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腸内細菌と細菌毒素に対するミルク自然抗体による 関節リウマチの補助

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腸内細菌と細菌毒素に対するミルク自然抗体による 関節リウマチの補助
Nutrition Journal 2011,10: 2
日本語訳
腸内細菌と細菌毒素に対するミルク自然抗体による
関節リウマチの補助療法:オープン臨床研究報告
片山耕 1)
1)
片山整形外科クリニック
松野丈夫 2) 割谷孝貴 3)
2)
旭川医科大学整形外科
寺戸国昭 3)
3)
塩野谷博 4)
. 4)
Chondrex Inc
訳者
アサマ化成株式会社
要約
背景:環境要因、特に消化管内の共生細菌が関節リウマチ( RA)の病因に含まれる と思われる。
本研究の目的は広範な病原性腸内細菌と細菌毒素にたいするミルク自然抗体が RA の病態にど
のように影響するかを評価することである.
方法:通常の抗リウマチ薬に耐性であるか、危険要因や副作用で治療できない RA 患者20名を
選んで、ミルク自然抗体を高濃度に含有する乳清蛋白濃縮物( WPC)を3ヶ月間経口摂取 させ
た.対照として、ミルク抗体を与えない、臨床背景が相応する RA 患者18例を対照群とした.
結果:関節症状の有意な軽減と消化管異常の改善が試験群において認められた.即ち、この試験
に設定した評価ポイントに基づく評価法は、米国リウマチ学会( ACR)の8評価項目の効果判
定によって、 20%以上の改善が見られた項目の数によって評価するもので 、改善例はテスト群
においてのみ認められ、 18 例(2例が摂取中止)のうち8例( 44%)が有効(ミルク抗体応答
群)
、2例( 12%)がやや有効(同弱応答群)
、無効が8例( 44%)
(非応答群)であった.ミル
ク抗体の効果は摂取の中止によって消失したが、摂取再開により再現した.重要な点として、非
応答群 8 例のうち7例は DR15 ハプロタイプ ( DRB1-1501 および DRB1-1502)であったのに
対し、応答群では7例中1例のみが DR15 陽性で、危険率 6.1 であった.更に、治験開始前の抗
LPS 抗体および抗Ⅱ型コラーゲン抗体の血中濃度は無効群 に比べて高いか、または高い傾向で
あった . このことから、関節リウマチには、消化管病原細菌と MHC クラスⅡハプロタイプの相
互作用から、2つのタイプがあると考えられた。
結論:消化管病原性細菌とそれらの細菌毒素に対するミルク自然抗体が高含量の機能性食品は、
あるタイプの関節リウマチに有効であると思われ、このような機能性食品は関節リウマチの治療
に有用なものとして注目されるべきであると思われる.
はじめに
これまでの臨床研究から、RA 患者においては腸内共生細菌が病因となっていることが示唆
されてきた.青木らは、ある RA 患者では腸内細菌の共通抗原 (分子量35万と38万の細胞外
膜蛋白 )により感作されていることを報告した( 10)
.また、 van der Heijden らは細菌細胞壁や
細菌 DNA の分解物 が RA 患者の関節に見出されることを 報告した( 17).RA 患者が菜食するこ
とにより腸内細菌叢を調節すると病気が改善することから、腸内細菌叢のバランス不調が関節リ
ウマチの病因ないし悪化要因と考えられた (18− 20).しかし、腸内細菌の取り扱いと分析法が難
しかったことから、これらの見解は免疫学者やリウマチ研究家によって認められることは無かっ
た.しかしながら、 Vaahtovuo J らは最近、ビフィズス菌、バクテロイデス /プロフィロモナス/
プレボテラグループ、フラジリス菌、ユーバクテリアレクターレ -クロストリヂウムココイデス
グループ の細菌が関節リウマチ患者では対照群 に比べて少ないことが 患者糞便細菌 の 16S rR
NA遺伝子プローブを用いたフローサイトメトリーによる分析により解明された( 21)
.
我々の研究 (4,5,22,23)や O'Mahony S の研究( 24)から、 RA では消化管免疫機能の低下に
伴い消化管粘膜の透過性の亢進があり、これが RA の病態を修飾していると仮説した( 25).例
えば、消化管粘膜から過剰な細菌毒素が吸収されることにより腫瘍壊死因子 TNF、インターロ
イキン6( IL-6)や HGMB1 などの炎症性サイトカイン( 26、27)の産生を直接的 に刺激して放
出させ、炎症反応を更に悪化させる (23, 28, 29)だけでなく、全身免疫系にも長期的に作用し
て、非特異的免疫刺激を課することになると考えられた.
消化管細菌バランスは病原細菌、非病原細菌と免疫機能の相互作用によって調節される.従
って、栄養成分が腸内細菌叢に影響することが明らかであるので、抗生物質によるよりも 食品に
よって消化管環境条件を正常化、もしくは変化させるようにすることが理にかなっている.この
観点から、我々は広範な消化管内病原性細菌とそれらの細菌毒素に対する抗体を含有するミルク
自然抗体に注目した.そこで、我々は通常の、初乳によらないウシ由来の免疫グロブリンの熱変
性を避けた、特別の条件で調整した乳清蛋白( WPC)を調製した.この WPC を高齢者のボラ
ンテイアにおいてテストしたところ、腸内細菌叢に作用して、糞便中の大腸菌数、ウエルシュ菌
数をそれぞれ 50%、80%減少させたのに対し、乳酸菌数を3倍に増やした (45).これらの知
見に基づき、本研究においては WPC の RA への影響を調べることを目的とした.このオープン
試験の結果は大規模二重盲検試験に先立って行われたもので 、このオープン試験によって、 RA
患者においてはその病態が腸内細菌と細菌毒素に関係することを明らかにすることが出来た.
方法
患者;本研究(試験番号登録: UMIN000003128)は片山整形外科リウマチ科クリニック倫理委
員会が承認し、ヘルシンキ宣言に基づいて、すべての患者から研究実施前に臨床研究同意書を得
た.片山整形外科リウマチ科クリニックにおいて診療中の、 ACR 関節リウマチ診断基準( 31)
を満たす患者であった.今回の準ランダム化試験の対象となったこれらの 38 例のボランティア
患者には、薬物療法に抵抗性の5患者、薬物アレルギー4例、合併症があって薬剤使用が危険と
なる患者9例、即ち、間質性肺炎1例、両脚重度膝屈曲拘縮症1例、がん化学療法中2例、授乳
1 例、白血球減少症 1 例、慢性心不全1例、重度骨粗鬆症1例、肺炎履歴のある患者1例が含ま
れた.いずれも代表的な関節リウマチ治療剤に対して抵抗性であったり、副作用の発現、危険要
因を有する患者であったが、すべての患者には通常の関節リウマチ治療剤がこの試験期間中も用
いられた. 38 患者のうち 20 名がミルク抗体を摂取し、これを試験群とした.残る 18 患者はミ
ルク抗体を用いない対照群とした.試験群 20 例のうち 18 例が試験を完結し、一人の男性患者
と 17 名の女性患者で、平均年齢 59.7 歳(範囲は 31-80 歳)、平均罹患期間は 114.5(範囲 3-360)
2
カ月であった.試験群のプレドニゾロンの平均投与量は 2.64mg/ 日で、赤血球沈降速度 ESR に
よる 28 関節による疾患活動性( DAS28-ESR)は、試験開始時点 で 5.64 であった.試験群と疾
患背景を同じくする対照群は男性1名女性 17 名、平均年齢 62.8(44-88)才、平均罹患期間 88.1
( 9-336)カ月であった.プレドニゾロンの平均投与量は 2.72mg /日、DAS28-ESR の平均値は、
試験開始時点 で 5.64 であった。これら2グループの患者の治験開始前のデータ は表1に示した.
表 1試験群 と対照群 の 基 礎 臨 床 動 態の 比 較
臨床動態項目
対照群
試験群
p
(
n
=18)
(
n
=18)
62.8 ± 11.4
59.7 ± 14.9
NS†
罹患期間[
月)
88.1±76.2
114.5 ± 92.6
NS†
DAS28-ESR
疼痛関節数(
TJC)
5.64 ± 0.86
12.3 ± 6.1
5.64 ± 1.37
15.9 ± 11.7
NS†
腫脹関節数(
SJC)
12.6 ± 6.2
13.9 ± 7.8
NS†
NS†
赤沈(
mm/h
r
)
46.7 ± 27.0
48.4 ± 32.9
NS†
CRP(mg/dl
)
リウマチ因子(IU/ml
)
2.5 ± 2.4
143 ± 102
2.5 ± 2.8
213 ± 292
NS†
NS†
プレドニン(
mg/日)
プレドニン(
患者数)
2.72 ± 2.29
13
2.64 ± 2.94
11
NS†
DMARD(患者数)
16
13
NS§
NS§
鎮痛剤(
患者数)
越智分類
14
11
NS§
LES
3(17%)
4(22%)
NS§
MES
12(66%)
12(66%)
NS§
3(17%)
4(22%)
NS§
合併症数
9
9
NS§
薬剤耐性
薬物アレルギー
7
2
5
2
NS§
便秘
12
12
NS§
下痢
3
2
無し
3
4
NS§
NS§
臨床評価開始時の
年齢[
年)
投薬
MUD
合併症と危険因子
NS§
消化管障害
数値は平均値±標準偏差で示した
LES:
小関節破壊型, MES:
多関節破壊型, MUD:
ムチランス型
NS:
有意差無し、†:
Mann WhitneyのU検定、§:
χ二乗検定
ミルク 抗体の投与;試験群には, 日常の治療に加え、患者は一包 10gのミルク自然抗体含有の
乳清蛋白製品[母乳のチカラ]を毎日朝食後に3カ月間摂取摂した.対照群の患者はこの補助食
品を摂らなかった.5人の患者(患者番号 198、 3188、 3709、 3240、 4119)は、後で記載する
ように此のミルク抗体治療に反応がみられた患者で、この治療が終わった後にも治療効果が再現
3
することを調べるために再度治療を行った.また、これらの患者の一人[患者番号 3240]は3
回目の治療を行った.
乳清蛋白;乳清蛋白調製品、
「母乳のチカラ」はアサマ化成株式会社により提供された.この製
品は免疫グロブリンの熱変性をおさえるための特別な条件下 で、初乳の代わりに通常のミルクよ
り製造されたもので、少なくとも 33 種のヒト病原細菌に対する抗体を高濃度に含有することが
示されている( 30).一包 10gに 240mgのミルク抗体を含有する 6gの乳清蛋白濃縮物、 3g
のフラクトオリゴ糖、 0.8gのミルクカルシウム、 0.2gのセルロースを含む.
臨床評価;試験群の患者は3ヶ月間、毎月評価し、対照群の患者は3ヶ月の前後のみ評価した.
評価は米国リウマチ学会( ACR)の評価基準に基づき、7 項目コアーセット測定値、即ち、C 反
応性蛋白( CRP )、赤沈値( ESR)、 0-66 の腫脹関節数( SJC)、 0− 68 の疼痛関節数( TJC)、
日常生活動作(m HAQ)、患者と医師による疾患活動性( VAS)、患者による疼痛度( VAS)
( 32)、
更に、ヨーロッパリウマチ学会( EULAR)による疾患活動性 DAS28-ESR( 33)による 評価を
行うことによりミルク抗体の効果を評価した.
米国リウマチ学会( ACR)による 評価方法はミルク 抗体のように、直接的に抗炎症作用や
鎮痛作用を有さない物の評価には適さないと考えられた.そこで、特にミルク抗体治療の評価の
ために“評価ポイント”制を設定した.即ち、米国リウマチ学会( ACR)の 7 項目コアーセッ
ト測定値の内、急性期反応の2変数 ESR と CRP に分けて 8 項目とした.この意図するところ
は、これらの2つの独立したマーカー CRP と ESR の重要性を平等に評価して、重要性を強調
するためである.各項目について、20%以上の改善が認められた項目を評価ポイントと定義し、
8項目の内、3項目あるいはそれ以上の評価ポイントがある場合を効果ありと判定して、その患
者をレスポンダー (応答者 )とした。評価点が2もしくはそれ以下の場合は無効、ないしノンレス
ポンダー(非応答者)とした。更に、個々の患者については、関節炎とは関係しない、例えば胃
腸の状況、食欲、体重増加、日常生活の活動度( ADL)、貧血、疲労、睡眠と体調、などの一般
的健康状態とともに、ステロイドまたは酸性消炎剤の必要量 について評価した.
血清マーカー;血清 TNF と IL-6 レベルの測定はヒト TNF-ELISA キットおよびヒト IL-6-ELISA
キット( R&D システム、ミレネアポリス、 MN、 USA)を用いた.ヒト、ウシ、ニワトリ2型コ
ラーゲン血清抗体、大腸菌 O26,O55,O111 の各菌由来 の LPS(シグマ)に対する抗体は以前に
報告したごく ELISA により測定した.即ち、 ELISA プレートは燐酸緩衝液 (µ = 0.4)、 pH 7. 6
に溶解した抗原( 5μg /ml)でコートした.抗原コートしていないウエルを各サンプルのブラ
ンクとして使用した.ブロッキングとサンプル希釈には pH 8.0 に緩衝した正常ヤギ血清を用いた
( 4).2次抗体、ビオチン結合抗ヒト IgG および抗ヒト IgA 抗体(シグマ )は 2%正常ヤギ血清
を用いて希釈した.一方、ストレプトアビジンペルオキシダーゼは 2%ミルクカゼイン加水分解
物含有 0.1M トリス塩酸緩衝液 pH 7.5 に溶解して用いた.すべての血清サンプルは100倍希釈し、
抗原と2時間室温にてインクベートした.発色はテトラメチルベンジヂン( TMB)を用い、抗
原コートしていないウエルの吸光度 (ブランク値 )を抗原コートウエルの吸光度から減じた.
抗 LPS 抗体の測定には、抗原アフィニテイ精製したウシ抗 IgG 抗大腸菌 O111LPS 抗体を対照と
4
して用い、同一プレート上のサンプルの吸光度と比較した。ウシ抗 LPS 抗体の検出はビオチン化ヤギ
抗ウシ IgG 抗体(ジャックソン イムノリサーチ、 USA)によった.ヒト血清中の抗体濃度はμ
g /mlで示した.
HLA
タイピング;HLA タイピングは各患者から採取した末梢血を用いて RSSOP 法により HLA
研究所(京都)において実施した.
統計解析;データは、特に断らない限り、平均値±標準偏差で示した.統計解析には、治療前後
の有意差検定はt検定、試験群と対照群の比較、および、応答群と非応答群の比較はマンホイッ
トニー の U 検定、罹患率と有病率の解析はフィッシャーの直接確率計算法によった.有意水準
は、特に断らない限り、p 値を5%以下とした.患者の白血球型( HLA 型)とミルク抗体の治療
効果との関係は前向きコホート研究に基づき解析し、相対リスク 値= [a/(a+b)]/[c(c+d)] の計算式
によって求めた.ここで、a は DR15 陽性の非応答患者数、bは DR15 陽性の応答患者数、cは
DR15 陰性の非応答患者数、dは DR15 陰性の応答患者数である。
結果
試験群と対照群の患者動態は同様であった (表1 ).月毎の点検で戻された「母乳のチカラ 」
の数から、飲みやすさには問題ないと判断された.しかし、 20 名の患者の内、 2 名はミルク臭
が嫌いであったので摂取を中止した.患者の一人[患者番号 3188]は2回目のミルク抗体治療
の際に便秘を悪化させた.それ以外は、副作用は見られなかった.
ミルク 抗体治療の効果
早期炎症性蛋白(CRP)や腫脹関節数(SJC)のような疾患マーカーに対する明らかな改
善が試験群において1ヶ月で表れ、この研究の最後まで見られた.この変化は対照群には見られ
なかった. 3 ヶ月の治療期間後に、 3 ヶ月の時点における評価点、ACR,および EULAR 評価基準に
よる評価を全ての患者について行うとともに 、患者と医師による一般健康状態の評価を行った
(表2の「改善の特徴」を参照のこと ).
評価点による分析の結果、ミルク抗体による治療はテスト群 18 例中 8 例( 44.4%)において有
効(表2;応答群)(評価点 3 以上)であったが、 18 例中 10 例( 55.6%)において有効ではな
かった(評価点2以下).これに対して、対照群の 18 例ではスコアー 3 であった1例を除き改善
は見られなかった (データーは示さなかった ).テスト群で、 2 以下の評価点で、改善の見られな
かった 10 例のうち、二人の患者( ID169 と ID511)は、越智分類( 34)ではムチランス型と診
断され、且つ身体機能の重い罹患状態であった患者であったが、臨床および一般健康パラメータ
ーが表2の注に記載したように明確な改善がみられたので、軽度有効と判断された(表2;弱応
答群).
評価点によって応答群に分類された 8 例のうち、 ACR の基準によって評価すると2患者は
20%の改善(ACR20)、1例は 50%( ACR50)であった.ところが、 EULAR の基準によって
DAS28-ESR に基づき評価すると、表2に示した如く、改善が1例、中等度改善が 4 例、改善無
5
しが3例であった。ACR 基準、EULAR 基準のいずれによっても 2 例の弱応答患者、8例の非応
答患者、18例の対照群に改善は見られなかった.
一般健康状態については患者と医師の両者により、疲労、貧血、運動性、日常生活動作、食
欲、便秘下痢などの消化器状況(表2注参照)の評価を行った.特長点を記すと、便秘と下痢が
対照群 の 18 例中それぞれ 12 例と 3 例、試験群 18 例中 12 例と 2 例であったことである.試験
群ではこれらの兆候は試験群で消化管兆候を有する 14 例の 11 例、即ち 7 有効例の 7 例、軽度
有効の1例( ID511)、無効群(非応答群)に属する 6 患者のうちの 3 例 (ID721,2264 および 9291)
において緩和が見られたのに対し、
対照群 15 例のいずれにおいても 見られなかった
(p< 0.01).
表2 摂取18例群におけるミルク抗体の関節リウマチ治療効果
1)
患者ID番号 評価点
2)
DAS28-ESR
ACR
基準
治療前
治療後
差
EULAR3)基準.
改善の特徴
4)
GI
一般状態
5)
HLA -DR ハプロタイプ
応答群
3709
8
20
6.01
3.64
2.54
中程度改善
C(+)
疲れ、貧血、体重減少改善,
*0101
*0405
3188
8
20
6.31
4.82
1.49
中程度改善
C(+)
生活活発度
*0404
*0405
4119
6
50
4.61
3.39
1.22
中程度改善
(
/)
運動性向上
*0901
*1406
198
5284
6
5
<20
<20
8.02
4.32
7.13
3.07
0.89
1.25
改善なし
改善
C(+)
C(+)
疲労と貧血の改善
健康感
*0803
*0410
*1401
*1502
10572
3
<20
6.12
6.08
0.04
改善なし
C(+)
食欲、睡眠
*1302
*1406
1316
3
<20
4.34
4.21
0.13
改善なし
C(+)
疲労軽減
ND
ND
3240
3
<20
5.29
4.63
0.66
中等度改善
D(+)
健康感改善
*0405
*1202
平均±SD
5.3 ±2.1
5.63±1.26 4.69±1.40
0.94±0.81
摂取前 対 摂取後 (7/7)
P<0.01
p<0.01
弱応答群
169
2
<20
5.26
6.22
-0.96
改善なし
511
1
<20
8.15
7.85
0.3
改善なし
平均
6.71±2.04 7.04±1.15 -0.33±0.89
疲労感減少, 関節内貯留減少 *0901
D(+)
-
運動性向上
*0405
*1101
*1501
*1502
1/1
非応答群
9291
3007
2
1
<20
<20
4.70
4.44
5.04
5.85
-0.34
-1.41
改善なし
改善なし
C(+)
(
/)
-
*0803
*1101
2264
1
<20
8.00
7.86
0.14
改善なし
C(+)
-
*0405
-
721
1
<20
6.33
6.29
0.04
改善なし
C(+)
-
*0405
*1501
7785
0
<20
6.22
7.58
-1.36
改善なし
C(-)
下肢の浮腫減少
*0901
*1501
2110
0
<20
ND
ND
ND
ND
C(-)
-
*0405
*1502
8861
10164
0
0
<20
<20
4.01
4.45
5.68
4.94
-1.67
-0.49
改善なし
改善なし
C(-)
(
/)
-
*0901
*0405
*1501
*1501
平均±SD
5.45±1.44 6.18±1.15 -0.73±0.74
摂取前 対 摂取後 (3/6)
NS
NS
応答群 対 非応答群
NS
P<0.05
1)
各臨床評価カテゴリーについて20%以上の改善がみられた場合を評価点1として、8評価項目について20%以上の評価が得られた項目数。
2)米国リウマチ学会評価基準。
3)DAS28-ESRによるヨーロッパリウマチ学会評価基準。
4)消化管障害、c:
便秘、D:下痢、(+):改善、(
-)
:改善なし、(/):消化管障害なし
5)ADL:
日常活動の活動度。ND :
測定していない。NS:有意差なし
臨床マーカー値にみられるミルク抗体処置の効果
ミルク抗体による治療により、8 項目の主要変数に与える経時的な変化を、ミルク 抗体投与
群における応答群と非応答群に分けて、ミルク抗体非投与対照群と比べて図1に示した.
非投与対照群においては、ESR(赤沈値p< 0.05)、TJC(疼痛関節数p< 0.01)共に、
この3カ月の期間に増加したのに対し、試験群の応答群では、8 主要変数の全てについて減少か
減少傾向を示したが、非応答群ではこれらすべての変数は変わらないか、または増加する傾向で
6
あった.
最も著しく、かつ着実な改善はCRP( C 反応性蛋白値p< 0.01)とSJC( 腫脹関節数p
< 0.01)に認められた事であるが、それに加えて、有意な改善が他の4項目、即ち、ESR (赤
沈値、p< 0.05)、関節痛(VA S,p< 0.05),患者及び医師による全般的評価(VAS、p<
0.01)、において認められた事であった.これらの動向に関連し、対照群と非応答群のDAS 28
値も、5.64± 0.86 から 6.29± 0.94(p< 0.05)及び 5.45± 1.44 から 6.18± 1.15(NS)へと増
加、ないし、増加傾向であったのに対し、反応群のDAS 28 値は 5.63± 1.26 から 4.66± 1.43
(p< 0.01)へと有意に減少した (表2 ).
ミルク 抗体による 治療効果の再確認
ミルク抗体治療の応答群の 5 名の患者( ID198,3188,3700,3240,4119)は、4ヶ月のウォッ
シュアウト期間の後、再度3ヶ月間のミルク抗体治療に参加した.最初のミルク抗体治療におい
て CRP と ESR は低レベルに減少し、その期間中は低レベルを維持したが、緩やかに上昇し始
め、中止後2ヶ月で元の状態に戻った(図 2a,2b)が、2回目の治療でCRPとESRレベルは
再び減少し、治療を止めると上昇した.同様に、TJC(疼痛関節数)、SJC(腫脹関節数)
値もこの2回目の治療により改善傾向
(TJCの平均値は 12.4 から 9.6 へ、SJCの平均値 13.2
7
から 8.8 へ)を示した。DAS 28-ESR については、この2回目の期間中に一患者(ID 3188)
の便秘が悪化した例を除き、減少傾向を示した(図2疾患活動性 )
.
8
ミルク 抗体治療による反応群と非反応群の異なる点には DR15 ハプロタイプが関与する可能性
について
反応群と非反応群の基本的な違いを明らかにするために、この治療開始前の生物学的な指標
について比較した(図3).炎症反応を示すマーカーである血清 TNF と IL-6 には有意な違いは
無かった.しかし、反応群のヒトⅡ型コラーゲンに対する抗体レベルは非反応群よりも高値であ
った(p< 0.05).同様に、図3に示した如く、血清抗 LPS− IgG 抗体および IgA 抗体レベルも
応答群においては非応答群よりも高いか、または高い傾向であった( IgG:p=0.052,IgA:p<0.05)。
特に注目すべきは、応答群の7例中1例のみが HLA 検査において DR15 ハプロタイプが陽性で
9
あったのに対し、非応答群では8例中7例が陽性であったことである (p< 0.05).前向きコホー
ト解析により DR15 陽性の相対リスク度は 6.1 であった(DR15 陰性患者と陽性患者でミルク抗
体投与によるリウマチ症状が改善した患者数を比較すると、DR15 陰性患者の方が陽性患者に比
べて 6.1 倍多い
訳者注)
.これに 対し、 DR4( DRB1-0404 および 0405)のそれは 0.88 であっ
た(表2)
.
考察
ミルク抗体については、通常の初乳や特別なワクチン免疫ウシ由来の初乳由来の抗体製
品が新生畜産動物、小児やエイズ患者の感染性下痢の治療に有用な補助食品としてテスト
されている(総説35参照).ミルク抗体は病原菌の過剰な増殖を抑えて細菌毒素の産生を
減らすという我々のこれまでの研究に基づき、我々はRA患者の病状に対するミルク抗体
の効果を調べた.対象としたRA患者は、薬剤抵抗性、合併症やその他の危険因子がある
ために現行の治療ではコントロールできない18名のRA患者で、うち10名に臨床的な改善
が見られた.この反応群では、CRPとESR値が有意に低下し、投与中及び投与終了後
も1カ月にわたって続いたことから、ミルク抗体の疾病に対する効果は単にプラセボ効果
以上のものである事を示している.特に、重要と思われる点は、自然抗体の摂取はほとん
どの症例に於いて関節炎とCRPやESR値などの臨床マーカーの改善と共に消化管症状
の改善を伴ったことである.しかし、非応答群の3例の患者では、消化器症状の改善があ
ったものの関節症状には明確な完全は見られなかったことから、RAの病因にはもっと他
の病因が関与しているか、または単に今回の治験に用いられたミルク抗体の投与量(免疫
グロブリンとして240mg)が少なかったためであろう.今回の治験に加わった患者の殆ど
は高齢(60±15才)であるので、消化管免疫機能の加齢による機能低下があり、老齢ラッ
トにおいて示された如く(36)乳酸菌食品のケフィアによる免疫増強作用に反応出来ない
状況にあり、その結果、病原細菌の過剰増殖を許す結果となり、腸内細菌バランスがある
一定の病原性細菌の過剰増殖の状態に至ったものと思われる.若年成ラットにおいては,ケ
フィアは小腸内に接種されたコレラトキシンに対して免疫応答を高めるのであるが、老齢
ラットではケフィアは有効に作用しないのである.患者の殆どが、消化管障害やそれに関
連する疾患に罹っていた高齢者であるので、消化管内の細菌に直接作用するミルク抗体は
ケフィアに優ると考えられる.この考えは我々が以前に得たか研究結果によっても支持さ
れるものである.すなわち、47名の高齢者ボランテイア において、ミルク抗体の腸内細菌に
対する影響を調べた研究において、大腸菌 、ウエルシュ菌、ディフィシル菌、クロストリヂウム
サブクラスターXIV a
OTU369,バクテロイデス
OTU853が減少したのに対し、乳酸菌、バ
クテロイデスフラジリス、バクテロイデス菌とプレボテラ菌属、クロストリヂウムサブクラスタ
ー XIVa
OTU995、バクテロイデス OTU366、未同定細菌 OTU443の増加があった( 45).重要
な事として、ウシ免疫グロブリンは部分的には消化に耐性で( 37)有るということである.実際、
一日摂取量 320mgの約 800μg( 0.24%)を糞便中に回収した。これらの知見は RA 患者が菜食
10
することにより腸内細菌叢が変わり疾患活動度が改善したという以前から報告されている知見
に一致する( 18,19).
細菌細胞、
菌体構成成分や細菌毒素のトランスロケーションが各種ストレス、
即ち、
寒冷
( 38)、
熱( 39)、精神( 40)、非ステロイド性消炎鎮痛剤( 41)、外科手術( 42)、便秘( 43)などの
ストレスによって増加する. Khalifらは慢性便秘患者においては、糞便中の大腸菌、ブドウ球菌
が増えるとともに、消化管粘膜の透過性が正常にくらべて 30倍増加し、結果として、大腸菌やブ
ドウ球菌に対する抗体価が便秘患者では増える事を報告した( 43).ミルク抗体は、同様なメカ
ニズムを介して、エンドトキシン( 42)や炎症性分子やアジュバント効果のある病原細菌由来の
成分( 44)のトランスロケーション を間接的に減少させ、 RA 患者の疾患活動度に影響を与えて
いると考えられる.
この研究において、ミルク抗体摂取前に採取した血中抗体を応答群と非応答群とで較べると、
大腸菌 LPSに対する IgA,
IgG抗体レベル( IgA:p<0.05、IgG=0.052)および 抗ヒト II型コラーゲン
抗体(p< 0.05)、抗ウシ II型コラーゲン抗体(p< 0.06)ともに反応群で、有意に高いか高い
傾向であった.このことは、応答群では、 Khalifら( 43)が示した如く、粘膜透過性が高い可能
性がある.この観点から、RA 患者の中には、分子量 35及び 38KDの腸内細菌外膜蛋白により感作
されてる例があること( 10)、更に、細菌細胞壁の分解成分や細菌由来の核酸が RA の関節に見
出される( 17)ことなどは注目すべき重要な事実であると考えている.
以上に述べた現象は我々が今回の研究で見出した DR15陰性度とミルク抗体応答性との遺伝
的背景に関連すると思われる.即ち、ミルク抗体に反応しなかった白血球遺伝子型 HLA が DR15
陽性の患者は、LPSや II型コラーゲンに対する抗体が低かった.DR15が如何にして ミルク抗体へ
の非応答性に拘わっているかは、今の段階では明確ではないが、 RA には消化管病原細菌とクラ
ス IIの MHC遺伝子型 の関係で、 2つのタイプが有ると思われる.自己免疫病の原因病理論には環
境要因が含まれることは有りうる .Toll様受容体( TLRs )は LPSなどの細菌成分を認識して自然
免疫及び獲得免疫系の活性化の役割を演じているからであろう( 44).
結論
活性型ミルク自然抗体を含有する乳清蛋白はあるサブセットの関節リウマチ患者にとって
安全に使用できる補助食品であると思われる.この試験的研究の結果は、今回の仮説を科
学的に検証ための次の無作為治験の実施を勇気づけるものとなった.
謝辞
著者らは本論文の作成にあたりヘルシンキ大学医学部教授 Konttinen YT 博士の真摯な御指導
に深く感謝申し上げます.また本研究に参加頂きました患者様と看護師に感謝申しあげます .
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