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活用事例集 - 公益財団法人 えひめ産業振興財団

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活用事例集 - 公益財団法人 えひめ産業振興財団
えひめの中小企業を応援します
活用事例集
− 地域密着型ビジネス創出事業 −
財団法人えひめ産業振興財団
は じ め に
財団法人えひめ産業振興財団では、本県経済の発展に資するため、地域産業の活性化、新
事業の創出及び高度な技術の研究開発等を支援するとともに、中小企業の経営基盤の強化、
IT導入による情報化促進等に積極的に取り組んでいるところです。
こうした中、当財団では、平成19年度に「えひめ中小企業応援ファンド」を組成し、地域
が自立的・持続的な成長を実現するため、県内で培われた製造技術並びに県内の豊富な農林
水産物や良質な自然資源など、地域に潜在する資源を掘り起こし、地域密着型のビジネスと
して展開するための初期的経費を助成する「地域密着型ビジネス創出助成事業」を実施して
います。
今回の事例集では、当該助成事業を活用して、県内の地域資源や地域のニーズを活かした
「地域密着型ビジネス」を新たに開始した「法人を設立して地域に密着した事業に取り組む
個人又はグループ」及び「地域に密着した事業に新たに取り組む創業後5年未満の中小企業
者」の事例を紹介させていただきます。
本事例集が、これから「地域密着型ビジネス」を実施しようと検討されている方々のご参
考になれば幸いです。
最後に、この事例集の作成に当たり、ご協力いただきました企業の皆様に心から厚くお礼
申し上げますとともに、開始された事業のご成功を祈念させていただきます。
平成22年6月
財団法人えひめ産業振興財団
理事長 森
田 浩 治
えひめ中小企業応援ファンド活用事例集 ●
1
Contents
愛媛県
えひめ中小企業応援ファンド
活用事例集
はじめに……………………………………………………………………… 1
目 次……………………………………………………………………… 2
事例紹介
《平成19年度第1回採択》
株式会社TAMU ………………………………………………………… 4
株式会社ゼロコレクティブ……………………………………………… 6
株式会社JAISTATION ………………………………………………… 8
株式会社宝山亭……………………………………………………………10
企業組合フェニックス……………………………………………………12
株式会社あいなんマザーズ………………………………………………14
株式会社ぞっこん四国……………………………………………………16
《平成20年度第1回採択》
株式会社ティー・エス・エイチ…………………………………………18
有限会社グリーンサラダ…………………………………………………20
企業組合内子ツーリズム…………………………………………………22
企業組合石畳むら…………………………………………………………24
《平成20年度第2回採択》
有限会社モミの木…………………………………………………………26
株式会社森のともだち農園………………………………………………28
2
平成
株式会社五十崎社中………………………………………………………30
年度
19
株式会社エニカ……………………………………………………………32
有限会社ヴォルカニックカンパニー……………………………………34
愛媛県認定漁業士協同組合………………………………………………36
合同会社久万郷……………………………………………………………38
平成
《平成20年度第3回採択》
有限会社イオリ工芸………………………………………………………40
年度
20
企業組合ナチュラリズム…………………………………………………42
《平成20年度第4回採択》
平成
株式会社ファーレ…………………………………………………………44
株式会社愛媛活魚…………………………………………………………46
サンピュアオイル企業組合………………………………………………48
年度
21
《平成21年度第1回採択》
有限会社エスぺランス……………………………………………………50
有限会社エレックス………………………………………………………52
株式会社GOOD FIELD …………………………………………………54
有限会社クレメント………………………………………………………56
株式会社木遊舎……………………………………………………………58
株式会社まさき村…………………………………………………………60
企業組合Women’
s Nest ………………………………………………62
《平成21年度第2回採択》
株式会社一柳………………………………………………………………64
株式会社りんね……………………………………………………………66
株式会社アイムービック…………………………………………………68
株式会社C&S……………………………………………………………70
愛炭企業組合………………………………………………………………72
株式会社風人月下…………………………………………………………74
えひめ中小企業応援ファンドのご案内……………………………………76
えひめ中小企業応援ファンド活用事例集 ●
3
株式会社
TAMU
松山市
紙製高級弁当容器の製造・販売事業
1 事業内容
独自に開発した紙製の和樽容器を活用したおせち容器や高級和膳について、製造工程
の機械化を進め、新しい製造ラインを構築するほか、斬新な柄にデザインされた容器作
りにも取り組み、全国のホテルや料理店などへの販売を行う。
2 事業背景
環境問題などの背景から、県内の食品製造業の一部では、プラスチックや発泡スチロー
ルなどを素材とした容器を紙製容器に替えたいという要望が高まっており、使用後のリ
ユースやリサイクルが可能で、強度や冷蔵・冷凍耐性も備える紙製容器の試作、改良に
取り組んでいた。
これら紙製容器は高い評価が得られるようになったものの、既存の製造ラインを組み
合わせて手作りしていた状況であったため、要望に対応できる体制となっていなかった。
4
平成
3 事業、技術、商品の特徴
年度
19
和樽(紙ダル)の製法は、弊社が特許開発したものであり、円型、楕円型のおせち容器、
高級和膳容器は全国的にも珍しく、特に糊シロの段差がない点など機能性に特徴がある。
商品は使用後の容器を手で簡単に分解できるので、お客様自身がコンパクトな形でゴ
ミ処理ができ、再生紙へとリサイクルが可能となる。
平成
さらに、紙の暖かさ、やさしさが感じられ、紙質やデザインを変えることが容易で、プ
ラスチックや発泡スチロール素材のものに比べ、食材を入れた時に臭いがつかないとい
う利点がある。
年度
20
4 助成内容及び効果
導入した設備は、これまで手作業が必要であった部分についてオートメーション化す
平成
るものであり、省力化・作業者の負担軽減など、効率化が図られた。
「紙ダル和樽」商品のデザインについては、デザイナーとの協議を重ね、天面を窓あき
にして中が見えるようにするなど今迄に無い斬新なデザインを採用することとなった。一
年度
21
部の取引先からは、おせち容器としては現代的すぎるとの声や従来品と比べて重厚性の
面で弱いなどの意見があったものの、客先数は従来より新規に増え、また同商品を購入
していただいた客先から、当社の他商品について、別途受注するに至るなど、相乗効果
が見られている。
5 今後の展望
容器の斬新さから、洋菓子店からの受注をはじめ、従来の主力商
品であったおせち容器から派生したお花見弁当容器への展開も図ら
れている。今後は、愛媛県はもとより全国へと営業活動を展開し、
さらなる受注拡大を図っていく。
容器開発に終わりは無いと考えており、次の展開として「豪華さ」
をイメージした新商品についても開発に取組んでいる。
Message From
Entrepreneur
田村社長
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 田村 克彦
資金力はもちろん、営業力と製造
〔住 所〕松山市久万ノ台310番地1
力の両輪が重要ではないかと思い
〔設 立〕平成15年2月
ます。
〔TEL〕089-926-1711
〔FAX〕089-926-1710
〔URL〕http://www.geocities.jp/tamunohako/
えひめ中小企業応援ファンド活用事例集 ●
5
株式会社
ゼロコレクティブ
松山市
道後温泉を発信基地とした集客・交流サー
ビス事業「道後湯けむり倶楽部」の運営
1 事業内容
道後温泉の旅館の空き時間を有効に活用したプログラムなど、主に県内客に向けてサー
ビスを企画・提供する事業を実施し、プログラム提供者(地元企業・個人商店・個人事
業主)らの集客を支援(新規顧客発掘・人材ブランディング)するほか、プログラム提
供者と道後温泉旅館とのコラボレートを推進する。
2 事業背景
全国的に知名度の高い温泉地である「道後温泉」は松山市の財産であると同時に愛媛
県民の財産でもあるが、宿泊客(県外客)がメインターゲットになっている現状にある。
また、温泉地としては、全国でも稀な好立地条件が整っているにも関わらず、松山市民
から見る「道後温泉」は近くにあるが遠い存在になっている。
そこで、「道後ブランド」を有効に活用した、県民参加型のビジネスモデルを構築し、
新たな市場を開拓することとした。
6
平成
3 事業、技術、商品の特徴
年度
19
道後温泉を発信基地とした「道後湯けむり倶楽部」の運営プロデュースならびに湯け
むり会員の取りまとめを主体的に行う。県内客を中心に道後温泉旅館のチェックアウト
からチェックインまでの「アイドルタイム」と「道後ブランド」を有効に活用し、地域
の方々と一緒に商品・サービスを作っていく県民参加型のビジネスモデルを構築し、新
平成
たな市場を開拓する。
4 助成内容及び効果
年度
20
株式会社を設立し、まずは自社の認知度
を高めるためマーケティング活動に注力し
て、協力企業へのアプローチを実施した。
平成
あわせて、旅館のアイドルタイム活用のプ
ログラムとして、道後ウォーキングやベ
ビーマッサージ教室などの道後体感イベン
年度
21
トを実施するとともに、道後温泉入浴を
セットした「遍路道を歩こう」や、道後発
着イベントとして「しまなみ海道ツーリング」、伯方島での「漁師体験イベント」を仕掛け、
参加者と道後の接点を見出し好評、道後地区の活性化に寄与している。
5 今後の展望
企画・実施・実績の地道な積み上げで道後旅館に対しメリットをアピールし、道後温
泉エリアの意思再統一を目指す。さらに、県内の個人客だけでなく、県内企業を巻き込
みながらの事業展開を図り、より一層地域に愛される温泉地を目指していく。
Message From
Entrepreneur
極力お金をかけずに売上を上げる方
法。チラシでもなく、Webでもない
…それは「切り口」を変えるという
コト。そして、「接点」を作るという
コト。
机上論ではない手法で、お客様と一
体感を持ちながら、守りの業態から
攻めの業態への転換を図り、売上UP
に繋げるお手伝いをさせて頂きます。
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 白川 誉
〔住 所〕松山市松末1-6-5
〔設 立〕平成20年3月
〔TEL〕089-907-1165
〔FAX〕
〔URL〕http://www.zerocolle.net/
えひめ中小企業応援ファンド活用事例集 ●
7
株式会社
JAISTATION
松山市
野菜栽培の新技術を活用した農業者
参加型ビジネスモデルの開発
1 事業内容
「高機能膜栽培」による栽培システムを機軸とした農業者参加型のビジネスモデルを開
発するとともに、同システムで栽培した野菜のブランド化を目指す。
2 事業背景
「高機能膜栽培」は糖度や栄養価の高い野菜の栽培が可能、かつ従来の土耕栽培に比べ
比較的熟練を必要としない。こうした特徴を基に、やる気のある農業経験に乏しい新規
就農者や低所得に悩む地域農業者へ栽培システムを販売し、ビジネスモデルに参加して
もらうことで、新規就農者の増加、参加農業者の所得安定に貢献し、地域農業の活性化
に繋げて行く。
3 事業、技術、商品の特徴
「高機能膜栽培」最大の特徴は、高分子膜(ハイメックフィルム)を使って野菜を栽培
することである。一番下から養液、高分子膜、土の3層構造で、高分子膜により水分や
西岡社長
8
平成
栄養素の供給量が制御できるため、質の高い農作物を栽培することができる。この栽培
年度
19
システムを機軸に、同栽培システムの販売・栽培指導、同システムで栽培された野菜の
全量買取、統合ブランドによる県内外小売店や県内飲食店への野菜販売、野菜の高付加
価値化を狙った加工品の開発・販売を展開する。
平成
4 助成内容及び効果
このシステムで栽培された野菜は「四国育ち」のブランド名
で展開することとし、商標登録を行った。また、現在、レタス、
年度
20
ルッコラ、グリーンマスタードなどベビーリーフを主体に栽培
しており、単種類のリーフと数種類のリーフを組み合わせた
ミックスの2タイプで販売。その品質は高く評価され、松山市
平成
内の有名レストランに多くの取引先を持つようになった。同シ
ステムを紹介する会社案内パンフレットやホームページを充実させたことにより、その
他スーパー、青果物卸業者など販路も拡大しており、知名度は高まりつつある。
年度
21
また、これらの野菜を食する際の引き立て役として、砥部町の七折梅を使用したシー
ザー梅ドレッシング「梅風味シーザー」と大三島町のレモンを使用した和風ポンドレッ
シング「香味醤油レモン」などのオリジナルドレッシングの開発にも取り組んだ。
こうした栽培・販売実績を下地に、栽培システム販売も引き合いがきており、今後の
普及拡大に努めていく。
5 今後の展望
栽培システムの拡販にあわせて自社の大規模農園開設を計画している。現行の栽培施
設における品質の高さが認知されつつあるので、今後は大規模栽培に取り組むことによっ
て収穫量アップのみならず、品質・収益両面で魅力のある栽培システムであることをア
ピールすることを視野に入れ、現在大規模農園用の農地取得についても検討していると
ころである。
Message From
Entrepreneur
地域を活性化させるためには、先
端技術も必要ですが、既存の資源
や技術を繋ぎ合わせて新しい何か
を創造することが必要です。愛媛
ならではのどこにも無い事業を創
造して、地域と地域を結びつける
仕事をしたいです。
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 西岡 久継
〔住 所〕松山市河野中須賀171
〔設 立〕平成16年6月
〔TEL〕089-906-4359
〔FAX〕089-906-4422
〔URL〕http://www.jaistation.com/
えひめ中小企業応援ファンド活用事例集 ●
9
株式会社
宝山亭
松山市
白砂青松の中島姫ヶ浜を利用した
民宿経営
1 事業内容
瀬戸内海国立公園に属する中島において、顧客満足に徹したサービスと行き届いたお
もてなしを追求した手作りの民宿経営に取り組む。
2 事業背景
代表者(女将)が中島の景観や歴史が好きであったことなどから、地域に就労の場を
提供するとともに、民宿料理に地元産食材を使用するなど、地域の活性化に取り組むため、
開業するに至った。
また、豊かな自然の中で心温まるおもてなしを提供し、企業戦士の心身のリフレッシュ
や若者の明日への活力創出に努めるとともに、子供たちの健全な発育支援や団塊の世代
の田舎移住に向けた支援を行うなど、滞在型の癒し空間の提供を目指している。
10
平成
3 事業、技術、商品の特徴
年度
19
民宿は、平成20年5月にオープン。おもてなしをコンセプトとし、風光明媚な中島の
東南に位置、トライアスロンで有名な姫ヶ浜ビーチに面した場所にある。
営業のモットーは、素晴らしい自然環境の中で、リーズナブルな価格(おひとり様一
泊二食付き4,500円~)で、新鮮な魚介類をふんだんに食べていただき、癒しのひととき
平成
を過ごしていただくことである。
また、女将自らの運転による港と民宿の送迎や島内の名所を無料でガイドするサービス
も実施するなど、遠方より来宿していただいた大切なお客様に行き届いたおもてなしをし
年度
20
ていく。
4 助成内容及び効果
平成
助成事業の初期段階で法人化に取り組むとともに、民宿開業に必要な設備備品を導入
し、民宿開業に備えた。この民宿「宝山亭」の開業により、地域において新たに10名程
度の雇用が創出された。
年度
21
また、夏場においては海水浴以外の来宿者も多く、パンフレットによる広報効果とあ
いまって、行き届いたおもてなしや新鮮な魚介類に舌鼓を求めて遠路より来られる方が
増えており、島内の活性化につながっている。
5 今後の展望
手探りで始めた「宝山亭」は、女将の長年の夢が実現したもので、
自分流のおもてなしにこだわり、「地域の方々とともに、地域の活性
化の一助として歩んで参りたい」と、夢はさらに膨らんでいる。
今後も、顧客本位の「心のこもったおもてなし」を継続するととも
に、ホームページの充実、島嶼部観光振興用ビデオへの出演等による
宣伝効果により、リピーター客の増加、企業研修・季節行事(蛍鑑賞・
小田社長
赤手蟹の産卵)の予約に繋げていき、癒しの宿として、中島の魅力を発信していく。
Message From
Entrepreneur
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 小田 美恵
商売も運営も経営も全て、基本は
お客様に対する原理原則の追及と
思われます。
〔住 所〕松山市長師55番地1
〔設 立〕平成20年4月
〔TEL〕089-997-1115
〔FAX〕
〔URL〕http://www14.ocn.ne.jp/~hozantei/
えひめ中小企業応援ファンド活用事例集 ●
11
企業組合
フェニックス
八幡浜市
廃食油のリサイクル
(バイオディーゼル燃料)事業
1 事業内容
八幡浜特産「じゃこ天」の使用済み天ぷら油をバイオディーゼル燃料に転換、製造、販
売を行う循環型エコノミー事業に取り組む。
2 事業背景
愛媛県八幡浜市は「かまぼこ」に代表される水産練り製品の製造が盛んで、“じゃこ天”
製造業者が多く、製造用食用油が大量に廃棄されているが、この処理について、大手業
者は松山市の廃油リサイクル事業者に、小規模事業者は地元回収業者にそれぞれ依頼し
ている。
また、一般家庭より排出される廃油については、固形化したものと、新聞紙等で吸収
したものについてのみ可燃ゴミとして回収処分を行っているのが現状である。
一方でリサイクルについては、市民団体などにより廃油石鹸づくりなどの活動が行わ
れている程度であった。よって、廃油を回収し、バイオディーゼル燃料(BDF)に転換・
12
平成
製造し、販売することで、地元で循環させる仕組みを構築することを目指し、本事業を
年度
19
展開することとした。
3 事業、技術、商品の特徴
バイオディーゼル燃料(BDF)精製装置を活用し、BDFに転換し、製造・販売する。
平成
出荷量は月に10千リットルの確保が可能(目標は30千リットル)。これにより、環境負荷
の低減を図るとともに、各業者の廃油処理コスト・運送コスト等の問題を解決していく。
年度
20
4 助成内容及び効果
導入した設備により、BDFの生産能力
は倍増することとなり、安定供給体制を構
平成
築することができた。地元の廃油を地元で
活用して製造されるBDFは、軽油と比べ
3割程度割安で、原油高に苦しむ運送業者
年度
21
らの助けになり、また、二酸化炭素や硫黄
酸化物の排出量も抑えられることから、財
布にも地球にも優しい燃料の普及を図るこ
とが可能となった。
また、転換製造装置の操作など一部業務は心身障害者小規模作業所に委託するなど、身
障者の雇用創出にも寄与している。
5 今後の展望
将来的に回収量を増やし、月30千リットルの製造を目指している。また、より理想的
な循環型社会の実現の為の新しい再資源化メニューを開発し、提供していく。
Message From
Entrepreneur
今後の展望として、燃料事業に関
連する新たな事業への進出と、そ
れに伴う雇用の創出を目指したい。
また、地元行政・地域との連携も
模索しているところです。
企 業 概 要
〔代表者〕代表理事 西本 至
〔住 所〕八幡浜市保内町川之石6-128-1
〔設 立〕平成20年5月
〔TEL〕0894-36-0571
〔FAX〕
〔URL〕
えひめ中小企業応援ファンド活用事例集 ●
13
株式会社
あいなん
マザーズ
愛南町
愛南町特産の河内晩柑を素材とした
農産物加工ブランド化事業
1 事業内容
愛南町特産の河内晩柑を素材とした「ジュレ」や「ジュース」を中心に、加工品の商
品開発と販売に取り組む。
2 事業背景
南宇和郡愛南町は河内晩柑の産地として日本一の生産量を誇っているが、価格低迷、過
疎化、高齢化による活力低下、都市部から遠隔地にある地理的な条件などから、販路開
拓や商品化に課題を抱えていた。これを打開するため、地域の農業者で自分たちの持つ
資源を活かして、経営の安定・発展を図るべく当社を立ち上げたものである。
14
平成
3 事業、技術、商品の特徴
年度
19
河内晩柑の生産地は、県内では愛南地域、熊本県の天草地域など全国でも数少ない。
河内晩柑は和製グレープフルーツと呼ばれ、果汁はとてもジューシーで、力強い酸味
と豊かな甘み、そしてほのかな苦味が交差した凛とした風味。暑い夏にはぴったりのあっ
さりした味、食べやすい食味である。
平成
この河内晩柑を原料とした「果皮入りジュレ」「手搾りジュース」は人気も高い。
4 助成内容及び効果
年度
20
新たに導入した高温殺菌装置や冷蔵庫などの活用により、衛生面および年間を通じた
安定的な商品の供給、品質の向上などが図られるとともに、加工品の製造において、地
域の生産者農家10名程度の新たな雇用が創出された。
平成
販路開拓面では、地元道の駅などで販売するとともに、大阪・京都などのデパートの
イベントなどへの出展や、「メイドイン愛媛2009」などのビジネスマッチング会にも積極
的に参加し、河内晩柑の知名度向上に努めている。
年度
21
5 今後の展望
引き続き、各種イベント・ビジネスマッ
チング会などに積極的に参加し、河内晩柑
の加工商品についてPRに努めていく。ま
た、贈答用商品としての販路開拓や、新商
品の開発に取組むことで、地域特産品とし
てのブランドを確立し、マーケットの拡大
を目指していく。
左が酒井社長
Message From
Entrepreneur
私たちは、「農家の主婦たちの作っ
たものを商品として世に出す。」と
いうことを夢に見てきました。
この助成事業のお陰で、その夢が
かない本当に感謝しています。
今後は販路開拓に向けて、ご指導
いただきながら頑張ろうと思って
います。
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 酒井 眞理子
〔住 所〕南宇和郡愛南町御荘町長月1113
〔設 立〕平成20年3月
〔TEL〕0895-72-2338
〔FAX〕050-3488-1894
〔URL〕http://ainanmothers.moo.jp/
えひめ中小企業応援ファンド活用事例集 ●
15
株式会社
ぞっこん
四国
松山市
「四国カルスト天然水ぞっこん」の
製造販売事業
1 事業内容
加熱処理を行わない天然水のままの四国カルストの湧水をペットボトルに充填、「四国
カルスト天然水ぞっこん」として、全国に販売していく。
2 事業背景
当社代表取締役が、病気の父
に良い水を飲まそうと思ったの
がきっかけ。
西予市野村町の四国カルスト
台地から湧き出る天然水が体に
良いと聞き、飲み水をはじめ、
お茶や味噌汁、炊飯用にもこの
水を使用したところ、徐々に健
康を取り戻し、その後、薬いら
ずの健康生活を送ることができ
たことから、この天然水を商品化するに至った。
3 事業、技術、商品の特徴
四国カルストの鍾乳石の中から濾過されて湧出する弱アルカリイオン水。
この天然水は無菌であることから、加熱処理の必要はなく、かつ腐らないことによる
長期保存も可能である。また、市販されている多くの天然水の成分は軟水が主流であるが、
この湧水は中硬水で、かつミネラル含有の多さとケイ素を多く含んでおり、飲みやすさ
なども特徴となっている。
健康志向に則り、今後も需要は高まると考えている。
16
平成
4 助成内容及び効果
年度
19
松山市に本社事務所を設置し、経理などの経
営管理を集中して行いつつ、製造は西予市野村
町の湧水現地に開設した自社工場で手掛けてい
る。天然水の特性を最大限に生かすため、加熱
平成
処理は行わず、紫外線照射で殺菌のうえボトリ
ングする。完成した商品は、今回新調した自社
輸送用トラックにて運送している。
年度
20
天然の湧水であり大量生産が困難なことや、
製造現地が山中に位置するため、輸送コスト等
採算上の問題があったが、市場ニーズが見込め
平成
ることや、設備ラインの設置経費の削減等によ
り対応可能と判断し取り組むこととした。また、
10名程度となる、製造部門の従業員については
年度
21
全て地元から採用するなど、南予地域の雇用拡
大にも大きく貢献している。
5 今後の展望
今後はインターネット販売部門を強化し、水と健康関連
の商材などとのコラボ販売も企画してラインアップを広げ
ていく計画である。
また、3ガロン(12リットル)ボトルを使った業務用商
品の取扱を開始するにあたり、販売先として愛媛銀行・県
内企業をはじめとし、四国エリアまで販路を拡大する予定
である。
Message From
Entrepreneur
山本社長
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 山本 良文
「命」をつなぐ「水」をご家庭に、
それが私たちの願いです。
〔住 所〕松山市道後喜多町8-8
〔設 立〕平成19年4月
〔TEL〕089-925-2550
〔FAX〕089-925-2570
〔URL〕http://www.zokkon.co.jp/
えひめ中小企業応援ファンド活用事例集 ●
17
株式会社
ティー・エ
ス・エイチ
松山市
無垢材の一貫加工・販売及び木造ドー
ム型カーポートの生産・販売・施工
1 事業内容
住宅等の室内向けに、集成材に対抗する資材として無垢材を一社一貫加工し、施工現
場にキットにして納入することでコストダウンや施工利便性の向上を図り、価格競争力
のある建設資材の販売に取り組む。
また、県産材の間伐材を円柱加工して三角形や菱形に組み合わせ、構造躯体の接合部
には金物を一切使用せず施工できる木造カーポートを販売し、現場施工も行う。
2 事業背景
集成材は価格が割安であることから、住宅・マンション向けの柱・敷居等の造作材に
多く使用されているが、特に、健康面や美観的側面から見た場合、合成材であるためロー
タリースライス(木の薄皮を張り合わせる)の加工過程で接着剤を使用しており、使用
環境によっては、ホルムアルデヒド等によるシックハウスの問題が起こりうる可能性が
指摘されていた。
また、県内産ヒノキは近畿以北のブランドヒノキ(尾州ヒノキ・木曽ヒノキ)と比較
して品質的には同等と言えるが、製材品価格はこれらより安価で、運賃コストをアップ
して配送しても価格競争力があり、特に関東圏では人気が高いことや、スギ・ヒノキの
無垢材をプレカットして、最終製品として直接工事現場まで納材している例は全国的に
も少なかったことから、当該事業展開を図ることに繋がった。
18
平成
3 事業、技術、商品の特徴
年度
19
住宅・マンション向けの室内の柱・鴨居・敷居・額縁等の無垢の建築資材として、プ
レカット加工(溝加工・面取り・仕上げ)をして、施工現場の部屋ごとの枠別にセット
梱包して納入することにより、そのまま現場で簡易に施工できるようになる。
木造ドーム型カーポートは、使用用途が限定され、余っている県内産の間伐材を躯体
平成 年度
に活用するものである。構造物の躯体のジョイント加工に金物を一切使用しないことで、
錆による木の腐食や割れ等を防止するなど耐久性や環境に配慮したカーポートである。
20
4 助成内容及び効果
無垢材の加工過程においては、面取り工程が手作業であるため、加工に時間がかかり、
仕上げ面の品質の均一化にも限界があるため、ロット生産に対応できてなかったが、新
平成
たに導入した設備により、全ての工程で完全自動化となり、加工時間の短縮とともに量
産化、均一化に対応可能となった。
また、木造ドーム型カーポートの製造過程で円柱状の木材を縦にノコで半円状に切断
年度
21
する際、断面が凸凹状態となっていたが、設備導入により、その断面がカンナで自動研
磨されるため、作業の効率化と品質の向上が図られている。
5 今後の展望
品質の良い県産材(スギ・ヒノキ)の無垢材をプレカット
して、最終製品として直接工事現場まで納入している例は全
国的にも少なく、集成材に対抗する建築資材として需要の拡
大を図ることとしており、こうした一貫加工体制に係るノウ
ハウの蓄積と、熟練技術者の人材の確保にも努めていく。
また、木造ドーム型カーポートについては、本製品のメ
リットをPRし、より多くの人に知ってもらうよう取り組
田頭社長
む。
Message From
Entrepreneur
マンション等の住宅部材だけでな
く、学校や老人福祉施設など公共
建築物への供給に力を入れるとと
もに、木造ドーム型カーポートを
広く普及させたい。
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 田頭 康和
〔住 所〕松山市古川北1-16-17
〔設 立〕平成20年4月
〔TEL〕089-908-6332
〔FAX〕089-908-6333
〔URL〕
えひめ中小企業応援ファンド活用事例集 ●
19
有限会社
グリーン
サラダ
大洲市
野菜養液栽培システムによる
大洲市軟弱野菜供給基地事業
1 事業内容
弊社で開発した野菜養液栽培システムを、農家や農業参入する企業等に販売するとと
もに、システムを活用した栽培技術から流通までのマネージメントや、メンテナンスを
含む生産者の経営全般をサポートする事業を展開する。
2 事業背景
建設業を営む株式会社西田興産が、社員を守りながら地域に貢献できる新規事業への
展開を検討した結果、地域性から農業に参入することとなり、平成17年6月「有限会社
グリーンサラダ」を法人設立した。
葉物など軟弱野菜の県内生産量は近年急速に減少し、その多くを県外の主要な野菜産
地に頼る状況となっている。葉面積が多く蒸散の盛んな軟弱野菜は、野菜類の中でも日
持ちしない品目であり、県外産は店頭で商品のロス率が高く、地元産を求める声が多かっ
た。そのような中で、土耕栽培及び水耕栽培の両方の利点を生かし、軟弱野菜生産者の
所得安定に貢献し、地域農業の活性化に繋げていく野菜養液栽培システムを開発した。
20
平成
3 事業、技術、商品の特徴
年度
19
開発した野菜養液栽培システムは、これまでの植物工場や水耕システムに比べ、低価
格で導入でき、業務用途に適した高い品質を保ちながら、安定収穫と作業効率化を実現
できる新生産技術で主に次のような利点を有している。
・ 栽培ベットを地上80㎝に高設化しているため植付け・収穫の作業性に優れる。
平成 年度
・ 有機培地の上に独自開発した栽培パネルを配置した衛生的な栽培方法である。
・ 平野部で高温期でもほうれん草等の栽培ができ、年間の計画的な栽培が可能。
・ 栽培期間の短縮により農薬使用が極端に少ない安全な野菜生産が可能。
20
・ 年間15回転以上の作付けが可能で、ハウス等の施設利用効率が高い。
・ 水耕栽培では、生育環境が単一で病原菌に侵されやすく、大量の養液と栽培シス
テムの洗浄管理が必要となるが、当システムでは不要。
平成
4 助成内容及び効果
当該システムに係る特許を取得したほか、農業従事者のみならず各業界からシステム
年度
21
の視察を受けるなど、各方面から当該システムに対する期待が寄せられており、助成事
業で実施した展示会出展やパンフレットによる訴求効果が得られている。
5 今後の展望
マンションでのベランダ栽培、レストランなどでの展示栽培などが出来る生産システ
ムのデモ機製作を行い、モニター栽培を行いながら商品PRや栽培システムの認知度向
上につなげるとともに、野菜専門レストランとのコラボなど広報活動やPR戦略等の面
も強化していく。
Message From
Entrepreneur
今までに経験のない新たな挑戦は、
常に、新しい種まきを繰り返し行
うことだと思います。収穫する喜
びを夢見て継続していきたいと思
います。
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 西田 弘二
〔住 所〕大洲市徳森248(株式会社 西田興産 内)
〔設 立〕平成17年6月
〔TEL〕0893-25-0211
〔FAX〕0893-25-0554
〔URL〕http://www.yuis.info/company/green.html
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21
企業組合
内子
ツーリズム
内子町
内子まちなか農家レストランでの
濁酒醸造および販売事業
1 事業内容
濁酒(どぶろく)を製造し、併設する農家レストラン「どぶろく工房ちょびっと」で
どぶろくを販売する。さらに、どぶろくを核として、内子町を訪れる観光客を滞在型グリー
ンツーリズムへと誘導し、体験・宿泊型観光産業の振興を図る。
2 事業背景
喜多郡内子町では、従来より「町並み観光」「村並み観光」「山並み観光」を組み合わ
せた「内子ツーリズム」を展開し、滞在型観光客の増加に取り組んでいる。ところが、松
山市に近接している地理的要因もあり、通過型観光地又は日帰り観光地からの脱却が図
れず、宿泊観光客数が伸び悩んでいるのが現状である。
そこで、地域の自然を活かした魅力ある滞在型の観光メニューを提案するため、新た
な「おもてなし」の手段としてどぶろくを製造し、地域ブランド品として販売すること
とした。
22
平成
3 事業、技術、商品の特徴
年度
19
同社で取り扱うどぶろくは辛口の「いっぷり(方言でお酒)」、中辛の「とんと(方言
で筋が通った、芯の強い、頑固な、の意)」、女性向けで甘口の「Dobu6」の3種で、仕込
みから瓶詰めまで全て組合員による手作業で行われている。
また、どぶろくの肴として、「わさび漬け」「川魚の甘露煮」「どぶろくまんじゅう」な
平成 年度
ども組合のメンバーによる手作りで製造販売している。
4 助成内容及び効果
20
一からのどぶろく製造であったが、今回
導入した酒造用具一式を駆使し、愛媛県産
業技術研究所食品産業技術センター指導の
平成
もと、完成にこぎつけることができた。マ
スコミの宣伝効果もあり、初回仕込み分
360本については1週間で完売するなど、
年度
21
反応は上々である。
一番手前が山本代表
本事業展開により、グリーンツーリズム
活動に付加価値が創出されており、内子町の宿泊観光客数のさらなる増加が期待されて
いる。
5 今後の展望
県内のどぶろく特区である、宇和島市、東温市と連携し、共同イベントを開催するなど、
相乗効果により各地区のどぶろく知名度を高めていきたい。
ただし、当面の間は急激な規模拡大は図らず、まずは安定した品質の商品を提供でき
る体制を整えることに注力していくこととし、適切な生産・販売量の把握ならびにコア
顧客層の確保を図っていくことを念頭に置いて事業展開していく。
Message From
Entrepreneur
内子町の特産品“旨口どぶろく”
企 業 概 要
〔代表者〕代表理事 山本 企幸
〔住 所〕喜多郡内子町内子2703
〔設 立〕平成20年5月
〔TEL〕0893-44-5338
〔FAX〕0893-44-5338
〔URL〕http://www14.ocn.ne.jp/~u.k.dobu/
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23
企業組合
石畳むら
内子町
内子石畳での蕎麦を活かした
グリーンツーリズム事業
1 事業内容
地域の観光資源「内子石畳地区の村並み」で知られる、内子町石畳において、「農家レ
ストラン」を設立し、石畳地区の伝統食文化である蕎麦食の提供や、蕎麦打ち体験をは
じめとするグリーンツーリズム事業を展開する。
2 事業背景
喜多郡内子町石畳地域では、農村風景や農村文化の保存を図るため、20年前より「村
並み保存運動」を住民レベルで展開してきた。
また、村並み保存運動の一つとして蕎麦の栽培・加工を拡大するため、山形県で蕎麦
打ち研修を受講し、加工技術の向上にも取り組んでいたところである。
こうした背景のなか、当組合を立ち上げ、「農家レストラン」を開設し、蕎麦食の提供
や蕎麦打ち体験が可能となるグリーンツーリズム事業を展開し、観光客の誘致および石
畳のブランドづくりの一翼を担う取り組みを開始した。
24
平成
3 事業、技術、商品の特徴
年度
19
地域で生産された蕎麦を加工することに
より、地産地消が図れるとともに、地域に
ある水車や屋根付橋、石畳東のシダレザク
ラなど、地元観光資源と有機的に結び付け
平成 年度
ることで、産品のイメージアップを実現し
ている。
蕎麦は、風味とコシが味わえるとされる
20
二八蕎麦(そば粉8割、小麦2割)を採用。
蕎麦打ちの技術については、山形県にて「正統山形流そばの匠」に認定されるなど、本
格派である。
平成
4 助成内容及び効果
導入した製麺機械の活用、および地域や関係者を挙げての対応等により、主に製造面
年度
21
における効率化が図られるとともに、地元から3名の雇用が創出された。今のところは
土・日・祝日の限定営業であるが、開店日には松山や東予など、遠方から多くの来店客
がある。また、水車まつりや新蕎麦まつりなどのイベント開催時には、多くの人手で賑
わうなど、地域における存在感は増しており、地元の活性化に貢献している。
5 今後の展望
「蕎麦はシンプルに食す」をモットーに蕎麦栽培に励み、最高の状
態で来店客に賞味していただくとの方針のもと、一層の蕎麦打ち技
法の向上や、顧客を虜にするダシづくりに努め、地域の活性化につ
なげるとともに、石畳蕎麦のブランド化に取り組んでいく。
亀田代表
Message From
Entrepreneur
日本の原風景を残すといわれる内子
町石畳。この石畳を舞台に、
「本当に
豊かな生き方」
「本来あるべき時間の
流れ方」など、企業組合「石畳むら」
の流儀で発信していきます。訪れる
方の「第二のふるさと」となれます
よう、心の深い場所が響きあうお付
き合いをしていきたいものです。ぜ
ひ一度、普段着でお越し下さい。
企 業 概 要
〔代表者〕代表理事 亀田 強
〔住 所〕喜多郡内子町石畳4035番地
〔設 立〕平成20年10月
〔TEL〕0893-43-1723
〔FAX〕
〔URL〕
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25
有限会社
モミの木
松山市
飲食店向け食材等の一次加工代行並びに
一般向けホームパーティセットの販売
1 事業内容
真空パック機を導入した仕込み専用厨房
により、地元の飲食店をはじめ、自社関連
グループの既存店舗から、食材及びソース
の仕込みをロット受注して一次加工する。
あわせて安心・安全な野菜・果実等を使用
したオリジナルソースの開発・製造を実施
する。さらに真空パック化(食材)とオリ
ジナルソース(味)の製造ノウハウを組み合わせ、セット商品として飲食店のプロの料
理を提供し、外食・中食の融合化を図っていく。
2 事業背景
各個店での食材の仕込みは多種小ロットで、業務時間やコスト面で生産効率が劣り、様々
な料理工程を行っているため、味の均一化や衛生管理は必ずしも容易ではない。また飲食
業界は、売上高に占める人件費割合が高く、安全性への不安解消、消費者の中食に対する
要望として味へのこだわり、国産・地元食材使用、衛生的な調理が求められている。
これらを背景に、店側にとっては人的生産性の向上や食材ロスの低減、衛生管理等の
問題が解消できるとともに、消費者側にとっても中食に対する要望や家庭に居ながらに
飲食店のプロの味を堪能したい思いを実現することが可能となる。
3 事業、技術、商品の特徴
〈仕込み代行〉
請負先各店舗と仕込みのレシピの打ち合わせをして、半月~ 1 ヵ月単位の料理の消
費量を目安として食材を仕入れ、同社の厨房内で仕込みをし、真空パック化させて各
26
平成
店舗へ配送する。また仕込み請負としては、肉や野菜を使用した料理となる唐揚げ・
年度
19
ハンバーグ・肉じゃが・スープ等の定番料理(カット・固める・混ぜる・煮込む)を
主に請け負う。
〈自社オリジナルソースの開発・製造〉
厳選した地元食材を使用したスープなどを開発し、オリジナルソースとして自社系
平成 年度
列店舗等で販売する。
〈ホームパーティサービスの提供〉
食材の真空パック化、オリジナルソースのノウハウを組み合わせ、自社グループの料
20
理をセット商品とし、家庭に居ながらに味わえるホームパーティサービスを販売展開する。
4 助成内容及び効果
平成
アイドルタイム(客数の少ない14 ~ 16時)を利用し、グループ各店の料理を一連の工
程での加工ポイントを押さえ、味や素材の良さをそのままに加工処理し、助成事業で導
入した設備により、調理、真空パック、急速冷凍化している。その結果、人員や食材を
年度
21
有効活用することにより原価コストを下げることができた。この真空冷凍化の特徴を活
かして、愛媛マンダリンパイレーツ球団のホームゲーム会場や婚活イベント等で料理を
提供するなどケータリング機能が商機に結び付いている。
またオリジナルソースとなる「もつ鍋スープ」を開発。このスープともつをセットにし、
家庭にいながら本格的なもつ鍋が楽しめる「もつ鍋セット」の商品化にもつなげている。
5 今後の展望
食材加工請負についてはコスト・品質管理面でのメリットをア
ピールし、
地元飲食店におけるセントラルキッチン化をめざす。また、
行楽シーズンに照準を合わせ、
「行楽弁当」の商品化を計画するなど、
消費者ニーズに対応した新商品開発を意欲的に取り組んでいく。
丸山社長
Message From
Entrepreneur
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 丸山 武
引き続き、愛媛の食文化の向上に
努めていきます。
〔住 所〕松山市朝生田町3-1-7
〔設 立〕平成16年12月
〔TEL〕089-947-9339
〔FAX〕
〔URL〕
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27
株式会社
森のともだち
農園
今治市
玉川産のブルーベリー及びマコモタ
ケを素材とした食品加工・販売事業
1 事業内容
地元で特産品化を図っているブルーベリー及びマコモタケを使用して、地元食品製造
会社や店舗等とコラボレーションしながら新商品の開発・製造を行うとともに、県内外
に販売する。
2 事業背景
平成11年の農産物直売施設「玉川湖畔の里」の開設を機に、地元住民約140戸で構成
された「玉川地域活性化推進協議会」を中心として地元玉川で収穫される媛ベリー(ブルー
ベリー)やマコモタケといった食材を活用した地域活性化への取り組みを行っており、こ
れらの素材を活用した新しいビジネスを創出し、過疎化と高齢化が進む玉川地区の活性
化対策のモデルづくりに取り組んでいる。
3 事業、技術、商品の特徴
地元の冷涼な気候風土と昼夜の温度差がある自然環境のなか栽培された媛ベリー(ブ
ルーベリー)は完熟で収穫され粒が大
きく甘みがあるのが大きな特徴となっ
ており、それを活用したジャム作りに
おいては、自然派志向と手造り無添加
で差別化を図っている。
マコモタケの知名度は低いものの健
康野菜として全国的にも注目され始め
ており、癖のない食材として和・洋・
中と様々な料理に幅広く活用できる。
28
右が森社長
平成
4 助成内容及び効果
年度
19
媛ベリー(ブルーベリー)及びマコモタケを活用した商品開発については、自社加工
場内に導入した設備備品を活用して開発・研究に取り組むとともに、地元企業等とコラ
ボレーションして商品化に至り、好評を得ている。
ブルーベリーは「媛ベリー」の商標登録を行い、ジャムをはじめ、地元カフェではケー
平成 年度
キ用として、さらには松山市の菓子店、パン屋、飲食店でも大福など種々商品化されて
いる。一方、マコモタケについては、地元の蒲鉾店との連携で天ぷらや竹輪等の練り製
品が完成し、特にお歳暮用商品としても好評であった。
20
さらに、平成21年度生産分より、関東地区でも、ホテルや料理店で食材として使用さ
れるようになるなど、株式会社設立による社会的信頼ともあいまって、各所においてコ
ラボレーションの広がりを見せている。
平成
年度
21
5 今後の展望
ブルーベリー及びマコモタケを活用した商品開発については、それぞれ地元企業とコ
ラボレーションして商品化に至り好評を得ている。消費者の健康志向が高まる中、新た
な商品開発や新たなコラボ先の開拓に努めるとともに、県内をはじめ全国販売に取り組
み、多くの人々に「玉川町」「今治市」「愛媛」を発信し、地域の活性化にも繋げていく。
Message From
Entrepreneur
「マコモタケ」や「媛ベリー」が
地域の特産品として育ちつつあり
ます。今後も地元が元気になるよ
う、地道に取組みを続けていきま
す。
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 森 智子
〔住 所〕今治市玉川町龍岡上甲363番地
〔設 立〕平成20年12月
〔TEL〕0898-55-2427
〔FAX〕0898-55-2027
〔URL〕http://www.moritomo.com/
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29
株式会社
五十崎社中
内子町
五十崎和紙を使った
壁紙製品などの製造販売
1 事業内容
「五十崎藩有限責任事業協同組合」が管理運営する、中小企業庁のJAPANブランド支援
事業で生まれた五十崎和紙「Ja-Gue-Na(ジャゲナ)」ブランドの商品(タペストリー、
キューブ、和紙を使用した再生古民具)について、「五十崎藩有限責任事業協同組合」と
の協力体制の下、「ジャゲナ」ブランドの販売、企画、製造を行うほか、フランスの技術
指導者ガボー氏のデザインを活かして五十崎和紙を使用した壁紙を製造販売する。
2 事業背景
五十崎の手漉き和紙の歴史は古く、江戸期にはその技術が完成し、大洲藩の貴重な財
源となっていた。大洲手漉き和紙は国指定伝統工芸品であるとともに、内子町指定無形
文化財となっているが、手漉き和紙工場は現在2軒となり、職人の確保や技術伝承など
が課題となっていた。
そこで、五十崎和紙の復興のため、商品ラインナップを充実し、国内外への拡販を図
る目的で代表取締役がIターン起業した。なお、製造技術やデザインの支援の面では、内
子町商工会等と協力体制を構築のうえ取り組んでいる。
30
平成
3 事業、技術、商品の特徴
年度
19
商品開発における大きな特徴として、デザインの受発注をインターネット化し、海外・
国内のデザイナーのデザインを即時に製品へと反映できる仕組みを構築した。これによ
り、海外・国内の伝統的、または最新流行のデザインを商品に取り込むことができるこ
ととなる。
平成 年度
商品のラインナップが、壁紙、タペストリー、照明、ギフトカード、テーブルセット、
ギルディング、レターセット、デザイン和紙と多いのも特徴である。それぞれの商品は、
独創的なデザイン・独自の加工方法、そして手漉き和紙のもつやわらかい風合いが融合、
20
“伝統の継承と革新”を実現している。
4 助成内容及び効果
平成
今回設備導入したブロックプリント用版、ドラム式ドライヤーによって一貫生産体制
が整い、より迅速な顧客対応型のビジネスが実現した。また、伝統工芸の後継や雇用創
出の面でも貢献している。
年度
21
また、ガボー氏のデザインを活かしたブロックプリント及びエンボス加工手漉き和紙
壁紙を商品展開することが可能となった。
5 今後の展望
現在は海外における販売代理店・小売店契
約のため営業活動に注力している。
和紙等を使ったインテリア雑貨・内装が国
内外を問わず見直されていることや、社会的
なエコロジーブームやシックハウス問題など
の事情から、環境負荷が少なく人体に安全な
製品に注目が集まっている流れからも、今後
の事業展開に期待が持てると考えている。
Message From
Entrepreneur
齋藤社長
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 齋藤 宏之
坂本龍馬に憧れて起業の夢を果た
しました。知行合一、まずは一歩
踏み出し広大な市場を相手に挑戦
しましょう!
〔住 所〕喜多郡内子町五十崎甲1620番地3
〔設 立〕平成20年7月
〔TEL〕0893-44-4403
〔FAX〕0893-44-4403
〔URL〕http://www.ikazaki.jp/
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31
株式会社
エニカ
松山市
いで湯とポイントと笑顔の湧き出る町へ
「地域共通ポイントシステム」構築事業
1 事業内容
主に松山市中心商店街を対象として、「いつでも、どこでも、どなたでもポイントが貯
まって使える」というコンセプトのもと、買い物の際の現金ポイントに加え、各種会員
事業や公的機関等とも連携した地域共通ポイントカード「anycard」を活用したサービ
スを事業展開する。
2 事業背景
松山市中心部の商店街においては、大街道・銀天街を中心に飲食店舗や歓楽街など地
方都市としては高い集積度を維持してきたが、郊外大型商業施設との競争激化等もあり、
当該商店街の顧客離れが進んでいる。また、松山市中心部の商店街をはじめ松山近郊の
小売業・飲食店では、個店あるいはグループ企業を軸としたポイントカード発行はある
ものの、他店・他業種等を巻き込んだ特定の地域
に密着した現金ポイントカードは発行されていな
い。
3 事業、技術、商品の特徴
従来、個店毎に発行してきたポイントサービス
と違い、枠を超えた加盟店でのポイント加算が可
能となるため、ポイントが貯まり易く使いやすい
ものとなる。
会員負担は「0円」であり、加盟店の負担も通
信費・手数料以外「0円」である。さらに端末は、
携帯電話型であるため、イベント時の利用や移動
体での利用なども可能であり、端末設置のための
32
平成
工事も不要であるため、加盟店開拓へのハードルは他社サービスに比べて低いものと考
年度
19
えられる。
4 助成内容及び効果
カード会員の獲得と加盟店開拓を迅速に進めるため、わかりやすく、地元民放、ストリー
平成 年度
トビジョン、Web、ポスター、チラシなどでサービスを告知・会員募集を行うとともに、
集客イベントなどでPRを行うなどのプロモーション活動を実施した。
また、地域活性化や環境問題に取組んでい
20
る他団体・グループとの連携を図ったことや、
弊社ポイントシステムを利用したイベント参
加者へのポイントインセンティブは、街へ出
平成
かける有効な動機付けともなり、平成21年末
現在、会員数約3,000人、加盟店約70店舗を
獲得している。
年度
21
西野社長
5 今後の展望
松山市中心部の商店街・飲食店舗等を対象として、加盟店確保を図るとともに、カー
ドの利用を促進するため、商店街を回遊する仕組みの検討を進める。今後は、各分野の
会員証との一体化、他の地方拠点都市への展開、更には教育・福祉など商業以外の分野
への展開も見据えている。
さらに、企業の社会的貢献の観点から、ポイント事業から発生する収益の一部をまち
づくりや環境など、様々な分野の活動に対して寄付していくなど、加盟店、消費者(会員)
を巻き込みながら、環境活動や地域活性化に向けた取組みを行っていく。
Message From
Entrepreneur
地域の中で様々な分野の事業や人
が関わり合い、新しい形のコミュ
ニティへの取組みやそれに伴う経
済活動が模索されています。自ら
がプレイヤーとして参画し、新し
い風を起こしてみませんか。
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 西野 元
〔住 所〕松山市三番町5丁目13-10 リパップビル6F
〔設 立〕平成20年8月
〔TEL〕089-946-2345
〔FAX〕089-946-2344
〔URL〕http://www.anyca.jp/
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33
有限会社
ヴォルカニック
カンパニー
松山市
小規模生産者(農家等)の組織化による
ブランド構築及びインターネット販売
1 事業内容
県内の生産者(農家)の中には、「モノづくり」に誇りを持ち、こだわりのある家族経
営者が多く存在している。そこで、独自の食材取引基準を設けて、生産者のブランドの
構築に取り組むとともに、生産者の「ものづくり」に対する“思い”も発信しながら食
材の販売を行う。
2 事業背景
本県の食料自給率は全国平均40%を若干下回る37%である。今後、農業従事者の後継
者不足、都市圏への食材流出で自給率はさらに下がると推測される。
本県の野菜・果物・米・鶏卵等を今後も安定的に確保していくためには、県産食材の
ブランド構築や販路の構築が必須であり、県産食材の統一ブランドを構築していけば安
定した販路を持つことができると考えた。
左が坂東社長
34
平成
3 事業、技術、商品の特徴
年度
19
独自の食材取引基準(誠実である、顔が日焼けして
いる、手が厚くて爪が土等で汚れている等)を設けて
生産者を選別・認定した後、生産者・生産物情報等を
データベース化し、認定生産者の組織化を図る。
平成 年度
また、弊社ホームページで認定生産者の思いを伝え
るとともに、食材販売に当たっては、認定生産者の写
真や思い、更にはその地域の観光などを組み合わせたパンフレット等も一緒に梱包する。
20
4 助成内容及び効果
ブランド構築を図るため、生産者や素材の写真やロゴデザインなどのPRツールを充
平成
実させた。県内のこだわりある小規模生産者と取引を実施した結果、多くの新鮮で美味
しい食材を一般消費者に提供でき、生産者の熱意と共に、認定生産者別に食材の名称・
原産地・栽培方法・生産規模・出荷できる期間・価格を情報として提供することができ
年度
21
た。
また、市場や産直市より割高の価格での販売が可能となるほか、産直市等への出荷手
数料より低く設定するため、県内の小規模生産者にもたらす利益も大きなものとなって
いる。
5 今後の展望
小規模生産者の組織化により、生産物取扱量の規模拡大が見込まれることから、飲食
店等を対象とした販売システムが軌道に乗るよう、県産食材を活用したい飲食店・ホテ
ル等の業者に適した食材を提供できるようなシステムづくりを検討していく。
また、集客力のある大手スーパーや観光地等のスペースを間借りして、愛媛県全域を
網羅した旬な食材を取り揃えた季節ごとのイベントにも販売及びPRを行っていく。
Message From
Entrepreneur
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 坂東 一輝
失敗を恐れず挑戦することで
新しいカタチが生まれる。
〔住 所〕松山市中村2-5-37B-202
〔設 立〕平成17年5月
〔TEL〕089-935-5477
〔FAX〕089-935-5477
〔URL〕http://noukano-honki.com/
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35
愛媛県
認定漁業士
協同組合
宇和島市
南予の認定漁業士による新養殖魚種
「マハタ」「クエ」「イシガキダイ」等の
高付加価値商品企画・販売に関する事業
1 事業内容
南予の認定漁業士が集結して事業協同組合を設立、「マハタ」「クエ」「イシガキダイ」
を中心とした高付加価値商品の企画・販売に加え、独自の流通システムを構築して商社
的な役割を果たしていく。
2 事業背景
愛 媛 県 の マ ダ イ・ ブ リ 養 殖
ビジネス・スキーム認定漁業士協同組合
■
は、全国トップレベルの生産量
を誇っている。しかし近年、価
格決定の主導権は大型量販店等
に移行しつつあり、価格は低迷、
従来型の流通・販売では経営の
維持が困難になりつつある。こ
認定
漁業士
認定
漁業士
認定
漁業士
水産
委託加工
切り身・しゃぶ
しゃぶ・鍋用
愛媛県
愛媛県 認定漁業士
協同組合
品質・価格
デパート
レストラン
高級料亭
ホテル
消費者
情報発信・販売
の問題を解決するために、南予
の認定漁業士が立ち上がり、漁業としては全国初となる事業協同組合を設立。愛媛県水
産研究センターで独自研究した新養殖魚種の養殖に取り組みブランド化を目指していく。
また、相対取引制度を導入し、商社的な役割を担うことで生産者の安定収入、地域活
性化につなげていく。
3 事業、技術、商品の特徴
愛媛県には、魚類養殖業における競争力強化・経営高度化などを目的に、講座を通じ
て技術力、販売力、経営力などを身に付けた担い手に対し認定する、「認定漁業士」の制
度がある。今回、南予の認定漁業士が全国初となる事業協同組合を設立し、新養殖魚種
となるマハタ・クエ・イシガキダイの「宇和海」ブランド化を図り、獲れたてに近い鮮度・
36
平成
品質を実現するよう魚を管理し、加工・配送・受注などの業務を行っていく。
年度
19
特に首都圏・関西圏・東海圏に対しては、代理店網の整備による販路拡大を行い、消
費者ニーズに適応した商品供給体制を整えていく。
4 助成内容及び効果
平成 年度
平成21年1月、当初29人で組合を設立。愛媛県農林水産研究所水産研究センターの指
導・助言による養殖技術向上に取り組む傍ら、マーケティング活動にも注力し、「フード
エキスポ」への出展等を通じて、新養殖魚種であるマハタ・クエ・イシガキダイの周知
20
と新たな取引先の獲得に努めた。
出荷は、宇和島、今治といった県内の料理店からスタート。こうしたなか、大口先とし
てANAのファースト・ビジネスクラス用の機内食としてマハタの採用が決定。21年9月
平成
から11月までの3ヵ月間で約800キロのマハタとハギ3万尾が供給されることとなった。
また、加工品の開発に向けても意欲的に取り組み、地元・宇和島水産高と共同で「マ
ハタ缶」を試作開発した。これはマハタのほか媛っ子地鶏、椎茸の媛王など、愛媛の特
年度
21
産品をチキンブイヨンで煮込んだ高級缶詰で、今後全国および県内の食品展等に出品す
るなどして、市場調査に取り組んでいく。
5 今後の展望
新たな販路としては、鍋用具材での出荷を検討しており、大手水産加工会社を通じ県
外量販店への商談が進行中である。また、地元水産
会社の協力により、首都圏のレストランにも売り込
むほか、全国の商談会など積極的に参加し地域特産
品としての認知度を高め販路拡大を図っていく。
加工品についてはマハタ缶のほか、釜飯の素など
素材の持ち味を活かした新商品を開発していきたい
と考えている。
Message From
Entrepreneur
松本代表
企 業 概 要
〔代表者〕代表理事 松本 嘉晃
やる気、根気、
あきらめない気持ち
〔住 所〕宇和島市下波5376
〔設 立〕平成21年1月
〔TEL〕0895-49-4077
〔FAX〕0895-49-4077
〔URL〕http://www.e-gyogyoushi.jp/
えひめ中小企業応援ファンド活用事例集 ●
37
合同会社
久万郷
久万高原町
異業種連携による久万高原町の
特産品販売およびイベント企画事業
1 事業内容
上浮穴郡久万高原町内の異業種事業所5社が連携し、それぞれの得意分野での強みを
発揮し、「小さな町の商社」として久万高原町の特産品の直接販売を軸に、久万高原町物
産市等のイベント事業、オリジナル商品の開発事業、収穫農林業体験事業を展開。久万
高原町と、松山市を中心とした地域外の顧客をビジネスという絆で繋ぎ、久万高原町内
で新たなビジネスモデルを構築する。
また、久万高原町の魅力ある情報を発信し、地域外からの顧客誘致を図り、高齢化の
進展および地元産業が停滞している地域の活性化を目指す。
2 事業背景
豊かな自然に囲まれた久万高原町は「伊予の軽井沢」と言われ、また様々な山の恵み
の宝庫でもある。特に標高650mの高原地域で栽培される高原野菜は、同町を代表する地
域資源として有名で、県内外を問わず人気度も高い。
また観光・市民農園、スポーツ施設、名所・旧跡といった同町ならではの観光・自然
資源を有している。
それら豊富な地域資源を一体的に活用するため、農林・商工・観光事業が連携し、久
万高原のより一層強いブランド化を図り、
新たな事業展開に取り組むものである。
3 事業、技術、商品の特徴
従来、久万高原町では、産直市や物産店
を通して地元産の特産品を販売する流れが
ひとつのビジネスパターンとなっていた
が、同事業は異業種が連携し自らが販路開
38
平成
拓や販売イベントを企画する。また地元生産農家との栽培契約による直接仕入れおよび
直接販売や、地元商工業者との提携による特産品の販売を行い、さらに宅配サービスを
年度
19
提供するという新たなビジネスモデルの構築と市場開拓を目指している。
4 助成内容及び効果
平成 年度
HPによる効果的な広報活動を行った結果、自然を活かした子育て応援イベントとし
て、FM愛媛、ドコママ愛媛、愛媛信用金庫との共催により農林業等を体験する「子育
てワンダーランド in 久万高原」を開催するに至った。導入したイベント関連備品を有効
20
活用して、平成21年度は田植え、林業、農園内でのピザ焼き、稲刈り、収穫祭と5月か
ら10月まで5回にわたり実施、松山市を中心とした親子連れ延べ約500人に参加いただ
き活況を呈した。
松山市内のスーパーでは、久万高原町の特産品を展示販売する物産市を開催し、久万
平成
高原野菜の良さをアピールした。また、松山市中心部の通称“ロープウェイ街”にオー
プンした「えひめイズム(感性価値創造ショップ)」において、同社第一弾のオリジナル
21
年度
商品となる、久万杉を使用したお盆の販売を開始した。植物性オイルを塗布、5色のカラー
バリエーションがあり、お盆のほかお膳としても使用可能となっている。
5 今後の展望
「えひめイズム」への出品は、久万高原町の物産のPR、マーケ
ティング、交流が図れる拠点として期待しており、同ショップに
出品する他事業者とのコラボ商品開発にまで発展させたいと考え
ている。また久万高原町出身者やイベント参加者に対し情報発信
し、同町の旬を提供するデリバリーサービス事業の拡大を目指し
ている。好評なイベント・物産市はさらに実施回数を増やすこと
を検討。人的交流を図り、同町と町外者との絆を一層深めていく。 Message From
Entrepreneur
「何をする為に生れてきた会社な
のか?」その大きな柱をハッキリ
させれば、後はそれに向かって失
敗を繰り返しながら、走りきるだ
けです!
井部代表
企 業 概 要
〔代表者〕代表社員 井部 健太郎
〔住 所〕上浮穴郡久万高原町菅生2-1326-1
〔設 立〕平成21年3月
〔TEL〕0892-21-0395
〔FAX〕0892-21-0395
〔URL〕http://www.kuma-go.jp/
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39
有限会社
イオリ工芸
1 事業内容
松山市
天然藍染め、柿渋染めによるカジュアル
ヴィンテージ商品の製造・卸販売
い
よ かすり
社内一貫生産体制の整備を図り、「伊予絣」の伝統技術と、あたご柿から抽出した柿渋
を原料とする「柿渋染」の技術を融合した商品として、現代風にアレンジしたカジュア
ル系ヴィンテージシャツ・バッグ等を製造・卸販売する。
2 事業背景
「伊予絣」は日本三大絣の一つと云われ、平織物の中では世界的に見ても最も手の込ん
だ織物の一つである。しかしながら、その手作業の多さ・製作の複雑さゆえに技術者は
激減したままである。
伊予絣の製造技術を残していくためにも、全国有数の柿の産地である西条の「あたご柿」
から抽出した柿渋液を原材料として、藍と併用したカジュアル商品などを開発・販売す
ることにより、伊予絣の製造技術を応用した現代版の商品を創り出してアピールしてい
く必要があった。
3 事業、技術、商品の特徴
天然藍染め、柿渋染めの技術ノウハウをコラボレー
ションして、30 ~ 50代男性向けのカジュアル系ヴィン
テージシャツ・バッグ等を一貫生産体制にて製造・販売
している。
商品の特徴は、藍染め、柿渋染めの生地を主体にして
いることはもちろんであるが、絣、手織り、レザー(藍
染め、柿渋染めを施したもの)を襟・袖・ポケット等に
アクセントポイントとして使用していることと、さらに、
現代風ヴィンテージ加工(ストーンウォッシュ・ブリー
40
平成
チによる洗い加工等)を施していることである。
年度
19
柿渋染め商品は、白生地を柿渋で染めて製造しているのではなく、糸を柿渋で染めた
織物(柿渋帆布)を使っており、白生地を染めた物より強度に優れ、織り独特の生地感
や風合いが出ている商品である。
平成 年度
4 助成内容及び効果
導入した各種ミシン等により、納期短縮、
小ロット対応、小回りの利いた商品サンプル
20
作製が可能となり、一貫生産体制が実現した。
生地の生産から製品化まで実施できるという
ことで、思い切ったデザインにも取り組むこ
また、出展した展示会では、お客様の声か
平成
とができた。
白方社長
21
年度
ら商品に対するヒントを数多くいただくとと
もに、今後の商品開発、販売方法に活かせる情報を得ることもでき、品質、価格、納期
といった時代のニーズにも対応した事業展開への契機となった。
5 今後の展望
助成事業では、男性向け商品を主軸に展開したが、一方で女性向け商品を希望される
声も多くいただいたことで、レディスへの商品展開の重要性を実感した。今後レディス
部門を展開するにあたり必要となる、女性目線のデザイン・素材・縫製技術(ギャザー、
くるみ釦などの専門技術)等について、技術の修得並びにノウハウの蓄積に努めている。
今後、さらなる技術の応用により帽子や小物(財布・キーホルダー)、女性向け商品へ
のアレンジを行い、性別を問わず、若年層から熟年層を含めたプレステージカジュアル
志向のターゲットを見込んだ市場へ、トータルファッション商品群を送り出していく。
Message From
Entrepreneur
「伊予の染織文化を創造・伝承し、
地域に貢献する」という理念を掲
げて活動しております。自分にし
かできないという使命を持って取
り組むことにより、必ず活路は開
けます。
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 白方 宣年
〔住 所〕松山市久万ノ台930番地1
〔設 立〕平成17年1月
〔TEL〕089-926-9812
〔FAX〕089-926-9813
〔URL〕http://iori-kougei.com/
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41
企業組合
ナチュラリズム
宇和島市
宇和島産「ブラッドオレンジ」の
リキュール製造・販売事業
1 事業内容
県下初となるリキュール特区認定を受けて、地域資源である「ブラッドオレンジ」を
もとにリキュールを造り、販売する。
2 事業背景
愛媛県の南西部に位置する宇和島市は、南予地方の中心都市であり、全国に知られる
温州みかんの産地でもあるが、現在では生産過剰やオレンジの輸入自由化等により価格
は暴落、長い低迷にあえいでいる状況にある。
ただし、安価なみかんが売れない半面、都市部では高級柑橘類が売れている事例もある。
これらの現状を鑑み、宇和島市ではJA・研究機関・農家が一体となって、イタリア
原産の高級オレンジ「ブラッドオ
レンジ(タロッコ)」の栽培に取
り組んでいる。
特例措置を活用することで、小
ロットのリキュールの製造が可能
となることから、柑橘農家及びレ
ストラン事業者間の農商工連携に
よりブラッドオレンジ由来のリ
キュールをイタリアンレストラン
で製造し、販売することを通じて
地域の活性化を推進し、新たな担
い手の育成と、雇用機会の創出を
図ることを最終目標としている。
42
平成
3 事業、技術、商品の特徴
年度
19
平成21年11月中旬に完成したリキュール「NICORi rosso(ニコリ・ロッソ)」のア
ルコール分は20 ~ 21度。ブラッドオレンジ特有の赤みを帯び、豊かな香りとさわやかな
甘い口当たりで高級感のある製品となっている。また、製造時に濾過をしていないため、
にごり酒のように沈殿物があることも特徴になっている。
平成 年度
4 助成内容及び効果
製造設備導入のほか、リキュールのロゴやデザイン開発に取り組んだ。瓶の形状等に
20
ついては大学生らの協力も得るなど満足のいくものが出来上がり、想定している顧客層
へのアピール力は強化されたと考えている。また、設備面では充填機の導入等により、組
合員の作業軽減による省力化、生産能力向上を図ることができた。
平成
5 今後の展望
今後は春と秋にそれぞれリキュールを製造して
年度
21
いく計画であるが、春の仕込みは生果の収穫時期
であることから果肉入りとし、秋の仕込みはジュー
スを原料とすることで、異なる味わいの商品ライ
ンナップを増やす予定である。また、ブラッドオ
レンジの増産体制が整ってきた段階で、ジュース
とリキュールのセット販売も考えていきたい。
今後の課題としては、ブラッドオレンジの真っ
赤な果肉の色を再現すること、および安定した品
山本代表
質の商品出荷体制を整えることである。
Message From
Entrepreneur
企 業 概 要
〔代表者〕代表理事 山本 展弘
まるごとの自然に尊敬と感謝の気
持ちを常に持つ事を理念とし、こ
のモチベーションを高く維持する
事で、次世代までの道筋をつける。
〔住 所〕宇和島市津島町高田乙589-2
〔設 立〕平成21年4月
〔TEL〕0895-32-1773
〔FAX〕0895-32-1773
〔URL〕
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43
株式会社
ファーレ
松山市
瀬戸内の旬な鮮魚を使った
漁師食の販売・加工事業
1 事業内容
漁師が主体となって、漁獲から加工・販売までを手がける一貫型ビジネスモデルを構
築し、食材のブランド化を図るほか、地元飲食店等とのネットワーク形成や地域の伝統
的な販売方法である「オタタさん」の復活・組織化に取り組む。
2 事業背景
漁師所得も低水準が続く傾向にあり、高齢化や後継者の問題も顕著になる中、今後、漁
業を取り巻く環境を危惧していた。
また、漁獲物の鮮度保持期間が短いことに起因する市場出荷依存の物流体質から、漁
師の職業は生産者としての供給のみで、販売流通事業までは行っておらず、漁獲・加工・
販売部門が連動していないことから、一貫型水産ビジネスへの転換の必要性を感じてい
た。
3 事業、技術、商品の特徴
漁獲仕入れの安定供給策として、直営漁船2艘の
ほか、今出漁協と連携して、仕入れルートの組織化
を図るとともに、規格外漁獲物や加工過程で出る食
材を商品化して、魚介類と地元野菜を組合せた「漁
師鍋セット」、エビや雑魚の天日干し・イカの生漬
などの漁師手作りの「漁師加工品」を販売する。
さらに、伝統的な訪問販売方法である「オタタさ
ん」を復活させ、組織化した「平成オタタさん販売
ネット」を構築し、魚介類の調理方法の紹介も取り
入れながらの販売を展開していく。
44
平成
4 助成内容及び効果
年度
19
法人化にあわせて加工場兼店舗への設備導
入に着手し、販売体制が整備できた。漁師の
組織化についても、地元漁協だけではなく近
隣の漁師からも直接仕入れが可能となったこ
平成 年度
とから、設備導入した冷凍庫により、安定し
た商品供給の実現が可能となった。
また、漁獲物の加工や販売を行うための新
20
たな雇用を創出するとともに、パンフレット
を活用した広報を実施した。
付加価値が追加された漁獲物の加工販売に
平成
よって、漁師の所得向上にも繋がっている。
5 今後の展望
年度
21
地域イベントに出店販売したところ、「エビのすり身じゃこ天」や「ハモの天ぷら」な
どテイクアウト商品に好評を得たことから、特にエビを主体とした加工品開発に取り組
むなど「平成オタタさん販売ネット」での商品群を充実・増加させる。
また、自社の加工場での常設販売やイベント販売で認知度を向上させるとともに、地
元の外食・中食事業者や道後の旅館・ホテルと連携し、愛媛・松山の食ブランドを構築
していき、それを全国への地産他消に繋げていく。
Message From
Entrepreneur
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 中矢 健
事業の成功は、小さな改善・改良の
積み重ねでしかない。
〔住 所〕松山市西垣生321番地
〔設 立〕平成21年4月
〔TEL〕089-971-0750
〔FAX〕089-971-0750
〔URL〕
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45
株式会社
愛媛活魚
大洲市
「陸上屋内循環法」によるアワビ
養殖生産プラントシステムの販売
1 事業内容
「陸上屋内循環法」によるアワビ陸上養殖生産プラントシステムを開発し、経営革新の
一つとしてアワビ養殖生産を考えている建設業者などへ販売するとともに、システムの
活用、メンテナンスを行う。また、アワビ養殖生産に関して、全般に渡ってサポートを
展開していく。
2 事業背景
近年、魚介類の乱獲や地球温暖化の影響により、年々、漁獲量が減っており、獲る漁
業から生産する漁業への転換が急務となっている。その解決策の一つである海面養殖業
も、岬の厳しい自然環境下で行うものであり、重労働を強いられているのが現状である。
そこで当社では、天候・自然災害に左右されず、軽作業で対応可能な「陸上屋内循環法」
によるアワビの養殖生産プラントシステムを開発することを決意した。
46
平成
3 事業、技術、商品の特徴
年度
19
「陸上屋内循環法」によるアワビ陸上養殖生産プラントシステムを開発し、システムの
活用、メンテナンスを行う。また、開発時に培ったアワビ養殖技術に関しても、全般に渡っ
てサポートを展開していく。
当システムのメリットとしては、①海水汚染(赤潮、雨水、混濁)の影響を受けない、
平成 年度
②計画的生産・周年出荷が可能である、③風水波浪で生じる自然災害の影響が少ない、④
循環式であり環境に優しく軽作業による管理が可能、などが挙げられる。 20
4 助成内容及び効果
今回の循環・給水ポンプ、配管、電気系統等の設備導入により、「陸上屋内循環法」式
アワビ陸上養殖生産プラントシステムが完成した。すでに建設業者、製材業者等からの
平成
引き合いが県内外から多数あり、実際にプラントの販売が成約するなど、順調に推移し
ている。
年度
21
5 今後の展望
今回開発したアワビ養殖システムは、週に一度、海水の
入れ替えを要するものであったが、この入れ替え頻度を減
少させるため、高知大学総合研究センターの指導・協力の
もと、システムのさらなる研究開発に取り組んだ結果、改
良の見通しが立った。現在、市場投入に向けて最終調整中
であるが、より訴求力の高い新システムの提供が可能とな
る見込みである。
今後も「陸上屋内循環法」式アワビ陸上養殖生産プラン
トシステムによる、アワビの安定出荷を実現していくとと
もに、安心・安全で美味しい養殖アワビとして広く認知し
てもらえるよう、「信用・信頼」を大切にしてビジネスを展開していく。
Message From
Entrepreneur
アワビ陸上養殖の実用化を目指し、
長年、試行錯誤を繰り返しながら
研究開発に取り組んだ結果、環境
に優しく、管理が容易で、収益性
の高い養殖技術を確立致しました。
今後は新たな事業展開を目指す企
業に向け、自信を持って提供すべ
く準備を進めていきます。
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 下岡 一晴
〔住 所〕大洲市柚木1055-2
〔設 立〕平成21年3月
〔TEL〕0893-23-5601
〔FAX〕0893-23-5948
〔URL〕
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47
サンピュア
オイル
企業組合
西予市
休耕田、耕作放棄地および転作田を活用した景
観作物(菜の花・ヒマワリ)栽培・搾油・飼料
化による循環型エコノミー事業
1 事業内容
休耕田や耕作放棄地および転作田を活用して“ヒマワリ”“菜の花”栽培、景観作物な
どに利用し、その後“ヒマワリ”“菜の花”を搾油、食油として家庭や学校給食、飲食店
に提供するとともに、油かすは飼料化、肥料化などにより堆肥として“ヒマワリ”“菜の花”
畑に利用する循環型エコノミー事業に取り組んでいく。
2 事業背景
酪農業界を取り巻く環境は厳しく、農畜産物価格の低迷や燃料、飼料などの生産資材
の高騰により、畜産農家は廃業も視野に入れた厳しい経営が続いている。
愛媛県内の5割のシェアを持つ西予市の基幹産業である畜産業の衰退は、地域経済の
崩壊にもつながりかねない重要課題となっている。
一方農業についても、小規模農家の後継者不在・高齢化など、農地の保全が大変厳し
い状況にあり、双方の問題解決に向け、本事業に取り組むこととした。
3 事業、技術、商品の特徴
休耕田や耕作放棄地および転作田を活用して“ヒマワリ”“菜の花”を栽培、景観作物
などに利用し、その後搾油したものを、家庭
や学校給食、飲食店に提供するととともに、
絞りかすは飼料化・肥料化などにより消費す
ることで、“ヒマワリ”“菜の花”にまつわる
一連の流れを構築する。
現在、ヒマワリ油・石鹸の商品開発に取り
組み、ヒマワリ油については自社製造、石鹸
についてはOEM製造としている。
48
平成
4 助成内容及び効果
年度
19
今回の事業により購入した設備機器等に
より、広大な農地の管理について、作業従
事者の適正配置が可能となり、作業の効率
化が図られた。また、搾油機器については、
平成 年度
ヒマワリ・ナタネの区別なく搾油が可能で
あるため、別々の搾油器を購入する必要が
なく、最小限の設備投資で搾油ができるこ
20
ととなった。休耕田や耕作放棄地及び転作
田を活用して“ヒマワリ”
“菜の花”栽培
面積の拡大を図ることにより、エコロジー(環境保全)とエコノミー(地域振興活性化)
平成
が共生、調和した地域づくりへの第一歩を踏み出すことができた。
5 今後の展望
年度
21
ヒマワリ油を短時間に大量生産するための精油機器改良、作付け面積の拡大に伴う貯
留タンクの新設、および製造工場の拡大等が今後の課題である。
引き続き、畜産農家と小規模農家の連携を通して、耕作放棄地および転作田を利用し
た“ヒマワリ”“菜の花”の栽培・食用油化及び販売活動に努め、地域活性化策のモデル
の一つとして確立させていきたい。
前列の右が井関代表
Message From
Entrepreneur
これからも、安全・安心な植物油
と肌に優しい石鹸の販売を続け、
さらには地域の雇用を確保するた
め努力します。
企 業 概 要
〔代表者〕代表理事 井関 智史
〔住 所〕西予市野村町野村16号383番地1
〔設 立〕平成21年6月
〔TEL〕0894-69-2533
〔FAX〕0894-69-2533
〔URL〕http://www.sunpure-oil.jp/
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49
有限会社
エスぺランス
今治市
瀬戸内海の地魚を活用した「主婦の
わがまま商品」の開発・販売
1 事業内容
地元今治地区で水揚げされた天然魚を主軸とした商品を取り扱うにあたり、商品開発
から販売まで、徹底的に主婦のニーズを反映することで競合先との差別化を図る。
2 事業背景
近年消費者の魚離れが顕著になっている。これは、①子供が魚を好まない(骨がある
こと、食べるのが面倒、食べるのに時間がかかる)、②調理が面倒(調理時間がない、下
処理ができない、後片付けが面倒)、③肉より割高といったことが原因ではないかと考え、
このような魚離れを解消するため、主婦の視点から、地元で水揚げされる魚を使った商
品を開発・販売することにより魚離れに歯止めをかけ、地域漁業の活性化に貢献するこ
とを目的に事業化を計画した。
3 事業、技術、商品の特徴
〈商品開発〉 ホームページ上にコミュニティを形成し、加工、味付け、包装などについて主婦の
視点に立ったニーズを収集したうえで商品開発を行い、完成した試作品を自社店舗に
てテストマーケティングしながら更なる
改良を加えていく。
〈仕入れ〉 旬の時期に大量に水揚げされる魚を今
治漁協、松山魚市場から仕入れる。旬の
魚は味が良いだけでなく、安く仕入れら
れるため、天然の地魚であってもリーズ
ナブルな価格設定が可能となる。
50
平成
〈販売〉
年度
19
「調理しやすい」、「食べやすい」、「購入しやすい」商品を開発し、インターネット宅
配及び実店舗で販売する。仕事や子育てで忙しい主婦のため、インターネット上でい
つでも注文できる体制を構築し、その一方で、顧客と直接コミュニケーションを取る
場として実店舗でも販売する。
平成
4 助成内容及び効果
実店舗「うみの食材屋」開店に当たり、設備備品を導入することにより、商品PRが
年度
20
容易となったことから、顧客ニーズを反映した商品開発体制をスムーズに構築すること
ができた。
その結果、顧客との距離も近くなり、一般消費者向けの魚種、使いやすい状態、レシ
平成 年度
ピなどの情報が蓄積され、また、客層の変化も見られるなど、実店舗での売上も好調に
推移している。
また、ホームページを開設し、食材レシピの提供や旬の食材の紹介などを情報発信す
21
るとともに、実際に商品を購入して頂いた顧客から商品に対する評価など生の声を集め、
商品の改善や開発に反映させている。
5 今後の展望
主婦の視点から使いやすく、短時間で簡単においしく調理が
できる商品の需要やニーズが今後も増えてくるとの考えのも
と、引き続き顧客ニーズを反映させた商品作りを強化していく。
また、一般消費者へのPR方法にはまだまだ改善の余地があ
ると考えており、より一層の店舗のPRに努めていくことで、
当社の食材を家庭に取り入れていただき、地魚の味や知識を地
元に還元し、子供たちに家庭の味・母親の味を継承していく
きっかけを作っていきたい。
Message From
Entrepreneur
行動したことでの後悔は絶対にし
ません。失敗しても、それを反省
したうえで次のステップに前進し
ていくことが大切です。
安部社長
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 安部 有里子
〔住 所〕今治市四村311-9
〔設 立〕平成17年7月
〔TEL〕0898-23-2127
〔FAX〕0898-23-2127
〔URL〕http://www.i-esperance.com/
えひめ中小企業応援ファンド活用事例集 ●
51
有限会社
エレックス
松山市
愛媛をサポートする「フィールド
メディアシステム」の販売及びレンタル
1 事業内容
自社開発した「屋外用特殊スクリーン」を使用して、各種イベント等において、低価
格で利用できる屋外映像サービスを提供する。
2 事業背景
通常のスクリーン・テレビなど一般的な映像装置では、日中に屋外で映像をクリアに
見る事は容易ではないとされており、視認性が高いLEDを使った装置ではコストがか
なり高額であることから、予算も少額となりがちな地方開催のイベントではなかなか活
用しがたい状況にあった。一方で、設置・撤去作業については短時間で行いたいとの相
反するニーズが存在していた。
こうした市場ニーズを充足する、簡易かつ低価格で提供できる商品開発に着手し、事
業化に取り組むこととした。
52
平成
3 事業、技術、商品の特徴
年度
19
試作・研究開発を重ねた結果、特殊スクリーンパネルを使用して、4tトラックをベー
スに製作した移動型スクリーンと、簡単に設営撤去可能なフリータイプのスクリーンに
より、地方でもクリアで迫力のある映像が安価に視聴可能となる装置が完成した。
平成
4 助成内容及び効果
デモンストレーション用の設備を製作したところ、当該システムに関する反響は大き
く、客先からの要望として、例えば大型デパートや大型スーパーのエントランス、ロビー
年度
20
などのガラス張り、吹き抜け天井などの環境(外光と屋内照明の両方の影響を受ける半
屋外スペース)に利用できないかとの声が多く聞かれたことから、改良を加え、こうし
た要望に対応可能な新システムが完成した。
平成 年度
また、ホームページの刷新や市場調査といったマーケティング活動ともあいまって、多
くの反響を頂き、現在、大型ショッピングモール向けに商談が進行中である。
21
5 今後の展望
室内で映像スクリーンを使ったイベントは非常に多く、いまや
必要不可欠な定番装置となっている。これまで実現性に欠けてい
た屋外イベントでのスクリーン活用は、当社の商品「フィールド
メディアシステム」によって問題が解消でき、地方にとって画期
的な商品になると確信している。
さらに、こうした取り組みの先に、四国以外の地域へのエリア
拡大も視野に入れ、今後の販路開拓に注力していく。
Message From
Entrepreneur
今回の事業は弊社にとって新たな
一歩を踏み出す大切なきっかけと
なりました。競合他社との差別化、
新規取引先の開拓もでき、今後の
事業展開が大きく変わろうとして
います。
弘瀬社長
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 弘瀬 昌章
〔住 所〕松山市来住町1329番地4
〔設 立〕平成17年8月
〔TEL〕089-905-8550
〔FAX〕089-905-8515
〔URL〕http://www.elxltd.com/
えひめ中小企業応援ファンド活用事例集 ●
53
株式会社
GOOD
FIELD
松山市
裸麦を生地に使用した「媛スマイル焼き
(ミニお好み焼)」の開発・加工・実演販売
1 事業内容
生産量日本一を誇る「はだか麦」などの県産品を素材に、笑顔をテーマとした大判焼
きタイプの「媛スマイル焼(ミニお好み焼)」を開発し、観光地やイベント等での実演販
売や冷凍保存の特産品として全国に向けて販売を行う。
2 事業背景
地元の漁師や農家との直接取引により仕入れた地元食材の特徴や良さを活かしたお好
み焼として提供することで、全国に向けて食材をアピールすることができる。
また、ブランドとして特産品化し、全国販売することによって地元食材の需要が高まり、
県内の食料自給率のアップに繋がる。
さらに、店舗展開としても直営店やFC化の出店が低額の投資で可能となり、雇用拡
大にも貢献できる。
3 事業、技術、商品の特徴
① 取扱う食材については、生産者から直接仕入れており、生地には「はだか麦」を、
具材も地元の厳選されたものを使用している。
② 焼き方も、大判焼き器の焼面がアルミ製のため、生地や具材の焼上がりが早く、作
業効率が高まるほか、食材本来の持ち味を十分に生かすことができる。
③ お好み焼のサイズも、ミニサイズやメニューアイテムに組み合わせがあり、選ぶ・
味わう楽しみが演出できる。
④ 2坪程度の小スペースでの店舗展開が可能であり、設備の持ち運びも容易で出張
イベント・実演販売に向いている。
54
平成
4 助成内容及び効果
年度
19
導入した大判焼き器などの設備により、計画していた新商品の開発ができた。商品化
に当たり、生地の表面にパターン別のスマイルのキャラ絵文字を焼印して「笑い」を目
に訴え、「えーかお焼き」というネーミングで販売したところ、味覚、発想が斬新なため、
イベントで食した客から、どこで常時販売しているのかという声も聞かれた。
平成
なお、この新商品については、22年春にオープンする新店舗で取り扱い、ドライブスルー
も出来るお好み焼き屋さんとして常時提供していくことが可能となる。
年度
20
平成 年度
21
芳野社長
5 今後の展望
「えーかお焼き」は、愛媛の「え」、一番・つながりを示す「ー」、活躍・活気を示す
「か」、お好み焼き全般に通じる「お」をイメージしたものであり、同商品のシリーズ展
開として、生地を工夫して、斬新なスイーツ商品についても新たな商品開発に取り組み、
このSUMILE(すみれ=すまいる)ブランドでの新たなお好み焼きを、松山生まれ
3
3
3
3
3
3
の名店が作る新しいお好み焼きとして、県内から全国に向けて提供・販売していく。
Message From
Entrepreneur
えーかお焼きを食べて、えーかお
になってもらいたい。えーかおが、
どんどん広がっていくような世の
中になりますように!願いを込め
て作ります。
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 芳野 裕士
〔住 所〕松山市平和通4丁目1-6sumile.bld2F
〔設 立〕平成17年5月
〔TEL〕089-934-2525
〔FAX〕089-934-3003
〔URL〕http://kk-goodfield.com/
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55
有限会社
クレメント
松山市
「松山産べにふうき茶」の加工、販売
1 事業内容
松山市(旧中島町)の生産農家と連携しながら、瀬戸内の温暖な気候風土が育んだ松
山産べにふうき(茶葉)による『瀬戸』ブランドを立ち上げ、「粉末緑茶」や「石鹸」を
商品化するとともに、菓子メーカー等へ商品の提案を行い、販売拡大を図る。
2 事業背景
中島のみかん農家にとって60歳以上の高齢化が進む中、みかん等の果樹作の経営収支
の低下、収穫時の体力負担等の理由から離農が進みつつある現状を鑑み、先進的な農家
に導入され育成された「べにふうき」茶葉の商品化、販売を手始めに、流通・販売の手
段をもたない農家の人たちに代わって売る仕組みをつくり、離農に歯止めをかけるとと
もに、「べにふうき」への転作により地域農家の活性化につなげたいとの思いで事業化に
取り組んだ。
56
平成
3 事業、技術、商品の特徴
年度
19
抗アレルギー効果があるとされるメチル化カテキンを含有する「べにふうき」を用いて、
「粉末緑茶」と「石鹸」を商品化するものである。「粉末緑茶」は、松山産として、今回
始めて商品化されたものであり、「石鹸」は、着色料・保存料・香料・エデト塩酸などの
添加物を使用せず製造するものである。
平成
「べにふうき」は従来品種よりも、高価格で取引が可能であるため、べにふうき茶の生
産農家の所得向上にも寄与するものである。
年度
20
4 助成内容及び効果
商品のデザインについては、愛媛県産を
アピール出来るように、ロゴマークのデザ
平成 年度
インから見直し、「べにふうき茶 瀬戸」
と命名して、パンフレット・卓上のぼり等
を製作し、展示会へ出展するなど営業基盤
21
の強化を図ったところ、客先からの反応も
よく、販売促進に寄与している。
左が宮下社長
また、手作り石鹸用として設備導入したハンドミキサー等は、製作過程において、作
業者の負担軽減・時間短縮・生産能力向上に、非常に効果を発揮している。
5 今後の展望
商品については、品質面において消費者から一層の支持を得るとともに、第2次商品
として、お茶を活用した飴やラスク等を新開発して市場投入することで、相乗効果によ
る売上増加を目指し、「瀬戸」ブランドを確立させていきたい。
こうした取り組みにより、みかん農家の高齢化、耕作放棄地の増加、価格低下等、多
くの問題を抱えている地域農家の課題解決の一助となって地域の活性化につなげるとと
もに、アレルギー等で悩まれている方のお役に立ちたいと願っている。
Message From
Entrepreneur
業種を問わず、いろいろな方と知
り合い、出会いに感謝をする。そ
し て、 其 々 の 方 の 話 に 耳 を 傾 け、
知識を頂き、自分を高めていくこ
とが必要だと思います。
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 宮下 志乃富
〔住 所〕松山市天山3-11-10
〔設 立〕平成17年10月
〔TEL〕089-935-4611
〔FAX〕089-941-2434
〔URL〕http://crementea.ocnk.net/
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57
株式会社
木遊舎
伊予市
県内産ヒノキ材を使用した
おもちゃの企画・製造・販売
1 事業内容
県内産ヒノキ材を使用した木製玩具をブランド化し、レーザー彫刻による名入れの付
加価値で、全国の小売店への卸売りを中心に事業展開する。
2 事業背景
ヒノキ材は優良材として知られているが、価格水準は低迷を続け、県内の人工林にお
ける間伐等の手入れは極めて不十分であることから、森林環境のためにも県内産木材の
消費を活性化させることが必要な状況にある。
愛媛県は森林環境税をいち早く導入し、県をあげて地域資源の活用に取り組んでいる
こともあり、こうした環境整備の一助として、当社は県内産のスギ・ヒノキ材を活用し
た各種製品を開発販売してきたが、消費量はごく少量に止まっていた。
このことから、間伐材を利用した低コストのヒノキ集成材を活用して、新たな商品群
としてブランド化し、木製玩具の加工・販売を行い、県内産ヒノキ材の活用事業に取り
組むこととなった。
58
平成
3 事業、技術、商品の特徴
年度
19
主に久万高原町または東予地区から市場に出されるヒノキ材を活用した集成材を材料
として、おままごとキッチン、面展示ができる本立て等、子供用玩具・遊具約15アイテ
ムを全国公募したブランド名「天使のho ッ peシリーズ」で展開するとともに、顧客の要
望に応じ、レーザー彫刻による名入れサービスを実施する。
平成
4 助成内容及び効果
導入したレーザー彫刻機により、画像の加
年度
20
工、データ化、彫刻迄の工程が短縮化され、
商品の幅が広がるだけではなく、商品デザイ
ンを含めた、自社一貫処理体制が可能となる
平成 年度
など、効率的な製造ラインを再構築するに
至った。
また、絵本をイメージしたパンフレットの
21
作成により、営業基盤が強化され、全国の卸
問屋や小売店を中心に販路拡大が図られた。
事業の展開が、県産材の消費を促進させ、
地域林業の活性化に寄与するため、さらなる
地域資源の循環を生み出すことにもつながっていくことが期待されている。
5 今後の展望
販売価格を抑えることができているとはいえ、原材料を海外で調達し、加工した輸入
商品と比較すると割高感は否めないが、環境問題の観点からECOサイクル商品として
も木製玩具への関心が高まることや、少子化に伴う祖父・祖母から孫への支出の集中が
期待できるなど、良質な商品及び名入れサービスの提供を通じて、市場の広がりを期待
する。
Message From
Entrepreneur
∼お子さまの
穏やかな成長を願って∼
当社のおもちゃで、穏やかな子育
ての空間づくりをご提案。地元愛
媛のヒノキ材を利用し、安心・安
全な製品をより広く全国のお客様
へお届けします。
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 徳島 忠久
〔住 所〕伊予市中山町佐礼谷1-213-1
〔設 立〕平成19年4月
〔TEL〕089-968-0363
〔FAX〕089-968-0363
〔URL〕http://www.mokuyusya.com/
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59
株式会社
まさき村
松前町
まさき生まれの食材提供基地の開設と
まさきオリジナル商品の企画販売事業
1 事業内容
地産地消をコンセプトとした「海産珍味や農水産物及びその加工品等」を販売する店
舗を「エミフルMASAKI」の敷地内に開設する。
この取り組みにより、出品者間のコラボレーションを促し、ひいては「まさきオリジ
ナル」企画商品を販売することで、店舗と地域双方の魅力を創出していく。 2 事業背景
平成20年4月、中四国最大級となるショッピングセンター(SC)が松前町にオープ
ンした。
従来であれば、巨大SCの進出は既存の小売・飲食店にとって大きな脅威であると考
えられていたが、この脅威を新たなビジネスチャンスとして捉える発想の転換を図り、経
営資源としての活用方法を検討することとなった。
その結果、全国的にも例がない新たな試みである、巨大SCと既存商いの共存共栄に
よる地域活性化への道が開けることとなった。
60
平成
3 事業、技術、商品の特徴
年度
19
地域の商工業者に新たな販売チャネルを提供するとともに、地域の農林漁業者に参加
を求め、地域の特産品を、地域の商工業者が、地域の消費者に販売する地産地消を推進
する。
また、6次産業の育成を図り「まさきブランド」の創出を促すことで、地域力の強化
平成
を目指している。こうした取り組みにより、新商品開発や雇用創出等の波及効果を含む
地域経済の振興、発展に寄与していく。
年度
20
4 助成内容及び効果
産直市形態による店頭販売は、松前町内
にダイレクトな地域経済効果を生み出して
平成 年度
おり、その波及相乗効果は着実に高まって
いる。
まさき村オリジナル商品の企画開発にお
21
いては、「ちりめん餃子」「ひまわりオイル
焼き珍味」が既に売り出されており、消費
者の評判も良好である。
5 今後の展望
地元農水産物生産者と商工業者の経済的振興が図れるよう、農漁商工連携による新た
な商品開発を継続して取り組むことで「まさきブランド」の確立を目指していく。
また、日々の営業を安定的に継続しつつ、常に課題の抽出に努め、消費者の声を店舗
運営に反映させていくことで、松前町における新たな販売拠点としての価値を高めてい
く。
Message From
Entrepreneur
皆様の温かいご支援により、ま
さき村を誕生させることがで
きました。ここに厚く御礼申し
上げます。開店から半年が経過
し、所期の目的に向かい一歩ず
つ歩んでおります。是非ともま
さき村にお越しくださいます
ようお願い申し上げます。
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 三好 茂
〔住 所〕伊予郡松前町大字筒井850番地
〔設 立〕平成20年8月
〔TEL〕089-985-5088
〔FAX〕089-985-5088
〔URL〕http://www.masakimura.co.jp/
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61
企業組合
Women’s
Nest
宇和島市
水産資源「アコヤ貝貝殻」の
有効活用によるスキンケア商品販売
1 事業内容
従来廃棄処分されていた「アコヤ貝貝殻」をマイクロサイズまで粉砕し、配合した女
性向けスキンケア商品を製造(OEM製造)、販売する。
2 事業背景
宇和海地域の真珠養殖現場では、真珠摘出後のアコヤ貝貝殻について、飼料・肥料と
して一部再利用されているものの、大半が産業廃棄物として処理されている。これらア
コヤ貝貝殻をスキンケア商品の原料として有効活用するというアイデアが浮かび、地域
環境保全と資源循環を目指した地域密着型ビジネスモデルの構想が生まれた。
併せて、宇和島産真珠のブランド化を図り、町おこし・地域の活性化に繋げていくた
めに事業化に取り組むこととした。
3 事業、技術、商品の特徴
「アコヤ貝貝殻」の内側にある真珠層(真珠と同一成分)を取り出し、2μmまで小さ
く粉砕した粉末を使用する。
一般的に真珠の粉末は、肌の汚れ
を吸収するほか、ミネラルが溶け出
して肌の細胞を活性化させる特徴
があるとされている。また、肌のシ
ミの要因といわれるメラニンの生
成を抑えるための酵素阻害作用や
抗酸化作用を有するとされる、真珠
層タンパク質も含まれている。
これら成分により、毛穴の奥の汚
62
平成
れをすっきり洗い上げ、肌をしっとり艶やかに仕上げるほか、古くなった角質を優しく
年度
19
除去し、肌にハリと潤いを与えることをコンセプトとした「花真珠」が完成した。
また、宇和島地区のエステ店において、これら「花真珠」シリーズを使用した『パー
ルエステ』を展開していくことで、商品の知名度アップおよび宇和島産真珠のブランド
化を推進している。
平成
4 助成内容及び効果
ブランドイメージを大切にして作成されたホームページを構築するとともに、スムー
年度
20
ズな商談に移ることを目的に、商品を実際に体験できる「パールエステ体験」コーナー
を設置するため、各種備品設備を導入した。ご当地エステとしてTVなどのメディアでも
取り上げられ、実際に利用した顧客からは「肌がつるつるになった」と好評を博している。
平成 年度
また、各種イベント等にも精力的に取り組んでおり、22年2月末に開催された「第3
回宇和島 海の恋人まつり」においてもパールエステ体験コースの実演を行った。こう
した活動、また計画中の関西圏でのTVショッピングなどを通してビジネスを拡大し、引
21
き続き、地元の町おこし・活性化に努めていく。
5 今後の展望
地元はもとより関西圏、関東圏へと徐々に固定客を増やしていく。そのためには販路
開拓が重要課題である。美容ディーラーとの
契約、TVショッピングへの進出、展示会等
への積極的な参加を引き続き計画している。
『花真珠シリーズ』、『パールエステ』が広く
認知され、支持されるブランドへと育てたい。
そして真珠の生産地である宇和島を全国の女
性ファンにアピールしていきたい。
前列の中央が高倉代表
Message From
Entrepreneur
とにかくアクション(行動)を起こ
し、地元のまちづくりにも関わる事
から支援や協力を得る事ができ、少
しずつですが認知されてきておりま
す。今後、宇和島の美しい海で生ま
れた宝物「真珠」を、全国、さらに
は世界へ羽ばたかせることを目標
に、地元愛用者の皆様のご意見を伺
いながら、ご要望にお応えできる企
業を目指して頑張ってまいります。
企 業 概 要
〔代表者〕代表理事 高倉 純子
〔住 所〕宇和島市伊吹町甲946-2
〔設 立〕平成21年6月
〔TEL〕0895-24-1577
〔FAX〕0895-24-1577
〔URL〕http://www.hanashinju.jp/
えひめ中小企業応援ファンド活用事例集 ●
63
株式会社
一柳
四国中央市
地元コラボレーションによるこんにゃく
芋の健康食材の開発・製造・販売事業
1 事業内容
地元特産の“こんにゃく芋”を活用し、こんにゃく製造販売に携わってきた経験やノ
ウハウのほか、地元高校生のアイデアや感性も取り入れながら、「四国中央市」=「紙の
まち」をイメージできる手軽な健康志向の食材を開発し、全国販売に取り組む。
2 事業背景
本県において、四国中央市は、大洲市と並ぶこんにゃく芋の産地として知られている。
このこんにゃく芋を活用して、従前から就業体験の場として交流していた地元高校のア
イデアや感性を取り入れながら開発した商品を、高校生が参加する「商い甲子園」や産
直市等でテスト販売を実施してきた結果、事業化への手ごたえを実感できたことから本
格展開することとした。
今回の取り組みに際し、こんにゃくの調達については、安定した品質保証および生産
履歴を明確にするため、市やJAなどの協力を得て借り受けた、地元休耕地7反にて自社
栽培することとした。
64
平成
3 事業、技術、商品の特徴
年度
19
こんにゃくを活用したこんにゃくケーキ、こんにゃくベーグルなどを従来より自社で
製造販売しており、このノウハウを活かして、地元高校生とコラボレーションした商品
開発に取り組んだ結果、県内産の野菜や果物などと組み合わせた煎餅「紙せん」シリー
ズを商品開発することができた。
平成
年度
20
平成 年度
一柳社長
4 助成内容及び効果
自動回転型煎餅焼成機の導入により、一定速度の回転で安定した焼成が可能となり、生
21
産量が大幅に増え、製造コストの削減のほか、労力や生産効率の面においても効果が現
れている。
また、新商品の開発により、新しい市場の開拓だけではなく、これまでの販売先にも
新商品としての提案ができ、販路に広がりを見せている。
5 今後の展望
当事業での開発商品をベースとして、地元愛媛の地域資源を活かした柑橘類、水産物、
新宮茶などを新たなバリエーションとして加えてシリーズ展開し、健康志向の消費者へ
の販路をさらに広げていく。
また、本事業の認知・拡大により、地元でのこんにゃく芋の生産量及び生産者の増加
に貢献し、100%自社農場や近隣農家で生産されたものを原料とした商品づくりに地元の
高校生等が参画する、地元が一体となった地域の活性化につなげていきたい。
Message From
Entrepreneur
「今」が一番大事です。
「今」を見失うことなく、その瞬間、
その瞬間を大切に、必死に取り組
んでいきます。
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 一柳 美枝子
〔住 所〕四国中央市中之庄町124
〔設 立〕平成18年11月
〔TEL〕0896-23-2420
〔FAX〕0896-23-6644
〔URL〕http://www.konnyakukoubou.com/
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65
株式会社
りんね
西条市
石鎚ひなの米(ひなのまい)を活用した
おむすび&スープのイベント及び企画商品販売
1 事業内容
西条地区の良質かつ豊富な地下水で育てた特別栽培米や雑穀を「ひなのまい」と称し
てブランド化を推進するとともに、西条の農産物を活用したおむすびやスープの商品化、
地元米による結婚引出物・ノベルティなどの企画商品の製造販売のほか、近隣農園等と連
携した「食」と「農」の体験イベントを実施し、地域商品の販売拡大や地域活性化を目
指す。
2 事業背景
都市部での会社勤めを経て、帰郷後、農機具の販売や自らの農業経営を通じて農業の
現場と日々向き合う中で、耕作放棄地の増加や農家数の減少など農家経済の危機的疲弊
を実感していた。一方で、無名の西条農産物の美味しさに感動を覚え、このように良い
ものを作れる土壌があるにもかかわらず、経営が立ち行かなくなっている農業の現場に
違和感を覚えていた。
こうした課題を解決するとともに、お米の付加価値を高めるため、起業するに至った。
66
平成
3 事業、技術、商品の特徴
年度
19
〈おむすび&スープ〉 地元石鎚山の伏流水「うちぬき水」によって栽培された自然栽培及び契約栽培米を
使用。白米だけでなく、黒米・赤米・緑米も活用したおむすびは、従来の枠に囚われ
ないバリエーションを展開するとともに、地元農家の四季折々の野菜をスープに入れ、
平成
おむすび+スープという新しいお米の食べ方を提案する。
〈企画商品〉 おむすび+スープの炊き出しイベントや周辺観光農園との連携企画、昔ながらの米
年度
20
菓子作り教室等を実施し、地元連携による体験・参加型のイベントを実施する。
4 助成内容及び効果
平成 年度
炊飯機材やイベント用品を導入したことで、商品の量産化や効率化等が図られている。
イベント販売としては、酒造会社の蔵開き、県内の劇場や催し会場でおむすびを提供す
るとともに、ポン菓子についても、プレーン、塩キャラメル、アーモンド味などを提供し、
21
好評を得ている。
また、お米の引出物ギフトに関しては、商品パッケージやロゴデザインの作り込みによ
り、マーケティング戦略の礎ができた。これにより、ブライダル関連企業などに対し鋭意
アプローチしたところ、ブライダル関係者の反応もよく、今後一層の拡販を期待している。
5 今後の展望
業者向け商品(引出物、米菓子など)は着実に拡販されて
いるが、一般消費者向けの拡販施策が、目下のところイベン
ト販売がメインになっており、今後の本格拡販へ向けての改
善が必要であると感じている。今後は、さらに積極的な企画
に努め、幅広い客層へお米のアピールを精力的に実施し、西
条地区の美味しいお米を県内外に普及させていきたい。
Message From
Entrepreneur
水田風景から生まれるお米の付加
価値を高めるべく、お米の企画販
売会社を立ち上げました。まだま
だ始まったばかりですが、初心を
大切に、これからも事業にまい進
していきたいと考えております。
玉井社長
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 玉井 大蔵 〔住 所〕西条市丹原町高松925-2
〔設 立〕平成21年11月
〔TEL〕0898-68-0833
〔FAX〕0898-68-0833
〔URL〕http://hinanoya.jimdo.com/
えひめ中小企業応援ファンド活用事例集 ●
67
株式会社
アイムービック
松山市
美をテーマとしたWEB動画制作
及びポータルサイト運営事業
1 事業内容
ファッションや健康など、女性が求める情報を発信するポータルサイトを開設し、県
内の「美」関連の店舗、専門家の知識や経験、専門学校のアイデアにより、モデル女性
が変化していく状況を動画でPRするとともに、商品や店の情報提供を行い、広告収入
を得る仕組みを構築する。
2 事業背景
ある企業が実施したアンケート調査によれば、キャリア女性が望む情報トップ3は、
「衣服・ファッション」「美容」「ショッピング」で、「美」に関する情報に集中している。
また、同社が運営するフリーペーパー(愛媛美少女図鑑)の読者モデル募集には、イ
ンターネット等を通じ応募が殺到しており、女性の「美」に関する情報ニーズの高さを
実感している。
〈HimeChenのHPアドレス〉 http://himechen.com/
68
平成
3 事業、技術、商品の特徴
年度
19
県内の「美」関連の店舗の中から、一定の協賛基準をクリアしたお店の選定と、専門
家の知識や経験・専門学校のアイデア、登録モデルによる演出をコラボレーションした
「美」への変身のイベントを企画し、インターネットの動画を通して、モデル女性がルッ
クス(外見)・ボディ(体内・心)・ビヘイブ(ふるまい)の3種の「美」を兼ね備えて
平成
変化していく状況を提供するとともに、質の良い接客サービスや店舗のクリンネスの対
応ができる格式ある店づくりのサポートにも繋がる店舗支援を実施していく事業である。
年度
20
4 助成内容及び効果
今回の助成事業で導入した機材等により、動画制作の効率化や、迅速な情報提供が可
能となった。平成21年11月、「美」をテーマとしたポータルサイト「HimeChen(ヒメチェ
平成 年度
ン)」を開設した。このポータルサイトは、登録モデルが美しく変化していく様子を動画
により紹介する、変身企画の「姫チェンジ」、プロが教えるコスメテクニック、料理講師
による季節のレシピなどをコンテンツとして盛り込んでおり、愛媛美少女図鑑との相乗
21
効果によりメディア等でも紹介され話題となるほか、HimeChenのコンテンツを通じ、
「美」の関連業界とのネットワークも広がりつつある。また、同ポータルサイトが評価
され、コスメ関連業などからのホームページ等制作依頼も増えてきている。
5 今後の展望
当該サイトに関しては、携帯サイトとの連動、動画のみで情報
を伝えるというシンプルな構成を考えて構築したが、テキストで
の情報掲載の要望も多いことから、美関連業界のネットワークを
活かしたタイアップ企画のほか、女性の口コミをベースにしたコ
ンテンツ部分を強化して、閲覧者との親密度を高めた、さらに活
動的なサイトへと発展させていく。
森本社長
Message From
Entrepreneur
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 森本 健一郎
Cool Ehimeを目指し、愛媛が活性
化するようなメディアを作りたい
と思います!
〔住 所〕松山市千舟町6-5-9
〔設 立〕平成17年8月
〔TEL〕089-934-1939
〔FAX〕089-943-9010
〔URL〕http://www.eyemovic.com/
えひめ中小企業応援ファンド活用事例集 ●
69
株式会社
C&S
松山市
旬な県内産果物をジュースマシンで
実演するフルーツ販売システム
1 事業内容
栽培農家から直接仕入れた季節ごとの旬な規格外柑橘類等を活用して、ジュースマシ
ンによる実演販売を行うとともに、注文の待ち時間を利用して行う果実の試食を介して、
県産果物(A級品)の販売にまでつなげる販売システムを自社直営及びフランチャイズ
で展開する。
2 事業背景
年間を通じ温暖な土地柄で生産される愛媛産の果物は品質に優れており、農林水産統
計によると、平成19 ~ 20年度の生産量は、キウイフルーツが全国1位・みかんは全国2
位・びわは5位・柿は7位と、全般的に高順位にある。
しかし、一般的に、栽培農家はその質の高さをアピールしたり、直接販売することが
不得手で、小粒・へた無し・キズものなど、味には全く支障のない規格外品の扱いに困っ
ていた。
70
平成
3 事業、技術、商品の特徴
年度
19
栽培農家が保有する規格外品の果物(柑橘類、キウイ、びわ、柿、ブルーベリー、い
ちご等)を使用したストレートジュースや同じく規格外品の野菜(トマト、セロリ等)を
合わせた「ベジフルーツジュース」を提供する。
提供方法は、従来のジュースバーの主流となっている「あらかじめ絞られたもの」で
平成
はなく、ジュースへの加工工程が目視できる「実演ジュースマシン」を使用し、消費者
に味や鮮度の良さを視覚にアピールしながら販売を行う。
ジュースが出来るまでの待ち時間には、ジュースになる果物の余った部分をカットし
年度
20
て試食もできる。この演出と試食の相乗効果で県産果物(A級品)販売に繋げる。
4 助成内容及び効果
平成 年度
既存店舗で実施した試飲会では、実演ジュースマシンがかなり好評で、あわせて実施
した県内農家とのタイアップによる販売会において、試飲客が贈答用に果物を購入する
といった販売システムの流れも実際に確認することができた。
21
こうした経験に基づき、設備導入したジュースマシン等により、平成22年度には直営
店舗をオープンして本格的な事業展開を図ることとしている。
また、助成事業で実施したホームページやロゴデザイン製作等のマーケティング活動
への取り組みともあいまって、速やかな事業展開が図られている。
5 今後の展望
季節ごとに柑橘の品種が変わるので、消費者に柑橘の品種を実
際に見てもらい、味わってもらうことで、柑橘自体の消費拡大に
もつなげるとともに、ジュースマシン、ジュース材料、販売果物
をパッケージとして組み込むなど、出店負担が軽く、地元農家ら
でも参画可能となるFCシステムを構築し、これを普及させるこ
とで、販路開拓の新しいスタイルを確立させたい。
Message From
Entrepreneur
柑橘の品種によって、ジュースの
味も変わるので、リピーターの方
も飽きることなく楽しんでいただ
けます。ジュースを飲むことがきっ
かけとなり、県内産柑橘の販売促
進につながっていくよう、良い流
れを構築していきたいです。
玉井社長
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 玉井 雅史
〔住 所〕松山市歩行町2-3-18
〔設 立〕平成19年6月
〔TEL〕089-915-6110
〔FAX〕089-915-6121
〔URL〕http://www.charlies-vegetable.com/
えひめ中小企業応援ファンド活用事例集 ●
71
愛炭
企業組合
内子町
「炭焼き・炭窯造りの名人」による
茶道用高級炭製造・販売事業
1 事業内容
炭窯を造成し、地域資源である「林産物」を活用して、
新市場をターゲットに炭焼き製造・販売事業を行うとと
もに、炭焼きを通じて森林の活性化を図る。
2 事業背景
山林面積が8割を占める内子町では、維持管理がなされていない放置林が増えており、
保水力の低下による災害等の要因となっている。特に石畳地区においては、若者の圏外
への流出や農林地の荒廃が進み、それに伴う集落の衰退で過疎化・高齢化が著しく進行
しており、地域の活力が低下している。
こうした現状を踏まえ、荒れた山と耕地を自らの工夫と努力で守り育て、山の恵みを
味わうことができる暮らしを創造するため、事業として成り立つような林業を構築し、地
域の活性化につなげたいとの想いから本事業を計画した。
3 事業、技術、商品の特徴
全国でも屈指の「炭焼き・炭窯造りの名人」
である当組合代表者は、茶道裏千家淡交会か
らの厳しい要求水準を充足する茶道用高級炭
を提供できる、数少ない製炭技術の持ち主で
ある。
生産された茶道用高級炭は茶道裏千家淡交
会などに納められており、その品質は全国の
愛用家に高く評価されている。
大木代表
72
平成
4 助成内容及び効果
年度
19
「炭焼き・炭窯造り名人」である代表者の製炭技術が弟子に継承されつつあるなか、今
回の助成金で調達した作業機械類により、原木の切り出しや集材等において、作業能率
が飛躍的に高まった。こうした取り組みにより、高品質の炭を増産できる体制が整い、地
域の活性化につながることとなった。
平成
5 今後の展望
裏千家淡交会などからの信頼を一層高めるため、引き続き製炭技術の維持・向上に日々
年度
20
努め、高品質かつ安定増産体制を構築していくとともに、本事業の推進が地域の活性化
につながることを念頭に置き、地域と共存した事業に取り組んでいく。
また、地域資源である原木の姫クヌギを活用していく一方で、放置林については間伐
平成 年度
等の管理伐採を行い、森林の保守と活性化に努め、将来に向けた資源確保に取り組んで
いく。
21
Message From
Entrepreneur
不足している国内産茶道炭の現状
をもっと多くの生産者に知っても
らうため、「茶の湯炭の世界・全国
大会 in 内子」を、9月18日より3
日間開催します。高い技術を要求
される世界ではありますが、まだ
まだ可能性を秘めた業界です。興
味のある方はぜひご参加ください。
企 業 概 要
〔代表者〕代表理事 大木 一
〔住 所〕喜多郡内子町石畳5251
〔設 立〕平成22年1月
〔TEL〕0893-44-2553
〔FAX〕0893-44-2553
〔URL〕http://www15.ocn.ne.jp/~sumiyaki/index.htm
えひめ中小企業応援ファンド活用事例集 ●
73
株式会社
風人月下
宇和島市
地域資源である真珠を有効活用して付加価
値化した「パールマカロン」の製造・販売
1 事業内容
地域資源である真珠を有効活用することにより、付加価値化した個性的な商品「パー
ルマカロン」を開発・製造し、全国の女性をターゲットとした新市場の開拓を行う。
2 事業背景
「真珠のまち宇和島」の新たな郷土
料理を創出することを目的として、
全国からの公募により開催された、
真珠をテーマとするパール食コンテ
ストに応募したところ、お菓子・デ
ザート部門において「パールマカロ
ン」が優秀賞に入賞した。以降、い
よてつ高島屋への出展や、地元飲食
店での入念なモニタリングを行った結果、市場ニーズが認められるとして、受賞作品の
商品化を図り全国展開していくこととした。
3 事業、技術、商品の特徴
宇和島産の真珠は、全国的に見ても認知度が高く、
信頼性がある。「パールマカロン」は、微量の宇和海
真珠粉と、天然素材(色粉不使用)のみを使用し、「美
食同源」をコンセプトに、海の幸と山の幸の融合を
小さな焼き菓子の中に表現している。
74
平成
4 助成内容及び効果
年度
19
従来、家庭用オーブンで製造していたと
ころを、今回導入した業務用オーブンに切
り替えることにより、生産能力は大幅に向
上し、商品の安定供給体制を構築すること
平成
ができた。
本事業で製造販売する「パールマカロン」
は、真珠のもつ魅力を生かして、新しい付
年度
20
加価値を生み出すことにより差別化を図っ
ている。これにより既存商品群との棲み分
けを明確にすることが可能となり、新たな
平成 年度
販路が見込まれている。
また、今回の取り組みから、地元柑橘を
使用した新商品開発にもつながり、柑橘生
21
産者、真珠業者間のネットワーク網を確立
することもできた。
5 今後の展望
展示会・商談会への出展、イベント等への積極的な参加など、今後も継続して取り組
んでいく。また、自社ホームページを開設して、インターネットを活用した商品の周知
を図り、新規顧客を獲得していく。
併せて、宇和島地域の魅力の活用と情報発信を行うことで、宇和島圏域特産品のブラ
ンド化を図り、地域の活性化を目指していく。
Message From
Entrepreneur
日本一の品質を誇る宇和島産の真
珠粉を生地に練りこみ天然原料に
こだわってパールマカロンを製造
しています。海の幸(真珠粉)と
山の幸を融合させ、今後も宇和島
らしい焼き菓子を発信していきた
いと思います。
企 業 概 要
〔代表者〕代表取締役 村上 薫
〔住 所〕宇和島市和霊中町2-2-30
〔設 立〕平成21年11月
〔TEL〕0895-24-7526
〔FAX〕0895-22-9360
〔URL〕
えひめ中小企業応援ファンド活用事例集 ●
75
えひめ中小企業応援ファンドの概要
愛媛県が(財)えひめ産業振興財団に2回に分けて造成したファンドの運用益
を活用し、県内の企業等にビジネスの創出支援(第1期分)や技術開発、商品
開発、販路開拓等に対する支援(第2期分)を行うことにより、ビジネスシー
ズの発掘、創業、中核企業への成長まで、一貫して支援する中小企業の育成
システムとして運用しています。
ファンド
【第2期分】
60億円
(独)中小企業
基盤整備機構
48億
無利子融資
無利子融資
51億
地元金融機関
事業会社
9億
運用益を活用
愛媛県
・平成21年2月組成
・目的
次代を担う成長産
業の技術開発、商
品開発、販路開拓
等に対する支援
・運用期間10年
・運営主体
えひめ産業振興財団
無利子融資
(独)中小企業
基盤整備機構
76
無利子融資
無利子融資
愛媛県
34億
地元金融機関
事業会社
6億
無利子融資
40億円
・平成19年11月組成
・目的
ビジネスの創出支援
・運用期間10年
・運営主体
えひめ産業振興財団
運用益を活用
32億
【第1期分】
《事業メニュー》
[事業者への助成]
○えひめプロダクツ市場開拓助成事業
商品のデザイン開発、見本市・商談
会参加等への助成
次代を担う成長産業
○がんばるものづくり企業助成事業
技術・研究開発等の取組への助成
○新規ビジネス展開助成事業
新商品・新サービスによる新事業展
開等への助成
中核企業群
[産業支援機関等への助成]
《ファンドによる支援》
ノ 作 り
モノ作り拠点
拠
点
IT産業
集積拠点
最先端
健康福祉
拠点
起業から成長へ
県内中小企業
ビジネスの創出
○ものづくり企業マッチング支援事業
企業間マッチングによる新製品開発
等の支援
○えひめプロダクツ市場開拓支援事業
専門家による国内外の販路開拓の支援
○技術・経営力フォローアップ事業
事業者への継続的な経営支援
[事業者への助成]
○地域密着型ビジネス創出助成事業
法人立ち上げ時の初期的経費への助成
《ファンドによる支援》
地域資源を活用、地域ニーズに対応
したビジネス(地域密着型ビジネス)
・・・
【(ビジネスシーズ(種)】
裾野拡大
[事業者への支援]
○地域密着型ビジネス創出支援事業
コーディネーター設置、ワークショ
ップ開催
えひめ中小企業応援ファンド活用事例集 ●
77
えひめ中小企業応援ファンドによる助成事業一覧
〈助成対象者〉
第1期分:個人またはグループ、創業後5年未満の中小企業者 ※ 愛媛県内に本社、主たる事業所を有し、
第2期分:中小企業者または中小企業者のグループ 愛媛県内で事業を実施
}
事業区分
第1期
地域密着型
ビジネス
創出助成事業
助成対象事業
助成対象経費
助成率及び限度額
① 県内で培われた製造技 設備・備品費、土地・建物賃借
術や農林水産物、伝統工 費、法人登記経費、知的財産登
芸品等の特産物、文化財、 録費、マーケティング費、技術
自然の風景などの地域資 指導受入費、その他理事長が認
源を活かしたビジネス
める経費
② 地域ニーズに対応した
ビジネス
助成対象経費の
2/3以内
1年以内
300万円
ビジネス
デザイン
助成事業
助成事業者が自ら製造、販 商品開発経費、デザイン企画開
売することを目的として、 発経費、市場調査経費、その他
助成対象経費の
新たにデザイナー等と協働 理事長が認める経費
1/2以内
して行う、デザインを活用
し た 商 品 開 発( 改 良 を 含
※重点枠:250万円
む。)、デザイン企画開発(商
一般枠:150万円 1年以内
品に係るブランド構築及び
PRツールの開発)、ビジ
※21世紀えひめの伝統
ネスデザインの確立(コー
工芸大賞において入
ポレーションアイデンティ
賞した者
ティの確立等)、及びこれ
らに必要な調査への取組
メッセ
チャレンジ
助成事業
国内外で開催される見本市 会場費、現地通訳費(海外見本
等(見本市、展示会又は商 市の出展の場合に限る。)、輸送
談会等(販売を主たる目的 費、 広 報・ 宣 伝 活 動 費、 謝 金、
と す る も の は 除 く。) で、 その他理事長が認める経費
商品見本、カタログ又はパ
ネル等の展示を伴うもの)
に、出展若しくは参加又は
これらを主催する取組
助成対象経費の
1/2以内
1年以内
50万円
第2期
独創的で市場性の見込まれ 原材料費、機械装置・工具器具
企業助成事業 る技術シーズについての技 費、技術指導受入費、外注加工
術的データの取得・検証、 費、マーケティング調査費、委
FS調査
独創的な新製品・新サービ 託費、その他理事長が認める経
助成事業
スによる事業展開に関する 費
市場性・事業性向上に係る
調査研究等への取組
がんばるものづくり
独創的で著しく新規性のあ
企業助成事業 る創造的知識を活用したリ
スクの高い新技術の研究開
スーパーベン
発等への取組
チャー助成事業
がんばるものづくり
モノ作り分野においてけん
企業助成事業 引役となるような新技術・
新製品の研究開発、県内の
研究開発
健康福祉研究成果を事業化
助成事業
するための新技術・新製品
の研究開発や、IT分野の
有望案件に係る新技術・新
製品の研究開発への取組
がんばるものづくり
新規
ビジネス展開
助成事業
本県が有する優れた技術
シーズを活用した新事業展
開や、新製品・新サービス
による新たな事業展開等へ
の取組
助成対象経費の
2/3以内
1年以内
100万円
原材料費、構築物費、機械装置・
工具器具費、技術指導受入費、
外注加工費、市場調査費、委託
費、その他理事長が認める経費
助成対象経費の
4/5以内
2, 000万円/年
原材料費、構築物費、機械装置・
助成対象経費の
工具器具費、技術指導受入費、
2/3以内
外注加工費、市場調査費(展示
会出展経費等を含む)、委託費、 一般枠:2,000万円
その他理事長が認める経費
※小規模枠:300万円
最大2年
※中 間評価
あり
最大2年
※従 業 員20名 以 下 の
小規模事業者
設備・備品費、土地・建物賃借
費、法人登記経費、マーケティ
ング費、技術指導受入費、その
他理事長が認める経費
(注)募集につきましては、有無を含め状況により変更される場合があります。
人件費のほか、消費税及び地方消費税相当額は対象外となっています。
採択の場合でも、事業内容や規模等により助成額を減額する場合があります。
78
助成期間
助成対象経費の
1/2以内
500万円
1年以内
(財)えひめ産業振興財団案内図
R
松山観光港
至今治
196
卍石手寺
松山大
JR松山駅
松山城
道後温泉
県民
愛大
♨
● 文化会館
交通案内
J R JR松山駅より車で25分
(9㎞)
(1.4㎞)
伊予鉄電車 高浜横河原線鷹ノ子駅より徒歩20分
(15㎞)
航 空 機 松山空港より車で40分
松山自動車道 川内 I Cより車で20分
(10㎞)
(8㎞)
松山 I Cより車で15分
県庁
市駅
子規堂
卍
至高松
松山空港
旧 R11
56
旧R
R
至内
島
宇和 56
R
洲・
大
子・
◎ 川内 I.C.
鷹ノ子駅 伊予鉄
高浜横河原線
33
R11
愛媛県産業技術研究所
●
えひめ産業振興財団
●
松山 I.C.
◎
松山自動車道
至久谷
至砥部・高知
旧R11
ビデオ●
自動車会社 伊予鉄横河原線鷹ノ子駅
●
レストラン
●
11
至松山
至高松
ガソリンスタンド●
ゴルフ●
愛媛県産業情報センター
●
宅配便
クリーニング店●
愛媛県
産業技術研究所
●コンビニ
P
P
テクノプラザ愛媛
●西林寺
杖ノ淵公園
●
〕
〔
とべ動物園↓
●コンビニ
えひめ産業振興財団
松山自動車道
重信川
えひめ中小企業応援ファンド活用事例集
- 地域密着型ビジネス創出事業 -
平成23年5月(第2版)
財団法人えひめ産業振興財団
〒791-1101 愛媛県松山市久米窪田町337-1
(テクノプラザ愛媛)
TEL:089-960-1100
FAX:089-960-1105
URL:http://www.ehime-iinet.or.jp/
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