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4.設置事例調査結果

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4.設置事例調査結果
4.設置事例調査結果
(1)京王プラザホテル(東京都新宿区)
○ 京王プラザホテルでは、車椅子利用者、聴覚障がい者、視覚障がい者が宿泊しやす
いように機器等を常備した「ユニバーサルルーム」を 10 室設置している。
○ 火災発生時には、聴覚障がい者の宿泊客には、客室と浴室に設置されたシーリング
ライトと文字表示、バイブレーターにより警報を知らせる。
1)聴覚障がい者向けの設備・システム
○シーリングライト・文字表示
・ 客室と浴室の双方に設置されたシーリングライトと文字表示装置により、来客、
ファクシミリの受信、目覚まし、火災等の緊急時を知らせる。
・ 文字表示装置は「PARM-TEL
「ALARM
目覚まし」「DOOR
パーム・電話」「FACSIMILE
来客」「EMERGENCY
種類が表示。通常の文字は緑色、
「EMERGENCY
ファックス」
火災・緊急」の 5
火災・緊急」のみ赤色で表
示。
○バイブレーター
・ シーリングライト・文字表示と同時に、クッション状のバイブレーターの振動
によっても知らせる。
○筆談装置・FAX
・ 同時筆談装置の“パーム”により、フロント、ルームサービス、他の客室と筆
談でのコミュニケーションが可能。
・ FAX も設置可能。
○その他機能
・ 視覚障がい者向けには、しゃべる館内サービスメニュー(音声バーコード及び
音声バーコードリーダー)を機器メーカーの開発に協力し導入している。また、
客室内、エレベーターホール、客室入口に赤外線受信機を設置し、レシーバー
(受信機)を向けると音声案内がレシーバーから流れるシステムも機器メーカ
ーと協力し導入している。
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客室の様子
客室入口ライト
ベッド脇サイドテーブル
客室文字表示パネル
浴室ライト
浴室文字表示パネル
78
ベッドに置かれた振動装置
筆談装置パーム
FAX
スキャントーク
(視覚障がい者向けのしゃべる
サービスメニュー)
2)導入経緯
・ 1988 年にリハビリテーション世界会議の開催をきっかけに車いす対応を中心
としたユニバーサルルーム 15 室を設置した。
・ その後、宿泊客からの意見や要望等も受けて、2002 年に様々な障がいのある方
に対応した新タイプのユニバーサルルーム 10 室を設置。肢体不自由者向けの備
品の一部は東京都の宿泊施設バリアフリー化助成金制度を利用して整備した。
・ 総支配人をリーダーとした社内の横断的組織「バーズアイ」において月1回の
定例会でユニバーサルルームなどについて検討している。
・ ユニバーサルルームの整備に際して法規制上の課題や障壁はなかったが、ホテ
ル用の既製品は存在しなかったため、導入に際してメーカーと共同開発したも
のもある。
・ 現在は、ホテルよりも障がい者の個々人の自宅での設備のほうが高度化してい
ることも多い。ホテルで同等レベルの、最新設備を常に導入することはコスト
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の面からも難しい。
3)運用状況
・ 肢体不自由者の利用が中心であり、聴覚障がい者の利用は年間 10 組程度。聴覚
障がい者の宿泊客は同室者がいることが多いため、必ずしも設備に対してのニ
ーズ・要求は高くない。
・ 特別な運用コストはかかっていない。機器・システムは 10 年程度で入れ替えが
必要になってくると想定される。毎日利用する機器でもないために、メンテナ
ンスに十分なコストはかけにくい。また、一般に多く流通している機器でない
ため、故障した際に修理するのに苦労がある。
・ 設備・システムに関しては、従業員のノウハウも蓄積されてきており、多くの
従業員が対応可能である。また、設備・システムを導入しても万全ということ
はなく限界もあるため、災害時には従業員がオペレートすることとしている。
また、客室以外のレストラン等は従業員がいるために聴覚障がい者向けの専用
設備・システムを設置するのではなく、一般的な誘導を行っている。
・ 予約時にユニバーサルルームとしていなくても、チェックインの際に障がいが
あることが分かった場合には、ユニバーサルルームに変更するなどしている。
4)工夫・特徴等
・ 健常者も利用できるよう、配線や機器が目立つことがないようにしている。
・ ユニバーサルルームのオペレートが負担になると従業員も余裕を持ったサービ
スが出来ないため、ボタン1つでシーリングライトの切り替えができるなど、
従業員にストレスのないような仕組みとしている。
・ 障がいのある宿泊者は、宿泊者リストの名前の下にアスタリスクをつけて、フ
ロント、客室係等で情報を共有し、緊急時に対応できるようにしている。
5)課題等
・ ユニバーサルルームは、障がい者と健常者が歩み寄れる客室であり、障がい者
に特化した客室ではない。健常者も利用できる客室であり、病室を目指してい
るわけではない。また、従業員は客室以外の空間で車いすを押すのを手伝った
りなど、パブリック・エリアでの手伝いはできるか、客室の中までは介護はで
きない。安全・安心と CS とが綯い交ぜになっている部分もある。
・ 高齢者で加齢とともに視覚や聴覚に障がいがでてきた方であっても、加齢に伴
う障がいは本人が認めたがらないことも多い。ホテルの従業員側からユニバー
サルルームの視覚・聴覚障がい者向けの機器の使用を勧めることはしない。宿
泊客からの要望があってから機器を準備している。
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(2)筑波技術大学(茨城県つくば市)
○ 筑波技術大学では、校舎棟と宿舎棟の 2 系統で火災警報のシステムが導入されてお
り、各々に防災センターが設置されている。
○ 校舎棟では、フラッシュライト、3 色点滅警報ランプ、文字表示、及び携帯電話の
メールにより火災の発生が通知される。宿舎棟では、フラッシュライト、文字表示、
振動装置により火災の発生が通知される。
1)聴覚障がい者向けの設備・システム
・ 筑波技術大学は、視覚障がい者、聴覚障がい者を対象とする大学であり、春日
キャンパスと天久保キャンパスの 2 つのキャンパスからなる。このうち天久保
キャンパスが聴覚障がい者の学生を対象としたキャンパスであり、
1 学年 50 人、
4 学年で 200 人である。
○校舎棟(2棟、体育館)の火災警報
・ 校舎には、フラッシュライト、3 色点滅警報ランプ、文字表示を設置。その他に
携帯のメールでも火災発生を通知する。
・ フラッシュライトは、非常口表示に設置している。
・ 3 色点滅警報ランプは、授業の開始・終了を知らせるために日常的に使用。火災
の際には赤のランプが点滅する。
・ 文字表示は、出入口に設置されており、火災警報と連動し、第1報として定型
文により発火した建物と階が表示される。その後、誤動作のときのために、第 2
報として定型文以外を表示させることも可能である。CATV でも警報が表示さ
れるが、これは警報と連動していないために、都度入力する。
非常口のフラッシュライト
3 色点滅警報ランプ
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文字表示パネル
校舎棟防災センター
回転灯
体育館
体育館に設置された回転灯
○寄宿舎(5 棟、共用棟)の火災警報
・ 宿舎は新宿舎と旧宿舎がある。
・ 宿舎には、フラッシュライト(または回転灯)、文字表示、振動装置(新宿舎の
み)が設置されている。
・ フラッシュライトは、新宿舎では、各居室(2 箇所)や共有スペース(EV ホー
ル、外部との出入口)、廊下、トイレにも設置されている。旧宿舎や校舎では、
非常口以外には回転灯が設置されている。
・ 文字表示は校舎棟と同様の設備が共用部分の廊下や出入口に設置されている。
・ 宿舎の振動装置は、新宿舎でのみ火災警報と連動し、目覚まし時計、来客など
も知らせる装置としても使用している。
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フラッシュライト
ストロボライト
来訪者ブザーランプ
CATV
文字表示
新宿舎の共用スペースの文字表示
新宿舎の居室内
火災警報(音)
新宿舎の振動装置
新宿舎の共同浴室
回転灯
旧宿舎の廊下天井に設置された文字表示
旧宿舎の居室内
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2)導入経緯
・ フラッシュライト、回転灯、3 色点滅警報ランプ等は昭和 62 年の大学設立時点
から導入している。火災警報と連動する文字表示装置は、3 年前に新宿舎を建設
するタイミングで、研究費により設置した。
・ 校舎・宿舎の設計・施行は文部科学省の基準に基づいて行っている。スプリン
クラー設備は、消防法上は設置の必要はなかったが設置するなど、火災警報に
関して基準よりも充実した整備としている。
3)運用状況
・ 防災センターは校舎棟、学生宿舎共用棟の双方にあるが、共用棟には日中、人
がいないために、校舎棟にも配線がなされており、校舎側で管理している。休
日・夜間は警備員 2 名が常駐している。
・ 運用コストについては、フラッシュライトの設置された非常口表示は、バッテ
リーが 2 個設置されているために、通常よりは交換の頻度は高くなっている。
文字表示装置は設置されてから間もないため、メンテナンスのコストがどの程
度かかるのかはまだ不明である。
・ これまで火災は発生していないが、火災警報設備の誤作動(電子レンジで調理
中に煙があがる
等)により作動したことがある。その際に、学生は大体警報
に気づき、外に出て様子を見たりしている。
4)工夫・特徴等
・ 大学設立当時と、新宿舎建設時と、段階的に設備を導入しており、当時の最新
の設備が導入されている。
・ 光、文字、音、振動等、複数の方法により火災の発生を知らせる手段が整備さ
れている。
5)課題等
・ 旧宿舎と新宿舎で設備の状況は異なり、古い設備の更新の必要性を感じている
ものの、予算面で更新は厳しい部分もある。
・ 休日・夜間担当する警備員は数年務めているため、火災警報設備の操作も慣れ
ているが、日中担当する事務職員は筑波大学との人事交流もあるために入れ替
わりもあり、全ての職員が操作を理解しているわけではない。
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(3)国際障害者交流センタービッグ・アイ(大阪府堺市)
○ 国際障害者交流センタービッグ・アイは、障がい者自らの国際交流活動や芸術・文
化活動の場として整備され、施設内には研修室、宿泊施設、多目的ホール、レスト
ラン等の機能を有す。
○ 聴覚障がい者向けに、光、文字、振動等による火災警報設備を随所に導入している。
1)聴覚障がい者向けの設備・システム
○研修室、多目的ホール、レストラン
・ フラッシュライトは研修室の入口付近の天井に設置されている。
・ 文字表示装置は通常は時計表示がされており、各研修室、エントランスホール、
レストラン、多目的ホール内に数箇所設置されている。火災時にはフラッシュ
ライトとともに「火災です」と表示される。
フラッシュライト
研修室(フラッシュライト)
研修室(文字表示・フラッシュライト)
○トイレ
・ トイレは障がい者に対応して全体的に広い設計となっており、一般のトイレも
個室は回転式スライドドアとなっており、車イスでの利用も可能である。トイ
レ内にはフラッシュライトを設置している。
○通路・エレベーターホール
・ 非常口、エレベーターホール等にフラッシュライト付きの文字表示装置を設置
している。
・ 非常口付近には光点滅走行式避難誘導灯を床に設置しており、火災時には光が
非常口に向って流れるように点滅する。
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フラッシュライト
トイレ内のフラッシュライト
エレベーターホールの
文字表示
光点滅走行式避難誘導灯
フラッシュライト(拡大)
○宿泊施設
・ 35 室ある客室の全てに、フラッシュライトと、火災時に自動で起動して、火災
発生を文字と音声で知らせるテレビを設置している。フラッシュライトは浴室
内にも設置している。なお、火災警報用のフラッシュライトとは別に、来訪者
のブザーランプ用のライトも別途設置している。
・ またベッドからトイレ、浴室への移動ができるリフトを設置した重度障がい者
用の客室も有り 20 室程度には、火災警報と連動する振動ベッドも設置されてい
る。
・ 全室に、FAX が設置されており、聴覚障がいの宿泊者がフロントと筆談をする
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ことを可能としている。
・ 全客室がバルコニーに面しており、火災発生時にはバルコニーを通って屋外か
ら避難する構造になっている。避難経路にはスロープもあり、車椅子でも避難
ができる。バルコニーの避難経路には通常は電気錠がかかっており、災害時に
自動的に開錠される。
フラッシュライト
リフト
重度障がい者用客室(トイレ・浴室)
バルコニーの避難経路
火災時に自動で起動するテレビ
FAX
客室内
振動ベッド
2)導入経緯
・ 設計から年数も経っており、聴覚障がい者向けの火災警報設備の設置経緯は不
明である。
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3)運用状況
・ 火災警報器は年 2 回の総合点検を実施しているがほとんど故障が見られない。
バルコニーにつながる電気錠は、経年劣化等により故障が多く、施設建設後、
一通り取替えを行った。1 台あたり 5~6 万円の費用がかかる。
・ 火災警報設備を充実させていることで、メンテナンス費用は年間約 500 万円と
同規模の施設の倍以上かかっている。文字表示等の警報設備は、施設全体の通
信技術に係ってくるため、施工業者でないとメンテナンスができず、費用が割
高となる。
・ 聴覚障がい者に、情報を伝達するのは最も難しいと認識しており、フロントス
タッフにも火災発生時には誘導するよう指導している。フロントスタッフは、
障がい者の宿泊客の客室を把握するようにしている。
4)課題等
・ 避難訓練は、障がい者当事者が参加せずに行っているため、どこに問題がある
のか見えていない部分もある。
5)工夫・特徴等
・ 当施設は、
「国連・障害者の十年」を記念して、厚生労働省によって建設された
施設である。火災警報設備を始め、様々な設備が全体的に充実したつくりとな
っている。
・ 障がい者向けの設備が充実していることから、障害者施設等が集団で利用する
ことも多い。
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(4)大阪府立大型児童館ビッグバン(大阪府堺市)
○ 大阪府立大型児童館ビッグバンは、ノーマライゼーションの理念に則り、障がい児
も含めた全ての児童に配慮した施設を目指して整備された。
○ 聴覚障がい者(児)向けに、光、文字による火災警報設備を導入している。
1)聴覚障がい者向けの設備・システム
○フラッシュライト・回転灯・文字表示
・ フラッシュライトは出口・非常口に設置されている。
・ 建物内の通路が分岐・合流する地点や休憩室、トイレに回転灯を設置している。
・ 建物の一部が暗いため、床に誘導灯を設置し、火災時には誘導灯も点滅する。
・ 文字表示装置は通常は時計となっており、入口、エレベーターホール、自動販
売機等に数箇所設置されている。火災時にはフラッシュライトとともに「火災
です」と表示される。
文字表示
フラッシュライト
回転灯
文字表示装置(通常は時計表示)
回転灯
エレベーターホールに設置された
トイレ内に設置された回転灯
文字表示装置
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回転灯
回転灯(遊具)
誘導灯(床)
2)導入経緯
・ 平成 5 年に大阪府が有識者やメディア等の委員からなる基本構想の検討委員会
を設置して都道府県が設置・運営主体となる大型児童館A型の整備について検
討する中で、その基本理念に「ノーマライゼーションの理念に則った施設づく
りや運営」を盛り込み、障がい者にも配慮した設備を備えた施設として、平成
11 年に建設された。なお、当該施設のある泉ヶ丘地区(15ha)一体は「人にや
さしいまちづくり事業」の一環として、平成 9 年よりバリアフリーなどの整備
がされているとともに、国立施設として国際障害者交流センター「ビッグ・ア
イ」
(国連・障害者の十年記念施設)が隣接している。
・ 施設の建設に際しては、障がい者団体をはじめとする当事者団体等とも意見交
換を行っている。また、大阪府では福祉のまちづくり条例が平成 4 年に施行さ
れており庁内関係部署からのフォローもあった。
・ 導入する火災警報設備の種類(フラッシュライト、回転灯等)やその設置個所
は、ノーマライゼーションに配慮するという理念の元、大阪府と設計技師との
調整の中で決定され、既存(市販)の設備を導入している。
3)運用状況
・ 保守点検により作動状況は年 2 回確認。運用コストは他施設と比較していない
が、通常の点検の範囲内である。
・ 年 2 回、高齢障がい者の方の避難誘導を想定して消防訓練を実施している。
・ 火災警報に限らず、施設自体が障がい者(児)に配慮していることで、障がい
者(児)の学校・団体等からの利用ニーズは高い。
・ 火災警報に関して、利用者から要望・意見が寄せられたことはない。
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4)工夫・特徴等
・ 光警報・文字表示などの設置基準等がないため、独自の考え・工夫により設置
している。施設内がしっかりとした通路があるわけではなく、遊具で区切られ
た通路であるため、分岐・合流する地点や出入口などに光警報を設置している。
文字表示等の設置位置は、当施設の対象年齢の児童(幼稚園児~小学校 3 年生)
の平均背丈を参考に、子ども目線からも大人からも見えやすい位置として設置
している。
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(5)中部国際空港(愛知県常滑市)
○ 中部国際空港の旅客ターミナルは、誰もが使いやすいをメインコンセプトに計画さ
れた。基本計画調査の段階からユニバーサルデザインの考え方が取り入れられ、さ
まざまな空港利用者の意見を取り入れるために障がい者、一般利用者、学識経験者
をメンバーとした「ユニバーサルデザイン研究会」において、具体的な検討が進め
られた。
○ 聴覚障がい者向けには、光、文字による火災警報設備を導入している。
1)聴覚障がい者向けの設備・システム
○フラッシュライト・文字表示
・ 火災報知機と連動したフラッシュライトが、各非常口と各トイレに設置されて
いる。
・ トイレ内には、すべての大便器ブースと、小便コーナー、洗面コーナーにそれ
ぞれ1つ以上を天井に設置している。また多目的トイレにも1つ設置している。
・ またフロアーの各所に FIS モニターが設置されており、通常は航空機の発着情
報等を表示しているが、火災報知機と連動しており、まずモニター下段に「火
災発生、現在確認中」というテロップが流れ、火災が確定すると、モニター全
体に「火事です。火事です。この近くで火災が発生しました。落ち着いて避難
してください。
」という文字が表示される。
FIS モニター(通常表示)
フラッシュライト(非常口)
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フラッシュライト
フラッシュライト(拡大)
フラッシュライト(大便器ブース)
フラッシュライト
フラッシュライト
フラッシュライト(小便コーナー)
フラッシュライト(洗面コーナー)
2)導入経緯
・ 中部国際空港は 2005 年 2 月 17 日に開港したが、特に旅客ターミナルは、誰も
が使いやすい、をメインコンセプトに計画された。
・ 1998 年 11 月から始まった基本計画調査の検討の過程で、ユニバーサルデザイ
ンが意識され始め、2000 年 6 月には、障がい者、一般利用者、学識経験者をメ
ンバーとした「ユニバーサルデザイン研究会」が設置され、具体的な検討が開
始された。
・ なお、研究会のメンバーは設置当初から固定されていたわけではなく、検討が
進むにしたがって、構成も変化していった。
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ユニバーサルデザイン研究会・部会メンバー構成の変化
2000 年
2001 年
2002 年
2003 年
2004 年
基本設計
実施設計
施工
施工
施工
視覚
1
3
7
8
8
聴覚
2
8
7
7
7
肢体
10
11
15
16
16
知的
1
-
-
-
-
学者
6
6
6
6
6
計
20
28
35
37
37
(資料)谷口元他編「中部国際空港のユニバーサルデザイン」(鹿島出版会、2007 年)
3)工夫・特徴等
・ 施設全体がユニバーサルデザインの考え方のもとに作られており、例えば施設
各所に設置されている FIS モニターの高さは、車椅子利用者等のロービジョン
者に対応した高さとなっている。
・ またエレベーター内にも文字表示機能を備えており、「満員」「こちらのドアが
開きます」等の表示とともに、火災等の発生を伝えるための表示もなされる仕
組となっている。
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