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2015.7.30 渚の風 5号 17
■社会福祉法人 三養福祉会
特別養護老人ホーム「橿原の郷」
居宅介護支援事業所 ケアマネージャー
大岡倫美さん(30)
自分を信頼してくれる
人たちのために
「とにかく早く一人前になりたいです」
。そう今の気持
ちを話すのは、特別養護老人ホーム「橿原の郷」
(奈良県
橿原市)の居宅介護支援事業所に勤務する大岡倫美さん
(30)
。大学卒業後、介護職員として約7年間、施設内の
特養で利用者さんの生活支援にあたってきたが、結婚を機
に一度は退職。今春からケアマネージャー(介護支援専門
員)として復帰し、現場経験を糧に新たな仕事に励んでい
れ
る。
な
(文 学生通信社 吉田怜奈 / 写真 廣瀬彰)
Text by Rena YOSHIDA / Photo by Akira HIROSE
利用者さんと笑顔で会話を交わす大岡倫美さん(奈良県橿原市の「橿原の郷」で)
ケアマネは
在宅介護の〝司令塔〟
近鉄橿原線新ノ口駅から車で約5分。
まわりを田んぼに囲まれた閑静な住宅街
に「橿原の郷」はある。玄関を入ると、
主に在宅で介護が必要な利用者さんのケ
くれているのだと感じ、うれしく思いま
トを志願。大学卒業後の翌 2007(平成
アプランを作成し、行政や病院、他の介
す」と大岡さん。
19)年4月から正式に介護職員として
介護職を目指すきっかけは、龍谷大学
働くことになった。最初の配属先となっ
宅介護の〝司令塔〟だ。
社会学部福祉学科に在籍していた4年の
た特別養護老人ホームでは9~ 10 人の
自宅訪問で対話を重ね
とき、ゼミの授業でデイサービス施設に
利用者さんのユニットを担当し、それぞ
毎週のように出向き、高齢者のみなさん
れの要望に合わせて食事や排泄、入浴介
と一緒に編み物などをするボランティア
助などを行った。
護事業者との連絡調整も行う。いわば在
大岡さんが車イスの男性と会話を交わし
現在、受け持っている利用者さんは
ていた。坂口紀夫さん(73)
。2006(平
36 人 で、 こ の う ち 要 介 護 者 が 22 人、
を体験したことだ。
「現場体験が少なかっただけに、戸惑
いの連続でした」
成 18)年8月のオープン当初から、3
要支援者が 14 人。介護器具の選定や利
大学は医療福祉系の専門ではなく、福
階の特別養護老人ホームに入所してい
用施設に関する相談などが多く寄せら
祉関係の法律や心理学などの座学が中心
る。大岡さんともすっかり顔なじみだ。
れ、少なくとも毎月1回は利用者さんの
だった。それだけに現場に直接触れるこ
家に出向いて対話する。もちろん、同居
の体験をしたことで、高齢者ケアの仕事
身長 159㌢の大岡さんが自分よりもっ
「結婚して、だいぶまるなったね」
大岡さんは、こう振り返る。
その1つが、利用者さんの移乗介護。
する家族から話を聞くのも重要な仕事。
に就きたいという思いが強まっていった
と大柄な男性をケアすることも少なくな
ん。
〝大岡ファン〟を自任し、自室のタ
家庭内でしかわらかない利用者さんの様
という。
い。身体の使い方のコツをつかめば、相
ンスに彼女の写真を入れて大切に保管し
子を知るのが、大きな目的だ。
現場の介護で技術を習得
手の体格に関係なくスムーズに移乗させ
そう言いながら、笑顔を見せる坂口さ
ているほどだ。
「やりがいを感じるのは、利用者さま
大岡さんの職場は、1階にある居宅介
や家族の方から
『あなたにしか話せない』
護支援事業所。
ケアマネージャーとして、
と言われたときですね。自分を信頼して
そんなとき、就職活動で「橿原の郷」
の新規オープンを知り、自らアルバイ
ることができるが、大岡さんは最初のう
ち、
力任せに行うことが多かったという。
しかし、上司や先輩の的確なアドバイス
を受けながら技術を習得し、現場のユ
社会
福祉
法人
ニットリーダーを務めるまでになった。
三養福祉会
三養福祉会は、人権尊重の精神を基調に、高齢者、障がい者等すべてのご利用者が
共に生きる社会(ノーマライゼーション)の実現を目指しております。
家で過ごす時間を大切に
結婚を控えた 2014(平成 26)年3
三養福祉会は各地域で、それぞれ地域の歴史や文化、生活習慣を大切にご利用者をはじめ地域の皆様に喜んでいただけるよう
月にいったん退職し、職場復帰を果たし
満足度の高い利用者本位のサービス提供の実現に取り組んでいます。
たのは今年3月。大学卒業と同時に取得
した社会福祉士の資格も生かせるとケア
マネージャーに転身し、それに合わせて
仕事内容も大きく変化した。
ケアマネージャーは相談を受けるとこ
ろから始まり、在宅での生活を維持する
ために必要なフォーマル、インフォーマ
ルなサービスの提供が基本。必要に応じ
て施設への入所の手配、あるいは亡くな
るまで1人ひとりの利用者さんの人生に
寄り添う仕事だ。
昨年7月に結婚し、家庭ではひとりの
主婦の顔も持つ。
「利用者さまの『家で過ごす時間』を
何よりも大切にしています。まだまだ勉
強の毎日ですが、この選択が決して間
違っていなかったと思えるよう、がん
ばっていきたい」
大岡さんは、こう力を込めた。
お問合せ
社会福祉法人
三養福祉会
〒571-0035 大阪府門真市桑才 294 番地 5
TEL 072-882-333
三養福祉会
http://www.sanyoufukushikai.com/
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