい者への施策について
① 新しい視覚障がい者情報文化センターは指定管理制度が導入されたが、盲人図書館が培ってきた専門性を維持
し発展させるため、今後は非公募とする。予算と職員を増やし、良質で十分なサービスを行えるようにする。運
営に当たっては当事者の意見をよく聞く。
② 白杖が1本では壊れたときに外出ができなくなる。すぐに購入できるものではない。スペアとして2本購入で
きるようにする。
③ 地デジラジオを日常生活用具に加える。
万円に引き上げる。
④
テープレコーダーが販売されなくなっているため、早急にブレイクストークを視覚障がい3級以下にも認める。
⑤ 点字ディスプレイは視覚障がい単独の者にも給付する。
⑥ パソコンソフトや周辺機器の購入補助は、6年に1回、 万円以内で行われているが、 万円未満であっても
1回支給されるとそれきりで、違う年に別のソフトを購入するなどということができない。これを改め、段階的
な給付を認める。限度額を
10
10
⑦
﹁声の市政だより﹂の作成は、市内の事業者に発注する。
障がい者総合スポーツセンターは、温水プール、体育館、宿泊施設を備えたものにする。当面既存の市民スポー
ツ施設に障がい者利用のための整備改善を行い、障がい者スポーツ教室を積極的に開設する。そのための指導員を
20
養成し配置する。
高次脳機能障がいについて
― 49 ―
20
21
22
① 相談窓口を全区役所に置く。相談窓口を設置していることを広く広報を行う。
②
支援センターを全区に設置する。
③ 高次脳機能障がいに特化した作業所、グループホームを設置し、障害の特性を理解した職員を配置する。
重度障がい者の入院時の介護者派遣制度を創設する。知的障がい者などで個室や差額ベッドでしか対応できない
患者のための支援制度をつくる。
障がい者が安心して歩けるまちづくりを促進し、歩行権、交通権、移動権を保障する。
①
今後購入する市バスは超低床バスに切り換え大幅に増やす。
② 視覚障がい者が安全に移動するために、実際に現場で意見を聞いて、音声案内の改善を行なう。とくに、エレ
ベーターの上り、下りが並列している場合、音声が流れていてもどちらかわからない。時間によって上りと下り
が変更される場合などの対策をいそぎ行う。駅構内については鉄道事業者を指導する。
③ 駅のホームドアの設置を各鉄道会社に強く求めるとともに、とくに危険な駅については市としての対策を検討
する。
④ 主要な信号に音響信号機を設置し、渡れる時間も確保する。日航ホテル前の新しい信号機に音響設備を急ぎ設
置する。エスコートゾーンを増やす。
⑤ 歩道導入部の車道との段差をつけないよう改善する。歩道の切り下げが急なため車椅子では通れない道路箇所
を調査し、至急改善する。
⑥
タクシー料金メーターを音声化にしてわかり易くする様働きかける。
⑦ 混雑した電車の中などでペースメーカーを入れている人のまわりで携帯電話を使用されないよう、ペースメー
カーを使用していることを示すバッチを、広く周知する。
⑧ ストーマーの手入れができる多目的トイレが整備されていない公共施設について、改築を待たずに早急に整備
する。
つつじ山荘の廃止にともなう代替施設として、障がい者が気兼ねなく利用できる宿泊施設を設置する。
市内の公共施設に障がい者割引の制度がある場合には、各施設の入り口のわかりやすいところに大きく掲示する。
災害時に障がい者が不安なく暮らせるための対策を緊急に取る。
① 障がい者が利用しているグループホーム、通所施設などの耐震補強を福祉施策として行い、すべての施設の耐
― 50 ―
23
24
27 26 25
震補強を直ちに行う。
② 災害時の二次避難所の制度について、すべての障がい者と家族、事業者に詳しく周知する。二時避難所として
協定を結んでいる施設のマップをつくる。
③
一次避難所から二次避難所へのスムーズな誘導をどう行うのか、事前訓練を行う。
④
二次避難所として協定を結んだ施設には、あらかじめ市から備蓄物資を届ける。
⑤
ストーマーの備蓄を行うため、各避難所が必要な障がい者と協議を行う。
2005年との比較で
戸︵5・2%︶の減、営業耕地面積も503ha が476ha と5・4%の減となっていま
万円を何とか払い、事業を続けているのがやっと。﹂と
15
円安による材料費の高騰や電気料金の値上げは、経営不振に追い打ちをかけました。そればかりか﹁これ以上、消
ます。
言います。
﹁仕事が減っている﹂
﹁景気回復の実感はない﹂と言った事業者の声は、まちの事業者全体の声となってい
も、昨年より仕事が減ったままで、ほんとに苦しい。家賃の
少﹂となったと報告しています。ある金属加工の事業者は、
﹁技術のいる仕事のため、単価そのものは下がらなくて
12
― 51 ―
五、地域経済の担い手を守り、成長を促す支援策を
2013年度の予算では、中小・零細企業・商店に対する振興関係費︵先端産業関係を除く︶は、4億2560万
円余で、農業費2億5767万円と合わせても、予算総額の0・1%に過ぎません。これでは、地域経済の担い手に
対する支援策としては、はなはだ不十分と言わざるを得ません。
2012年の市内の事業所数は、4万847か所︵2012年経済センサス活動調査結果速報︶と、前回調査︵2
009年︶と比較して、2678か所6・2%の減となっています。製造業では ・0%の減、建設業も ・7%の
10
減、卸売業・小売業でも5・5%の減となりました。また、2010年の農家数は1257戸︵農林業センサス︶で
12
とりわけ、製造業では仕事の減少が深刻で、低迷したままとなっています。今年9月に発表された﹁神奈川県工業
統 計 調 査 結 果︵ 速 報 ︶
﹂でも、2012年 月時点での製造品出荷額等が前年度比で2・1%の減と﹁2年ぶりの減
す。事業所の減少に歯止めがかかりません。
69
費税を上げられたら、やっていけない﹂という声に代表されるように、市内事業者の実態は、消費税増税やTPPへ
の参加協議など、国の悪政によってより深刻さを増すことが予想されます。甘い事態認識は許されません。
月1日、来年4月からの消費税増税を決定したと発表しましたが、5%税率のいまでも価格に転嫁
安倍首相は、
できないでいる事業者が少なくない中で、8%に上げれば、増税によって事業継続ができなくなる事業者が多数生じ
・7%で従業員規模が小さいほど転嫁困
ることは、十分予想できることです。信金中央金庫の地域・中小企業研究所の調査によれば、増税分がすべて販売価
格に反映できると回答したのは、 ・9%﹁まったく反映できない﹂は、
12
検討する。
市内事業者の訪問調査を行う。製造業については、経済センサスに用いられている従業員の規模別に、その事
30
49
10
19
∼ 人が838事業所、1
50
99
①
︵2︶市内事業者の実態を掴み、事業者・市民参加の下で﹁︵仮称︶中小企業振興基本条例﹂を作り、具体的な施策を
︵1︶融資対策を除く中小企業関連予算を一般会計の2%︵120億円︶に引き上げる。
作られ、川崎の地域経済をより強いものにする土台を作ることになります。
況のチェックも当事者参加の下で行われることが大切です。こうした取り組みを通して、事業者と市との信頼関係が
ではなく、それぞれの分野で実態をよく掴み、当事者や市民が参加し、地域からプランンの策定を行い、その進捗状
企業、農業従事者への支援策を抜本的に強化することが必要です。また、地域経済の活性化はトップダウンで行うの
こうした市内経済の現状からすれば、地方自治体として、地域経済の担い手である市内中小・零細企業、農業従事
者の営業を守り、成長させていくために、大企業や先端産業に特化した市の産業政策の転換を行い、市内中小・零細
経済を守る立場から、消費税の増税実施は中止するよう国に求めてゆくことが必要です。
で、増税を実施することは、まさに中小・零細企業の﹁息の根を止める﹂行為にほかなりません。市としても、地域
難とする回答が多くなるとしています。現状でも、身銭を切って納税しなければならないケースが多数ある状況の中
12
人が2・053事業所、 ∼ 人が1、430事業所、
29
業所の1割を目安に訪問調査を行う。︵経済センサスでは、従業員数が1∼9人が33379事業所、 ∼ 人が
5、168事業所、 ∼
00人∼が563事業所︶
20
― 52 ―
10
②
これらの作業を通して、
﹁かわさき産業振興プラン
新実行プログラム﹂は見直しを行い、市内中小・零細企業
への支援を行うものとする。
一、製造業について
︵1︶市内中小・零細企業の仕事起こしを支援し、受注拡大を図る。
社、
﹁受注確保・販路拡大﹂です。︵﹁川崎市内中堅中小企業
市内中小企業の経営課題で、最も多く掲げられているのは、
経 営 実 態 調 査 2 0 1 3 年3 月 ﹂ に よ る ︶ コ ー デ ィ ネ ー タ ー に よ る マ ッ チ ン グ 事 業 や 展 示 会 へ の 支 援 な ど メ ニ ュ ー は
あっても、事業規模が小さく、その効果がごく一部にしか及んでいません。2012年度の実積は、訪問企業数
マッチング件数は139件です。この事業に関わる2012年度決算は約580万円で、大阪市の3000万円と比
名のコーディネーターが定期的に会議を開き情報を交
較しても重点が置かれているといは言い難いものです。予算を増額し、事業規模を拡大することが必要です。
① コーディネート支援活動の充実をはかる。大阪市は、
換してマッチングを行っている。川崎市では、現在、川崎市産業振興財団の職員6名︵20103年度︶とコー
ディネーター4名が活動しているが、コーディネーターの倍加など増員を図る。
④ 公共施設を活用し、市内の中小企業の製品・技術の紹介を行う。
ては、普及促進も兼ねて積極的に活用する。
⑥ 市内中小企業が製作した製品で市が活用できるものは引き続き積極的に活用する。とりわけ、環境技術につい
受発注のコーディネートを希望する際も、ネット上で申し込み手続きが簡単にできるようになっている。
する。東大阪市では、
﹁市内製造業の検索﹂のサイトを設け、動画で技術を紹介するなど、工夫している。また、
⑤ インターネットでの企業紹介、受発注のコーディネート活用方法をわかりやすく紹介し、活用しやすいものに
10
― 53 ―
85
﹁川崎市内中堅中小企業経営実態調査2013年3月﹂によると、展示会に出展した経験について﹁あり﹂と
20
③ 工業団体などが実施している製品展示場への家賃補助を行う。
②
55
答えたのが 、4%、
﹁なし﹂が ・7%となっている。展示会出展を希望する企業が現在、出店への補助は 万
63
円を限度額としているが、 万円まで限度額を引き上げ、補助率も2分の1から3分の2まで引き上げる。
35
環境・福祉などの必要な行政課題を市内中小企業に呼びかけ、開発された商品を購入するなど行政と市内中
︵2︶中小・零細企業の技術革新を応援し、活力を取り戻す。
①
小・零細企業が連携した取り組みを引き続き行う。
② ﹁新技術・新製品開発支援事業費︵2013年度予算は約1200万円︶﹂を増額し、補助率を現在の2分の1
から3分の2まで引き上げ、補助限度額も1件当たり100万円から500万円に引き上げる。また、事業者が
事業に着手しやすくするため、事業終了後の補助金支払いを改善し、事業着手時に分割して支払いができるよう
にする。
︵3︶経済対策として、自然エネルギー活用の技術開発・普及を支援するとともに、学校・市民館など自然エネルギー
60
70
26 32
の設問には、すでに﹁後継者が決まっている﹂と答えているのが ・6%、
﹁決まっていない﹂と答えたのが ・7%
33
54
― 54 ―
の活用を拡げる。
① 自然エネルギー活用の技術開発を進めるため、独自の補助制度を創設する。
② 市内の自然エネルギー活用の技術について情報収集を行い、優れた技術については市としてPRする。
③ 住宅用太陽光発電設備設置補助事業の補助金を拡充し、対象件数を拡大し、市内での普及を進める。
④ 市内のすべての小中学校、市立高校、各種学校などに、100キロワット規模の太陽光発電の設置を目指す。
また、公立保育園、市民利用施設などの公共施設、希望する私立幼稚園に計画的に設置・普及させる。神奈川県
に対し、補助制度の創設を要望する。
︵4︶ものづくりの技術継承、後継者対策を行う。
﹁川崎市内中堅中小企業経営実態調査2013年3月﹂によると、 歳代の経営者が ・3%で前年度よりマイナス
8 ポイントとなって、 代 代が増加しており世代交代が進んでいるが、 歳代が ・6% と8 ポイントプラスに
50
なっていることから、この年代では、世代交代がうまく行われていないと分析しています。また、
﹁後継者の有無﹂へ
40
もあった。市議団が行った視察においても、技術を有し、独立を果たしてきた零細企業が経営者が高齢化し、業績の
悪化などで若い世代へとバトンタッチできない現状があった。そのことは、ものづくりの技術の継承が困難になって
いることでもあり、こうした事態を市としても深刻に受け止め、支援を強化しなければなりません。
技術を持ちながらも営業力不足で仕事が減少している零細企業に対しては企業訪問を行い、市の支援策が有効
世代交代に伴う、新たな設備がスムーズに行えるよう、支援を行う。
①
②
後継者育成のため、各種技術講習や交流の場を作り、援助する。また、子どもたちの関心を高めるために、も
に利用できるよう、特別の支援体制を組む。技術のPRについても積極的に支援を行う。
③
のづくりのすばらしさを授業の中に取り入れ、子ども達がものづくりに接する機会を増やす。
年度末をもって
月には、金融担当大臣談話により、
12
金融機関に求めてきた取り組み状況の報告・公表の義務が無くなり、金融機関任せになることで、融資先の選別が進
むのではないかとの不安が広がっています。川崎市では、今年3月に﹁金融円滑化法終了に伴う資金繰りへの影響に
関するアンケート調査﹂
︵244社回答︶を行い、
﹁金融円滑化法の期限到来による影響について﹃変わらない﹄
︵ ・
えた事業者が7・9%であることから、
﹁限定的﹂と切り捨てるのではなく、金融機関に引き続き、影響が出ないよう
相談窓口の活用、
﹁経営力強化支援資金﹂の利用促進など対策に取り組むとしました。しかし、﹁悪影響がある﹂と答
金融円滑化法の影響は限定的とみられる﹂と事態認識を示したうえで﹁引き続き注視する必要がある﹂として、特別
0%︶の回答が大半を占め、大きな影響は見られない。﹃悪影響がある﹄
︵7・9%︶と回答した企業は一部に留まり、
69
― 55 ―
④ ﹁マイスター制度﹂を拡充し、報奨金制度の新設を行う。マイスターの技術を広くPRし、技術者の育成に役立
てる。
︵5︶融資制度を改善し、より使いやすいものとする。
最終期限とされ、その代り金融機関のコンサルティング機能の強化を行い、昨年
求められた場合、その要望にできるだけ応じるよう義務付けたものです。しかし、民主党政権下で
月に制定されたもので、
今年3月に廃止された﹁金融円滑化法﹂は、世界的な金融経済危機を受けて、2009年
金融機関に対し、中小企業や住宅ローンの利用者から貸付金利の引き下げや返済期間の延長など、貸付条件の変更を
12
円滑化法の期限到来後も﹁金融検査・監督の対応は変わらない﹂等の方針が示されました。しかし、金融円滑化法が
11
対応を求めてゆくことが必要です。
また、国により、緊急保障の対象事業者が縮小されことも重要です。﹁全業種指定﹂が見直されることによって除外
された業種は、内装業や不動産仲介業などですが、事業者を取り巻く環境は、改善されているわけではなく、むしろ
悪化しています。
﹁円安による原油・原材料高が進行している現状は、2008年に緊急支援を創設したころと似てい
現在よりも金利等の負担が軽い融資制度を実施する。金利の負担軽減については、金融機関の協力を仰ぐだけ
る。
金融機関に対し、引き続き貸付条件の変更の申し出に対し対応するよう求め、円滑な資金提供を図るよう求め
る﹂とも指摘されています。市としても、緊急対策を引き続き続けることが必要です。
①
②
でなく、市として保証料と同様に補助する。
③ 信用保証協会を利用できないなどの場合、100万円までのつなぎ融資を市が独自に審査を行い、融資を行う。
④ 消費税など、税金の未納分、滞納分を支払うための融資を認める。また、分納の期限を2年以内とせず、事業
の実態に見合ったものにする。
⑤ 制度利用にあたって、税金の分納の証明があれば融資対象とする。その際、返済期間を1年と限定せずに事業
実態に見合ったものにする。
⑥ 市・県民税以外の納税証明書の提出は求めないよう、金融機関に徹底する。
⑦ ﹁無担保・無保証人融資制度﹂の利用資格である﹁営業実績1年以上﹂から﹁6ヵ月以上﹂に短縮できるよう、
国に働きかける。
⑧ すべての金融機関に地域貢献を義務づける﹁地域再投資法﹂︵仮称︶制定を他都市とも協力して国に働きかけ
る。
︵6︶工場アパートの整備を図り、産業の集積と操業環境に悩む事業者への支援を行う。
工場アパートについては、2012年3月に出された﹁内陸部操業環境保全対策に関する調査業務報告書﹂の中で
も検討されてあり、その必要性については、市としても認めているところです。市議団でも大田区の工場アパートを
― 56 ―
視察し、市が財政的支援を行い整備した施設を、周辺の家賃よりも安く利用でき、電気代や廃棄物処理についても、
アパート全体をまとめることで、経費削減にもなることから、中小・零細企業支援としては。効果的な支援策であり、
工場アパートの具体化にあたっては、設置地域やその手法等について、中小・零細企業も加わった検討を行い、
具体化が望まれます。
①
具体化を図る。
②
機械リース代や貸工場の家賃に対する直接補助を国に求めるとともに、市としても、直接支援の枠組みを作る。
︵7︶市内中小・零細企業の防災対策を支援する。
① 中 小 企 業 が 防 災 対 策 を 講 じ や す く す る た め、 防 災 計 画 の 作 成 の 技 術 的 な 援 助、 及 び 対 策 費 用 の 補 助 制 度 を 作
り、事業所の防災対策を促進する。
︵8︶大企業の下請けいじめをなくす
単価の切り下げを迫ったり、在庫調整などによる少量発注や頻繁な納品、手形での支払いの強要などの下請けいじ
めをなくし、公正な取引が行われるよう、市としても実態をつかみ、その是正のため、関係機関と協力することが求
められます。
① 中小企業を守るため、発注停止や下請け代金単価切り下げなど、大企業の不当行為は摘発し、是正させる。
︵9︶長期化する不況と新たな災害不況のもとで、納税が困難になっている事業者に対し、
﹁納税者の実態﹂に合わせ
た救済措置を講じる。
① 市民税・固定資産税など税金の納付が困難な納税相談については、納税者の生活実態を十分調査し、徴収の猶
予並びに、換価の猶予など納税緩和措置を実施する。
②
滞納処分の執行について国税徴収法基本通達では﹁納税者の生活の維持、営業の支障のあるものは十分留意す
― 57 ―
る﹂としている。給与・売掛金・年金など営業や生活に多大な影響を与える差押えは行わない。
③ 市民税の減免について、事業を営む勤労所得者について、事業を廃止した場合に限るとしているが、売り上げ
や利益の減少など経済的損失についても、市民税の減免を認める。
④ 退職者の減免について、離職年に3割以上の所得の減少があった場合は、翌年に離職が継続していても減免申
請は認めないとしているが、次年度の申請についても認める。
︶消費税の増税は地域経済を破壊するものであり、増税実施は中止するよう国に働きかける。
⑤
少額所得者減免の対象に事業専従者を有する事業者も対象とする。
⑥ 市民税の減免や、市民税の徴収猶予、換価の猶予について周知徹底する広報活動を行う。
⑦
市税事務所で扱う税目について、事業者からの相談に十分対応する。
︵
二、建設業について
︵一︶市内建設業の振興策を実効性あるものにする
震災復興や消費税の増税を嫌っての駆け込み需要の増加等の状況が見られますが、一方で消費税増税を前にして、
廃業を選択する事業者もあとを絶ちません。
市内経済を活性化する基幹産業となる市内建設業振興に向けて、川崎市としての積極的な取り組みを求め、住宅リ
フォーム条例の制定など、直接的な振興策の実施を、早急に具体化すべきと提案してきましたが、事業者の経営努力
を促す施策等にとどまっています。住宅リフォーム条例の制定は、6県と556県、合計562自治体に広がってい
ます。先行している他都市の事例を踏まえ、極めて厳しい経済状況の中で、市内建設業振興策に実効性ある支援を強
く求めます。
①
﹁住宅リフォーム助成制度﹂を創設する。︵再掲︶
建設業振興策として、
② 群馬県高崎市で始めた﹁高崎市まちなか商店リニューアル助成事業補助金﹂を参考に、市内中小商業者の店舗
改修に対して、リフォーム助成制度を検討する。
― 58 ―
10
③ ︵第一章から再掲︶木造住宅の耐震改修助成制度について、年間耐震対策実施件数を抜本的に引き上げるための
予算と人的配置を拡充する。
④ 渋谷区などでは、命を守る観点から簡易補強工事費助成を行っている。また、県内でも、
﹁一部屋耐震﹂という
手法を採用し設置費用の補助制度を設けている︵横浜市、茅ヶ崎市、厚木市、海老名市、大磯町など︶。川崎市で
も、住宅リフォーム助成制度を創設するとともに、
﹁一部屋耐震﹂への助成を行い、耐震化率の向上と同時に、部
分改修も助成する。
川崎市としても、市内事業者への受注機会の拡大に効果のある川崎市主催の﹁フォーラム﹂や研修会等を回数
⑤ 旧耐震の建物を立て替えた時にも、解体費の一部など助成制度を創設する。
⑥ 経済労働局として、建設業は本市経済を支える重要な産業と認識しているならば、建設業振興課を新設し、個
別産業として支援を強化する。市内建設業者、建設労働者の悉皆調査を行う。
⑦
と規模を増やして実施する。
⑧ 改修までに時間のかかっている教育・福祉施設などの補修工事について、予算を増額し、軽易工事として発注
を進める。
⑨ 介護保険外の﹁川崎市高齢者住宅改造費助成事業﹂について、店舗併用住宅の店舗部分の改修工事等、現在対
象外になっているものについて、助成対象工事として拡大し、限度額を増額する。また、建物外のスロープや昇
降機等エクステリアでのバリアフリー工事についても、当事業の対象とする。
太陽光発電システムの補助については、利用が伸び悩む事態となっている。地元業者の協力を得ることが、利
⑩ 登戸土地区画整理事業の住宅移転、建て替えの仕事を地元中小建設業者が受注できるよう誘導する。
工期が遅れている当事業を推進するためにも、地元業者を紹介する資料を区画整理事務所に設置する。
⑪ 環境にやさしい住宅の普及という観点から、県内産の木材を活用した在来工法木造住宅を助成対象とし、普及
促進を図る。学校や保育園など公共施設の木質化を促進する。
⑫
用促進には欠かせない。補助率の低さと同時に、事業者にとっても、メーカーごとのID取得の問題など煩雑な
手続きが普及の妨げとなっている。補助率の引き上げ、手続きの簡素化など、市内業者が普及しやすくする。
⑬ 特養ホームや市営住宅、学校や保育所などの生活・福祉型投資を優先して市内業者の仕事を確保する。
⑭ 市内中小建設業者育成と技術技能の向上を図るために、入札に当たっては地域制限の活用を堅持する。公共工
― 59 ―
事での元請けが下請け業者を選択する際、市内に本社がある業者に優先発注するよう元請業者に対し指導し、市
内中小建設業者の受注機会を広げる。
⑮ 下水道・水道管の老朽管の計画的敷設替えを進める。2004年度から実施されている水道管の施工範囲を宅
地2メートル以内にあるメーターまで拡大された鉛給水管の敷設替え工事の達成年度を2018年より早めると
ともに、生活に支障をきたしているところでは、早急に改善を行う。私道内の鉛管の敷設替え工事費を助成す
る。共同住宅においては、第一水栓までを鉛給水管公費敷設替え対象としているが、複数のメーターや給水管に
ついても公費負担の敷設替え対象とする。
⑯ 工学系高校の卒業生の建設業への就職希望が増える中で、職業訓練校の役割はますます大きくなっている。長
期・短期課程の一校当たり、および訓練生一人当たりの補助金を増額する。不況により就職できない新卒者の職
― 60 ―
業訓練の場として活用するために、市内高校への資料配布、体験入学等を実施するための支援を行う。
⑰
川崎市住宅相談運営委員会の運営費補助の増額、相談日の拡充と相談場所をわかりやすい場所に設置する。
⑱
親子工作教室の補助金を増額する。
⑲ アスベスト被害を防ぐために
2013年6月 日大気汚染防止法が改正された。その主な内容は、一、石綿の飛散を伴う解体等工事の実施
の届出義務者を、工事施工者から発注者に変更し、発注者にも一定の責任を担うことを位置付ける。
認識しないで施工を求める等により、工事施工者が十分な対応を取り難いことも問題となっている。
無の事前調査が不十分である事例が確認されている。また、工事の発注者が石綿の飛散防止措置の必要性を十分に
図るため、建築物の解体等工事に対する規制が講じられていますが、アスベストが飛散する事例や、石綿使用の有
は自主施工者を加えるというものである。これらの法改正に至った理由は、一、アスベスト︵石綿︶の飛散防止を
︵三︶都道府県知事等による立入検査の対象に解体等工事に係る建築物等を、報告徴収の対象に解体等工事の発注者又
体等工事に係る建築物等に石綿が使用されていないことが明らかなものを除く。︶
︵二︶解体等工事の受注者に、石綿使用の有無の事前調査の実施と、発注者への調査結果等の説明を義務付ける。︵解
17
︵四︶アスベスト使用の可能性がある建築物の解体工事は、今後、2028年頃をピークに全国的に増加すると推計さ
れている。
ア、改正された法律に基づき、より実効性のあるものとするためにも、公共工事における解体工事に対する発注者
責任を果たすため、事前の調査、工程の管理は、川崎市の責任で行う。
建設時は使用することが義務付けられていた耐火被覆材について、本来、国が除去費用を負担すべきだが、当面、
住宅の解体時におけるアスベスト除去費について、川崎市として市民負担を軽減するために助成制度を設ける。
イ、2004年のアスベスト含有建材の使用禁止措置から9年経っても、建設現場では新たなアスベスト曝露があ
ると報告されています。最新の研究・調査結果などを生かし、建築業従事者への教育・トレーニングを川崎市と
して実施する。アスベストでの被害者を救済するために市としての独自の制度を検討する。
三、商店街の活性化のために
︵一︶地元小売商店振興策を抜本的に充実する
商店街を日常生活に欠かせない機能を持った﹁地域の公共財産﹂と位置づけ、住民・商店街・行政が一体となった
取り組みで活性化を進めていくために次の諸点を実現する。
① 大店舗やチェーン店の商店街への加盟など地域商店会への協力を義務付けた、﹁地域経済振興条例﹂を制定し、
商店街連合会と連携を強め地元商店会の活性化を支援する。
② ﹁地域商業活性化協議会﹂に引き続き、地元商店会とチェーン店・大型店との話し合いを市商連と連携し開催す
る。
③ 商店会の街路灯電気代補助率をアップする。商店街街路灯LED化は大幅な電気料金の引き下げと、省エネに
つながるので、希望する商店街については、市単独でも補助率を引き上げ、3分2とする。国や県の基金などを
積極的に活用する。電気料金値上げの影響を抑えるため、街路灯の契約区分などについて商店街へ情報提供を行
う。
― 61 ―
④ ﹁空き店舗創業支援事業﹂の一店舗あたりの店舗賃借料・店舗改装費補助率を引き上げる。事業費も増額する。
⑤ 商店街を活性化するために、商店街が消費者と密着し、
﹁買いやすく、楽しく﹂という消費者の要望にこたえる
と共に、高齢者にもやさしく、社会貢献を果たせ、魅力ある商店街として発展することを目的に、
﹁商店街繁急活
性化事業補助金交付制度﹂を創設する。
商店会のモール化事業などの資金返済において、廃業店舗分の返済金を補助する負担軽減措置を実施する。
⑥
﹁チャレンジショップ事業﹂を復活し、対象業種も拡大する。関係する団体との意見交換などを進める。
⑦ 商店街が行うイベント事業のランク付けはやめる。商店街魅力アップ支援事業を希望する商店街の期待に応え
るよう抜本的な予算の増額を図る。手続きも簡素化する。
⑧
― 62 ―
⑨
福祉・教育施設の給食材料は、地元の商店で購入する。
⑩
神奈川県商店街活性化条例を徹底する。
⑪ 商店街が行うプレミアム付き商品券の発行は、地域において新たな購買力向上に直接つながることから、事業
費やプレミアム分、宣伝費・印刷代を全て補助する。
⑫ 商店街活性化対策やまちづくり等で商店街への影響が懸念されているなどの時、専門の相談員を配置し、いつ
でもすぐに、相談対応できるようにする。相談回数などを増やし問題が解決するまで対応する。
⑬
商店街支援を進めていくための実態調査を行う。
四、市内中小企業への官公需の発注額を増やす
億4000万円だったものが、2012年、2013年度は、
① 市および出資法人の発注工事、物品購入などは、市内中小企業への優先発注を堅持し、全国の自治体の平均
%を確保する。
② WTO対象を回避する分離発注について
SDRの5年ごとの見直しによって、昨年まで
億4千万円まで引き下げられた。一昨年まで市内業者へ発注されていた案件も、WTO対象工事となり、市内
緩和が行われたが、引き続き、付帯工事等を別途発注するなど分離発注を徹底し、市内業者へ優先発注できるよ
事業者への優先発注が損なわれている。川崎市として、市内業者のみで共同企業体を結成できる入札参加条件の
23
70
19
うにする。
五、入札制度について
1 最低制限価格︵低入札調査基準価格︶設定のさらなる引き上げについて
① 本年六月一日以降﹁一般管理費﹂に係る設定率が国の動向に合わせて、 %に引き上げられました。国は、
﹁一
般管理費﹂の確保が、品質確保につながるという判断から、更なる引き上げについて検討していると仄聞する。
川崎市としても更なる引き上げについて検討する。
る。直接工事費については、現行の﹁ %﹂から﹁100%﹂に引き上げる。
② 3億円以下の工事について、適正な品質確保と、市内建設業者の健全育成の観点から、最低制限率を %に引
き上げる。神奈川県発注工事の最低制限価格算定式では、直接工事費は﹁100%﹂設定となっていると仄聞す
55
積算精度を上げる対策を早急に講じる。
② 積算疑義申し立て手続きにより入札が中止になるケースがあとを絶たない。疑義申し立て手続き制度は、あく
までもやむを得ない措置として実施されたものであり、疑義申し立てをされないような設計積算能力を研鑽し、
場監理のアウトソーシングは止める。
委託業者となり、その都度工期の遅れを生み出している。基本設計、詳細設計についての責任者を明確にし、現
ラブルや設計ミスなど問題点も明らかになっている。また、現場での打ち合わせがいちいち、委託業者↓行政↓
① 設計、積算のアウトソーシングの進行により、
﹁設計内容に設計者自身でなければその意図が正確に伝えること
ができないものについては外部委託している﹂として、工事監理についても外部委託が進んでいる。現場でのト
例を深刻に受け止め、技術職員の育成を抜本的に強化することが必要です。
2
入札ミスの防止対策について
昨年来、設計、積算ミスにより、入札を中止したり、落札業者と再協議に及ぶ事例が後を絶ちません。行革によ
る職員削減と、団塊の世代の大量退職による技術力低下に原因があることが要因の一つと推測されます。相次ぐ事
90
③ 疑義申し立てにより不利益を被る業者を救済するために、
﹁技術者の専任配置を必要とする案件で、同一入札予
定日のものについては、同一技術者で申し込める件数は1件﹂という制限を緩和する。
― 63 ―
95
3 かねてからの要望により一定改善されているが、引き続き年度当初よりの早期発注と年度内の発注の平準化をは
かる。早期発注の支障となっている関係機関との調整については、事務手続き等の迅速化など、関係機関に早期発
注に向けた改善を要望する。
同時に、積算に必要な情報がわかりやすく詳細に記載することが適正な積算に欠かないことから、細かい部分の
指定を明確にするなど仕様書の内容をさらに改善する。
4
総合評価落札方式の入札制度について
引き続き、神奈川県のように最低制限価格を採用するなど、自治体独自に強化している他都市の事例を踏まえ、
採点方法、評価点の配点内容について、優れた技術を有する市内業者を育成する観点から、改善する。その際、欠
かすことのできない市民生活に果たす役割を十分評価できるようにし、企業の信頼性、社会性を入札の条件に的確
に反映させるために、価格と技術評価のバランスを改善する。
失格基準については、調査基準価格と同等の設定率にまで引き上げる。
また、いわゆる除算方式では、不適切な低価格競争を食い止めることができないので、適正な価格での発注の観
点から見直す。
5 市内建設業者を保護・育成する。
①
神奈川県の事例を参考に、優良工事・社会貢献企業発注を川崎市でも実施する。
② 建設業協会員等、大規模災害時に、川崎市からの応援要請により特設作業隊を派遣して災害復旧に大きく貢献
している﹁災害時協定﹂を締結している業者が、景気の低迷と同時に、入札制度の改定に伴う競争の激化により、
減 少 し 続 け て い る。
﹁災害時協定﹂締結業者の減少は、災害時の応急対応に著しく支障をきたすことが懸念され
る。よって、
﹁災害時協定﹂締結業者を育成し、災害時に貢献する業者を支えるために、﹁災害時協定﹂締結事業
者への﹁インセンティブ﹂を付加した案件を発注する。
③ Bランク工事において、各道路公園センターで発注する工事について、下位ランク規模の一般競争入札案件に
ついて、行政区もしくは、南、中、北三分割のような地域制限を加えた案件を試行実施しているが、早期に本格
的に実施する。
6 参加資格要件については、横浜市などのように、
﹁本社または、主たる事業所﹂が市内に有する者に改め、市内業
者優先を徹底する。技術的に困難であるなどから市内業者だけでは入札参加業者が少ないなどの理由から競争性が
― 64 ―
確保できない場合は、市内に事業所がある﹁準市内業者﹂、
﹁市外業者﹂と対象を拡大するとしていますが、落札後、
実際に施工しているのは、市内業者である工事も散見される。市内業者では、技術的困難であると判断する根拠に
ついても明確にして公表する。異議申し立てを受け付ける。
7 低入札でいくつもの工事を落札する事業者について適正な工事の履行が危惧されるところから、他都市でも実施
しているように、低入札調査案件を受託した事業者については、当該工事完了まで低入札での落札件数を制限する。
六、
﹁公契約条例﹂について
実施後、3 年目を迎えました。公共工事に従事する労働者の賃金を引き上げる効果があることが報告される一方
で、実際には賃金引き上げになっていないが、契約を切られてしまうことを恐れ訴えられないという現場の声も報告
されています。3年目を迎え、改めて当初の目的が達成されているのか、検証することが求められています。
① 物価上昇等により工事における作業報酬下限額が引き上げられた。合わせて、委託についても引き上げる方向
で見直していく。
②
作業報酬審議会の審議経過について、公表する。
③ すべての委託事業について、公契約条例の対象事業とする。その際、官製ワーキングプアの問題が社会問題に
なっている。特に委託事業においてその大半を占める労務費について、受注業者のもとで働く労働者が、税金や
社会保険・雇用保険を支払える賃金水準となるような制度設計を行う。特に、生活保護単身世帯を基準としてい
るものについては、少なくとも、複数世帯を対象としている基準に見直す。
④ 制定した﹁公契約制度﹂に基づき、入札工事における建設労働者の適正な賃金の確保と公共工事の透明性確保
について、実施後の実態について検証する。現場訪問した労働組合からは、現場作業員に公契約制度の周知が徹
底されていないということが指摘されている。公契約制度対象工事であることと作業報酬下限額の掲示を義務付
けるだけに止まらず、周知徹底方法について改善し、現場作業員に公契約制度対象工事現場であること、自らの
職種の作業報酬下限額について確実に周知できるよう、重要事項説明書のようなものを発行して、署名を求める
ように義務付ける。
⑤
入札条件の中に、細かく規定を定め、適正な価格での発注を保障する制度を構築する。
― 65 ―
⑥ 予定価格6億円以上という条例適用工事金額の範囲を、可能な限り引き下げ、対象を広げる。
⑦ 給与明細を提出させるなど、実際に現場で作業に当たる末端の労働者が作業報酬下限額以上の賃金水準を守ら
れているのか監視する仕組みを検討する。
⑧
労働者の範囲に、ひとり親方が含められたが、的確に履行されているか実施された工事契約をもとに検証する。
⑨
労働組合が適用労働者に代わり申立てするものについても可能にする。
七、消費者の権利を守り、食の安全を確保するために、地方自治体の体制を強化する。
食の安全、製品事故、不当契約や詐欺など、消費者の安心・安全を脅かす事件が後を絶ちません。こうした事件は、
消費者の命と健康を脅かしています。そのおおもとには、政府の進める﹁規制緩和路線﹂があります。安倍首相は﹁世
― 66 ―
界で一番企業が活躍しやすい国を目指す﹂として、
﹁規制改革会議﹂では、
﹁一般健康食品の機能表示の容認﹂
﹁一般用
医薬品のインターネット販売規制の見直し﹂
﹁医療関係事務における労働者派遣の拡大﹂などが検討されています。ま
た、TPP参加のためにBSE対策輸入規制を緩和し、アメリカの保険会社の営業利益に配慮して、かんぽ生命の新
規商品販売を中止しました。しかも、TPP交渉の妥結までに、日米2国間で保険、投資、知的財産、規格・基準、
政府調達、競争政策、衛生植物検疫などの非関税措置についてもまとめるとしています。これらの協議は、消費者と
行政が作り上げてきた﹁消費者の権利﹂や﹁安全基準﹂などを踏みにじり、安心・安全を脅かすものとなっています。
﹁表示、計
2009年に消費者庁、消費者委員会が創設をされ、地方消費者行政が担う、食や商品の﹁安全の確保﹂
量等の適正化及び不適正な取引行為の禁止﹂
﹁生活必需物資の確保及び価格の安定﹂
﹁苦情の処理及び被害の救済﹂
﹁消
費者啓発及び組織化の推進﹂
﹁消費者支援協定の締結﹂などの施策の重要性は増しています。販売業者などへの立ち入
り検査の実施など、県から権限が移譲され、地方消費者行政の権限が強化される中で、これまでの運動の成果を生か
し、消費者の権利を守る取り組みが大切になっています。
・8%︶
、来
また、消費生活相談は、前年度に比べて6・9%減の7534件。相談方法は、電話が6914件︵
訪489件︵6・5%︶
、文章131件︵1・7%︶。電子メールでの相談件数は221件︵前年度5%減︶ですが、
相談者の職業別にみると %が﹁給与生活者﹂であることから、来所しにくい相談者への相談の場となっていること
91
がわかります。相談の内容は、契約・解約に関する相談が6割以上であり、
﹁架空請求﹂を含む不当請求に関するもの
72
が多くなっています。
﹁買え買え詐欺﹂など、手口を変えた詐欺事件は後を絶ちません。2011年度に﹁消費生活安
全ガイド﹂を市内に全戸配布を行った時に相談件数が増加したことが示すように、トラブルに巻き込まれたときに、
相談機能があることを知っているかどうかが問題の解決にとって重要です。相談機能等についてPRすることが被害
の防止と早期解決にとって大切です。さらに、相談員の正職員化を進めるなど処遇改善が必要です。
食品の安全を脅かすTPP参加は、これまでの消費者行政に逆行するものであり、国に対し、TPP参加を中
食品表示法に基づく原料原産表示の指導と徹底を図る。
①
②
輸入食品、食材の安全性を確保するため、検査体制の強化を国に働きかける。市の検査官を増やし、食品検査
止するよう求める。
③
項目と対象を増やす。食の安全を総括的に担当する部署を再編する。とりわけ、放射線被害から市民を守る為、
検査体制を引き続き強化する。食品等の放射能汚染に安全性を確保するために他の部局と連携し、市内農産物、
検体。川崎港で採取された魚介
相談機能の充実を図るため、弁護士など他分野の専門家の活用を拡充する。
連携して、引き続き行うとともに、高齢者へは出前講座など直接学ぶことができる機会を増やしていく。
― 67 ―
川崎港でとれた魚介類、市内を流通する食品に対する検査と公表を引き続き行うとともに、対象品目を広げる。
︵2012年度実積︱市内農産物は、﹁かわさき農産物ブランド﹂品目をはじめ
⑦
新 し く 出 て く る 相 談 内 容 に 的 確 に 対 応 す る た め に は、 相 談 員 の 正 規 職 員 化 と 研 修 は 不 可 欠 。 研 修 に あ た っ て
は、業務として賃金・交通費が保障されるようにする。
15
うした被害を予防するためにも、小・中・高における消費者教育・被害防止のための情報提供を教育委員会とも
⑨ 各年代を通して、不当請求などの﹁デジタルコンテンツ﹂の相談が多く、全体の
・9%%を占めている。こ
⑧
⑥ 市民により身近な相談となるよう、区役所での出張相談を宮前区・麻生区でも実施する。
⑤ 北部消費者センターの設置など、北部地域の相談体制の強化を図る。
うにする。
行うよう国に求める。国の対策が講じられない間は、市として予算措置を行い、相談業務に支障をきたさないよ
④ 消費者対策事業費の財源である地方消費者行政活性化基金﹂の継続、あるいはそれに代わりうる財源の確保を
行うとともに、サンプリングの品目も増やす。水道水中の放射性物質の検査も引き続き継続する。
類は、8検体。市内を流通する食品は106検体︶また、給食用物資などの食品のサンプリング検査を引き続き
32
⑩
多重債務の解決に向けた相談活動を強める。支援は債務処理だけではなく、相談者の生活再建までを視野に入
れたものとする。税金の滞納者などに多重債務者がいた場合は、徴収業務だけを進めるのではなく、多重債務処
理を合わせて行えるよう、庁内の連携を行う。
⑪ ゴミ問題など環境対策を消費者教育に取り入れ、引き続き、過剰包装、リサイクルなどへの関心を高めるとと
もに、これらの活動に取り組む市民活動への支援を行う。
⑫ 県から権限移譲されたガス製品・家電製品をはじめ、食料品などの表示の適正化を図る為、立ち入り調査を含
め、監視体制を強化するとおもに、市民への情報提供を速やかに行う。
⑬ 災害時の価格安定や生活必需品の供給を確保するため、協定店を増やすなど、事業者との連携を図れるように
する。
88
13
れています。
抜本的な改善、新たな担い手の確保・育成、遊休農地の有効利用など、市内農業の発展のための施策は緊急に求めら
市内の耕作地減少により農業生産量は年々減り続け深刻な事態となっています。特産品の多摩川なし、市内産野菜
などは地域で安くて安心と市民に大変な人気があり生産が需要に追い付かない事態になっています。市内農家経営の
国の在り方まで変えてしまうもので、国に対し強く反対の意思を示すように求めます。
まれています。TPPは例外なくすべての関税撤廃を原則とし食や健康、雇用、地域経済、国民の暮らしまで破壊し、
も完全に自由化になり、金融、保険、公共事業の入札、政府調達、医師・看護師・介護士など労働市場の開放まで含
ることになります。さらに、TPPの影響は、これまで地場産業・中小企業が主に担ってきた繊維や皮革・履物など
40
― 68 ―
八、市内農業を守り発展させる
日TPP交渉に正式参加し、T
安倍内閣は、J Aや日本医師会などの反対する声を押し切って、2013年7月
PP交渉と日米協議は年内合意を目指しています。日本のTPP参加は農産物の輸出大国であるアメリカ、オースト
ラリア含め、関税を撤廃し農作物などの完全自由化を受け入れることとなります。農水省の試算でさえも、その影響
23
は、コメの生産量で %、小麦 %生乳では %減少すると示されています。農業・食品産業などで約350万人の
99
就業機会が失われ、食料自給率はカロリーベースで約 %から約 %に低下し、国内食糧自給の基盤は完全に失われ
90
① 全品目の関税を撤廃させるTPPの参加協議を認めないように国に対し要請する。TPP会合で日本の交渉官
は﹁守秘契約﹂を理由に日本の主張を明らかにしないが、情報開示を国民に開示するよう国に求める。
② 農地の相続税納税猶予制度を改善し、農地の保全を行えるよう国に働きかける。
③ 放射線量濃度測定は﹁川崎農産物ブランド品﹂だけではなく市内農産物を生産している地表・土壌・水と生産
物など、測定を川崎市の責任ですすめる。
④
市内農業を守り、発展させるため価格補償を基本にし、所得保障を組み合わせる。
⑤ 遊休・耕作放棄地など、市が買い上げることや、借り上げができるようにしてなど農地の拡大を図る。
⑥ かわさき農産物ブランド事業を発展させ、品目の拡大をすすめ予算の増額を行う。地元農産物を学校給食に積
極的に採用し生産量増に繋げる。
⑦ 歴史ある多摩川梨を保存するため、申請する全ての梨園に対し、補助金を交付し、防鳥ネット、防薬網、ポー
ル等の補助を行ない、補助率の引き上げをすすめる。耐用年数の過ぎた梨棚への助成も行なう。宅地化が急速に
進んでいるため、新たな防薬網などを導入する必要があり、研究と対策を早急に立て、助成する。
⑧ 農業生産で水を確保する必要に迫られ井戸をつくる場合やポンプ施設設置について条件を緩和し、電気代など
も補助対象とする。災害用井戸として活用できるようにする。併せて水質検査を市の責任で行う。
⑨
農業用機械を購入する時の助成を市として確立する。低騒音型エンジンなどの噴霧機購入時にも助成をする。
⑩ 水田は、保水能力も合わせ持つ重要な役割を果たしていることから、市として、保存対策を強め保存のための
助成金など支援する。
⑪
農業用水路や堰を確保するため、定期的な保全改修を行う。水利組合への支援を強める。
⑫ 農産物の出荷奨励率五%をさらに引き上げる。対象品目を拡大していく。
価格補償品目を拡大してゆく。
⑬
⑭
庭先農産物直売所を積極的に支援する。
⑮
出荷に必要なダンボールや資機材等の助成を強める。又、廃棄物処理に対する助成を行う。
⑯
野菜生産栽培面積に応じた奨励金交付額を引き上げる。
⑰ 農産物は、気候に左右されるので、台風被害や雹被害など気候の変化などで被害が発生した場合の対策を立て
る。
― 69 ―
⑱ 施設園芸農業を奨励するため補助金を引き上げる。施設設置に必要な経費を助成する。
⑲
農業者を育てるため、農業経営に関しての情報、技術について啓蒙を図り、自立のための教育・研修を行う。
⑳ 低利、長期の農業経営資金制度や補助制度を充実する。
農家と住民との交流の機会を拡大し、圃場提供に対する補助金を増やし、予算も大幅に増やす。農家には経
費・日当を補償する。
市民が土とみどりに親しみ収穫の喜びを味わえるよう、市民要望のつよい市民農園の拡充に力を入れる。ふれ
あい農園、学校農園を積極的に増やす。﹁農園利用方式﹂の検討など現存する市民の農園、ふれあい農園の維持保
全に全力をあげる。生産緑地でも市民農園として活用できるように制度改正を、国に要求する。
障害者などが農業にふれあえる福祉農園制度を拡充する。新たな用地を確保する。
鳥獣被害は営農意欲を低下させる。緊急対策を急ぐ
ア
鳥獣被害の実態調査を行う。
イ 捕獲檻設置計画を市独自でも立て、効果的な被害防止対策を立てる。特に被害が拡大しているハクビシンに
対し効果的な対策を急ぐ。
ウ
鳥獣被害に対して、全面的に被害補償を行う
エ
捕獲した鳥獣の処理対策費用を負担し、引き取り先を確保する。
花卉出荷奨励制度を拡充する。出荷資材などへの支援策を実施する。
禅寺丸柿は、歴史的に川崎市民の財産と位置づけ保存・育成のための奨励事業を進める。
農業経営のための融資制度や補助金制度を誰もがわかるようにまとめたパンフレットを作り普及する。
生産緑地の追加指定を積極的に行う。指定要件を緩和する。
病害虫など発生したときの早急な相談体制を確立する。
川崎市による﹁地産地消宣言﹂を宣言し地域において生産と地場消費の結合を進める。
生産緑地指定の標識が老朽化し、3000本と多数に上っているので確認し、予算を増やして更新を急ぐ。
農業災害保険の加入促進をJ Aや県と協力して加入者を増やす。
― 70 ―
六、労働者の雇用と権利を守る施策を
日に発表した2012年の就業構造基本調査によると、パートや派遣など非正規で働く人が204
総務省が7月
2万人となり、初めて2千万人をこえ、前回の 年調査より152万人増え、雇用者全体に占める割合も2・7ポイ
・2%になりました。
07
労働者の3 人に1人、若者や女性では2人に1人が非正規雇用労働者です。労働者の平均賃金は、1997 年の
ピーク時から年間約 万円も減っています。非正規労働者の平均年収は168万円︵2012年国税庁﹁民間給与実
ント高い
12
活はどうなってもかまわないというものであまりに身勝手すぎます。安倍首相は、
﹁企業が世界一活動しやすい国﹂を
代ゼロ﹂
﹁ただ働きと長時間労働自由の国﹂づくりをねらっています。安上がりの労働力を確保さえすれば労働者の生
何時間働いても、取り決めた残業時間しか認めない裁量労働制の拡大や労働時間規制がルーズになりやすいフレッ
クスタイム制の要件緩和、さらには労働時間規制自体を外す﹁ホワイトカラー・エグゼンプション﹂の導入で、
﹁残業
をいっそう拡大することも検討されています。派遣法の抜本改正を求め、正社員が当たり前の雇用にするべきです。
りがねらわれています。派遣労働は﹁臨時的・一時的業務﹂
﹁専門業務﹂に限定するという規制を取り払い、派遣労働
雇できるようにする﹁名ばかり正社員﹂や、﹁金さえ払えば解雇できる﹂仕組みの導入など、﹁首切り自由の国﹂づく
しかし、安倍内閣が﹁成長戦略﹂の名で推進しようとしている内容は、いっそうの労働法制の規制緩和による雇用
の破壊です。職務や勤務地を限定した﹁限定正社員﹂をつくり、その職務の廃止や事業所の閉鎖があればいつでも解
防止と認定基準の緩和など、人間らしく働けるルールを確立することが求められます。
労働者の正社員化と均等待遇、
﹁サービス残業﹂の根絶、長時間・過密労働の是正、最低賃金の引き上げ、労働災害の
長への好循環をつくりだしていくことが求められています。安定した雇用の拡大の面では、解雇の規制、非正規雇用
に、働く人の所得を増やし、消費を活発にし、内需を増やし、企業活動も活性化する、このようにして健全な経済成
企業内に使い道もなく滞留している資金の一部を、その企業の賃上げや非正規社員の正社員化に使う、これを突破口
要因です。賃上げと安定した雇用を実現して、労働者・国民の所得を増やし、暮らしと経済の再建が求められます。
態統計調査﹂
︶です。国民の所得が長期にわたって減り続けていることが、日本経済が﹁デフレ不況﹂に陥った最大の
70
つくるといっています。しかし、こうした労働法制の規制緩和を許せば、日本社会全体が、労働者を﹁使い捨て﹂に
― 71 ―
38
する﹁ブラック企業﹂化し、
﹁働く人が世界一住みにくい国﹂になってしまいます。こうした労働法制の規制緩和を許
すわけにはいきません。
倍︵川崎0・ 、川崎北0・
倍を下
川崎市内の有効求人倍率は、0・
2013年5月時点︶と全国を0・
回っています。川崎市の非正規雇用者は2012年には雇用者の3分1を超える 万1000人。 年前の 年に比
72
39
22
15
97 65
べて 万人増加しました。年間300万円以下の所得階層が全体の %と8%も増えました。市は正規雇用の拡充に
52
月から﹁新規高卒採用拡大ローラー作戦﹂を実
施、幹部職員約 名とともに、毎年1000人を超える求人を開拓して、雇用確保に力を注いでいます。川崎市でも
力をつくすべきです。北九州市では市長が先頭に立って2009年
12 43
年間で市職員数をのべ27
市職員の非正規化が増大しています。阿部市長は4次にわたる﹁行革プラン﹂により
33人削減し、その一方で非正規職員数を1・ 倍増やしています。市が低賃金の不安定雇用を自ら増やすことは、
用を守る立場に立とうとしませんでした。
NECなど大企業が集中する本市において、企業ぐるみで退職強要を繰り返すような違法性の疑いのあるリストラ
の中止を申し入れることを市長に求めてきましたが、市長は﹁企業の高度な経営判断﹂と述べて追認し、労働者の雇
て、正規雇用を増やすために市内企業の雇用創出に力を入れるべきです。
かわさき﹂に頼った事業だけでなく、市の職員体制を強化し、市内企業を訪問して企業の実態をつかみ求人開拓をし
市長先頭に求人開拓をするよう求めてきましたが、全く応える姿勢をみせません。国の補助金や﹁キャリアサポート
90
10
ざるを得ません。
ど市民生活密着分野に多数が占められていることは、
﹁福祉増進﹂という自治体の本来の役割を投げ捨てるものといわ
安定雇用を推進すべき行政の在り方として問題であり、とりわけ職員削減部門が、児童福祉や公衆衛生を保全するな
42
ヵ所× 人︶特別養護
市民の切実な願いにこたえる施策をすすめれば、認可保育園の増設で職員約1000人︵
ホーム増設で約4200人︵ ヵ所× ︶、教員の定数内欠員︵約300人︶、解消と 人以下学級を中学校まで実施
70
30
42
26
にもなり、約
万人の雇用を創出することができます︵国土交通省の資料より︶
人の新たな雇用がうまれます。また、保育所の増設など地域密着型公共事業を拡充することは、建設関連の雇用創出
︵315人を合わせて教員の増員︵約615人︶、消防職員を国基準の必要数まで増員して135人。合計約6000
60
1 雇用の確保と権利をまもるために左記の項目で、国に申し入れる。
ア 労働者を切り捨てる﹁労働者派遣法﹂﹁労働契約法﹂を抜本改正することを国に要請する。
44
― 72 ―
10
イ 全国一律最低賃金、時給千円以上を国に働きかける。
ウ
女性労働者の生活と権利を守り、女子保護規定の復活を国に要求する。
エ 労働者を酷使・選別し、使い捨てにする﹁ブラック企業﹂は、名前を公表し是正させる。
2 市内大企業が雇用や地域経済への社会的責任を果すよう左記項目について市として申し入れを行う。
ア 大企業に、労働者を切り捨てる﹁派遣切り・期間工切り﹂、また、不当なリストラをやめるように申し入れる。
リストラ計画のある大企業は、計画内容を説明するように要請する。
イ 大企業のリストラによる下請け企業地域経済への影響について調査を行う。また地域経済大きな影響を与えリ
ストラや事業者の撤退などの計画に対して市として情報把握する枠組みをつくり是正を強く求める。
ウ
市は、3年以上働いている派遣社員に対して、企業が直接雇用を行うように、申し入れる。
エ 過労死を発生させないゆとりある労働環境の抜本改革の実行をもとめる。労災認定について﹁申請されたらす
みやかに認定する﹂を原則とさせる。
オ 本人と家族の合意のない単身赴任は行わせない。家庭崩壊を招くような長期間赴任はやめ、家族の絆を保った
十分な優遇措置を講じさせるよう国と企業に要求する。
カ
サービス残業、長時間残業をなくし、雇用を確保する。
キ
育児休業制度を有給制で行い、不利益扱いを禁止するよう、国・企業に要求する。
ク 高校・大学等の新卒者、就職難打開のために、新規採用枠を増やす。また、内定取り消しや入職時期の繰り下
げを是正させる。
3
市民のサービスが充分担えるように公務員労働者の雇用について左記の項目について要求する。
ア 市の職員の人員削減はおこなわない。
イ 消防・福祉・教育・技術系等の公務労働者の雇用を増やし、恒常的に業務に従事している非正規公務員は、期
間の定めのない雇用︵長期雇用︶に転換する。
ウ
市が臨時職員など採用する場合﹁は、最低賃金1000円以上にする。
4
失業者・非正規雇用の生活を守り、再就職を援助するために緊急対策を実施する。
ア
住宅ローンの繰り延べができるよう緊急貸付や信用保証などを実施する。
イ
失業して家賃が払えなくなっている人への家賃補助制度をつくる。
― 73 ―
ウ 生活資金の無利子制度を創設する。
エ
税金や社会保険、公共料金などの負担軽減や支払い延期措置を実施する。
オ 現 在 実 施 し て い る 緊 急 雇 用 創 出 事 業 に つ い て、 職 を 失 っ た 人 が 安 定 し た 職 を 確 保 で き る ま で 継 続 で き る よ う
に、交付金の継続と拡充、内容の改善を強く要求するとともに、市の雇用対策事業で雇い入れた人については、
要望を聞き実態を掴んで、正規の仕事につけるよう市の独自の取組を実施する。
カ 単年度雇用の求人開拓ではなく、市内中小企業の実情に詳しい団体等に委託して専任化の求人開拓員を市独自
に正規で雇用する。
キ 市が開拓した求人情報を共有化するとともにハローワークに支援員を配置させ、市とハローワークと連携を強
化して生活就労支援を充実させる。
ク
キャリアサポートかわさきを利用した人が、希望の職種、また正規雇用につながるようにする。
ケ
若者サポートステーション施設の充実と体制の強化をはかるとともに、南部地域にも設置をする。
コ 川崎市立高校定時制で実施する若者サポートステーションと連携して就労にかかわるモデル支援事業をすべて
の市立高校・定時制高校に実施する。
5 生活・労働相談活動を充実させるために左記の項目について要求する。
ア 体制を強化して生活相談と労働相談を一体でできるワンストップサービス︵総合相談窓口︶を区役所など行政
区ごとに設置し、労働者・市民の相談にきめ細かく応じる。
イ 労働相談は、労働者の勤務形態にあわせて休日・夜間にも設け、回数を増やして充実させる。
ウ 相談を受けた最初の相談窓口は、相談内容をしっかりと把握し、関係機関につながるまで最後まで責任をもっ
て対応をする。
エ 民間で行う労働相談活動についても広報するなど周知徹底して支援する。
オ
パートタイマーや派遣労働者の労働契約・労働条件の相談窓口を充実させ、雇用主・受け入れ企業に徹底する。
カ 外国人労働者の就労実態の調査を行う。市内在住の外国人・外国人労働者への言語援助、仕事と生活の相談活
動を進める。
6 身体・知的障がい者、高齢者の雇用率を遵守させ拡大に努める。精神障がい者も雇用の実現をはかる。状況悪化
の実態を公表し、大企業の社会的責任を必ず果させる。中小企業の障がい者・高齢者の雇用を増やすために、助成
― 74 ―
策を講じる。
7 ﹁かわさき労働情報﹂の内容は、情報提供や啓発活用に役立たせるとともに、法制度や新たな事業の創設のおりに
企業に出向いて説明を行い徹底をはかる。実態を把握する中で、内容の充実をはかる。公共の施設に一定部数を置
いて、自由に持参できるようにする。
七、
﹁川崎に住んでよかった﹂と思える良好な環境の形成を。豊かな自然を
残し、安心して住み続けられる川崎を
〝川崎に住む市民が、いまも、これからも、快適に豊かに暮らすことができる〟ことです。
まちづくりの基本は、
いま、まちづくりで緊急に求められているのは震災対策です。必ず起こる震災をきちんと想定し、震災対策が不十
分であることが分かったならば、これまでは許された開発や建築の基準も見直し、必要な予算をあてて、急いで対策
を講ずることが必要です。
さまざまな手立てを講じているにもかかわらず、新たなマンション建設や斜面地での戸建開発などで、住民とのト
ラブルがいっこうに減りません。その最大の原因は、事業者が利益をより上げることを最大の目的として、敷地目
いっぱいに建てようと高さや容積が周辺とまったく違う大きな建物を建てる、自然環境をことさら破壊する、など、
周辺の環境と調和しない計画を強引に立てるため、それまでの住環境の悪化をもたらすことにあります。いまや、ま
ちづくりは﹁暮らしの場を作る﹂のではなく﹁もうけを上げる場を確保する﹂ためにあるような事態です。
武蔵小杉など、これ以上の人口の集中は、インフラ整備が追い付かないだけでなく、いっぽうで高齢化がすすむ過
疎の町を生み出し、行政サービスの不均衡という問題も起こってきます。さらに交通渋滞、風害、日影など環境破壊
も起こります。
﹁コンパクトシティ﹂という考え方のもとで、駅のそばに公共施設を集中させ、効率的な街を作るとい
うのは、新たな人口の集中をうむだけで、広範囲な市民の生活の場の切り捨てにつながります。川崎がどこに住んで
も﹁豊かな暮らしの場﹂となるよう都市マスタープランの抜本的な見直しや、まちづくりに関係する条例等の見直し
2013年度に大きな問題になったのが都市計画審議会における都市計画の変更手続きに、市民意見が反映されな
が必要です。
― 75 ―
いということでした。中原区の﹁小杉町2丁目地区﹂の地区計画の決定に際し、都市計画審議会に市民意見が240
00通を超えて提出されたにもかかわらず、その意見は全く計画に反映されず、都市計画審議会長から﹁住民との合
意形成に問題がある﹂と指摘されるほどでした。事業者の計画を追認するだけの都市計画決定の在り方を根本から見
直す必要があります。
廉価で良質な住宅を保障するのは、公営住宅法第1条に定められている﹁健康で文化的な生活を営むに足りる住宅
を整備﹂するという行政の責任です。
また、安心して住み続けられるまちを作るため、雨水対策や、生活道路の整備が必要です。
自治体は、高齢者、障がい者、子どもたちなどが、安心して外出できるように交通体系を整備しなければなりませ
ん。しかし、2013年度に策定された﹁川崎市総合都市交通計画﹂は、拠点と拠点を結ぶ交通に重点が置かれ、交
通弱者に対する施策があまりにも少ないといえます。高齢者も障害者も気軽に外出できるよう、公共交通機関が網羅
― 76 ―
されるなど、交通弱者を解消する具体的な取り組みを行わなければなりません。
﹁みどりの基本計画﹂で決めた、 %の緑地を必ず実現しなけ
残された貴重な緑地・農地を基本的にすべて保全し、
ればなりません。本市に残った貴重な斜面緑地は、様々な努力がされているものの、開発の圧力にいまだ押されてい
3
地区計画の決定など都市計画決定に際しては、住民意見を最大限取り入れる。
4 総合調整条例に基づき、事業者が住民に開発計画を周知するときにはすでに計画が固まり、そこから住民が意見
を言ってもほとんど計画変更をすることがない。大規模な土地利用転換を行うときは、事前に市と協議を行うとと
2 これ以上の人口集中をさせないために、武蔵小杉地区の再開発計画は、抜本的に見直す。超高層マンションの建
設をやめ、震災時にも安全な中層住宅や公共施設の整備に転換する。
1 都市マスタープランを急いで見なおし、いま以上に、高度利用による人口密集地域を作らない。拠点を集中的に
開発する考え方から、市域全体が均衡ある発展をする考え方に転換する。見直しを急ぐ。
︵一︶よび込み型のまちづくりをやめ、徹底した住民合意で安心安全なまちづくりをすすめる
策を打ち出さなければなりません。
る状況です。農地は、有効な手だてがほとんど打たれないまま、減り続けています。これまでの延長線上でない保全
30
もに、まず住民に知らせ、計画を固める前に、住民が参加してその内容を検討するしくみをつくり、立案、計画の
段階から市民参加と住民合意を徹底する。
5 環 境 ア セ ス メ ン ト は、 単 体 の 建 物 だ け に 行 う の で は な く 、 そ の 建 物 が で き る こ と に よ っ て そ の 町 が ど う な る の
か、以前にできた建物と合わせると複合的に環境がどうなるかという、広い地域の環境を総合的にアセスメントす
る手法を取り入れる。
6
都市マスタープランに、地域防災計画、各種ハザードマップをリンクさせ、安全性を徹底して見直す。
7 地区計画は、用途地域の規制よりも規制を強化するために考え出された方法であり、国会でも市議会でも、住民
の意見を反映できる手法として喧伝されてきた。これを使ってよりいっそう高度利用を促進するためにつくられた
のではない。用途地域の規制よりも緩和するための地区計画は行わない。
になっている。日影規制の強化を急ぐ。
行政が必要と認めた公共施設の提供を義務付ける対象面積が3ヘクタールというのは大きすぎる。もっと対象面
積を狭める。
平坦地であっても、空掘りを設けて地下のみに居室を作るやり方が問題になっている。これは住環境としてまっ
たくふさわしくない。世田谷区のように、地下に居室を設けるときは所有も使用も単独では認めず1階部分と共有
― 77 ―
8 巨大マンション建設を容易にする手法として、別々の建物を廊下でつなぎ﹁1棟﹂だとするやり方が横行してい
る。国や県などで対策を検討しているとのことだが、1棟ずつなら規制される日かげや通路の確保などが規制を受
けないあり方は当然ただされるべきであり、本市としていそぎ規制を検討する。
9 総合調整条例の事業計画の住民説明は﹁住民説明会﹂を義務付ける。多くの場合、住民が求めれば事業者も説明
会をおこなっており、義務付けることに問題はない。また﹁説明会﹂を行うまでは﹁住民説明報告書﹂の提出はで
きないものとする。
紛争調整条例で住民が納得した斡旋や調停が行われないという意見がとても多い。とりわけ調停では、調停委員
が事業者に計画変更を求められるような仕組みにしなければ、わざわざ調停委員を置く意味がない。狛江市のまち
現在の日影規制は、生活の実態にまったくあっておらず、二つのマンションによって近隣に全く日があたらなく
なる、あるところでは公園に半日しか日があたらない、戸建て住宅の造成には規制がないなど、紛争の大きな要因
づくり条例における調整委員会のような仕組みをつくる。
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する規定を設ける。
︵二︶安心して住み続けられる住宅の確保は福祉の基本。公営住宅の充実を
1 市営住宅について
① 市営住宅の申し込みは依然として 倍を超え、場所によっては100倍を超える。入居資格基準を厳しくして
も5000人がはいる資格を持っているのに抽選から落ちている。市民に廉価で良質な住宅を提供するのは自治
体の責務であり、この事態はその責務を果たしていない。住宅の戸数を抜本的に増やす。
② 地震の可能性は高まっており、建て替え対象になっている住宅の計画を前倒しで実施する。
③ たいへん要望のつよい高齢者、障害者の一階への移転を進める。その場合、
﹁現在と同等の住宅﹂という要件を
居住者の実態に合わせて見直す。
④
建物、室内のバリアフリー化を促進する。
⑤ 退去や住み替えの際に発生する﹁現状復帰﹂費用負担が、特に高齢者には大きな負担になっている。収入に応
じて、あらたな減免制度を創設する。
⑥ 市営住宅の管理を代行している住宅供給公社の窓口は市内に2ヵ所しかなく、各種の届出などにたいへん不便
であり、これまでのように区役所の窓口で気軽に相談することもできなくなった。すべての区役所に窓口を復活
させる。効率を追求するあまり住民サービスが低下している代行をやめ、市が直接管理運営を行う。
2 シルバーハウジングに配置されているLSA︵生活援助員︶は、緊急時に対応できる資格を持った人を配置する。
人件費は市が負担する。
︵三︶市街地の水害を解消し、河川改修を促進する
1 現在、 ミリ対応の雨水整備を進めているが、進捗率は、未だ6割に満たない。近年のゲリラ豪雨による浸水被
害に対応するため、さらに下水道整備を促進し、市街地の水害を軽減する。特に、枝管を整備し、樋管の維持管理、
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20
浚渫を急ぐ。浸水被害の相次ぐ地域に対し、雨水流出抑制対策など新たな浸水対策を検討する。新たに申請される
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戸建て住宅地等の宅地開発計画においても、既存住宅地に浸水被害等の被害をもたらさないように、流出係数の見
直し等、雨水流出抑制対策を強化すると同時に、事業規模に応じた雨水貯留槽や貯水池等の設置を義務付ける。
2 各河川の保水・貯留機能を高めるため、既設公園、学校、公共施設などに貯留機能施設をつくることについて早
期に具体化する。開発行為に伴う提供公園の地下部分への雨水流出抑制施設の設置が可能となったとのことから、
浸水被害の多い地域から、提供公園地下部分へ設置を進める。
3
多摩川、鶴見川の改修計画の促進を国、県へ引き続き働きかける。
︵四︶道路建設費、維持補修費を生活道路優先にする
の整備を行う計画をつくる。各地で勉強会を始めたり、実際に試行運行、運行実験などに取り組んでいるところが
あるが、共通する最大の障害は、運営費の赤字の手当てがないことである。運営費補助を創設する。
2
地下鉄事業は、市民の声をよく聞き、市の財政状況を十分に見極めながら検討していく。
3
J R南武線﹁武蔵小杉︱尻手﹂間の連続立体交差事業を推進する。
― 79 ―
1 生活道路の維持補修費をさらに抜本的に増額し、市民からの陳情にすぐ対応できるようにする。工事発注を年間
で平準化し、年度の後半に工事が集中しないようにする。
2
私道舗装助成の市民負担をなくす。
3 水道管、下水管の入れ替えは1度補助されると2度目はすべて自費となる。 年、 年前に補助してもらってい
ても、更新が必要となる時期には、居住者の高齢化により費用を負担するのは難しい。一定の年数の経ったものは
2度目であっても補助する。
4
実現が不可能になっている都市計画道路は、計画変更を行って中止する。
︵五︶交通体系を住民本位に整備する
30
1 コミュニティ交通の実現なしに、市内すみずみの交通不便地域の解消はありえない。丘陵地などにくまなくコ
ミュニティ交通が入り、主要な幹線道路の市バスや駅に接続するなどのあり方を工夫し、市全体で総合的な交通網
20
4 リニア中央新幹線は、その安全性に疑問があり、不要不急の大規模事業であり、なおかつ川崎市の自然破壊にな
るという懸念もあることから建設中止を国とJ R東海に求める。
5 市バス事業について
① 路線の民間譲渡、営業所の民間委託など、経費の削減ばかりが先行し、市民の移動の権利と安全を保障する公
共交通機関としての役割を果たしているのかが問われている。営業所を直営にし、人員を増やして、市が直接責
任を持って市バス事業を運営する。
② 委託先の民間会社も、市の職員も、運転手の賃金や運転に従事する時間などの労働条件を改善し、ゆとりを
持って運転にあたることができるようにする。
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③ 不採算路線であっても市民が利用している路線は廃止・縮小しない。運転手、車両を増やして、新しい路線を
要望する市民の声にこたえる。
④ 市内のバス専用レーンなどを拡充し、定時運行を確保する。バス停上屋の設置は、各種条件があるとしても、
年間 ヵ所程度というのは少なすぎる。予算の増額で箇所数を増やす。ベンチの設置数を増やすとともに、補修
1 斜面緑地と丘陵部の保全をよりいっそうおこなう
︵六︶川崎に残る豊かな緑を守り、公園の整備を
9
第三京浜野川インターチェンジ建設計画の白紙撤回を国に求める。
理運営費のみに戻す。
8 駐輪場の料金体系は、施設整備費も含んで計算することにしたことから、基本的に値上げになっている。駐輪施
設は都市施設であり市が設置するべきものであり、利用者に負担させるべきではない。利用者負担はこれまでの管
6
広い道路に自転車専用路を設置する。
7 自転車等駐車場の増設を急ぐ。機械式はたいへん有効であり、利用率の悪い多層式駐輪場を改修するなど、導入
数を増やす。すべての駐輪場で障害者割引を行う。
⑤
市バスにも小型バスを導入し、生活道路にも路線を作る。
を定期的に行う。上屋のない停留所には、夜間の安全対策のため、照明をつける。
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① ﹁保全配慮地区における緑地保全制度の運用基準﹂が改定され、市民からは歓迎されている。しかし、いまだ貴
重な緑地がランク分けされ、とくにBランクは、多摩川崖線軸などでなければ保全の対象にならないことから、
内陸部の緑地はあいかわらず破壊されている。緑の基本計画の目標をやり上げるには、市内に残されているほと
んどの樹林地を残さなければならないくらい、すでに破壊が進んでおり、現在A、Bと指定されている樹林地は、
基本的にすべて残すよう、さらに基準を見直す。
② ﹁緑の条例﹂では、一定規模以上の建築や開発を行う事業者に対して、﹁自然的環境の保全への配慮﹂書を提出
することになっているが、実質的にはAランクの緑の保全に限られ、Aランクであっても開発されてしまうこと
から、この制度の有効性が問われている。﹁緑の基本計画﹂では、この制度の見直しを行うとしているが、どんな
事業者もかならず樹林地を保全しなければならない制度にする。
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③ 現存する斜面緑地をすべて保全するためには、所有者が手放すときにタイミングよく買い上げることが必要で
あり、所有者の把握を行い、日常的な連絡を取るようにする。そのための人員配置、予算措置を確保する。
④ 点在する遊歩道が少しずつつながっている。ひきつづき、多摩丘陵を縦断する﹁多摩丘陵自然遊歩道﹂として
区を超えて一連につなげる。
⑤ 特別緑地保全地区の維持管理活動を行ったり、街路樹の手入れなどを行っている愛護会など﹁緑の活動団体﹂
に対する補助金は、年間数万円であり、団体が増えると減らされる。これらの団体がなければ、本市の緑地の維
持活動は不可能であり、市民の活動意欲もたいへん高いことから、希望に応えられるだけの予算措置を行い、充
分な活動を保障する。
⑥ 緑地保全協定による奨励金は、これまでの基準額である固定資産税と都市計画税の1・5倍に戻す。さらに保
存樹林・生垣などの奨励金の増額を行う。
2 公園整備について
① ﹁緑の基本計画﹂では、これまでの基準をかえ、
﹁子どもやお年寄りでも歩いて行ける範囲に確保する﹂と定め、
小学校区を構成する町丁目の3分の2に整備するとされ、未整備地区は ヵ所あることが明らかになった。整備
②
既存の公園・生活道路、街路樹などの手入れが十分に行き届いておらず、道路公園センターへの苦情の大きな
備する。横浜市のログハウスのような雨天でも子どもたちが遊べる公園を作る。
完了の目標年度を明らかにし、候補地の情報については市民の協力を呼びかけて、市全体の取り組みで公園を整
34
要因となっている。予算を抜本的に増やすこと。どこの公園も安心して子供が遊べる公園にする。
3 多摩川をすべての市民のいこいの場にするため、簡易型水洗トイレの設置を促進するとともに、可能なところに
は水洗トイレを優先して設置する。サイクリングロードを市内すべてつなげる。多摩区布田橋付近は、二カ領用水
取水口に迂回路を整備すれば橋をかけなくてもつなげられる。そうした工夫を行う。
4 東京湾に残された貴重な多摩川河口の干潟の保全に全力をあげる。地元に限らず、全市的にも小中学校の自然観
察会などを行って、川崎の子どもたちに多摩川の豊かな自然を継承する。
5 多摩川に生息する外来種を排除し、本来の多摩川の生態系を守るよう関係機関に働きかける。
八、震災・防災対策を抜本的に強める
東日本大震災の発生から来年で丸3年を迎えます。過去、M9級の巨大地震において、数年以内にM7級の余震が
発生しています。また、日本列島が地震の活性期に突入したということが、専門家の共通の認識になっています。
よって、毎日が非常時という認識を持ってあらゆる防災対策を見直し、迅速な対策を実施することが強く求められ
ています。住民の人命と財産を守る責務を有する川崎市として、地震による災害を大幅に食い止める予防対策と同時
に、災害発生後も命と健康、暮らしを守るためにあらゆる備えと対策を講じる責任があります。
差し迫った危機に対応するためには、地震対策効果が高い住宅の耐震改修など規模とテンポを引き上げることが第
一の優先課題です。耐震性なしと判断された旧耐震基準の木造住宅・共同住宅等8万3千戸︵2008年住宅土地統
計調査の結果より︶について、早急に耐震化していくことが必要です。合わせて、住民の多種多様な生活条件を踏ま
えて、災害発生後の生活維持を前提とする備蓄やシステムの準備が欠かせません。
障がい者、要介護高齢者への制度の不備、現行の要援護者対策の大きな問題等が、東日本大震災において改めて浮
き彫りとなりました。東日本大震災では、障がい者の死亡率が障害のない者の死亡率の2倍に及ぶと報告されていま
す。津波で被災しながら、他の避難者の迷惑になると避難所に避難せず、一階が被害を受けた自宅で、寒さと物資の
不足に耐えながら、暮らしていた障がい者を持つ家族の話を伺いました。日本弁護士会が昨年4月に出した﹁災害時
における高齢者・障害者の支援に対する報告書﹂の中でも、問題点を指摘しています。
― 82 ―
災害救助法等、戦後の災害応急救助に重点が置かれていたものが、生活様式の多様化、ライフラインの複雑化、障
害者、高齢者に対する医療技術の向上や福祉・介護制度の複雑多様化の中で、災害対策関係法令が現状に合わないな
ど法制度の抜本的改善を求められています。同時に、自治体独自に法の不備を補うことが極めて重要になっています。
年間にわたる﹁行革﹂による職員削減によって、十分に災害対策を担えない現状
川崎市においては、阿部市政の
が生まれています。そうした事態に対策をとるどころか、
﹁自助、共助、公助﹂という考え方を持ち込み、市民の基本
的責務を新たに加え、自助・共助を中心とする対策に大きく変質させられています。
しかし、本市が頼りとする自治会、町内会は、自治体からの負担の増大により、役員のなり手が激減、自治会を維
持させることが困難となる事態を招いています。また、手上げ方式による災害時要援護者対策も登録者が伸び悩み、
災害時には大きな多くの高齢者、障害者が安否の確認すらできず、放置される危険が明らかとなっています。
災害対策基本法では、国民の安全を確保する災害対策の実施は、基本的に政府、自治体の義務になっており、市民
に責務を負わせるというのは、自治体の責務の大幅な後退です。
国民の生命と財産を守るのは、まさに国及び地方自治体の第一の使命です。自助、共助を強調して、自治体の責務
を放棄することは許されません。そのことは、災害発生後の自治体運営を困難にすることにもつながります。自治体
の責務を明確にし自治体職員が先頭に立ち、地域防災力の向上を住民と共に実現することを強く求めます。
川崎臨海部石油コンビナート地帯の防災対策については、それぞれの事業所ごとに石油タンクなどの耐震化の期限
前倒し実施や、プラント設備の維持管理の徹底など法令遵守はもちろんのこと、液状化による側方流動による堤防の
流出被害を防止し、臨海部石油コンビナートの被害を食い止めるために、液状化対策の強化が求められています。
﹁港湾施設の適切な維持管理の推進﹂が盛り込まれ、港湾管理者が民有港湾施設の維持管
港湾法の一部改正により、
理状況、耐震性に関する立ち入り検査を実施し、必要に応じ勧告命令を行えるようになりました。
川崎臨海部石油コンビナート等地区には、石油では、京浜臨海部の %、神奈川県内の %を占める約790万キ
ロリットルを貯蔵し、高圧ガスでは京浜臨海部の %、神奈川県内の % を占める 億9600 万N 立方メートル
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11
55
国の法改正を踏まえ、川崎臨海部の立ち入り調査を実施し、実効ある耐震化を早期に実施することが求められます。
福島第一原発事故は、今なお収束しておらず、高濃度汚染水による海洋汚染は、深刻な事態をもたらしています。
けるスロッシング漏えいなどが発生しました。
︵ノルマル立方メートル︶と国内でも有数のコンビナートです。東日本大震災でも液状化や十六基の石油タンクにお
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12
放射能の影響は、震災後3年目を迎えている今も、時間と空間を超えて、甚大な被害を広げ続けています。
万人もの人たちが故郷を追われ、未だに帰れるめどが立ちません。生活のため、子どもの将来のため、
福島では、
福島の地を去っていかざるを得ない人たちが増え続けています。そうした耐えがたき苦しみを受けている被災者をは
じめ、国民の原発からの撤退を求める声を無視して大飯原発を再稼働させ、更に、大飯以外の原発も順次再稼働をさ
せ、その上、原発を輸出しようとすることは多くの犠牲者を冒涜するものであり、許しがたい暴挙といわざるを得ま
せん。即刻、再稼働を中止し、原発政策からの即時撤退を強く求めます。
わが党は、原子力技術は未確立のものとして、一度事故を起こせば防ぎようのない放射能汚染が時間と空間を超え
て人類を脅かし続けることから、安全神話にもとづく原発推進政策を止めさせるため、半世紀にわたって住民と力を
合わせて奮闘してきました。今こそ、原発から撤退し、再生可能な自然エネルギーへの転換を強く求めるものです。
また、神奈川県内でも、原子炉2基を積む原子力空母﹁ジョージ・ワシントン﹂が横須賀を母港にしています。大
地震が東京湾を直撃すれば、空母の原子炉が津波による引き波で冷却できなくなり、陸上からの電力・水などの供給
もストップし、艦内の安全装置も作動しなくなり、深刻な原子力事故が引き起こされる危険があります。横須賀の原
子力空母の母港化を撤回し、東京湾の非核化に川崎市がイニシアチブを発揮することを求めます。
1 甚大な大規模災害においても、人命を守り、最小の被害に抑えるために
① 防災対策の中心を住宅の耐震化など事前予防対策に置き、数値目標を明確にし、短期、中期、長期計画に分け、
防災予算の大幅な増額を行い、着実に対策を講じ、もって、直面する地震災害に万全を期す。
② 川崎市域の地域防災計画及び、地震防災戦略において、石油コンビナート地域を含むものに抜本的見直しを行
う。その際、津波災害、液状化災害、長周期地震動災害、滑動崩落等新たな課題についても、明確に位置づける。
③ 災害弱者といわれる障がい者、高齢者等への防災情報の提供、避難誘導、避難生活支援など、東日本大震災で
明らかとなった対策について、関係団体の協力も得て早急に検討し、地域防災計画への反映など、震災対策の具
体化を図る。その際、介護保険、障害者施策の改変によって、災害救助法等に反映されていないものや、費用負
担が位置づけられていないものについては、川崎市の裁量において独自に補完することを検討する。
2 耐震改修計画を改善し、住宅の耐震化、公共施設、公的施設等の耐震化対策を急ぐ。
① 木造住宅の耐震改修助成制度について、拡充しましたが、求められる対策の規模からは程遠い現状です。さら
にテンポを上げるための予算と人的配置を拡充する。来年度以降も、現行の助成内容で実施する。
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15
耐震改修助成制度において、横浜市のように、工事完了後に補助申請ができるように、制度を改善する。
② 実施された旧耐震木造アパート耐震改修工事費助成制度について、不動産業界への説明等、対象物件のオー
ナーへの周知徹底などを急ぐ。
③ 渋谷区などでは、命を守る観点から簡易補強工事費助成を行っている。また、県内でも、
﹁一部屋耐震﹂という
手法を採用し設置費用の補助制度を設けている︵横浜市、茅ヶ崎市、厚木市、海老名市、大磯町など︶。川崎市で
も、住宅リフォーム助成制度を創設し、
﹁一部屋耐震﹂への助成を行い、耐震化率の向上と同時に、部分改修も助
成する。また、横浜市などで行っている耐震シェルター、耐震ベッドも助成対象として加える。
④ 家具の転倒防止対策について、一人暮らし高齢者などに限定せず、高齢者世帯や子育て世帯等さらに対象を広
げる。特に、災害時要援護者については対象とし、専門家による家具の配置や固定方法等助言と助成を行う。
調査を行っています。東日本大震災では、仙台市において、大規模盛土造成地の活動崩落の深刻な被害が明らか
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⑤ 旧耐震の建物を建て替えた時にも、解体費の一部など助成制度を創設する。
⑥ 公共施設の耐震化対策の強化
障がい者施設、病院、特養ホームなど福祉施設の耐震化を促進する。民間の施設の耐震化にあたっては、20
12年7月から、規模が1000㎡以下の小規模福祉施設についても耐震診断、耐震補強を実施している。制度
の周知徹底を図ると同時に、賃貸物件を利用している小規模グループホームなどでも活用できる制度を創設する。
⑦ 団地・マンションの耐震診断・改修について、耐震化実施率を高めるよう、更なる助成を検討する。
⑧
年度から耐震診断士派遣事業について、耐震診断を実施している自治会、町内会の会館について、公共性に
鑑み、耐震補強工事費は全額助成する。
現在、2007年からの5年計画で、大規模盛り土造成地の分布調査で、2487ヵ所が抽出され、そのうち
これまでに ヵ所のパイロット的調査が行われ、川崎市としての技術基準を設定し、今年度は、本格的に1箇所
⑩ 滑動崩落防止対策工事の自己負担分をなくす。
国に要望する。
荷軽減にとどまっている。構造的な見直しを含め、超高層マンション等における長周期地震動対策の早期実施を
⑨ 長周期地震動対策について、建築基準法の強化が国で検討されていたが、具体化までのスケジュールがさらに
伸びている。総合設計制度における許可基準の改正では、防災倉庫の設置と防災対応トイレの設置義務、環境負
09
になっていることからも、調査及び対策のテンポを抜本的に早めて、早期に安全を確保する。
大規模盛土滑動崩落防止事業が必要とされた地域に対し、宅地開発時は、法的に認められながら、新たな基準
によって対策工事が必要とされることから、国への働きかけを含め、助成率を100%にするなど対策を講じる。
3 応急避難施設、防災備蓄等、応急対策の強化について
① 市立小中学校・高校等を震災時の避難所に指定している川崎市は、2013年4月現在、人口144万人に対
して指定避難所数は全市合計で175 ヵ所しかない。﹁市の被害想定﹂では川崎市直下自身における避難所への
万人余と想定。最低限度の収容基準﹁3・3㎡当たり
16
・5 万㎡しかなく、﹁市の被害想
日後︶から約 万㎡︵発災1∼3日後︶の避難収容スペース
避難者数は発災1∼3日後が最大で 万人余、 日後で
・8万㎡︵発災
60
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確保して﹁防災公園﹂として整備する。
27
﹁市の被害想定﹂による避難者数︵1∼3日後で 万人余、 日後で
13
万2千人余︶とも整合性がない、備蓄量を
16
④ 津波避難施設及び、帰宅困難者対策施設として指定されたところにはすべて、毛布や食料など災害時の緊急物
資を用意する。
を絞り込むやり方はただちに改める。
少なく見積もる算定となっている。他都市でも採用していない﹁公的備蓄物資交付対象者﹂などという、備蓄量
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﹁川崎市備蓄計画﹂は市の備蓄数量を算定するために﹁自らの身の安全は自ら守るのが防災の基本﹂とし、﹁公
的備蓄物資交付対象者﹂という概念を持ち出して、対象者を市内合計 万777 8 人と算定している。これは
③ 防災備蓄の算定方法について
その際、すべての避難所にアレルギー疾患及び、人工透析患者用非常食を備蓄品として用意する。関係局と協
議を行うとしていた﹁個々の状況に合わせたストマ用具の備蓄﹂を新年度実施する。
② 小中学校など市内175ヵ所の避難所に対し、分散備蓄として独立型防災倉庫設置を含め防災備蓄が
に整備する計画となっていますが、前倒しして2014年度中に整備を完了する。
年度迄
らの応援拠点となるべき場所が減少し、防災応援に支障をきたす事態となっている。国・県有地・工場跡地等を
所・避難施設、防災拠点の抜本的拡充に全力をあげる。県立高校の統廃合、県有地の売却によって、他都県市か
定﹂に照らしても現状より2倍から4倍規模の避難収容スペースが必要になっている。早急に、学校以外の避難
が必要になるが、避難所となる川崎市立の小中高校の体育館面積は現在合計
2人﹂で試算すると全市域で、
28
28
36
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15
26
⑤ 小中学校施設・体育館の防災・避難所機能を整備する。体育館出入口のスロープ化、ケーブルテレビ・電話・
LANの端末、トイレの洋式化、受水槽の活用などを進める。避難所の屋上に蓄電機能を備えた太陽光発電施設
を設置する。
⑥ 学校施設の調理室・給食室や家庭科室などにある調理器具を活用して炊き出し等ができるように、設置可能な
学校からプロパンガスに切り替えていく。
⑦ すべての避難所に簡易トイレを配置することについて
基のマンホールトイレが整備された。引き続き簡
2010年度には、広域避難所である大師公園内に初めて
易トイレの全避難所への設置を急ぐと同時に、マンホールトイレの設置個所を増やす。中学校に設置予定のマン
ホールトイレが、既存施設との整合の検討に時間を要し、設置が遅れている。新たな配管を設置するなど、既存
の施設との接続にこだわらず、独自の予算をつけて整備を行う。広域避難場所において、便槽付きトイレも設置
する。
4 消防力の抜本的拡充を急ぐ。
① 東日本大震災後、福島第一原発への緊急消防援助隊派遣など、災害救援活動での消防職員の働きには、心から
の敬意を表する。現在、国基準よりも135 名少ない中で活動している。今後予測される大規模災害への備え
と、市民の生命と財産を守るためにも、国基準を下回っている職員数について、一刻も早く充足させる。
地域ある。耐震性防火水槽の整備計画を見直し、いっき
② 消防局が認定している﹁消火活動困難地域﹂に耐震性貯水槽の整備に引き続き取り組む。その際、飲み水にも
供用できる循環式貯溜水槽の設置も併せて進める。
③
耐震性防火水槽
震災時の消火活動に使う消防水利の空白・未充足が
に空白を埋めるよう促進する。
6
障害者等安心して避難できる福祉避難所の整備を
災害対策基本法、災害救助法等の規定では、特に、障害者に配慮したものではない。また、介護保険法や障害者
自立支援法︵障害者総合福祉法︶その他の福祉関連法令においても大規模災害時の対応について充分な規定は設け
― 87 ―
10
5 市民のライフラインを確保するため、水道事業におけるバックアップ機能の強化し、即応性の高い地下水を確保
するため、生田の地下水源を確保する。
60
られていないという指摘があります。そういう中で、災害時の民間事業者の協力については、
﹁災害救助法による救
助の程度、方法及び期間並びに実費弁償の基準﹂に福祉サービス提供に関する費用が含まれていないことによっ
て、1次、2次と段階的対応になってしまうことや、民間福祉施設を福祉避難所として位置づける上での大きな障
害になっています。
本来、国が位置づけるべきものであり、国に対して要望すると同時に、川崎市独自でも、実費弁償基準を定め、
民間福祉施設を災害時の福祉避難所として利用できるように対応する。
7 原発から撤退し、再生可能なエネルギーへ転換し、直面する原子力災害から市民の安全を守る
① 一たび事故が発生すれば、長期間、広範囲に被害を与え、将来を担うこどもたちを蝕むことになる危険がある
原発からすみやかに撤退し、同時並行で再生可能エネルギーの普及をすすめることを国に対して要求する。
② 徹底した放射能汚染の調査及び除染を行えるよう、地方自治体に対して専門家の派遣、相談体制の強化、財政
的支援など、十分な支援体制を国に求める。
③
東芝原子力研究センター実験炉について、必要に応じて実施されたように立ち入り調査を行なう。
④ 原子力空母における過酷事故を想定し、EPZとしての緊急避難計画の策定、市立病院等へのヨウ素剤等の備
蓄を行い、万が一の自体に備え、市民の命と安全に万全を期す。
8
あらゆる石油コンビナート災害から労働者と住民の命を守る、四つの緊急対策を
Ⅰ、被害予測︵地震津波被害予測を抜本的に見直し、労働者・住民が参加した安全総点検運動をすすめる︶
長周期地震動による被害想定でも﹁最大規模では、防油堤内の広い範囲で流出火災となる﹂としています。県は、
災害想定の見直しを﹁消防庁から新たなアセスメント手法が示された際に実施﹂するとしていますが、被害想定を
抜本的に見直さないかぎり十分な対策は立てられません。被害予測の抜本的な見直しを早急に実施するよう求めま
す。
① 被害想定においては、科学的知見と過去の大地震・津波を踏まえ、最大規模での地震を前提とした地震動・津
波の各被害を前提に、液状化も含め想定する。
② 危険物、高圧ガス、LNG、毒物・劇物、放射性物質等の所在等を明らかにした石油コンビナート・ハザード
マップを作成し、情報を分かりやすく公開する。
― 88 ―
③ コンビナート地区の労働者と地域住民が参加した﹁安全総点検会議﹂を設置し、立入権限を与えて危険施設や
避難経路などの具体的状況を総点検し、改善策を徹底して推進する。
Ⅱ、予防対策︵護岸や構造物︿危険物タンク・防油堤等﹀での耐震化・耐津波化を万全にする︶
巨大地震と津波の発生時には、護岸と構造物が破壊されることで危険物等が流出し、火災や爆発・有毒ガスの漏
えいなど、コンビナート地区内外に大災害がもたらされる危険性があります。
︵1︶ 護岸対策について
① 港湾法の一部改正により、
﹁港湾施設の適切な維持管理の推進﹂が盛り込まれ、港湾管理者が民有港湾施設の
維持管理状況、耐震性に関する立ち入り検査を実施し、必要に応じ勧告命令を行えるようになりました。直ち
に、同法の規定に基づき、民間港湾施設の一斉点検を行い、耐震基準の満たない埠頭の耐震化を早期に指導監
督する。コンビナート地区の全ての護岸を耐震化する。
② 津波の高さと衝撃に耐え危険物の流出を防げるよう、堤防を強化するとともに、防油堤では鉄筋コンクリー
トと盛土とを併用した構造とするなど、耐震性補強と津波対策を推進する。
︵2︶
危険物タンクや防油堤等における期限を前倒しして、耐震化等を早急に実施し、耐津波対策についても早急
に具体化する。
①
5百キロリットル以上のタンクについて、2017年までの耐震化の期限を早めるように国に要望する。
② 開放点検義務のない小型タンクも含めた全てのタンクの開放点検や耐震化、浮き屋根式屋外タンクを新法基
準につくりかえる耐震化を、各事業所で2014年度の早い時期までに緊急実施させるように、国等関係機関
と協議し具体化する。
③ 省令改正を行い、浮き屋根式屋外タンクに屋根を設置するインナーフロート化を早急に実施させるよう、国
に対して申し入れる。同時にタンク爆発防止のため、屋根と浮き屋根板の間にチッ素等の不活性ガスを封入す
るように、関係機関とともに、対策を強化する。
④ 石油タンク防油堤内全てのタンクが破壊されても海に流れ出さないよう、防油堤の容量基準を見直すように
国に要望する。同時に、区画をより細分化させる。当面、防油堤内で保持可能な容量をタンクに入れる液体の
限界とさせるように、基準を見直すように国に要望する。
― 89 ―
⑤ 津波が危険物漏えいと大規模火災を引き起こす危険性をふまえて、津波想定、避難対策、タンク・施設の耐
津波基準の設定と実施等、抜本的な津波対策の具体化を国に要望する。
⑥ 工場設備の緊急制御に必要な中央制御室や構内配電設備、非常用発電機などが津波浸水の影響を受けないか
総点検し、必要に応じて設置場所を移動させ、防水扉などを設置させるよう、必要な法整備を国に要望する。
︵3 ︶ 危険物タンク・施設の安全性を確保するため、規制が緩和されてきた保安点検のあり方を見直す。
① 規制緩和によって施設・タンク等の保安点検が自主的な届出となっている方式をあらため、行政による定期
的な立入り検査を義務づけるように、国に対して要望する。
② 石油コンビナート等災害防止法の法改正を行うよう要望すると同時に、現行条例の規定を活用して、事業者
に液状化被害の報告を義務づける。
③ 液化天然ガス︵LNG︶に対する規制を石油コンビナート等災害防止法にも位置づけさせ、LNGへの規制
を抜本的に強化するよう、国に要望する。
Ⅲ、応急対策︵労働者と住民の命と安全を守る消防体制と避難対策を︶
︵1︶
コンビナート地区労働者と近隣住民の安全確保のため、コンビナート防災の専門性を備えた公設消防力を強
化するとともに、公設消防と自衛消防・共同防災組織とが効果的に連動できるようにする。
① コンビナート防災に対して公設消防が必要な役割を担えるよう、消防車輌・消防艇・他消防資機材および人
員を増強する。石油コンビナート地区内各島について一定の配備エリアを検討の上、各区域に対応した公設消
防の増強をすすめる。
︵2︶ あらゆる石油コンビナート災害に対応した石油コンビナート地区労働者と近隣住民との避難場所・避難経路
の確保、ならびに的確な避難指示の伝達も含めて、避難計画を確立する。
川崎臨海地区には五つの島があり、それぞれが内陸部とは橋1本だけでつながっている。この橋が破壊された
り、運河が火の海となった場合、陸の孤島となって労働者が逃げ場を失うことが心配される。
安全性の高い避難路の確保と避難対策の確立は、緊急の課題である。よって、次の事について、国と協議を行
い、具体化を図る。
①
コンビナート地区労働者の避難については、災害の様々な状況に対応した避難経路・避難場所へ誘導できる
― 90 ―
避難計画と誘導体制を確立する。
首都高速湾岸線をはじめ、橋・トンネル・海路等、各島からのあらゆる避難路の安全性確保や整備を実施する。
緊急時に他事業所敷地内を横断できる措置をとるとともに、労働者の避難と海上脱出のために、各人工島の護
岸に道路を敷設する。
② 近隣住民の避難については、近接する事業所が取り扱う危険物に対して避難場所と経路が適切であるか総点
検を行い、行政の責任で実態に合った避難計画を早急に策定する。また、コンビナート地区労働者の避難も想
定して、各避難場所が十分な広さや施設、救援物資等を備えているかを調査し、必要に応じて避難場所を再編
する。
市街地と隣接している石油コンビナート地区で災害が発生した場合、さまざまな危険物による災害を市街地へ拡
大させない一つの根本的な方法として、石油コンビナート地区と市街地とを分離・遮断することについて、国等関
係機関と協議し、具体化を検討する。
① 近隣市街地への火災や有毒ガス漏えい、津波火災等の拡大を防ぐため、石油コンビナート地区と市街地を分離
し災害を遮断する対策の早急な具体化をはかる。災害遮断帯や遮断壁等を設置する。石油コンビナート地区と市
街地との間にある内奥運河や道路・鉄道を耐震性や防潮堤機能を備えた盛り土構造とするなど、災害遮断のため
の抜本的な対策を検討すること。
② コンビナート災害遮断の対策では、労働者の内陸部への安全な避難が保障されなければならない。
災害遮断の対策では、コンビナート地区からの労働者の安全な避難路を確保すること。
― 91 ―
Ⅳ、災害遮断︵コンビナート地区と市街地との分離、災害拡大の遮断を︶
8 市民とともに防災対策の強化を急ぐ
① 国分寺市などでは、今年で 回目を迎える﹁市民防災まちづくり学校﹂を通じて、地域の防災リーダーを育成
し、地域町内会での防災組織の強化、市民相互の防災ネットワーク構築に大きく貢献している。これら他都市の
② 震災時ハザードマップの活用など、川崎市の防災情報を活用し、地域の実情に合わせた、自主防災組織ごとの
取り組みを参考に、防災リーダーの育成を強化する。
32
防災マップを全ての町内会自治会での作成を目標に取り組む。
③ 避難所運営会議について
%︶
川崎市の現在の指定避難所175学区のうち避難所運営会議の開催状況は、2012年度が123学区︵
と、東日本大震災以降、任意団体の自主的取り組みによって増加傾向にあるが、全体の3分の2程度にとどまり、
行政区別のアンバランスも目立ってきている。学校区域の自治組織の活力や防災活動の位置付け、地域コミュニ
ティの衰退状況により避難所運営機能に地域格差が生まれている。
早急に避難所運営会議の開催率100%をめざしつつ、同時に﹁救助の措置﹂に係る活動は基本的に行政事務
であり、避難所︵被災者収容所︶の管理運営は災害救助法に基づく行政責任であることを明確にし、全避難所で
の市職員の配置・体制をきちんと整備する。
④ 学校教育での防災教育を充実するとともに、避難所生活体験訓練、防災意識向上など﹁防災教育研究推進校﹂
を増やし、学校の管理職・防災担当者・教職員への防災研修を強める。
9 区役所機能の強化について
① 東日本大震災時に、要援護者の安否確認の徹底、防災情報の周知、応急対応時の要援護者と支えるネットワー
クの構築など、具体的な問題点も明らかになっている。要援護者名簿を自治会等に管理を任せるだけにとどまら
ず、区役所機能の強化と合わせ、実効性ある制度として抜本的な強化を図る。
② 高津区などで実施された地域防災ネットワーク、医療福祉防災ネットワークなどでの教訓と課題を他の行政区
にも活用し、介護事業者、医療機関、障碍者団体など、地域とのネットワークを生かして、災害弱者の支援ネッ
トワークを強化する。同時に、地域防災計画へ災害弱者支援に関連する各団体からの要望について反映させる。
③ ﹁災害時要援護者のための防災行動ガイド﹂を、障害者や高齢者などそれぞれの特徴に合わせて、本人、家族、
支援協力者向けなど対象者を想定したわかりやすくきめ細かいものに改訂する。
④
屋外防災無線のデジタル化と合わせて、受信機・拡声器の設置台数を増やす。
― 92 ―
70
九、市民の命と健康を守るための公害環境対策と、自治体固有の事業とし
て抜本的な廃棄物対策を
大気汚染の原因物質が、SOx ︵硫黄酸化物︶、NOx ︵チッソ酸化物︶、SPM︵浮遊粒子状物質︶、そして、PM
2・5︵微小粒子状物質︶へと変化しています。その発生源も工場中心から自動車排ガスへと変わり、そのため道路
沿道を中心に、また地形︵谷戸等︶
、気象条件と重なり合って高濃度の汚染地域が出現しています。その結果、大気汚
染被害者は全市で増え続けています。大気汚染の原因の究明とそれを取り除き、環境を改善していくこと、被害者の
救済を行うことは、喫緊の課題となっています。
60
タに基づき解析した結果、EC︵元素状炭素︶及びNOx 推計曝露量を指標とした自動車排出ガスへの曝露とぜん息
発症との間に関連性が認められた﹂
︵全体報告書 ページ︶。また、成人調査では、
﹁幹線道路沿道における自動車排出
53
― 93 ―
川崎市において大気汚染に苦しむ患者が企業と国等を被告とし大気汚染公害訴訟を提起し、企業との間で1996
年に和解、続いて1998年、横浜地方裁判所川崎支部は自動車排出ガスとぜん息の因果関係を認めた判決︵2次∼
4次︶を言い渡しました。同判決は、川崎市に損害賠償責任はないが、国、首都高速道路株式会社︵旧首都高速道路
公団︶と同様の責任があると指摘しました。この判決を受け止め川崎市は、それまでの﹁川崎市成人呼吸器疾患医療
費助成要綱﹂を拡充・発展させ、2007年1月から全市、全年齢を対象に﹁成人ぜん息患者医療費助成条例﹂を実
施しました。
﹁公害健康被害補償法﹂認定患者が現在1515名︵2013年3月末︶、
﹁小
川崎市内における大気汚染被害者は、
児ぜん息医療費支給条例﹂適用者9094名︵2013年3月末日︶、﹁成人ぜん息患者医療費助成条例﹂適用者53
44名︵2013年3月末日︶で合計すると1万5953名︵2013年3月末日︶です。
川崎市内の公害健康被害補償法認定患者は延べ6020名ですから、現在の市条例適用者数は補償法による認定患
者の2・ 倍となっています。川崎市の成人ぜん息患者医療費助成条例適用患者は、いまも毎月 名から 名の新規
50
環境省が実施した自動車排出ガスとぜん息の因果関係を調査する﹁そらプロジェクト事業﹂でのまとめによれば、
学童調査では﹁予め十分な精査された適切なデザインによる十分な対象数を確保した疫学調査により収集されたデー
認定があります。川崎市の推計では8000人から9000人に及ぶとしています。
65
ページ︶と指摘しています。環
ガスへの曝露と成人ぜん息発症との関連性については、症例検討の副次的解析の一部においてEC個人曝露濃度帯の
オッズ比が統計学的に有意であったことに留意する必要がある﹂
︵全体報告 ページ
54
東京電力福島第一原発の過酷事故から2年5ヵ月たった今も 万人の人がふるさとに帰れないまま避難所暮らしを
余儀なくされている実態があります。国民世論の圧倒的多数が原発に頼らないエネルギー政策への転換を求めている
推進が大切です。
地球温暖化対策は、人類の滅亡にかかわる重要な課題としてますます緊急性を帯びてきました。日本政府は、20
20年までにCO 2の %削減をかかげました。政府が掲げる目標を達成させるためにも各自治体の積極的な協力と
し、その結果を速やかに市民に知らせることが重要です。
今日、PM2・5が社会的な関心を高めています。︵前述したECもその一つである。︶したがってPM2・5の抜
本的かつ有効な対策が講じられることが強く求められています。対策を講じるうえで、状況を緻密かつ的確に把握
境省の説明によれば、
﹁一部において﹂とは非喫煙者を指すとのことでした。
53
請すること。
② 患者一割負担を廃止すること。市独自財政だけでなく、社会的貢献として自動車メーカーに対し財源拠出を要
被害者﹂として位置づけ、公害健康被害補償法に準ずる制度として内容を充実すること。
1 被害者救済施策の強化について
① ﹁川崎市成人ぜん息患者医療費助成条例﹂の目的を﹁アレルギー対策﹂と位置づけていますが、
﹁大気汚染公害
事業は自治体が責任を持つべきであり、コスト削減のみを理由にした削減はすべきではありません。
市は、今年の9月から家庭系一般廃棄物の収集回数を市民の反対を押し切って週2回に削減を強行しました。
このことによって子供や大人のおむつ、夏場の生ごみなど家庭で保管できないゴミをどうするかなど様々な問題が
生じます。ごみの減量化と公衆衛生を保全するための普通ゴミの収集回数は別に考えるべきであり、一般廃棄物処理
脱原発は国民の声、原発からの速やかな撤退を決断し、自然エネルギーの本格的導入に向けて国も自治体も、再生
可能な自然エネルギーへの転換を具体的スケジュールを立てて推進しなければなりません。
にもかかわらず、政府は原発の再稼働と輸出政策を強行しようとしています。
15
③ 助成対象疾病に﹁慢性気管支炎﹂﹁肺気腫﹂を追加すること。
④ 助成する医療範囲︵レントゲン等︶を拡充すること。
― 94 ―
25
⑤
制度活用を推進するために、市民への広報を強化すること。特に小児ぜん息医療費助成条例適用者で
歳を向
⑧
⑦
川崎市は国への予算要望に当たり毎年度、
﹁川崎市成人ぜん息患者医療費助成条例﹂への財源補助の要望書を提
条例患者に対して、通院バス券を発行し、あわせて健康回復事業等への積極的参加が図れるよう努力すること。
生活補償費を新設すること。
2 環境改善の強化について
① 二酸化窒素︵NO2︶環境目標値0・ pp m の達成こそ、深刻な大気汚染の解決にとって大切である。規制
緩和された環境基準︵0・ pp m ∼0・ pp m ︶ではなく、川崎市が環境目標値として掲げている0・ p
出していますが、それに加え、PM2・5を指標とする新たな公害被害者救済制度の創設を国に働きかけること。
⑨
また、条例患者が更新手続きがスムーズに行えるよう行政サービスを行うこと。
⑥ 予防事業の充実を図ること。
かえ、治癒していない患者に対し、成人ぜん息患者医療費助成条例への切り替え手続き方法を徹底すること。
20
p m をいつまでに達成するのか、具体的な目標と対策を示すこと。さらに、PM2・5対策を強化すること。
と関連して目標が達成されない原因を明らかにし、その対策を講じること。
⑥
川崎市役所前に電光掲示盤を戻し、PM2・5の速報値を加えること。
3 住民参画による公害根絶、環境保全監視体制について
① 環境影響評価審議会委員の人員を増やし、被害者、住民団体として継続的に環境保全に取り組んでいる団体の
代表の参加を保証すること。
⑤
③ PM2・5︵微小粒子状物質︶の実態把握をするため、すべての測定局に測定機を直ちに設置すること。
④ 市独自にNOx ・PM法で対策重点地区︵当面、池上、遠藤町、二子各自排局︶を設定し、被害者及び住民代
表を参加させ、抜本的対策が講じられるよう地域対策協議会を設置すること。
② 自動車排出ガス測定局を増設し、市内全域のNO2の実態を把握し、その対策を講じること。また、監視体制
強化について関係機関に働きかけること。
02
02
06
② 市民の自主測定運動を引き続き奨励援助すること。
4 地球温暖化への自治体としての緊急対策について
① 川崎市独自にCO 2削減目標を定め、対策を強化する。特にCO 2を大量に排出する電力、鉄鋼関係、自動車走
― 95 ―
04
行規制を含め抜本的な対策を図る。企業の排出規制を強める。
2
②
他都市の経験を踏まえ︵横浜市など︶、事業所ごとのCO 排出量を公表する。
5 アスベスト対策を強める
① 建築物の解体工事におけるアスベストの飛散防止対策を抜本的に強化し、飛散しない工法を行えるよう市とし
て補助制度を作る。
②
アスベスト被害者の救済について、国と企業の責任を明確にし、全面的に救済する制度を国に要望する。
③
国の制度が出来るまでの間、アスベストによる呼吸器疾患にかかった市民に対し、医療費や生活費を補助する。
6
原子力発電に頼らないで自然エネルギー政策への転換を
①
住宅用太陽光発電を短期間に大量に普及するための設置件数と補助率を大幅に増やす。
② 全ての公共施設にや希望する民間保育園私立幼稚園に太陽光パネルを設置し学校教育の中で自然エネルギーの
重要性を教えると同時に体験教育を強める。
③ 風力、太陽光、太陽熱、バイオマス、小型の水力、地熱利用など自然エネルギーの活用への支援を強める。
7
資源循環型社会へ向け、市民の合意と納得をえて分別リサイクルで、ごみを減らす。
①
家庭系一般廃棄物の収集は無料のまま、収集回数を週2回から週3回に戻す。
②
デパート、スーパー等の過剰包装の自粛の要請を引き続き強め、実効をあげる。
8 浮島処分場での放射性物質を含む廃棄物の処理について
引き続き市民に公開・公表しながら焼却灰や内水・放流水などのモニタリングを行う。プルトニウム、ストロン
チウムなど未測定の核種の検査を行う。生物濃縮が指摘される周辺海域の魚についても継続的に測定する。ゼオラ
イト添加方式以外に安全で効果的な処理方法がとれないか、調査し検討する。
十、市民・地域にねづいた豊かな文化・スポーツ政策を
芸術・文化は心豊かな生活と社会の活力のために必要不可欠です。ところが、長引く不況や国民の鑑賞機会の減少
で、芸術・文化団体の公演、上演にも深刻な影響が出ています。文化活動をとりまく環境も悪化しています。子ども
― 96 ―
たちの健全な成長を保証していくためにも、人々の自由で豊かな発展のためにも、芸術・文化が果たす役割には大き
なものがあります。文化芸術振興基本法は、文化を自由に作り楽しむのは国民の権利であり、それを保障することは
国・地方自治体の責務としています。芸術・文化活動が直面する要望を支援し、文化の自由を守り、多面的な発展を
支えることが求められます。
川崎市は、文化芸術振興計画第1期が終わる最終年度内に、第一期計画の成果と課題検証を行い、2基計画策定の
準備をすすめています。基本目標の①文化創造②情報の共有③人材育成などの振興計画策定によって、市民の声を反
月から2014年1月にパブリックコメントを経て年度内に計画が
映する場が保障されるなど、計画策定の意義は大きいものがあります。2013年7月から8月にかけて﹁文化・芸
術の振興について﹂市民アンケートを実施し、
確定されますが、文化芸術活動は、あくまで市民主体のものでなければなりません。文化団体をはじめ文化にかかわ
る人や組織の意見をはじめ、市民アンケートやパブリックコメントで出された意見・要望が十分反映され、多く市民
から意見徴収して圧倒的市民の納得の得られるものにしていく必要があります。
年間と長期にわたる計画となることから、必要に応じて中間的な見直し、検証も求め
2014年度4月から概ね
られます。川崎市は人口が急増し、施設を利用したくても利用できないという人たちが増えています。必要とされる
ミューザかわさきやアートセンターをはじめ、大きな施設やハロウィンなど大がかりなイベントなどが新たに展開を
されてきました。第2期計画では、身近で利用できる施設の整備拡充や地域で培ってきている行事や文化団体など光
をあてて、地域の文化活動の掘り起こしなど、現在ある文化の魅力をさらに育て発展させていくことが大切です。
また、芸術文化施設の低料金化と上演演目にあわせた利用時間の設定は、利用者の切実な要求であり、地域文化の
活性化にとって欠かせません。また、文化活動を支える人や担う人の育成や支援に努めることが必要です。
とりわけ、子育て世代が増えている川崎市にとって、次の時代をになう子どもたちが健やかに成長し、明日への希
望と夢をもてるようにするのは社会全体の責任です。子どもたちを社会的退廃から守るために、暴力的・退廃的文化
条がうたう﹁文化的権利﹂の具体化と実施が求
を社会の自主的な規律で克服することが大事です。同時に、子どもたちが豊かな人間性を育むうえで、すぐれた文化
を提供することは、大きな意味をもちます。子どもの権利条約の第
への運営助成の拡充などが必要です。また、学校教育の抜本的改革の柱の一つとして、文化・芸術に親しみ、その感
められています。この実現を阻んでいる経済的障害をなくすため、子どものための芸術文化活動をすすめる文化団体
31
― 97 ―
12
芸術文化施設の設置は不十分です。多くの市民が活動できるよう整備はまったなしの課題です。第1期計画では、
10
受性を養う情操教育をすすめることを重視しなければなりません。その中で、学校における芸術文化鑑賞活動の位置
付けを明確にし、学校運営費などによる学校公演、上映活動への助成を強めることが大切です。
また、豊かな老後を保障するうえでも文化の果たす役割は重要です。高齢者や障害者の自主的文化活動がすすめら
れるよう、地域で指導者、施設、資材などに関して公的機関が一定の援助をおこなうことが必要です
条︶、﹁健康で文化的な最低限度の生活を営む権利﹂︵第
2011年8月に施行されたスポーツ基本法は、これまでのスポーツ振興法︵1961年制定︶を全面的に改正し
たものです。この法律によって、
﹁スポーツは国民の権利﹂という基本理念を明確に位置づけました。それは、日本国
憲法の﹁生命自由及び幸福追求にたいする国民の権利﹂︵第
条︶にあるといえます。
に、融資制度を新設する。
1 文化予算を抜本的にふやし、毎年、要望が強いにもかかわらず、減額されている芸術創造団体や演劇集団にたい
する団体活動費助成制度の拡充を図る。高価な楽器や道具などの購入資金及び維持整備のための補助を行うととも
︵一 ︶ 第2期基川崎文化芸術振興計画を充実させ、市民が主体の文化芸術活動を推進する。
環境整備、運動広場の増設などが自治体としての義務が課せられています。
ています。青少年から中高年、障害者まで、いつでもどこでもだれもがスポーツできる権利を保障するための身近な
う現状があることから、市民のスポーツ活動場所を充実させる方策を多様な観点から検討していく必要がある﹂とし
﹁活動場所の確保﹂をあげました。本計画には、﹁川崎は他の大都市に比べ面積が狭く、既に市街化が進んでいるとい
行った﹁スポーツに関する市民アンケート﹂の結果では、
﹁今後、重要だと思うスポーツ振興策﹂の1位・8割の人が
をもっと楽しく﹂という川崎市の基本理念をもとに、これからの実践が試されます。川崎市が平成2010 年度に
行われるレクリエーションも含めて計画の対象としていると位置づけました。﹁川崎でスポーツを、スポーツで川崎
2012年策定された川崎市スポーツ推進計画は、その法律の理念にもとづいて作成されました。本計画は、競技
性の高いスポーツだけでなく、ウォーキングなどの体を動かす活動や、遊びの要素を取り入れながらスポーツとして
13
2 青少年を対象とする文化団体や、青少年舞台芸術活動は、引き続き市内の青少年文化団体主体で運営し予算を増
額する。
― 98 ―
25
3 学校教育の柱の1つとして、文化・芸術に親しみ、その感受性をやしなう情操教育をすすめることを重視し、川
崎市が芸術文化鑑賞活動として位置づけ学校運営費などによる学校公演、上演活動の助成制度を創設する。
4 風営法について、ダンスを理由に規制している部分に関し、現代の社会背景に合わせて見直しを求める意見書が
議会で採決された。市として国に要請する。
︵二︶豊かな市民文化をはぐくむ、使いやすい文化施設を身近なところに
1 分館構想を復活させ、ブランクエリアに市民館・図書館分館をつくる。
2 市民の教育・文化活動を支援する立場から、市内の文化・教育団体、グループの利用については、教育文化会館・
市民館ホールの利用料のさらなる軽減措置を行う。
3 天井落下事故により改修された﹁ミューザかわさき﹂同様の事故が2度とおきないように、他の集客施設なども
計画的に安全点検を実施する
﹁ミューザかわさき﹂は、特定の音楽団体に限らず、市内の音楽団体の発表の場を保障する。市民がよい音楽に気
軽に親しめる工夫を保障する運営方針を堅持する。そのための助成が必要であれば、市民の文化活動助成として手
当てする。
4 ﹁ラゾーナ川崎プラザソル﹂は、市民文化育成の目的をはたすことができるように、運営団体に補助を行い、利用
料を大幅に下げる。
5 ﹁アートセンター﹂は、市民が芸術文化を発信し、創造するという基本理念を実現するものにする。管理、運営、
企画を市民参加で行う。
6 絵画、写真など美術活動の発表の場が少なく、市民館の申し込みは、2年から3 年待ちになっている。駅前の
ギャラリー、空き店舗などを借り上げ、市民館なみの使用料で開放する。
7 防音装置のあるスタジオを全区につくり、若者が回りに気兼ねすることなく音楽活動をできるようにする。
8 安い利用料で何日も芝居の稽古や、創作活動に使える﹁芸術の家﹂を、空き工場や大きな空き店舗を活用してつ
くる。
9 ふれあいネットの活用について
― 99 ―
①
一人でも登録できるように、団体登録制を廃止する。
② 少人数のグループでも活用しやすいものにする。
③
個人情報については、できるだけ簡略化し、プライバシーの保護につとめる。
④ 施設不足から予約が殺到し、利用制限の強化がおこなわれている。施設の不正利用の改善のために現場職員の
体制を強化することで対応する。
︵三︶ 地域の文化・歴史的遺産などを保全し、将来に受け継ぐ
1 文化財保護条例を改正し、歴史的な遺構や文化景観などの保存整備計画を作って、大山街道、円筒
分水、二ヶ領用水、など、市内の歴史的風土・建築物・町並みや街道を保存する。文化財保護のための補助金を
抜本的に増額する。文化財保護費は、保護対象が決まってから予算をつけるやり方を改め、文化財調査員の増員
で、保護対象を増やして調査・研究をすすめるとともに文化財保護にむけて実効ある施策を推進する。国に対し、
文化財保護に関する財源の拡充を求める。
2 戦争遺跡を活用した﹁明治大学旧陸軍登戸研究所資料館﹂を本市の平和教育に活用する。また、その存在を市民
に広報するとともに、全国に発信する。
3 川崎市は、奈良時代の武蔵国橘樹郡衙をはじめ、千年伊勢山台周辺から影向寺にいたる大規模な歴史的埋蔵文化
財を保存し活用していくことは重要な意義ある事業と、認めている。影向寺から遺跡全体を市民が安全に見学でき
るような歴史公園として整備、交通環境を整える。
4 郷土芸能などの無形文化財を守り、引き続き保存会を全面的に助成し、継承させる。また、おはやしなど、郷土
芸能の復活にも力を入れ支援する。
5 岡本太郎美術館、民家園などは、博物館、美術館としての機能を堅持しながら、市民に開かれたものにするため、
市民が中心になって開くイベントの充実をはかる。
6 国際交流センターを中心に外国の人たちとの文化交流が行なわれている。身近地域で多様な国々との異文化交流
ができるように、さらに発展をさせていく。
― 100 ―
︵四︶市民の健康と青少年の育成のために、スポーツ施設の充実をはかる
1 2012年川崎市スポーツ推進計画が策定された。アンケート調査をもとに、だれもがスポーツをする権利を保
障するために身近な環境の整備、運動広場の増設を推進する。
2 市民が活動するスポーツ団体には、使用料金を減額し借りやすくする。学校法人の使用には減額措置を引き続き
行う。
3 私立学校や企業所有のグラウンド・体育館などを市民開放できるように申し入れをおこなう。市民開放の日を設
けた際、市の斡旋で貸し出すなども検討する。
野球やサッカーなど利用している多摩川河川敷のグラウンド、マラソンコースの整備を定期的に行う。
多摩川をすべての市民いこいの場として活用できるよう、国に申し入れるとともにあらゆるスポーツ団体が活用
― 101 ―
4 スポーツができる、ボールが使える公園、広場等を整備拡充する。また既存の公園でボールが使用できるように
防球ネット等など設置をすすめる。
5 一般市民が使えるサッカー場、パークボール場、フットサルの競技場及び練習場を建設する。少年サッカー専用
グラウンドを整備する。
6 スケートボードができる広場を整備する。その際、計画段階から利用者などの参加を保障し、利用者の声を十分
に反映させたものにする。
7
すべての小学校のプールが開放できるように改善する。指導員の研修を行い人員を確保する。
8 等々力フィッシングセンターを4月∼6月・9月∼ 月の期間について、土・日だけでなく平日も朝6時から営
業する。
川崎南部にプレイパークを作る。
スポーツ施設︵老朽化、耐震補強工事など︶の総点検を行う。
﹁スポーツ推進委員﹂の位置付けを高め、指導上の向上を図る。そのために研修費補助などおこなう。
9 等々力緑地内のプールは年間9万人が利用し、
﹁残してほしい﹂という多数の声があり、存続できなければ、新た
にに充実したプールをつくる。
10
民間のスポーツ施設等にAED設置のための補助を行う。
15 14 13 12 11 10
できるよう工夫して整備する。また、民間企業の施設にも開放できるように申し入れる。
簡易型水洗トイレの設置を促進するとともに、この可能なところには、水洗トイレを優先して設置する。
サイクリングロードを市内すべてでつなげる。多摩区布田橋付近は、二カ領用水取水口に迂回路を整備すれば橋
をかけなくてもつなげられるため、工夫して整備する。
富士見公園内の市立体育館の建て替え時︵2年間︶は、市は責任をもって代替地を活用できるように近隣施設を
確保する。
才以上の高齢者には、スポーツセンター利用割引を実施する。
障がい者スポーツセンターは、温水プール、体育館宿泊施設をそなえたものにする。当面既存の市民スポーツ施
設に障害者利用のための整備改善を行い、障がい者スポーツ教室を積極的に開設する。そのための指導員を養成し
配置する。
十一、女性の地位向上と社会参加の向上を
防止法など法律上はすすめられ、地方条例の制定・計画策定などの取り組みも進められてきました。2010年
には第三次男女共同参画基本計画が閣議決定されています。
月
﹁女子に対するあらゆる形態の差別に関する条約﹂︵1979年︶が国連で採択され 年、日本では﹁男女共同参画
社会基本法﹂が1999年に公布・施行され 年経ちました。この間、男女雇用機会均等法や育児介護休業法、DV
34
75
割の女性﹂という目標に向けた、各分野での男女平等参画の実現が求められます。
第三次男女共同参画基本計画の実効ある実施とともに、国連女性差別撤廃委員会の勧告を生かし、
﹁意思決定機関に3
本の審議︵2009年︶に基づく勧告では、﹁取り組みが不十分であることは遺憾﹂と、厳しい内容となっています。
CD諸国の中でも非常に低い順位﹂と指摘しています。日本の取り組みの遅れについて国連女性差別撤廃委員会の日
世界経済フォーラムが2012年に公表した社会進出や政治参加の性別較差ランキングでは日本は101位と﹁OE
﹁第三次基本計画﹂にも﹁働いている女性の6割は、妊娠・出産時に仕事を辞めており、女性の2
しかし、現実は、
人に1人は非正規雇用であるなど、男女共同参画が必ずしも十分に進まなかった﹂と述べる事態がつづいています。
12
14
― 102 ―
17 16
18
20 19
川崎市は今年度、第2期川崎市男女平等推進行動計画の最終年であり、到達点を明らかにしながら、未達成のもの
については取り組みの推進が急がれます。日本国憲法と国連女性差別撤廃条約を生かし、男女平等・共同参画への取
り組みを進めることが必要です。
雇用については、
﹁男は仕事と残業﹂﹁女は家庭とパート﹂という性別役割分業の強制に加えて、1990年代以降
には非正規雇用の拡大による総額人件費削減という動きが重ねあわされ、共働きしなければ、生きていけない状況で
す。日本のパートというのは、夫や父親が、正社員であることを前提に、それを家計的に支える﹁主婦パート﹂がモ
デルになって生まれた非正規雇用です。制度的にも年収130万円までという社会保険上の被扶養者要件、また、所
得税法では年103万円までの非課税限度額など、女性差別を拡大するような仕組みであり、その結果、働く女性の
半数以上が、低賃金で身分の不安定な非正規雇用に追い込まれています。男性にも非正規雇用は増えていますが、男
女の割合をみるとおよそ7割を女性が占めているというのが現状です。自営業・農業女性の自家労賃もいまだ認めら
れていません。所得税法第 条を廃止し、自営業・農業に従事する家族の働き分を、経費として認めるなど、雇用労
働の場での事実上の平等の実現の取り組みの強化が必要です。男女共通の労働時間短縮は、女性が、正規雇用でしっ
かり働けるようにするために、どうしても必要な課題となっています。子育て、家事、育児、仕事を一人でこなさな
くてはならないシングルマザーにとって、雇用状況が良くないだけでなく、非正規雇用・パートによる経済的負担が
重くのしかかってきています。女性がいきいきと働くことのできる社会は、企業や経済を活性化させ、男性の雇用や
労働条件を改善し、税収増をつうじてお年寄りや子どもたちの福祉にも新たなメリットを生み出していくー女性の地
位の改善が社会全体の利益につながるという議論の組み立ても必要です。
﹁ワークライフ・バランス﹂施策の完全な実現をめざして、男女ともに仕事と生活を両立できるよう、正規雇用の拡
大、労働時間の短縮、不払い残業の根絶、母性保護の拡充、育児・介護休業制度の周知徹底と育児介護休業の取得し
やすい環境整備の拡充など、人間らしく働くルールを作ることが必要です。また、妊娠・出産にかかる費用負担の軽
減が求められます。出産しても働き続けたい女性が増えているにもかかわらず、保育所不足・長時間労働による仕事
と子育ての困難などから、実際には妊娠・出産で仕事を辞める女性が今も7割に上っています。男女がともに仕事と
家庭の責任が果たせるよう条件整備が必要です。子どもが安心して暮らし、学び、成長するためには、父母が心身と
もにゆとりのある子育てをする環境が必要です。とりわけ女性の労働条件や子育て環境の改善が最も効果があります。
女性であるがゆえのさまざまな問題が深刻化しています。暴力から女性の人権を守るため、DV法、ストーカー法
― 103 ―
56
などにもとづき、被害者の保護、自立支援の充実、被害者の安全と安心の確保、生活再建などのとりくみの強化が求
められます。また、加害者の更生対策の確立、子どもへのケアをはかることが求められます。格差と貧困拡大のなか
で﹁安心して子育てできる社会環境をつくり、経済的保障の充実をはかる﹂ことが切実に求められます。
1
男女平等のために
①
教育現場での男女平等、女性の人権尊重、女性の地位向上をすすめる教育を今後も重視する。
② 第 2 期 川 崎 市 男 女 平 等 推 進 行 動 計 画 の ま と め に あ た り、 未 達 成 で あ る 審 議 会 の 女 性 委 員 比 率 % ︵ 年 6 月
・2%︶を早期に達成し、女性0%審議会をなくす。市職員における女性の管理職の比率を %︵ 年4月 ・
2%︶を早期に達成する。
13
35
12
16
④
被害者救済のためのシェルターのさらなる増設と運営費補助金のさらなる拡充を行う。
⑤ ヒルズ末長は老朽化しており、その維持もたいへんになっていることから改築するとともに、母子生活支援施
設を増設し、子育てが困難な母子家庭の援助をいっそうきめ細やかに行う。
②
DV被害者の自立支援のため、各区の女性相談員を正規職員とする。夜間・休日の緊急相談の体制を整える。
③
DV被害者の実態調査を経年的に行い、実態を正確に把握し、さらなる対応の強化をはかる。
3 DV被害者などの保護対策強化
① 区役所の女性相談員については、相談者に寄り添った質的強化を行ない、児童・家庭支援係と母子福祉セン
ターとの連携を密にする。
③
介護休暇・休業制度については、最低一年間の休業、回数及び対象の拡大、賃金保障などを国に働きかける。
② 産前産後休業制度・育児休業制度が﹁労働者の権利として確保﹂できるようすべての企業に適用させ、賃金保
障、期間の延長などの内容充実を指導し、啓発し男女ともに働き続けられるための条件整備を行う。
つよく企業を指導する。
2 女性の雇用条件改善のために
① リストラが横行し、パート、派遣労働など、非正規雇用が増大している。その多くを女性がしめているなかで、
低賃金、母性を無視した長時間労働などが横行している。労働法令を遵守して安心して働くことができるよう、
18
⑥ さまざまな事情により、自立して生活することが困難な女性が生活自立や社会自立できるよう支援する﹁女性
自立支援センター﹂を設置する。
― 104 ―
30
4 女性と防災
① 災害対策、運営対策への、女性の参加の比率を高め、女性の視点や声を反映させる。
② 地域の医療機関、助産機関、保健センター、保育・教育機関、男女共同参画センター等と連携し、災害時にお
ける女性特有の悩みに対応できる体制を作る。
③ 災害が起きた場合、寝たきりになることを防ぎ、亡くなる人を出さないために、避難所に簡易ベッドを設置す
る。
十二、青年の願いにこたえる施策の充実を
﹁危険
2011年3月に発生した東日本大震災と福島第一原発事故をきっかけに多くの青年が﹁何か力になりたい﹂
な原発はなくせ﹂
﹁不正は許さない﹂と、被災地へのボランティア活動や原発反対の運動の中に参加する姿があり、本
来若者が持つ正義感を発揮しています。
﹁まともな仕事が少なすぎるのが問
貧困や不安定雇用、就職難のなかで、切実な実態を抱え、必死に努力しながら、
題ではないか﹂
﹁増税するならお金持ちからにしてほしい﹂﹁ブラック企業を根絶﹂と、青年が不当な社会の現実に目
をむけ、日本のあり方について考えています。人と人との結びつきや社会的連帯を大切に思い、
﹁今の社会はこのまま
でいいのか﹂という模索が強まっているのが今の青年の特徴です。
しかしその一方、高校生や学生の中には、自由な学びや成長が発展しにくくなっている現状も広がっています。高
い学費によって、学生は、学ぶ機会を奪い、重すぎる負担に﹁家族に申し訳ない﹂と精神的に学生を追い詰めていま
す。経済状況の悪化が家庭を直撃し、奨学金を受ける学生・生徒が、進学をあきらめたり、退学・休学せざるをえな
い事態が広がっています。授業料減免や奨学金などの制度の不十分さが顕著となり、希望を奪うものとなっているこ
とは重大です。
いま、多くの青年を襲っている現実の生活苦は、日本社会として一刻も放置することが許されない深刻なもので
す。青年の職場では派遣・請負・期間社員などの﹁使い捨て﹂労働、長時間過密労働と重いストレスのもとにおかれ
ています。雇用情勢の悪化は、学生・高校生に﹁氷河期の再来﹂という深刻な就職難をもたらし、就職を希望する若
― 105 ―
者たちを苦しめています。大学生は就職活動におわれ、学業に専念できる実態にありません。
歳∼ 歳が
万人、
歳∼
歳は
34
歳から 歳の青
総務省が2012年5月発表した労働力調査によると、4月の完全失業率は、年代別にみると、
年層は9・4% と最も深刻です。大卒者の3 割以上が3 年以内に離職しています。内閣府調査20 11年では、フ
リーターの人数は、
22 24
15
24
年前より ポイントも近く増大してい
万人と6万人増加し、2年連続の増加となっています。
97
万1000人︶
︵2007年︶と
10
86
川崎市内では、非正規雇用が ・3%︵
ます。
︵2012年就業構造基本調査︶
15
24
29
15
層の雇用情勢の悪化が近年の自殺率を上昇させていると警告しています。川崎市においては、 歳から
歳までの自
歳から 歳の死因の第1位が自殺で、これは先進7か国の
内閣府の2012年版自殺対策白書は、年代別では、
中でも日本だけです。白書では、若者の失業率と自殺率は密接な関係があるとし、非正規雇用の割合の増加など若年
31
15
殺が、 %で全国平均よりも %も高いと内閣府の資料で示されています。また、原因・動機別自殺者の割合の勤務
20
34
∼ 歳というのは、職業を確保し、技術や能力を身につけ活かし、家庭をもち人間らしい生活を営むうえで大事な
川崎市内の若年無業者は8500名︵2012年︶と、3年間で1500名増加し、対策が急がれています。若い
世代の中には、親元で生活し家族に収入があれば、ただちに貧困に陥ることにはならない場合があります。しかし、
ではなく、将来像を描けない国に対する生きにくさを感じる人々の叫び警告といえます。
なるというとらえ方をしています。未婚率の増加が示すのは、
﹁結婚したい、したくない﹂という個々人の志向の変化
のうち﹁資金が足りない﹂が男子の3割以上となっています。特に若い世代に低収入層が増えると生涯未婚率が高く
また、政府の﹁子ども・子育て白書﹂は2011年度版ですでに、男性が年収300万円未満の場合、既婚率が大
幅に下がると分析しています。未婚率のうち9割が﹁いずれ結婚したい﹂と答えたが、独身でいる理由︵複数回答︶
指摘し、先行きに不安を抱く若者を支援する取組が早急に求められています。
問題が挙げられ、全国が4番目に対して、川崎は3番目です。自殺白書は、若年層への効果的な取り組みが必要とも
10
りだし、心に病を抱える世代が増えています。これは政治や社会の責任であり、青年に責任をおしつけることがあっ
てはなりません。若者のニートやひこもり対策など、人との関係づくりを構築し、社会参加への道につなげる支援が
2012年度川崎の市立高校生5 校の内定状況は、全日制で
・5%︵前年度4・2%減︶、定時制で
・1% 、
必要です。青年が人間らしく自立して生きていくための環境整備や施策を促進していくことが自治体に求められます。
88
72
― 106 ―
20
30
時期です。ところが、
﹁正規職員になれない﹂﹁まともな職がない﹂ことを﹁自己責任﹂であるかのような風潮をつく
20
︵前年比2・9%減︶
。前年度より
名多い
名が未内定のまま卒業をしました。求人数は2008年599社あった
5 市内高校卒業者の就職援助を強化する。すべての就職希望者が就職できるように市内中小企業を訪問し、市長先
頭に庁内あげて求人開拓をして雇用確保する。
4 就職を希望している市立中学・高校卒業生の就職の実態を把握し、内定取り消しや入職繰り下げなどおきること
がないように企業に申し入れる。
2
川崎市内の大企業に、新規採用を増やしていくように申し入れる。
3 市内大企業に対し、青年労働者の積極的雇用を強く求めると同時に、違法な派遣切りや、不当な解雇を是正させ
るように申し入れをする。
1 青年の雇用拡大の1つとして川崎市の職員を増員する。特に不足をしている教員、消防士、保育士や介護職など
に携わる福祉関係職員など増強する。
︵一︶青年の雇用対策を緊急的に取り組む
当しますが、実態を把握し支援を充実させていくことが大切です。
含む基礎力向上に向けた継続支援をおこなうものです。川崎市では、かわさき若者サポートステーションがこれに該
業は、特にニート状態に陥るリスクの高い高校中退者等に対して訪問支援による学校教育からの円滑な誘導、学力を
委託する地域若者サポートステーションを活用して﹁高校中退者等アウトリーチ事業﹂をすすめていますが、この事
行っている地域若者サポートステーションとの連携の強化を訴えています。また、2010年度から国は各自治体で
﹁高等学校を中途退学した後に適切な情報を得る方法がわからず苦
内閣府の﹁若者の意識調査に関する調査﹂では、
労する生徒が多いことが明らかになった﹂としています。中途退学した生徒に対して、学校として職業的自立支援を
す。やはり、正規の求人数が大幅に減少していることが問題です。
徒に進めたくないような働き方の不安定雇用の就職先が増えている﹂
︵市立高校の進路担当教員︶という実態もありま
のが2011年には400社に激減し過去に卒業生を送り出してきた企業からの求人も半減したのとことです。﹁生
62
6 すべての市立高校・定時制高校での進路指導において、職業指導を充実させ、就職を専門的に行うことができる
ように、就職支援相談員の体制をはかる。そのため、かわさき若者サポートステーションとの連携で市立川崎定時
― 107 ―
30
制高校が実施したモデル事業をすべての市立高校・定時制で行う。また、中途退学者等アウトリーチ事業を実施す
る。
7
生徒が希望とする職につけるように企業開拓をおこなう就職指導支援員を各高校に配置する。
8
県立田奈高校が実施している有給職業体験事業を市内の企業に協力を呼びかけて、市として事業をたちあげる。
9
合同就職説明会の回数を増やし充実させ、企業とのマッチングを推進する。
複数の市内企業が学校に出向き、直接事業内容を説明して、職に結び付ける事業を市独自で実施する。
新卒未就職者等就業支援事業の職種を増やし市独自でも拡大し実施する。
就職できなかった市内高校卒業生について、かわさき若者サポートステーションと連携して就職相談や職業訓練
の場などの支援を行い、生徒との関係を途切らせないようにする。
失業している若者や新卒未就職者などに職業訓練や資格の機会を提供するとともに、技術や技能、資格を取得で
きる場を市独自で設置する。
﹁就職準備セミナー﹂及び﹁無料職業紹介﹂の相談窓口体制を充実させる。実態に合わせ職業訓練場を設置し、就
業できる条件を広げる。
青年労働者の職場の実態調査︵ブラック企業︶を実施し、公表する。
青年労働者の労働相談窓口を強化し、青年労働者の労働環境の改善に努める。
青年の求職状況調査及び、新規雇用実態調査にもとづき、具体的な対策を講じる。青年の就職活動に対する支援
を抜本的に強化し、広報活動を強化する。
かわさき若者サポートステーションに青年が気軽に訪問できるように施設を充実させ、相談支援スタッフを増や
していく。また南部地域にも設置する。
公の機関が関与する正規雇用の橋渡しとなる国のトライアル事業を、新卒者以外にも対象を広げ、市の制度とし
てたちあげる。
才選挙権の早期確立を﹁市議会決議﹂の主旨を踏まえ、川崎市としてひきつづき国に働きかける。
︵二︶自立を支援し、青年の権利と雇用を守る
1
18
― 108 ―
11 10
12
13
16 15 14
17
18
2
市独自で実施した大学生の奨学金制度を短大や専門学校、高校にも拡大する。
3 ﹁働く権利﹂や﹁労働条件﹂などが理解しやすい青年向けの﹁労働手帳︵パンフレット︶﹂を市独自で作成し、市
立中学、高校の全生徒に普及し活用し、授業の中でも取り入れる。また、労働局の職員を招いて出前講座﹂を行な
う。
4
新卒で就職が出来なかった青年や離職した青年などに、自立して生活できる生活資金制度をつくる。
5
ファミリー向け家賃補助制度を利用しやすいものに見直し、対象枠を拡大する。
6
収入の少ない単身青年労働者に家賃補助制度をつくる
7 青年労働者の雇用上の権利を確立するため、使用者との雇用契約が書面によりきちんと交わされるよう、市内企
業への申し入れや実態調査を実施し徹底指導する。
︵三︶自主的活動を支援する
1
バンド演奏や多様なパフォーマンスなどが可能なライブスタジオと練習場を全区で設置する。
2 青年の自主的な文化・芸術、スポーツ活動に対し、施設使用料の減額など助成を行なう。低廉で、夜間・早朝な
どいつでも使える、文化、芸術活動を支援する拠点施設を各行政区に整備する。
3 商店街の空き店舗などを活用し、青少年の文化芸術活動の拠点として整備する。
4 スケートボード、BMXなど、安心して練習できる施設を計画しつくる。
― 109 ―
8 不当労働行為から青年労働者を守るようPRを徹底し、街頭やインターネットを利用した労働問題の相談ができ
るように相談活動を強化する。とりわけ、利用者が増えている街頭での労働相談は、回数や場所を増やす。
9 ﹁若年者のキャリアカウンセリング﹂の、若者の生活実態に合わせた場所・時間帯に相談窓口を増やしカウンセリ
ングの充実をはかる。
キャリアサポートかわさきは、開設当初は若年者対象の﹁若者キャリアサポートかわさき﹂として設置された。
青年の特質から、
﹁若者キャリアサポート﹂として位置付けをもって立ち上げる。
低賃金のために自立できず生活支援を必要とする若者が気軽に相談できる窓口を各行政区に設置する。
る。
10
11
十三、﹁核兵器廃絶﹂の機運を高め、平和を守る取り組みを強める
﹁核兵器のない世界﹂を求める声は、ゆるぎない国際的な流れへと発展しています。2010年の核不拡散条約︵N
PT︶再検討会議は、核保有国も含む全会一致で﹁核兵器のない世界﹂を実現することを決定し、これを実現する﹁枠
組み﹂をつくるための﹁特別の努力﹂をすべての国に求めました。政府レベルでも核兵器の残虐性、非人道性を告発
し、その禁止を求める流れが急速に広がっています。世界の平和運動が要求している核兵器禁止条約の交渉開始につ
いては、いまや国連加盟国の %を超える135ヵ国が、国際司法裁判所の勧告的意見に添うものとして要求してい
ます。こうした流れをさらに大きく発展させるならば、
﹁核兵器のない世界﹂の実現は可能です。核兵器保有国をはじ
めとするすべての政府に対して、
﹁核兵器のない世界の平和と安全を達成する﹂との合意を速やかに実行し、そのため
の﹁枠組み﹂として、核兵器禁止条約の交渉にただちに踏み出すことを求めます。
﹁核兵器のない世界﹂を実現するうえで、核兵器の残虐性を自らの体験として訴えることができる被爆国・日本の役
割 は き わ め て 大 き い も の で す。 と こ ろ が 、 日 本 政 府 は 、 核 兵 器 禁 止 条 約 の 交 渉 開 始 や 核 兵 器 の 使 用 禁 止 を 求 め る 決
議、非同盟諸国提案の核軍縮決議など核兵器廃絶につながる国連決議に棄権し続けています。核兵器の人道性を告発
ヵ国︶賛同を政府が拒否したことは、大きな失望と批判をよんでいます。被
年であり、2010年の合意の履行を問うNPT再検討会議が開催される2015年に向け、政府は、被ばく
し、その禁止を訴えた共同声明への︵
ばく
80
戦争放棄と戦力不保持をかかげる日本国憲法第9条には、ヒロシマ・ナガサキの再現を許さぬ、不戦への固い決意
が込められています。憲法を守り生かすことがいまほど求められているときはありません。ところが、安倍政権は、
憲法9条改定を正面から提起することができないことから、内閣法制局長官を更迭して、いわばクーデター的なやり
方で日本が攻撃されていない場合でも集団的自衛権の行使ができるように解釈改憲を強行しようとしています。憲法
9条の改悪そのものであり、絶対に認めることはできません。
米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイについて、米軍厚木基地でも訓練する計画であることが明らかとなりました。
訓練計画は、沖縄県とともに米海軍第7艦隊の任務にともない本土と日本国外で実施され、3種類の訓練、低空飛
行、空中給油、後方支援が行われるとされています。オスプレイは事故を繰り返す構造的欠陥機であり、日米合同委
― 110 ―
70
国にふさわしい役割を発揮し、非核三原則の厳守とアメリカの﹁核の傘﹂からの離脱をただちに決定すべきです。
70
員会で決めた運用ルールさえ守らない違反飛行が常態化しており、政府の﹁安全宣言﹂は何の根拠もないことは明瞭
です。しかもオスプレイ配備は、日本の防衛とは何の関係もなく、海兵隊、米海軍の侵略力を高めることがその目的
であり、そのために沖縄・神奈川県民をはじめ日本国民を危険にさらすことは絶対に許されないことであります。人
口密集地にある米軍厚木基地の周辺住民は、これまでも、繰り返される米兵犯罪とともに、米軍機による墜落や不時
キロ、最も近い麻生区では、約
キロと近接しており、本市にも大きな影響が及ぶことは明ら
着、落下物の事故などの危険にさらされ、耐え難い爆音に苦しめられてきました。川崎市役所から厚木基地までの距
離は、直線距離で約
3
平和事業を市民参加で進めるために、﹁︵仮称︶平和推進委員会﹂を立ち上げ、施策の充実を図る。
4
非核3原則︵核兵器を作らず、持たず、持ち込ませず︶を法制化するよう、国に求める。
5 ﹁核兵器廃絶平和都市宣言﹂の普及に努める。学校で掲示していないところでは、掲示する。
2
平和推進費などが毎年減額され続けています。予算額を元に戻す。
1 来年8月広島で開催される﹁世界平和市長会議﹂へ市長は参加し、広島市・長崎市などとの交流を深め、川崎市
として﹁核兵器廃絶﹂を求める具体的な行動計画を作る。
められています。
ますます高まっています。平和事業の充実や戦争遺跡の保存など、本市の平和施策をより一層推進してゆくことが求
実が求められています。戦争被害の事実を後世に伝え、市民が平和について考える機会を保障してゆくことの意義は
とは当然です。国内外の世論に訴えるとともに、二度と戦争の惨禍を引き起こさないためにも、平和施策の一層の充
川崎市長も参加する﹁平和市長会議﹂は6月1日現在、全国の975自治体にまで広がり続けています。﹁核兵器廃
絶平和都市宣言﹂を全国に先駆けて作った川崎市として、
﹁核兵器廃絶﹂を一日も早く実現するために、力を尽くすこ
です。
す。沖縄をはじめとする米軍基地の縮小・撤去を求める運動、日米軍事同盟の強化に反対するたたかいを強めるべき
かです。こうした状況にある厚木基地へのオスプレイの配備および低空飛行訓練計画について、中止を求めるべきで
12
6
市内に残る戦争遺跡等を活用した﹁平和教育﹂﹁平和学習﹂の推進を図る。
①
子どもの平和学習を進めるために、引き続き﹁平和大使﹂の助成を行う。
② ﹁平和教育﹂の推進を図るために、市内の小中学校を対象にした﹁反核・平和作文コンクール﹂を再開する。
― 111 ―
25
③
市民の平和活動を支援する﹁平和推進事業補助金制度﹂の各企画に対する補助金を増額する。
④ 市民の平和学習を保証し、企画などへの後援や公共施設の利用を推進する。
⑤ 巡回平和展は、地域のボランティアの協力を得るなど、創意工夫で体制を充実し、南部・北部の2ヵ所だけで
なく、箇所数を増やす。
⑥
改訂された平和ノートの活用を推進する。市民に広く周知していく。
7 ﹁平和館﹂事業の充実を図る。
① ﹁ 平 和 館 ﹂ の 運 営 費 は、 年 々 下 が り 続 け て い る 、 2 0 1 3 年 度 の 予 算 は 、 展 示 更 新 事 業 費 が 加 え ら れ て い ま す
が、この 年前と比較して6割程度の予算となっている。平和推進事業費は同比較で3割程度、展示企画事業費
も3割弱となっており、予算の削減が著しい。平和事業の重要性を考え、予算の大幅なアップを行う。
② 川崎平和館の﹁活性化に向けた事業の見直し﹂に当たっては、専門家とともに市民参加で行い、平和館のより
積極的な活用を検討し、計画に反映させる。
③ 平和館が米軍基地跡地に建設された経過など、平和館の由来もパンフレットや館内表示をするなど市民に知ら
せる。
④ 平和問題の研究・調査に当たっては、現在の嘱託の専門職員をはじめ、学問・実践に秀でた専門家の協力を得
るなど、チームで調査研究を進める。また、それにふさわしい予算を措置する。
⑤ ﹁川崎と戦争﹂
︵川崎の軍需産業、朝鮮人連行、旧登戸研究所など︶の調査を引き続きすすめるとともに、その
成果を展示など市民に公表する。
⑥ 平和館の展示内容が子どもにもわかりやすくするため、引き続き教育関係者、来館した子どもの感想などを参
考にしながら、内容の充実を図る。また、学校教育の一環として利用できるよう、教育委員会と連携する。
⑦
平和館の図書機能は、基本構想通り十万冊を確保する。
⑧
平和館のホームページを、資料の紹介や来館者の感想などを紹介するなど、充実する。
8 憲法を遵守し、戦争の協力は行わない。
① 憲法の平和原則を遵守する立場を堅持し、あらゆる戦争・テロ行為に対し反対し、
﹁有事法制関連7法﹂を発動
させないために、自治体としての一切の協力を拒否する。
②
国民保護計画は撤回する。
― 112 ―
10
③ ﹁東京湾非核宣言﹂を関係自治体にも働きかけ、その実現を目指す。川崎港の﹁非核宣言﹂を率先して行い米第
7艦隊の東京湾への入港を拒否するよう関係都市と連携を図る。
④
自衛隊の海外派兵に反対する。PKOへの市職員の協力は行わない。
⑤
米軍及び自衛隊の音楽祭の後援は行わない。この音楽祭への小・中・高校生の出演は行わない。
⑥
自衛官の募集業務は、中止する。
⑦
退職した自衛官の役職者採用は中止する。
⑧
中・高校生の自衛隊勧誘の協力は行わない。また、学校への自衛官募集のポスターの掲示も行わない。
9 戦争の記録を保存し、平和学習を促進する。
① 文化庁も重要と認める全国 の戦争遺跡に選ばれている﹁旧陸軍登戸研究所﹂について、市の文化財として位
置づける。明治大学が整備した﹁資料館﹂への財政的支援を行う。文化庁の調査結果が発表になった時には、パ
ンフレットの作成など、その結果を広く市民に知らせる。市内にある旧日本軍の壕や施設などを調査し、同様に
保全に努める。生田緑地内や周辺の濠の調査を進め調査・保存に努める。
② ﹁明治大学平和教育登戸研究所資料館﹂や市内戦争遺跡を平和教育の大切な資源としてとらえ、教育委員会とも
連携して、学校教育のなかに生かす。教職員にその内容など周知する。
③ 戦争に関する証言・資料収集などを引き続き行う。証言映像など制作された資料を各図書館に置くなど、市民
が気軽に活用できるようにする。
④ 日本の侵略戦争の実相、他民族に与えた被害、朝鮮人強制連行、強制労働、旧日本従軍慰安婦の実態など、市
としても積極的に掘り起こし、市民に知らせる。
﹁原爆被爆者援護条例﹂を制定し援護事業を充実させる。
2003年4月に原爆症認定制度の抜本的改善を求めて提訴した裁判はこれまで の判決が出されましたが、す
べて原告側が勝訴しています。その間、2度にわたり認定審査方針の見直しを行わせましたが、被爆の実態にも司
21
― 113 ―
50
法の判断にも、みあったものになっていません。被爆者の健康被害と生活難の対策をより充実させる。
10
十四、不要不急の大規模事業をやめ、福祉・くらしの増進に全力を挙げる
自治体本来の使命を果たす自治体に
﹁構造改革﹂の名で国民に耐え難い痛みをおしつけると同時に、三位一体
2001年に誕生した自民党小泉内閣は、
の改革などで、地方自治体の財政基盤をきわめて脆弱なものにしてきました。
国 の 悪 政 の も と で 地 方 自 治 体 に は、 市 民 の 福 祉・ 暮 ら し を 守 る 防 波 堤 と し て の 役 割 を 果 た す こ と が 求 め ら れ ま す
が、
﹁国の改革は小泉で、川崎の改革は阿部で﹂を標榜して登場した阿部市長は、数次の﹁行革﹂で福祉・くらしの施
策を削減する一方で、不要不急の大型開発にまい進してきました。
2002年9月の﹃第1次行財政改革プラン﹄では﹁今のままの市政運営では財政再建団体に転落する﹂と脅し、
革新市政時代に市民らの運動で実現してきた豊かな福祉施策をバッサリと削減する方針を打ち出しました。攻撃の矛
先が子ども・高齢者・障がい者の弱者に集中していたのが特徴で、大掛かりな福祉切り捨てを行ったのです。
2005年3月の﹃第2次行財政改革プラン﹄では、﹁依然として厳しい財政状況﹂を強調し、﹁受益と負担の適正
化﹂の項目では、
﹁特定・少数の市民に限定されているサービスを一律におこなうことは、かえって公平性を逸するこ
とになる﹂とまで言い切り、いっそうの市民サービス切り捨てを行ないました。
2008年3月に出された﹁新行財政改革プラン︵第三次︶﹂では、
﹁一定の成果をあげた﹂と強調しながらも、
﹁民
間部門を提供主体とするべき公共サービス﹂への転換を積極的に推進する方向を強く掲げました。
2011年3月の﹃第4次行財政改革プラン﹄では、政令市トップの財政力を前に︵財政力指数1・0︶、﹁他都市
に比較して強い財政力を備えている﹂としながらも、
﹁今後、厳しい財政状況が想定される﹂とし、保育所保育料の見
直し、重度障がい者医療費助成事業の見直し、高等学校奨学金制度の見直し、学校施設開放における受益者負担の導
入など、市民に新たな負担を求める見直しを実行に移してきました。さらに、これ以上、新たに削ることがなくなっ
たために﹁見直し後のさらなる見直し﹂などといって、障害者施設の運営費補助の見直しまであげています。まさに
﹁ゆりかごから墓場まで﹁乾いた雑巾を絞る﹂ようなやり方です。また、市民と市民、事業者等と市民が公共サービス
を直接やりとりするような仕組みが機能する領域を増やし﹂
﹁中間コストがかからない効率的・効果的な公共サービス
提供の構築をめざす﹂とあります。これは、自治体の役割を放棄する、〝放棄宣言〟に等しいものです。
― 114 ―
〝船の来ない港〟の大開発や、臨海部の工場跡地での大規模プロジェクト﹁京
﹁改革﹂の名で市民をいじめる一方で、
浜臨海部ライフイノベーション総合特区構想﹂に本格的な税金投入に乗り出し、内陸部では武蔵小杉地区を中心に大
手不動産・開発会社だけが大儲けする超高層ビル・拠点開発中心のゆがんだまちづくりを強力に推し進めてきました。
﹁京浜港国際コンテナ戦略港湾計画﹂では川崎コンテナターミナルを現在の1バースから4バースまで拡張し、現在
2基のガントリークレーンを延べ8基まで増やす計画で、今後 年間で川崎港に関連する事業費は1千億円としてい
・5万TEUの処理能力をもつ川崎港コンテナターミナルの2012年度取扱い実績はわずか
・6億円で購入。2013年度には新た
23
・4億円で購入、施設整備費に市が 億円
10
2、臨海部の﹁ライフイノベーション国際戦略総合特区﹂へのさらなる税金投入は中止する。
1、新たな﹁行財政改革﹂はおこなわない。
るべきです。以上の立場から、左記の項目について、中止・凍結を要望するものです。
す。今こそ、
﹁住民福祉の増進﹂という自治体の本来の使命に立ち返り、ムダな大規模事業はきっぱりと中止・凍結す
ん。こんな市政運営を続けていけば144万市民の生活はいっそう困難に陥れられ、市財政も圧迫することになりま
ら、建設に踏み出すときは﹁行革﹂の効果還元などというのは、二重三重に市民を欺くものといわなければなりませ
る た め の 財 源 づ く り だ っ た と い う こ と で す。 本 来、 最 優 先 で 取 り 組 ま な け れ ば な ら な い 事 業 を 先 送 り し て お き な が
うした分野の建設事業を限りなく先送りしてきたことは、結局、阿部市長のいう﹁行革﹂とは、大規模開発を推進す
〝聖域をつくらず、ある程度拠点整備等の大規模事業を実施していくためには︵道路・河川・公園
第1次プランで、
整備︶などの恒常的建設事業にもメスを入れて優先順位をつけていくことが不可欠〟とあからさまに述べ、実際にこ
出企業には至れり尽くせりの大盤振る舞いを続けています。
貸し付け。このように、
﹁特区﹂の名でわざわざ市が土地を取得し、民間に無償あるいは定期借地で安く貸すなど、進
に﹁ものづくりナノ医療イノベーションセンター﹂整備のための土地を
30
16
2年度からは、国立医薬品食品衛生研究所の移転建設のための土地を市が
﹁京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区構想﹂では、2010年にいすゞ工場跡地を ・5億円
また、
で購入し、そこで特区構想を先導する﹁実験動物中央研究所、再生医療・新薬開発センター﹂が事業を開始。201
出﹂など破たん済みの理由を持ち出していますが、税収増どころか市財政圧迫の要因になることは明らかです。
3万7800TEU、処理能力の3分の1にすぎません。今回の拡張計画は明らかな過大投資です。﹁税収増、雇用創
ます。しかし、年間
10
3、税金ムダ使いで破たんすることが明らかな川崎港コンテナターミナルの拡張・大開発計画は紺抜本的に見直し、
― 115 ―
12
中止を検討する。
4、臨海部再生関連の臨港道路東扇島水江町線、臨海部幹線道路の整備は凍結する。
5、国道357号線未整備区間について高速湾岸線無料化など、新たな国道整備に代わる制度を導入するなど、財政
負担を極力抑え、川崎市域の通過交通量を臨海部に誘導する。
6、公害まきちらし・まちこわしの高速縦貫道路Ⅱ期計画を中止し、川崎縦貫道路Ⅰ期の残工事、大師ジャンクショ
ン以西︵大師∼富士見︶は中止する。
7、京急大師線連続立体交差事業は、小島新田駅∼川崎大師駅までとし、高速川崎縦貫道路といっしょにトンネルを
掘る計画の川崎大師駅∼川崎駅までの別線区間は凍結する。
8、市民生活にとって不要であり、莫大な税金をかけて整備する根拠のない羽田連絡道路は、貴重な多摩川河口干潟
を破壊し、自動交通量を増大させることから計画を中止する。
十五、主権者市民が真に主役として参加し、意見表明できる民主的な仕組
み・ 市 政 運 営 を
地方分権法の成立後、地方自治体は独自施策を実施できるよう、裁量権がいっそう拡大されました。
こうした立場から、各自治体では独自の取組みを強めています。しかし、他方で、公済みな小泉内閣による﹁三位
一体の改革﹂以降、国からの財源が削減され、また一般財源化される分野が拡大することにより、自治体独自の施策
がそれを理由に中止・凍結に追い込まれている事態も進行しています。今こそ、地方自治体が憲法第8章の﹁地方自
治の本旨﹂
︵住民自治・団体自治︶に則った市政運営を徹底することが求められています。
﹁自助・共助・公助
ところが、阿部市長は2004年、川崎市の市政運営を決める﹁総合計画・基本構想﹂を定め、
のバランスのとれた地域社会﹂
﹁まちづくりを担うさまざまな主体のパートナーシップに基づく協働の取組み﹂を強調
し、その理念に基づいた市政運営を支える仕組みづくりとして、
﹁自治基本条例﹂を定めました。2006年には市民
が市政に関して意見を反映させていく仕組みの一つとして区民会議が発足し、また、
﹁パブリックコメント条例﹂も制
定され、さらに、2008年には﹁自治基本条例﹂に基づき、﹁住民投票条例﹂も制定されました。
― 116 ―
﹁総合計画・基本構想﹂は﹁自助・共助﹂で担う部分を大きくする一方で、﹁公助﹂の部分を狭め、自治体の果たす
べき役割を補完的・限定的なものに縮小し、事実上自治体の責務を放棄するものとなっています。そして、
﹁自治基本
条例﹂は、市の最高法規といいながら、主権者としての位置づけがないうえ、市民の権利が具体的に明記されず、他
方、市民の責務が強調されるなど、住民自治・団体自治の両面からみて非常に問題のある条例となっています。さら
に、2008年6月に制定された﹁住民投票条例﹂は、市長裁量が大幅に認められ、市長にとっては実に使いやすい
が、住民発議はほとんどできないことにあらわれているように、主権者である住民の権利行使を保障するという観点
がまったくないものです。住民投票とは本来、投票という手段により直接住民の意思を確認する仕組みです。﹁政治
の主権者は住民であり、その住民がみずからの意思を表明する機会を多く持つことによって、自治体の政治を活性化
し、首長と議会の責務を増すことになる﹂という役割を果たすことのできる住民投票条例に改正していくことが必要
です。
パブリックコメント制度も、
﹁政策形成過程における市民の市政への参加の促進および行政運営の透明性の向上﹂が
目的とされていますが、市民意見が十分に反映されているとは言い難いものになっています。
2009年に制定された﹁川崎市地区まちづくり育成条例﹂はこうした市長の非民主主義的な姿勢がいっそう如実
に表れたものとなっています。この条例は、限定する地域のまちづくりを住民などが話し合って一定のきまりをつく
るのに、行政がコンサルタント派遣をするなどの支援をするというものです。市民の自主的な活動に対し行政が適切
な支援をおこなうことは当然です。
﹁市民﹂の定義に営利を目的とする事業者も入れていること、第2に、地区まちづくりを
しかし本条例は、第1に、
行うことを目的とする市民等の団体が、市長の登録を受ける時など、必ず﹁特定の事業活動その他の活動に反対する
ことを目的とする活動をおこなうものではないこと﹂という条件を満たさなければならないことです。﹁地区まちづ
くり構想﹂の認定をするにあたっては、市長は﹁川崎市地区まちづくり審議会﹂の意見を聴くものとされていますが、
その委員は市長が委嘱するものとされているのです。これにより、市長が﹁この活動はよくて、この活動は認めない﹂
と市民活動の選別・排除を行うことができるということになります。第3に、
﹁市民等の責務﹂はほとんどが﹁しなけ
ればならない﹂という義務規定であるのに、﹁市の責務﹂﹁事業者の責務﹂のすべてが﹁努めなればならない﹂という
努力規定であることです。これは、市民にのみ厳しい義務を課す一方で、市の責任も事業者の責任も曖昧にすること
にほかならず、規制の方向がどこを向いているのか明らかです。これでは、
﹁育成﹂とは名ばかりの、市民運動を規制
― 117 ―
するための条例といわなければなりません。市民が主権者の立場から抜本的に改正していくことが必要です。
民主党政権が推進した﹁地域主権改革﹂は、①憲法と地方自治法の精神を踏みにじり、国の社会保障などへの最低
基準の保障責任を解体し、住民福祉の機関としての自治体の機能と役割を弱め、②道州制を視野に自治体のさらなる
広域化と改編により大企業・他国籍企業が活動しやすい条件をつくり、自治体を破壊、③憲法と地方自治法にもとづ
く﹁二元代表制﹂を事実上否定し地方議会を形骸化、住民自治の破壊・縮小化、をめざすものでした。地方自治法の
改正として、そのいくつかは成立しています。阿部市長はこうした﹁地域主権改革﹂
﹁地方主権改革﹂の内容を無批判
に取り入れ、推進する立場で動いてきました。
﹁新たな行財政改革プラン﹂と同時に出された﹁地方分権の推進に関する方針︵案︶﹂では、現在の国家システムは、
二重行政の無駄や義務付け・枠づけ、国等による関与が多く存するなどのため、少子高齢化の進展など社会・経済状
況の変化に地方自治体が迅速・的確に対応することが困難とし、
﹁基礎自治体が高い自由度のもとで自主的・自立的な
行財政運営を行なっていくためには、国の〝義務付け・枠づけ又は関与を原則として、すべて廃止することが必要〟﹂
としています。保育園を増設しないのも、特別養護老人ホームが増やせないのも、すべて義務付け枠づけがあるから
だといわんばかりです。しかし、国の基準は最低限のもので、自治体としてこれに対して上乗せ、横出しをすればい
いわけで、その姿勢で1970年代に広がった多くの革新自治体が市民のための施策を展開してきたのです。市長の
論理は、国も地方自治体も主権者たる住民の福祉の実現と基本的人権保障のために存在するということを否定し、
﹁住
民福祉の増進﹂という自治体の役割を放棄しようとすうr 態度です。市長のいう﹁高い自由度﹂とは、
〝福祉を削減す
るための自由度の拡大〟にほかなりません。自治体の役割を放棄する﹁地域主権改革﹂には反対すると同時に、国が
どうあれ、
﹁住民福祉の増進﹂という自治体の使命に立ち返り、福祉・暮らし施策の拡充に力を尽くすべきです。
一、住民自治の精神の徹底から、市民が主権者であることをきちんと位置付ける。
1、その立場から、自治基本条例を次のように改定する。
① 自 治 基 本 条 例 に は、 主 権 者 は 市 民 で あ る こ と が 明 記 さ れ て い な い 。 市 民 は 行 政 の 手 伝 い を す る も の で あ っ た
り、行政と同列なのではなく、主権者であることを明記する。
2、住民投票条例は住民が真に使えるものに改正する。
― 118 ―
①
住民投票の対象事項は、
﹁市長が意思決定していない、つまり施策として形になっていないものしか投票の対象
にならない﹂ことが、条例制定の委員会審議の中で明らかになった。これでは、市民が問題に気がついたときに
は多くの場合、住民投票にはかけられないことになる。市民が住民投票にかけて市民の意思を問いたいと思う問
題は対象になるように、対象事項は﹁現在または将来の住民の福祉に重大な影響を与え、または与える可能性の
ある事項﹂のみにする。
住民発議にとって必要な署名数を投票資格者総数の一〇分の一にしていることも、住民投票を発議しにくくし
住民投票は﹁間接民主主義を補完するための制度﹂と市自身も認めていることから、議会への協議は削除する。
②
③
投票日は、問題によっては機を逸することがないように、国政・地方選挙と投票日とは別にして、単独投票日
て、市民の手を縛ることになっている。必要な署名数は投票資格者総数の二〇分の一にする。
④
とする。
二、市民参加を実効的なものにするため、次の各制度を改正する。
1、市民意見を充分市政に反映できるよう、パブリックコメント制度を改正・活用すべきである。
① パブリックコメント制度の目的に、
﹁市政運営に市民意見を反映するため﹂と加え、政策決定過程にパブリック
コメントの内容をどう取り入れるか検討する場を加える。
② パブリックコメントはホームページだけでなく、区役所や図書館など公共施設に印刷物を置き、誰もが自由に
持ち帰って意見を述べられるようにする。受取人払いの封筒をつける。
③ 市民意見を募集したい事案については、該当地域や全市を対象に説明会を開くなど、あらかじめ市の考え方を
説明する機会を設け、市民が理解したうえで意見を述べるようにする。
2、いまある区民会議は公募委員を増やすなどで、市民の声が反映できる仕組みにすること。
3、各区の区長の選出については準公選制を導入します。
4、審議会等の市民公募委員を増やし、議事録を公開する。
三、団体自治の精神を徹底する立場から、左の事項を実現する。
― 119 ―
1、自治体行政を住民から遠ざけ、小規模自治体の自治権を奪い、切り捨てることのにつながる道州制と市町村合併
のおしつけはやめるよう、国に要求する。
2、市が計画している大都市制度への移行は、撤回する。
― 120 ―
区民要望書
︹一︺川崎区
建替え計画のない京町市営住宅︵五階建て︶にエレ
ベーターを設置する。
元木町交差点は県下で交通事故ワーストワンです。
歩道・車道分離式信号機に改善する。
小田栄のエスパ前に信号機の設置をする。
J R川崎駅前の放置自転車対策の一方策として、レ
ンタル・サイクルとコミュニティーサイクル制度を導
市民が自由に作物を栽培できる市民農園を作る。
民間が行う介護をかねた高齢者住宅を支援する。
入する。
1 川崎駅南口改札口を開設するようにJ Rにはたらき
かける。
さいか屋前通りの歩道上の駐輪所を移設して障害者
や高齢者の歩行の安全対策を確保する。
︵中央地域︶
2 小川町の現在の自転車置き場の所に観光バスの駐車
場を設置する。
京町1丁目の元神奈川県職員寮とアパートを買収し
避難所を兼ねた高齢者が気軽に集えるものにする。
川崎駅前に機械式自転車駐輪場を設置する。
待機児解消のため川崎区に認可保育所を建設する。
18 17 16
小田1丁目の機動隊宿泊施設が廃止されますがみん
なが集えるコミニュティー施設を設置する
21 20 19
川崎市防災センターを改築し特別養護老人ホームを
併設する。
22
2
生態保持空間に指定されている河口干潟をはじめ、
1 大 師 支 所 の 区 民 課 業 務 区 役 所 へ の 統 合 を 止 め、 保
健・福祉機能は、充実、強化する。
︵大師地域︶
23
― 121 ―
12
13
15 14
3
京急八丁畷駅前の安全対策を早期に実施する。
4 川崎中学校にプールを設置する。
5 福祉センター再整備計画の中に特別養護老人ホーム
建設を位置づける。
6 民間借り上げ方式による市営住宅を建設する。
7 堤根にある東海道線矢向踏み切りは開かずの踏切で
す。人と自転車用の跨線橋を設置する。
8 京町2丁目の通学路交差点に信号機を設置し児童の
安全を守る。
9 旧東海道の小川町地区をモール化し、客の回遊性を
高め、商店街の活性化を図る。
川崎図書館利用者の自転車駐輪場を設置する。
渡田地区にコミュニティーセンターを建設する。
11 10
都市部では貴重な自然を有する多摩川を保全し、市民
の憩いの場として再生させる。市民に利用しやすいよ
う河川敷の整備を積極的におこなう。
ア 多摩川河川敷のサイクリングコースは毎年点検を
して整備をする。
イ 多摩川に親しみ利用し易くするために、味の素中
瀬門より河川敷までの道路を設けるよう企業に働き
かける。中瀬・大師河原地域の河川敷グランド利用
8 殿町三丁目地区の整備計画に、近隣住民の意見を反
映する。新たな自動車公害を呼び込むような計画はや
める。
9 横 羽 線・ 産 業 道 路 の 排 ガ ス 対 策 と し て 、 ジ ー ゼ ル
車、大型車の交通規制と自動車の通過課徴金制度を実
施する。沿道の長時間駐車を禁止し、アイドリングス
トップを厳守する。
京急大師駅の立体交差事業では、各駅にエスカレー
ター・エレベーターやスロープの設置を図る。
エ バードウォッチング用などのために野鳥の案内板
を設置する。
ウ 多摩川河口付近の貴重な動植物は最近減少してい
る。保護するための取り組みを早急に計る。
池上新町の商業施設物流センターによる交通量増
加、大気汚染悪化に対する対策を具体的に検討する。
南部地域︵田町・扇町・四谷下町・日の出︶に保育
園をつくる。
大師線の跡地は緑の散歩道とし、多摩川河畔と結ん
だ町づくりをすすめる。
者のための駐車場を確保する。
3 公園のない町、東門前二・三丁目、昭和町二丁目、
大師駅前一丁目に公園を整備する。
4 大師地域の雨水による浸水被害対策をすすめる。特
に池上新町地域の雨水浸水対策では、貯留管の整備な
ど抜本的改善を早急にすすめる。
5 地元商店街を破壊するさらなる大型店の出店は、中
止する。
6 産業道路沿道の街路樹の植え替えを行い、環境改善
を行う。
7 産業道路駅からのバス路線は新設されるが、主に直
通バスなのでさらに殿町地域方面へのバス路線を増や
す。
臨港道路東扇島水江町線は中止する。
四谷上町けやき公園に時計を設置する。
中島公園前の信号機の時差を解消して横断歩道を安
全に渡れるように改善する。
︵田島地域︶
1
小田地区に市民館図書館分館を建設する。
2 田 島 支 所 の 区 民 課 業 務 区 役 所 へ の 統 合 を 止 め、 保
健・福祉機能は、充実、強化する。
3 小田公園の再整備を早期に実施する。再編整備に合
― 122 ―
10
11
12
13
16 15 14
わせ、京町通に架かる歩道橋を撤去し、信号機付横断
歩道を設置する。
4 小田地区、桜本地区など住宅密集地域の耐震対策に
ついては、不燃化と同時に他都市の事例など参考に、
住民と協同して、避難経路の確保、耐震マニュアルの
作成などソフトの面も充実する。小田二・三丁目の住
宅総合整備事業は、〇八年度から新たな事業に変更さ
れたが、実効性のあるものにするためにも、国からの
押し付け的な内容ではなく、地域の実情を考慮し、住
民合意と同時に、対象地域の拡大と事業の促進を図る。
5 浅田から産業道路沿いに大師方面へのバス路線を開
設する。
夕方に渋滞を招いている追分交差点の鋼管通方面か
ら駅方面への車線数の増設など、所轄警察と協議しな
がら、早急に対策を講じる。
県立川崎南高校の活用については、安易な売却をせ
ず、 ス ポ ー ツ 施 設 や 福 祉 施 設 な ど 市 民 の 意 見 を ふ ま
え、市民利用施設等に活用する。
市立大島小学校わきの歩道を拡幅する。
︹二︺幸
区
1 公害まきちらし・まちこわしの高速川崎縦貫道路二
期 計 画 は 中 止 し、 1 期 計 画 の 残 工 事 、 大 師 ジ ャ ン ク
ション以西︵大師∼富士見︶は中止する。
2 国道1号線の二車線化への着実な実施と人に優しい
歩道、自転車の専用道路を確保するとともに、 年前
の都市計画についても見直しを検討する。
間の短縮をJ Rに強力に働きかける。特に電車通過後
速やかに遮断機が上がるようにする。
4 ﹁新川崎地区・地区計画﹂で鹿島田跨線橋南側に施工
中の鹿島田跨線歩道橋から﹁新交通広場﹂へのアクセ
スはエレベーターだけとなっているが、完成後の実態
を 踏 ま え、 エ ス カ レ ー タ ー の 設 置 も 検 討 す る。 こ の
﹁交通広場﹂が、新川崎駅前の鹿島田跨線橋でのタク
― 123 ―
11
12
13
3 J R南武線の武蔵小杉駅∼尻手駅間の連続立体交差
事業を促進する。事業化までの対策として踏切遮断時
62
6 市道池田浅田線︵京町通︶から天飛トンネル、教育
文化会館前を通り、市役所前に向かうバス路線を新設
する。
7 愛泉ホームのリニューアルに当たっては地元要望を
充分に反映する。
8 内陸運河を市民が水に親しめるものにする。
9 住宅地内に存在する工場について、住工混在地域の
解消のためにも、臨海部へ移転を希望する企業につい
ては、川崎市が積極的に臨海部へ誘導を進める。その
際、厳しい経済情勢を考慮し、融資制度や助成制度な
どを充実し活用を図る。
小田三丁目踏み切り付近の歩車分離など安全対策を
早急に行う。
10
2先に信号を設置できるよう関係
北加瀬1丁目
機関に働きかける。
33
ラゾーナ開設にともなう周辺の交通アクセスの改善
を図る。
−
シーの客待ち車列解消に寄与できるよう、タクシー協
会と協議する。
5 鹿島田駅西地区再開発事業や周辺の開発によって新
川崎駅利用者の増加が見込まれるが、新川崎駅の新た
な改札口設置並びに新宿湘南ライン快速電車停車の可
能性を追求する。新しい交通広場から東急東横線に繋
がるバスの新路線の可能性を追求する。
6 新川崎駅前のバス停に上屋を設置する。
7 古市場方面から新川崎駅へ、また日吉地域から新川
崎駅・区役所へのアクセスが可能になるコミュニティ
バスを検討する。区役所を中心としたコミュニティバ
スを検討する。
8 矢上川橋の幸区側に補助灯つきの信号機を設置する。
9 鹿島田市営住宅居住者転居後の用地活用について
は、防災公園の整備など周辺住民の意見を集約し活用
方針を定める。
J R鹿島田踏切の遮断機が上がると待機していた歩
行者と自転車が車道にまで広がって危険であり、自動
車の走行を妨げているので、踏切内の歩道の拡幅を検
討する。
日吉地域の浸水解消対策を早期に具体化する。雨水
貯留管排水区外の対策として各戸に雨水を貯留する水
ガメなどを設置する補助制度を新設する。
北加瀬・南加瀬地域の歩道敷にあるU字溝をL型側
溝に改善する。
イ
幸町交番前交差点を右折できるようにする。
ロ
土・日のラゾーナの交通渋滞を解消する。
ハ
不足している川崎駅西口の駐輪場を増設する。
ラゾーナ西側道路の街路灯を増設する。
多摩川古市場河川敷のトイレの簡易水洗化の増設を
すすめる。
河原町団地内の孤独死実態調査をおこない、独居老
人対策を強化する。
ホームレスの生活・健康を支援し、幸緑道・南河原
公園から転居自立できるよう対策をすすめる。
川崎市民が多く利用するJ R矢向駅を安全・安心に
利用するために、横浜市・J Rと協力し橋上駅舎化の
早期実現をはかる。
J R 川崎駅の北口自由通路の建設について地域住
民、地域商店会の意見を聞く。歩行者と分離した自転
車も通行できる構造を検討する。また、川崎駅を横断
する自転車用地下通路を検討する。
市営小向住宅の建替えでは、老人いこいの家など、
社会福祉施設の併設を検討する。
多摩川河川敷の木下紙業からラジオ日本のアンテナ
塔までを整備して緑が少ない幸市民の憩いの場にする。
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11
12
通称プール道路の歩道部分の改善がすすめられた
が、引き続き水の浸み出しや汚れ対策と清掃の徹底な
置をめざす。
エ 老人いこいの家を未設置地区になっている今井地
域への建設を急ぐ。
オ 井田病院のシャトルバスの運行については、適宜
調 査 を お こ な い、 運 行 本 数 の 増 便、 運 行 時 間 の 延
ど環境整備をすすめる。
矢向駅から塚越踏切に至る道路の側溝整備を含む道
路計画を立てる。
カ、上小田中6丁目にある警察官舎閉鎖後の跡地につ
設置などの具体的な設置計画を急ぐ。
少年野球場や最近要求が出ているパークボール場の
については再度、関係団体等を含めて協議を行い、
エ 等々力下水処理場の上部の暫定利用は、市民が憩
える芝生の多目的広場に整備する。また、上部利用
ウ 等々力緑地内のジャブジャブ池の水を定期的に放
水して循環させる。
める。
うに整備する。全面的バリアフリー化を早期にすす
イ 等々力公園内を散策したり、ジョギングしたり、
車椅子でも公園内を安全に、自由に行き来できるよ
能も確保する。
2 文化スポーツ施設を充実させる。
ア 玉川地区ならびに新城・上小田中地域に生涯学習
活動と市民活動の拠点施設を整備する図書館分館機
して、土地の確保につとめる。
いて、市民ニーズの高い保育園等の活用を県に要望
病院再編整備終了後も運行を継続する。
長、途中停車、他の駅からの運行をすすめる。井田
南河原公園の整備をすすめる。
イ 噴水・カナールの水の循環を改善し、汚れを除去
して子どもが水遊びできるようにする。
ロ 南河原こども文化センターの修繕と施設・設備の
充実を図る。
幼稚園児、小学生も利用する南河原歩道橋の塗り替
えを検討する。
︹三︺中原区
1 福祉・医療・教育施設の整備をすすめる。
ア いまだ不足している特別養護老人ホーム、小規模
特養ホーム、小規模多機能型介護施設を区内でもあ
らゆる方法で適地を確保し、建設する。人口急増地
域である丸子地区に地域包括支援センターを整備す
る
イ 子育て世代がいちばん多い中原区。区内全域に認
可保育園の増設をすすめる。中原区の病後児保育施
設を整備する。
ウ 子育て支援センターは小学校区に1か所づつの設
― 125 ―
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24
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26
が隆起したり、沿線家屋の下まで根っこが侵入し、
ク 南武沿線道路と木月大町∼全龍寺の歩道部分の樹
木が育ちすぎて、根の張り出しがひどくなり、歩道
3 交通安全対策をつよめ、道路の改修をすすめる。
ア 区内の交通事故多発地域を総点検し、交通安全対
策を確立する。
沿線道路のでこぼこ状態がひどくなった歩道につい
ウ 下水道未整備地区の整備を促進する。下水幹枝線
整備を急ぎ水洗化区域を拡大する。
イ 雨水貯留管のバイパス管の設置を急ぐ、渋川の親
水化をすすめる。
4 下水道整備、水路対策をはかる。
ア 下水道整備完了地域のL型側溝整備を積極的に推
進する。
シ 大谷戸小学校の児童の通学路になっている変形5
差路の安全対策をはかる。
サ 新城駅西口から新城駅に入る変形五差路の安全対
策をはかる。
コ 等々力水処理センターに面した道路に歩道を設置
する。
ラー化・イメージハンプなど︶の設置を推進する。
策︵ 交 差 点 内 の カ ラ ー 化 交 差 点、 交 差 点 流 入 部 カ
分を色分けするとか、工夫する。交差点注意喚起対
ケ 自転車と共生するまち中原として、一定の幅員が
確保できる歩道については、歩行者、自転車通行区
促進する。
て、透水性舗装打ちかえ工事︵バリアフリー化︶を
迷惑をかけている。それらの改善に取り組む。南武
イ 多摩沿線道路の信号機、横断歩道が設置されてい
る付近の階段、スロープを整備する。また、手すり
を設置する。
ウ 道路危険箇所を総点検し、夜間に効果があるソー
ラ式の﹁危険と注意﹂を促す表示板を計画的に設置
する。また、危険な交差点の﹁止まれ﹂の標識を夜
間対応のものにする。
エ 四〇九号線歩道のアップダウンを解消し、U字型
側溝の蓋のガタつきを解消する。透水性舗装工事を
急ぐ。
オ 大戸小学校の下小田中4丁目の歩道︵水路の上部︶
のアップダウンを解消する。私有地や駐車場の出入
り 口 に つ い て も 透 水 性 舗 装 工 事 を 行 い、 バ リ ア フ
リー化を促進する。
カ 小杉駅周辺のバリアフリー化について整備を促進
する。視覚障害者用誘導ブロックを整備し、歩車道
の 縁 石 を 2㎝ に 徹 底 す る と と も に、 縁 石 に 斜 め に
カットをいれるなど、より通行する人にやさしいも
のを促進する。
キ 歩道が整備されたところで、東電、NTTの電柱
が歩行者の妨げになっているところは、早急に移設
させる。
︵宮内交差点︶
― 126 ―
エ 矢上川の河川管理道路に下水本管敷設を急ぎ、水
洗化を促進する。
オ 既設側溝の不完全な箇所は蓋かけをし、早急に改
良する。側溝は定期的に清掃し、老朽化のはげしい
童の安全確保のための努力をすすめる。
エ 混雑が激しいJ R武蔵小杉駅プラットホームにつ
いて、安全性を確保するため、階段の増設、ホーム
幅の拡幅を行うこと。線路への落下事故防止のため
オ 御幸踏切の安全性と利便性を確保するため、自転
車用スロープとエレベーターを設置した跨線橋につ
安全柵を設ける。
カ 歩道として使っている水路上にかかった溝蓋板を
総点検し、ガタつきを直すためにロングパキンを敷
けかえること。踏切の閉鎖時間をテロップで知らせ
側溝については改修する。
く。また、使用していない水路の暗渠化を計画的に
ること。
と協議し改善する。
カ 騒音がひどい横須賀線の多摩川を渡る陸橋部分に
防音壁などをつくる騒音対策について、J R東日本
すすめる。
5 交通空白地域をなくす。
ア 国際交流センターをアクセスし、下小田中地域を
通って武蔵小杉駅などの主要駅までを結ぶミニバ
ス・コミュニティーバス路線を新設する。
キ 元住吉駅にトイレを設置し、月極め駐輪場を早期
に整備する。駅構内のトイレは一般市民でも﹁使用
可﹂となっているが、知らない住民が多い。駅前の
市︵区︶広報掲示板でトイレ使用ができる案内をす
イ 小杉陣屋町、井田三舞町、井田杉山町、下小田中
三丁目、下小田中六丁目、及び井田病院周辺地域に
は、ミニバス・コミュニティバスを導入する。
る。元住吉駅西口駐輪場など、混雑時には、職員を
ク 武蔵野南線による騒音振動対策を強化するよう、
J R貨物に要請する。
配置して対応をはかる
ウ 宮内新横浜線を利用して溝の口・新城・小杉駅バ
ス路線を新設する。
6 南武線及びJ R線、東横線関連では、次の施策をす
すめる。
7 住みよい市民本位のまちづくりをすすめる。
ア 上丸子小学校区など、中原区で公園の優先配置地
区になっている7地区について、公園の設置をすす
イ
二 カ 領 用 水 の 清 流 化 を 促 進 し、 清 掃 と し ゅ ん せ
める。
ア
武蔵小杉駅以南の連続立体交差事業をすすめる。
イ 高架下の活用は市民のための施設を最大限確保す
るよう引き続き努力する。
ウ 児童増に伴って混雑している向河原駅前踏切の拡
幅については、工事を早期にすすめ、ひきつづき児
― 127 ―
つ、 定 期 的 に 維 持 用 水 を 放 流 し、 水 質 浄 化 を は か
る。親水化未整備地域は年次計画を立てて完成を急
⑥ 小杉全体のまちづくりに責任をもつ行政の窓口を
明確にし、住民の参加と合意でまちづくりをおこな
ウ 渋川の整備・親水化を地元住民と協議してすすめ
る。当面、カルガモや動植物の生態系を確保しなが
激な少子化時代を迎え、川崎市も2030年を境に
⑦ 今後も超高層マンション建設が計画され、小杉周
辺は超過密都市になろうとしている。日本全体は急
う。
ら定期的に雑草刈りの作業をおこなう。渋川の親水
少子化時代を迎える。新規公共事業投資ゼロの社会
ぐ。
化整備に伴い、清流を活かした自然エネルギー・水
の到来が予想されている。増々きびしくなる﹁選択
積率の緩和は他の地域の活力を奪う、との指摘があ
と集中﹂のなかで、選択地域は政策過疎になり、容
力発電整備をすすめる。
エ 井田・上平間市営バス営業所は、公共施設の併設
など有効活用をはかる。
ふさわしい人間が大切にされるまちづくりこそ求め
年、100年先のまちづくり、少子化社会に
オ この間の武蔵小杉周辺再開発・超高層マンション
建設では以下の対応が求められている。
の手法である小杉駅周辺再開発のやり方を抜本的に
る。
① 子どもの育ちを保障していくためにも園庭が確保
された認可保育園の整備や、周辺に公園の整備をす
すめることは喫緊の課題。
② 児童、生徒の急増で、周辺小中学校の受け入れは
限界にきている。小学校の新設を早期にすすめ、上
丸子小学校の改築も早期にすすめる。
③ 周辺商店街が活力を取り戻せるように、市が知恵
だしも含め、商店街との協議をすすめ、実りある成
果がだせるよう努力する。
④
超高層マンションの防災対策を具体化する
⑤ この周辺の文化施設があまりにも貧弱。事業者と
も協議して、区民が気軽に利用できる文化施設を整
備する。
られている。高度経済成長期の規制緩和の都市再生
見直すこと。
カ 武蔵新城駅の広場地下に耐震性貯水槽の設置をは
かる。
キ 井田山、伊勢山台など、区内に残された貴重な斜
面緑地を保全するため、積極的に買収、保全協定締
結などの措置をとる。特に、開発が頓挫している斜
面緑地への対策を急ぐ。
ク 江川のせせらぎ水路整備事業、井田山緑地を含む
区民の健康の森にかかわる維持管理計画を作成し、
行政の責任を明確にし、住民の意見を反映した十分
な財源措置をはかる。江川せせらぎの藻の発生・悪
― 128 ―
50
臭の原因を明らかにし、抜本的に水質改善をはかる。
ケ 第三京浜の高架下︵中原区内に隣接する区間を含
めて︶の防災・騒音・大気汚染などの抜本対策をお
こなう。
コ 多摩川宮内河川敷をマウンドアップした土盛りを
おこなう。また、この基準面にあわせて護岸工事を
ツ 7年間にもわたる富士通改築計工事は、周辺住民
の意見要望をよく聞く場をもち、丁寧な対応をはか
る。
テ 宮内市営住宅七号棟が解体されることになり、住
民は動揺している。住民の要望に丁寧にこたえ、住
シ 河川敷のサッカー場に排水管を敷設し、水はけを
良くするよう国土交通省に働きかけ、実現する。
サ 多摩川河川敷、特にガス橋付近、簡易水洗トイレ
を設置する。
2 高津地区内に公有地・民有地を活用し、特別養護老
人ホームを整備する
1 高津区の人口急増に対応した場所に認可保育園を新
設する。
︹四︺高津区
居を確保し支援する。
ス 東京湾の富栄養化対策によってすすめられている
下水の高度処理水化事業の進捗状況を公表するとと
計画する。
もに、自治体負担の軽減策を抜本的にはかる。
4
溝口駅北口周辺の自転車等駐車場を増設する。
ア
東急溝口駅複々線の高架下に駐輪場を整備し放置
自転車をなくす。
備を進める。南口広場の駐輪場の整備を促進する。
3 J R溝口駅南口のバス・タクシー・自転車駐輪場を
ふくむターミナル広場の本整備と野川・柿生線道路整
セ 新設された下小田中西辺公園に時計を設置する。
未整備の公園についても計画的にすすめる。
ソ 宮内新横浜線整備によって立退きをはじめ影響を
受ける住民や事業者に対しては意見や要望を積極的
に聞き入れて、誠意をもって対応する。
チ 老朽化している下小田中小学校を改築する。避難
所となっている体育館は、老朽化、狭隘化、トイレ
5 ノクティ地下駐輪場は高津市民館来館者用の駐車、
駐輪場料金を無料とする。
タ 雨水工事をきっかけに、短期間に3度の地盤沈下
イ J R用地の提供をつよくはたらきかけ駐輪場を整
をおこしている新城地域の地盤︵地質︶調査を行う。
備する。
も設置されていない。プールとあわせて先行して速
6 鉄道事業者の責務として二子新地駅および高津駅直
近の高架下に、当初計画通りの収容台数の駐輪場を整
やかに改築をおこなう。
― 129 ―
備する。工事の早期着手をはかるよう、東急との、協
多摩川河川敷のバーベキュー対策について、201
1年度の管理運営の実態から課題を整理し,指定管理
7 J R津田山駅の橋上駅舎化を計画どおり進める。工
事中を含め、緊急時対応のためにも、駅員を常時複数
者、車がスムーズに運行できるような対策を講じる。
から多摩川入り口までの商店街道路が狭いので、歩行
議を促進する。
配置する。定期券、長距離切符の販売を復活すること
指定管理に移行しても行政として責任をもつために関
者が適切な管理運営ができる様協議する。二子新地駅
をJ Rに要望する。雨天時のホームの安全性を確保す
係 す る 機 関 で 検 討・ 協 議 の 場 を 継 続 的 に も う け る 。
多摩川河川敷の砂塵公害防止や清掃など、沿線住民
の生活に支障をきたさないよう、充分な維持管理を行
要望を引く続き把握する。
バーベキューについて、周辺の商店街や住民の意見,
るため屋根をホームいっぱいに拡張する。
8 津田山駅は緑ヶ丘霊園と北部祭宛、こども夢パーク
などの公共施設のある駅前にふさわしく、駅前広場を
整備する。橋上駅舎の完成までは、ホームと駅舎を結
ぶインターホんを設置する。
9 緑ヶ丘霊園にお彼岸やお盆などお墓参りのお客さん
の多い時期だけ期間限定のミニバスの運行を来年度以
降も引きつづき行なう。運行ルートやダイヤについて
もきめ細かに設定する。霊園内にあずまやを増設する。
きらりデッキに市民にわかり易い電光案内標識を設
置する。
片町踏切りの安全対策のために、都市計画道路の整
備促進を図る。
溝の口駅から新城駅までの南部沿線道路の歩道が狭
い部分の歩道を確保し安全対策を図る。坂戸踏切付近
の安全性を図る。第3踏切と南武線の立体交差すると
ころの南部沿線道路の線路側が通行止めになって遣わ
れていない。坂戸踏切近くの自動車学校の土地を買収
し歩道の整備を行なう。
う。グランドの整備と拡充を行う。水はけが悪いグラ
ンドの整備を行う。花畑︵瀬田、久地︶の管理をゆき
とどいたものにする。
高速川崎縦貫道路二期ルート及びインターチェンジ
関連施設は白紙撤回し、抜本的に再検討する。
平瀬川墜道の拡幅計画事業にかかわる津田山町内会
館は市の責任で再建する。
人間国宝・陶芸家・浜田庄司記念館の建設計画をす
すめる。
地下室マンション建設等の乱開発から、七面山付近
一帯、久本神社付近一帯の斜面緑地を守る措置・対策
を講じる。
溝口九四一番地︵かすみ堤︶を住民とともに保存の
在り方等を検討しながら、整備し、円筒分水 二, か領用
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溝の口及び梶が谷駅から井田病院行きのシャトルバ
スを運行する。
水、梅林、大山街道と続く歴史と自然の回廊として整
備する。国土交通省と交渉をすすめる。
溝の口駅から高田町行きのバスを増便する。
二ケ領用水を市民に親しまれる﹁水と緑の回廊﹂と
してひき続き整備を進める。清流化の促進、親水緑道
の新設とともに地域住民と協力しながら水辺の自然の
回復、育成に努める。
坂戸・ミツトヨ・KSP側交差点の横断歩道に信号
を設置し、ミツトヨのセットバックの協力を得て、歩
道を確保する。
末長踏切と第三京浜区間︵小杉・菅線道路︶に歩道
を新設する。
府中街道の久地地内︵堰前橋∼久地消防出張所前︶
区間は、安全な歩道づくりをすすめる。
32
千年地域に、老人いこいの家をつくる。
人口急増地の蟹ケ谷・子母口地域に保育園を増設す
る。
梶が谷駅西側に、交番を設置する。
梶ヶ谷駅に駐輪場を増設する。
36 35 34 33
二ヶ領本川中長期的な整備として護岸対策も含め、
検討をすすめる。
上作延小学校と南原小学校周辺に交番を設置する。
溝口・栄橋の信号待機場所︵栄隆寺側︶の傾斜を緩
やかにし、安全をはかる。
下水道の未整備地区を住民の合意のもと早急に整備
する。
久末や末長・新作・蟹ヶ谷、上作延などの残された
貴重な緑を守るため、地権者の協力を得て、緑地の保
橘地域に、スポーツ施設︵グラウンドを含む︶を設
置する。
久末城法谷に現存する旧海軍通信隊地下壕を文化財
に指定し、市民に公開する。
梶が谷地域に市民館・図書館分館を建設する。
橘樹郡衙︵たちばなぐんが︶遺跡が﹁古代の緑地公
園﹂として整備されたが、さらに当時の﹁正倉﹂など
溝の口駅から向ヶ丘遊園駅まで、及び二子玉川から
登戸・向ヶ丘遊園までのバス便を増やす。
溝の口駅から有馬第2団地行きのバス便を増やす
を復元する。水場、トイレを設置する。
多摩川の堤防の上にある東急﹁南二子﹂のバス停に
行く道の安全を適宜確認し草狩りや道路の安全を図る。
もバス定期券の発行を認める。
子母口小学校の仮設小学校への通学路の安全対策を
常時点検し、早急に対応する。学童保育に通う児童に
38 37
41 40 39
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﹁ た ち ば な 公 園 ﹂ の 全 面 整 備 を 急 ぐ。 公 園 に マ ン
ホールといれ、かまどベンチ等防災機能も整備する。
全を積極的にすすめる。
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公園の少ない新作・末長・上作延地域に公園の設置
をすすめる。
は、周辺住民の合意を前提にし、抜本的に再検討する。
丸子茅ヶ崎線の千年交差点の拡幅を早期に進める。
高津区内の既設公園の老朽化した遊具等を早期に改
修、改善する。
市営住宅のバリアフリー化を進める。特に、和風ト
イレの洋風トイレ化を早期に進める。
橘処理センターの汚染調査を定期的に行い、地域住
民に情報を逐次知らせる。
58 57
児 童 の 通 学 路 と な っ て い る 矢 上 川 の 五 反 田 橋 に、
﹁人道橋﹂をもう一本設置する。
横浜との市境道路︵久末地域︶の危険な箇所に街路
灯を増設する。
蟹ケ谷三番地の久末方面への通り抜け道路の安全対
策を、地域住民︵横浜市を含め︶と協議の上、早期に
解決する。蟹ヶ谷バス停前の横断歩道に信号機を設置
する。
久末方面からの溝ノ口駅行きのバス増便をはかる。
また、久末団地線の井田病院行を設置する。久末地域
にコミュニティバスの運行をはかる。
市営住宅の劣化調査をすすめ、新作・明石穂・上作
延住宅などを早期に改修する。エレベーターを既設住
宅に早期に設置する。インターホンを設置する。
市営住宅の集会所は、地域住民にわけへだてなく開
放する。
急傾斜崩壊危険区域の防護壁等による安全対策工事
を急ぐ。
上作延地域から緑ケ丘霊園への避難路の整備をひき
続き行う。
第三京浜野川インターチェンジ建設計画について
市営末長住宅の建て替えを急ぐ。
59
宮前区役所及び周辺公共施設への交通アクセスの
改 善 を 図 る。 と り わ け、 五 所 塚 地 域 や 野 川 地 域、
行う。
宮前区地域交通環境整備事業とともに、区役所へ
財政支援を実施する。野川南台地区のコミュニティ
ティ交通を早期に実現するよう、運行経費に対する
のアクセス改善を行う有馬・東有馬地区のコミュニ
②
鷲ヶ峰・菅生が丘地域からの改善の検討を引き続き
①
︵1︶交通の利便性・安全性の改善に向けて
︹五︺宮前区
る。
老人ホームの整備など、可能性を検討し、整備をはか
久末地域に当該地域内の県有地、大谷市営住宅の廃
止後の活用、市営久末住宅の改築にあわせた特別養護
61 60
交通に対しても、運行経費への財政的支援を行う。
― 132 ―
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56
白幡台地区・高山団地周辺へのコミュニティ交通の
導入を検討する。
③ 向ヶ丘遊園駅菅生線の整備に伴う、バス路線の新
設にあたっては、自治会・地域住民の声を聞く機会
を設けるなど、地域住民の声を反得させたものにす
る。また、地域要求の高い、たまプラーザ駅への路
線の新設を検討する。新路線整備にあわせ、ミニバ
スなどの導入で高山団地周辺の利便性を向上させる。
④ 柿 生 線、 犬 蔵 線、 鷺 沼 線 を は じ め と し て、 朝 の
ラッシュ時や雨天時の乗り残しを解消するため、実
⑩ 障害のある方にも利用しやすい町にするため、公
共施設周辺や福祉施設周辺のバリアフリーおよび、
安全歩行の総点検を障害のある方たちとともに行う。
︵2︶災害に強い街づくりのために
① 宮前区防災計画の見直しを進め、最大の被害想定
に見合った防災備蓄ができるようにする。
②
m
③ 日 本 精 機 グ ラ ン ド は、 現 在、 災 害 時 の ヘ リ コ プ
ター︵消防局︶の発着所に指定をされていますが、
区民の一時避難場所としても活用できないか、検討
する。
④ 大震災を想定した斜面地・造成地の安全対策を引
き続き、予防対策が進むよう、公的支援を強化する。
⑤ 集中豪雨などが頻発する現状に見合った下水道計
画になるよう、時間降雨量 ミリの基準を見直す。
関係住民の意見や要望を積極的に反映させる。
量確保対策を具体化する。親水化事業については、
⑥ 宮崎排水路の整備を行う。
⑦ 下水道の幹・枝線工事を促進し、普及率を引き続
き高める。平瀬川、矢上川、有馬川の水質浄化と水
52
― 133 ―
態調査を行い、増便・増車・ダイヤ改正を至急検討
する。神木本町折り返しバスを増便する。
⑤ 東急田園都市線のホームドア対策を進めるよう事
業者に働きかける。
⑥ 東急田園都市線の鷺沼駅までの複々線化計画を促
進し、鷺沼駅の全面蓋がけと駅前広場の拡大、タク
シー乗り場の増設、駐輪場の設置、西口広場の整備
新たな宅地開発を行う場合には、時間降雨量
ミリ
及び橋上駅舎化の具体化を図る。国、東急に働きか
を超える雨量にも耐えうる整備を行うよう指導する。
⑧
宮前平駅へのエスカレーターの設置を働きかける。
⑨ 宮崎台駅前の交通混雑解消のため、駐車スペース
の確保を行う。
改善を事業者に働きかける。
⑦ 駅前広場が狭い宮前平駅のモニュメントスペース
を改善し、ラッシュ時等の通行がしやすくなるよう
けを強める。
52
きるようにする。その際、専任職員の配置を行う。
③ 各保育園の蛍光灯を飛散防止シール加工の物に取
り換える。
︵3︶引き続き、区内の放射線観測を持続的に行い、区民
に公表する。
④ 小・中学校の窓ガラスの清掃を、1年に一度は実
施する。
崎・野川小のようにスペースが利用児童数に合わず
育 の 機 能 が 果 た せ る よ う に す る。 ま た、 鷺 沼・ 宮
象児童に対する専用室・専任職員を配置し、学童保
スが確保できているところは、実施要綱に従い、対
さびしい思いをしないように、二クラス分のスペー
⑩ ﹁学童保育事業﹂が整備されるまでの間、﹁わくわ
くプラザ﹂において、学童保育の対象児童が放課後
た、学童保育事業を進める。
が利用できるよう、﹁わくわくプラザ﹂とは区別し
⑨ 自主学童ホールの運営費への補助を実施する。直
営・自主運営を含め、すべての小学校区で学童保育
る。
⑧ 中学校の昼食は、食育として位置づけ、自校方式
︵小学校との連携も含め︶で、学校給食として実施す
場所の確保を行う。
りスポーツを通して育成が保障されるように、活動
⑥ 宮前平・野川中学校など校庭が狭いため授業や部
活動にも支障をきたしている。児童・生徒が思い切
⑤ 小学校・中学校の老朽箇所の改善と、トイレの改
修を進める。
① 放射線観測を学校施設・保育園施設・公園など、
こどもの生活する場所を定期的に観測し、情報を公
開する。
②
宮前区の汚染地図を製作する。
③ 農地など民有地についても、地権者等から要望が
ある場所についても、可能な限り観測を行う。
④ 北部市場での食品の放射能検査を引き続き行うと
おもに、検査品目を増やす。
︵4︶向丘出張所の機能再編にあたって
① 年金や健康保険など区民の疑問や相談に対応でき
るよう、相談機能の充実を図る。
② 宮前区役所までの交通アクセスを改善する。︵再
掲︶
︵5︶子どもがのびのび育つ環境を
① 保育園の待機児解消に向け、新設・増設に引き続
き全力をあげる。防衛省の用地を活用するなど、菅
生地域の保育園不足を解消する。
② 鷺沼子育て支援センターにおいて、一時保育がで
― 134 ―
狭隘な施設は、引き続き場所の確保に努める。
⑪ 雨の日でも遊べるログハウスを東高根公園に整備
できるよう県と協議する。
︵6︶公的な住環境の整備を
① 市営住宅の耐震対策は住民に十分な情報提供・説
明を行うとともに、計画をできるだけ早め、早急に
工事を進める。
② 地震災害への予防策として、家具の転倒防止が有
効とされています。市営住宅内でも、家具の転倒防
止対策の啓発を行う。
③ 市営住宅の建て替えにあたっては、住民の要望を
よく聞き取るとともに、生活環境があまり変わらぬ
よう配慮する。
④ 住民の高齢化も進んでおり、エレベーター化を条
件のあるところは、早急に進める。
⑤ 有馬・高山・野川・清水台・鷲ヶ峰・菅生・南平
などの市営住宅の雨漏りや結露防止策を引き続き進
める。アルミサッシ化、集中アンテナ化など、大規
模修繕の年次計画を促進する。県と協議し県営住宅
運営に対する、補助制度を作り、整備促進を図る。
︵7︶リニア新幹線の整備に反対をし、資産価値の減少・
宮前区︵隣接も含め︶には、梶ヶ谷・犬蔵3丁目・
いる。リニア新幹線の整備には、反対をする。
は、資産価値が下がるなど、被害が出るといわれて
リニア新幹線は宮前区を通過するが、ルート付近
工事公害等の被害から、住民を守る。
①
②
汐見台を含め3か所の立坑が掘られ、建設残土の搬
出 な ど が 行 わ れ、 尻 手 黒 川 道 路 の 交 通 量 を 増 加 さ
梶ヶ谷商社場内に設置が計画されている立て坑
せ、渋滞の原因となる。立て坑の整備には反対する。
③
は、その一部を、鐡道移送するとしているが、現状
でも、作業用のディーゼル機関車の排気ガス被害を
受 け て い る。 デ ィ ー ゼ ル 公 害 へ の 抜 本 的 対 策 を 行
う。また、梶ヶ谷ターミナルの騒音対策も進める。
︵8︶乱開発から住環境を守る
② 神木本町4丁目宅地造成工事のように、開発の規
制基準を、意図的にわずかに下回り、規制を逃れる
① 宅地造成にあたっては、防災の観点から、より安
全な事業となるよう、事業者の指導を行う。
⑤ 県営住宅の廃止・統合などの計画に対し、市とし
て取りやめるよう申し入れを行う。
ような工事については、その規模に見合った雨水貯
の改善を促進する。
⑥ 高齢者向けの﹁グループ・リビング﹂への設置・
― 135 ―
留施設や公園など環境対策を講じるよう指導し、協
力を仰ぐ。
③ 有馬九丁目に開発された巨大墓地について、住環
境の悪化をもたらすことがないように、横浜市・事
業者にその対策を働きかける。
④ 各地で起きているマンション建設と住民との紛争
を解決するため、事業説明会の義務付けや、十分な
話し合いの補償を市として指導する。
︵
⑦ 公園施設を見直し、ゲートボールなどの運動がで
き る 広 場 を 作 り、 チ ャ イ ム 付 き 時 計 塔 な ど 整 備 す
る。また、防災放送システムの設置をすすめる。公
園の階段、遊具、外灯、ごみ箱、樹木の剪定、砂場
など定期点検を強化する。
⑧ 五所塚第一公園は地名の由来となった塚がある歴
史的公園として位置づけ、それにふさわしい維持管
理を行う。
⑨ 生田緑地ゴルフ場の市民開放︵凧上げ・写生会・
休場日の開放など︶を広く市民からの意見をもと
に、充実させる。
⑩ 影向寺周辺の埋蔵遺跡の調査・保全を行う。戦争
遺跡を含む歴史的遺産の調査・保存を行う。
⑪ 自然を生かした、自然に親しむ公園として、菅生
緑地の整備を促進する。また、菅生緑地周辺の放置
車両対策を引き続き警察署と協力して行う。
︶安心できる住環境のために
① 小学校周辺の交通安全対策を進める。とりわけ、
有馬第二団地付近、子の神交差点の交通安全策は、
かねてから指摘されており、引き続き警察暑とも協
力して、安全対策を進める。向丘保育園周辺の交通
安全対策を進める。
②
有馬第2住宅内の4つ角に点滅信号の設置をする。
― 136 ―
︵9︶緑地を守る・公園の整備を進める
① 農地、斜面緑地、山林の保全策を、買い取りを含
め抜本的に強化する。野川地域に自然歩道の設置を
進める。
② 市民農園を増やす。利用期間を2年から5年に延
ばす。待機解消は、箇所数を増やすことで改善する。
③ 小台公園・平4丁目公園など、こどもの利用が多
い公園については、簡易トイレを含め、トイレの設
置について、近隣住民と協議する。
④ 野川地区など公園ゼロ地域をなくすため、低未利
用地の活用など、早期に整備を進める。
⑤
宮崎第四公園の斜面緑地を保全する対策を講じる。
宮崎第一・第四公園を少年野球やソフトボールグラ
ンドとして整備する。
⑥ 有馬こども公園の東側ネットを高くする。
10
︵
③ 有馬第2団地前バス停横の交差点に信号機の設置
を行う。
④ 鷺沼駅前、セブンイレブン前の交差点に信号機の
設置を行う。
⑤
長沢交差点の歩行者用の信号機の設置を行う。
⑤ LED街路灯・防犯等の設置を地域の実情に合わ
せ促進する。
⑥ 菅生、犬蔵、初山、野川、馬絹地域における生活
道路の整備と安全対策を引き続き促進する。ゆりか
︵
を市民の利用施設などにあてる。
⑥ 梶ヶ谷貨物ターミナルの騒音対策を引き続き進め
る。︵再掲︶
︶障がいを持っていても、安心して暮らせるために
① 精神・身体・知的のそれぞれの障害者が地域で生
活できるよう、地域の作業所・通所・入所施設・グ
ループホームが存続できるよう、支援策を講じる。
② 障害を持つ方の居場所づくりを進める市民団体や
NPO法人等の運営費を補助する。
ご通りの安全対策を図るとともに、将来、電柱の埋
設化を検討する。
︶コミュニティの場の整備
⑤ 障がい者の認定区分については、実態を反映した
ものとなるよう、区としても十分な審査を行う。
④ 施設入居者の通院や買い物など移動を円滑に進め
るための支援策を充実する。
③ 障 が い を 持 つ 中・ 高 校 生 の 放 課 後 の 居 場 所 で あ
る、タイムケア事業を充実する。
︵
︶道路・鉄道公害から環境を守る
① 向ヶ丘遊園駅菅生線の整備にあたっては、大型車
両の進入の規制を行う。
② 第三京浜、国道二四六号線、尻手黒川道など主要
幹線道路環境測定を引き続き実施し、住民の意見を
もとに道路公害防止策を進める。
③ 現在、宮前平駅前にある自動車排ガス想定機を増
やし、p m 2・5︵微小粒子状物質︶の観測を行う。
④ 東名高速道路・国道二四六号線の騒音対策の未実
施区間に遮音壁などの設置を国・道路公団に実施さ
せる。架橋の耐震対策を急ぐ。
⑤ 第三京浜野川インター計画は中止し、道路予定地
① スポーツセンターへの送迎バスなど区内各地域か
らの利便性を高める。
② 地域のコミュニティの場として、憩いの家・老人
福祉センターの夜間解放を進める。
③ 田園都市線沿線地域に特別養護老人ホームを早期
― 137 ―
12
13
11
︵
に建設する。
④ 宮前平中学校区、馬絹地域などに老人憩いの家を
早期に建設する。デイサービス施設の併設をあわせ
て検討する。
⑤
野川地域にコミュニティーセンターを設置する。
︶商業の活性化のために
① 区内への大型店の出店を規制し、商店街活性化対
策を抜本的に強化する。
②
空き店舗対策の補助を増額し、事業の推進を図る。
③ 街路灯のLED化を支援する。電気料の補助を増
やす。
︵そのほかの要求︶
①
宮崎・馬絹の住居表示を進める。
② 街 路 樹 の 更 新 に つ い て は、 地 元 と よ く 協 議 を し
て、植え替えを進める。
③ 剪定をきめ細かく行い、落ち葉の清掃など歩行者
の安全を確保する。
︹六︺多摩区
︵1︶﹁水と緑のまち多摩区﹂にふさわしい環境と史跡の
保全を
1 市民団体の調査によれば、多摩区内の1千平方メー
トル以上の樹林地のうち、まったく保全の手立てがな
いところが二十一%あるといわれている。また、1千
平方メートル未満の斜面地はまったく調査の対象にも
なっていない。とくに多摩川崖線以外の緑地はBラン
クでも買い取りの対象にならず、次々と破壊されてい
る。今ある緑はすべて保全する立場で対策を講ずる。
2 区内の戦争遺跡の調査・保全をすすめ活用計画を立
てる。
3 多摩川の護岸整備については、豊かな自然が残るよ
う最大限の配慮をし、釣りが楽しめるようにする。親
水化している個所について、増水時の安全対策を万全
に行う。
4 稲田多摩川公園は、スポーツ広場として整備しさら
に拡充するよう検討する。野球用のバックネット、水
洗トイレ、水飲み場を設置する。
5 菅少年野球場に水洗トイレを設置する。当面簡易ト
イレを増設する。水飲み場の排水をひきつづき整備す
る。
6
布田橋付近のサイクリングロードの延伸を図るた
― 138 ―
14
め、二か領用水取水口周辺にう回路を整備する。
7 河川敷の企業・学校グランドの土日の市民準開放を
すすめるよう、企業に強く働きかける。
8
中野島の南部地域に公園を設置する。
︵2︶区内の鉄道・駅・駅周辺の整備等をすすめる
1 小田急線の混雑緩和と踏み切り解消のため、小田急
線・向ヶ丘遊園駅∼新百合丘駅間の複々線地下二層化
に自由に通れるよう小田急電鉄に要請する。駐車場、
駐輪場を計画的に作り、区画整理事業の計画と合わせ
て、市民の利便性を図る。
4 J R稲田堤駅は橋上化が決まったが、それまでの間
の駅前の観光道踏切の安全対策は行わなければならな
い。現実に踏切で遮断されている時間がとても長く、
朝夕は遮断機が上がるといっきに人と車が交錯して大
変危険である。カラー舗装はされたが人も車も減るわ
けではない。遮断時間を短縮するほか、交通量の調整
をするよう市として検討する。
5 J R中野島駅の橋上駅舎化は決定されたが、現在の
計画ではかなり先になる。危険性を鑑みれば、1年で
は、区民の切実な世論である。懸案であった東北沢︱
園までの複々線化︵一部三線化︶は完了する。小田急
も早く着手するよう検討する。橋上化するまでの間、
世田谷代田区間が地下方式で着工し、これで向ヶ丘遊
はこの部分のあとで向ヶ丘遊園︱新百合ヶ丘間の検討
北口に臨時改札を設置するようJ Rと具体的に交渉す
う。
り、小学生の通学にも差し支えることから、対策を行
る。拡幅は無理とのことであるが、たいへん危険であ
7 京王稲田堤駅北口から、J Rに乗り換える利用者が
増 加 し、 朝 夕 は 駅 前 の 道 路 い っ ぱ い に 人 が 歩 い て い
める。
によく周知しながら移設するとともに、用地確保に努
6 登戸・向ヶ丘遊園駅周辺の自転車置場は絶対数が足
りず、移設などでいっそう不便である。計画的に市民
る。
に入るとしていたが、すでにその時期になっている。
公共交通機関としての責務をはたすためには、市と小
田急が検討を始めるべきであり、市としてその可能性
について調査を開始する。
2 小田急線の快速急行が登戸駅、向ケ丘遊園駅を通過
するダイヤは、強い不満の声があがっている。小田急
電鉄に、登戸駅、向ヶ丘遊園駅に﹁快速急行﹂を止め
るよう強く求める。
3 小田急向ヶ丘遊園駅の自由通路の完成を急ぐ。自由
通路が完成するまで、高齢者・障がい者が危険踏み切
りをわたらないですむように、無料通行券を発行し、
向ヶ丘遊園駅構内のエレベーターなどを使い南北駅前
― 139 ―
きるよう権利者の意見を尊重する。
体的に住民に示し、合意の移転補償とする。公営住宅
︵3︶区内の文化、スポーツ施設等公共施設の整備を
1 生田地区市民館図書館分館は強い市民要求であり、
この地域に生涯学習の拠点を整備する。
7 借地・借家問題で、民間同士のトラブルについて、
市が相談にのれるよう対策をたてる。
6 借家、借店人の権利を守り、移転にともなう損失補
償は住民合意の移転補償を行う。損失補償の内容は具
2
三田地域に老人いこいの家を建設する。
3 菅中学校に武道場を設置する。その際、プールや地
域開放施設と合築する。
8 仮店舗で営業を希望する人の対策をたて、仮倉庫を
増設する。
への優先入居を斡旋する。
4 南生田小学校は今後も児童が増え続け、明らかに教
室が足りない。プレハブではなく増築で対応する。
9 事業用地をさらに取得し、住民要望のために活用す
る。旧多摩福祉館跡地利用計画を立てる。
登戸・向ヶ丘遊園駅北口など、共同化ビル計画をつ
くる場合、地元商店会、住民、全商店主の意見を尊重
する。弱小権利者を保護する。その際、優先して周辺
路線商店街の振興を考える。
︵5︶区内の道路整備、上下水道整備をすすめる
1 多摩区内の各方面から、区役所、多摩病院、多摩ス
― 140 ―
︵4︶登戸地区区画整理事業を住民本位にすすめる
1 重点区域以外でも、事業を早くすすめてほしいとの
要望がつよい区域については積極的に事業を推進す
る。その際下水道排水計画をつくり、暫定排水施設措
置も検討する。
地区計画や地区整備計画を決定する際、その計画を
事前に広く住民に知らせ、策定前に全権利者の合意を
商業活性化のための商店主たちへの支援策を明確に
して積極的に支援をおこなう。
得る。
3 ブロックまたは町会単位で将来のまちづくりについ
ての話し合いの場をもつようにする。道路の供用開始
事業区域内での水害対策や水路清掃などを進める。
5 移転工法を決定する前については、住民との話し合
いの場をもち、従後地での生活・営業が再建・継続で
4
清算金をゼロにするための政策的検討をすすめる。
る。
前には住民の意見・要望を聞き、取り入れるようにす
2 仮換地指定は早い時期に、住民へ事前説明を行い納
得と合意を前提にすすめる。
10
11
12
13
ポーツセンターなどの公共施設に行くことのできる市
﹁宅地耐震化推進事業﹂の対象地区になっている南生
滑 動 崩 落 が 心 配 さ れ る 谷 埋 め 盛 り 土 の 対 策 を 急 ぎ、
3 近年のゲリラ豪雨により、時間雨量 ミリにしか対
応していない五反田川流域の水害が危惧されている。
を増やす。
2 生田地域は避難所に行くのに起伏があり、とても避
難できない。町会や自治会などとよく相談し、避難所
田や西生田地域の対策を具体的に進める。
営バスなど公共交通機関を整備する。
2 中野島など狭隘道路が多い地域に、区役所・多摩病
院に向かうコミュニティバスを通す。長尾台地区の本
格運行へ支援を強化する。
3 生田5、6丁目、西生田地域など、コミュニティバ
スも通れない地域に、乗り合いタクシーを導入する。
4 市道稲田堤三号線は、小学生の通学路であり、PT
Aが安全のための看板を立てているが、すぐに壊れて
しまうなど、PTAの努力だけでは足りない状況であ
る。市として安全性を確保する。
5 南武線登戸駅︱稲田堤駅間は、災害時に踏切が遮断
されると、線路を越える道路がなくなってしまう。多
摩川への避難路になっている道路もあり、緊急時の踏
対策のため、東生田小学校より上流に調整池の新設や
既設調整池の改修などによる活用を図る。
4 登戸、中野島地域の水害解消のため、登戸雨水幹線
工事を急ぎ、あわせて、幹枝線の工事計画を作る。
5 生田浄水場廃止の理由は神奈川県内広域水道企業団
の借金を返すためということに収斂されてきている
が、小田原市飯泉取水堰からの取水に頼る体系にする
源をもっていることが市民の飲み水の確保に絶対に必
切の遮断について、J Rと協議する。
6 農業の衰退とともに、水路の管理ができなくなって
いる。区内に張り巡らされている水路の維持管理を行
要であることが明らかになってきている。企業団の経
と、大規模な災害時にバックアップがとれず、自己水
う部署を設け、定期的な清掃、ふたの維持補修などを
営を改善することもふくめ、再構築計画を抜本的に見
する
︵7︶川崎高速縦貫道路・堰インターチェンジ計画は撤回
直して、生田浄水場の廃止を中止する。︵再掲︶
行う。周辺環境の整備もきちんと行う。
7 久地駅周辺の歩行者安全対策を急ぎ、用地確保のた
め全力を注ぐ。駐輪場を増設する。
︵6︶災害に強い多摩区を
1 丘陵地の安全対策を急ぐ。とりわけ、大地震による
― 141 ―
35
︹七︺麻生区
1 新百合ヶ丘駅周辺の交通渋滞解消のための対策を講
じる。
①
麻生2号線道路は金程のバス通りまで拡幅を急ぐ。
② 南口方面の渋滞に路線バスが巻き込まれている現
状を解決するための対策を講じる。
2 丘陵地の多い麻生区では、交通困難地域解消が強く
求められており、コミュニティー交通実現が急がれて
い る。 路 線 に つ い て は、 高 石 地 域 に つ づ き、 岡 上 地
域、麻生台地域、多摩美・細山地域などでの実現を急
ぐ。高石地域のコミュニティーバス﹁山ゆり号﹂につ
たものとする。
8 緑の環境を守るため、多摩美地域のふれあいの森、
市民健康の森につながるよみうりランド外周の緑、黒
川地域、片平の柿生緑地、岡上、早野地域の緑地をは
じめ、保存すべき緑地を基本的に全部保全する。
9 黒川の農村振興地域周辺の緑地帯に黒川の里遊歩道
をつくり、里山を保全する。
小田急線の麻生区内の踏み切りの安全対策を行う。
年々交通量が増えてきている上麻生四丁目の鶴亀松
公園付近に、大気汚染測定器を取り付ける。
岡上跨線橋に、人と自転車が通行できるように改善
する。
3 ジェット機の騒音が麻生区全域に広がっている。区
内上空を飛行しないよう県に申し入れる。
岡上438番地先︵小田急線鶴川第三踏切から東進
する道路と和光大学通りとが合流する地点︶の交差点
田橋付近に子供が安心して遊べる児童公園の設置を急
いては安定した運行のため、財政的支援を強化する。
岡 上 は 歩 い て い け る 範 囲 に、 身 近 な 公 園 が 数 少 な
く、要望は切実です。特に、和光大学周辺、及び五反
4
柿生駅南口駅前通りの交通安全対策を急ぐ。
5 中学校区にひとつ、老人憩いの家をつくる方針にて
らして、まだできていない二学校区︵柿生、長沢︶に
は学童の通学路となっているため、安全対策として、
ぐ。
早急につくる。なお柿生中学校区は岡上を除く地域と
踏切への自動車通行規制も検討する。︵時間規制、一
方通行など︶
小田急線向ヶ丘遊園∼新百合ヶ丘間の地下二層複々
線化を急ぐ。
柿生1号踏切の混雑解消を急ぐ。
柿生駅北口改札口の混雑の解消を行う。特にマルエ
― 142 ―
11 10
12
13
して選定する。
ら百合丘複合福祉施設︵老人いこいの家︶とは独立し
7 西生田中学校区︵細山、高石1∼3丁目地域︶に、
老人いこいの家の建設計画をすすめる。地理的配慮か
6 多摩美2丁目 の ︵多摩区菅仙石4丁目1読売ラ
ンド遊園地の外周道路︶のT字路に信号機を設置する。
17
14
15
17 16
17
ツ側、線路に沿って改札口までの、混雑解消を急ぐ。
市内農産物の価格保障の充実、その際、農産物の輸
入調整もして国内農産物を守る。
農業の後継者育成の農業研修センターの設立で都市
農業の将来の見える対策を講じる。あわせて、相続税
対策については、ひきつづき国に働きかけ、継続を可
能にする
拡声器による防災行政無線の放送が、聞こえない地
域について、さらなる改善を行う。また、広報車によ
る広報を充実させる。
災害時の備蓄置き場のない中学校への備蓄倉庫の設
置を急ぐ。また、備蓄食料の量を増やす。備蓄物資の
搬送が困難な小学校への備蓄倉庫の設置を急ぐ。
― 143 ―
18
19
20
二〇一四年度川崎 市 予 算 要 望 書
二〇一四年度川崎市予算要望書
日本共産党川崎市議会議員団
日本共産党川崎市議会議員団
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