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次々に屋号を変えながら、「モデルの仕事を紹介できる。話だけでも 聞き

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次々に屋号を変えながら、「モデルの仕事を紹介できる。話だけでも 聞き
平成25年3月21日
生 活 文 化 局
次々に屋号を変えながら、「モデルの仕事を紹介できる。話だけでも
聞きに来ないか。」と事務所へ誘い、写真撮影契約の勧誘をしていた
芸能プロダクションに業務停止命令(3か月)
本日、東京都は、登記簿上の社名や勧誘目的を告げずに「モデルに興味はないか。話だ
けでも聞きに来ないか。」と事務所へ呼び出し、仕事を紹介するためにはプロフィール用
の写真が必要だとして、写真撮影契約の勧誘を行っていた事業者に対し、特定商取引に関
する法律(以下「特定商取引法」という。)第8条に基づき業務の一部を停止(3か月)
すべきことを命じました。
なお、当該事業者は、インターネット上の書き込みにより、事業者名や悪い評判が知れ
わたるのを防ぐため、「A」「C」「Books」「And」と屋号を短期間で次々と変更し
ていました。
1
事業者の概要
事 業 者 名: 株式会社Defi
代 表 者 名: 代表取締役 山崎 竜司
本 店 住 所: 東京都渋谷区渋谷一丁目8番3号
屋
号: 「A」「C」「Books」「And」
設
立: 平成23年9月12日
業 務 内 容: 芸能プロダクション、写真撮影の役務提供
(訪問販売:アポイントメントセールス)
資 本 金: 1000万円
売 上 高: 約1億4300万円(平成23年9月~平成24年8月)
従 業 員 数: 14名
2
勧誘行為等の特徴
(1)繁華街の路上で、「モデルに興味ありませんか。」などと20歳前後の若者に声をかけ、
「モデル事務所の写真審査のため、写真を撮らせて欲しい。」とその場でスナップ写真を
撮影する。
「審査結果がわかるから後で電話して。」などと言い、消費者に名刺を渡す。又
は、消費者から連絡先を聞き出す。
(2)後日、消費者がもらった名刺の事務所へ電話をかけたり、当該事業者が消費者に電話を
かけるなどして、
「モデルの仕事を紹介できる。話だけでも聞きに来ないか。」などと言っ
て、消費者に事務所への来訪を約束させる。
(3)消費者が事務所に行くと、
「モデルの仕事を始めとして、いろいろな仕事を紹介できる。」
と説明する。そして、仕事を紹介するためにはプロフィール用の写真撮影が必要だとして、
写真撮影契約(10万5千円)を結ばせる。
3
業務の一部停止命令の内容
平成25年3月22日(命令の日の翌日)から平成25年6月21日までの間(3か月)、特
定商取引法第2条第1項に規定する訪問販売に係る役務提供契約の次の行為を停止すること。
(1) 契約の締結について勧誘すること。
(2) 契約の申込みを受けること。
(3) 契約を締結すること。
【問合せ先】
担
当 生活文化局消費生活部取引指導課
電
話 03-5388-3074
4
5
業務の一部停止命令等の対象となる主な不適正な取引行為
不 適 正 な 取 引 行 為
特定商取引法の条項
街頭で「モデルに興味はありませんか。」などと声をかけ、事務
所へ連絡するよう要請し、電話をかけた消費者に対し「モデルの仕
事を紹介できる。話だけでも聞きに来ないか。」と事務所への来訪
を要請するなど、写真撮影契約の締結について勧誘する目的がある
ことを明らかにしていなかった。
また、勧誘に先立って、登記簿上の名称が「株式会社Defi」
であるにもかかわらず、「A」、「C」、「Books」、「And」の
屋号のみを告げていた。
第3条
勧誘目的不明示
契約の内容を明らかにする書面において、契約の解除に関する事
項並びに事業者の名称、住所、電話番号、代表者の氏名及び契約担
当者の氏名について記載していなかった。
第5条第 1 項
契約書面記載不備
勧誘の目的があることを告げずに、電話により誘引した消費者に
対し、公衆の出入りする場所以外の場所である雑居ビル内の事務所
において、契約の締結について勧誘を行っていた。
第6条第4項
公衆の出入りする場所
以外の場所での勧誘
今後の対応
業務停止命令に違反した場合は、行為者に対して特定商取引法第70条の2の規定に基づき
2年以下の懲役又は300万円以下の罰金又はこれを併科する手続を、法人に対しては特定商
取引法第74条の規定に基づき3億円以下の罰金を科する手続を行う。
(参考)東京都内における当該事業者に関する相談の概要(平成25年3月18日現在)
平均年齢
契約額
22.3歳
(最年少16歳)
10万5千円
相 談 件 数
23年度
24年度
合 計
18件
71件
89件
(男女比 約1:5)
消費者へのアドバイス
・販売目的を告げずに、「モデルになりませんか」等と興味を引き、事務所へ来訪さ
せて、高額な契約の締結を迫る事業者がいますので、十分に注意してください。勧誘
を受けても、その場の雰囲気で契約を決めないようにしましょう。
・同様の事例でお困りの方は、お住まいの消費生活センターへご相談ください。
*東京都消費生活総合センター
03-3235-1155(相談専用電話)
参考資料
【事例1】
平成24年4月、消費者Xが街を歩いていると、当該事業者の従業員甲から「モデルに興
味はありませんか。事務所が写真審査をするので、写真を撮ってもいいですか。」と声をか
けられ、Xは撮影を承諾した。その場で撮影され「明日、ここに電話をください。」と名刺
を渡された。さらに、甲に連絡先を聞かれたので、Xは電話番号等を教えた。
翌日、Xは名刺にある電話番号に連絡すると「合格です。一度事務所に来て欲しい。ディ
レクターと話をしていただきたい。渋谷駅に着いたら連絡してください。」と当該事業者の
事務所への来訪を要請され、日時を約束した。
約束の日、Xが渋谷駅から事務所に電話をかけると、雑居ビルの3階まで誘導された。X
がエレベーターを3階で降り「Defi」という表示のドアを開けて入ると、事務所の中に
いた人に奥のソファーへ案内された。Xのところに当該事業者の従業員乙が来て、名刺を渡
した。乙は、事務所名を「A」と言い、この事務所ではどんな仕事を紹介しているのかを、
ファッションショーの広告などを見せながら説明した。仕事案内はメールで来るので、必要
な仕事を自分でピックアップし、やりたいものにエントリーしていくと説明した。
乙は、Xに「仕事をするのに事務所に登録しよう。事務所に登録するのに写真を撮ろう。」
と言った。費用については「写真撮影代として10万5千円。それ以降はかからない。」と
言った。その時、Xは、初めてお金がかかることがわかった。
そして、乙から「上の人にも紹介したい。一緒に頑張ろう。」と誘われ、Xは思わず「写
真を撮ります。」と答えた。支払いについては、乙から払えるだけ払うように言われたが、
Xは手持がなかったため、乙に言われた通り、近くのコンビニでお金を下ろして一部を支払
った。
そして、乙が写真撮影申込書に撮影日や支払い予定などを記入し、その後、Xは乙に言わ
れた通り、名前等を写真撮影申込書に記入した。
【事例2】
平成24年8月、消費者Yが街を歩いていると、当該事業者の従業員甲から「読者モデル
を探しています。モデルをしてみませんか。興味あれば連絡先とか書いてください。」と声
をかけられた。そして、「モデル事務所の審査にかけるので、写真を撮らせて欲しい。審査
に通ったら事務所に行って話を聞いて欲しい。」と言った。Yは、何度も断わったが、結局、
撮影を承諾すると、その場で撮影された。そして、Yは、甲から「明日、電話をください。」
と名刺を渡され、この時初めて、甲の名前がわかった。
後日、Yは甲に言われたとおり、名刺にある電話番号に電話をかけると、「合格です。プ
ロデューサーと面談がありますので、事務所に来てください。渋谷駅に着いたら連絡してく
ださい。」と当該事業者の事務所への来訪を要請され、日時を約束した。
約束の日、Yは時間どおり、渋谷駅に着いたが、約束の場所には誰も迎えに来ていなかっ
た。Yが名刺の電話番号に電話をかけると、事務所までの道を案内され、雑居ビルの3階へ
上がって行った。Yが3階の事務所に行くと、奥のソファーへ案内された。
しばらくすると、当該事業者の従業員丙が来て、Yに事業者名「C」という名刺を渡した。
丙は、資料を見せながら、「カラーコンタクトのモデルの報酬は、十万単位になる。」等と
説明した。他にも、所属モデルのプロフィールや写真等を見せながら、「事務所と契約した
ら、携帯電話の写真集アプリは絶対出れる。」と言った。
さらに、丙が「事務所に登録するのに、写真を撮る必要がある。写真は10万5千円かか
る。これを払い終えたら事務所に登録できるし、マネージャーが付き、営業もする。」と説
明した。Yは、ここで初めてお金の話がでたので、他にもお金がかからないか心配になった。
Yは、丙から「写真を撮るか、撮らないか。」と答えを迫られ、Yは、丙に急かされて、
考える余裕がなくなっていた。「興味があるので、写真を撮ります。」と返事をした。
丙は、支払いや撮影日について決め、写真撮影申込書に撮影予約日を書き入れた。Yも丙
に言われたとおり、写真撮影申込書に名前等を書き、丙に渡した。
【事例3】
平成24年10月、消費者Zは、街を歩いていた時に、当該事業者の従業員丁から「モデ
ルや芸能関係に興味はありませんか。」と声をかけられた。「モデルとかに興味があれば、
この場で写真だけでも撮らせてもらえないか。撮った写真を事務所の上の人に見せて、見込
みがありそうだとなれば、後で連絡する。」と言った。Zは、興味があったので写真を撮っ
てもらうことにした。丁は撮影した後、「これから事務所に戻って、事務所の人に確認する
ので、また連絡する。」と言った。
その後、Zの携帯電話に電話が入り、「写真を上の人に見せたところ、良さそうな感触だ。
モデルの仕事も紹介できそう。話だけでも聞きに来ないか。」と当該事業者の事務所への来
訪を要請され、Zは話だけならと事務所に行く約束をした。
事務所へは、電話で何度か誘導してもらい、事務所のある雑居ビルに着いた。ビルの中に
は、丁の名刺に書いてあった事業者名がどこにもなかった。
Zは、事務所の接客スペースのようなところに通され、当該事業者の従業員戊が対応した。
戊は、「写真を見てよさそうだなと思った。ファッションとか芸能界とかの仕事を紹介した
いけど、どうかな。」と言った。そして、「うちの事務所は、読者モデルとかファッション
ショーの仕事を持ってる。雑誌にも載れるし、ショーには確実に出せる。」と言った。戊は、
具体的な金額を上げて、この仕事ならこれぐらい稼げるという話もして、例として「80万
円くらい稼げる。」と言った。
戊は、絶対に仕事を紹介できるということを何度も言った。また、自分のやりたい仕事だ
けを選ぶことができるというように話していた。
紹介できる仕事の話をした後、戊は「仕事を紹介するのにも、プロフィールを作るのにも
写真が必要だ。写真を撮るのにお金がかかる。」と言った。Zは、この時、初めてお金がか
かるということを知った。Zが金額を聞くと、戊は「10万5千円だ。」と答えた。戊は「有
名なカメラマンに撮ってもらって10万5千円で済むのは安い。仕事はたくさんある。特別
に携帯電話の写真集アプリにも出してあげる。」などと確実に仕事があると言ったので、Z
は、写真を撮ることを了解した。
そして、支払や撮影日について決め、Zは、渡された写真撮影申込書に名前等を記入した。
それから、写真撮影申込書と領収書等を受け取り、事務所を出た。Zは、渡された写真撮影
申込書に「Books」の戊と書かれていたので、この時初めて契約担当者の名前が戊だと
いうことが分かった。
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