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35―01 P U D T 証人尋問などの準備のための手続

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35―01 P U D T 証人尋問などの準備のための手続
35― 01
35―01
P U D T
証人尋問などの準備のための手続
1. 立証計画の策定、要証事実と主張の整理及び峻別
(1)
立証事項(立証事実)・証拠の整理
無効審判等における証拠と具体的事実の関係については、審判請求書、答弁書等
の書面の証拠方法の欄に、証拠を具体的に特定するとともに、その証拠で立証しよ
うとしている事項(立証事項)を説明しなければならないし(特§131②、実§38
②、意§52、特施規様式62備考8)、あるいは、当該証拠について後に証拠調べを申
し出る場合には、証拠申出書等により、証明すべき事実及びこれと証拠との関係を
具体的に明示してしなければならない、とされている(特施規§57の3、実施規§2
3⑫、意施規§19⑧、商施規§22⑥(この節35―01において、準用関係は省略))。
ところで、請求人(や被請求人)から多数の立証事項及び証拠が提出されること
があるが、提出された全ての立証事項(立証事実)・証拠について証拠調べを実施
しなければならないものではない。
したがって、合議体は、当事者が申し出た立証事項(立証事実)のうち何が必要
であり、どの証拠によって証明すべきかを整理し、要証事実に基づいて当事者がど
のような主張をすべきかなのかを整理しておくことが円滑・効率的な証拠調べの実
施に当たって重要である。あるいは、審決を起案する場合のことを考えて、審決で
結論を導くに必要な要件事実に対応する具体的な事実(主要事実)が全て網羅的に
主張されていることを確認した上で、各々の主要事実について、証拠調べの結果か
らどのように事実認定するかを事前に想定して、各々の証拠調べの要否、順序、尋
問事項などを整理しておくことが重要である。
以上の整理の結果、当事者の主張・申出と異なる審理手続を行うときは、事前に
当事者の合意を得ておくことが好ましい。
ア
特許法(実、意、商)に定められた法律要件に該当させるに必要な具体的事
実の存否は、全て確定されなければならないが、「顕著な事実」は証明を要せ
- 1 -
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ずに確定してよいから、要証事実と顕著な事実との区別・整理が必要である。
当事者の主張では、法律要件を判断するのに必要な具体的事実(主要事実)
が欠けていることが明らかである場合には、この点についての主張・立証を補
充させる(審判請求書の補正(特§131の2)。なお、審判請求書として記載不
備が著しいときには答弁指令前に審判請求を審決をもって却下することも検討
する)。
イ
証拠申出の採否は、合議体の裁量事項であり、証拠の取調べを行う範囲、時
期、順序などとともに、職権で決定できる事項である。
しかし、合議体は、理由もなく証拠の証拠力が薄弱だろうとの予断でその取
調べを拒否すべきではない。必要に応じて、さらなる証拠の提出を事前に促す。
ウ
一つの具体的事実の存否を立証するために複数の間接事実を積み重ねる必要
があるときに、当事者が提出した中心的な間接事実に関する証拠と、副次的な
間接事実に関する証拠とがあって、副次的な間接事実に審判官が不要と判断で
きるものがあれば、その証拠調べを行う必要がない(不要なものについては、
挙証者に理由を説明し、証拠調べの申請を取り下げてもらうとよい。)。
エ
複数の証拠について、立証しようとする事実が同一であると考えられるとき
は、当事者にそのことを確認して、代表的な証拠に限定してもらうことが有効
である。
オ
証拠方法には次のようにそれぞれの特徴があり、その特徴をいかした立証が
効率的な審理の助けとなる。
(ア) 書証は取調べがしやすく、また、事実の確定に有効である。
(イ) 検証は構成を把握することが容易である。
(ウ) 人証は事実の細部や、多くの証拠相互の関係を把握するために有効である。
カ
要証事実の整理と人証以外の証拠を検討した上で、事実の確定上、残った争
点を人証によって決着をつけることが効率的である(この点で、証人尋問の実
施の前に書証等他の証拠調べが終了していることが望ましい。)。
キ
人証・検証による立証よりも他の証拠方法が適切であるものについては、そ
の点を挙証者に指摘し、他の証拠方法の追加と不適当な証拠方法の撤回を促す。
(2)
申請された立証事項と証拠方法の検討
請求人は、証拠に基づいて具体的事実の存在を立証するとともに、その事実が特
- 2 -
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許法(実、意、商)に定められた法律要件に当てはまる(逆に、当てはまらない)
と主張する。
無効審判における証拠と具体的事実の関係については、前記のように特§131②
(審判請求書)、特施規§57の3(証拠申出書)に沿った書面が当事者から提出され
る。証人尋問の場合にはさらに証人尋問申出書(特施規§58)、尋問事項書(特施
規§58の2)が提出され、証人が誰で、何を知っており、それにより何を立証しよ
うとするのかが示される。これらの書面により、挙証者がどのような方法で、どの
ような具体的事実を立証しようとしているのかがおよそ理解できるはずであるが、
理解できないとき、あるいは、立証事項と証拠方法とが対応していないと考えられ
るときは、補正を命じるか、電話等で連絡し、尋問事項書を自発的に補正してもら
う(→21―02)。なお、合議体は、立証事項と関連のない事実を認定してはならな
い。
さらに、次のような検討と当事者への指摘をすることは審理や証拠調べの実施に
とって有効である。
ア
立証事項(立証事実)が、申請された証拠から証明されるか否かは、「請求の
理由」の記載要件の審理対象ではないが、後日補助事実についての証拠が補充
される蓋然性が高いものについては、それらの指摘を早期にすることが審理期
間の短縮の面からは有効である。
イ
人証・検証が申請されているときには、証拠調べの具体的内容を記載した「尋
問事項書」、検証物の検証事項を記載した「指示説明書」が添付書類として提
出される。具体的に記載されていないとまでは言えないが、不明瞭と考えられ
るときは、補正を命じるか、電話等で連絡し、尋問事項書等を自発的に補正し
てもらう(→21―02)。
(3)
要証事実と主張の整理、峻別
請求人や被請求人の立証事項の中に、法的評価(事実が法律要件を充足するか否
かの判断)の主張が含まれていたり、事実をどのように理解・把握すべきかの主張
が含まれていることがあるので、そのまま証拠調べを実施しても混乱を引き起こし
たり、争っている本質部分とずれた証拠調べを行ってしまうおそれがある。
このようなときは、要証事実と、当該事実についての法的評価についての主張を
峻別・整理し、その結果について当事者の合意を得ておくことが円滑・効率的な証
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拠調べの実施のために重要であり、審決を起案するにあたっても有用なことである。
その際、問題点を当事者に指摘して、当事者に自らの理解を整理させることが好ま
しい。
また、事実と主張とを整理した結果、立証すべき事実・証拠の不足が判明するこ
とがある。
事実と主張の区別が明確でないと、証人に対して本件発明との異同を尋問したり、
取引が公然実施にあたるか否かを尋問し、証人が無意味な抽象概念(経験した事実
以外のこと)を証言する等の無駄を発生させ、審決の起案に支障が生じる結果とな
りかねない。
当事者が主張することの論拠となる事実について証拠調べを行い、発明との一致
性や、譲渡(販売)が公然実施にあたるのか否かは、口頭審理の場で当事者双方に
主張させ、その結果として得られた心証から判断すればよい。
(4)
最初の答弁機会の付与前の証拠調べの実施
前記の立証計画の策定、要証事実と主張の整理及び峻別は、被請求人からの答弁
(訂正請求)を求めた後、更には、請求理由の補正許否の決定後、すなわち、両当
事者からの立証事項、証拠、主張が揃った段階において実施することが標準的であ
るが、例えば、証拠方法が実質的に人証と検証とによる事件において、その証拠調
べを行わないままに被請求人に答弁の機会を与えても、被請求人が実質的な反論・
反証をすることが困難であると判断されるときには、答弁の機会付与前に証拠調べ
を行うことがその後の進行に有効である。
請求書の方式審理(「請求の理由」の記載要件の調査)の際に、人証や検証によ
る立証事項を確認し、被請求人への答弁指令の前にそれらの証拠調べを行うべきか
を検討するとよい。
2.口頭審理と証拠調べ
無 効 審 判 の よ う に 口 頭 審 理 ( 33 ― 0 0 ) を 原 則 と す る ( 特 § 145① 、 実 § 4
1、 意 § 52、商 § 56① 、 § 68④ )当 事 者 系審 判 に おい て は、 要証事実、証拠、
主張を当事者に峻別・整理させること、証人が何を知っており何を立証するのかを
整理させることを、口頭審理で行い、後日、尋問事項書として提出させること、そ
れを相手方に示し反対尋問の準備をさせること、等を行うためには、先に口頭審理
- 4 -
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を行い、後日証拠調べを行うとしてもよい。
しかしながら、口頭審理と証拠調べを別の日に実施しようとすると手続が煩雑と
なるばかりでなく審理期間が長くなる問題があるので、口頭審理と証拠調べを同日
に行うべく、事前に双方にファクシミリ等で証拠調べに係る事項を確認、準備させ、
実施期日には、先ず、口頭審理を開始して「要証事実と証拠との関係、証拠調べに
要する時間、証拠調べの場で行う事項と、その後の口頭審理の場で行う事項との区
別」等を、合議体と当事者で確認し、→ 口頭審理中断 → 証拠調べ → 口頭審理
再開 → 口頭審理終了、とすることが実務上なされている。
こ れ は 、 証 拠 調 べ と 口 頭 審 理 を 同 日 に 行 う こ と は 、 そのための準備さえ十
分にされていれば、審 理 に 慎 重 を 期 し な が ら 手 続 、 費 用 、 時 間 な ど を 節 約 で
き るからである。
ま た 、 査 定 系 審 判 は 書 面 審 理 を 原 則 と す る が ( 特 § 145② 、 意 § 52、 商 §
56① 、 § 68④ )、 仮 に証 人 尋 問 等 の 証 拠 調 べ を 行 う 場 合 に は 、 上 記 と 同 様 な
理 由 か ら、 口頭審理としてもよい。
なお、口頭審理と証拠調べを同日に行うか否かは、合議体がその有効性や必要性
を考慮して判断し、当事者双方に了解を得ておく。
3. 証 人 尋 問の手続
(1) 申 出 による証人尋問
ア
証 人 尋 問 の 申 出 を 採 用 し て こ れ を 行 う こ とに 合 議 で決 し た と きは 、 合 議
体が 手 続 上 の検 討 を 加 えた 上 で 、次 の と お り審 判書 記官 に指 示 を与 える 。
(ア)
尋問事 項書(特施規§58の2、様式65の16)
a
提出がないときは 、提出するように補正を命じ る。
b
尋 問 事 項 の 内 容 に 不 備 が あ ると き は 、 その 点 を 補正 し た も のを 提 出 す
るよう に補正を命じる。
c
必 要 部 数 が 不 足 し て い る と きに は 、 こ れを 充 足 する よ う に 補正 を 命 じ
る。
(a)
尋問事項書の必要部数は、拒絶査定不服審判について提出する場
合は一通、それ以外の場合は特許庁、証人及び相手方の数に応じた
数である。
- 5 -
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d
補正命令に応じなかったときは、合議体の判断により証人尋問申出
の採用を見合わせる、あるいは採用するとしてもその手続を進める
こ と な く 、 重 ね て 同 様 な あ る い は 他 の 適 当 な 命令 を 発 す る 等 の 措 置
がされるのが通例であって、そのため 審 判 請 求 を 審 決 を も っ て 却
下 す る こ と は し な い。
(イ)
申出に よる証人が多数ある ときには、証人尋問をすべき者の 氏名と 、
その申出をした側の当事者がいずれであるかを摘記したメモを記録に
付し、 その証人尋問に要する費用 の予納通知を発する。
(ウ)
査定系審判にあって証人尋問と口頭審理を同時に行うときには、そ
の旨を指示する。また、当事者系審判にあって、口頭審理を同時に行
わない ときにもその旨を指示する 。
イ
上 記指示を受けた審判書記官は 、以下のとおり措置する。
(ア)
審判書記官は、証人尋問を申し出た者に、証人が旅費等を請求する
か放棄 するかを確認する。
放棄することが確認できたときは、予納手続を省略し、証人尋問終
了時に 証人から旅費等の放棄書の 提出を求める。
(イ)
証人が 旅費等を請求すると きの証人尋問費用の計算
証人尋問申出書の記載に基づき、民事訴訟費用等に関する法律の例に
より証 人旅費、日当、宿泊料を計算する(特§169⑥、実§41、意§52、
商§56①、§ 68④)。
(ウ)
様式1による予納通知を 起案する。
(エ)
保管金受払簿に必要事項を記入し、予納通知を特別送達をもって申
出人に 送達する。
(オ)
査定系審判においても、証拠調べ費用の予納を命じることができる
(特§ 169③~④、 意§52、商§56①、§68④)。
ウ
イの 措 置 を 終 え た 審 判 書 記 官 は 記 録 を 保 管 し 、 予 納 金 の 納 付 が あ っ た 場
合 は 、以下のとおり措置す る。
(ア)
予納金を領収した旨の通知書を歳入歳出外現金出納官吏から受け取
り、記 録に連綴する。
(イ)
保管金受払簿に予納済のゴム印を押し、それを確認した者の印を押
- 6 -
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す。
(ウ)
口 頭 審 理 期 日 呼 出 状 ( 様 式 2、 な お 口 頭 審 理 を 行 わ な い と き は 同 様
式 に 準 じ た 証 拠 調 べ 期 日 通 知 ) 及 び 証 人 呼 出 状 ( 様 式 3) を 起 案 し 、
決裁の上、特別送達をもって両当事者及び証人(尋問事項を記
載 し た 書 面 を 添 付 ) あ て に 送 達 す る ( 特 施 規§ 58の 3)。 な お 、 証
人尋問 を申し立てた当事者が証人 を「同行」する旨を申し 出たときは 、
証人呼 出状は送達しない。
(期日の指 定→33―01)
(エ)
a
(ウ)の書類 が送達不能であると きには、以下のとおり措置す る。
口 頭 審 理 期 日 呼 出 状 又 は 証 拠調 べ 期 日 通知 が 送 達不 能 の と きは 、 公 示
送達す る。
b
証人呼出状が送達 不能のときは、その書類を記 録に連綴する。
(オ)
(ウ)の 書 類 が 送 達 さ れ る と 郵 便 送 達 報 告 書 が 送 付 さ れ て く る か ら 、
こ れ を 記 録 に 連 綴 し 、 す み や か に 合 議 体に 回 付 す る 。
エ
イの 措 置 を 終 え た 後 に 証 人 尋 問 の 必 要 が な く な っ た と き は 、 そ の 旨 を 保
管 金 受 払 簿 ( → イ(エ)) に 記 載 し た 上 、 申 出 を し た 者 に 対 し て 通知 す る 。
上 記 の 場 合 がウの 措 置 を終 わ っ た後 に 生 じ たと きは 、他 の当 事 者及 び証 人
に 対 しても通知する。
な お、 その 通知 が間 に 合わ ず、 期日 に証 人が出 頭した ときは 、開廷し て
期 日 の延期を宣し、証人に はイ(イ)の費用を支払う。
(2) 職 権 による証人尋問 (→36―01)
手 続 や注意事項は(1)の場合に準じ るが、次の点において相違 がある。
ア
証 人は合議により選定の上、指 定する。
イ
尋 問事項書は合議体が、又はそ の指示によって審判書記官が 作成し、(1)
ウ(ウ)の手続を進める。
4. 尋 問 事 項書
(1)
証人尋問の申出をするときは、同時に、尋問事項書を特許庁、証人及び
相手方の数に応じて提出しなければならない。ただし、やむを得ない事由
が あ る とき は、審判長の定める 期間内に提出すればよい(特施規§58の2① )。
- 7 -
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(2)
尋問事項書はできる限り、個別的かつ具体的に記載しなければならない
( 特 施 規§58の2②)。
(注 ) 特 許 異 議 申 立 事 件 ( 特 § 1 2 0 )、商 標 登 録 異 議 申 立 事 件 ( 商 § 4 3 の 8 →
特§150,§151)に お い て 証 人 尋 問 な ど の 証 拠 調 べ を 行 う と き は 、 上 記
審判事件における証拠調べに準じて取扱う。
5. 出 頭 し た証人に対する費用 の支出に関する手続
(1) 審 判 書 記 官 は 証 人 尋 問 の 前 日 ま で に 、 証 人 に 対 し て 支 払 う べ き 旅 費 、 日
当、宿泊料の金額を記入した証人尋問通知書を会計課主計係に提出してお
く。
(2) 審 判 書 記 官 は 証 人 旅 費 、 日 当 、 宿 泊 料 の 請 求 書 及 び 同 領 収 書 の 各 用 紙 に
必 要 事 項を 記入した上で、当日出頭した 証人にその用紙を交付する 。
(3) 証 人 尋 問 が 終 了 し た と き 、 廷 吏 が 証 人 に 同 行 し て 会 計 課 主 計 係 に 行 き 、
証人は上記の各用紙に住所、氏名を記入し、捺印して作成した書類を提出
し て 、 旅費 、日当、宿泊料の支払を受け る。
6. 鑑 定 人 、鑑定証人
証人の場合に準ずる。当事者本人などを尋問する場合も同様であるが、こ
の場合は尋問を受ける者が出頭している当事者自身であるから、旅費、日
当 、 宿 泊料 は不要となる。
7. 検 証 の 手続
証人尋問に関する手続に準ずる。ただし、廷内における検証でない廷外検
証(実 地検証)に関する手続に ついては別に定める(→35―06及び35―07)。
8. 在 廷 証 人
予定された証人尋問が進行し、なお不明の点について在廷証人につき尋
問することを当事者の一方から申し出たような場合において、他方の当事
者も同意し、その証人尋問が既に行われた証人尋問の補足的なものと認め
ら れ るときは、これを採用し て差し支えない。
- 8 -
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ただ他方の当事者が同意しないときには、反対尋問の準備において欠け
るところがあるとも考えられるので、補足的なものであることが明らかで
な け れば採用しない方が好ま しい。
9. 書 面 尋 問
証 拠 調べは、尋問等 に代えて、書面の提出をさせることができる( 以下「 書
面 尋 問 」と いう。特§151→民訴§278、特施規§58の17)。
書 面 尋 問 の 場 合 、 宣 誓 が な く 、 反 対 尋 問 も 受 け な い の で 、 信 ぴょ う 性 の 問
題 等 が あり、実施にあたって留意する 。
(1) 書 面 尋問
ア
証 人 の 尋 問 に 代 え て 書 面 の 提 出 を さ せ る とき に は 、審 判 官 は 、尋 問 の 申
出 を した 当事 者又 は参 加人の 相手方 に対し、 当該書 面にお いて回 答を許 諾
す る 事項を記載した書面を 提出させることができる。
イ
審 判長は証人が尋問に代わる書 面の提出すべき期間を定め る。
ウ
証人は、この書面に署名押印しなければならない。
(2)
当 事者本人、鑑定人に対 する書面尋問は、上記と同 様。
10.
映 像 等 の 送受 信 に よる 通話 の 方法 によ る尋 問( 特§ 151→民 訴§ 204、特 施
規§ 58の 16)
(1) テ レ ビ会議システム(→37―02)
テレビ会議システムとは、遠隔地者が映像と音声の送受信により相手の
状 態 を相互に認識しながら通 話することができる方法であ る。尋問方法は 、
遠隔地の証人(当事者本人、鑑定人)をテ レ ビ 会 議 シ ス テ ム を 通 じ て 尋
問するというものである。
(2) 当 事 者の意見
この方法による尋問は、新しいタイプの証拠調べの方法であり、当事者
の利害に係わる面もあることから、その実施にあたり、当事者の意見を聴
い て 行う。
(3) テ レ ビ会議システムの利用
ア
必 要 な機器
- 9 -
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テレビ会議システムを利用するためには、以下の機器等が必要。テレビ会議用
の特別なソフトウェアをインストールする必要はない。
・パソコン
・インターネット回線(回線速度はADSL以上を推奨)
・ウェブカメラ
・マイクとスピーカー
イ
手続
① 利用時間が確定したら、出席者の電子メールアドレスあてに、審査第一部調
整課面接審査管理専門官から招待メールが届く。招待メールには、開催日時と招
待URLが含まる。
② 招待メールに示された開催日時以降、招待URLへのアクセスが可能。招待URL
へアクセスし、ウェブサイト上の会議室へ入室する。
ウ
委 任 状 等 の 文 書 を フ ァ ク リ ミ リで 送 付 す る 等 、 フ ァ ク シ ミ リを 利 用 し
な が ら行うことも可能
エ
テ レビ 会 議 シ ステ ム を利 用し た場 合 には 、そ の旨 及び 証人 等 が出 頭し た
場 所 を調書に記載しなけれ ばならない。
11.証人尋問における証人保護のための措置
(1)
付添い(特§151→民訴§203の2、特施規§58の15の2)
審判長は、証人の不安・緊張を緩和するのに適当な者を、証人尋問中、証人に
付き添わせることができる。
当該措置をとる場合は、審判長は、当事者及び参加人並びに証人の意見を聴か
なければならない。また、当該措置をとった場合は、必要事項を調書に記載しな
ければならない。
(2)
遮へい(特§151→民訴§203の3、特施規§58の15の3)
審判長は、証人が当事者本人又はその法定代理人の面前においては圧迫を受け
精神の平穏を著しく害されるおそれがある場合に、証人と当事者本人又はその法
定代理人との間に衝立を置くなどの措置をとることができる。また、事案の性質
等を考慮し、証人と傍聴人との間に衝立を置くなどの措置をとることができる。
当該措置をとる場合は、審判長は、当事者及び参加人並びに証人の意見を聴か
- 10 -
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なければならない。また、当該措置をとった場合は、必要事項を調書に記載しな
ければならない。
(3)
テレビ会議システム(特§151→民訴§204、特施規§58の16等)
証人が遠隔地に居住する場合に限らず、事案の性質等を考慮し、証人が審判長
及び当事者が証人尋問を行う場所において陳述するときは圧迫を受け精神の平穏
を著しく害されるおそれがあると認められる場合であって、相当と認めるときに
は、テレビ会議システムによる尋問をすることができる。
当該措置をとる場合は、審判長は、当事者及び参加人並びに証人の意見を聴き、
証人を適切な場所に出頭させる。また、当該措置をとった場合は、必要事項を調
書に記載しなければならない。
(4)
傍聴人の退廷(特§151→民訴§203の3②、§204、特施規§58の14)
証人と傍聴人との間の遮へい措置をとる場合及びテレビ会議システムによる尋
問をする場合であっても、証人が特定の傍聴人の面前においては威圧され十分な
陳述をすることができないと認めるときは、当事者及び参加人の意見を聴いて、
その証人が陳述する間、その傍聴人を退廷させることができる。
- 11 -
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様式1
予
納
通
知
平成
特許庁
年
月
審
日
判
殿
無効20××-800×××につき申出があった
証人
尋問の費用金
を本書発送の日から
円
日以内に限り当庁歳入歳出外現金
出納官吏に現金をもって予納されたい。
おって、先に提出のあった上記証人に対する尋問事項を
掲載した書面の副本2通を提出されたい。なお、この指定
期間の延長は認めない。
予納金明細
証
人
金
額
計
なお、予納金の提出後において、審判請求の取り下げ、
証人尋問の申出を伴った特許(登録)異議申立ての取下げ
又は証人尋問の申出の取下げをした場合は、予納金は還
付しますから、歳入歳出外現金出納官吏(当庁会計課)
に請求して下さい。
- 12 -
長
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様式2
口頭審理期日呼出状
平成
特
許
庁
審
年
判
月
日
長
請求人代理人
殿
被請求人代理人
殿
無効20××-800×××
請求人
被請求人
上記当事者の特許第○○○○○○○号審判事件(無効20××-800×××)
につき口頭審理期日を平成
年
月
日
午
時に指定したから、当日特許庁審判廷に出頭されたい。
おって、
月
日までに口頭審理陳述要領書を差し出されたい。
なお、当日尋問する証人は次のとおりである。
証
人
- 13 -
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様式3
証人呼出状
平成
特
年
許
庁
月
審
日
判
長
殿
無効20××-800×××
請 求 人
被請求人
上記事件につき別紙の尋問事項に関して証人として尋問するか
ら、平成
年
月
日午
時印鑑及び本状持参の上、特許庁審判
廷に出頭されたい。
(正当の理由がないのに呼び出しに応じないときは 10 万円以下の過料
に処せられることがある。)
(改訂H27.2)
- 14 -
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