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鹿児島県再生可能エネルギー導入ビジョン
鹿児島県再生可能エネルギー導入ビジョン 【概要版】 鹿 児 島 県 1 ビ ジ ョ ン 策 定 の 趣 旨 (1) ビジ ョ ン策定の背景・趣旨 本 県では,2002(平 成 14)年 に策定 した「鹿児 島県新エネ ルギー導入 ビジョン」を 20 11(平 成 23) 年 に 改 定 し , 本県 の地 域特 性を生かし た,新 エネルギ ーの更なる 導 入促 進を図って き ま し た 。 こ の改定と 時 期 を 同 じ く し て 東 日 本大震災や福 島第一原 子力発電所 の事故が 発生し, 国 内に おけるエネ ル ギ ー の 安 定 供 給 体制 の災害に 対する脆 弱性や,原 子力の安 全確保に関 す る課 題が改めて 浮 き 彫 り と な る と とも に,再生 可能エネ ルギーに対 する期待 はこれまで 以 上に 高まってき ま し た 。 こ のため, 国 は 2010( 平 成 22) 年に改定し た「エネ ルギー基本 計画」を 見直すこ と とし ,2014( 平 成 26)年 に 新 し い「エ ネルギー基 本計画」を 策定しまし た。 県 では,国 の エ ネ ル ギ ー 政 策 の 動 向や新し い「 エネルギー 基本計画」などを踏 まえ, 「鹿 児島 県新エネル ギ ー 導 入 ビ ジ ョ ン 」を 見直すこ ととし, ビジョンの 対象とす るエネルギ ー を新 エネルギー か ら 再 生 可 能 エ ネ ルギ ーに拡大 するとと もに,導入 目標や導 入促進に向 け た取 組等につい て 見 直 し を 行 い , 新た に「鹿児 島県再生 可能エネル ギー導入 ビジョン」 と して 策定するこ と と し ま し た 。 (2) 再生 可 能エネルギー導入の意義 再 生可能エ ネ ル ギ ー の 導 入 は , ① エネルギー自 給率の向 上,②温室 効果ガス の削減, ③ 雇用 の創出,④ 地 域 の 活 性 化 , ⑤ 非常 時のエネ ルギーの 確保,⑥化 石燃料調 達に伴う資 金 流出 の抑制,⑦ 産 業 の 国 際 競 争 力 の強 化など多 岐にわた るメリット がありま す。 こ のような メ リ ッ ト を 持 つ 再 生 可 能エネルギー は,一度 利用しても 比較的短 期間に再 生 が可 能で,資源 が 枯 渇 し な い エ ネ ルギ ーであり ,有限な 資源である 石油等に 代わるクリ ー ンな エネルギー と し て 更 な る 普 及 を促 進する必 要がある と考えます 。 (3) ビジ ョ ンの位置付け 本 ビジョン は , 本 県 の あ る べ き 姿 や進むべき方 向性を明 らかにした 「かごし ま将来ビ ジ ョン 」や,国の 新 し い 「 エ ネ ル ギ ー基 本計画」 との整合 性を図りな がら,本 県における 自 然的 ・社会的地 域 特 性 を 生 か し た 再生 可能エネ ルギーの 導入を計画 的に進め るための指 針 であ り,また ,県 民 ,事 業 者 ,市 町 村 等が再生 可能エネ ルギーの導 入に対する 理解を深め , その 導入を促進 す る た め の 指 針 と なる ものです 。 (4) 計画 期 間 本 ビジョン の 計 画 期 間 は 2014(平成 26 )年度 から 2020(平成 32)年度 までの 7 年間 とします。 1 2 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー の 種 類 石油 ・石炭など の 化 石 燃 料 は 限 り がある エネル ギー資源 です。これ に対し, 太陽光や太 陽 熱,水 力,風力, バ イ オ マ ス , 地 熱 など のエネ ルギーは ,一度利用 しても比較 的短期間に 再 生が可 能であり ,資 源 が 枯 渇 し な いエ ネル ギーです。これらは , 「再生 可能エネルギー」と い われま す。 「エ ネルギー供 給 事 業 者 に よ る 非 化石エ ネルギ ー源の利 用及び化石 エネルギ ー原料の有 効 な利用 の促進に関 す る 法 律 施 行 令 」 では ,太陽 光,風力 ,水力,地 熱,太陽熱 ,大気中の 熱 その他 の自然界に 存 す る 熱 ( 地 熱 , 太陽 熱を除 く。),バ イオマス( 動植物に由 来する有機 物 であっ てエネル ギ ー 源 と し て 利 用 する こ とがで きるもの をいう。)を 再生可能エ ネルギー源 と して定 義していま す 。 こ れ に , 海 洋 エネ ルギー を加えた ものを,本 ビジョンに おける再生 可 能エネ ルギーと 定 義 し , 以 下 の と おり 区 分する こととし ます。 2 3 本 県 の エ ネ ル ギ ー 消 費 状 況 本県の 2011( 平成 23)年 度 に お ける 最終エネ ルギー消費 量は,163,004 百 万 MJ で あ り , こ れ に 占 め る 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 利 用 に よ る エ ネ ル ギ ー の 消 費 量 の 割 合 は 8.7 % (14,143 百 万 MJ) と 推 計 さ れ ま す 。 また ,電 力消 費 量 は 11,047,253 千 kWh であり ,これ に占める 再生可能エ ネルギー利 用 による 電力の消 費 量 の 割 合 は ,18.6%(約 2,050,428 千 kWh)と推 計されま す。 4 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー の 導 入 状 況 と 課 題 (1) 再生 可 能エネルギーの導入状況 2011(平 成 23) 年 3 月 に 改 定 した新 エネルギ ー導入ビジ ョン(「2011 ビジョン 」) に掲 げられた 2020( 平 成 32)年 度の 導入目標と,2012(平成 24)年度 末現在の導 入 実績 は以下に示 す と お り で す 。 太 陽光発電 は ,2009 ( 平 成 21)年 11 月から余 剰電力買 取制度が始 まったこ ともあり , 県内 においても 住 宅 用 の 導 入 が 急 速に 進んでい ます。ま た,2012(平成 24)年 7 月 か ら始 まった固定 価 格 買 取 制 度 に よ りメ ガソーラ ーの導入 も進んでい ます。そ の他の再生 可 能エ ネルギーに つ い て は , 徐 々 に 導入 は進んで いますが ,今後,更 なる導入 促進を図る た め, 県民や事業 者 に 対 し , 再 生 可 能エ ネルギー に関する 情報提供を 行うなど ,普及啓発 活 動が 必要と考え ら れ ま す 。 県内における再生可能エネルギーの導入状況 区 2012(平 成 24)年 度 末 「 2011 ビ ジ ョ ン 」 導 入 目 標 導 入 実 績 (A) (2020(平 成 32)年 度 )(B) 分 達成率 (A)/(B) 太陽光発電 147,340 kW 592,000 kW 24.9% 風力発電 218,415 kW 229,000 kW 95.4% 水力発電 255,342 kW − − 6,222 kW − − うち,小水力発電 うち,農業用 ダム等利用 地熱発電 1,584 kW 3,000 kW 60,100 kW − − 導入事例を数例作る − 45,900 kW − − 106,710 kL − − う ち ,バ イ ナ リ ー 方 式 発電 52.8% 0 kW 黒液 熱利用 バイオマス エネルギー 黒液 発電 を除く 熱利用 11,650 kW (5,247 kL) 23,700 kL 58.9% 426 kL 3,000 kL 14.2% 42,771 kL 122,000 kL 35.1% 8,720 kL 燃料製造 太陽熱利用 温 度 差 熱 利 用 (下 水 熱 利 用 ) 0 kL 導入事例を数例作る − 海洋エネルギー発電 0 kW − − 資料 県エネルギー政策課 備考 kW は 発 電 容 量 の 単 位 , kL は 熱 エ ネ ル ギ ー の 単 位 ( 原 油 換 算 )。 3 (2) 再生 可 能エネルギー導入における課題 再 生可能エ ネ ル ギ ー 導 入 に 際 し て は,全般的に ,①経済 性(既存の エネルギ ーと比較 し て発 電コストが 高 い ), ② 出 力 安 定 性(自 然条件に 左右される ため出力 が不安定),③設 備 利用 率(設備 利 用 率 が 低 い),④ 系 統接続容 量(送 電網の脆弱 性や,太陽光発 電や風力発 電 が増 えると送配 電 が 不 安 定 に な る 恐れ )などの 課題があ ります。 5 再 生 可 能 エネルギーの賦 存 量 及 び利 用 可 能 量 調査 対象とした , 本 県 の 再 生 可 能 エネ ルギーの 賦存量は ,原油換算 で 4,008 千 kL/年 , 利用可 能量は 2,240 千 kL/年 と 推 計 されま す。 本県における再生可能エネルギーの賦存量及び利用可能量 賦存量 区 分 利用可能量 熱量換算 原油換算 ( 百 万 MJ/年 )( 千 kL/年 ) 割合 (%) 熱量換算 原油換算 ( 百 万 MJ/年 )( 千 kL/年 ) 割合 (%) 太陽光発電 53,822 1,389 34.6 21,686 560 25.0 風力発電 50,079 1,292 32.2 36,014 929 41.5 水力発電 4,441 115 2.9 4,384 113 5.0 地熱発電 16,499 426 10.6 7,041 182 8.1 バイオマスエネルギー 18,431 476 11.9 6,685 172 7.7 太陽熱利用 10,200 263 6.6 10,200 263 11.7 1,863 48 1.2 820 21 0.9 155,336 4,008 100.0 86,830 2,240 100.0 その他の熱利用(下水熱) 合 6 計 再 生 可 能 エネルギー導 入 の基 本 方 針 本県 の地域特性 を 生 か し た 再 生 可 能エ ネルギー の導入を 促進するた め,本県 における再 生 可能エ ネルギー導 入 の 基 本 方 針 を 定 める ととも に,導入 が期待され る再生可 能エネルギ ー に ついて 導入目標 を 定 め ま す 。 また ,この導入 目 標 を 達 成 す る た め, 再生可能 エネルギ ー導入促進 に向けた 取組を示す と ともに ,県民,事 業 者 , 行 政 の そ れ ぞれ の役割 を明らか にし,関係 者が相互 に連携を図 り な がら, 再生可能 エ ネ ル ギ ー の 導 入 を促 進 します 。 ① 地域 特 性 を 生 か し た 再 生 可 能エ ネルギー の 導入を促 進 し ます。 ② 再生 可 能 エ ネ ル ギ ー 等 の 優 先的 な利用に 努 め,温室 効 果 ガス排 出 を 抑制し ま す 。 ③ 県民 ・ 事 業 者 ・ 行 政 が 一 体 とな った再生 可 能エネル ギ ー の導入 を 促 進しま す 。 ④ 再生 可 能 エ ネ ル ギ ー に 関 す る理 解や意識 の 向上に努 め ま す。 ⑤ 再生 可 能 エ ネ ル ギ ー 関 連 企 業の 育成等に よ り,地域 振 興 を促進 し ま す。 4 7 再 生 可 能 エネルギーの導 入 目 標 利用 可能量や導 入 実 績 , 県 民 等 意 識調 査等を基 に設定し た導入目標 は以下の とおりです 。 2020(平成 32)年度における本県の再生可能エネルギー導入目標 導入実績 区 発電 分野 分 2012 年 度 末 ( 平 成 24 年 度 末 ) 1,000,000 kW 6.8 倍 風力発電 218,415 kW 287,000 kW 1.3 倍 水力発電 255,342 kW 279,000 kW 1.1 倍 6,222 kW 29,880 kW 4.8 倍 60,100 kW 62,000 kW 1.0 倍 0 kW 1,900 kW 皆 増 57,550 kW 89,000 kW 1.5 倍 0 kW 導入事例を数例作る うち,小水力発電 バイオマス発電 海洋エネルギー発電 太陽熱利用 バイオマス熱利用 8 ― 42,771 kL 135,000 kL 3.2 倍 115,430 kL 131,000 kL 1.1 倍 0 kL 導入事例を数例作る 426 kL 3,000 kL その他熱利用(下水熱) 備考 2012 年 度 比 147,340 kW うち,バイナリー方式 燃料製造 分野 2020 年 度 末 ( 平 成 32 年 度 末 ) 太陽光発電 地熱発電 熱利用 分野 導入目標 バイオマス燃料製造 ― 7.0 倍 kW は 発 電 容 量 の 単 位 , kL は 熱 エ ネ ル ギ ー の 単 位 ( 原 油 換 算 )。 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 導 入 の 効 果 (1) 化石 燃 料の代替効果 再 生可能エ ネ ル ギ ー は , 多 く が 国 内で調達可能 なエネル ギーであり ,再生可 能エネル ギ ーの 導入により , 化 石 燃 料 へ の 依 存度 を下げる 効果があ ります。 本 ビジョン の 導 入 目 標 に 掲 げ た 再 生可能エネル ギーを導 入すること により得 られる化 石 燃料 の代替効果 は , 原 油 換 算 で 約 591 千 kL と なります 。 (2) 最終 エ ネルギー消費量に占める再生可能エネルギー利用量の割合 本ビジョ ン の導 入 目 標 に 掲 げ た 再生可能 エネル ギーを導入することに より,再 生可能 エ ネルギー 利 用に よ る エ ネ ル ギ ー の 消費量 は,22,918 百万 MJ と推計 され,2020(平 成 32)年度の本 県 の 最 終 エ ネ ル ギ ー 消費量を 2011(平 成 23)年 度と同じと仮 定すると, 再 生可能エ ネ ルギ ー の 割 合 は 14.1% となりま す。 (3) 電力 消 費量に占める再生可能エネルギー利用量の割合 本 ビジョン の 導 入 目 標 に 掲 げ た 再 生可能エネル ギーを導 入すること により, 再生可能 エ ネル ギー利用に よ る 電 力 の 消 費 量 は,約 3,492 百万 kWh と推計さ れ,2020(平成 32) 年度 の本県の電 力 消 費 量 を 2011(平成 23)年 度と同じ と仮定する と,再生 可能エネル ギ ーの 割合は 31.6%と な り ま す 。 5 9 再 生 可 能 エネルギー導 入 促 進 に向 けた取 組 (1) 再生 可 能エネルギーの種類ごとの取組 太陽光発電 バイオマスエネルギー 県内の太陽光エネルギーの利用可能量は大き く,県民や事業者における認知度や導入意識も 高いことから,積極的な普及啓発に努めるとと もに,導入コストの低減を図るため,国の助成 制度等の活用を図りながら,住宅,公共施設, 事業所等への導入やメガソーラー等大規模施設 の導入を促進します。 (発電,熱利用,燃料製造) 木質,家畜排せつ物,廃食油等のバイオマス エネルギーの利用は,導入コスト等が割高なこ と や ,原 料 の 安 定 供 給 体 制 の 未 整 備 な ど に よ り , 県内において十分普及していない状況がありま す。 「 鹿 児 島 県 バ イ オ マ ス 利 活 用 推 進 計 画 」に 基 づき,これらの課題を解決しながら,導入を促 進します。 風力発電 県内における大型の風力発電は年々設置基数 が増加しています。全国的に景観や騒音・低周 波音などの問題が発生していることから,建設 にあたっては,景観面への配慮や,騒音・低周 波音,バードストライクなどの環境面へ十分に 配慮しながら,導入を促進します。 太陽熱利用 比較的コストが安く,エネルギー変換効率も 高いため,温室効果ガスの排出量削減効果や費 用対効果に優れています。今後は,太陽光発電 と太陽熱利用を一体化したハイブリッド型シス テムなど最新の技術に関する情報提供の内容等 を充実させ,導入を促進します。 水力発電 これまで電力会社が設置しているものや,県 内の農業用ダムなどに設置されていましたが, 近年,民間事業者による建設や計画が進められ ています。多目的ダム,農業用ダム,農業用水 路,砂防えん堤,上下水道施設等の既設構造物 の未利用落差や未利用河川を利用した導入を促 進します。 その他の熱利用 空気熱や地中熱などの熱利用については,県 内における導入の可能性はあると思われます が,技術等の情報不足等により導入は進んでい ない状況です。 今後は,国の支援制度など情報提供する内容 等を充実させ,導入を促進していきます。 地熱発電 海洋エネルギー発電 県内では,霧島や指宿において開発の可能性 調査が行われていますが,開発費の問題があり ます。また,開発の可能性がある場所は,温泉 地域から比較的近い場所が多いことから,関係 者との調整が必要です。バイナリー方式につい ては,県内における導入の可能性は十分にある と思われます。利用方法・場所・技術等につい ての情報提供を充実さ せ,導入を促進します。 本県は,広大な海域と長い海岸線を有してお り,海洋エネルギー発電については潜在的な可 能性があるものと考えますが,現時点では,技 術的には実証段階にあ ります。 これまでに実施した海洋再生可能エネルギー 開発可能性調査などの結果について情報発信を 行い,事業化に向けた 取組を進めていきます。 (2) 普及 啓 発 地球温暖 化 の進 行 や 福 島 第 一 原 子力発電 所の事 故を契機に,県民や 事業者 等の再生可 能 エネルギ ー に対 す る 関 心 は 高 ま っ てきて います が,コス ト面など様 々な課 題がある再 生 可 能エネル ギ ーの 導 入 を 促 進 す る た めには ,県民 や事業者 等の更なる 関心や 理解を深め る こ とが重要 で す。こ の た め ,県 民 や 事 業者等に対 し,様々 な広報 やイベント等 を通じて再 生 可能エネ ル ギー に 関 す る 情 報 提 供 を行う など, 一層の普及啓発活動を推 進します。 (3) 市町 村 の再生可能エネルギー導入ビジョン策定に対する助言等 再生可能 エ ネル ギ ー の 導 入 を 促 進するた めには ,市町 村にお ける取組も 重要です。そ の ためには ,地域 の 特 性 を 生 か し た 再生 可能エネ ルギーの 計画的な導 入を図 るための基 本 方 針や目標 を 定め た 再 生 可 能 エ ネ ル ギー導 入のビ ジョン策定を促進する必 要がありま す 。県 では,ビ ジ ョン 策 定 に 対 す る 助 言 等を 行 い , 市 町 村 に お ける ビ ジ ョ ン 策 定 を 促 進し ま す 。 6 (4) スマ ー トグリッド・マイクログリッドの導入促進 再生可能 エ ネル ギ ー 等 の 多 様 な 供給力の 最大活 用によって,リスク 分散と 効率性を確 保 する分散 型 の次 世 代 電 力 供 給 シ ス テムで ある「スマー トグリ ッド」の導入 を促進して い き ます。また,再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー と 蓄電池とを 組み合わせ,地 域内で安定的 に電力を供 給 すること が でき る 「 マ イ ク ロ グ リ ッド」 の導入 を促進します。 (5) 再生 可 能エネルギー産業の育成 県内の企 業 ,大 学 ,研 究 機 関 等 が 所有する 技術,研究成 果,人 的資源等を 生かした新 た なビジネ ス モデ ル の 構 築 や,関 連 企 業の積 極的な 誘致活動を 展開し,地域 の活性化を図 り ます。 (6) 防災 拠 点施設等への導入促進 再生可能 エ ネル ギ ー や コ ー ジ ェ ネレーシ ョン,蓄電池シス テムなど による 分散型エネ ル ギーシス テ ムは ,災 害 発 生 に 伴 う 交通 途絶によ り孤立化 する可能性 のある 山間部等の 僻 地 において ,有 効 な電 力 供 給 シ ス テ ムです。このため ,県地 域振興局・支庁 庁舎や,市 町 村 庁舎,警察署 庁 舎 ,消 防 本 部 庁 舎 ,災 害協定を締 結して いる 民間施 設等において ,再生 可 能エネル ギ ーや コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョン, 蓄電池 システムなどの導入を促 進します。 (7) 自立 分 散型のエネルギーの導入促進 再生可能 エ ネル ギ ー 等 を 活 用 し た自立・分散 型エ ネルギーシ ステムの導 入等による「 災 害に強く 環 境負 荷 の 小 さ い 地 域 づ くり」が国を挙 げての課題 となって おり,現在 ,国に お いて自立・分 散 型 エ ネ ル ギ ー シ ス テム構築 に向け た実証試験 を行っていま す。国の実証 試 験の結果 等 を踏 ま え て , 本 県 に お ける取 組につ いて検討していきます。 (8) グリ ー ン電力証書制度・カーボンオフセット制度等の活用 再生可能 エ ネル ギ ー の 導 入 を 促 進するた め,太 陽光発電 等で発電し た電力 を環境付加 価 値として 売 買す る グ リ ー ン 電 力 証 書制度 や,木 質バイオ マス等を利 用した カーボンオ フ セ ット制度 等 の周 知 を 図 り , 再 生 可 能エネ ルギー の導入を促進します。 (9) 地球 温 暖化対策としての評価 再生可能 エ ネル ギ ー の 導 入 を 考 えるとき ,そ の評 価は経済的 な評価だけ ではなく,温 室 効果ガス の 排出 量 削 減 に ど の 程 度 貢献す るかを 評価する必要があります。たとえば,広 域 に賦存す る バイ オ マ ス な ど は,収 集・運搬する 際に化石燃料を消費す るため,それらの 燃 料消 費 を含 め た 総 合 的 な 評 価 が 必 要 にな り ま す。 再 生可 能 エネ ル ギ ー 導 入 に 当 た っ て は , このよう な 総合 的 な 評 価 を 考 慮 し た導入 に努め ることとします。 10 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 導 入 促 進 に 向 け た 推 進 体 制 (1) 県民 ・ 事業者・行政との連携 県におい て は ,県民 ,市 町 村 ,事 業者,民間団体 との連 携を 図りな がら,地域特性を 生 かした再 生 可能 エ ネ ル ギ ー の 導 入 を促進 します 。 (2) 国や 関 係機関との連携 国や大学 な ど関 係 機 関 と の 連 携 を図りな がら,再生可能エ ネルギー の導入 を促進しま す 。 (3) 県の 推 進体制 庁内の推 進 組織 で あ る「 県 庁 再 生可 能エネルギ ー導入 推進連絡会 」にお いて,協議・調 整等を行 い ,円 滑 か つ 効 率 的 に 推 進しま す。 表紙の写真:鹿児島七ツ島メガソーラー発電所(鹿児島メガソーラー発電株式会社提供) 鹿 児 島 県 再 生 可 能 エネルギー導 入 ビジョン【概 要 版 】 発 行 日 平 成 26 年 4 月 発 行 者 鹿 児 島 県 企 画 部 エネルギー政 策 課 〒 890-8577 鹿 児 島 市 鴨 池 新 町 10 番 1 号 TEL 099-286-2431 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