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イゾラ200

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イゾラ200
LHC-ATLAS実験における
HàWWàlνlνモードを用いた
ヒッグス粒子の探索
吉原圭亮、
増渕達也A、田中純一A、中村浩二A、
浅井祥仁、川本辰男A、山村大樹A
東京大学理学系研究科、東京大学素粒子物理国際研究センターA
日本物理学会 2012 第67回年次大会
関西学院大学
12/03/26 1 イントロダクション グルーオンフュージョン(ggF)過程 解析概要 ベクターボソンフュージョン(VBF)過程 •  終状態には、2つのレプトンに加えて、消失エネルギーを伴う。
- ggF過程 : 0 ジェット解析、 1 ジェット解析
- VBF過程 : 2 ジェット解析
•  120 GeV< mH < 200 GeVの質量領域で最も感度が良い解析。
•  今年(2012年)は、130 GeV以下の軽いヒッグス粒子に焦点を当てて
解析をする。
*本トークでは、2011年の解析(4.7)-­‐1)からの改善について話す。 12/03/26 2 事象選択と背景事象 異符号の2つのレプトンと、反対向きにでる2つのニュートリノ(消失エネ
ルギー)を選択する。 ヘリシティの
W -
W+
関係
-­‐  事象予備選択 -­‐  High-­‐Pt lepton、Z/Drell : 運動量 Yan Veto、高い消失横エ e -
+
e : スピン ネルギー -­‐  ジェットの数に応じた事象選択 -­‐  0ジェット解析 :Pt(ll) > 45(30) GeV -­‐  1ジェット解析 :b-­‐ジェットVeto、Pt(total) < 30 GeV、Zττ Veto -­‐  2ジェット解析 :Mjj > 500 GeV、Δη(jj) > 3.8、反対球面にでる
2本のジェット、+1ジェット解析と同じ事象選択 -­‐  シグナルのトポロジーに即した事象選択 -­‐  M(ll)、Δφ(ll)、MT 12/03/26 -­‐ 主な背景事象 -­‐ 0 ジェット解析 : WW & Wjets 事象 -­‐ 1ジェット解析 : WW & top事象 -­‐ 2ジェット解析 : top事象 3 棄却制限 ATLAS-­‐CONF-­‐2012-­‐012 -­‐  2011年の結果として、130 GeV < mH < 260 GeVまでを95% CLで棄却。 -­‐  現在のところ、有意なヒッグス粒子の兆候はみえていないが、残す質
量領域は、123GeV-­‐128 GeV。
-­‐  125 GeV付近での発見感度をさらにあげるためには、どうすればよい
か。これが、2012年の解析での課題である。 12/03/26 4 2012 物理データ解析へ向けて Entries
0 ジェット解析におけるMTカット前のMT分布
90
80
70
Data
SM(MCstat+ Wjet Syst.)
0 L dt = 4.7 fb
mH = 125 GeV
W + jets Data-Driven
WW
Z/ a +jets with HFOR
WZ/ZZ/Wa /W a *
tt
Ali li
single top
ATLAS work in progress
s = 7 TeV,
H A WW
(*)
-1
60
50
40
30
20
10
0
0
50
100
150
200
MT [GeV] Ratio
W+jets背景事象 2
1.8
1.6
1.4
1.2
1
0.8
0.6
0.4
0.2
0
250
MT [GeV]
-­‐  主な背景事象はWW背景事象である。 -­‐  しかし、誤差(stat.+syst)に一番効いているのは、W+jets背景事象である。 -­‐  W+jets背景事象の見積りには、大きな系統誤差(フェイクファクター由来)があ
るため、背景事象の量を減らすことが、さらなる発見感度改善への鍵である。 -­‐  このために、有効な手段は、isola[onの最適化を行なうことである。 50
100
150
200
250
MT [GeV]
ここからの話の流れ 12/03/26 -­‐  Isola[onの最適化 -­‐  データを用いたW+jets背景事象の見積り -­‐  結果 5 isola0on分布の測定 シグナル検出効率の測定
背景事象検出効率の測定
-  Z tag & probe 法に基づい
て、”真 のレプトン事象を選択
-  QCD事象を用いて、”偽”(フェ
イク)のレプトン事象を選択
isola[onの定義 現在のカット
etcone
ptcone
electron
Etcone30/Et < 0.14
Ptcone40/Et < 0.13
muon
Etcone30/pt < 0.14
Ptcone30/pt < 0.15
Zee 質量分布 電子 Events / ( 1 )
Zee Invariant Mass : 10 GeV - 15 GeV
900
ミューオン ATLAS work in progress
ATLAS work in progress
ATLAS work in progress
10 GeV 800
700
青い線は、左右
に、調整可能 600
500
400
300
200
100
0
60
70
80
90
100
110
Mee GeV
M(ll) [GeV] 12/03/26 Z
tag & probe法でみた、M(ll)分布
Etcone30/Et [GeV] Ptcone30/pt [GeV] 緑色: 偽 のレプトン事象 赤色: 真 のレプトン事象 6 isola0onの最適化 •  W+jets背景事象を始めとするフェイクレプトン背景事象を減らすために、最も
有効な手段は、レプトンのisolationの最適化である。ミューオン、電子双方によ
り厳しいisolationを要求する。
カロリメータisola[on分布 トラックisola[on分布 signal VS bkg rejection Efficiency
Bkg background
rejec[on eff[%] rejection
Efficiency
Bkg rejec[on eff[%] background rejection Efficiency
signal VS bkg rejection Efficiency
Electron etcone/Et
1
0.8
0.6
0.4
50% Pt >= 15 GeV
44% etcone20 (Nominal)
etcone30 (Nominal)
etcone40 (Nominal)
0.2
ATLAS work in progress
0
0
0.2
0.4
0.6
0.6
0.5
0.4
58% 40% Pt >= 15 GeV
ptcone20 (Nominal)
0.3
ptcone30 (Nominal)
96.5% 99.5% 0.2
ptcone40 (Nominal)
95% 0.8
0.1
ATLAS work in progress
1
signal Efficiency
Signal eff[%] より厳しいポイント 現在のポイント 12/03/26 Electron ptcone/Et
0.7
0
0.88
0.9
0.92
0.94
0.96
0.98
1
signal Efficiency
Signal eff[%] isola[onの条件をより厳しくすること
で、シグナル検出効率をあまり落と
さずに、今まで以上に、W+jets背景
事象を減らせる可能性がある。 7 W+jets背景事象の見積り •  MCを用いたフェイクレプトン背景事象の見積りが困難であるため、MCに頼ら
ない見積りが必要。(Data-Driven fake lepton法)
•  QCD事象を用いて、フェイクの割合(フェイクファクター)をデータから評価する。
•  1 good レプトン + 1 loose レプトンの事象を用いて、W+jets事象のコントロール
領域を定義。
•  同符号事象を用いて、手法の正当性を評価する。
コントロール領域の数 フェイクファクター 横運動量とフェイクファクターの相関 electron Fake Factor
Fake Factor
シグナル領域の数 0.14
ATLAS work in progress
dijet (No subtraction)
0.12
フェイクファクターは、横運動量
毎に見積られた。右図は電子の
フェイクファクター。ミューオンに
対しても、同様の測定を行った。 Fake factor with MC subtraction
0.1
with sample dependency
0.08
with trigger bias
0.06
0.04
0.02
12/03/26 15
20
25
30
35
40
Electron Et GeV
Electron Et[GeV] 8 W+jets背景事象の見積りの正当性の評価 Entries
異符号コントロール領域 0ジェット選択後のMT分布
Data
mH = 125 GeV
W + jets with HFOR
WZ/ZZ/Wa
single top
ATLAS work in progress
250
s = 7 TeV,
H A WW
(*)
0 L dt = 4.7 fb
-1
Aeiµi
SM(only MCstat)
WW
Z/ a +jets with HFOR
tt
200
150
100
50
0
0
50
100
150
200
MT [GeV] 同符号シグナル領域 0ジェット選択後のMT分布
Entries
Ratio
2
1.8
1.6
1.4
1.2
1
0.8
0.6
0.4
0.2
0 ATLAS work in progress
50
10
s = 7 TeV,
H A WW
(*)
100
Data
SM(MCstat+ Wjet Syst.)
mH = 125 GeV
W + jets Data-Driven
WW
Z/ a +jets with HFOR
WZ/ZZ/Wa /W a *
tt
0 L dt = 4.7 fb
Ali li
single top
-1
250
MT [GeV]
実際に、シグナル領域でのW
+jets背景事象の振る舞いを見
る前に、W+jets背景事象コント
ロール領域における分布の形
を、MCと比較し、見積りが正し
いことを確認した。 150
200
250
MT [GeV]
8
×フェイク
ファクター
6
4
Ratio
2
0
0
50
100
150
200
2
1.8
1.6
1.4
1.2
1
0.8
0.6
0.4
0.2
0
50
100
150
200
12/03/26 250
MT [GeV]
250
MT [GeV]
MT [GeV] 次に、同符号のシグナル領域の分布
を確認し、見積ったフェイクファクター
及び、W+jets背景事象の見積りが正し
くできていることを確認した。 9 結果 isolation条件の違いによるW+jets背景事象の量の比較表
After MT cut
mH=125
Wjet(d-d)
Total bkg S/√B+ΔB2
改善前
23.15 ± 0.26
27.1 ± 14.2
171.3 ± 14.6
1.17
改善後
20.84 ± 0.25
7.74 ± 4.94
140.6 ± 7.5
1.48
現在の解析では、W+jets背景事象の系統誤差が実験感度を制
限する一つの要因になっているが、 isola[onの条件をより厳しく
することで、発見感度は最大で、約30%向上する可能性がある
ことが確かめられた。 12/03/26 10 まとめと今後 • 
130 GeV以下の低い質量領域での発見感度をあげるために、
W+jets背景事象を減らすことが非常に重要であり、isolationの
条件をより厳しくすることが有効である。
• 
このために、isolationの条件を最適化した。
• 
実際に、厳しいisolationが、どの程度有効かどうかを判断する
ため、W+jets背景事象の見積りを行なった。
• 
結果として、W+jets背景事象を減らすことにより、最大で、約3
0%の発見感度改善が見込めることがわかった。
• 
来月以降、年内のヒッグス粒子の発見へ向けて、8TeVのデータ
で、再度、isolationの最適化、及び、W+jets背景事象の評価を
行う。
12/03/26 11 Backup Slide
12/03/26 12
12 カットフロー 12/03/26 13 WW コントロール領域
Entries
背景事象の見積り2 220
200
180
ATLAS work in progress
s = 7 TeV,
H A WW
(*)
Data
SM(MCstat+ Wjet Syst.)
mH = 125 GeV
W + jets Data-Driven
WW
Z/ a +jets with HFOR
WZ/ZZ/W a
tt
0 L dt = 4.7 fb
Ali li
single top
-1
160
140
120
100
80
60
40
20
Ratio
-­‐  M(ll) > 80 GeVで定義。 -­‐  αwwはMCで評価され、コント
ロール領域の数で規格化さ
れる。 0
0
50
100
150
200
2
1.8
1.6
1.4
1.2
1
0.8
0.6
0.4
0.2
0
50
100
150
200
250
DilM [GeV]
250
DilM [GeV]
top コントロール領域
ATLAS Preliminary
-­‐  B-­‐taggingをすることで定義。 -­‐  αtopはMCで評価され、コント
ロール領域の数で規格化さ
れる。 Z+jets コントロール領域
-­‐  ABCD法を用いてMETのmis-­‐
modelingを補正。 12/03/26 *その他の背景事象は、MCによって評価。 14 系統誤差1 シグナルに関する系統誤差
process
Jet bin
Scale
PDF
MC
Total
ggF
0 jet
3 %
3 %
3 %
5 %
1 jet
3 %
3 %
11 %
12 %
2 jet
8 %
8 %
8 %
12 %
VBF
背景事象に関する系統誤差
α0jWW
α1jWW
α1jtop
β1jtop
Q2 scale
3 %
4 %
9 %
-
MC modeling
4 %
4 %
4 %
-
PDF
3 %
3 %
3 %
-
JES + JER
-0.6% / + 0.5 %
-1%/+2.3%
-35% /+32 %
-36% / + 32 %
B-tagging Eff.
-
-
-23 % / +23 %
-19 % / + 20 %
4.3 %
12.9 %
6 %
-
MC
12/03/26 stat.
15 15
系統誤差2 Preselectionでの系統誤差一覧
系統誤差 12/03/26 大きさ
ジェットエネルギー分解能 (JER)
14 %
ジェットエネルギースケール (JES)
< 10 %
電子検出効率
2 - 5 %
電子エネルギースケール
< 1 %
電子分解能
0.6 %
ミューオン検出効率
0.3 – 1 %
ミューオン運動量スケール
0.13 %
ミューオン運動量分解能
< 5 %
bジェット検出効率
5.6 – 15 %
bジェットMis-tag 効率
21 %
Missing Etの不定性
13.2 % Luminosity の不定性
3.7 %
16
16 Limit Setting
Limit Se:ng Procedure •  1 ジェット解析は、WW コントロール領域へのtop背景事象の混
入が多いため、二つのスケールファクターα、βを用いる。
•  シグナル領域、コントロール領域、全ての同時フィットを行い、 17
Lianliang Ma (University of Wisconsin)
August 9, 2011
48 / 84
12/03/26 17 likelihoodを形成。
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