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119号

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119号
2014(平成26)年6月1日号
2014(平成26)年6月1日号
公 益 社 団 法 人 鹿 児 島 県 社 会 福 祉 士 会 ニ ュ ー ス
公益社団法人鹿児島県社会福祉士会ニュース
第119号 (1)
第119号(1)
発行:
公益社団法人 鹿児島県社会福祉 士 会
会長 久永 繁夫
鹿児島市鴨池新町1-7県社会福祉センター内
Tel 099(213)4055
Fax 099(213)4051
◆ URL : http://www.minc.ne.jp/~jacsw/
◆ e-mail: [email protected]
119
119
第22回日本社会福祉士会全国大会・
社会福祉士学会の成功に向けて
全国大会実行委員長・鹿児島県社会福祉士会会長
全国大会実行委員長・鹿児島県社会福祉士会会長
久 永 繁 夫
久 永 繁 夫
会員の皆さん、全国大会まであとひと月近くの時期となりました。
本県での大会開催が決定されて以来、実行委員の募集からアッという間に今日に至りました。この間の実行
委員の皆さんをはじめ会員の皆様方のご協力に感謝申し上げます。
「変化する社会構造と社会福祉士~多様な福祉ニーズに応えるために~」
をテーマに開催される本大会は、
実行委員会の奮闘により順調に準備は整いつつあります。本県会員にとっては一生に一度か二度の意義ある
地元開催となります。大会の成功に向けて会員一丸となって全国の会員を迎えたいと考えます。そこで皆さ
んに以下の5点についてお願いをいたします。
1 実行委員の皆様には、各部署での確認事項を再度点検して大会の運営に当たってください。
2 実行委員以外の皆様には、大会参加へ向けて職場の理解と協力を得て、大会に参加してください。
3 本県会員の参加目標は、最低300人を設定しています。各支部総会等で参加人員の目標を設定
して対応をお願いいたします。
4 大会に参加して職場や地域で社会福祉士として果たすべき役割を学びましょう。また、分会等で全国
の仲間の実践・研究の手法等を学びましょう。
5 本会に未加入の方に大会参加を呼びかけるとともに、入会方お願いしましょう。
本会役職員はもとより会員一同一致団結して大会成功に向けて頑張りたいと思います。
第119号(2)
第119号
第119号 (2)
(2)
法鹿
人児
鹿
会福
福祉
祉
ュュ
ーー
スス
公
公益
益公
社
社益
団
団社
法
法団人
人
鹿
児児
島
島島
県
県県社
社社会
会
福
祉士
士
士会
会
会ニニ
ニ
ュ
ー
ス
大隅地区支部研修報告
大隅地区支部 宮原 凡恵
大隅地区支部 宮原 凡恵
平成
平成 26
26 年
年 22 月
月 15
15 日(土)
日(土)
、二見いすず氏による講
、二見いすず氏による講
演【社会福祉士の職場におけるコミュニケーションス
演【社会福祉士の職場におけるコミュニケーションス
キルについて】が大崎町公民館にて行われた。
キルについて】が大崎町公民館にて行われた。
二見氏は
二見氏はMBCでアナウンサーとして活躍する傍ら、
MBC でアナウンサーとして活躍する傍ら、
出身地である大崎町にてご両親の介護を担われてきた
出身地である大崎町にてご両親の介護を担われてきた
との事。ご自身の仕事内容を踏まえながら、介護の現
との事。ご自身の仕事内容を踏まえながら、介護の現
場における利用者の方々、更に職員同士のコミュニケ
場における利用者の方々、更に職員同士のコミュニケ
ーションの図り方についてお話された。
ーションの図り方についてお話された。
二見氏の仕事内容(ナレーション等)と介護の現場での
二見氏の仕事内容(ナレーション等)と介護の現場で
遣り取りとの相違に触れ、特に言葉の遣い方について
の遣り取りとの相違に触れ、特に言葉の遣い方につい
例を挙げられた。声かけのポイントは、良い方向に向
て例を挙げられた。声かけのポイントは、良い方向に
かっていける言葉のかけ方が仲間内でも重要であると
向かっていける言葉のかけ方が仲間内でも重要である
の事。その言葉の遣り取りに対し、自分自身でも振返
との事。その言葉の遣り取りに対し、自分自身でも振
る事も大事であると強調された。言葉が変わると気持
返る事も大事であると強調された。言葉が変わると気
が変わり、それがやがて行動を変えていき、更には習
持が変わり、それがやがて行動を変えていき、更には
慣が変わっていくという。
習慣が変わっていくという。
次にお父様の話について触れられた。困った事があ
次にお父様の話について触れられた。困った事があ
り、誰かに相談すれば良かったと思い付き、担当のケ
り、誰かに相談すれば良かったと思い付き、担当のケ
アマネジャーにその話をしたところ、
アマネジャーにその話をしたところ、
「何かあったら夜
「何かあったら夜
中でもいいのでいつでも相談して下さい」と言われた言
中でもいいのでいつでも相談して下さい」と言われた言
葉に安心されたという。
葉に安心されたという。
「あなたの事をいつでも思って
「あなたの事をいつでも思って
います」といった言葉から来る安心感があるが、
います」といった言葉から来る安心感があるが、
色んな
色んな
タイプの人が居るように表現の仕方も様々である。特
タイプの人が居るように表現の仕方も様々である。特
に【なかなか話しかけても話そうとしない人】こそ、
に【なかなか話しかけても話そうとしない人】こそ、
アプローチが必要である。話さないという事は、話せ
アプローチが必要である。話さないという事は、話せ
ないといった事情も含まれるので、より丁寧に接して
ないといった事情も含まれるので、より丁寧に接して
いく必要がある。「大丈夫ですか?」という言葉にある
いく必要がある。「大丈夫ですか?」という言葉にある
温かみを相手に伝える事が大事である。
温かみを相手に伝える事が大事である。
しかし相手の「大丈夫ですよ」には様々なニュアンス
しかし相手の「大丈夫ですよ」には様々なニュアンス
があるので、言葉のみならず表情や声のトーンから、
があるので、言葉のみならず表情や声のトーンから、
相手が本当に何を望んでいるのか読み取るのが大事で
相手が本当に何を望んでいるのか読み取るのが大事で
ある。それを読み取れなければ、相手の思いを素通り
ある。それを読み取れなければ、相手の思いを素通り
してしまうというのである。
してしまうというのである。
【話し上手は聞き上手】
【話し上手は聞き上手】と
と
よく言われるが、相手の話を充分に聞いてから自分の
よく言われるが、相手の話を充分に聞いてから自分の
話を始める事が大事だとの事。人はついアドバイスを
話を始める事が大事だとの事。人はついアドバイスを
挟みたくなるが、先ずは相手の話を聞き、相手を全部
挟みたくなるが、先ずは相手の話を聞き、相手を全部
受け止めることの大事さを強調された。
受け止めることの大事さを強調された。
その【受け止め】の方法は、相手の言葉の反復…こ
その【受け止め】の方法は、相手の言葉の反復…こ
れこそが気持の共有に繋がる。それを行う事で、相手
れこそが気持の共有に繋がる。それを行う事で、相手
の気持の掬い上げを行ってから、適切な情報提供を行
の気持の掬い上げを行ってから、適切な情報提供を行
えば、相手は認められた、と思うのだ。ただその際に
えば、相手は認められた、と思うのだ。ただその際に
相手からの怒り、悲しみ等の【負の感情】を、一旦何
相手からの怒り、悲しみ等の【負の感情】を、一旦何
処かに下ろす作業も必要である。その為には、気持が
処かに下ろす作業も必要である。その為には、気持が
2014
(平成26)年6月1日号
2014(平成26)年6月1日号
2014(平成26)年6月1日号
解る人同士での思いの共有、特に同じ職場で同じよう
解る人同士での思いの共有、特に同じ職場で同じよう
な思いを抱える職員同士での作業が必要である。
な思いを抱える職員同士での作業が必要である。
否定的な言葉が先に来ると、話そのもののイメージ
否定的な言葉が先に来ると、話そのもののイメージ
まで悪くなってしまう為、
まで悪くなってしまう為、
“前向きな表現”
“前向きな表現”
、そして話
、そして話
し易い雰囲気を作る事。それには笑顔の練習を奨めら
し易い雰囲気を作る事。それには笑顔の練習を奨めら
れた。
れた。
自然な笑顔を作るには、
自然な笑顔を作るには、
自分の一番好きなもの、
自分の一番好きなもの、
いい事を思い浮かべる。また自分がイメージするもの
いい事を思い浮かべる。また自分がイメージするもの
と、相手が認識する笑顔は必ずしも同じものではない
と、相手が認識する笑顔は必ずしも同じものではない
という事も認識しておく必要がある。
という事も認識しておく必要がある。
次に自分の持っている情報の惜しみない提供。それに
次に自分の持っている情報の惜しみない提供。それ
より適切な情報提供が出来るということである。
により適切な情報提供が出来るということである。
フランスの【ユマニチュード(=人として接する、の
フランスの【ユマニチュード(=人として接する、の
意)】
意)】
精神…ケアする相手を「見つめる」「話しかける」「触
精神…ケアする相手を「見つめる」「話しかける」「触
れる」…相手に触れながら話しかけると、
れる」…相手に触れながら話しかけると、
意思疎通の難
意思疎通の難
しい認知症の方でも表情が穏やかになる事があるが、
しい認知症の方でも表情が穏やかになる事があるが、
これから広まっていくだろうと言われた。
これから広まっていくだろうと言われた。
人の話を聞くには、①ゆったりと構える、②心、目
人の話を聞くには、①ゆったりと構える、②心、目
で聞く、③感情を受け止める、④相槌を打つ、これら
で聞く、③感情を受け止める、④相槌を打つ、これら
を行う事により、相手はより話しやすくなる。注意点
を行う事により、相手はより話しやすくなる。注意点
として、早過ぎるアドバイスは抑える、そして言葉を
として、早過ぎるアドバイスは抑える、そして言葉を
聞いただけの早合点をしない事も同時に付け加えられ
聞いただけの早合点をしない事も同時に付け加えられ
た。更に⑤親身に聞く⑥相手の苦労話に耳を傾ける、
た。更に⑤親身に聞く⑥相手の苦労話に耳を傾ける、
⑦対等な立場で話す等、⑧沈黙も互の空間の共有だと
⑦対等な立場で話す等、⑧沈黙も互の空間の共有だと
捉え、無理に会話を進めようとしない…これらの大切
捉え、無理に会話を進めようとしない…これらの大切
さを説明された。
さを説明された。
介護の際は予め想定問答を頭の中で構築してから臨
介護の際は予め想定問答を頭の中で構築してから臨
む人も多いだろうが、相手の気持ちに寄り添う…頭で
む人も多いだろうが、相手の気持ちに寄り添う…頭で
自分自身のその時の状況(体調、その日
その日
判っていても、
判っていても、自分自身のその時の状況(体調、
の感情、詰まった予定等の物理的背景等)で、頭の中の
の感情、詰まった予定等の物理的背景等)で、頭の中の
想定と実際が大きく違ってしまう事も多々ある。
想定と実際が大きく違ってしまう事も多々ある。
バイステックの原則の一つ、
バイステックの原則の一つ、
【統制された情緒的関与】
【統制された情緒的関与】
の重要性を今一度自分自身に言い聞かせ、相手の感情
の重要性を今一度自分自身に言い聞かせ、相手の感情
に押し流されない事、自分自身の感情や主観を出来る
に押し流されない事、自分自身の感情や主観を出来る
だけ抑えながら相手に接する事、そして人に接するが
だけ抑えながら相手に接する事、そして人に接するが
上でどうしても抱えてしまう負の感情を無理に抑えず、
上でどうしても抱えてしまう負の感情を無理に抑えず、
寧ろ誰かと共有する事で感情を大事にする事の大切さ
寧ろ誰かと共有する事で感情を大事にする事の大切さ
を改めて思い出される講演となった。
を改めて思い出される講演となった。
2014
(平成26)
年6月1日号
第119号
(3)
法鹿
人鹿
会福
福祉
ュュ
ース
公 益公
社益
団社法団人
児児
島島
県県社社会
祉士
士会会ニニ
ー ス
基礎研修Ⅰを受講して
春田 朋美
私はこの度、平成25年度基礎研修Ⅰを受講させて
頂き、何よりまず事前課題・中間課題の提出に苦戦し
ましたが・・・何とか無事終了することができました。
ある先輩から「基礎研修Ⅰ受ける?」と言われるまで
把握すらしていなかったのですが(笑)
、以前から興味
のあった認定社会福祉士を取得するための必修単位と
いうことで、受講することを決めました。
基礎研修Ⅰのプログラムは、事前課題と中間課題の
提出に加え、集合研修2回というものでした。
まずは事前課題で生涯研修制度と、倫理綱領・行動
規範から社会福祉士として大切にしたいことをそれぞ
れまとめました。後日、1回目の集合研修では、社会
福祉士として担っている役割・業務を職種別に一旦分
けた後、更に業務別に分類していくという演習があっ
たのですが、その結果から見えたことは、職種は違っ
ても社会福祉士としての業務・役割はほぼ共通すると
いうことでした。私はこれまで、専門分野の研修参加
を重点的に考えていたので、社会福祉士を対象とした
研修会等への参加意識を高めることと、基本として倫
理綱領や行動規範を理解しておくことの必要性を感じ
ました。
中間課題は5部あり、これに一番苦しみました。課
題の一つに所属組織と他領域それぞれの社会福祉士へ
直接話を聞いた上でまとめるものがあったのですが、
普段じっくりと話を聞く機会をあまり持てずにいたの
で視野を広げる良い機会となりました。話を聞いてい
く中で、領域は違っていても援助していく過程で生じ
る悩みや壁は同じなんだなぁということを改めて考え
させられました。
その後の2回目の集合研修も半分は演習であり、価
値観の多様性と倫理綱領・行動規範適用について話し
合いました。その中でも、死刑制度について実際の新
聞記事を使用しながらのロールプレイは非常に新鮮で
した。最初は何の関係があるのかと少々戸惑いました
が・・・、どのような問題であっても自分の価値基準
を捨て常に倫理綱領・行動規範と照らし合わせ相談者
を援助しなければならないということを学びました。
私は今回、基礎研修Ⅰを受講したことで倫理綱領・
行動規範についての認識が変化しました。正直、今ま
では机上のものといった感覚が若干ありましたが、実
践において非常に重要な規範であるということを痛感
しました。
認定社会福祉士の取得まではまだまだ道のりは長い
ですが、一つ一つの研修を通し知識向上に努めてまい
りたいと思います。
第119号(3)
2014(平成26)年6月1日号
定着支援センター開設5年目に
鹿児島県地域生活定着支援センター 牛山 直美
月日は早いもので、センター開設からもうすぐ丸 4
年を迎えます。日頃より会員の皆さんや関係機関、地
域の皆さんにはお世話になっております。とても早く
濃い 4 年だったと感じています。
これまでの依頼件数は矯正施設入所中や出所後の調
整依頼を含めて 100 件を超えました。鹿児島保護観察
所からの依頼や他県センターからの依頼が主で、各地
の行政や医療福祉関係機関などとの連携が求められて
います。また最近は特に件数が増えてきているため、
各担当者の支援の進捗状況確認などセンター内での情
報共有も細かにしていく必要もあり、毎朝の朝礼や週
1回のケース会議の方法も検討しながら業務を進めて
います。
センターの業務は、刑務所入所から特別調整対象者
と呼ばれる高齢・障害者の、出所後の生活が安定する
よう、住まいを探したり福祉サービスの調整すること
が主になります。対象者の状況もだんだん複雑化して
おり、支援が難しいと思うことも増えています。受入
施設がなかなか見つからず対象者とともに悩んだり、
こちらからみたら支援が必要だと思われても、対象者
本人は困っていないと思っているため、なかなか支援
につながらないということもあります。また関係機関
との連携の形も様々で日々勉強させていただいていま
す。
センターの業務は他に、関係機関との連携強化や啓
発活動などもあり、平成 25 年度は関係機関連絡会議
や県民向けのセミナーの開催、関係機関の研修等での
業務説明など実施しました。特にセミナーには県民の
皆さんや医療福祉関係機関の皆さんに多数お集まりい
ただきました。研修会等は全定協スキルアップ研修・
九州ブロック研修、更生保護委員会の事例研究会等へ
の参加をしました。事例発表もおこない、振り返りや
今後の課題を探る良い機会となりました。
今年度も慌ただしくはじまりました。5年目になる
ため、
個人的には業務の見直しも必要と感じています。
この仕事は刑務所での面接や対象者の帰住予定地での
調整・会議や研修などがあり、とにかく移動が多く、
健康管理とスケジュール管理が必須です。私は夏にな
ると熱中症にかかりやすく、センター内では一番の要
注意人物です。
今年の夏を乗り切れるか少し心配です。
心身共に健やかであることが対象者とのよりよい関係
性を築いたり、よりよい支援ができると思うので、で
きるだけ元気で過ごしたいと思います。
最後に、今年度も皆さんのご支援ご協力をお願いい
たします。
第119号(4)
第119号 (4)
法鹿
人鹿
社会
会福
福祉
ュュ
ース
公 益公
社益
団社法団人
児児
島島県県社
祉士
士会会ニニ
ー ス
2014
(平成26)年6月1日号
2014(平成26)年6月1日号
野瀬弘康さんを悼む−社会福祉士会全国大会を前に−
共同社会福祉士事務所こすもす
野瀬弘康さんと出会ったのは 2000 年 4 月である。
私が鹿児島国際大に専任講師として赴任した年であっ
た。社会福祉援助技術現実習指導Ⅱ(現ソーシャルワ
ーク実習指導Ⅱ)という科目の中で児童分野を担当し
ていた私のクラスに野瀬さんは入ってきた。
野瀬さんは実習先に石井十次が創設した岡山孤児院
を継承する宮崎高鍋にある石井十次記念友愛舎(児童
養護施設)を希望した。児童福祉の父と言われる石井
十次について、強い関心があったようである。また野
瀬さんが宮崎出身ということもあったと思う。同じ宮
崎出身の上山さん(旧姓田爪さん:卒業後児童養護施
設愛の聖母園に就職し、
現在は結婚出産で退職された)
と二人が友愛舎での実習に臨んだ。私は期間中 2 回、
友愛舎を訪問し、野瀬さん、田爪さんと実習の進行状
況について話をした。二人とも一生懸命に住み込みの
実習に取り組んでいた。
実習が終了し、実習後の振りかえり授業も一段落し
たとき、忘年会をやろうということで 12 月末、天文
館で飲み会を行った。参加者は少なく、野瀬さんと白
川さん(卒業後、児童養護施設大村報徳学園に就職し
た)
、吉田さん(卒業後姶良町役場、現姶良市役所に就
職)の 3 人だけだった。しかしカラオケスナックであ
りながら、3 人とも中でも野瀬さんは最も熱く福祉の
こと、将来福祉専門職として働くことに対しての夢と
情熱を語っていたことを覚えている。帰りはすでに深
夜を過ぎていた。
授業の中でも特に積極的な参加意識、問題意識を持
っている学生であることはわかっていたが、この飲み
会での野瀬さんの語りの中に将来嘱望される器である
ことを感じさせてくれるものがあった。たった 1 年に
過ぎない野瀬さんとのつきあいであったが、卒業後も
社会福祉士会の活動を通して、また大学での入門科目
や演習科目に非常勤として授業の担当をお願いする中
で彼自身の卒業後の仕事ぶり、成長ぶりをやや距離を
持ちながら眺めてきた。あるとき研究者への道につい
ても相談を受けたことがあったが、その時は確か「も
っと現場経験を踏んでから」という結論になったと記
憶している。
何度かの転職があり、それ自身はなにか理由がある
ものとは思っていたが、一つ一つの転職をキャリアア
ップにつなげていくしたたかさを持っていたように思
う。その後も結婚したこと、待望の子どもが生まれた
ことなど、時折の報告があり順調にソーシャルワーカ
ーとしてのキャリアを積んでいるものとばかり思って
いた。
天羽 浩一
5 月(昨年)にあった社会福祉士会総会では議長を
務め、元気そうな印象だけを受けていた。その野瀬さ
んが亡くなったと川原園さんから聞いたのが 7 月 9 日
だった。
絶句あるのみであった。33 歳であった。ソーシャル
ワーカーとして人の命を一番大切にしていたはずの野
瀬さんが 33 歳でなくなった。なぜだ・・・通夜から
葬儀の中で、ご両親の激しい慟哭が参列者の胸を打っ
た。
父は葬儀であいさつの一言も述べることができず、
号泣して棺の前に崩れおちた。逆縁のもつ残酷さに肌
が震えた。
両親の悲しみ、事情を理解しえない子どもたち、そ
して奥様の気持ちを考えるといたたまれない気持ちに
なった。野瀬さん、君の仕事は人を元気にさせるもの
だったんだろう?
その君が一番近い人を悲しみの底に追いやってしま
った。それほどの苦しみが君にあったとして、なぜそ
れを人に相談しなかったんだ。手元に君が残した講義
「○○施設に勤めて
録(パワーポイント資料)がある。
いる野瀬ではなく、ソーシャルワーカーの野瀬ですと
自己紹介したい」と言っていたよね。もう一度学生に
講義しろよ・・・
49 日を前に、宮崎の実家を訪問し、お線香をあげさ
せていただいた。ご両親は当然にも傷癒えない状態だ
ったが、感情を押し鎮めながら、静かに彼の人となり
を語ってくれた。高校卒後時には介護福祉士資格を取
得し、さらに社会福祉士と精神保健福祉士を取得する
ために大学に進学した。中学生の時から福祉への情熱
を持ち続けていたのだろう。残念でならない。
・・・・
あれからもうすぐ 1 年が過ぎる。鹿児島での社会福
祉士会全国大会が近い。君は全国大会を楽しみにして
いたはず、また大会準備ではきっと中心的な働きをし
ていたはずだ。
おーい、もう一回こっちに戻って来いよ。もうすぐ
大会だぞ!まだそちらの世界は早すぎるんだよ・・・
− 合掌 −
第119号(5)
2014
(平成26)年6月1日号
公 益公
社益
団社法団人法鹿
県県
社社
会会福福祉祉士
ュー
ース
ス
人児
鹿島
児島
士会
会ニ
ニュ
2014(平成26)年6月1日号
第119号(5)
In fo rmat io n &To pix
In fo rmat io n &To pix
3月1日、精神関係3団体連携の「精神保健福祉事
業団体連絡会」
(精事連)初の研修会。
3月13日、昨年自殺者2万7283人。
3月14日、社会福祉士・精神保健福祉士、合格発表。
社福合格率27.5%12540人。県内143人。精神
58.3%。県内35人合格。
3月15日、日本社会福祉士会通常総会。
3月17日、埼玉ベビーシッターに預けられた2歳児死亡。
3月18日、農と福祉のネットワーク推進会議、開催。
3月19日、厚労省,ベビーシッター利用留意点HPに掲載。
3月20日、全日本手をつなぐ育成会、来年度に社
会福祉法人として解散。法人格の無い連合体とし
て活動する方針を発表。
同日、茨城県で、障害者差別禁止条例、可決成立。
3月21日、6月成長戦略に産業競争力会議で「准
保育士」資格を新設予定に。
3月22日、鹿県社会福祉士会、総会。
3月25日、厚労省、特養待機者52万人と5年前より
10万人増と報告。3分の2が中重度者。県内も7782
人と増加。川内原発30km圏内80病院・160福祉施
設中、避難対策策定は4福祉施設のみ。
厚労省、社会福祉法人に社会貢献を義務化と表明。
3月26日、県議会本会議で「障害のある人もない
人も共に生きる鹿児島条例」成立。10月1日施行。
同日、ロボットスーツのサイバーダイン社、東証上場。
同日、警察庁発表。昨年ストーカー被害2万件突破。DV4
万9533件と最多を更新。
同日、聴覚障害者認定方法に関する検討会開始。
3月27日、介護福祉士合格発表。合格率64.6%。9
万9689人合格。県内1678人。外国人78人。鹿県自
殺対策連絡協議会、言語聴覚士合格発表。1779人
(合格率74.1%)
。義肢装具士合格発表183人(合
格率82.8%)
。昨年自殺が16年ぶりに400人下回っ
たと発表。自殺率は全国平均を上回る。
消防庁、スプリンクラー設置基準を19床以下の入院診療
所延べ床面積3千㎥以上に引下げへ。26年度中に
消防法施行令改正予定。
同日、厚労省、
「地域包括ケア全国推進会議。
3月28日、政府中央防災会議で南海トラフ地震での津
波避難対策特別強化地域に、県内志布志・西之表
他6町を指定。育児休業給付を拡充する改正雇用
保険法が成立。厚労省、保育所待機児童13年10月
現在4万4118人と2千人減。
同日、消防庁、障害者施設等火災対策検討部会、全
障害者施設にスプリンクラー設置義務の報告書纏める。
3月30日、帝国データ、昨年老人福祉事業所倒産件
数46件と最多に。ディサービスが中心。
3月31日、理学療法士9315人(合格率83.7%)
。作
業療法士4740人(合格率86.6%)
。視能訓練士863
人(合格率90.6%)
。
4月1日、公益法人・日本社会福祉士会、登記。
認定社会福祉士178人誕生。
消費税8%へ。診療報酬改定。70~74歳医療費自
己負担2割段階的引上げ開始。介護保険2号被保険
者負担,月額5275円に。障害者支援区分施行開始。
障害福祉サービス、重度訪問介護の対象者拡大(重度
知的と精神も)
。鹿県、たん吸引認定登録、障害
支援資格受講料引上げ。ハーグ条約、発効。改正
精神福祉法施行。日本転倒予防学会、発足。
胎児・小児性水俣病患者ケアホーム、水俣市に開所。
医療・介護総合推進法案、国会審議開始。
県警、DVストーカー対策プロジェクトチーム「女性被害特別捜
査係」設置。九州初。
難病対策・小児慢性特定疾患医療費助成制度改正
案も。
4月2日、
「医療法人の事業展開等に関する検討会」
再開。自閉症啓発デー。
4月4日、日本財団、特別養子縁組制度普及の為、
「養子の日」イベント開催。12年度介護給付費8兆円
突破。
[子どもの貧困対策会議]初会合。7月まと
め予定。経済財政諮問会議・産業力競争会議で安
倍首相、介護・育児・家事で外国人活用仕組みを
指示。6月まとめ。技能実習制度対象拡大か?
4月7日、参院決算委員会答弁で、担当局長「介護
予防に定量的な評価なし」と答弁。
4月8日~「長期入院精神障害者の地域移行に向け
た具体的方策にかかわる検討会」初会合。6月ま
とめ目標。
4月11日、改正少年法成立。
4月16日、次世代育成支援対策推進法(次世代法)
、
成立。23日公布。来年4月施行。
同日、規制改革会議、介護・保育に関する意見書
まとめ。来年半ばまでに全ての社会福祉法人に社
会貢献活動の義務付を。
4月17日、
「子どもの貧困対策に関する検討会」
、
初会合。6月とりまとめ予定。
4月18日、厚労省、改定生活保護法運営指針省令
公布。2月の当初案から異例の大幅修正。パブコメ
1166件反を適正化へ。
4月22日、経済財政諮問会議で、麻生財務相、特
老介護報酬引上げに言及。
4月24日、認知症徘徊死亡事故名古屋高裁で、妻
のみに賠償命令。警察庁、2012年認知症原因での
行方不明9607人と発表。
4月28日、厚労省、今年1月のホームレス7,508人と、757
人減で発表。鹿県は41人。
同日、県警、昨年の行方不明者届1185件中、認知
症によるもの65名と発表。8割当日発見。12人死亡。
第119号(6)
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2014(平成26)年6月1日号
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同日、介護給付分科会再開.12月中旬方向纏め。
4月30日、米盛病院、県内民間初の救命ヘリ導入
へ。9月運航開始目標。
5月7日、文科省・厚労省、認定こども園4月1日現
在で1350で目標達成せず。鹿県35。サービス月高齢
者住宅、2055件中43%が標準達せず。3%問題物件。
同日、コミュニティラジオ天神、日本初の高齢者介護専門
FM番組を開始。毎週水曜14時~netで視聴可能。
5月8日、日本創成会議、40年に896市町村消滅可能
性。523市町村は消滅の可能性が高いと発表。
5月9日、鹿県、4月に有料化した介護職の喀痰吸
引認定登録料を再び無料へ。
5月12日、鹿県警、4月に立ち上げたストーカー対応プ
ロジェクトチーム発足後初の逮捕者。
5月13日、自民党、高齢者や障害者の介護人材の
処遇改善法案をまとめる。
5月15日、自民党議員約40人が国会内で「認知症
サポート議員連盟」
(会長・北川イッセイ参院議
員)の設立総会。同日、地域医療・介護総合確保
推進法案、衆院通過。今国会で成立の見込み。
5月頃、通常国会へ「尊厳死法案」提出予定。
5月25日,鹿県社会福祉士会,総会。
5月31~6月1日、日本認知症ケア学会in東京。
6月~ベトナムから看護師及び介護福祉士候補訪日。
同月、県立大島病院・地域救命救急センター、稼働予定。
6月1日、「わたしの終活」フェアin県民交流センター。
6月3日、コミュニティ・ソーシャルワーカーを描いたNHKTVドラマ「サイ
レント・プア」、最終回予定。
6月7日、子ども虐待と権利擁護研修in宮崎。
6月7日~8日、日本老年社会科学会in岐阜。
6月12~13日、日本老年精神医学会in東京。
6月12~14日、日本老年医学会in福岡。
6月15日、鹿県介護福祉士会、総会。
6月19~21日、精神保健福祉士会全国大会in埼玉。
6月21日、日本社会福祉士会通常総会。
6月21~22日、日本ソーシャルワーク学会in日本福祉大学。
6月22日、通常国会・会期末。
夏迄、認定こども園・保育要領解説書、骨子公表。
認知症サミットフォロー「新しい介護と予防モデル」in日本。
7月頃、県内初、曽於市24時間健康・医療相談センター。
7月4~5日、高齢者虐待防止学会in横浜。
7月5~6日、日本社会福祉士会全国大会・宝山ホール。
7月6日、認知症ケア専門士認定1次試験。
7月9~12日、IFCSW世界会議inメルボルン。
7月12~13日、日本学校ソーシャルワーク学会in京都。
同日、日本ホスピス・在宅ケア研究会全国大会in神戸。
7月19~20日、日本ケアマネジメント学会in新潟。
7月24~25日、てんかん基礎講座in大阪。
7月26~27日、独立型社会福祉士養成研修in東京。
7月29~30日、全国身体障害者施設協議会in横浜。
8月~ 加齢黄斑変性患者へのIPS細胞を使った
治療、国内で開始。
(再生医療)
知的障害者サッカー世界選手権inブラジル。
8月パラリンピック車いすバスケット日本代表合宿in伊佐。
9月3日~5日、知的障害者施設全国大会in青森。
9月中、雑誌イブニング連載中の「ヘルプマン」、掲載終了
予定。作者くさか里樹氏へ執筆継続の投書を。
9月14~17日、子ども虐待防止学会世界会議名古
屋。
9月26~27日、日本医療マネジメント学会・九州大会in
鹿児島。
10月~「障害のある人もない人も共に生きる鹿児
島づくり条例」施行。
10月1~3日、国際福祉機器展in東京ビックサイト。
10月10~11日、日本介護学会in山口。
10月15~17日、介護老人保健施設全国大会in岩手。
10月16日~17日、九州知的障害者施設大会in宮崎。
10月26日、介護支援専門員実務研修受講試験。
10月28日~30日、全国老人福祉施設大会in仙台。
11月~日本初開催ブラインドサッカー世界選手権in渋谷。
11月6~8日、リハビリテーション・ケア合同研究大会in長崎。
11月7~8日、介護福祉士会九州ブロックセミナーin佐賀。
11月10~16日、
「アルコール健康障害対策基本法」成立
後、初めての「アルコール関連問題啓発週間」
。
11月25日~26日、老人福祉施設全国会議in香川。
11月29日~30日、日本社会福祉学会in早稲田大。
11月29日~12月1日、日本認知症学会in横浜。
1月25日、社会福祉士、精神保健福祉士試験。
介護福祉士1次試験。
1月30~31日、障害支援施設部会全国大会in福岡。
2月14~15日、日本介護支援専門員大会in和歌山。
3月 認知症サミットinアメリカ。
4月~改正介護保険法施行。障害福祉サービス報酬改
定。認定こども園、保育要領施行。子ども子育て
新制度、本格実施。
鹿児島大会で会いましょう!!
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