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17/2 期の利益は会社予想を余裕をもって上振れよう

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17/2 期の利益は会社予想を余裕をもって上振れよう
いちご
(2337・東証 1 部)
2016 年 11 月 9 日
17/2 期の利益は会社予想を余裕をもって上振れよう
アップデートレポート
㈱アイフィスジャパン
堀部 吉胤
2Q 累計決算は系列 2REIT への物件拠出により大幅増収増益
17/2 期 2Q 累計(3-8 月)決算は、売上高 859 億円(前年同期比 5.9
倍)
、営業利益 149 億円(同 3.0 倍)。2Q(6-8 月)のいちごホテルリー
ト投資法人(3463)の PO(公募増資)に伴う物件拠出による売却益が
約 70 億円と想定以上に大きくなり、大幅営業増益となった。
2Q 累計の物件の仕入れは 260 億円と通期目標 800 億円に対して低調
主要指標 2016/11/07 現在
だったが、下期に入って 10 月に大型オフィスビル「トレードピアお台
株
価
429 円
場」を約 300 億円で取得したことや、最注力のホテルの取得が順調に
530 円
(2016/04/20)
293 円
(2016/02/12)
進捗していることから通期目標達成に目途が付いている。
発行済株式数
502,767,200 株
却を抑えても利益は会社予想を上回るだろう。
売 買 単 位
100 株
時 価 総 額
215,687 百万円
予 想 配 当
5.0 円
ソーラー13 物件(約 25.8MW)を約 100 億円で拠出し、売却益等で約 30
30.14 円
億円の粗利を計上予定。売却益は期初会社予想を小幅に上回る。今後
年初来高値
年初来安値
通期会社業績予想は、売上高 1,256 億円(前期比 2.5 倍)、営業利益
185 億円(同 20.0%増)。2Q 累計の進捗率は非常に高く、下期の物件売
12 月 1 日にいちごグリーンインフラファンドが上場へ
10 月 24 日にいちごグリーンインフラ投資法人(9282)の東証インフ
(
会
予 想
社
)
E P S
( ア ナ リ ス ト )
実 績
P B R
2.79 倍
直前のレポート発行日
ラファンド市場への上場が承認された。上場予定日は 12 月 1 日。メガ
も同ファンドの外部成長をサポートするためメガソーラーの新規開
発・セカンダリー市場での取得、風力発電の開発を進めていく。
2Q 末で保有不動産の含み益が約 245 億円あることから 18/2 期も営業
増益となろう。17/2 期にあった特別利益の剥落や税負担の正常化によ
ベーシック
2016/07/13
り純利益は横ばい圏にとどまるとみる。系列 2REIT が投資口価格の低
アップデート
2015/10/29
迷により PO ができない場合は外部売却などで売却益を確保しよう。
業
績
動
向
売上高
百万円
前期比
%
47.9
営業利益
百万円
EPS
円
69.5
8.46
2017/2 2Q(3-8 月)
実
績
85,991 5.9 倍
14,984 3.0 倍
13,834 3.2 倍
11,935 2.8 倍
23.79
期 実
績
49,699
15,417
88.3
13,889
91.4
12,925
91.2
25.86
旧 ・会 社予 想
2017/2 通
2018/2 通
期
期
4,221
前期比
%
14,607
(2016 年 10 月発表)
60.2
当期純利益
百万円
績
新 ・会 社予 想
4,351
前期比
%
実
16.4
57.3
経常利益
百万円
2016/2 2Q(3-8 月)
2016/2 通
4,913
前期比
%
期初予想から変更なし
(2016 年 4 月発表)
125,600 2.5 倍
18,500
20.0
16,400
18.1
13,300
2.9
26.43
新・アナリスト予想
115,250 2.3 倍
20,930
35.8
18,780
35.1
15,130
17.1
30.14
旧・アナリスト予想
(2016 年 7 月発表)
124,650 2.5 倍
19,970
29.5
17,970
29.4
14,620
13.1
29.13
新・アナリスト予想
127,260
10.4
23,820
13.8
21,620
15.1
14,720
-2.7
29.33
旧・アナリスト予想
129,240
3.7
23,200
16.2
21,050
17.1
14,850
1.6
29.59
(2016 年 7 月発表)
アナリストレポート・プラットフォーム
1
業
績
 17/2 期 2Q 累計(3-8 月)業績解説
系列 2REIT の PO
 会社概要
に伴う物件売却が
牽引し、前年同期
比大幅増収増益
17/2 期 2Q 累計決算は、売上高 859 億円(前年同期比 5.9 倍)
、営業利益
149 億円(同 3.0 倍)
、経常利益 138 億円(同 3.2 倍)、純利益 119 億円(同
2.8 倍)
。前年同期は物件売却が少なかったのに対し、この上期は系列 2REIT
の PO に伴う物件拠出が計 23 物件、572 億円(売却粗利約 75 億円)あった
ことを主因に前年同期比大幅増収増益となった。
特別利益には、中国最大手の総合金融グループ CITIC 傘下の投資運用会社
CIAM の保有株全てを約 62 億円で売却したことに伴い投資有価証券売却益
24.2 億円を計上した。国内事業に特化するための措置でこれで海外資産は
ほぼなくなった。特別損失には熊本地震に対する災害対策費用 2.4 億円(熊
本市内に保有する 2 物件の修繕費等)を計上した。
期初時点において 2Q 累計会社業績予想を公表していないが、物件売却価
格が想定以上に好調だったことを主因に、会社計画を上回ったもよう。
セグメント別の業績をみると、主力の「心築」
(旧名称:不動産再生)事
いちごホテルリート
向けの売却益は期
業は、売上高 823 億円(前年同期比 7.7 倍)
、粗利益 154 億円(同 3.3 倍)、
初の会社想定以上
となった
1Q(3-5 月)にいちごオフィスリート投資法人(8975)の PO に伴う 13 物
営業利益 130 億円(同 4.2 倍)と急伸した。
件、292 億円の物件売却、2Q(6-8 月)にいちごホテルリート投資法人(3463)
の PO に伴う 10 物件、272 億円の物件売却と大きなイベントが 2 つあった。
いちごオフィスリート向けの売却粗利は約 6 億円(粗利益率約 2%)
、いち
ごホテルリート向けの売却粗利は約 70 億円(粗利益率約 24%)だった。い
ちごオフィスリートに売却した 13 物件は、2015 年 7 月に外資系ファンドか
らバルクで取得した 24 物件、約 500 億円のうち、高稼働で建物・設備の状
態も良くバリューアップ余地の乏しかった物件で、いちごホテルリートに
2016 年 7 月まで優先交渉権が付与されていた。このため売却粗利益率は低
く、利益寄与はわずかだった。一方、いちごホテルリート向けの売却粗利益
率は、バリューアップ効果に加え、好調なホテルマーケットが追い風となり、
期初の会社想定以上に高水準となった。
系列 REIT 以外への外部売却は 11 物件、174 億円で売却粗利は約 27 億円
だった。売却粗利益率は 15.8%と 2Q に利幅の薄い短期転売があったにもか
かわらず順調だった。主な売却先は事業法人や私募ファンドだった。結果、
合計の売却粗利は 103 億円(前年同期比 8.5 倍)と膨らんだ。
不動産賃貸の粗利益は 51.1 億円(前年同期比 48.5%増)とアセットの積
み上がりとバリューアップ進展に伴い順調に拡大した。
アナリストレポート・プラットフォーム
2
業
績
アセットマネジメント事業は、売上高 24.6 億円(前年同期比 17.0%減)、
AM 事業は前年同
 会社概要
期のやや特殊なフ
ィー 収入の 反動で
減収減益
営業利益 14.7 億円(同 20.6%減)。前年同期はスポンサーサポートフィー
(詳細は前回レポート参照)や私募ファンドのクローズに伴うサクセスフィ
ーといったイレギュラーなフィー収入が高水準だった反動により減収減益
となった。安定的なストック収入である期中運用フィーは系列 REIT の資産
規模拡大に伴い 7.3 億円(同 2.5 億円増)と順調に拡大した。
クリーンエネルギー事業は、売上高 12.1 億円(前年同期比 39.5%増)
、
メガソーラーは順次
売電を 開始し、順
調に推移
営業利益 3.5 億円(同 20.7%増)
。売電を開始したメガソーラーの増加によ
り順調に拡大した。2Q 末時点の売電開始済みのメガソーラーは、30 発電所、
49.3MW(16/2 期末時点は 24 発電所、41.9MW)となった。日照に恵まれ発電
量、売上高は計画を上回った。なお、9 月は長雨の影響を受けたため、足元
までの発電量は想定線にとどまっているもよう。
物件取得競争は引続き非常に厳しく、上期の物件の仕入高は 11 物件、260
上期の仕入れは
億円と通期仕入れ目標 800 億円に対し低調だった。アセットタイプ別の内訳
260 億円と低調
は、ホテル 7 物件、220 億円、商業施設 3 物件・オフィス 1 物件、40 億円だ
った。開発用地の仕入れはなかった。なお、オフィスは 2Q に引合いがあり、
バリューアップをする間もなく売却した。
取得対象としては、系列 REIT のスポンサーサポートの観点やバリューア
ップ余地の大きさから、引続き、宿泊特化型ホテル、駅近の商業施設に主眼
を置いており、個人富裕層との競合の激しいレジデンスは敬遠している。
系列 2REIT 向けを中心に物件売却が進んだ一方、仕入れがやや低調だった
物件売却が仕入れ
を 上回 り 、自 己 資
ため 2Q 末の自己資本比率は 33.6%(前期末比 6.8pt 増)と向上した。2Q
本比率は向上
約 3 億円を含め約 245 億円(同約 35 億円減)と売却の進展によりやや減少
末の保有不動産の鑑定評価額ベースの含み益は、ファンド出資持分の含み益
した(メガソーラーの含み益は含んでいない)。含み益を単純に加味した時
価ベースの自己資本比率は 40.0%(同 5.8pt 増)
、さらに当社グループにリ
スクが帰属しない連結ファンドに係る資産、負債を控除したリスクベース自
己資本比率は 51.1%(同 6.3pt 増)と財務内容は良好。
下期に入って、9 月に都内のビジネスホテルを約 70 億円で取得したのに
大型物件の仕入れ
により通期の仕入
続き、10 月に大型オフィスビル「トレードピアお台場」を約 300 億円で取
れ目標 800 億円
は達成見込み
仕入れが 100 億円程度見込まれており、通期の仕入れは目標の 800 億円程度
アナリストレポート・プラットフォーム
得し(詳細は 8 頁)
、一気に仕入れが進捗した。さらに年末までにホテルの
で着地しそうな状況。
3
業
績
いちごホテルリート向けのパイプラインとしては、フォワード・コミット
メント等を行っているものを含め約 650 億円を確保している。
 会社概要
半期損益計算書
15/2
16/2
上期
下期
上期
下期
9,879 32,826 14,607
35,092
2,042 1,925 2,964
2,103
712
600
806
864
1,264 1,239 1,080
1,121
65
86 1,077
118
7,517 30,590 10,758
32,186
3,973 5,235 5,509
6,950
3,544 25,355 5,249
25,236
294
311
870
758
24
0
13
45
4,769 25,770 7,443
22,392
5,110 7,056 7,163
12,700
930
856 2,067
1,214
652
572
800
858
448
425
478
623
381
378
443
604
66
48
35
19
196
143
319
222
216
214
237
255
61
71 1,030
99
4,054 6,125 4,656
11,221
2,444 3,320 3,443
4,611
1,609 2,805 1,212
6,617
0
0
0
▲6
109
85
434
249
16 ▲ 10
4
17
1,986 1,991 2,250
2,196
3,124 5,065 4,913
10,504
208
571 1,854
1,025
3,258 4,613 3,142
9,487
▲ 43 ▲ 50
290
33
▲ 23 ▲ 43 ▲ 31
▲1
▲ 277 ▲ 24 ▲ 343
▲ 39
69
144
85
130
478
668
647
1,096
423
520
577
700
2,715 4,540 4,351
9,538
0
57
223
0
0
93
9
80
2,715 4,505 4,565
9,457
155
188
289
671
68
47
53
83
2,491 4,270 4,221
8,704
売上高
アセットマネジメント
アセットマネジメントフィー
PM/BM収入
その他(仲介、インセンティブフィーなど)
「心築」(不動産再生)
不動産賃貸収入
不動産売却高
クリーンエネルギー
その他
売上原価
売上総利益
アセットマネジメント
アセットマネジメントフィー
アニュアルフィー
REIT
私募
アップフロント/ディスポジションフィーなど
PM/BM収入
その他(仲介、インセンティブフィーなど)
「心築」(不動産再生)
不動産賃貸損益
不動産譲渡損益
その他
クリーンエネルギー
その他
販管費
営業利益
アセットマネジメント
「心築」(不動産再生)
クリーンエネルギー
その他
調整額
営業外収益
営業外費用
支払利息
経常利益
特別利益
特別損失
税金等調整前当期純利益
法人税等
非支配株主に帰属する純利益
純利益
(出所)決算短信、会社資料
(注)CEは会社予想(通期会社予想から上期実績を差引いて算出)
アナリストレポート・プラットフォーム
(単位)百万円
17/2
上期 下期CE
85,991
39,609
2,460
2,619
1,107
1,112
1,119
1,469
233
38
82,305
26,992
7,627
5,719
74,677
21,273
1,214
9,938
10
61
68,522
33,211
17,468
6,399
1,558
1,441
1,102
1,107
733
na
712
na
20
na
369
na
230
301
225
34
15,428
2,392
5,113
3,614
10,314 ▲ 1,221
0
0
584
2,481
▲ 102
84
2,484
2,883
14,984
3,516
1,473
913
13,092
438
351
2,257
▲ 135
51
202 ▲ 143
26
na
1,175
na
722
na
13,834
2,566
2,427
na
242
na
16,019
na
3,812
na
271
na
11,935
1,365
4
業
績
 17/2 期業績予想
通期会社業績予
想は据え置かれた
が、 進捗 率が 高く
上振れが濃厚な情
勢
 会社概要
17/2 期会社業績予想は、売上高 1,256 億円(前期比 2.5 倍)、営業利益 185
億円(同 20%増)、経常利益 164 億円(同 18.1%増)、純利益 133 億円(同
2.9%増)
。通期では増益率がマイルドになる予想なのは、前期 3Q(9-11 月)
に、いちごホテルリートの IPO に伴う物件拠出による売却益約 60 億円があ
ったため。上期で繰越欠損金を使い切り、下期は税負担率が増加するため、
純利益は前期比微増にとどまる予想になっている。
通期会社予想に対する 2Q 累計の進捗率は、売上高 68.5%、
営業利益 81.0%、
経常利益 84.4%、純利益 89.7%と非常に高いが、通期予想は据え置かれた。
しかし、①「心築」事業の売却粗利が上期で既に通期計画を上回っており、
さらに 3Q に数十億円の外部売却により、数億円の売却粗利を積み上げてい
るもようであること、②後述のようにいちごグリーンインフラ投資法人
(9282、以下いちごグリーンインフラファンド)の IPO に伴う物件拠出によ
る売却粗利が想定を約 6 億円上回る見込みとなったこと、を主因に利益は表
記程度に上振れるとみる。来期業績を睨み今後は外部売却を抑制するとみら
れることを主因に、売上高は会社予想を下回ると予想した。
下期の最大のイベントは、東証インフラファンド市場へのいちごグリーン
いちごグリーンイン
フラファンドが 12
月 1 日に上場へ
インフラファンドの上場。10 月 24 日に上場承認が下り、12 月 1 日に上場予
定。東証インフラファンド市場への上場は、タカラレーベン・インフラ投資
法人(9281)に次いで第 2 号となる。上場承認と合わせ、いちごグリーンイ
ンフラファンドに太陽光発電所 13 物件(パネル出力合計約 25.8MW)を 100.1
億円で譲渡する契約を締結したと発表された。13 物件のうち 10 物件は買取
価格が 40 円の案件で、2 物件が 36 円、1 物件が 32 円の案件となっている。
譲渡による業績への寄与は、売上高で約 103 億円、売上総利益で約 30 億
円になるとしている。売上総利益の内訳は、売却益約 27 億円、アレンジメ
ントフィー等約 3 億円であり、前者はクリーンエネルギー事業、後者はアセ
ットマネジメント事業に計上される。2Q 末に固定資産から販売用発電設備
に 72.5 億円が振替えられており、予定通りこれらを売却する。引渡日は上
場予定の 12 月 1 日となる見通しで、これらの収益は 4Q(12-2 月)に計上さ
れる見込み。期初の会社業績予想では、売却額 91 億円、売却益 21 億円、多
少のアレンジメントフィーが織り込まれていた。タカラレーベン・インフラ
投資法人の上場後の投資口価格が冴えないため、売却益が想定を大幅に上回
るには至らなかった。
アナリストレポート・プラットフォーム
5
業
績
メガソーラーは買取価格が固定で内部成長が基本的に見込めないため、い
買取価格低下でも
 会社概要
新規のメガソーラー
の開発を継続
ちごグリーンインフラファンドの成長は外部成長にかかっている。スポンサ
ーサポートとして現在確定している 37 発電所、約 116MW(IPO 時の拠出予定
物件を含む)に加え、新規開発案件の取得、セカンダリー市場での取得を進
めていく方針。確定している 37 発電所の 1MW 当たりの事業費は約 3 億円だ
が、パネル価格の急落により足元では約 2 億円で済むとしており、現在 24
円まで低下している買取価格でも採算は充分に取れるとしている。新規案件
では、三重県津市の 2.8MW の公募案件や岡山県笠岡市の溜池の上の水上メガ
ソーラーの公募案件が内定している。
また、メガソーラーと違い、夜でも稼働できる風力発電の事業化に向けた
準備を進めており、5 案件(想定発電規模 34MW)の風況観測を実施中(1 件
は実施済み)。
 18/2 期業績予想
潤沢な含み益、良
好な不動産売買市
場を背景に高水準
の利益を維持しよ
う
18/2 期業績は前回予想から微修正するにとどめた。先述のように保有不
動産等の含み益は約 245 億円と潤沢。キャップレートは下げ止まりつつある
ものの、引続き売却環境は良好なため、物件売却をコントロールしながら、
前期比営業増益になるように決算をつくることが可能だろう。いちごグリー
ンインフラファンドへの物件拠出も 17/2 期と同程度行いたいとしている。
純利益段階では、17/2 期に特別利益に計上した有価証券売却益 24.2 億円
の剥落や税負担の正常化が厳しく横ばい圏にとどまると予想した。
物件の仕入れ目標は 17/2 期から若干増やし 800 億円強とするもよう。取
得対象はこれまでと変わりなく、全国の宿泊特化型ホテル、駅近の商業施設
を中心とする方針。
懸念材料は、系列 2REIT の投資口価格が冴えないこと。J-REIT 市場全体
系列 2REIT の投資
口価格の回復が望
まれる
が、12 月の米利上げを織り込んだ世界的な REIT 市場の下落の影響や、オフ
ィス、物流施設、ホテルなどの新規供給増への懸念などにより軟調になって
いる。いちごオフィスリートは足元で PBR1 倍近辺まで下落しており、この
まま推移すると PO が困難な状況。いちごホテルリートの投資口価格も
Brexit 後の円高などによるインバウンド需要の低下懸念や新規供給増に対
する懸念などにより軟調であり、一段と低下すると PO が困難になりかねな
い。仮に系列 REIT が PO できない場合は、外部売却を増やすことや、ブリッ
ジファンドを組成しブリッジファンドに一旦売却することで売却益を確保
するとみる。
アナリストレポート・プラットフォーム
6
業
績
損益計算書
 会社概要
売上高
(単位)百万円
13/2
14/2
16,397 35,101
アセットマネジメント
3,743 4,118
アセットマネジメントフィー
1,279 1,444
PM/BM収入
2,118 2,262
その他(仲介、インセンティブフィーなど)
345
411
「心築」(不動産再生)
11,608 30,159
不動産賃貸収入
5,933 5,897
不動産売却高
5,673 24,261
クリーンエネルギー
4
126
その他
1,041
697
売上原価
11,422 27,666
売上総利益
4,974 7,435
アセットマネジメント
1,886 2,183
アセットマネジメントフィー
1,120 1,334
アニュアルフィー
948
989
REIT
663
733
私募
285
257
アップフロント/ディスポジションフィーなど
172
345
PM/BM収入
430
460
その他(仲介、インセンティブフィーなど)
336
388
「心築」(不動産再生)
2,775 5,074
不動産賃貸損益
2,583 3,115
不動産譲渡損益
255 2,072
その他
▲ 63 ▲ 114
クリーンエネルギー
1
3
その他
310
174
販管費
3,130 3,522
営業利益
1,844 3,912
アセットマネジメント
358 1,170
「心築」(不動産再生)
1,323 3,150
クリーンエネルギー
▲ 50 ▲ 253
その他
219
143
調整額
▲ 7 ▲ 298
営業外収益
155
238
営業外費用
265
553
支払利息
238
370
経常利益
1,734 3,597
特別利益
83
680
特別損失
124
344
税金等調整前当期純利益
1,693 3,933
法人税等
▲ 51 ▲ 573
非支配株主に帰属する純利益
108 ▲ 19
純利益
1,637 4,526
(出所)決算短信、会社資料
(注)CEは会社予想
13/2期の「心築」は不動産賃貸と不動産再生を単純合算して算出
アナリストレポート・プラットフォーム
15/2
16/2
42,705
3,967
1,312
2,503
151
38,107
9,208
28,899
605
24
30,539
12,166
1,786
1,224
873
759
114
339
430
132
10,179
5,764
4,414
0
194
6
3,977
8,189
779
7,871
▲ 93
▲ 66
▲ 301
213
1,146
943
7,255
57
93
7,220
343
115
6,761
49,699
5,067
1,670
2,201
1,195
42,944
12,459
30,485
1,628
58
29,835
19,863
3,281
1,658
1,101
1,047
54
541
492
1,129
15,877
8,054
7,829
▲6
683
21
4,446
15,417
2,879
12,629
323
▲ 32
▲ 382
215
1,743
1,277
13,889
223
89
14,022
960
136
12,925
17/2
18/2 E
CE
E
125,600 115,250 127,260
5,079
5,100
5,700
2,219
2,500
3,000
2,588
2,300
2,350
271
300
350
109,297 98,400 111,000
13,346 13,400 17,000
95,950 85,000 94,000
11,152 11,700 10,500
71
50
60
101,733 88,970 97,740
23,867 26,280 29,520
2,999
3,010
3,440
2,209
2,280
2,640
na
1,460
1,740
na
1,420
1,700
na
40
40
na
820
900
531
480
500
259
250
300
17,820 19,700 22,800
8,727
8,700 11,300
9,093 11,000 11,500
0
0
0
3,065
3,600
3,300
▲ 18
▲ 30
▲ 20
5,367
5,350
5,700
18,500 20,930 23,820
2,386
2,400
2,800
13,530 15,100 17,500
2,608
3,200
3,000
▲ 84 ▲ 200 ▲ 150
59
430
670
na
50
100
na
2,200
2,300
na
1,600
1,800
16,400 18,780 21,620
na
2,450
50
na
250
50
na 20,980 21,620
na
5,500
6,700
na
350
200
13,300 15,130 14,720
7
ト
ピ
ッ
ク
ス
 10 月に「トレードピアお台場」を約 300 億円で取得
バリューアップ余地
の大きい超大型物
件を取得
10 月に大型オフィスビル「トレードピアお台場」
(2001 年 2 月竣工)を約
300 億円で取得した。取得に伴う借入は 260 億円で借入期間は 10 年間。中
小型ビルのバリューアップを得意とする当社としては異例となる超大型物
件の取得となる。
「トレードピアお台場」は旧日商岩井本社ビルで、フジテレビ本社に隣接。
双日(2768)が 2005 年に財務リストラの一環として三菱地所(8802)に売
却。その後、2008 年に三菱地所投資顧問が運用する私募ファンドに売却さ
れた。今回の取得はこのファンドからである。
取得キャップレートは 4%台半ばで概ね鑑定評価額での取得としている。
稼働率は 90%程度、マーケット賃料とのレントギャップは 15~20%程度あ
るとしており、稼働率改善とテナント入れ替え時の賃料増額、コスト削減に
より 2~3 年で NOI 利回りを 5%台半ばまで高めることが可能としている。
さらに未利用地が容積で 2,000 坪ほどあり、将来はオフィスなどの建築も
視野に入るとしている。EXIT の方法としては、私募ファンドを組成しシー
ド物件とすることなどが想定されている。いちごオフィスリートは、中小型
オフィス特化型だが、一部を区分所有として取得する可能性はあり得るとし
ている。
 三宅宏実選手がリオ五輪で銅メダルを獲得
リオ五輪で三宅選
手がメダルを獲得
8 月に開催されたリオデジャネイロオリンピックにおいて、当社社員の三
宅宏実選手がウエイトリフティング女子 48 ㎏級の銅メダルを獲得した。2
大会連続のメダル獲得となる。
アナリストレポート・プラットフォーム
8
(出所)㈱QUICK
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2014/2
株 価 推 移
2015/2
2017/2 予
(アナリスト)
2016/2
株価(年間高値)
円
699
376
445
-
株価(年間安値)
円
135
212
221
-
月間平均出来高
百株
1,607,700
750,245
954,030
-
売
上
高
百万円
35,101
42,705
49,699
115,250
営
業
利
益
百万円
3,912
8,189
15,417
20,930
経
常
利
益
百万円
3,597
7,255
13,889
18,780
百万円
4,526
6,761
12,925
15,130
業 績 推 移
当 期 純 利 益
E
P
S
円
9.83
13.58
25.86
30.14
R
O
E
%
11.8
13.0
21.0
18.9
流動資産合計
百万円
85,761
137,342
210,687
-
固定資産合計
百万円
29,183
35,402
41,069
-
資
百万円
114,944
172,744
251,757
-
産
合
計
貸借対照表
流動負債合計
百万円
7,588
9,872
18,161
-
主 要 項 目
固定負債合計
百万円
56,513
104,494
161,430
-
負
百万円
64,102
114,367
179,591
-
株主資本合計
百万円
48,050
54,496
66,956
-
純 資 産 合 計
百万円
50,842
58,377
72,166
-
営業活動による CF
百万円
1,254
-34,292
-44,654
-
投資活動による CF
百万円
-8,610
-12,485
-7,052
-
財務活動による CF
百万円
24,682
41,658
63,318
-
現金及び現金同等
物の期末残高
百万円
24,581
18,972
28,368
-
キャッシュフ
ロー計算書
主 要 項 目
債
合
計
(注)2013 年 9 月に 1:200 の株式分割実施。14/2 期の株価、出来高は遡及修正
アナリストレポート・プラットフォーム
9
リ
ス
ク
分
事
業
関 会社概要
す る リ

析
に
ス ク
 事業に関するリスク

円高進行、大地震の発生、国内におけるテロ発生などによる訪日外国人
観光客数の伸びの鈍化や、国内景気悪化による出張需要の減少、ホテルの
供給増、民泊の普及などにより、保有するホテルの稼働率や ADR が低下す
る可能性。

不動産取得競争の一段の激化。

大地震発生などの自然災害や火災等により、保有する賃貸不動産が損壊
する恐れ。
 系列 REIT の投資口価格が下落し、PO ができないと AUM 拡大や、
物件拠出、
物件仲介などに伴う収益獲得の阻害要因となる。
 2019 年 10 月予定の消費増税などにより国内景気が悪化し、中小型オフィ
スや商業施設の稼働率や賃料が低下する恐れ。
 メガソーラー事業は 20 年間の固定価格買取のため、キャッシュフローの
安定性が高い半面、急激なインフレには弱い。
 天候不良によるメガソーラーの発電電力量の低下。
 金融機関の不動産融資姿勢が引締めに転じた場合、不動産の流動性の低下、
不動産価格の下落を招く可能性が高い。
 米利上げなどを契機とする長期金利上昇。長期金利上昇に伴いキャップレ
ートが上昇した場合、自己勘定の不動産投資においてキャピタルロス、評
価損が発生する恐れ。
 少子高齢化、労働者人口の減少による長期的なオフィス需要、住宅需要の
減退。
アナリストレポート・プラットフォーム
10
デ ィ ス ク レ ー マ ー
1.本レポートは、株式会社東京証券取引所(以下「東証」といいます。
)が実施する「アナリストレポー
ト・プラットフォーム」を利用して作成されたものであり、東証が作成したものではありません。
 会社概要
2.本レポートは、本レポートの対象となる企業が、その作成費用を支払うことを約束することにより作
成されたものであり、その作成費用は、当該企業が東証に支払った金額すべてが、東証から株式会社ア
イフィスジャパン(以下「レポート作成会社」といいます。
)に支払われています。
3.本レポートは、東証によるレビューや承認を受けておりません(ただし、東証が文面上から明らかに
誤りがある場合や適当でない場合にレポート作成会社に対して指摘を行うことを妨げるものではありま
せん)
。
4.レポート作成会社及び担当アナリストには、この資料に記載された企業との間に本レポートに表示さ
れる重大な利益相反以外の重大な利益相反の関係はありません。
5.本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を唯一の目的として作成されたもので、有価証券の
取引及びその他の取引の勧誘又は誘引を目的とするものではありません。有価証券の取引には、相場変
動その他の要因により、損失が生じるおそれがあります。また、本レポートの対象となる企業は、投資
の知識・経験、財産の状況及び投資目的が異なるすべての投資者の方々に、投資対象として、一律に適
合するとは限りません。銘柄の選択、投資判断の最終決定は、投資者ご自身の判断でなされるようにお
願いいたします。
6.本レポート作成にあたり、レポート作成会社は本レポートの対象となる企業との面会等を通じて、当
該企業より情報提供を受けておりますが、本レポートに含まれる仮説や結論は当該企業によるものでは
なく、レポート作成会社の分析及び評価によるものです。また、本レポートの内容はすべて作成時点の
ものであり、今後予告なく変更されることがあります。
7.本レポートは、レポート作成会社が信頼できると判断した情報に基づき記載されていますが、東証及
びレポート作成会社は、本レポートの記載内容が真実かつ正確であり、そのうちに重要な事項の記載が
欠けていないことやこの資料に記載された企業の発行する有価証券の価値を保証又は承認するものでは
ありません。本レポート及び本レポートに含まれる情報は、いかなる目的で使用される場合におきまし
ても、投資者の判断と責任において使用されるべきものであり、本レポート及び本レポートに含まれる
情報の使用による結果について、東証及びレポート作成会社は何ら責任を負うものではありません。
8.本レポートの著作権は、レポート作成会社に帰属しますが、レポート作成会社は、本レポートの著作
権を東証に独占的に利用許諾しております。そのため本レポートの情報について、東証の承諾を得ずに
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<指標の説明について>
本レポートに記載の指標に関する説明は、東京証券取引所ウェブサイトに掲載されております。
参照 URL ⇒
http://www.jpx.co.jp/listing/ir-clips/analyst-report/02.html
アナリストレポート・プラットフォーム
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