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広報“家畜の健康”

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広報“家畜の健康”
中央家保ニュース
Vol.10
1月号
広報“家畜の健康”
発行機関:熊本県中央家畜保健衛生所

住所:熊本市城南町沈目1666
TEL:0964-28-6021
1、トピックス:高病原性鳥インフルエンザが宮崎県、鹿児島県、愛知県で発生
宮崎県・鹿児島県に高病原性鳥インフルエンザが発生
万全の防疫体制を!!
1、宮崎県・鹿児島県の発生状況について(1/26現在)
(1)宮崎県1例目
住 所:宮崎市佐土原町
飼養状況:種鶏(肉用)10,240羽
経 緯:1月21日簡易検査の結果、7羽中6羽が陽性、1月22日A型インフルエンザウイルスH5
亜型の遺伝子を検出し、疑似患畜としてプレスリリース。1月24日全羽焼却処分終了。
(2)宮崎県2例目
住 所:宮崎県児湯郡新富町
飼養状況:採卵鶏66,000羽(同敷地内に当該農場を含め410,000羽)
経 緯:1月23日簡易検査の結果、6羽中5羽陽性、同日A型インフルエンザH5亜型を検出し、疑似患
畜としてプレスリリース。1月25日午後9時現在で125,055羽殺処分終了。
(3)鹿児島県1例目
住 所:鹿児島県出水市下水流
飼養状況:採卵鶏8,600羽
経 緯:1月25日簡易検査で9羽中8羽陽性。1月26日A型インフルエンザウイルスH5亜型の遺伝子を
検出し、疑似患畜としてプレスリリース。
2、愛知県における発生状況について
住 所:豊橋市大岩町
飼養状況:150,000羽
経 緯:1月26日遺伝子検査を実施、農林水産省と協議し陽性と判定。
3、家きん以外の鳥類における確認状況について
(1)富山県高岡市(動物園のコブハクチョウ)12月19日確認
(2)鳥取県米子市(コハクチョウ)12月18日確認
(3)鹿児島県出水市(ナベヅル)12月22日確認
(4)北海道厚岸郡浜中町(オオハクチョウ)1月23日確認
(5)島根県松江市(クンクロハジロ)1月25日確認
(6)兵庫県伊丹市(カイツブリ)1月25日確認
‘’高病原性鳥インフルエンザの発生を防止するためのポイント‘’
高病原性鳥インフルエンザウイルス, 長期間継代培養した
鳥インフルエンザウイルスの透過電子顕微鏡像。 (Source:
Dr. Erskine Palmer, Centers for Disease Control and
Prevention Public Health Image Library)
(1)人・車輌等による侵入の防止
(2)野鳥・野生動物による侵入の防止
(3)飲用水・飼料の汚染による侵入の防止
(4)鶏舎内外の整理・整頓・清掃
(5)鶏の健康管理及び取扱い
(6)鶏糞の処理
(7)鳥インフルエンザに対する理解と教育

2、口蹄疫・高病原性鳥インフルエンザ合同防疫演習を開催
中央地区(熊本・宇城・上益城・八代)家畜伝染病(口蹄疫・高病原性鳥インフルエンザ)
合同防疫演習
開催日時:平成22年12月22日
開催場所:中央家畜保健衛生所会議室及びグラウンド
内容
1)机上演習
(1)口蹄疫、高病原性鳥インフルエンザの概要(中央家畜保健衛生所 村田)
(2)口蹄疫机上演習(熊本農政事務所 樋口)
(3)高病原性鳥インフルエンザ机上演習(宇城地域振興局 道下)
2)実地訓練、現地事務所設営、運営

3、家畜衛生コラム(野中敏道所長)
またしても宮崎県でHPAIが発生。1例目は九州管内にヒナを出荷する種鶏場、2例目は採卵鶏農場で
殺処分は41万羽。一帯は宮崎の一大養鶏地帯で、処理施設等も含まれており影響が大きい。今年は早
くから野鳥でH5N1ウイルスが見つかり、出水のツルにも出たことで最大限の警戒をしていた。
特に、宮崎の発生では、1例目の発生を受けた10Km内の周辺農場緊急立入検査で異常のなかった養
鶏場で、その翌日に発生を見ている。家保が立入検査をした時点では発症がなく発見は難しい。こうなる
と、飼養者が毎日徹底的に観察する以外に早期発見の方法はない。
また、今回、初動防疫の方法が大幅に変更された。まず、簡易検査で陽性が強く出た場合には、その時
点で疑い事例として広報された。また、各県の家保に試薬が配布されたことでH5亜型の判定も7時間程
度でできるようになっている。その結果、早ければ半日で殺処分に入る事ができ、従来、検体を国に送って
いたことから確定には3日ほどかかったものが、3日後には殺処分も全て終わっている。大幅な期間短縮
でマニュアルに先行して行われたが、今後はこの方式を採ることになるだろう。
その結果として、初動防疫の準備に時間的な余裕がなくなる。簡易検査の結果で殺処分の準備に入る
ことから、各機関は日頃からいつでも出動できる態勢を整えなければならない。
ところで、宮崎の佐土原付近には一ツ瀬川が太平洋に向かって流れ、河口には大きな入江があり魚介
類の宝庫になっている。流域にはヨシ原や砂洲が残り、野鳥が実に40種も集まるという宮崎で一番の野
鳥観察地である。当然渡り鳥の越冬地でもあり、宮崎へは常にウイルスが持ち込まれていると思われる。
出水のツルもそうだが、県内でも渡り鳥の多い湖沼にはウイルスが来ていると見て近くの農場は常に警戒
が必要。
先週1例目が発生した当日、会議で宮崎家保の所長と同席していた。口蹄疫の苦労話を聞き、事後処
理がまだまだ忙しいということであった。その週にはアメリカ・カナダの調査団が家保を訪れたそうだが、彼
らは家保の対応を、congratulations!と褒めてくれたという。この言葉は、単に防疫が終息したからという
のではなく、苦労を重ねて防疫が成功したという努力に対してのねぎらいであり、初動の遅れから家保の
努力を評価する言葉が少ない中で、外国から評価されたことに強く感激したと話していた。
韓国は依然として口蹄疫が収まらず、殺処分頭数も240万頭となり、飼養豚の4分の1が失われた。陰
に隠れている様なHPAIも実に500万羽近くが殺処分されている。熊本から海を隔てているとはいえ距離
的には大阪より近い。これから韓国は旧正月を迎え人の動きも激しくなる。空港や港での水際では消毒が
徹底されているものの、最終的には農場自らが人や物の出入りを制限し、消毒を徹底する以外に対策は
ない。
そして、異常が見つかった場合には躊躇せずに家保への連絡をお願いする。いかに早く対応するかが
ポイントになっている。

4、動物由来感染症監視体制整備事業(講習会:田底小学校、白川小学校)
動物由来感染症について説明(田底小)
うさぎの飼い方、種類の説明(田底小)
講演を熱心に聞く生徒達(田底小4年生)
盲導犬使用者の方の講演と寸劇(田底小)
開催日時:平成23年1月18日、25日
開催場所:熊本市立田底小学校、白川小学校
講習会内容
1)動物由来感染症について(中央家畜保健衛生所 衛生課 参事 濱田公男)
田底小学校で飼育している鶏12羽とうさぎ2羽について、サルモネラ、カンピロバクター、寄生虫卵
の検査を実施したが全て陰性であった。この他家畜保健衛生所の業務の内容についてもわかりやすく
説明した。
2)飼育動物に関するQ&A(小坂動物病院 院長 小坂亮一)
うさぎの種類、飼養管理等について説明した。
3)動物愛護と動物愛護センターの役割(熊本市動物愛護センター 鳥獣係長 獣医師 村上睦子)
人に捨てられた犬猫を預かって以前は処分頭数が多かったが、最近は広報活動の成果もあり処分
頭数は激減し引き取りをして育ててもらう犬猫が多くなった。自分の飼ってるペットは責任をもって育て
てほしいと説明した。
4)熊本県盲導犬使用者の会(本田裕子)
自分の目が見えなくなったことの体験談と盲導犬を最初に使用した時の訓練や、盲導犬との関わりに
ついて講演、また寸劇をまじえて盲導犬をつれた人がいたときの接し方について説明した。
動物愛護センターから動物愛護に
ついての説明(白川小)
飼育動物疾病検査の説明を聞く生徒達
3・4年生140人が参加(白川小)

5、検査課(BSE検査所)
『BSE検査所に搬入された24ヶ月齢以上の死亡牛頭数と気温の関係について』
BSE検査所には、県内全域から年間約3千頭の死亡牛(24ヶ月齢以上)が搬入されていますが、その頭
数は季節により大きく変動しています。その要因のひとつとして気温が考えられることから、過去7年間
に搬入された24ヶ月以上の死亡牛について、頭数・品種および疾病と気温との関係について分析したと
ころ、以下のような傾向が認められました。
熊本県全域
1000
乳用牛
肉用牛
800
死亡牛頭数
600
400
200
0
0
5
10
15
20
25
30
35
(℃)
最高気温
県全域で見ると、最高気温が25℃ (阿蘇地域では21℃)に達すると乳用牛の死亡頭数が増加しています。
特に乳用牛を飼養している農場では、熱射病などによる死亡率を低下させるため、最高気温に重点を置
いて、扇風機での送風や散水を行うなど、畜舎温度や体感温度を下げる暑熱対策を早めに始めましょう。
125
乳房炎と最高気温との関係
暑熱ストレスにより、体力、抵抗力
が落ちている乳牛は、乳房炎になりや
すい状況にあり、甚急性乳房炎の発
生が増加します。
死亡牛頭数
100
75
そのため、最高気温が高くなる時期
には特に注意を払い対策をしてあげま
しょう。
50
25
0
0
5
10
15
20
最高気温
25
30
35 (℃)
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