Comments
Transcript
Environmental Policy Research 2010 – Country
台湾の環境に対する市民意識と環境関連政策 日本貿易振興機構 海外調査部 地球温暖化問題への関心を受け、各国では環境関連政策の整備が進み、政府の啓発活動に 伴い市民の環境に対する意識が高まりつつある。 環境意識の高まりは地球温暖化問題だけに向けられているものではなく、健康、安心・安 全、居心地の快適さ、バリアフリーなどへの関心と相まっており、意識の高まりに伴い、市 場が大きく変化する兆しを見せている。こうした動きは先進国だけでなく新興国でも見られ、 特に台湾や ASEAN ではビジネス環境の急転が見込まれている。サッカー・ワールド・カッ プとオリンピックを控えているブラジルでも、政府や自治体は市民に対する環境教育にいっ そう力を入れるようになった。 こうした世界的なトレンドを受け、ジェトロでは、主要 30 カ国・地域を選び、市民の環 境への意識および環境関連政策について、概要を取りまとめることとした。 環境関連政策としては、(1)電力・エネルギー、(2)廃棄物処理、(3)交通、(4)住宅・建築をと りあげた。また、ビジネスの参考として、環境関連の経済指標および当該国・地域の気候関 連情報についても盛り込むこととした。 本レポートは、この一連の調査の台湾版である。 なお本レポートは、 環境政策関連のデータベースを運用する民間のシンクタンク、Enhesa, Inc.1に委託した調査の報告書「Environmental Policy Research 2010 」を基に、ジェトロが 編集・改訂を行ったものである。 2011 年 3 月 海外調査部 「環境に対する市民意識と環境関連政策」レポート掲載国・地域一覧 EU、英国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、スウェーデン、ハンガリー、ポー ランド、デンマーク、チェコ、サウジアラビア、UAE、インド、シンガポール、マレーシ ア、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、カンボジア、台湾、中国、韓国、オース トラリア、カナダ、米国、メキシコ、ブラジル、チリ。 1 www.enhesa.com Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved. 1 1. 位置・気候 台湾は、ユーラシア大陸の当方、東シナ海、フィリピン海、南シナ海、台湾海峡に囲まれ た台湾本島、澎湖島、馬祖島、金門島とその近隣の島嶼からなり、緯度は北緯 21 度~26 度 の間にある。ケッペンの気候区分では温暖湿潤気候に該当する。 夏は高温多湿で、6 月~9 月はスコールが降る。北回帰線が台湾本島の南部を横切ってお り、夏至の昼は直射日光が真上から射す。 6 月以降は台風が頻繁に接近し、台湾本島を横切ることも珍しくない。1 年を通じて曇天 日が多く、降雤日は年の約半分になる。 10 月~4 月は温暖でしのぎやすくなる。1 月における低地帯の平均気温は北部で 16C、南 部で 20C であり、7 月の平均気温は、北部、南部ともに 28C である。冬は霧雤の季節とな る。北部は四季がはっきりしており、冬は日中の最高気温が 5 度前後と冷え込む日もある。 また 4,000 メートルに近い山脈があり、山岳地では積雪もみられる。 台湾は民族構成が複雑である。マジョリティは福建省南部(閩南)からの移民の末裔で、ほ とんどが台湾の平地に住む先住民、平埔族との混血とされる。平埔族は、揚子江近辺の古代 越との血縁関係を取り沙汰される。客家、外省人、先住民それぞれの言語は共通していない。 本省人 84% 閩南系 70% (台湾語) 客家系 14% (客家語) 外省人 14% (北京語等) 2 先住民 14 部族 2%(オーストロネシア語系だが部族間で言語は共通していない) 日本統治時代は日本語が共通語となった。現在は普通話と呼ばれる北京語が共通語だが、 それぞれのコミュニティでは独自の言語ないし日本語が話されている。 森林地帯は伝統的には戦闘的な先住民の領域であり乱開発を逃れてきた。日本統治以降は 日本式の森林管理が施され、これが現在の行政府にも継承されたことから管理は比較的行き 届いている。現在も国土の 50%以上が森林である。 2.環境に対する市民意識 環境問題に積極的な関心を持っていた陳水扁政権(01~08 年)の時代に、市民の環境意識 は大きく変化した。陳政権は、市民の間でも大議論となった第四原子力発電所建設問題では 建設続行で妥協しつつ、以降の原子力発電開発を凍結、主力の火力発電の原料を石油からよ り環境に優しい液化天然ガスへシフトさせる、最新のごみ発電プラントを展開する、工場新 設の際の環境アセスメントを厳格化するなど数々の政策を実行し、環境保護活動やゴミの排 出削減などにおいても市民の環境意識を高めた。 馬英九政権でも環境への取り組みは重視されている。09 年の一人当たりのゴミ廃棄量は 1 日平均 502 グラムで、最も多かった年に比べてすでに半減した。環境に対する意識は、市民 と行政府の双方において全般的に高いと考えられる。 2 アミ、タイヤル、パイワン、ブヌン、プユマ、ルカイ、ツオウ、サイセット、ヤミ、シャオ、タロコ、カヴァ ラン、サキザヤ、セデックの 14 部族 Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved. 2 廃棄物のリサイクル率は、07 年の 38.7%から 10 年 4 月末には 47.4%に上昇し、廃棄物焼 却施設からの焼却灰の再利用率も、03 年の 12%から 10 年 7 月には 80%に上昇した。 若い市民の間ではタンブラーの携帯が定着しつつある。台湾のスターバックスでは、タン ブラー持参者に 3 元(1 元=2.7 円)の値引きをしている。また買い物袋の持参も定着しつつあ る。台湾で 7-11 などを傘下に持つ統一超商は、レジ袋を必要としない人に、熊マークのポ イント・シールを渡している。20 ポイント以上でグループ企業の何らかの商品と交換でき る。台北市内最大手のショッピングセンター微風広場では、100 元以上購買の買い物袋持参 者に 2 元を還元している。 グリーン消費の推進に向けて 112 の分野でグリーンラベル(環保標章)製品の仕様基準が策 定され、5,635 の製品が登録されている。表示されたラベルの数(出荷)は、50 億個を超える。 自転車の利用も増えている。台湾大学のキャンパス内は、自転車を降りて押している学生 が頻繁に行き交う。キャンパス内の自転車置き場は、平日はほぼ一杯になっており、キャン パス前には東京で見かけられる駐輪場と同様の二階建ての駐輪システムが設置されている。 またこの 1 年の間に、週末のツーリングが大ブームとなっている。 96 年に設立された台湾緑党(台灣綠黨)は、アジア太平洋グリーンズネットワークのメ ンバーであり、世界各国の緑の党と政治的活動のネットワークであるグローバル・グリーン ズに参加している。台湾緑党の基本 4 原則は、生態学的持続可能性、草の根民主主義、社会 正義、そして世界平和である。台湾緑党は、政党としては、中華民国立法院(最高立法機関、 国会に相当)に議席を持たないが、支持は高まりつつある。 3. 環境関連政策 02 年 12 月 11 日制定の The Basic Environmental Act(環境基本法)には、汚染者負担 原則とクリーン生産の推進が盛り込まれている。汚染者には、環境へのダメージと汚染に対 する法的責任がある。環境保護署3 が、規制対策の実施、汚染抑制、および台湾における国 際的な環境イニシアティブの支援を管轄する主たる機関であり、各地域の環境保護局の協力 の下に、環境関連法令の執行に努めている。 台湾アジェンダ 21 - 持続可能な開発のためのビジョンと戦略4は、04 年 11 月 8 日開催 の、行政院・持続可能な開発国家評議会第 18 回会合において承認されたものであり、持続 可能な環境、持続可能な経済、持続可能な社会という 3 つのパートで構成される持続可能な 戦略が示されている。 05 年の全国能源会議(全国エネルギー会議)は、行政府、学界、民間の有識者が集まり、 二酸化炭素削減を政策レベルで策定することを決めた。 07 年 12 月、行政院の関係者は 25 年の二酸化炭素排出量を 00 年並み(2 億 2,100 万トン) の水準に抑制することが望ましいと表明した。この表明は「能源国家科技計画」(エネルギ ーに関する国家科学技術計画)の策定に反映された。 3 Environmental Protection Administration: http://www.epa.gov.tw 4 http://www.rdec.gov.tw/public/Attachment/88116535271.pdf Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved. 3 08 年に成立した馬英九政権は、新規の原子力発電所建設に含みを残しつつ、二酸化炭素 排出削減においては陳政権下で進められた議論を踏襲し、さらに政策の具体化を図っている。 ここ 1~2 年の変化の速さ、大きさは陳政権時代を上回るものがある。 環境保護署は「青い空」、「緑の大地」、「青々とした山」、「清い水」、「健康永続」 を理念に掲げる。ホッキョクグマからの携帯電話の SOS を受けてタイワングマが助けに行 く公報は市民の地球温暖化対策への意識高揚を大いに目覚めさせた。二頭の熊は「減碳双 熊」の愛称がつき、子供からお年寄りまで知らない人がいない存在になった。 減碳双熊 台湾では、10 年 5 月から、製品へのカーボンフットプリント表示の推進が開始された。 The Environmental Education Act が 11 年 6 月 5 日から施行され、公的機関、法人、組合、 教育機関、地元のコミュニティ、あらゆる階層を通じた環境教育が強化される予定である5 。 環境保護署など複数の行政院の機関は節能、節水などを呼びかけている。サイトにリンク されているグリーンリビング情報プラットフォーム(Greenliving Information Platform6) は、グリーンラベル製品の応募手続きや製品情報を提供し、自治体、企業や各種団体にグリ ーン調達に関するガイダンスを示すことを目的に開始された。グリーン製品の販売において は、1 万軒近い店舗がグリーンストアに認定されている。 経済部水利署は水資源の節約に向けた節水標章を所管する。洗濯機、トイレ、蛇口など 11 種類の商品についてそれぞれの規程がある。 環保標章 省水標章 (1)電力・エネルギー政策 09 年 7 月 8 日制定の能源管理法7 は、エネルギー利用の合理化・効率化の推進を目的とし た、エネルギー管理に関する規制枠組みである。 5 EPA: Policy vision, strategy, results and prospects (施政願景、策略、成果及展望) http://www.epa.gov.tw/ch/artshow.aspx?busin=2157&art=2008110513502803&path=12050 6 http://greenliving.epa.gov.tw/ 7 http://law.moj.gov.tw/LawClass/LawContent.aspx?pcode=J0130002 Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved. 4 行政院経済部は、中央レベルにおいてエネルギーを管轄している8。10 年度版エネルギー 政策白書(2010 年能源產業技術白皮書9)では、持続可能な開発のための目標達成に向けた エネルギーの将来的な開発戦略として、エネルギー保全の推進、再生可能エネルギーの利用 促進、エネルギー利用における新たな技術の採用、エネルギー協力技術の開発、温室効果ガ ス(GHG)削減技術などが挙げられている。 気候変動対策 国連に未加盟の台湾は、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)と京都議定書への参加が 実現していないため、GHG 排出量に関する国際的な削減義務は課せられていない。 しかし、台湾には自然エネルギー資源が尐ないことから、エネルギーの保全と効率の向上 が進められている。産業セクターにおける省エネ推進のため、行政院は次のような活動を実 施している。 1)鉄鋼、化学、セメント、パルプ・製紙、合成繊維業界による自主的な省エネ活動の奨励 2)画期的なエネルギー製品のためのエネルギー消費効率指数の策定 3)エネルギー消費者上位 100 位に対するエネルギー監査システムの実施 4)モーター、ボイラー、冷凍庫のエネルギー消費効率基準の引き上げ 5)エネルギーサービスカンパニー(ESCO)の設立における省エネ技術サービス・支援の 強化、エネルギー保全に関するインセンティブの提供 コペンハーゲンで開催された 09 年の国連気候変動会議(COP15)の後、台湾は、中央の行 政レベルにおける適切な緩和行動(NAMA、臺灣啟動溫室氣體適當減緩行動10 )を開始した。 経済部エネルギー局が「省エネ・減炭推進会議11」 を設置し、同会議が省エネと CO2 削減 に関する計画(「節能減碳國家總計畫12」)の策定を担うこととなった。NAMA に従って、 環境保護署の沈世宏署長は、20 年までに、GHG 排出量を現状維持と比較して 30%削減する という台湾の自主目標を表明している。 「温室気体減量法案13」は、06 年 2 月に議会に提出されたものの採択に至っていない。こ の法律の枠組みでは、各事業者が排出する GHG の登録機関が設けられ、排出量取引が可能 となる。 この法案では、GHG の排出源とされる事業者に対して、排出削減に向けた適切な対策を 講じ、削減に向けて中央・地方の行政府が定める政策や対策を遵守することを求めている。 8 Ministry of Economic Affairs http://www.moea.gov.tw 9 Taiwan Energy Industry Technical Whitepaper 2010: http://www.moeaboe.gov.tw/Download/Policy/files/2010 年能源產業技術白皮書.pdf 10 National Appropriate Mitigation Actions (NAMAs): http://unfccc.epa.gov.tw/unfccc/chinese/_upload/20100901/B5-NAMAs_ch.pdf 11 Bureau of Energy, Ministry of Economic Affairs, Energy Saving and Carbon Reduction Promotion Congress www.moeaboe.gov.tw/Policy/ReduceCO2Emission/default.html 12 National Plan on Energy Saving and Carbon Reduction : http://www.moeaboe.gov.tw/Download/Policy/ReduceCO2Emission/files/ 節能減碳國家總計畫-核定本.pdf 13 Proposal on the Green Gas Reduction Act: http://www.tri.org.tw/energy/doc/1-2/1%20-%202%20-%203.doc Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved. 5 こうした義務事項に加え、GHG を排出する事業施設は、各自で排出量のモニタリング・算 出を行い、前年分の結果を環境保護署に報告しなければならない。 06 年以降、3 つの重要ポイントである GHG 削減目標、排出量取引の方法、および炭素排 出権に関する議論が続いている。 再生可能エネルギーの開発 09 年 7 月 8 日に公布された「再生能源発展条例14」 は、次のような様々な方法による再 生可能エネルギーの推進策を示している。 1)公共プロジェクト(公共工程)や公共建築物(公共建筑物)の建設・改修工事に際して は、可能な限り再生可能エネルギーによる電力機器の設置を優先する。 2)台湾では生産されていないが、再生可能エネルギーの生成機器として利用される輸送・ 訓練用の特殊な機器や付属品の輸入税を免除する。 3)小規模な再生可能エネルギー生成機器および関連機器の設置は、建築条例に定める許可 取得要件を免除する「小規模」であるかは個別に判断する。 経済部は、台湾における再生可能エネルギー開発可能性と、それらが電力供給セクターお よび経済に及ぼす影響について評価を行っている。その評価を受けて、再生可能エネルギー の推進目標と種類別の割合が、09 年から 20 年間にわたり 2 年毎に決定されることになった。 ある一定の設備容量に達している電力会社や自家発電を行っている事業体は、将来、再生 可能エネルギーを使わずに生成された電力量に応じて、決められた金額を特定の基金に支払 うことになる。この基金は、再生可能エネルギーの価格保証や機器に対する補助金として、 また関連する研修や推進事業に使われる。この設備容量と基金に支払う金額については、経 済部が今後個別に発表する予定である。 08 年末時点における発電総設備容量は、コジェネレーション・プラントの 7,733.3 MW を含めて 4 万 6,381.6 MW であった。現在の再生可能エネルギーの総設備容量は 2,967.6 MW であるが、そのうち水力発電が 1,937.9 MW、太陽光発電が 5.6 MW、風力発電が 252.1 MW であり、バイオマス発電は、都市固体廃棄物(MSW)の 649.7 MW を含めて 772.0 MW である。 08 年における総発電量は 2,383 億 2,590 万 kWh であったが、再生可能エネルギーによる 発電は、3.52%であった15。再生可能なエネルギー源からの発電設備容量について、10 年に は 513 万 kW、20 年には 700~800 万 kW、25 年には 800~900 万 kW とする目標が設定さ れている。長期目標は、再生可能なエネルギー源からの発電比率を 12%としている16。 エネルギー効率向上 14 http://law.moj.gov.tw/LawClass/LawContent.aspx?pcode=J0130032 Renewable Energy Website: http://www.re.org.tw/re2/Eng/index.aspx 16 Taiwan Energy Industry Technical Whitepaper 2010: http://www.moeaboe.gov.tw/Download/Policy/files/2010 年能源產業技術白皮書.pdf 15 Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved. 6 09 年 7 月 8 日制定の「能源管理法」では、特定のエネルギー使用機器・機械(除湿機、 冷蔵庫、エアコンなど)の製造業者、輸入業者に対して、エネルギー使用要件の遵守、およ びエネルギー消費とエネルギー効率レベルに関する情報の表示を義務付けている。この法律 は、これらの表示を行わずに対象となるエネルギー使用機器・機械を販売、展示/陳列する ことを禁じている。該当する製品は、インターネット上で公表されている17。 また、経済部能源局は、行政で定めたエネルギー効率基準を 10%ないし 15%以上上回る 商品に対して適用される節能標章を所管している。 節能標章 エネルギーラベル 08 年 1 月 24 日公布のエネルギーラベル使用推進通達(節能標章推動使用作業要點18)は、 エネルギー保全の推進に加え、製造業者に対して、エネルギー効率の高い製品の製造を、消 費者に対してはそうした製品の購入を奨励することを目的としている。これはラベル使用を 促す任意制度である。現在、29 種類の製品(扇風機、除湿機、テレビ、冷蔵庫など)につ いて、エネルギーラベルの使用が申請可能である。 また、省エネ機器は、10 年 7 月から能力により五段階にランク分けされることとなった。 5 段階表示は消費者に分かりやすいよう、ラベル化が検討されており、寒暖計を模したデザ イン案が行政院に諮られることとなっている。 これら諸政策は、経済部能源局内のエコ・エネルギー推進室で調整され、関係自治体とも 緊密に連携している。 省エネ機器の 5 段階表示ラベル(案) 家電用 自動車用 注: 数字が小さいほど温暖化防止に貢献することを表す。 出所: 経済部 ナノ標章 17 18 https://ranking.energylabel.org.tw/_outweb/gen/law/list.asp Notice on Promoting the Use of Energy Label: http://www.energylabel.org.tw/images_new/doc/regulations-970825.pdf Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved. 7 経済部工業局19(IDB)は、03 年から工業技術研究院(ITRI)と提携して「ナノテクノロ ジー産業化推進計画」を実施に移し、ナノテクノロジーの積極的な推進に努めている。この 計画では、国内の製造業者による将来性のあるナノ製品の開発を進め、ナノ製品に対する消 費者の受容性を高めることを目指している。 ナノ標章の推進は、製品に対する認証システムの形で進められているが、システムへの参 加は任意である。製品の検証によって認められた製造業者とそのナノ製品に対して、ナノ標 章認証と標章の利用権が与えられる。現在、27 種類の製品分野20がナノ標章の認証対象とな っている。 排出権取引 05 年に設立された台湾碳排放交易推廣協会(TETA 21 )は、国際的な排出権取引市場に関す る最新情報の提供、排出権の算定や認証に対する支援、国際的な取引機会の提供、国内企業 に対する仮想取引のプラットフォームの提供、国際市場への参入支援などを行っている。委 員は国際的な事業組織、エコノミスト、各種環境分野の専門家、投資家、産業界や学術機関 からの代表などで構成されている。 TETA への加入は任意である。TETA の取引プラットフォームは、排出権に基づく。排出 権の算定単位は炭素金融証書(CFI)であり、CFI の 1 単位が二酸化炭素 100 トンに相当す る。 (2)廃棄物処理政策 持続可能な社会を築き、大規模焼却施設の建設による環境への影響に対する住民の懸念に 応えるため、環境保護署はゼロ廃棄物政策22 を策定している。この政策では、最終使用者か らの廃棄物のコントロールよりも、廃棄物発生の削減管理に重点が置かれている。 「廃棄物清理法23」 は、消費後に廃棄物を発生し、深刻な環境汚染をもたらす商品、包装、 容器の製造業者、輸入業者、販売業者は、これらの廃棄物が容易に除去または処理されない、 あるいは容易に生物分解されない物質や有害物質を含んでいる場合には、その回収と処理に 責任を有することを定めている。 廃棄物清理法では、廃棄物は次の 2 種類に分けられる。 1)一般廃棄物:家庭や産業以外の活動から固体または液体の状態で排出される家庭ゴミ、 排泄物、動物の死骸。環境汚染を引き起こすおそれがあるもの。 2)産業廃棄物:一般産業廃棄物と有害産業廃棄物の 2 種類に分けられる。 a)一般産業廃棄物:有害産業廃棄物以外の廃棄物。 b)有害産業廃棄物:人の健康に危害を及ぼす、または環境汚染を引き起こすのに十 分な濃度/量の有毒または有害物質を含む廃棄物。 19 Industrial Development Bureau of MEA: http://www.moeaidb.gov.tw/external/ctlr?lang=0&PRO=index Product categories of Nano Mark: http://proj3.moeaidb.gov.tw/nanomark/Product/product.asp 21 Taiwan Emission Trading Association: http://www.teta.org.tw/ 22 http://www.epa.gov.tw/ch/aioshow.aspx?busin=323&path=8476&guid=c16b3f20-b7064183-aa88-36d8df50c99f&lang=zh-tw 23 Waste Disposal Act: http://ivy5.epa.gov.tw/epalaw/search/LordiDispFull.aspx?ltype=07&lname=0010 20 Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved. 8 09 年 6 月 5 日制定の有害事業廃棄物認定標準24には、有害産業廃棄物の認定方法が規定さ れている。これによると有害産業廃棄物とは、次のとおり定義される。 1)有害産業廃棄物として規制されリストに含まれる物質。 2)当該物質の有害性から、有害産業廃棄物と判断される物質。 3)環境保護署が公表しているその他の廃棄物。 09 年 1 月 13 日付けの生産業者・輸入業者によるリサイクルが必要な製品・容器の範囲お よび責任者の範囲に関する通達25 は、製品・容器のリサイクル、撤去、処理に関する企業、 製造業者、および輸入業者(責任事業者)の責任の範囲を定めている。 製造業者や輸入業者が責任事業者である場合、営業量(營業量)または輸入量を関係当局 に報告し、リサイクル、撤去、および処理費用を負担しなければならない。 この通達の第 9 条では、同通達に記載された物質を含む製品を事業者が輸入した場合、当 該事業者も輸入業者と見なされることが規定されている。 同通達の付属資料 1 には、リサイクル、撤収、処理が必要な製品の範囲が示されており、 電気・電子機器(電子電器)(テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、扇風機など)、および 電子情報製品(資訊物品)(ノートパソコン、CPU、ブラウン管や液晶ディスプレイなどの モニター、キーボードなど)が含まれている。 産業廃棄物の収集・保管・処理方法および施設基準(事業廢棄物貯存清除處理方法及設施 標準26 )は、有害産業廃棄物を一般産業廃棄物から分離して保管することを義務付けている。 一般廃棄物と産業廃棄物はそれぞれ、一般廃棄物の収集・除去・処理方法(一般廢棄物回 收清除處理辦法27 )および産業廃棄物の収集・保管・処理方法および施設基準に従って取り 扱うことが義務付けられている。 02 年 7 月 3 日の資源回收再利用法28の採択を受けて行政院は資源リサイクルシステムを強 化しており、処理が困難である、または有害物質を含む製品や容器は、環境保護署がリスト に登録する。こうした製品を扱う事業者には、リサイクル費用の負担が求められる。 上記法律では、排出源からのリサイクルの推進を目標に、関係事業者に対して次の方策の 実施を求めている。 1)再利用可能な原料(副産物、廃棄品、欠陥製品を含む)のリサイクル。 2)リサイクルされた原料の一定比率/量の利用。 3)再利用可能な原料以外のリサイクル。 4)分解・リサイクルが容易となるよう配慮した製品の設計・製造。 5)製品に対する原料組成、リサイクルマーク、使用原料比率の表示。 6)リサイクルを円滑化する原料・製品仕様書の使用。 24 Standards on the Identification of Hazardous Industrial Waste : http://ivy5.epa.gov.tw/epalaw/search/LordiDispFull.aspx?ltype=07&lname=0020 25 應由製造、輸入業者負責回收、清除、處理之物品或其容器、及應負回收、清除、處理責任之業者範圍 26 Standards on the Methods and Installations for the Collection, Storage and Treatment of Industrial Waste: http://ivy5.epa.gov.tw/epalaw/search/LordiDispFull.aspx?ltype=07&lname=0160 27 Measures on the Collection, Removal and Disposal of General Waste: http://ivy5.epa.gov.tw/epalaw/search/LordiDispFull.aspx?ltype=07&lname=0080 28 Resource Recycling and Reuse Act : http://law.moj.gov.tw/LawClass/LawContent.aspx?Pcode=O0050049 Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved. 9 7)製品の一定割合に、詰め替え可能容器を使用。 10 年 10 月 29 日に経済部が発表した再生グリーン製品の検査・認定方法(經濟部資源再 生綠色產品審查認定辦法)には、再生グリーン製品に認定される可能性のある 14 種類の製 品(トイレットペーパー、繊維・繊維製品、PET 使用の衣類など)が示されている。再生グ リーン製品に認定されると、製造業者に再生グリーン製品証書(資源再生綠色產品證書)が 交付され、3 年間有効である。証書は更新可能である。財政上のインセンティブも、個別に 準備される見通しである。 環境保護署は、環境プロジェクト照会システム29 を設けており、プロジェクトにおける計 画・評価、国際協力、環境影響評価、大気質、水資源保護、廃棄物管理、土壌・地下水など に関するチェックが可能となっている。 有害産業廃棄物は、次のいずれかの方法に従って処理・処分される(廃棄物の再利用には 適用されない)。 1)個別の処理・処分。 2)合同の処理・処分。 3)契約による処理・処分。 資源回收再利用法は、事業者に対して、空隙率、包装枚数、包装資材のタイプと量に関す る制限を受ける製品について、過剰包装を避けることを義務付けている。輸入製品もこの規 制の対象となる。 05 年 7 月 1 日付けの製品の過剰包装製品の制限に関する通達(限制產品過度包裝30)では、 キャンディー、焼き菓子、化粧品、光ディスク、ワイン、および加工食品の包装基準要件が 示されている。上記の製品は、次の要件の対象になる。 1)包装の重量は、総重量の 25%を超えてはならない。 2)包装は最大 3 層までとする。 3)包装のラベルとテープ以外には、異なるタイプの包装資材を使ってはならない。 (3)交通政策 行政院交通部31 は、台湾の交通ネットワークを管轄し、道路、鉄道、空路、海上に係る輸 送の行政を担う。 同部の鉄路管理局によると、09 年末時点における営業キロ総延長は 1,085.3 km であり、 旅客・貨物両用が 1,046.9 km、貨物専用が 38.4 km であった32。 台湾の道路網には、行政院と各地方の行政府が整備する高速道路と公道のほか、都市道路 などがある。環境保護署によると、09 年末時点における車両(自動二輪を含む)の登録台数 は 2,117 万台であり、そのうち 1,460 万台が二輪車、677 万台が自動車である33。 29 Environmental Projects Query: http://epq.epa.gov.tw/ 30 http://law.epa.gov.tw/zh-tw/laws/648849199.html 31 http://www.motc.gov.tw/ 32 Railway Administration: Operating Kilometers and Number of Stations (營業里程及車站數) http://www.railway.gov.tw/aay00/excel/97busi/t1.pdf 33 Public Notice on the Restriction of Products with Excessive Packaging : (footnote continued) Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved. 10 特に台北市は慢性的な渋滞が起きていた街だが、行政院と市は共同で様々な政策を実現し、 渋滞の解消に努めてきた。これまでの主な施策は次のとおり。 1) 南京西路、南京東路、民権西路、民権東路、仁愛路、重慶北路などの主要幹線道路への バス専用レーンの設置。 2)MRT の整備(現在までに約 100km が開通。更に延伸中) 3)台鉄(公有鉄道)の市街地の地下化と地上部分への幹線道路(市民大道)と高架道路の建設。 4)市内北部を東西に縦貫する高速道路の複線化。 5)内湖など新市街地の建設と、これら地域との交通アクセスの改善 車両からの排気ガスは、台湾における大気汚染の主な原因である。車両の増加を受け、車 両からの排気ガス抑制に向けた方策が講じられており、車両からの排出基準(交通工具空氣 污染物排放標準34)などが設けられている。 大気汚染物質排出基準基準には、次の内容が含まれている。 1)車両の運転サイクル試験とアイドリング試験から得られた、ガソリンおよび代替クリ ーン燃料に関する一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)、およ び粒子状物質(PM)のエンジン排ガス基準。 2)ガソリンおよび代替クリーン燃料エンジンの車両に関するクラン室、燃料タンク、お よびキャブレターからの炭化水素排出基準。 クリーン燃料とは、新たな製法によるガソリンやディーゼル燃料、天然ガス、液化石油ガ ス、水素、窒素、エタノール、およびアルコール分 85%以上のその他の燃料を表す。 燃料混合物に関する要件は、09 年 7 月 29 日付けの車両用ガソリン・ディーゼル品質管理 基準(車用汽柴油成分管制標準35 )に示されている。これによると、車両用ガソリンの品質 管理基準は次のとおりである。 2007 年 1 月 1 日時点 Items Standard Value (標準值) Benzene 1.0 vol%, max Sulfur 50 ppmw, max RVP, Reid Vapor Pressure 8.7 psi, max Oxygen 2.7 wt%, max Aromatics 36 vol%, max Olefins 18 vol%, max Remarks: 1. Prior to the implementation of E3 ethanol gasoline in Taiwan, the standard value of RVP is 66.9kPa, standard value of oxygen is 3.24 %(m/m) and other regulatory items standard value is provided in this chart. 2. 1psi = 6.895 kPa http://www.epa.gov.tw/en/epashow.aspx?list=52&path=128&guid=8d668c67-e27f-4a96-ac41-323149899ff2&lang=en-us Vehicle Air Pollutant Emission Standards: http://ivy5.epa.gov.tw/epalaw/search/LordiDispFull.aspx?ltype=04&lname=0160 35 Standards on the Control of Gasoline and Diesel Characteristic for Motor Vehicles : http://ivy5.epa.gov.tw/epalaw/search/LordiDispFull.aspx?ltype=04&lname=0310 34 Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved. 11 2011 年 1 月 1 日時点 Items Standards Benzene 1.0 vol% (v/v), max Sulfur 50 mg/kg, max RVP, Reid Vapor Pressure 60kPa, max Oxygen 2.7 % (m/m), max Aromatics 35% (v/v), max Olefins 18 % (v/v), max Remarks: 1. Prior to the implementation of E3 ethanol gasoline in Taiwan, the standard value of RVP is 66.9kPa, standard value of oxygen is 3.24 %(m/m) and other regulatory items standard value is provided in this chart. 2. 1psi = 6.895 kPa 2012 年 1 月 1 日時点 Items Standards Benzene 1.0 vol% (v/v), max Sulfur 10 mg/kg, max RVP, Reid Vapor Pressure 60kPa, max Oxygen 2.7 % (m/m), max Aromatics 35% (v/v), max Olefins 18 % (v/v), max Remarks: 1. Prior to the implementation of E3 ethanol gasoline in Taiwan, the standard value of RVP is 66.9kPa, standard value of oxygen is 3.24 %(m/m) and other regulatory items standard value is provided in this chart. 2. 1psi = 6.895 kPa 3. As of 1 January 2012, gasoline from refinery must comply with the standard value provided in this chart; and as of 1 July 2012, gasoline stored in oil storage tank and petro-station must comply with the standard value provided in this chart. 4. Imported gasoline must comply with the standard value provided in this chart as of 1 January 2012. 車両用ディーゼル燃料の品質管理基準は、以下のとおりである。 Items Sulfur Olefins Remark: Bio-diesel must comply with the standards 36 Standards 50 ppmw, max 35 wt%, max in this chart. 36 Standards on the Control of Gasoline and Diesel Characteristic for Motor Vehicles : http://ivy5.epa.gov.tw/epalaw/search/LordiDispFull.aspx?ltype=04&lname=0310 Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved. 12 自転車利用の推進 交通部は 07 年 10 月、自転車の普及を目指した研究を発表した。その背景説明には、排気 ガスによる汚染がない、静か、エネルギーの節約、省面積の道路で走れる、省面積の駐輪場 で対応できるなど、環境政策の観点からの自転車の優位性を謳っている。また、台湾が 1985 年に日本を抜いて自転車生産世界一となったものの、台湾内の自転車市場がこれまで 政策面で顧みられてこられなかったことにも触れ、向こう 10 年で安全な自転車使用環境を 整備するとともに、市民にとり自転車が生活の移動手段やレジャーの選択肢となることをも って、人を中心とした都市の運輸環境の調和を図っていくとしている。 交通部が提唱した台湾一周自転車専用道路の整備は、予想外のツーリング・ブームを興す こととなった。交通部関係者によると、10 日かかるとされる台湾一周旅行に挑戦する市民 がたくさんいるという。 一方で、市街地の自転車専用レーンでは自動車に追われて、はみ出てくるバイクとの接触、 バス乗降客や小学校前で飛び出してくる児童との衝突といった危険性が露呈した。対策とし て一部の道路ではバイクの 30km への速度制限、自転車専用レーンの前の小学校では登下校 時に遮断棒を持った警官や教員による交通整理が行われている。 交通部は、一旦、一般の自転車利用環境の大胆な整備を見合わせ、レジャー用の自転車利 用環境整備に政策の重点を置いている。 09 年 2 月に東部自転車道モデル計画を発表し、7 億 9,100 万元の予算を投入して台北県~ 宜蘭県(1 路線 71km)、花蓮県~台東県(6 路線計 1,162km)の整備に着手した。完成は 12 年 12 月を予定している。 MRT と連動した自転車利用の推進も試みられている。台北の MRT は、約 100km の路線 を持つ。このうちシステムが異なり車体が小さい文山内湖線を除き、土日・祭日の 06:00~ 終電(一部の駅は~23:00)は、自転車の持ち込みを有料で認めている。 乗降は地上からホームまでエレベーターが整備されている駅に限られるが、対象路線の 66 駅中、現在は 33 駅が対応している。自転車の乗降が可能な駅は、路線表示の駅名の横に 自転車マークが付せられている。 交通部はパスモに似た「悠遊カード」と連携して、無人レンタサイクル事業を導入した。 フランス・パリ市が運営するヴェリブ(velib)に倣ったシステムで、自転車は国父記念館や 101 など市内の人が集まる地域の周辺の専用エリアに繋留されている。 (4)住宅・建築政策 行政院内政部営建署37 は、建築・建築物関連の法規、都市計画、公営住宅、地方のインフ ラ整備、土地利用・管理を管轄している。 1999 年には行政府機関、自治体、公的教育機関などによる建築を念頭にグリーン建築ラ ベル(綠建築標章)制度38を導入した。建築費 5,000 万元以上の公的機関(財団法人を含む)、 自治体、公立教育機関などによる建築は強制認証とし、規模が小さい公的建築と民間による 37 38 Construction and Planning Agency: http://www.cpami.gov.tw/ http://www.cabc.org.tw/gb/ Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved. 13 建築については任意認証としている。この認証は、生態(ecology)、節能(energy saving)、減 廃(waste reduction)、健康(health)の頭文字からとって EEWH とも呼ばれる この認証の取得は、「環境配慮・省エネタイプで、廃棄物削減を目指し、身体にも優し い」建築物であることを意味する。グリーン建築ラベルには、グリーン建築候補認証(候選 綠建築證書)とグリーン建築ラベルの 2 種類がある。グリーン建築候補認証は、建築中であ るが、その設計がグリーン建築に必要な指標を満たしている場合に交付される。強制認証対 象の建物は、この候補認証を取得しないと着工ができない。 すでに使用許可(使用執照)を取得している建築物や合法である既存の建造物(既有合法 建築物)は、適用される指標を満たしていればグリーン建築ラベルを取得することができる。 また台湾では、建材の環境配慮(「緑建材標章」)、建築物の情報化(「知慧標章」)の認 証制度も導入されている。これら 3 つの認証の審査と標章の付与は、財団法人台湾建築中心 に事務が委任されている。 緑建築標章 緑建材標章 智慧建築標章 緑建築標章の指標は次の 9 項目である。 1)建築物のグリーン化指標(基地綠化指標39) 2)保水指標(基地保水指標40) 3)水資源効率性指数(水資源指標41) 4)日常省エネ指標(日常節能指標42) 5)二酸化炭素削減指標(二氧化碳減量指標43) 6)廃棄物削減指標(廢棄物減量指標44) 7)廃水・家庭ゴミ改善指標(污水垃圾改善指標45) 8)生物多様性指標(生物多樣性指標46) 9)室内大気質指標(室內環境指標47) 08 年 7 月 23 日制定の緑建築標章使用推進規則(綠建築標章推動使用作業要點)によると、 緑建築標章やグ緑建築候補認証の付与に際しては、内政部建築研究所発行の緑建築解説・評 価マニュアル(綠建築解說與評估手冊)を判断基準として参照しなければならない。グリー 39 http://www.cabc.org.tw/cabcweb/cabc/green/基地綠化指標.htm http://www.cabc.org.tw/cabcweb/cabc/green/基地保水指標.htm 41 http://www.cabc.org.tw/gb/green/水資源指標.htm 42 http://www.cabc.org.tw/gb/green/日常節能指標.htm 43 http://www.cabc.org.tw/gb/green/co2 減量指標.htm 44 http://www.cabc.org.tw/gb/green/廢棄物減量指標.htm 45 http://www.cabc.org.tw/gb/green/污水垃圾改善指標.htm 46 http://www.cabc.org.tw/gb/green/生物多樣性指標.htm 47 http://www.cabc.org.tw/gb/green/室內環境指標.htm 40 Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved. 14 ン建築ラベルの取得を申請する場合、当該建築物は、上述の 9 つの指標のうち、日常省エネ 指標と水資源に関する指標を含む 4 つ以上の指標を満たすことが求められる。 緑建築標章と緑建築候補認証の有効期間は 3 年間であり、期間満了の 3 カ月前から更新手 続をとることができる。これらのラベルと認証の更新には、当該建築物の名称と一般的な情 報、有効期間、および該当する指標に関する情報が必要である。 綠建築解說與評估手冊によると、グリーン建築には、ダイヤモンド級、ゴールド級、シル バー級、ブロンズ級、その他の 5 つの等級がある。10 年 10 月現在、緑建築標章を取得して いる建築物は 550 棟超、緑建築候補認証を受けている建築物は 2,000 棟超ある48。 4.経済指標 ①鉄道総延長 1,582 km (2008年) ②鉄道旅客輸送キロ 19,277 百万人・km (2009年) ③鉄道貨物輸送キロ 776 百万トン・km (2009年) ④高速道路・アウトバーン総延長 976 km (2008年) ⑤公路総延長 39,867 km (2008年) ⑥水路総延長 N/A ⑦住宅戸数 7,068,113 戸 (2000年) ⑧住宅建築着工許可件数 N/A 件 ⑨非住宅建築着工許可件数 N/A 件 ⑩乗用車登録台数 5,704,000 台 (2009年) ⑪商用車登録台数 1,014,000 台 (2009年) ⑫乗用車普及率(1,000人あたり) 247 台 (2009年) ⑬商用車普及率(1,000人あたり) 44 台 (2009年) ⑭廃棄物量 7,732 千トン (2009年) ⑮廃棄物埋め立て処理率 2.4 % (2009年) ⑯廃棄物焼却処理率 52.2 % (2009年) ⑰水資源使用量(地表水) N/A ⑱一人当たり水使用量 N/A ⑲CO2排出量 284.5 百万トン (2008年) ⑳CO2一人当たり排出量 N/A 出所:①CIA、②③行政院主計處、④⑤CIA、⑦⑩~⑬行政院主計處、⑭~⑯⑲行政院環境保護署 以上 添付資料:台湾の気象データ 48 http://www.tabc.org.tw/tw/uploads/7bcc5565-f7da-ea48.xls Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved. 15 気象データ 1. 平均気温 出所:台湾行政院主計處49 49 http://eng.stat.gov.tw/lp.asp?ctNode=2263&CtUnit=1072&BaseDSD=36 Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved. 16 2. 湿度 出所:1.に同じ Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved. 17 3. 降水量 出所:1.に同じ Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved. 18 4.日照時間 出所:1.に同じ 当レポートの問い合わせ先:グローバルマーケティング課 免責について 当レポートは執筆に当たりその正確性、妥当性に努めておりますが、提供している情報は、 利用者の判断・責任においてご利用ください。またご利用において不利益等の問題が生じて も、ジェトロは一切の責任を負いかねますのでご了承ください。 Copyright (C) 2011 JETRO. All rights reserved. 19