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「フードコートで試される創造力」について

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「フードコートで試される創造力」について
「フードコートで試される創造力」について
1.概要
本プロジェクトは、長野県にあるイオン上田フードコート内のインド料理屋「プラススパイス」の売
上げ向上を目指したものである。プラススパイスは売上げが低迷しており、今年 10 月に撤退することが
決まっていた。そこで私たちは「最後に一花咲かせよう!」の合言葉のもと、立ち上がったのである。
2.事前調査及び専門知識の習得
現状把握と今後の戦略立案のため、福岡と長野に分かれて活動を行った。
福岡での活動(6 月)
長野での活動(6 月 2 日~6 月 4 日)
・フードコートに対する意識調査(図 1)
・プラススパイス上田店の調査
・人気のインド料理店の調査
・プラススパイスに関するアンケート調査(図 2)
・マーケティング・リサーチ能力の習得
・イオン上田店のフードコート調査
・飲食店及びフードコートに関する専門知識の習得
・近隣大型商業施設内フードコートの調査
3.無名飲食店の成功した戦略とプラススパイスの現状
無名飲食店の戦略がプラススパイスにも活用できるのか、検証を行った。
無名飲食店の戦略
プラススパイスの現状
外観で目を引く
閉店間近で店構えを改装する予算はない
店の雰囲気を独自のものにする
フードコート内の店舗のため、レイアウトや BGM に手を加えられ
(内装レイアウト・BGM)
ない
接客で印象づける
セルフサービスのフードコートで、接客で差をつけるのは難しい
以上から、プラススパイスでは一般的な無名飲食店の戦略は活用できないことが判明した。
4.創造・実施した戦略(戦略の実施期間:8 月 10 日~8 月 31 日)
≪重要度―満足度分析≫
図 1:フードコートに関する意識調査(n=180)
図 2:フードコートへの重要度と、
プラススパイスに対しての満足度調査(n=101)
-1-
アンケート調査を基にした重要度-満足度分析(図 1,2)や事前調査から、味に定評があり、固定客
がいることが判明した。そこでプラススパイスの課題は新規顧客の獲得だと考え、以下のような戦略を
創造・実施した。
戦略
狙い
キャラクターの制作
子供の興味を引く外観にすることで認知させる(認知プロセス)
抽選会
ベルの音でイベントが行われていることを知らせ、客をひきつける(来店プロセス)
引換券で再来店を促す(再来店促進プロセス)
ナン友クーポン
グループ客の囲い込み(来店プロセス)
100 円チョコナン
手軽にナンを食べてもらう(来店プロセス)
チョコナンの存在をアピールする(認知プロセス)
上記の戦略は客数を増やすことを目的としていたのに対し、経費 0 円で客単価を上げるための戦略も
創造した。
戦略
狙い
プラス 1 言の声掛け
セットドリンク注文を促し、客単価を上げる
おすすめシール
単価の高いセットをおすすめし、客単価を上げる
5.結果
企画実施前 4 カ月は前年の売上げを大きく下回っていたが、
企画実施後の 8 月・9 月は前年比を上回ることに成功した。前
年の売上げと比較すると、2 カ月間で売上げが 121,089 円増加
した。継続的に売上げを上げることに成功したことから、創造
した戦略は効果があったと考える。
6.まとめ
プラススパイスはフードコートであること、無名店であることが重なり、既存の戦略を活かすことが
できなかった。私たちは、プラススパイスの課題を的確に踏まえた戦略を“創造”したことで売上げを
上げることに成功した。
7.参考文献
・宇井義行(2007)
『小さな飲食店 こうすれば大成功できる』こう書房
・大久保一彦(2008)
『成功する小さな飲食店の始め方』西東社
・入江直之(2010)
『お客が殺到する飲食店の始め方と運営』成美堂出版
・嶋口充輝(1994)
『顧客満足型マーケティングの構図』有斐閣
・石井淳蔵他(2004)
『ゼミナール
マーケティング入門』日本経済新聞社
・辻幸恵(2009)
『キャラクター総論』白桃書房
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