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の日本農林規格(素案)に対する意見(カナダ林産業審議会)(PDF:209KB)

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の日本農林規格(素案)に対する意見(カナダ林産業審議会)(PDF:209KB)
 委員提出資料
2013 年 3 月 26 日
クロスラミネイティド・ティンバー(仮称)の日本農林規格(素案)
(平成 25 年 3 月 19 日版)に対する意見
カナダ林産業審議会
1.
接着剤について
CLT 製造工程では挽き板が横方向に並べられ、繊維方向を直交させて積層される。そのた
め、下図のように、挽き板相互間にわずかでも厚みのばらつきがあると必然的に積層間に
隙間ができてしまう。一方、集成材のラミナは一方向にのみに積層されており、ラミナ相
互間に厚みのばらつきがあっても接着不良につながらない。ところで、北米とヨーロッパ
においては、ポリウレタン樹脂(以下、PUR)接着剤が CLT に最も適した接着剤と理解
されており、ほとんど全ての CLT 製造現場で使われている(別紙参照)
。北米やヨーロッ
パで PUR 接着剤が使われ
ている大きな理由は、先に
述べた挽き板間の隙間を埋
める機能を持つからである。
ところが、JAS 規格素案で
は PUR 接着剤が規定され
ていない。PUR 接着剤は日
CLT
本での使用実績が少なく、
科学的なデータの蓄積が無
いというのがその理由だと
聞いている。しかし、CLT
構造用集成材
挽き板の厚みのばらつきが CLT と集成材におよぼす影響
の違い
は海外で新たに開発された
建築材料であり、それに使用されるべき接着剤が日本において使用実績がほとんど無いの
は自然なことである。そこで、海外から得られる情報に基づいて「使用環境 C」において
使用できる接着剤として PUR 接着剤を規格に盛り込むことを提案したい。現行の素案で
はレゾルシノール樹脂及びレゾルシノール・フェノール樹脂のみが積層方向の接着に用い
る接着剤として規定されている。しかし、これらの接着剤は PUR 接着剤のような隙間を
埋める機能が十分ではないので挽き板積層間のはく離を招く潜在的な恐れがある。また、
CLT 製造にレゾルシノール樹脂及びレゾルシノール・フェノール樹脂接着剤を用いる場合、
合板や LVL の場合と異なり、常温硬化させることになる(挽き板をあらかじめ加熱する場
合を除いて)
。この場合、硬化時間があまりにも長く、製造ラインの経済性に問題が生じる
場合があると CLT Handbook1)では指摘されている。
2.
樹種群という概念
北米では、構造用製材用の丸太は樹種毎の区分は行わず、樹種群として製材され流通して
いる。たとえば、樹種群「SPF」はスプルース(Spruce)
、パイン(Pine)、ファー(Fir)
の頭文字からとった呼称で、それぞれマツ科のトウヒ属、マツ属、モミ属の樹種を総称し
ている。これらは樹種混交の形で生育しており、強度特性も非常に似通った範囲に分布し
ているため、あえて単一樹種に細分されない。北米の構造設計用の強度特性値も樹種群毎
にあたえられている。日本でも国土交通省が北米の樹種群に対して基準強度 Fc、Ft、Fb
及び Fs の数値を指定している(たとえば平成 12 年建設省告示第 1452 号第七号の規定に
基づく平成 21 年 3 月 13 日付け国住指第 3841 号)
。CLT を構成する原材料調達において
は北米の構造用製材が選択されるケースが考えられる。その際、挽き板を単一樹種のみで
規定していると無用のコストアップを招くことになる。樹種群からさらに樹種を選別し、
単一樹種名を表示する必要が生じるためである。日本においても基準強度が樹種群毎に指
定されているという事実を踏まえ、ぜひ北米の樹種群での表示を可能としていただきたい。
引用文献
1) FPInnovations: "CLT Handbook", Canadian Edition, Edited by Sylvain Gannon and
Ciprian Pirvu , ISBN978-0-86488-547-0, (2011).
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